JP2022191648A - 釣り用のアシストライン - Google Patents

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Abstract

【課題】 芯糸がなくても中空形状を維持でき、芯糸の抜き取り作業を必要としない、釣り用のアシストラインを提供することである。【解決手段】 合成樹脂製の第1糸7を複数本と、上記第1糸7よりも高い剛性を有する合成樹脂製の第2糸8a,8b,8c,8dを複数本とを、組み合わせて編んで構成された中空体6からなり、上記第2糸8a,8b,8c,8dが上記中空体6の中心軸周りの円周9に沿って所定の間隔を保って配置されたことを特徴とする。【選択図】 図2

Description

この発明は、ルアーを釣り糸や、釣り針などと連結するために使用する釣り用のアシストラインに関する。
アシストラインと呼ばれるこの種の糸は、使用目的などに応じて使い分けるため、様々な種類がある。
例えば、図3に示す釣り用のアシストライン1は、芯糸2の周囲に複数の外層糸3を組紐状に配置したものである。芯糸2及び外層糸3は、それぞれ樹脂製のモノフィラメントやマルチフィラメントで構成されている(特許文献1参照)。
このようなアシストライン1はそのままルアーに設けられる取り付けリングや釣り針に結び付けて使用することもあるが、芯糸2を抜き取って、中空の糸として使用することがある。
図4に示す中空のアシストライン4は、上記アシストライン1から芯糸2を抜き取って外層糸3のみで構成されている。このアシストライン4は、一部を自身の中空部に引き込んで環を作ることができる。この環を利用して、上記アシストライン4をリングなどに取り付けることができる。
具体的には、図4(a)のように、一端4aから先端にフック部5aを備えた専用のニードル5を挿入し、そのフック部5aを外層糸3の隙間からアシストライン4の外部へ突出させる。そして、突出したフック部5aでアシストライン4の他端4b側を引っ掛けて引っ張り、アシストライン4内に引き込むことで、図4(b)のようにアシストライン4の環を形成できる。このような作業を、ルアーの取り付けリングにアシストライン4を通してから行なえば、アシストライン4をルアーに連結することができる。
再表2007-083511号公報
上記のように、ニードル5を挿入して用いるアシストライン4は、芯糸2の周りに外層糸3が配置されたアシストライン1から芯糸2を引き抜いて構成される。そのため、ユーザーは、アシストライン4をルアーや釣り針などに連結する際には、アシストライン1から芯糸2を引き抜かなければならず、手間がかかってしまう。また、引き抜いた芯糸2は利用用途がないため無駄になる。
一方、上記アシストライン1から予め芯糸2を抜いて形成されたアシストライン4が提供された場合には、次のような問題が発生する。芯糸2が抜き取られたアシストライン4がボビンに巻かれると、アシストライン4は、中空部分が押しつぶされた扁平な糸になってしまう。そのため、ボビンから繰り出されたアシストライン4の中心にニードル5を挿入することは難しい。そのため、中空部を維持するために、芯糸2は必須であった。
この発明の目的は、芯糸の引き抜き作業が不要で、ニードルの挿入が容易な中空部を備えた釣り用のアシストラインを提供することである。
第1の発明は、合成樹脂製の第1糸を複数本と、上記第1糸よりも高い剛性を有する合成樹脂製の第2糸を複数本とを、組み合わせて編んで構成された中空体からなり、上記第2糸が上記中空体の中心軸周りの円周に沿って所定の間隔を保って配置されたことを特徴とする。
第2の発明は、上記第2糸が上記中空体の中心軸周りの円周に沿って均等に配置されたことを特徴とする。
第3の発明は、上記第2糸の本数が、3本以上で上記第1糸の本数以下である。
第4の発明は、上記第1糸がマルチフィラメントで構成され、上記第2糸がモノフィラメントで構成されている。
第5の発明は、上記第1糸が扁平な帯状である。
第1の発明によれば、芯糸が無く、剛性の高い第2糸によって、中空体の形状を維持することができる。したがって、中空部にニードルを挿入したり、ニードルによって釣り用のアシストラインの端部側を当該アシストラインの中に引き込んだりする作業が容易にできる。したがって、ルアーや釣り針などへの、釣り用のアシストラインの連結を確実かつ容易にできる。また、引き抜いた芯糸の処分も不要である。
さらに、釣り用のアシストラインをルアーや釣り針などに結び付ける際には、中空部がつぶれて扁平な糸になるため、しっかり結びやすいうえ、結び目をほどきにくくできる。
第2の発明によれば、中空体の中央に形成される中空部の形状がバランスよくなり、ニードルなどをより挿入しやすくなる。
第3の発明によれば、剛性の高い第2糸が多角形の頂点に配置されるため、中空体の中央の中空部が維持されやすい。
第4の発明によれば、マルチフィラメントによって、第1糸の柔軟性をより高めることができ、モノフィラメントによって、第2糸の剛性を十分に活かすことができる。
第5の発明によれば、当該釣り用のアシストラインをルアーの取り付けリングや釣り針などに結びつける際に、全体が扁平になりやすく、よりほどけにくく結ぶことができる。
図1は、本発明の実施形態の釣り用のアシストラインの外観図である。 図2は、図1のII-II線断面図である。 図3は、従来の釣り用のアシストラインの外観図である。 図4は、釣り用のアシストラインの使用例で、(a)は中空の釣り用のアシストラインに自身の端部を引き込むための作業中の図であり、(b)は中空の釣り用のアシストラインに自身の端部を引き込んだ状態を示した図である。
[実施形態]
本発明の一実施形態を説明する。図1は、実施形態の釣り用のアシストライン6の外観図であり、図2は図1のII-II線断面図である。
図1の釣り用のアシストライン6は、12本の第1糸7をと、4本の第2糸8a,8b,8c,8dとを組紐状に編んで構成された中空体からなる。例えば、組紐状の編み方については、従来より採用されている編み方である。図1では、糸を区別するため、4本の第2糸8a,8b,8c,8dを網掛けで示している。なお、網掛けの同一模様は同一糸を示している。
第1糸7は、ポリエチレン製のフィラメントをまとめたマルチフィラメントで構成され、十分な柔軟性を有する。このマルチフィラメントは、多数のフィラメントを撚ったり、束ねたりして構成されている。
一方、第2糸8a,8b,8c,8dは、フッ素系樹脂製のモノフィラメントからなり、第1糸7よりも高い剛性を有する。
上記アシストライン6は、上記のような12本の第1糸7の間に、4本の第2糸8a,8b,8c,8dを均等に配置し、中心に中空部9が形成されるように編んで形成された中空体である(図2)。上記中空部9の中心を通過する軸線が、中空体であるアシストライン6の中心軸であり、第2糸8a,8b,8c,8dが上記中心軸周りの円周である中空部9の外周に沿って均等に配置されている。この例では、4本の第2糸8a,8b,8c,8dは、アシストライン6内に上記中心軸周りの円周で約90°の間隔を保って配置されている。つまり、第2糸8a,8b,8c,8dは、正方形の頂点の位置に配置される。
なお、上記第1糸7は、マルチフィラメントで構成されているが、図2では第1糸7を構成するフィラメントは表さずに、断面形状が円の1本の糸として示している。実際には、マルチフィラメントからなる第1糸7は、組紐状に編まれる過程で曲げられ、様々な方向から圧力を受けるため、断面形状は円ではなく扁平になることが多い。
これに対し、剛性の高いモノフィラメントで構成されている第2糸8a,8b,8c,8dは、ほぼ円形の断面形状を保ったまま捻じられながら、組紐の中で中空部9の周囲に均等に配置される。各第2糸8a,8b,8c,8dは、各糸の剛性によって中空部9の空間を維持するように機能している。
なお、図2はこの実施形態のアシストライン6の一断面であるが、第1,2糸7,8a,8b,8c,8dは、それぞれ組紐状に編まれているため、その断面は図2とは異なる。各糸7,8a,8b,8c,8dは、図2の相対関係を維持したまま軸方向に伸びて束ねられているのではなく、中空部9の円周方向及び半径方向の位置を変化させながら伸びている。
[作用・効果等]
この実施形態のアシストライン6は、中心に中空部9が形成されている。この中空部9は、例えば、アシストライン6がボビンにきつく巻かれた状態では多少押しつぶされ、アシストライン6は扁平な中空糸になってしまう。しかし、ボビンから繰り出して巻き付け時の外力から開放されたアシストライン6の第2糸8a,8b,8c,8dは、第2糸8a,8b,8c,8dの剛性によって図2に示す配置に戻る。4本の第2糸8a,8b,8c,8dが均等な配置になれば、これら第2糸8a,8b,8c,8dに組み込まれた第1糸7も図2のように中空部9を囲むように配置される。
言い換えれば、第1,2糸7,8a,8b,8c,8dのすべてが所期の配置となって、中空部9が維持される。
この実施形態のアシストライン6は、もともと芯糸を備えていないが、中空部9が維持されている。したがって、図4のように、ニードル5を挿入する際に、芯糸を引き抜く作業が不要である。しかも、第2糸8a,8b,8c,8dの剛性によって、中空部9が維持されるので、開口がつぶれてしまうこともなく、ニードル5を簡単に挿入できる。したがって、ルアーへの糸の連結を確実かつ容易にできる。また、引き抜いた芯糸の処分も不要である。
一方、このアシストライン6は、ルアーや釣り針などに結び付ける場合には、中空部9が押しつぶされて扁平な帯状になって結ばれるので、結び目をほどきにくくすることができる。例えば、いわゆるひばり結びにしてルアーにアシストライン6を取り付け、アシストライン6を強く引っ張ると、中空部9が押しつぶされて扁平な帯状になって結ばれるので、結び目をほどきにくくすることができる。
また、第1糸7が十分な柔軟性を有するため、アシストライン6は、十分な耐久性を保ちつつも、水中でのルアーや釣り針の動きへの影響を小さくできる。
ここで、例えば、第2糸8a,8b,8c,8dと同様な剛性の高い糸だけを組紐状に編んで中空体のルアー用糸を形成すると、たしかに中空部は維持され易くなる。しかし、アシストライン6をルアーや釣り針などに結び付けた場合、中空部9が押しつぶされずに維持されてしまい結び目がほどけ易くなってしまう。また、水中でのルアーや釣り針の動きへの影響が大きくなってしまう。
なお、上記実施形態では、12本の第1糸7と、4本の第2糸8a,8b,8c,8dとを組紐状に編んで1本のアシストライン6を構成しているが、第1糸7及び第2糸8a,8b,8c,8dの本数は上記実施形態に限定されない。中空部9を確実に保持するために、第2糸は少なくとも複数本必要である。そして、中空部9を確実に保持するために、第2糸は3本以上配置することが好ましい。
剛性が高い第2糸が2本の場合でも、2本の第2糸が互いに捻じられるように軸方向に伸びることで、その間に中空部9を形成することはできるが、第2糸が3本以上であれば、多角形の頂点の位置に各第2糸が配置されることで、開口面積の大きな中空部9を確実に形成することができるからである。さらに、複数の第2糸が均等に配置されれば、開口の形状がバランスよくなり、中空部9にニードル5などを挿入しやすくなる。
また、第2糸の本数は第1糸の本数以下であることが好ましい。第2糸が多い場合には、中空部の開口を円形に近い状態に維持することができる。しかし、第2糸の本数が多すぎる場合には、全体の剛性が高くなり過ぎて、結び目を作る作業などがやりにくい場合もある。
しがたって、第1,2糸の本数やバランスなどは、各糸の太さや剛性などを考慮して選択することが好ましい。
また、第1,2糸には、上記以外の材質を用いることもできる。例えば、高い剛性を必要とする第2糸には、上記フッ素系樹脂のほか、ナイロンやアラミド繊維、金属ワイヤーなどを用いても良い。そして、第2糸もモノフィラメントではなくマルチフィラメントでもよい。
また、第1糸は、材質だけでなく、フィラメントの本数や太さ、フィラメントの束ね方などによって柔軟性を調整することもできる。特に、柔軟性があり高強度の材質としてポリベンズアゾール系樹脂などを用いてもよい。
さらに、第1,2糸の組み方によって、アシストライン6を、例えば、丸紐状や角紐状にすることができるので、目的に応じた組み方を選択すればよい。
なお、第1糸及び第2糸の断面形状はどのようなものでもよいが、第1糸が扁平な帯状の場合、アシストライン6を、しっかり結びやすく、ほどけにくくすることができる。
特にルアー用として、取り扱いしやすく、作業性も良い。
6 (中空体の)釣り用のアシストライン
7 第1糸
8a,8b,8c,8d 第2糸
9 (中空体の円周)中空部

Claims (5)

  1. 合成樹脂製の第1糸を複数本と、
    上記第1糸よりも高い剛性を有する合成樹脂製の第2糸を複数本と
    を、組み合わせて編んで構成された中空体からなり、
    上記第2糸が上記中空体の中心軸周りの円周に沿って所定の間隔を保って配置されたことを特徴とする釣り用のアシストライン。
  2. 上記第2糸が上記中空体の中心軸周りの円周に沿って均等に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の釣り用のアシストライン。
  3. 上記第2糸の本数が、3本以上で上記第1糸の本数以下である請求項2に記載の釣り用のアシストライン。
  4. 上記第1糸がマルチフィラメントで構成され、
    上記第2糸がモノフィラメントで構成された請求項1~3のいずれか1項に記載の釣り用のアシストライン。
  5. 上記第1糸が扁平な帯状である請求項1~4のいずれか1項に記載の釣り用のアシストライン。
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