JP2009197324A - 金属ナノ粒子分散液及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属元素中の銀の割合が75質量%以上である金属塩とカルボン酸類と還元剤とを液相中で混合して金属ナノ粒子を合成し、この金属ナノ粒子を分散媒に分散する各工程を含む製造方法において、金属ナノ粒子の合成が、塩素イオン、硫酸イオン、ヨウ素イオン、臭素イオン、ホウ酸イオン及びリン酸イオンからなる群より選ばれた1種又は2種以上のアニオンを含む添加剤を、金属塩、カルボン酸類及び還元剤とともに液相中で添加混合して生じた懸濁液を25〜95℃の温度で攪拌することにより行われ、金属ナノ粒子の合成後に、調製する分散液中に含まれる添加剤の濃度が0.01〜100ppmの範囲内となるまで低減させることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
金属塩水溶液Aの調製は溶媒である水に金属塩を溶解させることにより行う。金属塩を脱イオン水に溶解させ、室温での飽和水溶液を調製することが好ましい。ここで溶解させる金属塩は少なくとも銀塩を含むのものである。そして、金属塩に含まれる金属元素部分全体の質量を100としたとき、その銀は75質量%以上を占めるように調整される。ここで、金属塩に含まれる金属元素の銀の割合を75質量%以上の範囲に限定したのは、75質量%未満ではこの分散液を電極形成用組成物とし、この組成物を用いて形成された太陽電池の電極の反射率が低下してしまうからである。金属元素中に占める銀が100質量%であっても良いけれども、銀以外の金属塩を含む場合には、その金属塩に含まれる金属元素の銀以外の残部は、金、白金、パラジウム及びルテニウムより選ばれた1種又は2種以上の金属を含むようにすることが好ましい。合成される金属ナノ粒子に含まれる銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子は、金、白金、パラジウム及びルテニウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の混合組成又は合金組成からなる金属ナノ粒子であり、この銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子は全ての金属ナノ粒子100質量%に対して0.02質量%以上かつ25質量%未満、好ましくは0.03質量%〜20質量%含有する。ここで、銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子の含有量を全ての金属ナノ粒子100質量%に対して0.02質量%以上かつ25質量%未満の範囲としたのは、0.02質量%未満では特に大きな問題はないけれども、0.02〜25質量%の範囲内においては、耐候性試験(温度100℃かつ湿度50%の恒温恒湿槽に1000時間保持する試験)後の電極の導電性及び反射率が耐候性試験前より悪化しないという特徴があり、25質量%以上では焼成直後の電極の導電性及び反射率が低下し、しかも耐候性試験後の電極が耐候性試験前の電極より導電性及び反射率が低下してしまうからである。これにより、異なる金属ナノ粒子同士の混合物、合金、若しくは一方の元素の中心部に他方が外殻を形成するいわゆるコアーシェル構造をとることにより、反射率、体積抵抗率を制御する効果が得られる。
カルボン酸類水溶液の調製は、溶媒である水にカルボン酸類を溶解させることにより行う。カルボン酸類を脱イオン水に溶解させ、室温での飽和水溶液を調製することが好ましい。ここで溶解させるカルボン酸類は、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸及びこれらを用いた塩類からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物である。これらのカルボン酸類は、金属ナノ粒子の表面を修飾する保護材として良好に機能し、チオール等のような腐食性物質を含まないため好適である。上記カルボン酸類は、反応時のpHを調製するために、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アンモニア等の塩基性物質を用いて、一部又は全部中和することが可能である。更には、過剰な塩基性物質を加えることで、反応時のpHを塩基側へと設定することも可能である。
還元剤水溶液の調製は、溶媒である水に還元剤を溶解させることにより行う。還元剤を脱イオン水に溶解させ、室温での飽和水溶液を調製することが好ましい。ここで溶解させる還元剤は、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、シュウ酸、蟻酸、これらを用いた塩類及びFe(II)塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物である。Fe(II)塩としては硫酸第1鉄等が例示される。これにより腐食性物質を含まず、製品である分散液内に残留しても、焼成によって容易に分解することが可能という効果が得られる。
添加剤水溶液の調製は、溶媒である水に添加剤を溶解させることにより行う。添加剤を脱イオン水に溶解させ、室温での飽和水溶液を調製することが好ましい。ここで溶解させる添加剤は、塩素イオン、硫酸イオン、ヨウ素イオン、臭素イオン、ホウ酸イオン及びリン酸イオンからなる群より選ばれた1種又は2種以上のアニオンを含む。金属ナノ粒子を合成する際に、アニオンを添加剤として金属塩、カルボン酸類及び還元剤とともに添加混合することで、生成する金属粒子の形状や粒径を制御することができる。この合成に使用する添加剤を構成する上記アニオンは、いわゆる媒晶剤として働いているものと考えられる。その働きの一つとして、過飽和溶液内で成長している結晶種の特定面に付着し、その面の成長を阻害することで、析出する結晶の形状に影響を与え、成長を抑制して粒径を制御する効果が得られる。また、添加剤としてアニオンを加えて粒径を制御する他の効果として、合成で得られる金属ナノ粒子の比抵抗にほとんど影響を与えないことが挙げられる。
先ずカルボン酸類水溶液Bを金属塩水溶液A及び添加剤水溶液Dと混合する。混合の程度は、金属塩水溶液Aに含まれる金属元素1モルに対して、カルボン酸類水溶液Bに含まれるカルボン酸類が0.3〜3.0モルとなることが好ましい。また、金属塩水溶液Aに含まれる金属元素1モルに対して、添加剤水溶液Dに含まれるアニオンが0.01〜0.05モルとなることが好ましい。また、混合は大気圧下において25〜70℃の温度範囲にて行うことが好ましい。カルボン酸類水溶液と金属塩水溶液及び添加剤水溶液を混合すると、難溶性のカルボン酸塩が析出してカルボン酸塩懸濁液が得られる。よって、カルボン酸類水溶液Bと金属塩水溶液A及び添加剤水溶液Dとの混合はその懸濁液が十分に得られる程度の時間行うことが好ましい。なお、カルボン酸類としてカルボン酸塩を使用する場合、例えばカルボン酸ナトリウムならば、カルボン酸水溶液を加えた後に、水酸化ナトリウム水溶液を加えても同様の結果が得られる。
カルボン酸塩が析出した懸濁液が得られた後、混合液であるその懸濁液に還元剤水溶液Cを添加して更に混合する。混合の程度は、懸濁液の原料である金属元素1モルに対して還元剤水溶液Aに含まれる還元剤が0.2〜3.0モルとなることが好ましい。また、混合は大気圧下において25〜95℃の温度範囲にて行われる。この温度範囲で混合すると、生成した粒子の平均粒径を100nm以下とすることができ、得られた金属ナノ粒子分散液を電極形成用組成物として用いて成膜した際に、低温で低い体積抵抗率を達成することができる。このように懸濁液に還元剤水溶液を混合し、所定の温度範囲で攪拌することにより、金属塩が還元され、金属ナノ粒子を合成することができる。
還元後の金属ナノ粒子を含む反応液から、各種の分離手法を用いて添加剤の濃度を低減させ、また余剰の塩類を取り除く。これにより、分散安定性を増すことができる。添加剤は、調製する分散液中に含まれる濃度が0.01〜100ppmの範囲内となるまで低減させる。分散液中に含まれる添加剤濃度が100ppm以下であれば、得られる金属ナノ粒子分散液に一定期間の分散安定性が保たれるためである。分散液中の添加剤を上記範囲内に規定したのは、添加剤の含有割合が下限値未満でも優れた分散安定性は保たれるが、分散液から0.01ppm未満となるまで添加剤を除去するのはコストの観点から好ましくないためである。また添加剤の含有割合が上限値を越えると、金属ナノ粒子が凝析作用によって沈殿物を生成してしまうためである。添加剤濃度の低減や、余剰の塩類の分離手法としては、遠心分離や、限外ろ過、又はイオン交換膜や、イオン交換樹脂などが挙げられる。そして、この金属ナノ粒子を塗布〜焼成することで得られる電極の体積抵抗率は、一般に余剰の塩類を除くほど、バルクの金属の値に近づく傾向を示すことになる。
次に、合成した金属ナノ粒子を分散媒に添加混合して、分散媒中に粒子を分散させることにより金属ナノ粒子分散液を調製する。分散液中の銀ナノ粒子を含む金属ナノ粒子の含有量は、金属ナノ粒子及び分散媒からなる組成物100質量%に対して2.5〜95.0質量%、好ましくは3.5〜90.0質量%含有するように調製される。分散媒は、全ての分散媒100質量%に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上の水と、2質量%以上、好ましくは3質量%以上のアルコール類とを含有することが好適である。例えば、分散媒が水及びアルコール類のみからなる場合、水を2質量%含有するときはアルコール類を98質量%含有し、アルコール類を2質量%含有するときは水を98質量%含有する。ここで、銀ナノ粒子を含む金属ナノ粒子の含有量を金属ナノ粒子及び分散媒からなる組成物100質量%に対して2.5〜95.0質量%の範囲に限定したのは、2.5質量%未満では特に焼成後の電極の特性には影響はないけれども、必要な厚さの電極を得ることが難しく、95.0質量%を越えると組成物の湿式塗工時にインク或いはペーストとしての必要な流動性を失ってしまうからである。また水の含有量を全ての分散媒100質量%に対して1質量%以上の範囲に限定したのは、1質量%未満では、組成物を湿式塗工法により塗工して得られた膜を低温で焼結し難く、また焼成後の電極の導電性と反射率が低下してしまい、アルコール類の含有量を全ての分散媒100質量%に対して2質量%以上の範囲に限定したのは、2質量%未満では、上記と同様に組成物を湿式塗工法により塗工して得られた膜を低温で焼結し難く、また焼成後の電極の導電性と反射率が低下してしまうからである。
先ず、次の表1に示す金属元素を含む金属塩、カルボン酸類、還元剤及び添加剤を脱イオン水にそれぞれ溶解させ、それぞれ室温での飽和水溶液を調製した。なお、金属塩としては、硝酸塩を用い、Au及びPtについてのみ塩素化合物を用いた。
実施例1〜13及び比較例1〜3で得られた金属ナノ粒子分散液を電極形成用組成物とし、この電極形成用組成物を基材上に、焼成後の厚さが次の表2に示される膜厚となるように塗布した後に、次の表2に示される温度で30分間焼成することにより、基材上に電極を形成した。基材としては、ITO膜付き太陽電池、ITO膜なし太陽電池、シリコン基板、ガラス板、ポリイミド板、PETフィルム、ITO膜付きガラス板又はアルミ板を用いた。これらの電極を形成した基材の導電性を測定した。その結果を、表2に示す。
先ず硝酸銀を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。また、リン酸三アンモニウムを脱イオン水に溶解して添加剤水溶液を調製した。一方、クエン酸三ナトリウムを脱イオン水に溶解させて得られた濃度26%のクエン酸三ナトリウム水溶液に、温度35℃の窒素ガス気流中で粒状の硫酸第一鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第一鉄イオンを3:2のモル比で含有するカルボン酸類・還元剤混合液を調製した。次に上記窒素ガス気流を温度35℃に保った状態で、マグネチックスターラーの撹拌子を100rpmの回転速度で回転させて上記カルボン酸類・還元剤混合液を撹拌しながら、このカルボン酸類・還元剤混合液に上記金属塩水溶液及び添加剤水溶液を滴下して混合した。ここで、金属塩水溶液の添加量はカルボン酸類・還元剤混合液の量の1/10以下になるように、各溶液の濃度を調整することで、室温の金属塩水溶液を滴下しても反応温度が40℃に保持されるようにした。また上記金属塩水溶液に対するカルボン酸類・還元剤混合液の混合比は、次の表3に示すように、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、カルボン酸類・還元剤混合液中のクエン酸イオンと第一鉄イオンのモル比が1.5倍モル、1倍モルとなるようにした。また上記金属塩水溶液に対する添加剤水溶液の混合比は、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、添加剤水溶液中のリン酸イオンのモル比が0.02倍モルとなるようにした。金属塩水溶液の滴下が終了した後、混合液の撹拌を更に15分間続けて金属コロイドからなる分散液を得た。この分散液のpHは5.5であり、分散液中の金属粒子の化学量論的生成量は5g/リットルであった。この得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属(銀)の含有量を50質量%にした。この分散液を実施例14とした。なお、分散液100質量%に対する最終的な金属(銀)、水、メタノール及び溶媒Aの混合割合を50.0質量%、2.5質量%、5.0質量%及び42.5質量%にそれぞれ調整した。ここで、溶媒Aとは、アセトンとイソプロピルグリコールとを質量比で1:1の割合で混合した混合液である。なお、硫酸第一鉄中の鉄はメタノールによる置換洗浄時等に除去された。
実施例14のリン酸三アンモニウムを臭化水素酸に替え、実施例14と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散液とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50質量%にした。この分散液を第1分散液とした。
添加剤を使用しなかった以外は実施例14及び15と同様にして分散液を得た。
実施例14〜15及び比較例4〜5で得られた金属ナノ粒子分散液を電極形成用組成物とし、この電極形成用組成物をシリコン基板上に、焼成後の厚さが0.1μmとなるように塗布した後に、大気中、200℃で30分間焼成することにより、シリコン基板上に電極を形成した。電極を形成したシリコン基板の導電性を測定した。その結果を、表4に示す。
実施例2と同様にして得られた反応液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離した沈殿物に、沈殿物質量の50倍の脱イオン水を加えて分散液とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50質量%にした。続いて、分散液の組成を金属(銀)が1質量%、水が24質量%及びエタノールが75質量%にそれぞれ調整した。この分散液を実施例16とした。
実施例2と同様にして得られた反応液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離した沈殿物に、沈殿物質量の5倍の脱イオン水を加えて分散液とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50質量%にした。続いて、分散液の組成を金属(銀)が1質量%、水が24質量%及びエタノールが75質量%にそれぞれ調整した。この分散液を実施例17とした。
実施例2と同様にして得られた反応液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離した沈殿物に、沈殿物質量の50000倍の脱イオン水を加えて分散液とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50質量%にした。続いて、分散液の組成を金属(銀)が1質量%、水が24質量%及びエタノールが75質量%にそれぞれ調整した。この分散液を実施例18とした。
実施例2と同様にして得られた反応液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離した沈殿物に、沈殿物質量の50倍の脱イオン水を加えて分散液とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50質量%にした。続いて、分散液の組成を金属(銀)が1質量%、水が24質量%及びエタノールが99975質量%にそれぞれ調整した。この分散液を実施例19とした。
実施例2と同様にして得られた反応液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離した沈殿物に、沈殿物質量の1質量%の脱イオン水を加えて分散液とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50質量%にした。続いて、分散液の組成を金属(銀)が1質量%、水が24質量%及びエタノールが75質量%にそれぞれ調整した。この分散液を比較例6とした。
実施例2と同様にして得られた反応液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離した沈殿物に、沈殿物質量の50倍の脱イオン水を加えて分散液とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50質量%にした。続いて、分散液の組成を金属(銀)が50質量%、水が17質量%及びエタノールが33質量%にそれぞれ調整した。この分散液を比較例7とした。
実施例16〜19及び比較例6〜7で得られた金属ナノ粒子分散液中の添加剤濃度(SO4 2-濃度)について、イオンクロマトグラフィーを用いて評価した。また、これらの分散液の分散安定性(3〜5℃での保管)を目視にて調べた。その結果を次の表5に示す。
B カルボン酸塩水溶液
C 還元剤水溶液
D 添加剤水溶液
Claims (23)
- 金属ナノ粒子が分散媒に分散した金属ナノ粒子分散液であって、
前記金属ナノ粒子が、金属元素中の銀の割合が75質量%以上である金属塩と、カルボン酸類と、還元剤と、塩素イオン、硫酸イオン、ヨウ素イオン、臭素イオン、ホウ酸イオン及びリン酸イオンからなる群より選ばれた1種又は2種以上のアニオンを含む添加剤とを液相中で添加混合して生じた懸濁液を25〜95℃の温度で攪拌することにより合成され、
前記分散液中に含まれる前記添加剤の濃度が0.01〜100ppmの範囲内であることを特徴とする金属ナノ粒子分散液。 - 分散媒が1質量%以上の水と2質量%以上のアルコール類とを含有する請求項1記載の分散液。
- アルコール類がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、イソボニルヘキサノール、グリセロール及びエリトリトールからなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項2記載の分散液。
- 金属元素中の銀の割合が75質量%以上である金属塩と、カルボン酸類と、還元剤とを液相中で混合して金属ナノ粒子を合成する工程と、前記合成した金属ナノ粒子を分散媒に分散する工程とを含む金属ナノ粒子分散液の製造方法において、
前記金属ナノ粒子の合成が、塩素イオン、硫酸イオン、ヨウ素イオン、臭素イオン、ホウ酸イオン及びリン酸イオンからなる群より選ばれた1種又は2種以上のアニオンを含む添加剤を、前記金属塩、前記カルボン酸類及び前記還元剤とともに液相中で添加混合して生じた懸濁液を25〜95℃の温度で攪拌することにより行われ、
前記金属ナノ粒子の合成後に、調製する分散液中に含まれる前記添加剤の濃度が0.01〜100ppmの範囲内となるまで低減させる
ことを特徴とする金属ナノ粒子分散液の製造方法。 - カルボン酸類がグリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸及びこれらを用いた塩類からなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項4記載の製造方法。
- 還元剤がヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、シュウ酸、蟻酸、これらを用いた塩類及びFe(II)塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項4記載の製造方法。
- 金、白金、パラジウム及びルテニウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の混合組成又は合金組成から構成される金属ナノ粒子を0.02質量%以上かつ25質量%未満含有する請求項4記載の製造方法。
- 分散媒が1質量%以上の水と2質量%以上のアルコール類とを含有する請求項4記載の製造方法。
- アルコール類がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、イソボニルヘキサノール、グリセロール及びエリトリトールからなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項8記載の製造方法。
- 請求項4ないし9いずれか1項に記載の製造方法により得られる金属ナノ粒子分散液であって、
前記分散液中に含まれる前記添加剤の濃度が0.01〜100ppmの範囲内であることを特徴とする金属ナノ粒子分散液。 - 請求項1ないし3いずれか1項に記載の金属ナノ粒子分散液、請求項4ないし9いずれか1項に記載の方法により得られる金属ナノ粒子分散液或いは請求項10記載の金属ナノ粒子分散液を電極形成用組成物とし、前記電極形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して太陽電池用電極を形成する方法。
- 請求項1ないし3いずれか1項に記載の金属ナノ粒子分散液、請求項4ないし9いずれか1項に記載の方法により得られる金属ナノ粒子分散液或いは請求項10記載の金属ナノ粒子分散液を電極形成用組成物とし、前記電極形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して焼成後の厚さが0.1〜2.0μmの範囲内となるように成膜する工程と、
前記上面に成膜された基材を130〜400℃で焼成する工程と
を含む太陽電池の電極の形成方法。 - 基材がシリコン、ガラス、透明導電材料を含むセラミックス、高分子材料又は金属からなる基板のいずれか、或いは前記シリコン、前記ガラス、前記透明導電材料を含むセラミックス、前記高分子材料及び前記金属からなる群より選ばれた2種以上の積層体である請求項11又は12記載の太陽電池の電極の形成方法。
- 基材が太陽電池素子又は透明電極付き太陽電池素子のいずれかである請求項11又は12記載の太陽電池の電極の形成方法。
- 湿式塗工法がスプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法又はダイコーティング法のいずれかである請求項11又は12記載の太陽電池の電極の形成方法。
- 請求項1ないし3いずれか1項に記載の金属ナノ粒子分散液、請求項4ないし9いずれか1項に記載の方法により得られる金属ナノ粒子分散液或いは請求項10記載の金属ナノ粒子分散液を金属膜形成用組成物とし、前記金属膜形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して金属膜を形成する方法。
- 請求項1ないし3いずれか1項に記載の金属ナノ粒子分散液、請求項4ないし9いずれか1項に記載の方法により得られる金属ナノ粒子分散液或いは請求項10記載の金属ナノ粒子分散液を金属膜形成用組成物とし、前記金属膜形成用組成物を基材上に湿式塗工法で塗工して焼成後の厚さが0.1〜2.0μmの範囲内となるように成膜する工程と、
前記上面に成膜された基材を130〜400℃で焼成する工程と
を含む金属膜の形成方法。 - 基材がシリコン、ガラス、透明導電材料を含むセラミックス、高分子材料又は金属からなる基板のいずれか、或いは前記シリコン、前記ガラス、前記透明導電材料を含むセラミックス、前記高分子材料及び前記金属からなる群より選ばれた2種以上の積層体である請求項16又は17記載の金属膜の形成方法。
- 基材が太陽電池素子又は透明電極付き太陽電池素子のいずれかである請求項16又は17記載の金属膜の形成方法。
- 湿式塗工法がスプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法又はダイコーティング法のいずれかである請求項16又は17記載の金属膜の形成方法。
- 請求項16ないし20いずれか1項に記載の金属膜の形成方法により得られた金属膜。
- 請求項11ないし15いずれか1項に記載の電極の形成方法により得られた太陽電池用電極。
- 請求項22記載の電極を用いたことを特徴とする太陽電池。
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