JP5053902B2 - 銀超微粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、銀超微粒子の製造方法に関するものである。
一次粒子径が1μm以下の銀超微粒子、特に100nm以下の銀超微粒子は、極めて高い表面エネルギーによる融点低下や、局在化表面プラズモンによる電場増強効果等の特徴を有する事から、導電性材料、表面増強ラマン散乱分光、太陽電池、光輝性塗料、色材等の様々な分野での応用が期待されており、特に導電性材料としての使用検討が進んでいる。この銀超微粒子の製造方法は、乾式法と湿式法に大別され、水および/または有機溶媒に分散された銀超微粒子分散液の形で使用される。
導電性材料として使用する場合、焼結温度は低いほど使用可能な基材の選択肢が増え、使用エネルギーも低減する事が可能であるため好ましく、例えば、特開平3−34211号公報(特許文献1)には、乾式法であるガス中蒸発法により製造された銀を含む各種金属超微粒子を高沸点溶媒中に分散した金属超微粒子分散液の製造方法が開示されており、また特開2004−273205号公報(特許文献2)には、ガス中蒸発法により合成された銀超微粒子を原料に用い、表面をアミン化合物を用いて被覆した銀超微粒子を高沸点溶媒中に分散した銀超微粒子分散液の製造方法が開示されている。
また、湿式法による銀超微粒子として、特開2006−328472(特許文献3)には、硝酸銀水溶液に化学量論量より過剰のアンモニア水を加えて錯体を形成し、高分子分散剤および溶剤を添加した後、ホルマリンにて還元を行う製造方法が開示されている。
しかしながら、従来知られる銀超微粒子分散液は、150℃以下の低温では十分に焼結せず、導電性が低くなってしまうという問題があった。これは、銀超微粒子の分散安定性を維持するために銀超微粒子を被覆している分散剤が、150℃以下の低温では十分に分解せず、銀超微粒子同士の焼結を阻害しているためと考えられる。
150℃以下の低温で焼結し高い導電性を得る事が可能であれば、透明性基材として安価なポリエチレンテレフタレート(PET)などの軟化点温度が150℃程度の樹脂を基板材料として用いる事が出来るため、150℃以下の低温で焼結し高い導電性を得る事が可能な特性を有する銀超微粒子を含む銀超微粒子分散液が求められていた。
特開平3−34211号公報 特開2004−273205号公報 特開2006−328472号公報
本発明の目的は、従来より低温、特に150℃以下の加熱でも焼結が進み高い導電性を得る事が可能な銀超微粒子の製造方法を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
水を主体に含有する水性媒体中に、少なくとも水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめ、水溶性銀塩由来の銀イオンを還元し銀超微粒子を製造する銀超微粒子の製造方法において、該水溶性高分子化合物および還元剤としてマルトデキストリンを用いる事を特徴とする銀超微粒子の製造方法。
本発明によれば、従来より低温、特に150℃以下の加熱でも焼結が進み高い導電性を得る事が可能な銀超微粒子の製造方法を提供する事が出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、水を主体に含有する水性媒体中に、少なくとも水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめ、水溶性銀塩由来の銀イオンを還元し銀超微粒子を製造する銀超微粒子の製造方法において、種々検討の結果、該水溶性高分子化合物および還元剤として少なくともマルトデキストリンを用いる事により、150℃以下の加熱でも焼結が進み、高い導電性を示す銀超微粒子を製造する事が可能である事を見いだし、本発明に至った。尚、本発明において、水溶性高分子化合物であるマルトデキストリンは還元剤であると同時に、形成された銀超微粒子の表面に保護コロイドとして吸着し、銀超微粒子分散液中における分散安定性を維持する分散剤としての作用を併せて有する。
本発明により得られる銀超微粒子は、前記の方法を用い、還元反応が終了した段階の超微粒子分散液中に分散した状態で得られる。また、この状態では本発明により得られる銀超微粒子と共に、塩類や過剰なマルトデキストリン等が含まれており、これらを限外濾過や遠心分離等の公知の方法により減少させ、150℃以下の低温の加熱により高い導電性得る事が可能な精製された銀超微粒子分散液を得る事が出来る。また、精製された銀超微粒子分散液より銀超微粒子を乾燥等の方法により取り出し、粉体として利用する事や、有機溶媒等に再分散させ利用する事も出来る。
本発明により得られる銀超微粒子は、従来検討されてきた単分散性に優れた銀超微粒子とは異なり、二次凝集体を形成する事が特徴である。マルトデキストリンを用いる事により、銀超微粒子が二次凝集体を形成する理由は明らかではないが、銀超微粒子を形成する還元反応の進行速度が、二次凝集体を形成しない従来用いられてきた焙焼デキストリンと比較し速いという特徴がある。そのため、形成された銀超微粒子がマルトデキストリンに完全に包まれる前に次の銀超微粒子が近傍に形成され、これが一緒に包み込まれてしまう反応が連鎖的に生じ、二次凝集体が生じるのではないかと推測している。
本発明により得られる銀超微粒子が150℃以下の低温でも焼結が進み高い導電性を得る事が可能な理由としては、以下の様に推測する。
従来検討されてきた単分散性に優れた銀超微粒子は、銀超微粒子分散液中での分散安定性を高めるために、分散剤に被覆され単分散していた。そのため、銀超微粒子分散液が塗布、乾燥された被膜中においても銀超微粒子は分散剤により隔てられた状態にあり、該被膜を加熱しても、分散剤が分解し揮散しないと銀超微粒子同士の焼結が生じないため、分散剤の分解温度以上の高い温度、例えば250℃以上で加熱する必要があった。
これに対し、本発明により得られる銀超微粒子は二次凝集体を形成しているため、各々の銀超微粒子は分散剤に被覆される事なく近接し、二次凝集体として分散剤に被覆されていると考えられ、従って二次凝集体を構成する各々の銀超微粒子の間に焼結を阻害する分散剤が非常に少なく、焼結時において銀超微粒子が持つ低い融点が支配するために、150℃以下という低温の加熱でも焼結し、良好な導電性を示すのだと考えられる。
本発明において、好ましい銀超微粒子の平均一次粒子径は、低温での焼結性を有する必要があるため、1〜100nmである事が望ましく、10〜50nmである事がより好ましい。1nm未満になると、銀超微粒子の単位質量あたりの表面積が大きいため吸着しているマルトデキストリンの量が多くなり、焼結後に残留するマルトデキストリンが導通の妨げとなりやすく、得られる導電性部材の導電性が低くなる場合がある。
平均一次粒子径は、電子顕微鏡下での観察により求める事が出来る。詳細にはポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、銀超微粒子分散液を塗布、乾燥させ、走査型電子顕微鏡にて観察し、一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を一次粒子径として平均し求める。
本発明において、得られる二次凝集体の平均二次粒子径は、精製された銀超微粒子分散液における銀超微粒子の分散安定性の観点から、100〜1000nmである事が好ましい。
平均二次粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(測定器名称、株式会社堀場製作所製、LA−920)を用いメジアン径として測定された数値を示す。このレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定されるメジアン径は、真に銀超微粒子の一つ一つの径を直接観察したものではなく、凝集した銀超微粒子を一個の粒子(凝集粒子)として捉えて、算出された数値である。
本発明に類似した銀超微粒子の製造方法として、水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤としてデキストリンを用いた銀超微粒子の製造方法は古くから知られており、例えば、化学大辞典編集委員会著、「化学大辞典」、共立出版株式会社、1971年2月5日縮刷版第11刷発行、p.738には、硝酸銀水溶液にデキストリンと水酸化ナトリウムを加えて放置すると、黄色の安定なコロイド銀、つまり銀超微粒子が得られると記載されている。
これは、硝酸銀由来の銀イオンと水酸化ナトリウム由来の塩基により酸化銀を形成し、次に、デキストリンの一部が水酸化ナトリウムにより加水分解されて生じるグルコース、アルドン酸、グリコール酸、ギ酸等により酸化銀が金属銀に還元され、この際にデキストリンが保護コロイドとして作用する事により銀超微粒子とする方法であり、銀超微粒子が分散した銀超微粒子分散液を得る事が出来る。
用いられるデキストリンは一般的なデキストリンであり、市販の試薬デキストリンあるいは日本薬局方デキストリンとして入手出来る。この一般的なデキストリンは酸と熱により澱粉を分解して製造され、詳しくは焙焼デキストリンと呼称されるものであり、本発明に用いるマルトデキストリンとは異なるものである。後述する実施例にも示した通り、焙焼デキストリンを用いた場合には前述した二次凝集体は形成されず、150℃以下の加熱で焼結が進む事はない。本発明では、マルトデキストリンを水溶性高分子化合物および還元剤として用いる事により、前述した範囲の二次凝集体を形成する事が出来る。
本発明に用いるマルトデキストリンは、澱粉をα−アミラーゼにより分解する事により製造され、酵素分解の程度により、平均分子量が500〜50000の様々な種類が上市されている。マルトデキストリンは、例えば日澱化学株式会社よりアミコールシリーズとして市販されており、容易に入手する事が出来る。尚、本発明におけるマルトデキストリンの平均分子量とはGPCにより測定された数値である。
本発明においては、得られる導電性の観点より、より好ましい態様として、平均分子量が2000〜10000のマルトデキストリンを用いる方法、特に好ましい態様として、平均分子量が500〜2000のマルトデキストリンと平均分子量が10000〜50000のマルトデキストリンを混合し用いる方法、あるいは平均分子量が500〜2000のマルトデキストリンと焙焼デキストリンを混合し用いる方法を挙げる事が出来る。
また、水を主体に含有する水性媒体中にマルトデキストリン以外に含む事が出来る水溶性高分子化合物として、例えばポリビニルピロリドンやゼラチンなど、銀超微粒子を製造するにあたり公知の水溶性高分子化合物をマルトデキストリンの50質量%以下を目安に混合し用いても良い。
本発明において、水を主体に含有する水性媒体とは、溶媒として、水が少なくとも95質量%以上である事を示し、好ましくは98質量%以上である。水以外に含まれる溶媒としては、アルコール類、グリコール類、アセトン等の水と混和性の高い有機溶媒を例示する事が出来る。
本発明において用いられる水溶性銀塩は、水に対する溶解度の高い硝酸銀塩,フッ化銀塩,過塩素酸銀塩が好ましく、工業用途として広く用いられている硝酸銀が特に好ましい。また、水溶性銀塩以外に、例えば硝酸パラジウム等の銀以外の水溶性金属塩を、水溶性銀塩に対して20質量%未満の範囲で加えても良い。
塩基性化合物は、特に制限はないが、具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム等の強塩基を挙げる事が出来る。塩基性化合物は溶解度の高い塩基性化合物が好ましく、特に溶解度の高い水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムが好ましい。
塩基性化合物の添加量は、水溶性銀塩由来の銀イオンを酸化銀とするために水溶性銀塩と当量が消費され、更には塩基性化合物がマルトデキストリンあるいは場合により併用される焙焼デキストリンの加水分解にも消費されるため、少なくとも水溶性銀塩に由来する銀イオンの当量を超えて添加する事が望ましく、1.15当量以上が好ましく、1.3当量以上が特に好ましい。上限は特にないが塩基性化合物の添加量を増やすと、還元反応後に得られる銀超微粒子分散液の総量が増加し生産性が低くなるため、2当量以下とする事が好ましい。
マルトデキストリンの添加量は、水溶性銀塩由来の銀イオン1モルに対して10〜200gが好ましく、より好ましくは30〜110gである。
本発明における製造方法の具体例として、水溶性銀塩とマルトデキストリンを溶かした水溶液に、塩基性化合物を溶解した水溶液を攪拌しながら加え、得られた混合物の攪拌を続けて還元反応を進め、本発明により得られる銀超微粒子を含む還元反応が終了した段階の銀超微粒子分散液を得る方法を例示する事が出来る。また、製造効率を高める観点から、該混合物に含まれる水溶性銀塩由来の銀イオン濃度は高いほど好ましいが、銀イオン濃度が高くなると攪拌による混合が次第に困難となるため、特に水溶性銀塩の量が、該混合物1Kgに対して、銀イオンに換算して0.9モル以上の場合には、ペイントシェイカー等のメディアミルを用いて混練し還元反応を進める方法を用いる事が望ましい。
また、還元反応が終了した段階の銀超微粒子分散液に対し、1,4−α−結合を不規則に切断するα−アミラーゼを作用させ、残留しているマルトデキストリンを低分子化する事も好ましい。α−アミラーゼを作用させる事により、限外濾過や遠心分離等の公知の方法を用い精製された銀超微粒子分散液中の銀超微粒子の濃度を30質量%以上に高めた場合に顕著となる、精製された銀超微粒子分散液の経時に伴う増粘挙動を抑制する事が出来る。
α−アミラーゼは、例えば天野エンザイム株式会社よりビオザイムAやビオザイムF10SDとして市販されている各種α−アミラーゼを用いる事が出来る。α−アミラーゼ添加前の還元反応が終了した段階の銀超微粒子分散液は、α−アミラーゼを作用させるに適したpH(4〜10)、温度(20〜50℃)に調整される事が好ましい。pHの調整には、酢酸等のカルボン酸類や硝酸を用いる事が好ましい。α−アミラーゼの添加量は、用いるマルトデキストリンあるいは場合により併用される焙焼デキストリンの合計質量に対し0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。
精製された銀超微粒子分散液は、例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布、スピンコート塗布、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセットグラビア印刷、凸版印刷等、公知の方法により基材上にパターニングされ、加熱等の処理が施され導電性部材となる。
導電性部材としては、例えば微細配線、アンテナ、電磁波シールド、データ電極、アドレス電極、太陽電池の集電電極などの導電性パターン、バンプ等の端子、複数層からなるプリント配線基板における配線パターンおよび配線層間のコンタクトホールやビアホール、電子部品の電極等を例示する事が出来るが、これに限定されるものではない。
また、精製された銀超微粒子分散液は、上記の各種印刷方式に適合させるため、公知の方法により粘度を調整する事が出来る。例えば、粘性の高い高沸点溶媒を含有させ、その含有量を調整する方法、含まれる銀超微粒子の濃度を調整する方法、ポリアクリル酸やカルボキシメチルセルロース等の増粘剤を含有させ、その含有量を調整する方法等を例示する事が出来る。具体的には、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷を用いる場合には、粘度を1〜100mPa・sの範囲に調整する事が好ましく、スクリーン印刷、オフセットグラビア印刷、凸版印刷を用いる場合には、10〜500Pa・sの範囲に調整する事が好ましい。
尚、本発明者が、例えば特開2008−4375号公報等に示した導電性発現方法を用いれば、還元反応が終了した段階の銀超微粒子分散液を用いた場合においても、導電性を発現させる事が出来、精製された銀超微粒子分散液を用いた場合には、より高い導電性を得る事が出来る。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<銀超微粒子分散液1の作製>
内容積100mlのポリプロピレン製容器中に、直径1mmのジルコニアビーズを見かけ上の体積として20mlを投入しこれを反応容器とした。この容器に、純水21gに硝酸銀12.2gおよび平均分子量が8600のマルトデキストリン(日澱化学(株)製、アミコール6−L)5.04gを溶解した溶液を入れ、容器全体を氷浴中に浸漬し約5℃まで冷却を行った。これに、純水9.1gに水酸化ナトリウム4.31gを溶解し、約5℃とした溶液を入れ、直ちに容器を密閉し、氷浴中にて毎分100回程度の速度で20分間振盪した。容器から銀超微粒子を含む銀超微粒子分散液を取り出し、遠心分離を行い精製した。遠心分離4回目に得られた沈殿物に純水を適量入れ、再分散を行い、銀超微粒子が50質量%含まれた銀超微粒子分散液1を得た。
銀超微粒子分散液1を、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製)上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。蛍光X線分析装置(理学電機工業(株)製、RIX1000)を用いて測定された銀の量は1m2あたり8.0gであった。これを電子顕微鏡にて観察した結果、銀超微粒子の平均一次粒子径は約25nmであった。またレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)を用い、メジアン径として平均二次粒子径を測定すると253nmであった。
<銀超微粒子分散液2の作製>
銀超微粒子分散液1の製造方法において、平均分子量が8600のマルトデキストリンの代わりに、平均分子量が6000のマルトデキストリン(日澱化学(株)社製、アミコール5−L)を用いた以外は同様にして、銀超微粒子分散液2を得た。
銀超微粒子分散液2を、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。蛍光X線分析装置を用いて測定された銀の量は1m2あたり7.8gであった。これを電子顕微鏡にて観察した結果、銀超微粒子の平均一次粒子径は約30nmであった。またレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、メジアン径として平均二次粒子径を測定すると384nmであった。
<銀超微粒子分散液3の作製>
銀超微粒子分散液1の製造方法において、平均分子量が8600のマルトデキストリンの代わりに、平均分子量が26000のマルトデキストリン(日澱化学(株)製、アミコール7−H)3.02gと平均分子量が1000のマルトデキストリン(日澱化学(株)製、アミコール3−L)2.02gを併用した以外は同様にして、銀超微粒子分散液3を得た。
銀超微粒子分散液3を、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。蛍光X線分析装置を用いて測定された銀の量は1m2あたり8.4gであった。これを電子顕微鏡にて観察した結果、銀超微粒子の平均一次粒子径は約35nmであった。またレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、メジアン径として平均二次粒子径を測定すると550nmであった。
<銀超微粒子分散液4の作製>
銀超微粒子分散液1の製造方法において、平均分子量が8600のマルトデキストリンの代わりに、焙焼デキストリン(日澱化学(株)製、デキストリンNo.1−A)2.52gと平均分子量が1000のマルトデキストリン(日澱化学(株)製、アミコール3−L)2.52gを併用した以外は同様にして、銀超微粒子分散液4を得た。
銀超微粒子分散液4を、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。蛍光X線分析装置を用いて測定された銀の量は1m2あたり8.2gであった。これを電子顕微鏡にて観察した結果、銀超微粒子の平均一次粒子径は約45nmであった。またレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、メジアン径として平均二次粒子径を測定すると621nmであった。
<銀超微粒子分散液5の作製>
銀超微粒子分散液1の製造方法において、平均分子量が8600のマルトデキストリンの代わりに、焙焼デキストリン(日澱化学(株)製、デキストリンNo.1−A)を用い、銀超微粒子が40質量%含まれた銀超微粒子分散液5を得た。尚、振盪時間は30分とした。
銀超微粒子分散液5を、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にワイヤーバーを用いて塗布、乾燥した。蛍光X線分析装置を用いて測定された銀の量は1m2あたり6.6gであった。これを電子顕微鏡にて観察した結果、銀超微粒子の平均一次粒子径は約10nmであった。またレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用い、メジアン径として平均二次粒子径を測定を試みたが、単分散性が高く、二次凝集体によるレーザー光の散乱が生じないため測定不能であった。
銀超微粒子分散液1から5がそれぞれ塗布されたポリエチレンテレフタレートフィルムについて、120℃で30分加熱した試料と、150℃で30分加熱した試料を作製し、以下の評価を行った。
<導電性>
シート抵抗値を測定器((株)ダイアインスツルメンツ製 ロレスターGP)を用いて測定した。測定環境は23℃50%RHとした。各試料について、塗布されている銀量より算出される理論的なシート抵抗値と、実際に測定されたシート抵抗値との比較を行った。理論的なシート抵抗値算出について例示すると、例えば1m2あたり8.0gの銀が塗布されている場合、計算される厚みは比重の10.5で除して7.62×10-5cmとなる。シート抵抗値は銀の体積抵抗値1.59×10-6Ω・cmをこの厚みで除して得られ、その値は0.0209Ω/□と算出される。
この理論的なシート抵抗値に対し、以下の基準に従って導電性を評価した。
◎ :理論的なシート抵抗値の10倍未満
○ :理論的なシート抵抗値の10倍以上30倍未満
× :理論的なシート抵抗値の30倍以上
××:測定不能(オーバーレンジ)
<焼結の有無>
150℃で30分加熱した試料と加熱前の試料について、電子顕微鏡で表面を観察し、焼結による粒子成長の有無について評価し、焼結による粒子成長が観察されたものは○、焼結による粒子成長が観察されないものを×とした。
Figure 0005053902
表1より明らかな様に、本発明の銀超微粒子分散液は、120℃や150℃の低温の加熱でも焼結し、良好な導電性を示す事が判る。マルトデキストリンを用いずに、焙焼デキストリンで作製した比較例の銀超微粒子分散液5は150℃の加熱では焼結せず導電性を示さない事が判る。
<銀超微粒子分散液6の製造方法>
銀超微粒子分散液3の製造方法において、遠心分離を行う前に、酢酸でpHを5に調整し、これにα−アミラーゼ(天野エンザイム(株)製、ビオザイムF10SD)を0.02g加え、25℃で1時間放置した以外は同様にして、銀超微粒子分散液6を得た。
銀超微粒子分散液3と6について、10℃で1ヶ月経時した段階において、α−アミラーゼを加えない銀超微粒子分散液3は増粘し、流動性が低下していた。これに対し、α−アミラーゼを加えた銀超微粒子分散液6は経時前と同様の流動性を保持し、経時による増粘は観察されなかった。

Claims (1)

  1. 水を主体に含有する水性媒体中に、少なくとも水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤を含有せしめ、水溶性銀塩由来の銀イオンを還元し銀超微粒子を製造する銀超微粒子の製造方法において、該水溶性高分子化合物および還元剤としてマルトデキストリンを用いる事を特徴とする銀超微粒子の製造方法。
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