JP6037821B2 - 導電性パターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は金属超微粒子含有組成物および該金属超微粒子含有組成物を用いた導電性パターン形成方法に関する。
従来、インクジェット印刷装置は、染料インクや顔料インクを用い、文章、図表、写真、ポスター等を印刷するために用いられてきたが、近年、インクを吐出する力が強く、多数のノズルを有する産業用途向けのインクジェットヘッドが上市されており、これらのインクジェットヘッドが搭載されたインクジェット印刷装置は、生地への捺染、陶器への着色、一般商業印刷、三次元造形、建材着色、半導体製造、液晶パネル製造、カラーフィルター製造、導電性パターン形成など、新たな用途に用いられ始めている。
導電性パターン形成に用いるインクとして、導電性高分子化合物や金属超微粒子含有組成物が知られており、得られる導電性の高さから金属超微粒子含有組成物が好適に用いられる。金属超微粒子には粒径が小さい事が要求されており、凝集が少なく分散性に優れた金属超微粒子を生成するために、保護コロイド(分散剤)を用いる事が一般的である。かかる保護コロイドとして、例えば特開2003−213311号公報(特許文献1)には、デンプン、デキストリン、アミロース、アミロペクチン、またはこれらの誘導体等の1,4−グルコシド結合を有する化合物が開示されている。また、金属超微粒子の製造方法として、水溶液中で溶液中に存在する金属イオンを還元し生成・回収する化学還元法が知られており、還元剤として糖類を利用出来る事が、例えば、特許第2621915号公報(特許文献2)、特開平10−330801号公報(特許文献3)、特開2004−100013号公報(特許文献4)に記載されている。更には特開2009−242874号公報(特許文献5)には、化学還元法における保護コロイド兼還元剤としてマルトデキストリンを用いる銀超微粒子の製造方法が開示されている。
一方、インクジェット印刷装置に搭載されているインクジェットヘッドには、1〜50pL程度の微小な液滴を多数のノズルから高速に吐出させる精密な機構が内蔵されており、インク流路やフィルター、ノズルなどの数十μm程度の非常に狭い空間をインクが通過する。糖類を含有する水系の金属超微粒子を用いた金属超微粒子含有組成物は時間の経過とともに金属超微粒子含有組成物中に凝集物や沈殿物が生じる場合があり、該金属超微粒子含有組成物をインクとしてインクジェット印刷装置に充填し使用した場合、インク流路やフィルター、ノズルを閉塞させ、金属超微粒子含有組成物の吐出不良を発生させてしまう場合があり、解決が求められていた。
保護コロイドとして蛋白質を用いた金属超微粒子含有組成物に蛋白質分解酵素を添加する事は知られており、例えば特開2005−89597号公報(特許文献6)には主に蛋白質からなる保護コロイドで被覆された金属超微粒子を含む金属超微粒子含有組成物と、低温での焼結を可能にする目的で蛋白質分解酵素を添加した金属超微粒子含有組成物が開示されている。また特開2007−39765号公報(特許文献7)には蛋白質保護コロイドで被覆された金属超微粒子を含有する分散液に保護コロイド除去剤として蛋白質分解酵素を添加し、製造工程での金属超微粒子の回収を簡便化する金属超微粒子の製造方法が開示されている。
特開2003−213311号公報 特許第2621915号公報 特開平10−330801号公報 特開2004−100013号公報 特開2009−242874号公報 特開2005−89597号公報 特開2007−39765号公報
本発明の目的は、凝集物や沈殿物が生じ難い金属超微粒子含有組成物を提供する事、および吐出不良が生じ難く、安定して印刷出来る導電性パターン形成方法を提供する事にある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.水、平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子、糖類、および蛋白質分解酵素を少なくとも含有する金属超微粒子含有組成物を、インクジェット印刷装置を用いて基材の表面に付与する導電性パターン形成方法。
本発明によれば、凝集物や沈殿物が生じ難い金属超微粒子含有組成物を提供する事が出来、また吐出不良が生じ難く、安定して印刷出来る導電性パターン形成方法を提供する事が出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属超微粒子含有組成物について説明する。本発明の金属超微粒子含有組成物は、水、平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子、糖類、および蛋白質分解酵素を少なくとも含有する。
金属超微粒子含有組成物が含有する金属超微粒子の平均粒子径は、金属超微粒子の分散安定性の観点から、また得られる導電性の観点から1〜100nmであり、好ましくは10〜50nmである。なお、金属超微粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡下での観察により求める事が出来る。詳細にはポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、金属超微粒子分散液を塗布、乾燥させ、走査型電子顕微鏡にて観察し、一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として求め、更にこれを平均し求める。
金属超微粒子の金属種としては、金、銀、銅、白金、鉄、亜鉛、ニッケル、アルミニウム等を例示する事が出来る。特に高い導電性が得られ、また価格、生産性、扱いやすさ等の点から、銀を主成分とする事が好ましい。銀を主成分とするとは、全金属超微粒子中において、銀の占める割合が少なくとも50質量%以上である事を意味し、より好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上である。銀以外に含まれる金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、ニッケル、ビスマス等を挙げる事が出来る。銀以外の金属は銀を主成分とする金属超微粒子中に含まれていても良く、銀を主成分とする金属超微粒子と銀以外の金属の超微粒子が混合されていても良い。
金属超微粒子としては、不活性ガス中で金属を蒸発させガスとの衝突により冷却・凝縮し回収するガス中蒸発法、レーザー照射のエネルギーにより液中で蒸発・凝縮し回収するレーザーアブレーション法、水溶液中で溶液中金属イオンを還元し生成・回収する化学還元法、有機金属化合物の熱分解による方法、金属塩化物の気相中での還元による方法、酸化物の水素中還元法等、公知の種々の方法により製造されたものより、極性溶媒である水を含む分散媒に分散可能な金属超微粒子を好ましく用いる事が出来る。なお上記の製造方法の内、生産性の観点から化学還元法で製造された金属超微粒子を用いる事が好ましい。
化学還元法にて金属超微粒子を製造する際に用いる還元剤としては特に限定されず、金属イオンを還元する事が出来る公知の還元剤を選択すれば良い。具体的にはハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルフォネートカリウム塩、アスコルビン酸又はその塩、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン化合物、ホルマリン、ホスフィン酸又はその塩、酒石酸又はその塩、および糖類を挙げる事が出来る。特に糖類を還元剤として用いた場合、糖類は保護コロイドとしても作用するため、特に好ましい。糖類を還元剤および保護コロイドとして兼用する場合、その添加量は、金属イオン1モルに対して、10〜200gが好ましく、より好ましくは30〜110gである。
なお、糖類は還元剤として消費される他、更に例えば後述の如く必要に応じ遠心分離を行った場合には、金属超微粒子含有組成物が含有する糖類は金属超微粒子を製造する際の糖類添加量から算出された値よりも減少する場合がある。金属超微粒子含有組成物が含有する糖類の定量方法として、糖と硫酸との反応で生じるフルフラールまたはその誘導体とフェノールとの間で生成する呈色体の比色分析をする事を基本とするフェノール硫酸法(「分析化学便覧(改訂第2版)」日本分析化学会編(1971年、丸善)1230頁)を例示出来る。この定量方法では、糖類の総量はグルコース換算値として得られる。金属超微粒子含有組成物中に含まれる金属超微粒子の金属原子1モルに対して、糖類(グルコース換算値)は1〜50g含有する事が好ましく、より好ましくは2〜30gである。
なお、糖類以外の物質を還元剤として用い、化学還元法により金属超微粒子を製造した場合、または化学還元法以外の方法にて金属超微粒子を製造した場合、金属超微粒子含有組成物に対し、糖類を保護コロイドとしても作用させるべく、糖類を別途添加し含有させる事が好ましい。この場合においても金属超微粒子含有組成物中に含まれる金属超微粒子の金属原子1モルに対して、糖類(グルコース換算値)は1〜50g含有する事が好ましく、より好ましくは2〜30gである。
本発明における糖類は特に限定されないが、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、マルトース、スクロース、セロビオース、ラクトース、トレハロース、イルマルトース、ゲンチオビース等の二糖類、ゲンチアノース、ラフィノース、パノース等の三糖類、セルロース、デンプン、キチン、キトサン、デキストリン、シクロデキストリン、マンナン、ガラクタン、フカン、フルクタン、イヌリン、レバン、キシラン、アラビナン、グルコマンナン、ガラクトグルコマンナン、ガラクトマンナン、アラビノガラクタン、ペクチン、プルラン、アルギン酸、ヘミセルロース、ヒアルロン酸、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、グアーガム、キサンタンガム、ジェランガム等の多糖類を挙げる事が出来る。上記多糖類は化学修飾したものであっても差し支えない。化学修飾の方法としては、例えば、メチル化、エチル化、アルキル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシメチル化、硫酸化、硝酸化等が挙げられる。これらの糖類の中でも、保護コロイドとしての性能の観点から多糖類が好ましく、水溶性であり還元剤としての取り扱いが容易である事からアルギン酸、デキストリン、カラギーナン、プルラン、グアーガムが更に好ましく、得られる導電性の観点からデキストリンが特に好ましい。なお、多糖類を還元剤として用いた場合、還元反応が終了した段階で1,4−α−結合を不規則に切断するα−アミラーゼを作用させ、還元反応が終了した段階において残留している過剰な多糖類を低分子化する事が、得られる導電性の観点から好ましい。α−アミラーゼとしては、例えば天野エンザイム(株)よりビオザイムF10SD、ビオザイムAとして市販されているα−アミラーゼ含有酵素製剤を用いる事が出来る。α−アミラーゼ添加前の金属超微粒子分散液は、α−アミラーゼに適したpH4〜10、20〜50℃に調整される事が好ましい。pHの調整には、酢酸等のカルボン酸類や硝酸を用いる事が好ましい。α−アミラーゼの添加量は、用いる多糖類の質量に対しα−アミラーゼとして0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。多糖類を低分子化した後は、遠心分離により金属超微粒子を沈降・分離し、低分子化した多糖類を不要な塩類と共に金属超微粒子分散液から分離除去する事も、導電性の観点から好ましい。
本発明の金属超微粒子含有組成物が含有する蛋白質分解酵素について説明する。本発明では各種の公知な蛋白質分解酵素を用いる事が出来る。蛋白質分解酵素の例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ等の動物消化器系由来の蛋白質分解酵素(消化酵素)、コウジカビ(Aspergillus)属由来の蛋白質分解酵素、バチルス(Bacillus)属由来の蛋白質分解酵素、クモノスカビ(Rhizopus)属由来の蛋白質分解酵素、アオカビ(Penicillium)属由来の蛋白質分解酵素、ケカビ(Mucor)属由来の蛋白質分解酵素等の微生物由来の蛋白質分解酵素、パパイン、ブロメレイン、フィシン等の植物由来の蛋白質分解酵素等が挙げられる。コウジカビ属由来の蛋白質分解酵素、バチルス属由来の蛋白質分解酵素が、金属超微粒子含有組成物中の凝集物や沈殿物を生じ難くする効能に優れるため好ましい。
蛋白質分解酵素を含有する酵素製剤が各種市販されており、いずれも好ましく用いる事が出来る。市販されている酵素製剤の例としてはプロテアーゼM「アマノ」SD(コウジカビ属由来)、プロテアーゼA「アマノ」SD(コウジカビ属由来)、プロテアーゼP「アマノ」3SD(コウジカビ属由来)、プロチンSD−AY10(バチルス属由来)(以上、天野エンザイム(株)製)、スミチームAP(コウジカビ属由来)、スミチームFP(コウジカビ属由来)(以上、新日本化学工業(株)製)、デナプシン2P(コウジカビ属由来)、デナチームAP(コウジカビ属由来)、食品用精製パパイン(植物由来)、ビオプラーゼAL−15FG(バチルス属由来)、ビオプラーゼOP(バチルス属由来)、ビオプラーゼ30L(バチルス属由来)(以上、ナガセケムテックス(株)製)等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いる事が出来る。
金属超微粒子含有組成物に蛋白質分解酵素を含有せしめる方法は特に限定されず、例えば金属超微粒子の製造時に蛋白質分解酵素を加え、蛋白質分解酵素を含有する金属超微粒子分散液を製造し、その金属超微粒子分散液を金属超微粒子含有組成物に含有させても良く、あるいは蛋白質分解酵素を含有しない金属超微粒子分散液を製造し、その金属超微粒子分散液と蛋白質分解酵素とをそれぞれ金属超微粒子含有組成物に含有させても良い。
金属超微粒子含有組成物が含有する蛋白質分解酵素の量は特に限定されないが、金属超微粒子含有組成物中に含まれる金属超微粒子の金属原子1モルに対して、蛋白質分解酵素を0.01〜1.0g含有する事が好ましく、より好ましくは0.02〜0.50gである。
金属超微粒子含有組成物が含有する水の含有量は、30質量%以上が好ましく、より好ましくは40質量%以上である。上限は金属超微粒子含有組成物の金属超微粒子含有量、糖類含有量、蛋白質分解酵素含有量により制限される。
本発明の金属超微粒子含有組成物においては、吐出性、吐出安定性、経時安定性、基材密着性、インクジェットヘッドなどの各種部材への適合性などの各種特性向上の目的に応じて、水溶性有機溶剤、界面活性剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、防黴剤、水溶性樹脂、水分散性樹脂、金属酸化物超微粒子、pH調整剤、消泡剤などを適宜選択して用いる事が出来る。
金属超微粒子含有組成物に用いる事の出来る水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げる事が出来る。なお、糖類として多糖類を含有する場合には、少なくともエチレングリコールを含む事が好ましい。金属超微粒子含有組成物における水溶性有機溶剤の含有量は、金属超微粒子含有組成物が含有する水の含有量未満である事が好ましい。
金属超微粒子含有組成物に用いる事の出来る界面活性剤としては、公知の各種界面活性剤、例えばジアルキルスルホコハク酸ナトリウム類、アルキル硫酸ナトリウム類、ポリオキシアルキレン類(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類など)、アセチレングリコール類、フッ素系界面活性剤等を挙げる事が出来る。金属超微粒子含有組成物の表面張力は40mN/m以下に調整する事が好ましく、より好ましくは25〜35mN/mである。また、消泡剤としては、公知の各種消泡剤、例えばシリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、アセチレン系消泡剤などを挙げる事が出来る。
インクジェット印刷用インクとして金属超微粒子含有組成物を用いる場合、金属超微粒子含有組成物はフィルターを用いて濾過する事が好ましい。フィルターの孔径は10μm以下が好ましく、より好ましくは2.0μm以下である。
次に、本発明の導電性パターン形成方法について説明する。本発明において導電性パターン形成方法とは、金属超微粒子含有組成物を基材表面に付与し、導電性パターンを形成する方法を指す。
本発明の金属超微粒子含有組成物の基材への付与方法は特に限定されず、カーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ワイヤーバーコーティング方式、スピンコート方式、ディップ方式等による塗布、凸版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等による印刷等、公知の方法を用いる事が出来る。本発明の金属超微粒子含有組成物は凝集物や沈殿物が生じ難く、従来の金属超微粒子含有組成物を用いた場合と比較しインクジェット印刷時に吐出不良を生じ難いため、インクジェット印刷を用いた印刷により基材に付与する事が特に好ましい。
本発明に用いる基材としては、特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、例えばポリメチルメタクリレートに代表されるアクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂類よりなる各種フィルム、石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、耐熱ガラス等の各種ガラス、紙、不織布、布、各種金属、各種セラミックス等を挙げる事が出来る。また用途に応じこれら基材を適宜組み合わせる事が出来、例えば、紙とポリオレフィン樹脂を積層したポリオレフィン樹脂被覆紙を用いる事が出来る。
これらの中でもコスト、汎用性の観点から、紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートからなる基材が好ましい。
上記した基材の中でも、各種樹脂からなるフィルム、ガラス、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸液性基材を用いる場合には、導電性パターンの基材に対する接着性を改善するために、基材上にゼラチンや各種ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等からなる公知の下塗層を設け、基材とする事が好ましい。また、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムでは易接着処理品として下塗層をあらかじめ設けた状態で市販されており、これを基材として用いても良い。また、これら基材の表面はコロナ放電処理あるいはプラズマ処理等の表面処理が施されていても良い。
下塗層を設ける場合の固形分塗布量としては、0.5g/m以下であり、好ましくは0.3g/m以下、更に好ましくは0.1g/m以下である。
前記した基材を支持体として、被支持体に無機微粒子を主成分とする多孔質層を設け、本発明の基材とする事は、導電性パターンのにじみを抑制し、基材へ金属超微粒子含有組成物を付与した後の乾燥工程を省略出来るため、導電性パターンの信頼性、生産性の観点から好ましい。このような多孔質層を有する基材としては、例えば特開2010−165997号公報、特開2012−89718号公報、特開2008−4375号公報、特開2008−235224号公報に記載されている基材を挙げる事が出来る。
基材上に付与された金属超微粒子含有組成物は、含まれている分散媒を乾燥させた後、加熱により焼成し導電性パターンとしても良いが、金属超微粒子が主に銀からなる場合、特開2008−4375号公報、特開2008−235224号公報、特開2009−21153号公報等に記載される主に銀からなる金属超微粒子に作用し導電性を発現させる事が可能な物質(以下、導電性発現剤とする)を作用させ、化学的に金属超微粒子を焼結させ導電性を発現させる事が出来る。特に好ましくは、支持体表面に多孔質層を設け、該多孔質層に導電性発現剤を含有させ、化学的に金属超微粒子を焼結させ導電性を発現させる事である。導電性発現剤として特に好ましいのは、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物、チオ硫酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩である。また、これらの物質を複数種類併用する事も好ましい態様の1つである。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<銀超微粒子分散液1の作製>
10Lのステンレスビーカーに焙焼デキストリン(日澱化学(株)製、デキストリンNo.3)653gと純水5772gを加え、約30分間撹拌し溶解した。その後、硝酸銀1582gを加え、約30分間撹拌し溶解した。この液を氷浴中にて約5℃まで冷却し、水酸化カリウム730gを純水1007gに溶解した10℃の液を添加し、氷浴中で撹拌しながら1時間の還元反応を行った。得られた溶液に酢酸を添加し、pH=5.6に調整後、恒温水槽を用いて45℃に昇温し、α−アミラーゼ含有酵素製剤(天野エンザイム(株)製ビオザイムA、α−アミラーゼ含有率30質量%)を10g添加し1時間撹拌した。得られた液を遠心分離法により精製した後、全銀超微粒子分散液中に占める銀固形分の割合が50質量%になるように純水を加え再分散し、銀超微粒子分散液1を得た。含まれる銀超微粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡下での観察により求めたところ23nmであり、収率は91%であった。銀超微粒子分散液1を10g取り、120℃で1時間乾燥させたところ、重量減少率は42質量%であり、ここから全銀超微粒子分散液中に占める水の割合は42質量%と推定した。またフェノール硫酸法により、全銀超微粒子分散液1中に占める糖類の割合はグルコース換算値で5.0質量%と定量された。
<銀超微粒子含有組成物1の作製>
銀超微粒子分散液1を60g取り、エチレングリコールを50g、界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)を0.20g加え、全銀超微粒子含有組成物中に占める銀固形分の割合が15質量%となるよう純水で調整し銀超微粒子含有組成物1を作製した。
<銀超微粒子含有組成物2の作製>
銀超微粒子分散液1を60g取り、エチレングリコールを50g、蛋白質分解酵素含有酵素製剤(天野エンザイム(株)製プロテアーゼP「アマノ」3SD、コウジカビ属由来蛋白質分解酵素含有率30質量%)を0.20g、界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)を0.20g加え、全銀超微粒子含有組成物中に占める銀固形分の割合が15質量%となるよう純水で調整し銀超微粒子含有組成物2を作製した。
<銀超微粒子含有組成物3の作製>
銀超微粒子分散液1を60g取り、エチレングリコールを50g、蛋白質分解酵素含有酵素製剤(天野エンザイム(株)製プロテアーゼA「アマノ」SD、コウジカビ属由来蛋白質分解酵素含有率30質量%)を0.20g、界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)を0.20g加え、全銀超微粒子含有組成物中に占める銀固形分の割合が15質量%となるよう純水で調整し銀超微粒子含有組成物3を作製した。
<銀超微粒子含有組成物4の作製>
銀超微粒子分散液1を60g取り、エチレングリコールを50g、蛋白質分解酵素含有酵素製剤(天野エンザイム(株)製プロチンSD−AY10、バチルス属由来蛋白質分解酵素含有率15質量%)を0.20g、界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)を0.20g加え、全銀超微粒子含有組成物中に占める銀固形分の割合が15質量%となるよう純水で調整し銀超微粒子含有組成物4を作製した。
<銀超微粒子含有組成物5の作製>
銀超微粒子分散液1を60g取り、エチレングリコールを50g、蛋白質分解酵素含有酵素製剤(ナガセケムテックス(株)製食品用精製パパイン、植物由来蛋白質分解酵素含有率20質量%)を0.20g、界面活性剤(泰光油脂化学工業(株)製タイポールNLES−227、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)を0.20g加え、全銀超微粒子含有組成物中に占める銀固形分の割合が15質量%となるよう純水で調整し銀超微粒子含有組成物5を作製した。
<凝集物や沈殿物発生の評価>
銀超微粒子含有組成物1〜5を孔径1.0μmのフィルターで濾過した後、室温にて二ヶ月保存した。保存後の銀超微粒子含有組成物1〜5についてそれぞれ100mLを孔径8μm直径5mmの電鋳ニッケルフィルターに通過させ、フィルター上に堆積した沈殿物を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、フィルターが閉塞しているパーセンテージを求め、評価を行った。この結果を表1に示す。
○・・・フィルターの閉塞が10%未満
△・・・フィルターの閉塞が10%以上20%未満
×・・・フィルターの閉塞が20%以上30%未満
××・・フィルターの閉塞が30%以上
Figure 0006037821
表1の結果から明らかなように、本発明によって凝集物や沈殿物が生じ難い金属超微粒子含有組成物が得られる事が判る。次に二ヶ月保存した銀超微粒子含有組成物をそれぞれ市販のピエゾ型インクジェット印刷装置を用いて基材に印刷し、幅1mm、長さ30mmの直線状パターンを形成した。基材としては特開2010−165997号公報の実施例1に導電性パターン形成用基材6として記載された基材を作製し用いた。直線状パターンをルーペで観察したところ、銀超微粒子含有組成物1においてはパターン周辺部への意図しない液滴着弾が認められ、液滴の吐出不良の発生が確認されたが、銀超微粒子含有組成物2〜5においては同様の現象は確認されず、安定して印刷する事が可能であった。なお、形成された直線状パターンの両端間の抵抗値を測定し導電性を確認したところ、いずれのパターンにおいても4Ω程度の導電性が得られた。
本発明によって得られる導電性部材の応用としては、非接触ICカードやHF帯、UHF帯等の各種電波帯域を用いるRFIDインレイ、RFIDタグ、RFIDラベル等、コネクタや端子等の物理的な電気的接点を用いず、電波等の電磁波を用い情報の授受を行う非接触型メディアや、電磁波シールド等を例示出来る。

Claims (1)

  1. 水、平均粒子径が1〜100nmの金属超微粒子、糖類、および蛋白質分解酵素を少なくとも含有する金属超微粒子含有組成物を、インクジェット印刷装置を用いて基材の表面に付与する導電性パターン形成方法。
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