JP2022170282A - インクセット及び記録ヘッドの検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録ヘッド充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易く、かつ記録ヘッド内でインクジェット用インク中の顔料成分が凝集することを効果的に抑制できるインクセットを提供する。【解決手段】インクセットは、インクジェット用インクと、記録ヘッド充填液とを備える。前記インクジェット用インクは、顔料と、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールと、水とを含有する。前記記録ヘッド充填液は、炭素原子数10以上12以下の特定アルコール化合物と、特定界面活性剤と、水とを含有する。前記特定界面活性剤のHLB値は、5.0以下である。前記記録ヘッド充填液における前記特定アルコール化合物の含有割合は、0.1ppm以上1.0ppm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット及び記録ヘッドの検査方法に関する。
インクジェット記録装置は、インクジェット用インクを吐出する記録ヘッドを備える。記録ヘッドは、非常に高い精度を求められる精密機械である。そのため、記録ヘッドのメーカーは、記録ヘッドを製造した後に、吐出性能等を十分に検査してから出荷することが一般的である。
記録ヘッドの吐出性能の検査では、実際に記録ヘッドにインクジェット用インクを充填して吐出試験を行う。検査後の記録ヘッドは、インク流路にインクジェット用インクが不可避的に残留している。記録ヘッドのインク流路は非常に微細であるため、記録ヘッドを洗浄したとしても、インク流路に残留するインクジェット用インクを完全に除去することは困難である。インク流路にインクジェット用インクが残留している状態で記録ヘッドを出荷すると、輸送中及び保管中にインクジェット用インクの溶媒が蒸発し、インクジェット用インクの固形分(特に、顔料成分)が凝集して凝集物を発生させることがある。上述の凝集物は、出荷後の記録ヘッドで吐出不良が発生する原因となる。
そこで、記録ヘッドのメーカーは、顔料成分を含まない溶液(以下、記録ヘッド充填液と記載することがある)を記録ヘッドに充填した状態で記録ヘッドを出荷する場合がある。記録ヘッド充填液は、記録ヘッドのインク流路に入り込み、インク流路に残留しているインクジェット用インクを希釈する。これにより、インク流路に残留しているインクジェット用インクは、固形分が凝集し難くなる。このような記録ヘッド充填液には、記録ヘッド内のインク流路に導入され易く、かつ記録ヘッド内でインクジェット用インクの固形分が凝集することを抑制できることが要求される。記録ヘッドに充填する記録ヘッド充填液としては、例えば、シリコーンオイルを含有する記録ヘッド充填液が提案されている(特許文献1)。
特開2010-227729号公報
しかし、特許文献1に記載の記録ヘッド充填液は、高温環境等の過酷な環境においては、記録ヘッド内でインクジェット用インク中の顔料成分が凝集することを十分に抑制できない。また、特許文献1に記載の記録ヘッド充填液は、記録ヘッド内のインク流路に導入され難い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録ヘッド充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易く、かつ記録ヘッド内でインクジェット用インク中の顔料成分が凝集することを効果的に抑制できるインクセットを提供することである。本発明の別の目的は、上述のインクセットを用いた記録ヘッドの検査方法を提供することである。
本発明に係るインクセットは、インクジェット用インクと、記録ヘッド充填液とを備える。前記インクジェット用インクは、顔料と、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールと、水とを含有する。前記記録ヘッド充填液は、炭素原子数10以上12以下の特定アルコール化合物と、特定界面活性剤と、水とを含有する。前記特定界面活性剤のHLB値は、5.0以下である。前記記録ヘッド充填液における前記特定アルコール化合物の含有割合は、0.1ppm以上1.0ppm以下である。
本発明に係る記録ヘッドの検査方法は、上述のインクセットを用いた記録ヘッドの検査方法であって、前記記録ヘッドの吐出性能を検査する検査工程と、前記検査工程後の前記記録ヘッドに前記記録ヘッド充填液を充填する充填工程とを備える。前記検査工程では、前記記録ヘッドによって前記インクジェット用インクを吐出することで前記記録ヘッドの吐出性能を検査する。
本発明に係るインクセットによれば、記録ヘッド充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易く、かつ記録ヘッド内でインクジェット用インク中の顔料成分が凝集することを効果的に抑制できる。本発明に係る記録ヘッドの検査方法によれば、検査後の記録ヘッドで吐出不良が発生することを抑制できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下において、体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、動的光散乱式粒径分布測定装置(マルバーン社製「ゼータサイザーナノZS」)を用いて測定された値である。
以下において、酸価の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本産業規格)K0070-1992」に従い測定した値である。また、質量平均分子量(Mw)の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
本明細書では、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。「1ppm」とは、0.0001質量%を示す。
<第1実施形態:インクセット>
以下、本発明の第1実施形態に係るインクセットを説明する。本発明のインクセットは、インクジェット用インク(以下、単にインクと記載することがある)と、記録ヘッド充填液(以下、単に充填液と記載することがある)とを備える。インクは、顔料と、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールと、水とを含有する。充填液は、炭素原子数10以上12以下の特定アルコール化合物と、特定界面活性剤と、水とを含有する。特定界面活性剤のHLB値は、5.0以下である。充填液における特定アルコール化合物の含有割合は、0.1ppm以上1.0ppm以下である。
本発明のインクセットにおいて、充填液は、インクが残留している記録ヘッドに充填して用いる。例えば、記録ヘッドによってインクを吐出した後、何らかの事情で記録ヘッドをしばらく使用しない場合に、充填液を記録ヘッドに充填する。充填液は、具体的には、記録ヘッドの出荷、記録ヘッドの長期保管、又は記録ヘッドの輸送の際に、記録ヘッドに充填して用いる。本発明のインクセットは、第2実施形態に係る記録ヘッドの検査方法に用いるインクセットとして好適である。
本発明のインクセットは、上述の構成を備えることにより、充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易く、かつ記録ヘッド内でインク中の顔料成分(例えば、顔料及び後述の顔料被覆樹脂)が凝集することを効果的に抑制できる。その理由は以下のように推察される。充填液は、HLB値が5.0以下の特定界面活性剤(比較的疎水性の高い界面活性剤)を含有する。特定界面活性剤は、充填液の界面活性を効果的に低下させる。また、インクは、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールを含有する。このような長鎖の1,2-アルカンジオールは、分子中に親水性が高い領域と疎水性が高い領域とを有し、かつ分子全体としての疎水性が比較的高い。そのため、1,2-アルカンジオールは、インクの界面活性を低下させる。これにより、本発明のインクセットは、インクが残留する記録ヘッドに充填液を充填した際に、インクが充填液に容易に拡散する。以上から、本発明のインクセットは、充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易い。
一方、特定界面活性剤は、インク及び充填液が混じり合った際に、単独ではミセルを形成してインク中の顔料を分散させることが難しい傾向がある。これに対して、本発明のインクセットにおいて、充填液は、炭素原子数10以上12以下の特定アルコール化合物を特定量含有する。このような特定アルコール化合物は、特定界面活性剤のミセル形成を促進する。その結果、本発明のインクセットは、インク及び充填液が混じり合った際に、特定界面活性剤がミセルを形成してインク中の顔料を分散させることができる。以上から、本発明のインクセットは、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを抑制できる。
以下、本発明のインクセットについて、更に詳細に説明する。なお、以下に説明する各成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[インク]
インクは、顔料と、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールと、水とを含有する。インクは、顔料被覆樹脂を更に含有することが好ましい。インクにおいて、顔料は、例えば、顔料被覆樹脂と共に顔料粒子を形成する。顔料粒子は、溶媒に分散して存在する。インクの色濃度、色相、又は安定性を向上させる観点から、顔料粒子のD50としては、30nm以上200nm以下が好ましく、70nm以上130nm以下がより好ましい。
(顔料)
インクが含む顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及び黒色顔料が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、及び193)が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ(34、36、43、61、63、及び71)が挙げられる。赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(122及び202)が挙げられる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(15、より具体的には15:3)が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット(19、23、及び33)が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック(7)が挙げられる。
インクにおいて、顔料の含有割合としては、1.0質量%以上12.0質量%以下が好ましく、4.0質量%以上8.0質量%以下がより好ましい。顔料の含有割合を1.0質量%以上とすることで、インクにより形成される画像の画像濃度を所望する値にすることができる。また、顔料の含有割合を12.0質量%以下とすることで、インクの流動性を向上できる。
(顔料被覆樹脂)
顔料被覆樹脂は、インクに可溶な樹脂である。顔料被覆樹脂の一部は、例えば、顔料粒子の表面に存在し、顔料粒子の分散性を向上させる。顔料被覆樹脂の一部は、例えば、インクに溶解した状態で存在する。
顔料被覆樹脂としては、スチレン-アクリル樹脂が好ましい。スチレン-アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸のうち少なくとも1つのモノマーと、スチレンとの共重合体である。スチレン-アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸に由来する繰り返し単位((メタ)アクリル酸単位)、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位((メタ)アクリル酸アルキルエステル単位)及びスチレン単位を有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル及び(メタ)アクリル酸オクチルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル又はアクリル酸ブチルが好ましい。
顔料被覆樹脂の有する全繰り返し単位のうち、(メタ)アクリル酸単位の割合としては、20質量%以上60質量%以下が好ましい。顔料被覆樹脂の有する全繰り返し単位のうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位の割合としては、30質量%以上65質量%以下が好ましい。顔料被覆樹脂の有する全繰り返し単位のうち、スチレン単位の割合としては、5質量%以上25質量%以下が好ましい。顔料被覆樹脂としては、メタクリル酸に由来する繰り返し単位と、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位と、アクリル酸ブチルに由来する繰り返し単位と、スチレン単位とを有する樹脂がより好ましい。
インクにおいて、顔料被覆樹脂の含有割合としては、0.5質量%以上8.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以上4.0質量%以下がより好ましい。顔料被覆樹脂の含有割合を0.5質量%以上とすることで、顔料成分の分散性を更に向上できる。顔料被覆樹脂の含有割合を8.0質量%以下とすることで、インクがノズル詰まりを発生させることを抑制できる。
顔料被覆樹脂の酸価としては、例えば、50mgKOH/g以上150mgKOH/g以下である。顔料被覆樹脂の酸価を50mgKOH/g以上150mgKOH/g以下とすることで、顔料成分の分散性を更に向上させつつ、インクの保存安定性を向上できる。
顔料被覆樹脂の酸価は、顔料被覆樹脂を合成する際に使用するモノマーの量を変えることによって調整できる。例えば、顔料被覆樹脂を合成する際に、酸性の官能基(例えば、カルボキシ基)を有するモノマー(より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等)を使用することで、顔料被覆樹脂の酸価を増大させることができる。
顔料被覆樹脂のMwは、例えば、10000以上50000以下である。顔料被覆樹脂のMwを10000以上50000以下とすることで、インクの粘度の増大を抑制しつつ、インクにより形成される画像の画像濃度を所望する値にすることができる。
顔料被覆樹脂のMwは、顔料被覆樹脂の重合条件(より具体的には、重合開始剤の使用量、重合温度、重合時間等)を変えることによって調整できる。
顔料被覆樹脂の重合において、重合開始剤の使用量としては、モノマー混合物1モルに対して、0.001モル以上5モル以下が好ましく、0.01モル以上2モル以下がより好ましい。顔料被覆樹脂の重合においては、例えば、重合温度を50℃以上70℃以下、重合時間を10時間以上24時間以下とすることができる。なお、重合した顔料被覆樹脂は、そのままインクの原料として用いてもよいが、塩基性化合物で等量中和してからインクの原料として用いてもよい。塩基性化合物としては、アルカリ金属イオンの水酸化物(例えば、NaOH)が好ましい。
(1,2-アルカンジオール)
1,2-アルカンジオールの炭素原子数は、7又は8である。1,2-アルカンジオールとしては、1,2-ヘプタンジオール及び1,2-オクタンジオールが挙げられる。
インクにおいて、1,2-アルカンジオールの含有割合としては、0.2質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.7質量%以上1.5質量%以下がより好ましい。1,2-アルカンジオールの含有割合を0.2質量%以上とすることで、充填液が記録ヘッド内のインク流路に更に導入され易くなる。1,2-アルカンジオールの含有割合を2.0質量%以下とすることで、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを更に効果的に抑制できる。
(水)
水は、インクの主溶媒である。インクにおいて、水の含有割合としては、例えば、40.0質量%以上75.0質量%以下である。
(他の水溶性有機溶媒)
インクは、1,2-アルカンジオール以外の他の水溶性有機溶媒を更に含有することが好ましい。インクにおける他の水溶性有機溶媒としては、例えば、グリコール化合物、グリコールエーテル化合物、ラクタム化合物、含窒素化合物、アセテート化合物、チオジグリコール、グリセリン及びジメチルスルホキシドが挙げられる。
グリコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールが挙げられる。
グリコールエーテル化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
ラクタム化合物としては、例えば、2-ピロリドン及びN-メチル-2-ピロリドンが挙げられる。
含窒素化合物としては、例えば、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、ホルムアミド及びジメチルホルムアミドが挙げられる。
アセテート化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが挙げられる。
インクにおける他の水溶性有機溶媒としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、2-ピロリドン又はグリセリンが好ましい。
インクにおける他の水溶性有機溶媒の含有割合としては、10.0質量%以上45.0質量%以下が好ましく、25.0質量%以上35.0質量%以下がより好ましい。他の水溶性有機溶媒の含有割合を10.0質量%以上45.0質量%以下とすることで、インクの吐出安定性を向上できる。
(界面活性剤)
インクは、界面活性剤を更に含有することが好ましい。界面活性剤は、インクに含まれる各成分の相溶性及び分散安定性を向上させる。また、界面活性剤は、インクの記録媒体に対する浸透性(濡れ性)を向上させる。インクにおける界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤が好ましい。
インクにおけるノニオン界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤(アセチレングリコール化合物を含む界面活性剤)、シリコーン系界面活性剤(シリコーン化合物を含む界面活性剤)及びフッ素系界面活性剤(フッ素樹脂又はフッ素含有化合物を含む界面活性剤)が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコールのエチレンオキシド付加物及びアセチレングリコールのプロピレンオキシド付加物が挙げられる。
インクが界面活性剤を含有する場合、インクにおける界面活性剤の含有割合としては、0.1質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.2質量%以上0.6質量%以下がより好ましい。
(添加剤)
インクは、必要に応じて、公知の添加剤(例えば、溶解安定剤、乾燥防止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤、及び防カビ剤)を更に含有してもよい。
(インクの製造方法)
インクは、例えば、水と、顔料分散液と、必要に応じて添加される成分(例えば、他の水溶性有機溶媒及び界面活性剤)とを混合することにより製造できる。顔料分散液は、顔料、顔料被覆樹脂及び水を含有する。顔料被覆樹脂は、例えば、塩基性化合物(例えば、NaOH)によってアルカリ可溶性樹脂を等量中和することで調製される。顔料分散液は、顔料被覆樹脂を含有する水溶液に顔料を添加した後、分散処理を行うことで調製できる。分散処理に用いる装置としては、例えば、ビーズミルが挙げられる。インクの製造では、混合処理後、フィルター(例えば孔径5μm以下のフィルター)により異物及び粗大粒子を除去してもよい。
[充填液]
充填液は、炭素原子数10以上12以下の特定アルコール化合物と、特定界面活性剤と、水とを含有する。
(特定アルコール化合物)
特定アルコール化合物としては、例えば、n-デシルアルコール、2-プロピル-1-ヘプタノール、n-ウンデシルアルコール、n-ドデシルアルコール及び2-ブチル-1-オクタノールが挙げられる。特定アルコール化合物としては、n-デシルアルコール又はn-ドデシルアルコールが好ましい。
充填液において、特定アルコール化合物の含有割合は、0.1ppm以上1.0ppm以下であり、0.3ppm以上0.7ppm以下が好ましい。特定アルコール化合物の含有割合を0.1ppm以上1.0ppm以下とすることで、本発明のインクセットは、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを効果的に抑制できる。
(特定界面活性剤)
特定界面活性剤のHLB値は、5.0以下である。特定界面活性剤のHLB値としては、2.0以上5.0以下が好ましく、3.5以上4.5以下がより好ましい。特定界面活性剤のHLB値を5.0以下とすることで、本発明のインクセットでは、充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易くなる。
なお、「HLB値」は、水又は油に対する界面活性剤の親和性の程度を示す値であり、グリフィン法に基づき下記式により求められる。詳しくは、HLB値が0に近い界面活性剤ほど親油性が高い。また、HLB値が20に近い界面活性剤ほど親水性が高い。
HLB値=20×(親水部の式量の総和)/分子量
特定界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤が好ましく、アセチレングリコール系界面活性剤又はソルビタン脂肪酸エステルがより好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、日信化学工業株式会社製「オルフィン(登録商標)シリーズ」(例えば、「D-10A」、「D-10PG」、及び「Exp4300」)、及び日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)シリーズ」(例えば、「104」、「420」及び「DF110D」)が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ソルビタンステアリルエステル(例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、及びソルビタントリステアレート)、及びソルビタンオレイルエステル(例えば、ソルビタンモノオレエート、及びソルビタントリオレエート)が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製「アデカエストール(登録商標)シリーズ」(例えば、「S-60」、及び「S-80」)、花王株式会社製「レオドール(登録商標)シリーズ」(例えば、「SP-S10V」、「SP-S20」、「SP-S30V」、「SP-O10V」、「SP-O30V」、「AS-10V」、「AO-10V」及び「AO-15V」)が挙げられる。
充填液における特定界面活性剤の含有割合としては、0.03質量%以上0.30質量%以下が好ましく、0.07質量%以上0.20質量%以下がより好ましい。特定界面活性剤の含有割合を0.03質量%以上0.30質量%以下とすることで、充填液が記録ヘッド内のインク流路に更に導入され易くなり、かつ記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを更に効果的に抑制できる。
(多価アルコール化合物)
充填液は、多価アルコール化合物を更に含有することが好ましい。多価アルコール化合物としては、例えば、ジオール化合物(グリコール化合物)、トリオール化合物及び糖アルコールが挙げられる。
多価アルコール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール(例えば、分子量150以上400以下のポリエチレングリコール)、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びソルビトールが挙げられる。多価アルコール化合物としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール又はグリセリンが好ましい。
充填液における多価アルコール化合物の含有割合としては、20.0質量%以上60.0質量%以下が好ましく、30.0質量%以上50.0質量%以下がより好ましい。多価アルコール化合物の含有割合を20.0質量%以上60.0質量%以下とすることで、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを更に効果的に抑制できる。
(水)
水は、充填液の主溶媒である。充填液において、水の含有割合としては、例えば、40.0質量%以上70.0質量%以下である。
(添加剤)
充填液は、必要に応じて、公知の添加剤(例えば、溶解安定剤、乾燥防止剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤、及び防カビ剤)を更に含有してもよい。
充填液は、pH調整剤を更に含有することが好ましい。pH調整剤としては、例えば、塩基性化合物が挙げられる。塩基性化合物としては、アルカリ金属イオンの水酸化物(例えば、NaOH)が好ましい。充填液のpHとしては、pH7以上pH10以下が好ましい。
(充填液の製造方法)
充填液は、例えば、特定アルコール化合物と、特定界面活性剤と、水と、必要に応じて用いられる他の成分(例えば、多価アルコール化合物及び添加剤)を混合することで製造できる。
<第2実施形態:記録ヘッドの検査方法>
以下、本発明の第2実施形態に係る記録ヘッドの検査方法について説明する。本発明の記録ヘッドの検査方法は、第1実施形態に係るインクセットを用いた記録ヘッドの検査方法であって、記録ヘッドの吐出性能を検査する検査工程と、検査工程後の記録ヘッドに充填液を充填する充填工程とを備える。検査工程では、記録ヘッドによってインクを吐出することで記録ヘッドの吐出性能を検査する。
本発明の記録ヘッドの検査方法は、第1実施形態に係るインクセットを用いるため、検査後の記録ヘッドで吐出不良が発生することを抑制できる。本発明の記録ヘッドの検査方法は、例えば、記録ヘッドのメーカーが記録ヘッドを出荷する前に行う。本発明の記録ヘッドの検査方法で検査する記録ヘッドとしては、特に限定されないが、例えば、ピエゾ方式記録ヘッド及びサーマル方式記録ヘッドが挙げられる。
[検査工程]
本工程では、記録ヘッドの吐出性能を検査する。具体的には、本工程では、記録ヘッドによってインクを吐出することで記録ヘッドの吐出性能を検査する。本工程で検査した記録ヘッドでは、インク流路にインクが残留する。
本工程では、検査工程後の記録ヘッドを洗浄してもよい。記録ヘッドを洗浄する方法としては、特に限定されないが、例えば、洗浄液を記録ヘッドに充填した後に洗浄液を記録ヘッドから吐出する方法が挙げられる。洗浄液としては、例えば、水又は水溶性有機溶媒を含む洗浄液が挙げられる。本工程では、記録ヘッドを洗浄したとしても、インク流路内のインクを完全に除去することは困難である。
[充填工程]
本工程では、記録ヘッドに充填液を充填する。本工程後、記録ヘッドは、例えば、出荷に備えて保管されるか、又は出荷のために輸送される。ユーザーの元に記録ヘッドが届いた後は、記録ヘッドから充填液を吐出することで、記録ヘッドから充填液を排出することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
<検討A:充填液における界面活性剤>
実施例では、まず充填液に用いる界面活性剤について検討した。
[顔料被覆樹脂(R)の調製]
メタクリル酸に由来する繰り返し単位(MAA単位)と、メタクリル酸メチルに由来する繰り返し単位(MMA単位)と、アクリル酸ブチルに由来する繰り返し単位(BA単位)と、スチレンに由来する繰り返し単位(ST単位)とを有するアルカリ可溶性樹脂を準備した。このアルカリ可溶性樹脂は、質量平均分子量(Mw)が20000、酸価が100mgKOH/gであった。このアルカリ可溶性樹脂における各繰り返し単位の質量比は、「MAA単位:MMA単位:BA単位:ST単位=40:15:30:15」であった。このアルカリ可溶性樹脂と、水酸化ナトリウムを含有する水酸化ナトリウム水溶液とを混合した(中和処理)。中和処理により、アルカリ可溶性樹脂を、等量(厳密には、105%量)のNaOHで中和した。これにより、顔料被覆樹脂(R)及び水を含有する顔料被覆樹脂溶液を得た。
上述のアルカリ可溶性樹脂のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製「HLC-8020GPC」)を用いて下記条件により測定した。検量線は、東ソー株式会社製のTSKgel標準ポリスチレンであるF-40、F-20、F-4、F-1、A-5000、A-2500、及びA-1000と、n-プロピルベンゼンとを用いて作成した。
(質量平均分子量の測定条件)
・カラム:東ソー株式会社製「TSKgel SuperMultiporeHZ-H」(4.6mmI.D.×15cmのセミミクロカラム)
・カラム本数:3本
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流速:0.35mL/分
・サンプル注入量:10μL
・測定温度:40℃
・検出器:IR検出器
[顔料分散液(D)の調製]
下記表1に示す組成となるように、顔料(トーヨーカラー株式会社製「リオノール(登録商標)ブルーFG-7330」、成分:銅フタロシアニン、カラーインデックス:ピグメントブルー15:3)と、顔料被覆樹脂(R)を含有する上述の顔料被覆樹脂溶液と、アセチレングリコール系界面活性剤である日信化学工業株式会社製「オルフィン(登録商標)E1010」(アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)と、イオン交換水とを、メディア型湿式分散機(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製「DYNO(登録商標)-MILL」)のベッセルに投入した。
なお、下記表1の「水」の含有割合は、上述のベッセルに投入したイオン交換水と、顔料被覆樹脂溶液に含まれていた水(詳しくは、アルカリ可溶性樹脂の中和に用いた水酸化ナトリウム水溶液に含まれていた水、及びアルカリ可溶性樹脂及び水酸化ナトリウムの中和反応で生じた水)との合計含有割合を示す。
Figure 2022170282000001
次いで、ベッセルの内容物を湿式分散した。メディアとしては、ジルコニアビーズ(粒子径1.0mm)を用いた。メディアの投入量は、ベッセルの容量に対して70体積%とした。分散条件は、温度10℃、周速8m/秒とした。これにより、顔料分散液(D)を得た。
得られた顔料分散液(D)に含まれる顔料粒子の体積中位径(D50)を測定した。詳しくは、得られた顔料分散液(D)をイオン交換水で300倍に希釈し、これを測定試料とした。動的光散乱式粒径分布測定装置(マルバーン社製「ゼータサイザーナノZS」)を用いて、測定試料中の顔料粒子のD50を測定した。測定試料中の顔料粒子のD50を、顔料分散液(D)に含まれる顔料粒子のD50とした。顔料分散液(D)に含まれる顔料粒子のD50は、100nmであった。
[インク(I-1)の調製]
攪拌機(新東科学株式会社製「スリーワンモーター(登録商標)BL-600」)を装備したフラスコにイオン交換水を投入した。上述の攪拌機で内容物を攪拌(攪拌速度:400rpm)しながら、上述の顔料分散液(D)と、アセチレングリコール系界面活性(日信化学工業株式会社製「サーフィノール(登録商標)420」)と、トリエチレングリコールモノブチルエーテルと、2-ピロリドンと、グリセリンと、1,2-オクタンジオールと、イオン交換水とを、この順番で投入した。各原料の投入量の割合は、下記表2に示す通りとした。下記表2において、「(R)」は、登録商標であることを示す。
Figure 2022170282000002
得られた混合液から異物及び粗大粒子を除去するため、孔径5μmのフィルターを用いて混合液をろ過した。これにより、インク(I-1)を得た。
[充填液(F-1)~(F-7)の調製]
以下に示す方法により、充填液(F-1)~(F-7)を調製した。まず、充填液(F-1)~(F-7)の調製に用いた界面活性剤(S-1)~(S-7)を下記表1に示す。下記表3において、「(R)」は、登録商標であることを示す。「EO付加物」は、エチレンオキサイド付加物を示す。
Figure 2022170282000003
[充填液(F-1)の調製]
テトラエチレングリコール(TEG)30.0質量部と、界面活性剤(S-1)(日信化学工業株式会社製「オルフィン(登録商標)Exp4300」、アセチレングリコール系界面活性剤)0.10質量部と、グリセリン7.0質量部と、水酸化ナトリウムと、n-デシルアルコール0.00005質量部(0.5ppm)と、水とを混合して混合液を得た。水酸化ナトリウムの添加量は、混合液のpHが8.0~9.0になる量(微量)とした。水の添加量は、混合液の全量が100質量部となる量とした。この混合液を、充填液(F-1)とした。
[充填液(F-2)~(F-7)の調製]
各成分の添加量を下記表4に示す通りに変更した以外は、充填液(F-1)の調製と同様の方法により、充填液(F-2)~(F-7)を調製した。
[インクセット(IS-1)~(IS-7)の準備]
下記表4に示す通りに、インク(I-1)と、充填液(F-1)~(F-7)の何れか1つとを組み合わせた。これにより、インクセット(IS-1)~(IS-7)を準備した。
[評価]
以下の方法により、インクセット(IS-1)~(IS-7)について、インクの凝集を抑制できるか否かと、充填液の導入性(充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易い性質)とを測定した。測定結果を下記表4に示す。
(凝集抑制)
評価対象となるインクセットの備えるインク(検討Aでは、インク(I-1))1質量部と、充填液(検討Aでは、充填液(F-1)~(F-7)の何れか)50質量部とを、ビーカーで混合した。次に、混合液の入ったビーカーを40℃の恒温槽で1カ月間保管した(保管処理)。処理後の混合液は、蒸発によって体積が50%程度減少していた。処理後の混合液について、粒子形状画像解析装置(マルバーンパナティカル社製「FPIA(登録商標)-3000」)を用いて、粒子径3μm以上の凝集物の有無を解析した。インクの凝集の抑制は、保管処理後に粒子径3μm以上の凝集物が発生しなかった場合を「A(合格)」、発生した場合を「B(不合格)」とした。
なお、記録ヘッドを検査した後に記録ヘッドに充填液を充填した場合、記録ヘッドの内部では残留インクと充填液とが混合する。残留インクと充填液との混合比率(インクの量/充填液の量)は、記録ヘッドの部位によって異なるが、最大で1/50程度になると想定される。そのため、インク及び充填液の混合比率は、インク1質量部:充填液50質量部とした。また、記録ヘッドの内部で発生した粒子径3μm以上の凝集物は、記録ヘッドの内部に配設されたフィルターを目詰まりさせてインクの吐出不良を発生させる可能性がある。そのため、保管処理後に粒子径3μm以上の凝集物が発生するか否かを、インクの凝集を抑制できるか否かの判定基準とした。
(導入性)
未使用の記録ヘッド(京セラ株式会社製「KJ4B-QA」、全ノズル数:2656本)を純水で洗浄後、十分に乾燥させた。評価対象となるインクセットの備える充填液(検討Aでは、充填液(F-1)~(F-7)の何れか)25mLを、記録ヘッドに充填した。その後、記録ヘッドから充填液を吐出することで記録ヘッドから充填液を排出した。この操作を、合計10回行った(のべ250mL充填)。その後、充填液を記録ヘッドに再度充填した。その後、充填液を充填した記録ヘッドを用いて、ガラス板に対してノズルチェックパターン印刷を行った。これにより、充填液を含むノズルチェックパターンをガラス板上に形成した。次に、上述のガラス板をスキャナーで読み取ることにより、充填液を吐出できた吐出ノズルの個数(吐出ノズル数)をカウントした。下記式により、記録ヘッドの全ノズル数(2656本)に対する吐出ノズル数の割合[%](導入率)を求めた。充填液の導入性は、下記基準に沿って判定した。
導入率=100×吐出ノズル数/全ノズル数
(導入性の判定基準)
A(合格):導入率が90%以上
B(不合格):導入率が90%未満
Figure 2022170282000004
表1~4に示すように、インクセット(IS-1)~(IS-5)の備える充填液(F-1)~(F-5)は、HLB値が5.0以下の特定界面活性剤を含有していた。インクセット(IS-1)~(IS-5)は、充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易く、かつ記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを効果的に抑制できた。
一方、インクセット(IS-6)~(IS-7)の備える充填液(F-6)~(F-7)は、HLB値が5.0超の界面活性剤を含有していた。HLB値が5.0超の界面活性剤は、充填液の界面活性を十分に低下させることができないと判断される。その結果、インクセット(IS-6)~(IS-7)は、充填液の導入性が不十分であった。
<検討B:充填液におけるアルコール化合物>
次に、充填液に用いるアルコール化合物について検討した。
[充填液(F-8)~(F-15)の調製]
各成分の添加量を下記表5~6に示す通りに変更した以外は、充填液(F-1)の調製と同様の方法により、充填液(F-8)~(F-15)を調製した。
[インクセット(IS-8)~(IS-15)の準備]
下記表5~6に示す通りに、インク(I-1)と、充填液(F-8)~(F-15)の何れか1つとを組み合わせた。これにより、インクセット(IS-8)~(IS-15)を準備した。
[評価]
インクセット(IS-1)~(IS-7)に対する評価と同様の方法により、インクセット(IS-8)~(IS-15)について、インクの凝集を抑制できるか否かと、充填液の導入性とを評価した。評価結果を下記表5~6に示す。
下記表5~6の説明を以下に示す。
PEG-200:ポリエチレングリコール(三洋化成工業株式会社製「PEG-200」)、質量平均分子量200
ノニルAlc:ノニルアルコール、炭素原子数9
デシルAlc:n-デシルアルコール、炭素原子数10
ドデシルAlc:n-ドデシルアルコール、炭素原子数12
ミリスチルAlc:ミリスチルアルコール、炭素原子数14
Figure 2022170282000005
Figure 2022170282000006
表5~6に示すように、インクセット(IS-9)、(IS-10)、(IS-13)及び(IS-14)の備える充填液(F-9)、(F-10)、(F-13)及び(F-14)は、炭素原子数10以上12以下の特定アルコール化合物を含有していた。(F-9)、(F-10)、(F-13)及び(F-14)において、特定アルコール化合物の含有割合は、0.1ppm以上1.0ppm以下であった。インクセット(IS-9)、(IS-10)、(IS-13)及び(IS-14)は、充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易く、かつ記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを効果的に抑制できた。
一方、インクセット(IS-8)及び(IS-11)の備える充填液(F-8)及び(IS-11)は、炭素原子数10未満のアルコール化合物、又は炭素原子数12超のアルコール化合物を含有していた。炭素原子数10未満のアルコール化合物は、親水性が比較的高く、特定界面活性剤のミセル化を十分に促進できないと判断される。炭素原子数12超のアルコール化合物は、疎水性が比較的高く、アルコール化合物自身がミセルを形成するため、特定界面活性剤のミセル化を十分に促進できないと判断される。その結果、インクセット(IS-8)及び(IS-11)は、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを十分に抑制できなかった。
インクセット(IS-12)の備える充填液(F-12)は、特定アルコール化合物の含有割合が0.1ppm未満であった。充填液(F-12)は、特定アルコール化合物が不足するため、特定界面活性剤のミセル化を十分に促進できないと判断される。その結果、インクセット(IS-12)は、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを十分に抑制できなかった。
インクセット(IS-15)の備える充填液(F-15)は、特定アルコール化合物の含有割合が1.0ppm超であった。充填液(F-15)は、特定アルコール化合物が過剰であるため、特定アルコール化合物が顔料粒子の分散を阻害したと判断される。その結果、インクセット(IS-15)は、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを十分に抑制できなかった。
<検討C:アルカンジオール>
次に、インクにおける1,2-アルカンジオールについて検討した。
[インク(I-2)~(I-9)の調製]
各成分の添加量を下記表7~9に示す通りに変更した以外は、インク(I-1)の調製と同様の方法により、インク(I-2)~(I-9)を調製した。
[インクセット(IS-16)~(IS-23)の準備]
下記表5~6に示す通りに、インク(I-2)~(I-9)のいつずれか1つと、充填液(F-2)とを組み合わせた。これにより、インクセット(IS-16)~(IS-23)を準備した。
[評価]
インクセット(IS-1)~(IS-7)に対する評価と同様の方法により、インクセット(IS-16)~(IS-23)について、インクの凝集を抑制できるか否かと、充填液の導入性とを評価した。評価結果を下記表8~9に示す。
下記表8~9の説明を以下に示す。
1,2-Hex:1,2-ヘキサンジオール、炭素原子数6
1,2-Hep:1,2-ヘプタンジオール、炭素原子数7
1,2-Oct:1,2-オクタンジオール、炭素原子数8
1,2-Non:1,2-ノナンジオール、炭素原子数9
Figure 2022170282000007
Figure 2022170282000008
Figure 2022170282000009
表8に示すように、インクセット(IS-17)、(IS-18)、(IS-20)及び(IS-21)の備えるインク(I-3)、(I-4)、(I-6)及び(I-7)は、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールを含有していた。インクセット(IS-17)、(IS-18)、(IS-20)及び(IS-21)は、充填液が記録ヘッド内のインク流路に導入され易く、かつ記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを効果的に抑制できた。
一方、インクセット(IS-16)、インクセット(IS-22)及び(IS-23)の備えるインク(I-2)、(I-8)及び(I-9)は、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールを含有していなかった。インク(I-2)、(I-8)及び(I-9)は、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールを含有していないことにより、充填液と十分に混合しなかったと判断される。その結果、インクセット(IS-16)、(IS-22)及び(IS-23)は、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを十分に抑制できなかった。
インクセット(IS-19)の備えるインク(I-5)は、炭素原子数9の1,2-アルカンジオールを含有していた。炭素原子数9の1,2-アルカンジオールは、疎水性が高く、顔料の分散性を低下させると判断される。その結果、インクセット(IS-19)は、記録ヘッド内でインク中の顔料成分が凝集することを十分に抑制できなかった。
本発明のインクセット及び記録ヘッドの検査方法は、記録ヘッドの製造において用いることができる。

Claims (7)

  1. インクジェット用インクと、記録ヘッド充填液とを備えるインクセットであって、
    前記インクジェット用インクは、顔料と、炭素原子数7又は8の1,2-アルカンジオールと、水とを含有し、
    前記記録ヘッド充填液は、炭素原子数10以上12以下の特定アルコール化合物と、特定界面活性剤と、水とを含有し、
    前記特定界面活性剤のHLB値は、5.0以下であり、
    前記記録ヘッド充填液における前記特定アルコール化合物の含有割合は、0.1ppm以上1.0ppm以下である、インクセット。
  2. 前記特定界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤又はソルビタン脂肪酸エステルを含む、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記記録ヘッド充填液における前記特定界面活性剤の含有割合は、0.03質量%以上0.30質量%以下である、請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記特定アルコール化合物は、n-デシルアルコール又はn-ドデシルアルコールを含む、請求項1~3の何れか一項に記載のインクセット。
  5. 前記インクジェット用インクにおける前記1,2-アルカンジオールの含有割合は、0.2質量%以上2.0質量%以下である、請求項1~4の何れか一項に記載のインクセット。
  6. 前記記録ヘッド充填液は、前記インクジェット用インクが残留している記録ヘッドに充填して用いる、請求項1~5の何れか一項に記載のインクセット。
  7. 請求項1~6の何れか一項に記載のインクセットを用いた記録ヘッドの検査方法であって、
    前記記録ヘッドの吐出性能を検査する検査工程と、
    前記検査工程後の前記記録ヘッドに前記記録ヘッド充填液を充填する充填工程とを備え、
    前記検査工程では、前記記録ヘッドによって前記インクジェット用インクを吐出することで前記記録ヘッドの吐出性能を検査する、記録ヘッドの検査方法。
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