JP2015063054A - インクジェットヘッド用充填液 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットヘッド内部に充填しインクジェットヘッドを長期間保存した際に、凝集物や沈澱物が生じ難く、インクの吐出不良が改善されたインクジェットヘッド用充填液を提供する。【解決手段】少なくとも水と平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子を含有するインクを吐出するインクジェットヘッドの保存時に用いられるインクジェットヘッド用充填液であって、該充填液が水とアンモニウムイオンを含有し、かつモノカルボン酸類、ジカルボン酸類、リン酸類、チオ硫酸、チオシアン酸、およびこれらの酸類の共役塩基から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェットヘッド用充填液。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも水と平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子を含有するインクを吐出するインクジェットヘッドの保存時に用いられるインクジェットヘッド用充填液に関する。
従来、インクジェット印刷装置は、染料インクや顔料インクを用い、文章、図表、写真、ポスター等を印刷するために用いられてきたが、近年、インクを吐出する力が強く、多数のノズルを有する産業用途向けのインクジェットヘッドが上市されており、これらのインクジェットヘッドが搭載されたインクジェット印刷装置は、生地への捺染、陶器への着色、一般商業印刷、三次元造形、建材着色、半導体製造、液晶パネル製造、カラーフィルター製造、電子回路作製など、新たな用途に用いられ始めている。
電子回路作製に用いるインクには、導電性高分子化合物や金属超微粒子を含有するインクが用いられ、得られる導電性の高さから金属超微粒子を含有するインクが好適に用いられる。例えば特開2005−93380号公報(特許文献1)には平均一次粒子径が0.6μm以下の銀粉と、溶媒としてポリオールを必須成分とする銀インクが開示されている。また特開2009−91383号公報(特許文献2)には液滴吐出ヘッドから安定して吐出可能なインクとして、金属粒子を水系分散媒に分散してなる分散液中に、導体パターン形成用インクの乾燥を抑制する乾燥抑制剤が含まれる導体パターン形成用インクが開示されている。更には国際公開第2010/011841号パンフレット(特許文献3)にはインクジェット印刷プロセスに好適なインクとして、金属ナノ粒子、保湿剤、分散剤、溶媒を含むナノ粒子のインク組成物が開示され、特開2009−242874号公報(特許文献4)にはマルトデキストリンを用いて作製された銀超微粒子を含有するインクが開示されている。
一方、インクジェット印刷装置に搭載されているインクジェットヘッドには、1〜50pL程度の微小な液滴を多数のノズルから高速に吐出させる精密な機構が内蔵されており、インク流路やフィルター、ノズルなどの数十μm程度の非常に狭い空間をインクが通過する。その際にインクに含まれる金属超微粒子がインク流路やノズルなどに付着し、付着した金属超微粒子により液滴の吐出不良が発生するという問題があった。そのため付着した金属超微粒子を洗浄し取り除くことが必要であり、例えば特開2007−91846号公報(特許文献5)には、エチンジオール系非イオン性界面活性剤、多価アルコール、防腐剤、および水より構成される洗浄液が開示され、特開2009−136844号公報(特許文献6)には、水系分散媒と糖アルコール、界面活性剤を含む洗浄液が開示されている。また、インクジェットヘッドは洗浄後、インクジェットヘッド用充填液を充填し保存されることも一般に行われ、このようなインクジェットヘッド用充填液としては、例えば先の特開2007−91846号公報に開示されている洗浄液や、特許第4416032号公報(特許文献7)に開示されている水系分散媒と糖アルコール、および界面活性剤を含むインクジェットヘッド用充填液が知られている。
しかしながらこれらのインクジェットヘッド用充填液を用いて、例えば一週間以上の長期間の保存を行った場合、インク流路内などに微量に残留したインクの影響によって、凝集物や沈降物が発生しやすく、インクの吐出不良を発生させてしまう場合があり、解決が求められていた。
一方、インクジェットヘッド洗浄液にアンモニウム塩を添加することは知られており、例えば特開2011−105884号公報(特許文献8)には金属粒子を水系分散媒に分散した導体パターン形成用インクを吐出する液滴吐出装置を洗浄する洗浄液として、セラミックス粒子と水系分散媒を含む洗浄液が開示されており、該洗浄液に含まれていても良い分散剤としてクエン酸三アンモニウムが記載されている。また特開2009−102475号公報(特許文献9)には金属粒子を含有するインクジェットインクを吐出するインクジェット記録装置の洗浄に用いるインクジェット用洗浄液として、金属粒子を溶解可能な化合物を含有するインクジェット洗浄液が開示されており、該化合物としてメルカプト化合物のアンモニウム塩や、2,2′−ビピリジル−4,4′−ジカルボン酸アンモニウム、グリシンのアンモニウム塩等が記載されている。
特開2005−93380号公報 特開2009−91383号公報 国際公開第2010/011841号パンフレット 特開2009−242874号公報 特開2007−91846号公報 特開2009−136844号公報 特許第4416032号公報 特開2011−105884号公報 特開2009−102475号公報
本発明の目的は、インクジェットヘッド内部に充填しインクジェットヘッドを長期間保存した際に、凝集物や沈澱物が生じ難く、インクの吐出不良が改善されたインクジェットヘッド用充填液を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.少なくとも水と平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子を含有するインクを吐出するインクジェットヘッドの保存時に用いられるインクジェットヘッド用充填液であって、該充填液が水とアンモニウムイオンを含有し、かつモノカルボン酸類、ジカルボン酸類、リン酸類、チオ硫酸、チオシアン酸、およびこれらの酸類の共役塩基から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェットヘッド用充填液。
本発明によれば、インクジェットヘッド内部に充填しインクジェットヘッドを長期間保存した際に、凝集物や沈澱物が生じ難く、インクの吐出不良が改善されたインクジェットヘッド用充填液を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、少なくとも水と平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子を含有するインクを吐出した後のインクジェットヘッドを、水、アンモニウムイオン、および上記した特定の酸類、およびこれらの酸類の共役塩基から選択される少なくとも1種を含有するインクジェットヘッド用充填液を用いて保存することにより、長期間の保存中に沈殿物や凝集物が生じ難く、ヘッド内部のフィルターやノズルを閉塞させることがなく、インクの吐出不良が改善されることを見出した。
本発明におけるインクジェットヘッドとは、圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させ、インク流路内のインクを加圧してノズルより吐出させるピエゾ型のインクジェットヘッド、あるいは発熱抵抗体を用いてインク流路内のインクを局所的に加熱し気泡を発生させ、インクを加圧してノズルより吐出させるサーマル型のインクジェットヘッド、インク流路中およびノズルの先に電極を設け電圧を印加することによりノズルより吐出させる静電型のインクジェットヘッドなど、公知の各種インクジェットヘッドを示す。
本発明のインクジェットヘッド用充填液について説明する。本発明において、インクジェットヘッド用充填液は少なくとも水とアンモニウムイオンを含有し、かつモノカルボン酸類、ジカルボン酸類、リン酸類、チオ硫酸、チオシアン酸、およびこれらの酸類の共役塩基から選択される少なくとも1種を含有する。本発明のインクジェットヘッド用充填液は前記した成分のほかに、経時安定性、インクジェットヘッドなどの各種部材への適合性、微細なインク流路への浸透性などの各種特性向上の目的に応じて各種添加剤、例えば水溶性有機溶剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤などを適宜含有することができる。また公知のキレート剤、防黴剤、防錆剤などの添加剤も含有することができる。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有するアンモニウムイオンとは、アンモニア、第一級アミン、第二級アミンまたは第三級アミンに水素イオンが結合してできたカチオンを意味する。インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点からアンモニアに水素イオンが結合して形成されるアンモニウムイオンが特に好ましい。本発明のインクジェットヘッド用充填液は、アンモニウムイオン以外のカチオンを含有していても良い。なお、本発明のインクジェットヘッド用充填液に上記したアンモニウムイオンを含有せしめるために用いる化合物としては、例えば硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、テトラブチルアンモニウムブロミド等が挙げられるが、後述する酸類およびその共役塩基を充填液中に含有せしめるための化合物として、これら化合物のアンモニウム塩を用いる場合、前記したアンモニウムイオンを含有せしめるために添加する化合物を兼ねることができる。本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有するアンモニウムイオンの含有量は特に限定されないが、インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点から、インクジェットヘッド用充填液1kgあたり0.0008〜0.23molであることが好ましく、0.005〜0.15molであることが特に好ましい。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有するモノカルボン酸類とは、カルボキシル基を1つ有する化合物を意味し、モノカルボン酸類の共役塩基とは、カルボキシル基が水素イオンを放出し生じるアニオンを意味する。本発明のインクジェットヘッド用充填液にモノカルボン酸類またはその共役塩基を含有せしめるために用いる化合物としては特に限定されず、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸等のモノカルボン酸、およびこれらのモノカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、サリチル酸等のヒドロキシル基を有するモノカルボン酸、およびこれらのヒドロキシル基を有するモノカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を例示できる。インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点から炭素数が5以下のモノカルボン酸およびその塩が好ましく、さらに炭素数が5以下のヒドロキシル基を有するモノカルボン酸およびその塩が特に好ましい。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有するジカルボン酸類とは、カルボキシル基を2つ有する化合物を意味し、ジカルボン酸類の共役塩基とは、該化合物の1つ以上のカルボキシル基が水素イオンを放出し生じるアニオンを意味する。本発明のインクジェットヘッド用充填液にジカルボン酸類またはその共役塩基を含有せしめるために用いる化合物としては特に限定されず、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、フタル酸等のジカルボン酸、およびこれらのジカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等、リンゴ酸、酒石酸等のヒドロキシル基を有するジカルボン酸、およびこれらのヒドロキシル基を有するジカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を例示できる。インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点からヒドロキシル基を有するジカルボン酸およびその塩が好ましく、リンゴ酸およびその塩が特に好ましい。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有するリン酸類とは、リン酸骨格を有する化合物を意味し、リン酸類の共役塩基とは、リン酸類が1つ以上の水素イオンを放出し生じるアニオンを意味する。本発明のインクジェットヘッド用充填液にリン酸類またはその共役塩基を含有せしめるために用いる化合物としては特に限定されず、リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を例示できる。インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点からオルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸、およびこれらの塩が好ましく、オルトリン酸、ポリリン酸、およびこれらの塩が特に好ましい。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有するチオ硫酸の共役塩基とは、チオ硫酸が1つ以上の水素イオンを放出し生じるアニオンを意味する。本発明のインクジェットヘッド用充填液にチオ硫酸またはその共役塩基を含有せしめるために用いる化合物としては特に限定されず、チオ硫酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を例示できる。充填液中での安定性の観点からチオ硫酸塩が好ましく、インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有するチオシアン酸の共役塩基とは、チオシアン酸が水素イオンを放出し生じるアニオンを意味する。本発明のインクジェットヘッド用充填液にチオシアン酸またはその共役塩基を含有せしめるために用いる化合物としては特に限定されず、チオシアン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を例示できる。充填液中での安定性の観点からチオシアン酸塩が好ましく、インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点からチオシアン酸アンモニウムが特に好ましい。
本発明のインクジェットヘッド用充填液の全質量に対するモノカルボン酸類、ジカルボン酸類、リン酸類、チオ硫酸、チオシアン酸、およびこれらの酸類の共役塩基から選択される少なくとも1種の含有量は特に限定されないが、インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点から、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対して0.005〜1.5質量%であることが好ましく、0.03〜1.0質量%であることが特に好ましい。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有することのできる水溶性有機溶剤としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)を例示することができる。中でも、本発明のインクジェットヘッド用充填液は多価アルコールを含むことが好ましい。水溶性有機溶媒はインクジェットヘッド用充填液の全質量に対して5〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%であり、特に好ましくは15〜40質量%である。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有することのできる界面活性剤としては、公知の各種界面活性剤、例えばジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、アセチレングリコール類等のノニオン系界面活性剤、アルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体等のカチオン系界面活性剤、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類等の両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を挙げることができる。インクジェットヘッドを長期間保存した際の凝集物や沈殿物の発生を効果的に抑制する観点からアニオン系界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩が特に好ましい。界面活性剤のインクジェットヘッド用充填液全体に対する添加量は0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明のインクジェットヘッド用充填液が含有することのできる消泡剤としては、公知の各種消泡剤、例えばシリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、アセチレン系消泡剤などを挙げることができる。インクジェットヘッド用充填液全体に対する添加量は0.1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.05質量%以下である。
本発明のインクジェットヘッド用充填液は、水、アンモニウムイオン、およびモノカルボン酸類、ジカルボン酸類、リン酸類、チオ硫酸、チオシアン酸、およびこれらの酸類の共役塩基から選択される少なくとも1種、前述した各種添加剤等を混合後、フィルターで濾過することが好ましい。フィルターの孔径は10μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。
本発明におけるインクジェットヘッドの保存とは、少なくとも24時間を超え、好ましくは一週間以上であり、特に好ましくは一ヶ月以上の期間、インクジェットヘッドの内部を充填液で満たすことを意味する。また、本発明のインクジェットヘッド用充填液は、洗浄液としても用いることができる。
本発明におけるインクは、少なくとも水と平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子を含有する。
インクが含有する金属超微粒子の平均粒子径は、金属超微粒子の分散安定性の観点から、また得られる導電性の観点から1〜100nmであり、好ましくは10〜50nmである。なお、金属超微粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡下での観察により求めることができる。詳細にはポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、金属超微粒子を含有する分散液を塗布、乾燥させ、走査型電子顕微鏡にて観察し、一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として求め、更にこれを平均し求める。
本発明におけるインクは、分散安定性の観点から金属超微粒子の保護コロイド(分散剤)として機能する物質を含有することが好ましい。保護コロイドとして機能する物質は特に限定されず、公知の保護コロイドとして機能する物質を選択すれば良い。かかる保護コロイドとしては、インクにより形成される導電性パターンの導電性の観点から、Experiments in Colloid Chemistry,1940,p.19,Hauser,E.A.and Lynn,J.E.や特開2009−242874号公報に記載の如く糖類を用いることが特に好ましい。
金属超微粒子の金属種としては、金、銀、銅、白金、鉄、亜鉛、ニッケル、アルミニウムなどを例示することができる。特に高い導電性が得られ、また価格、生産性、扱いやすさ等の点から、銀を主成分とすることが好ましい。銀を主成分とするとは、全金属超微粒子中において、銀の占める割合が少なくとも50質量%以上であることを意味し、より好ましくは銀の占める割合が70質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上である。銀以外に含まれる金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、ニッケル、ビスマス等を挙げることができる。銀以外の金属は銀を主成分とする金属超微粒子中に含まれていても良く、銀を主成分とする金属超微粒子と銀以外の金属の超微粒子が混合されていても良い。
金属超微粒子としては、不活性ガス中で金属を蒸発させガスとの衝突により冷却・凝縮し回収するガス中蒸発法、レーザー照射のエネルギーにより液中で蒸発・凝縮し回収するレーザーアブレーション法、水溶液中で金属イオンを還元し生成・回収する化学還元法、有機金属化合物の熱分解による方法、金属塩化物の気相中での還元による方法、酸化物の水素中還元法等、公知の種々の方法により製造されたものより、極性溶媒である水を含む分散媒に分散可能な金属超微粒子を好ましく用いることができる。なお上記の製造方法の内、化学還元法は水溶液中で金属超微粒子を製造するため、必然的に金属超微粒子の分散媒は水を含有することになる。本発明におけるインクでは生産性の観点から化学還元法で製造された金属超微粒子を用いることがより好ましい。
化学還元法にて金属超微粒子を製造する際に用いる還元剤としては特に限定されず、金属イオンを還元することができる公知の還元剤を選択すれば良い。具体的にはハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルフォネートカリウム塩、アスコルビン酸又はその塩、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン化合物、ホルマリン、ホスフィン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、および糖類を挙げることができる。特に糖類を還元剤として用いた場合、保護コロイドとしても作用するため、特に好ましい。糖類を還元剤および保護コロイドとして兼用する場合、その添加量は、金属イオン1モルに対して、10〜200gが好ましく、より好ましくは30〜110gである。
なお、金属超微粒子を製造する際において、糖類は還元剤として消費され、さらに必要に応じ精製が行われるため、金属超微粒子となった段階において含まれている糖類は、インク中に含まれる金属超微粒子の金属原子1モルに対して、1〜50gであることが好ましい。
なお、糖類以外の物質を還元剤として用い、化学還元法により金属超微粒子を製造した場合、または化学還元法以外の方法にて金属超微粒子を製造した場合、金属超微粒子含有組成物に対し、糖類を保護コロイドとしても作用させるべく、糖類を別途添加し含有させることも可能である。糖類の添加量はインク中に含まれる金属超微粒子の金属原子1モルに対して、5〜100gが好ましく、より好ましくは15〜55gである。
糖類は特に限定されないが、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、マルトース、スクロース、セロビオース、ラクトース、トレハロース、イルマルトース、ゲンチオビース等の二糖類、ゲンチアノース、ラフィノース、パノース等の三糖類、セルロース、デンプン、キチン、キトサン、デキストリン、シクロデキストリン、マンナン、ガラクタン、フカン、フルクタン、イヌリン、レバン、キシラン、アラビナン、グルコマンナン、ガラクトグルコマンナン、ガラクトマンナン、アラビノガラクタン、ペクチン、プルラン、アルギン酸、ヘミセルロース、ヒアルロン酸、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、グアーガム、キサンタンガム、ジェランガム等の多糖類を例示できる。上記多糖類は化学修飾したものであっても差し支えない。化学修飾の方法としては、例えば、メチル化、エチル化、アルキル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチル化、硫酸化、硝酸化等が挙げられる。これらの糖類の中でも、保護コロイドとしての性能の観点から多糖類が好ましく、水溶性であり還元剤としての取り扱いが容易であることからアルギン酸、デキストリン、カラギーナン、プルラン、グアーガムが更に好ましく、導電性の観点からデキストリンが特に好ましい。
化学還元法にて金属超微粒子を製造する際に多糖類を還元剤として用いた場合、還元反応が終了した段階で1,4−α−結合を不規則に切断するα−アミラーゼを作用させ、還元反応が終了した段階において残留している過剰な多糖類を低分子化することは、導電性の観点から好ましい。α−アミラーゼは、例えば天野エンザイム(株)よりビオザイムF10SD、ビオザイムAとして市販されているα−アミラーゼを用いることができる。α−アミラーゼ添加前の金属超微粒子分散液は、α−アミラーゼに適したpH4〜10、20〜50℃に調整されることが好ましい。pHの調整には、酢酸等のカルボン酸類や硝酸を用いることが好ましい。α−アミラーゼの添加量は、用いる多糖類の質量に対し0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。多糖類を低分子化した後は、遠心分離により金属超微粒子を沈降・分離し、低分子化した多糖類を不要な塩類と共に金属超微粒子分散液から分離除去することも、導電性の観点から好ましい態様の1つである。
本発明におけるインクが含有する糖類の定量方法としては、糖と硫酸との反応で生じるフルフラールまたはその誘導体とフェノールとの間で生成する呈色体の比色分析をすることを基本とするフェノール硫酸法(「分析化学便覧(改訂第2版)」日本分析化学会編(1971年、丸善)1230頁)を例示できる。この定量方法では、糖類の総量はグルコース換算値として得られる。
本発明におけるインクにおいては、吐出性、吐出安定性、経時安定性、基材密着性、インクジェットヘッドなどの各種部材への適合性などの各種特性向上の目的に応じて各種添加剤、例えば水溶性有機溶剤、界面活性剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、防黴剤、水溶性樹脂、水分散性樹脂、金属酸化物超微粒子、pH調整剤、消泡剤などを適宜選択して用いることができる。
インクに用いることのできる水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等を挙げることができる。なお、糖類として多糖類を含有する場合には、少なくともエチレングリコールを含むことが金属超微粒子の分散安定性の観点から好ましい。
更に粘度を調整するためにポリエチレングリコールを含有することも好ましい態様の一つであり、ポリエチレングリコールとしては、平均分子量の異なる製品が各種市販されており、好ましく用いることができる。例えば日油(株)からはPEG#200(平均分子量200)、PEG#300(平均分子量300)、PEG#400(平均分子量400)、PEG#600(平均分子量600)、PEG#1000(平均分子量1000)、PEG#1540(平均分子量1540)、PEG#2000(平均分子量2000)、PEG#4000(平均分子量3100)、PEG#6000(平均分子量8800)、PEG#11000(平均分子量11000)、PEG#20000(平均分子量20000)が市販されている。
インクに用いることのできる界面活性剤としては、本発明のインクジェットヘッド用充填液に用いることのできる公知の各種界面活性剤を同様に用いることができる。インクの表面張力は40mN/m以下に調整することが好ましく、より好ましくは25〜35mN/mである。また、消泡剤としては、公知の各種消泡剤、例えばシリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、アセチレン系消泡剤などを挙げることができる。
インクジェットインクは各種添加剤を混合した後、フィルターで濾過することが好ましい。フィルターの孔径は10μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<インク1の作製>
10Lのステンレスビーカーに焙焼デキストリン(日澱化学(株)製、デキストリンNo.3)653gと純水5772gを加え、約30分間撹拌し溶解した。その後、硝酸銀1582gを加え、約30分間撹拌し溶解した。この液を氷浴中にて約5℃まで冷却し、水酸化カリウム730gを純水1007gに溶解した10℃の液を添加し、氷浴中で撹拌しながら1時間の還元反応を行った。得られた溶液に酢酸を添加し、pH=5.6に調整後、恒温水槽を用いて45℃に昇温し、ビオザイムF10SD(天野エンザイム(株)製)を3.0g添加し1時間撹拌した。得られた液を遠心分離法により精製した後、全銀超微粒子分散液中に占める銀固形分の割合が50質量%になるように純水を加え再分散し、銀超微粒子分散液1を得た。含まれる銀超微粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡下での観察により求めたところ23nmであった。またフェノール硫酸法により、全銀超微粒子分散液1中に占める糖類の割合はグルコース換算値で5.0質量%と定量された。
銀超微粒子分散液1に、インクのでき上がり量に対して界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227、アニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)を0.15質量%、およびエチレングリコールを30質量%添加し、20質量%の銀濃度になるように純水を加え、さらに孔径0.50μmのフィルターで濾過を行いインク1を得た。得られたインク1の表面張力は31mN/mであった。
<インクジェットヘッド用充填液1の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液1を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液2の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液2を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液3の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、炭酸アンモニウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液3を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液4の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、リン酸二カリウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液4を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液5の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、リン酸二アンモニウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液5を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液6の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、リン酸一アンモニウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液6を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液7の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、酢酸アンモニウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液7を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液8の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、チオ硫酸アンモニウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液8を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液9の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、チオシアン酸アンモニウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液9を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液10の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、リン酸二カリウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液10を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液11の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、リン酸を0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液11を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液12の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、亜リン酸ナトリウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液12を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液13の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、ピロリン酸ナトリウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液13を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液14の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、メタリン酸ナトリウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液14を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液15の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、ポリリン酸ナトリウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液15を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液16の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、サリチル酸を0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液16を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液17の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、グリコール酸を0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液17を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液18の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、コハク酸を0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液18を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液19の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、硫酸アンモニウムを0.050質量%、リンゴ酸を0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液19を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液20の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、テトラブチルアンモニウムブロミドを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液20を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液21の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、テトラブチルアンモニウムブロミドを0.050質量%、リン酸二カリウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液21を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液22の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、リン酸二アンモニウムを0.050質量%、エチレングリコールを25質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液22を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液23の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、リン酸二アンモニウムを0.050質量%、トリエチレングリコールを25質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液23を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液24の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、リン酸二アンモニウムを0.010質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液24を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液25の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、リン酸二アンモニウムを0.50質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液25を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液26の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、リン酸二アンモニウムを1.5質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液26を作製した。
<インクジェットヘッド用充填液27の作製>
純水と、インクジェットヘッド用充填液の全質量に対し界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227)を0.15質量%、クエン酸三アンモニウムを0.050質量%含有する、インクジェットヘッド用充填液27を作製した。
<凝集物や沈殿物発生の評価>
上記のようにして得たインクジェットヘッド用充填液1〜27各々2000mL(孔径0.50μmのフィルターで濾過済み)に、インク1を200μL加えた混合液を作製し、室温にて保存した。その後、1週間毎に保存中の混合液から各100mLを採取し、インクジェットヘッド内部のフィルターを模した孔径8μm直径5mmの電鋳ニッケルフィルターに通過させ、フィルター上に堆積した沈殿物を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、フィルターの閉塞が1%以上に達するのに要した期間を調べた。この結果を表1に記す。なお、評価期間中、混合液はいずれも銀超微粒子のプラズモン共鳴吸収に起因する褐色を呈しており、銀超微粒子が各充填液により溶解しないことを確認した。
Figure 2015063054
表1の結果より、本発明のインクジェットヘッド用充填液は、インクが混入しても凝集物や沈殿物が発生し難いことから、これを用いてインクジェットヘッドを保存した場合、インクの吐出不良の改善に極めて有効であることが判る。
本発明のインクジェットヘッド用充填液の応用として、インクジェットヘッドの洗浄のみならず、フレキソ印刷やグラビア印刷など、金属超微粒子を含むインクを用いた印刷方法の刷版やブランケットの洗浄に用いることができる。

Claims (1)

  1. 少なくとも水と平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子を含有するインクを吐出するインクジェットヘッドの保存時に用いられるインクジェットヘッド用充填液であって、該充填液が水とアンモニウムイオンを含有し、かつモノカルボン酸類、ジカルボン酸類、リン酸類、チオ硫酸、チオシアン酸、およびこれらの酸類の共役塩基から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とするインクジェットヘッド用充填液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021235341A1 (ja) * 2020-05-18 2021-11-25 ブラザー工業株式会社 記録方法、及び記録用水性インク
CN115246269A (zh) * 2021-04-28 2022-10-28 京瓷办公信息系统株式会社 油墨套装和记录头检查方法

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