JP2015199862A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムと、窒素吸着比表面積が20〜200m2/gであり、かつ水に分散させた5%シリカ分散水溶液のpHが7〜12であるシリカとを含むゴム組成物を用いて作製したアンダートレッド、サイドウォール、ウイング、プライトッピング及びブレーカートッピングからなる群より選択される少なくとも1種の部材を有する空気入りタイヤに関する。
【選択図】なし
Description
前記ゴム組成物は、高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムと、窒素吸着比表面積が20〜200m2/gであり、かつ水に分散させた5%シリカ分散水溶液のpHが7〜12であるシリカとを含む。ゴム成分として前記改質天然ゴム、シリカとして特定の窒素吸着比表面積を有し、かつ水に分散させた5%シリカ分散水溶液が特定pHを示すシリカを併用することで、前記各種性能が相乗的に改善され、これらの性能バランスが顕著に改善される。
タンパク質、リン脂質などの非ゴム成分を除去して高純度化するとともに、ゴムのpHを適切な値にコントロールした改質天然ゴムであるため、低燃費性、加工性、耐屈曲亀裂成長性、ゴム強度、接着強度、破断強度が改善される。また、非ゴム成分の除去やゴムが塩基性又は強酸性となることで、ゴムの劣化が進行し易くなるが、ゴムのpHを所定範囲に調整することで、保存中の分子量の低下が抑制されるので、良好な耐熱老化性が得られる。その結果、混練工程でのゴム物性の低下防止、充填剤の分散性向上が実現し、前記各種性能の性能バランスが相乗的に改善される。
(工程1−1)
工程1−1では、天然ゴムラテックスをケン化処理する。これにより、ゴム中のリン脂質やタンパク質が分解され、非ゴム成分が低減されたケン化天然ゴムラテックスが調製される。
工程1−2では、前記工程1−1で得られたケン化天然ゴムラテックスを洗浄する。該洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程1−3では、前記工程1−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。前記のとおり、当該処理を施すことでゴム全体のpHが2〜7に調整され、前記各種性能に優れた改質天然ゴムを提供できる。なお、塩基性化合物の処理などに起因して耐熱老化性が低下する傾向があるが、更に酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性が得られる。
このような中和により、優れた耐熱老化性が得られる。該pHの上限は、より好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下である。下限は特に限定されず、浸漬時間にもよるが、酸が強すぎるとゴムが劣化したり、廃水処理が面倒になるため、好ましくは1以上、より好ましくは2以上である。なお、浸漬処理は、酸性化合物の水溶液中に凝集ゴムを放置しておくこと等で実施できる。
(工程2−1)
工程2−1では、天然ゴムラテックスを脱蛋白処理する。これにより、タンパク質などの非ゴム成分が除去された脱蛋白天然ゴムラテックスが調製できる。工程2−1で使用する天然ゴムラテックスとしては、前記と同様のものが挙げられる。
工程2−2では、前記工程2−1で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄する。該洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程2−3では、前記工程2−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。塩基性化合物での処理はもちろん、酸凝集においても酸量が少ない場合、最終的に得られたゴムを水で抽出した際、アルカリ性〜中性になることに起因して耐熱老化性が低下する傾向がある。一般的に、好適に脱蛋白できるという理由から、蛋白質分解酵素として、アルカリ領域に至適pHを有する酵素が使用されており、当該酵素反応は、至適pHに合わせてアルカリ条件下で行われることが多く、最終的なゴムのpHを2〜7に調整するために、工程2−1における天然ゴムラテックスの脱蛋白処理は、pH8〜11で実施することが好ましく、pH8.5〜11がより好ましい。その後、凝集の時に酸性下で凝固されるが、そのゴムを水洗しただけでは、後述する抽出でpHが抽出液よりも上がり、この場合に特に耐熱老化性の低下が大きかった。これに対して、凝固後、必要に応じて塩基性化合物で処理後に、酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性が得られる。
なお、5%シリカ分散水溶液とは、質量%で算出され、調製方法は特に限定されないが、固形状のシリカを、イオン交換水中に入れて撹拌し、充分分散させる等により調製したものを用いることができる。
本発明におけるアンダートレッド用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。30質量%未満であると、優れた低燃費性が得られないおそれがある。また、該含有量の上限は特に限定されず、100質量%であっても構わない。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明におけるサイドウォール用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。5質量%未満であると、優れた低燃費性が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。80質量%を超えると、耐屈曲亀裂成長性が低下するおそれがある。
BRのシス含有量は、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、97質量%以上が更に好ましい。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明におけるウイング用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。5質量%未満であると、優れた低燃費性が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。80質量%を超えると、ゴム強度が低下するおそれがある。
BRのシス含有量は、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、97質量%以上が更に好ましい。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明におけるプライトッピング用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。5質量%未満であると、優れた低燃費性、接着強度及び破断強度が得られないおそれがある。また、該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
本発明におけるブレーカートッピング用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは50質量%以上、最も好ましくは80質量%以上であり、また、上限は特に限定されず、100質量%でもよい。5質量%未満であると、優れた低燃費性及び破断強度が得られないおそれがある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
以下に、製造例及び比較製造例で用いた各種薬品について説明する。
フィールドラテックス:ムヒバラテックス社から入手したフィールドラテックス
エマールE−27C(界面活性剤):花王(株)製のエマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、有効成分27質量%)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
Wingstay L(老化防止剤):ELIOKEM社製のWingstay L(ρ−クレゾールとジシクロペンタジエンとの縮合物をブチル化した化合物)
エマルビンW(界面活性剤):LANXESS社製のエマルビンW(芳香族ポリグリコールエーテル)
タモールNN9104(界面活性剤):BASF社製のタモールNN9104(ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒドのナトリウム塩)
Van gel B(界面活性剤):Vanderbilt社製のVan gel B(マグネシウムアルミニウムシリケートの水和物)
NR:TSR20
水 462.5gにエマルビンW 12.5g、タモールNN9104 12.5g、Van gel B 12.5g、Wingstay L 500g(合計1000g)をボールミルで16時間混合し、老化防止剤分散体を調製した。
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は0.5〜3mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水2000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を7回繰り返した。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間放置した。更に、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、水しぼりロールで水を絞ってシート状にした後、90℃で4時間乾燥して固形ゴム(高純度天然ゴムA)を得た。
製造例1においてpH1になるまで2質量%のギ酸を添加したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムB)を得た。
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は3〜12mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水1000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を5回行った後、90℃で4時間乾燥して固形ゴム(高純度天然ゴムC)を得た。
製造例1において炭酸ナトリウム水溶液で処理し、水洗を7回繰り返した後、2質量%ギ酸による酸処理をすることなく、水しぼりロールで水を絞ってシート状にしたほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムD)を得た。
市販のハイアンモニアラテックス〔マレイシアのムヒバラテックス社製、固形ゴム分62.0%〕を、0.12%のナフテン酸ソーダ水溶液で希釈して、固形ゴム分を10%にし、更に燐酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調整した。そしてゴム分10gに対して、蛋白質分解酵素(アルカラーゼ2.0M)を0.87gの割合で添加し、更にpHを9.2に再調整した後、37℃で24時間維持した。
次に、酵素処理を完了したラテックスに、ノニオン系界面活性剤〔花王社製の商品名エマルゲン810〕の1%水溶液を加えてゴム分濃度を8%に調整し、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。次に、遠心分離により生じたクリーム状留分を、上記エマルゲン810の1%水溶液に分散して、ゴム分濃度が8%になるように調整した後、再度、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。この操作を2回繰り返した後、得られたクリーム状留分を蒸留水に分散して、固形ゴム分60%の脱蛋白ゴムラテックスを調製した。
このラテックスに2質量%ギ酸をpH4になるまで添加し、更にカチオン系高分子凝集剤を添加して0.5〜3mmのゴム粒を得た。これの水を極力取り除き、水をゴム分10gに対して50g添加の上、2質量%ギ酸をpH3になるまで添加した。30分後ゴムを引き上げ、クレーパーでシート化した後、90℃で4時間乾燥し、固形ゴム(高純度天然ゴムE)を得た。
製造例3において2質量%ギ酸をpH1になるまで添加したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムF)を得た。
市販のハイアンモニアラテックス〔マレイシアのムヒバラテックス社製、固形ゴム分62.0%〕を、0.12%のナフテン酸ソーダ水溶液で希釈して、固形ゴム分を10%にし、更に燐酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調整した。そしてゴム分10gに対して、蛋白質分解酵素(アルカラーゼ2.0M)を0.87gの割合で添加し、更にpHを9.2に再調整した後、37℃で24時間維持した。
次に、酵素処理を完了したラテックスに、ノニオン系界面活性剤〔花王社製の商品名エマルゲン810〕の1%水溶液を加えてゴム分濃度を8%に調整し、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。次に、遠心分離により生じたクリーム状留分を、上記エマルゲン810の1%水溶液に分散して、ゴム分濃度が8%になるように調整した後、再度、11,000r.p.m.の回転速度で30分間遠心分離した。この操作をもう一度繰り返した後、得られたクリーム状留分を蒸留水に分散して、固形ゴム分60%の脱蛋白ゴムラテックスを調製した。
このラテックスにゴムが固まるまで50質量%ギ酸を添加し、凝固したゴムを取り出した。このゴムをクレーパーで水で洗いながらシート化した後、90℃で4時間乾燥し、固形ゴム(高純度天然ゴムG)を得た。
比較製造例3において凝固したゴムを取り出した後、0.5質量%炭酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬し、次いでクレーパーで水で洗いながらシート化した後、90℃で4時間乾燥したほかは、同様の手順で固形ゴム(高純度天然ゴムH)を得た。
得られたゴム5gを5mm以下(約1〜2×約1〜2×約1〜2(mm))に切断して100mlビーカーに入れ、常温の蒸留水50mlを加えて2分間で90℃に昇温し、その後90℃に保つように調整しながらマイクロ波(300W)を13分(合計15分)照射した。次いで、浸漬水をアイスバスで冷却して25℃とした後、pHメーターを用いて、浸漬水のpHを測定した。
(アセトン抽出(試験片の作製))
各固形ゴムを1mm角に細断したサンプルを約0.5g用意した。サンプルをアセトン50g中に浸漬して、室温(25℃)で48時間後にゴムを取出し、乾燥させ、各試験片(老化防止剤抽出済み)を得た。
(測定)
得られた試験片の窒素含有量を以下の方法で測定した。
窒素含有量は、微量窒素炭素測定装置「SUMIGRAPH NC95A((株)住化分析センター製)」を用いて、上記で得られたアセトン抽出処理済みの各試験片を分解、ガス化し、そのガスをガスクロマトグラフ「GC−8A((株)島津製作所製)」で分析して窒素含有量を定量した。
ICP発光分析装置(P−4010、(株)日立製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル約70mgを正確に計り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有量(質量%)を求めた。
ゲル含有量(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
80℃で18時間処理した前後の固形ゴムのムーニー粘度ML(1+4)130℃をJIS K 6300:2001−1に準拠して測定し、前記式により耐熱老化性指数を算出した。
各部材ごとに、下記表2〜6に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
次に、得られた未加硫ゴム組成物を、2.1mmのシート状に成形し、150℃で30分間加硫し、2mmの加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物及び加硫ゴム組成物を下記性能について評価した。結果を各表に示す。各部材ごとの基準比較例は比較例1−1、2−1、3−1、4−1、5−1とした。
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K6300に準拠し、130℃におけるムーニー粘度を測定した。基準比較例のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(基準比較例のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
加硫ゴム組成物について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み1%の条件下で各配合のtanδを測定し、基準比較例のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗性が優れる。
(転がり抵抗指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
JIS K6251に準じて引張試験を行い、破断時伸びを測定した。測定結果を、基準比較例を100とした指数で示した。指数が大きい程、ゴム強度(破断時伸び)に優れることを示す。
(ゴム強度指数)=(各配合の破断時伸び)/(基準比較例の破断時伸び)×100
加硫ゴム組成物を用いて、JIS K6260「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−デマッチャ屈曲亀裂試験方法」に基づいてサンプルを作製し、屈曲亀裂成長試験を行い、70%伸張を100万回繰り返してゴムシートを屈曲させたのち、発生した亀裂の長さを測定した。基準比較例の測定値(長さ)の逆数を100とし、指数表示した。指数が大きいほど、亀裂の成長が抑制され、耐屈曲亀裂成長性に優れることを示す。
8本のコードを10mmの等間隔に並べ、その両側から0.7mm厚のトッピングゴム(未加硫ゴム組成物)を圧着させた。得られたゴム圧着コードを湿度60%の条件で保管した後、2枚のゴム圧着コードを90度の角度で貼り合わせ、更にその両側に補強用のゴムを圧着させた。得られた圧着物の形状は加硫用金型の形状に合わせて長方形とした。該金型で圧着物を165℃で20分加硫した後、得られた加硫物中の貼り合わせた2枚のゴム圧着コード間に裂け目を入れ、インストロン社製の引張試験機を用いて50mm/分の速度で180度の向きに引っ張り、ゴム圧着コード間の剥離力(kN/25mm)を評価した。結果は、基準比較例の剥離力を100として指数表示した。数値が大きいほど、コードとトッピングゴムとの接着性が良好であり、耐久性に優れることを示している。
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム引っ張り特性の求め方」に準じて、3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、加硫ゴム組成物の破断時伸び(EB)と破断時の引張り強度(TB)を測定した。なお、基準比較例のEB×TBを100とし、下記計算式により、各配合のEB×TBをそれぞれ指数表示した。指数が大きいほど破断強度に優れることを示す。
(破断強度指数)=(各配合のEB×TB)/(基準比較例のEB×TB)×100
以下に、実施例で用いた各種薬品について説明し、製造した上記高純度天然ゴムを用いた実施例を各部材ごとに示す。
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックLH(N326、N2SA:84m2/g)
シリカ1:デグッサ社製のUltrasil 360(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:50m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:9.0)
シリカ2:デグッサ社製のUltrasil VN3(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:175m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:6.2)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH−70S
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン))
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
硫黄:フレキシス社製のクリステックスHSOT20(硫黄80質量%及びオイル分20質量%含む不溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含有量:97質量%、ML1+4(100℃):40)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN550(N2SA:42m2/g)
シリカ1:デグッサ社製のUltrasil 360(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:50m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:9.0)
シリカ2:デグッサ社製のUltrasil VN3(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:175m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:6.2)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:H&R社製のViva Tec 400(TDAE)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)(6PPD)
硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミ硫黄(オイル分:10%)
加硫促進剤:住友化学工業(株)製のソクシノールCZ
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含有量:97質量%、ML1+4(100℃):40)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックLH(N326、N2SA:84m2/g)
シリカ1:デグッサ社製のUltrasil 360(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:50m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:9.0)
シリカ2:デグッサ社製のUltrasil VN3(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:175m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:6.2)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH−70S
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラックRD(ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン))
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
SBR:日本ゼオン(株)製のNipol1502(E−SBR、スチレン含量:23.5質量%、ビニル含量:18質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN550(N2SA:42m2/g、平均粒子径:48nm、DBP吸油量:113ml/100g)
シリカ1:デグッサ社製のUltrasil 360(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:50m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:9.0)
シリカ2:デグッサ社製のUltrasil VN3(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:175m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:6.2)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:H&R社製のViva Tec 400(TDAE)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN550(N2SA:42m2/g、平均粒子径:48nm、DBP吸油量:113ml/100g)
シリカ1:デグッサ社製のUltrasil 360(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:50m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:9.0)
シリカ2:デグッサ社製のUltrasil VN3(湿式法シリカ、窒素吸着比表面積:175m2/g、5%シリカ分散水溶液のpH:6.2)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:H&R社製のViva Tec 400(TDAE)
有機酸コバルト:大日本インキ化学工業(株)製のcost−F(ステアリン酸コバルト、コバルト含有量:9.5質量%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)(6PPD)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ
Claims (11)
- 高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムと、窒素吸着比表面積が20〜200m2/gであり、かつ水に分散させた5%シリカ分散水溶液のpHが7〜12であるシリカとを含むゴム組成物を用いて作製したアンダートレッド、サイドウォール、ウイング、プライトッピング及びブレーカートッピングからなる群より選択される少なくとも1種の部材を有する空気入りタイヤ。
- 前記改質天然ゴムは、天然ゴムの非ゴム成分を除去した後、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記改質天然ゴムは、ケン化天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記改質天然ゴムは、脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記改質天然ゴムのリン含有量が200ppm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記改質天然ゴムの窒素含有量が0.15質量%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記pHは、前記改質天然ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値である請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム組成物はシランカップリング剤を含む請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記シリカの窒素吸着比表面積が20〜120m2/g以下である請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記改質天然ゴムが素練りする工程を経ずに作製されたものである請求項1〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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