JP3585108B2 - インクジェット記録方法およびそれに用いられるインク組成物 - Google Patents

インクジェット記録方法およびそれに用いられるインク組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、記録ヘッドからインク滴を吐出させ、記録媒体上にインク像を得るインクジェット記録用インクおよびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
背景技術
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物は、水を主成分とし、これに着色成分および目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。
【0003】
インクジェット記録方法における解決すべき課題の一つとして、にじみの発生がある。更に、インクジェット記録用インクには、印字の乾燥性がよいこと、種々の記録媒体において良好な印字できること、多色印字の場合に隣り合った色が混じり合わないことなどの特性が要求されている。
【0004】
にじみのない良好な画像を実現するために、種々の方法が提案されている。例えば、特開昭62−288042号公報、特開平5−330032号公報、特開平6−126952号公報等には、記録媒体を印字時または印字直前に加熱するインクジェット記録方法が開示されている。
【0005】
記録媒体を加熱することにより、記録媒体上のドットの溶媒成分を熱エネルギーにより蒸発させ、インクのにじみを低減させ、かつ印字画像の定着性の向上を図ろうとするものである。
【0006】
しかしながら、記録媒体の加熱は、記録媒体に近接するインクジェットヘッドの吐出不良の発生、記録媒体の熱によるひずみの発生等を伴うおそれがあることから、これらについての対策が必要になる。また、インクジェット記録方法には、印字速度の高速化、高品位化への要求が高まってきており、さらに省エネルギーの観点から、記録媒体の加熱を伴う、より効率のよいインクジェット記録方法への希求が依然として存在しているといえる。
【0007】
【発明の概要】
本発明者らは、今般、ある種の化合物を含んでなるインク組成物と、この化合物の曇点以上の温度で記録媒体を加熱するインクジェット記録方法とを組み合わせることで、きわめて良好な画像が、効率よく実現できるとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0008】
従って、本発明は、良好な画像を効率よく実現できるインクジェット記録方法、特に普通紙において、比較的低い加熱温度で、にじみや混色の無い高品位な印字品質を実現するインクジェット記録方法、およびこの方法に用いられるインク組成物の提供をその目的とするものである。
【0009】
そして、本発明によるインクジェット記録用インクは、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を加熱した記録媒体に付着させる工程を含んでなる、インクジェット記録方法に用いられるインク組成物であって、
前記インク組成物が、着色剤と、水溶性有機溶剤と、水と、そして下記の式(I)で表される化合物の一種以上とを少くとも含んでなり、
前記着色剤がインク組成物中で分散状態で存在するものであり、
前記加熱された記録媒体の表面の温度が、前記式(I)の化合物の曇点以上の温度のものである:
R−[O−(EO)−(PO)]−H
[上記式中、
EOはエチレンオキシ基を表し、
POはプロピレンオキシ基を表し、
mおよびnは整数を表し、
RはC2k (ここで、kは4〜18の自然数を表す)を表し、
EOおよびPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい]
【0010】
【発明の具体的説明】
定義
本発明におけるインクジェット記録用インクとは、モノクロ印字を行う場合にはブラックインクを意味し、さらにカラー印字を行う場合にはカラーインク、具体的にはイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、グリーンインク、ブラウンインク、およびオレンジインク、更に場合によってブラックインクを意味するものとする。
【0011】
また、本発明において式(I)の化合物の曇点とは、特に断らない限り、インク組成物が含有する式(I)の化合物の濃度と同一濃度の式(I)の化合物の水溶液を用意し、その水溶液を加熱して行き、式(I)の化合物の水溶性が低下して溶液が白濁する温度を意味する。また、特に式(I)の化合物の特定の混合物について曇点に言及する場合には、その混合物のインク組成物中の濃度と同一濃度の式(I)の化合物の水溶液の曇点を意味する。
【0012】
式(I)の化合物
本発明において用いられるインクジェット用インクは、上記式(I)で表される化合物の一種以上を含んでなるものである。
【0013】
式(I)において、EOはエチレンオキシすなわち−CHCHO−を表し、またPOはプロピレンオキシすなわち−CHCHCHO−または−CH(CH)CHO−を表す。このEOおよびPOは式(I)で表される化合物の分子中において(すなわち上記式(I)中の[ ]内において)、存在の順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。
【0014】
式(I)においてRが表すC2k+1基は分岐鎖であっても直鎖であってもよい。ここで、kは4〜18の自然数を表す。従って、RはC4−18アルキル基を表すこととなる。その具体例としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基が挙げられる。炭素数4〜18、好ましくは炭素数4〜10のアルキル基であることで、良好な浸透性を有するインク組成物が得られる。上記の通り、このアルキル基は分岐鎖であっても直鎖であってもよいが、一般的に分岐鎖が好ましい。例えば、ブチル基の場合は分岐構造のイソブチル基、t−ブチル基である化合物を主成分として利用することで、良好な浸透性あるインク組成物が得られ、良好な品質の画像が得られる。本発明において式(I)の化合物は混合物として利用してもよい。
【0015】
本発明において、nおよびmは、インク組成物中に含まれる式(I)の化合物の個々の分子中の値を示すと共に、特に断った場合には、インク組成物中に含まれる式(I)の化合物の混合物の平均値として表されることがある。
【0016】
式(I)の化合物は、対応する構造を有するアルコールを出発原料として、アルカリ等の雰囲気下でエチレンオキシドやプロピレンオキシドを目標モル量付加することによって得ることができる。こうして得られた式(I)の化合物は式(I)で表される化合物の二種以上の混合物であることが一般的である。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は前記式(I)で表される化合物を複数含んでなる。そして、その第一の化合物群は、k=6〜18(好ましくは8〜16)であり、2/3≦m/n≦1.5(好ましくは、0.8≦m/n≦1.25)の関係を満たし、その平均分子量が1000以上8000以下(好ましくは1500以上7000以下)のものである。また、その第二の化合物群は、k=4〜10であり、m=1〜10であり、n=1〜5であり、かつ1.5≦m/nを満たすものである。このような二つの化合物群の混合物とすることで、曇点を低くすることが出来、その結果、記録媒体の加熱温度を比較的低温とすることができる。さらに、そのような比較的低温の加熱であっても、単色にじみおよび混色にじみの少ない良好な画像が実現できる。本発明者らの行った実験によれば、多くの水系インク組成物において、にじみのない良好な画像を得るためには、水の沸点(100℃)以上の加熱温度が必要であった。しかしながら、本発明の好ましい態様によれば、記録媒体の加熱温度を水の沸点以下とすることが可能である。にじみの少ない良好な画像が実現できる機構は以下の通りと考えられる。しかし、以下の理由はあくまで予想であって、本発明は以下の機構に限定されるものではない。前記第一の化合物群は、曇点以上の温度においてインク組成物の溶媒と着色剤との分離を促進してにじみを抑え、一方で第二の化合物群がインク組成物の溶媒の浸透を促進させて混色にじみを防止していると考えられる。つまり、上記二つの化合物群は、インク組成物の浸透性を向上させる効果と、着色剤をインク組成物の溶媒から分離する効果を生じさせる。しかし、上記二つの効果は、第一の化合物群と第二の化合物群のいずれかのみによって生じているとも言い難いが、第一の化合物の分子量が大きいほど分散媒と着色剤を分離させる効果も大きくなる傾向にある。
【0018】
なお、インク組成物の記録媒体への浸透性を向上させるため、界面活性剤をインク組成物に添加した場合、この界面活性剤が前記第一の化合物群の上記のような働きを阻害してしまうことがある。しかし、第二の化合物群の添加は、このような界面活性剤による弊害を防止するとの利点も得られる。また、第二の化合物群が室温では水に溶けにくい場合、第一の化合物群は、第二の化合物群のインク組成物への溶解を促進するとの利点も得ることができる。
【0019】
本発明の好ましい態様によれば、前記第一の化合物群および前記第二の化合物群の少なくとも一方の曇点が室温以上100℃以下(より好ましくは40以上70℃以下)であることが、単色にじみおよび混色にじみの防止の観点から好ましい。また、上記温度範囲は、室温下でのインク容器から記録ヘッドへの供給途中や、記録ヘッド内でインクの供給不良を起こす恐れがすくなく、また消費エネルギーも低く抑えられ、かつ安定な印字を可能にし、またプリンタの部材に熱劣化を生じさせにくい点で有利である。
【0020】
これら第一の化合物群と第二の化合物群の添加量は、上記利点が得られる範囲で適宜決定されてよいが、前記第一の化合物群の含有量はインク組成物基準で2〜10重量%程度が好ましく、また前記第二の化合物群の含有量はインク組成物基準で0.5〜5重量%であることが好ましい。
【0021】
着色剤
本発明によるインク組成物に含まれる着色剤は、インク組成物中に分散状態で存在するものである。従って、本発明による着色剤は、顔料、着色樹脂粒子等、水性媒体に良好に分散可能であれば特に限定されるものではない。
【0022】
顔料の具体例としては、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
【0023】
ブラック用の無機顔料としては、ファーネスブラック、ランブブラック、アセチレンブラック、若しくはチャネルブラック等のカーボンブラック(C.l.ピグメントブラック7)類、あるいは酸化鉄顔料等を挙げることができる。また、ブラック用の有機顔料としては、アニリンブラック(C.l.ピグメントブラック1)等の黒色有機顔料を用いることができる。
【0024】
イエローインク用顔料としては、C.l.ピグメントイエロー1(ハンザイエロー)、3(ハンザイエロー10G)、12、13、14、17、24(フラバントロンイエロー)、34、35、37、53、55、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、99、108(アントラピリミジンイエロー)、109、110、113、117(銅錯塩顔料)、120、128、133(キノフタロン)、138、139(イソインドリノン)、147、151、153(ニッケル錯体顔料)、154、167、172、180などを挙げることができる。
【0025】
更に、マゼンタインク用の顔料としては、C.l.ピグメントレッド1(パラレッド)、2、3(トルイジンレッド)、5(lTR Red)、7、9、10、11、12、17、30、31、38(ピラゾロンレッド)、42、88(チオインジゴ)、112(ナフトールAS系)、114(ナフトールAS系)、122(ジメチルキナクリドン)、123、144、149、150、166、168(アントアントロンオレンジ)、170(ナフトールAS系)、171、175、176、177、178、179(ベリレンマルーン)、185、187、209(ジクロロキナクリドン)、219、224(ベリレン系)、245(ナフトールAS糸)、または、C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリドン)、23(ジオキサジンバイオレット)、32、33、36、38、43、50などを挙げることができる。
【0026】
更にまた、シアンインク用の顔料としては、C.l.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、16(無金属フタロシアニン)、18(アルカリブルートナー)、25、60(スレンブルー)、65(ビオラントロン)、66(インジゴ)等を挙げることができる。
【0027】
更にまた、マゼンタ、シアン、またはイエローインク以外のカラーインクに用いる有機顔料として、
C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、10(グリーンゴールド)、36、37;
C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26;あるいは
C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38
等を用いることができる。また、顔料を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料を使用することも可能である。また、上記顔料を2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0028】
その着色剤の添加量は適宜決定されてよいが、0.5〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは1.0〜12重量%である。上記範囲にあることで、良好な印字濃度が確保でき、またインク組成物の粘度を、安定な吐出が実現できる範囲に置くことが出来る。
【0029】
また、着色剤の平均粒経は25μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以下である。さらに沈降安定性の面からは、0.3μm以下の粒子であることがより好ましい。
【0030】
顔料は、水性媒体中に分散剤により分散されてよい。分散剤の例としては、その分子骨格がスチレン−アクリル酸共重合体樹脂であり、重量平均分子量(以後単に分子量と称す)が1600〜25000かつ酸価が100〜250のものが使用できる。その具体例としては、ジョンソンポリマー株式会社製、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル550(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、B−36(分子量6800、酸価250)等である。
【0031】
上記樹脂分散剤を溶解させるため、アクリル酸と塩を形成させることが好ましい。この目的で添加する添加物として(カウンターイオン)、たとえばアミノメチルプロパノール、2−アミノイソプロパノール、トリエタノールアミン、モルホリン、アンモニア水等を用いることが出来る。カウンターイオンの添加量は樹脂分散剤の中和当量以上であればよが、印字後の定着性からほぼ中和当量の1.3倍位の添加量が好ましい。
【0032】
また、上記分散剤の溶解安定性を得る為に、分散剤中の塩をイオン解離し易いように、pH緩衝液を添加してインクを最適なpH値に調節することが好ましい。pH緩衝液の具体例として、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩等が用いられる。その添加量は適宜決定されてよいが、ヘッドの部材の耐久性とインクの安定性の観点から、インク組成物のpHが7〜pH10になる程度の量とされることが好ましい。
【0033】
また、本発明の好ましい態様によれば、着色剤として、その表面に官能基が導入され、水性溶媒に単独で分散可能な表面処理カーボンブラックまたは有機顔料であることが好ましい。このような顔料を用いることで、安定なインク組成物を得ることができる。例えば、前記式(I)の化合物、さらには(ジ)プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル類の、分散剤により着色剤が分散されたインク組成物への添加は場合によって、インク組成物の系を不安定にすることがあり、その結果凝集が起きやすくなることがある。しかしながら、上記表面処理が行われた顔料は、上記成分の添加によっても安定にインク組成物中に分散する。例えば、インク組成物が保存時において高温にさられると凝集物を生じてしまうことがある。つまり、式(I)の化合物の曇点以上の温度となり、凝集物が生じてしまうことがある。しかし上記表面処理顔料を用いたインク組成物にあっては、室温に戻されると、この凝集物は消失するとの利点がある。
【0034】
顔料の表面に官能基を導入する方法の例としては次のような方法が挙げられる。まず、カルボキシル基やヒドロキシル基を導入するためには、オゾン、硝酸、過酸化水素、次亜ハロゲン酸、窒素酸化物、およびフッ素ガス等の酸化剤による液相または気相酸化処理が好ましく、またプラズマ処理によってもこれら基を導入することが出来る。また、スルフィン酸(SO )基またはスルホン酸(SO )基等の硫黄含有官能基を導入するためには、硫酸、発煙硫酸、スルホン化ピリジン酸、スルファミン酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、アミド硫酸等によるスルホン化剤によるスルホン化処理を挙げることができる。また、これらの酸化剤、スルホン化剤は、それぞれ単独または2種類以上を混合して行ってもよい。
【0035】
本発明において、顔料に分散性を付与する官能基は、少なくとも粒子表面上に存在すればよいが、粒子内部に含まれていてもよい。
【0036】
本発明の好ましい態様によれば、顔料の粒子表面に導入される、顔料に分散性を付与する官能基としては、硫黄含有官能基を挙げることができる。その具体例としては、スルフィン酸(SO )基またはスルホン酸(SO )基が挙げられる。顔料に分散性を付与することが出来る官能基としては、カルボキシル基やヒドロキシル基が知られており、これらカルボキシル基やヒドロキシル基を顔料表面に導入するためには、酸化等の厳しい反応条件が必要とされるのが一般である。よって、これらの基をカーボンブラック以外の有機顔料に導入しようとすると、有機顔料の発色構造を破壊するおそれがあることから、これらの基を導入することで分散性を付与できる顔料はカーボンブラックに事実上限られていた。一方、スルフィン酸基またはスルホン酸基等の硫黄含有官能基は比較的穏やかな反応条件を選択して導入できる分散性付与基である。よって、この硫黄含有官能基の利用は、水性溶媒に単独で分散可能な顔料の範囲を広げる点で極めて有利である。
【0037】
このような硫黄含有官能基を表面に有する顔料粒子は、公知の方法によって調製することができる。例えば、特開平8−283596号、特開平10−110110号、特開平10−110111号、または特開平10−110114号の各公報に記載の方法が挙げられる。
【0038】
硫黄含有基を表面に有する顔料粒子を含む水系分散液の調製方法の好ましい例を示せば、以下のとおりである。まず、微細な粒子状の顔料を、顔料の3〜200重量倍量の非プロトン性溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドンまたはスルホラン)中に入れ、顔料の分散処理を行いながら、スルホン化剤で処理する。スルホン化剤としては、例えば、スルホン化ピリジン塩、スルファミン酸、アミド硫酸、フルオロ硫酸、クロロ硫酸、三酸化硫黄、発煙硫酸、または硫酸等を、単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。スルホン化剤による処理は、加熱(約60〜200℃)下および撹拌下で行うことができ、加熱は、スルホン化剤の添加前または添加後に行うことができる。スルホン化処理の後、得られた顔料スラリーから、非プロトン性溶媒と残留するスルホン化剤とを除去する。除去処理は、水洗、限外濾過、逆浸透、遠心分離、および/または濾過などを繰り返して実施することができる。続いて、スルホン化処理顔料を、10〜40重量%程度の濃度になるように水性液体(特に、イオン交換水または蒸留水)中に湿潤剤と共に添加し、更に場合により通常の分散処理を短時間行うことにより、顔料の乾燥工程を経ずに、顔料水性分散液を得ることができる。
【0039】
本発明で用いるインクに含まれる前記顔料粒子における前記分散性付与基の導入量は、顔料粒子1g当たり、好ましくは10×10−6当量以上である。分散性付与基の導入量をこのような量導入することで、保存安定性が良好であり、かつ高い印字濃度を実現可能なインク組成物が得られる。
【0040】
本発明によるインク組成物に添加可能な着色樹脂粒子は、少なくとも樹脂成分と、着色剤とから基本的になり、その性質向上のため、適宜添加される添加剤を含んでいてもよい。
【0041】
着色樹脂粒子の樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸エステル、スチレンーブタジエン共重合体、ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、フッ化ビニリデン、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリルアミド共重合体、n−イソブチルアクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド、ポリビニルアセタール、ロジン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
【0042】
樹脂粒子の着色剤としては油溶性染料、分散染料、顔料が用いられ、樹脂への着色性、染色性に優れ、分散媒である水には溶解しないものが好ましい。着色樹脂粒子に用いられる油溶性染料、分散染料としては、
C.I.ソルベントブラック3、5、22、
C.I.ソルベントエロー19、44、98、104、105、112、113、114、
C.I.ソルベントレッド8、24、71、109、152、155、176、177、179、
C.I.ソルベントブルー2、11、25、78、94、95、
C.I.ソルベントグリーン26、
C.I.ソルベントオレンジ5、40、45、72、63、68、78、
C.I.ソルベントバイオレット13、31、32、33、
C.I.デイスパースエロー3、5、56、60、64、160、
C.I.デイスパースレッド4、5、60、72、73、91、
C.I.デイスパースブルー3、7、56、60、79、198、
C.I.デイスパースオレンジ13、30、等が挙げられる。
【0043】
これらの添加量は、樹脂の種類、インクに対し要求されている特性等を考慮して適宜決定されてよいが、一般には樹脂成分に対し1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%の範囲が好ましい。また、本発明のインクの着色樹脂粒子には前記した顔料を使用してもよく、その添加量は樹脂に対し、0.5〜18重量%が好ましく、より好ましくは1.0〜12重量%である。
【0044】
着色樹脂粒子の比重は、水性溶媒中での沈降や、粒子濃度の不均一化による吐出不安定の回避、また均一な溶媒の浸透性をを得るために、0.95〜1.2程度が好ましい。
【0045】
水溶性有機溶媒、水、その他
本発明によるインク組成物は、水溶性有機溶媒を含んでなる。この水溶性有機溶媒は、水と相溶性を有し、インク組成物に含まれる着色剤、式(I)の化合物、さらには後記する種々の成分を安定に溶解または分散させて保持するものであれば特に限定されない。
【0046】
その好ましい例としては、水との溶解性の低いグリコールエーテル類や他の成分の溶解性を向上させ、さらに記録媒体(例えば紙)に対する浸透性を向上させ、またノズルの目詰まりを防止する機能が期待できるものとして、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0047】
また、本発明によるインク組成物には、記録ヘッドのノズル前面におけるインクの乾燥を抑えるために、水溶性有機溶媒としてグリコール類を添加することができ、その例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。さらに、同様な目的で、糖類を用いることもできる。その例としては、単糖類および多糖類が挙げられ、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の他にアルギン酸およびその塩、シクロデキストリン類、セルロース類を用いることができる。その添加量は適宜決定されてよいが、0.05重量%以上30重量%以下が好ましい。上記範囲にあることで、インク組成物がヘッドの先端で乾燥しても、この目詰まりを回復させることが容易に出来、また安定な印字が可能なインク組成物の粘度を容易に実現することができる。本発明の好ましい態様によれば、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ラクトース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトース、マルトース、セロビオース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースのより好ましい添加量は3〜20重量%である。なお、アルギン酸およびその塩、セルロース類の添加はインク組成物の粘度を高くする傾向があるため、その添加量には留意が必要である。
【0048】
また、本発明によるインク組成物は、その浸透性を制御するため、または式(I)で表される化合物の水溶性を向上させるために、界面活性剤を添加することも可能である。添加する界面活性剤は、インク組成物中の他の成分と相溶性のよいものが好ましい。また、浸透性が高く安定な界面活性剤が好ましい。界面活性剤としては、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤の利用が好ましい。
【0049】
両性界面活性剤の好ましい例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などが挙げられる。
【0050】
非イオン界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などの含フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
【0051】
本発明によるインク組成物は、防腐剤、防かび剤を含んでなることが出来る。その例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などが挙げられる。
【0052】
また、本発明によるインク組成物は、必要により、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤を含むことができ、その例としてはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類およびそれらの変背性物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、4級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩、N−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩などが挙げられる。さらに、本発明によるインク組成物は、酸化防止剤、紫外線吸収剤を含んでなることができる。
【0053】
インクジェット記録方法および装置
本発明によるインク組成物が用いられるインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を加熱された記録媒体に付着させて印字を行う記録方法であって、加熱された記録媒体の表面の温度を、前記式(I)の化合物の曇点以上の温度とすることを特徴とするものである。インク組成物の液滴を吐出する方法の例としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録体媒体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、電歪素子を用いたインクジェット記録方法に好ましく用いられる。ヘッド部を加熱する方法ではインクに含まれる式(I)の化合物の曇点以上に加熱されるおそれがあるため、安定した吐出が行えなくなるおそれがある。従って、本発明の好ましい態様によれば、インク組成物の液滴を吐出は、圧電素子の力学的作用を利用してインク滴を吐出させる記録ヘッドにより行われることが好ましい。
【0054】
本発明によるインクジェット記録方法を好ましく実施できるインクジェット記録装置を図面を用いて説明する。
【0055】
図1は、本発明によるインク組成物を好ましく利用可能なインクジェット記録装置の模式図である。図中、記録ヘッド6は圧電素子を用いる方式のインクジェット記録ヘッドであり、インク液滴を力学的作用により吐出する。記録ヘッド6は、その複数個のノズルを任意のマトリクスで配置しており、プラテン1と対峙した位置に、プラテン1と平行に移動するキャリッジ装置8に搭載されている。また、プラテン1の内部にヒーター2を配置し、図示しない温度感知手段により記録紙5の表面温度を感知し、図示しないヒーター制御手段によりプラテン1を加熱して、記録紙5を加熱する。記録ヘッド6にはインク容器7が接続され、必要に応じてインクが供給される。プラテン1は、アルミニウム製の素管の周囲に、表面層としてシリコーンゴム等を積層したものであり、紙押えローラ3と4が接していて、記録紙5をプラテン1に沿わせており、図示しない駆動装置により回転する。インクジェットプリンタの動作は次の通りである。まず、インク容器7よりインクが供給され、記録ヘッド6はそのノズルから印字パターンに従ってインク滴を吐出し、プラテン1に内包されたヒーター2により加熱された記録紙5上にインク像を印刷する。インク組成物は、記録紙5上で加熱されると、分散媒が記録紙5へ素早く浸透して着色剤と分散媒とが分離し、着色剤等の固形分が凝集して記録紙5上に残ることにより、にじみや混色の無い高印字品質を得ることができる。
【0056】
【実施例】
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の添加量の表示は全て、固形分(有効成分)換算した値である。
【0057】
例A1
顔料分散液A1の作成
スチレン−アクリル酸共重合体樹脂(ジョンクリル550;重量平均分子量=7500;酸価=200)4部、トリエタノールアミン2.7部、およびイソプロピルアルコール0.4部を、イオン交換水72.9部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
【0058】
次に、カーボンブラックMA−100(三菱化学社製)20部を前記溶液に加え、プレミキシングを行った後、アイガーミル(アイガージャパン社製)でカーボンブラックの平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散を行って(ビーズ充填率=70%;メディア径=0.7mm)、20重量%のカーボンブラック分散液を得た。
【0059】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質a1とは、k=18、m/n=1、平均分子量3,000の式(I)の化合物の混合物(曇点:60℃)を意味し、また物質b1とは、k=6、m=4、n=2の式(I)の化合物の混合物(曇点:50℃)を意味する。
【0060】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通過させて、インク組成物を得た。
【0061】
例A2
顔料分散液A2の作成
スチレン−アクリル酸共重合体樹脂(ジョンクリル550;重量平均分子量=7500;酸価=200)4部、トリエタノールアミン2.7部、およびイソプロピルアルコール0.4部を、イオン交換水72.9部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
【0062】
次に、フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)20部を前記溶液に加え、プレミキシングを行った後、アイガーミル(アイガージャパン社製)で顔料の平均粒子径が110nmになるまで分散を行って(ビーズ充填率=70%;メディア径=0.7mm)、20重量%のシアン有機顔料分散液を得た。
【0063】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質a2とは、k=18、m/n=1.25、平均分子量7,200の式(I)の化合物の混合物(曇点:70℃)を意味し、また物質b2とは、k=4、m=1.5、n=1の式(I)の化合物の混合物(曇点:30℃)を意味する。
【0064】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通過させて、インク組成物を得た。なお、上記物質b2は、常温における水への溶解性が低い物質であるが、物質a2との共存化では水に溶解させることが出来た。
【0065】
例A3
顔料分散液A3の作成
カーボンブラックMA−7(三菱化学社製)12重量部を5%の次亜塩素酸ナトリウム溶液600重量部と混合し、80〜95℃で加熱還流を10時間行った。その後、水洗と遠心分離を繰り返した後、塩酸を加えてpHを1に調整し、逆浸透膜にて脱塩処理した。混合物にトリエタノールアミンを加えてpHを8に調整し、15%の表面処理カーボンブラック分散液(平均粒子径120nm)を得た。
【0066】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質a3とは、k=8、m/n=1で平均分子量4,000の式(I)の化合物の混合物(曇点:58℃)を意味し、また物質b3とは、k=6、m=3、n=2の式(I)の化合物の混合物(曇点:35℃)を意味する。
【0067】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通過させて、インク組成物を得た。
【0068】
例A4
顔料分散液A4の作成
5〜10℃の発煙硫酸(SO濃度25%品)100重量部中にフタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)3重量部を攪拌しながら15分かけて添加した。得られた混合物を70〜90℃で数時間攪拌した後、氷水中に注入した。生じた懸濁液を濾過洗浄後、トリエタノールアミンを加えてpH8.2に調整し、18重量%の表面処理フタロシアニン顔料分散液(平均粒子径150nm)を得た。
【0069】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質a4とは、k=16、m/n=1、平均分子量2,500の式(I)の化合物の混合物(曇点:65℃)を意味し、物質b4とは、k=8、m=6、n=4の式(I)の化合物の混合物(曇点:46℃)を意味する。
【0070】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通過させて、インク組成物を得た。
【0071】
例A5
着色樹脂粒子分散液A5の作成
樹脂成分(メチルアクリレートまたはメチルメタクリレート)のモノマーを水中で乳化重合させ、平均粒子径が0.1〜0.4μmのポリマー粒子を調製した。その後、粗大粒子、未反応モノマー、および半溶解粒子を除去し、平均粒子径が0.3μmのポリマー粒子のみからなる水性樹脂エマルジョンを得た。続いて、エマルジョン中のポリマー粒子を油性染料で染色し、目的の着色樹脂粒子分散液を得た(有効成分10重量%)。
【0072】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質a5とは、k=6、m/n=0.8、平均分子量1200の式(I)の化合物の混合物(曇点:40℃)を意味し、物質b5とは、k=10、m=9、n=1の式(I)の化合物の混合物(曇点:80℃)を意味する。
【0073】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通過させて、インク組成物を得た。
【0074】
例A6
着色剤として例A2で作成した顔料分散液A2を使用し、式(I)の化合物として例A1と同様の物質a1(曇点:60℃)および物質b1(曇点:50℃)を用いた。
Figure 0003585108
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通過させて、インク組成物を得た。
【0075】
例A7
着色剤として例A4で作成した顔料分散液A4を使用し、式(I)の化合物として例A3と同様の物質a3(曇点:58℃)および物質b3(曇点:35℃)を用いた。
Figure 0003585108
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通過させて、インク組成物を得た。
【0076】
インク組成物の性能評価試験
図1に示される基本構造を有するインクジェットプリンタを用い、例A1〜7のインク組成物の性能を以下のようにして評価した。
【0077】
1.印字画像のエッジのシャープ度
いくつかの普通紙に印字を行い、印字サンプルのエッジ部分のにじみについて、以下の基準で評価した。なお、記録媒体の表面温度は60℃とした。
【0078】
評価A:殆どの印画パターンでにじみがなくエッジがシャープであり、紙種による差も無い。
評価B:印画パターンにより若干エッジが乱れるが実用上問題なく、紙種による差も小さい。
評価C:全ての紙種、もしくは一部の紙種で印画パターンによりエッジが乱れ、画像がぼやけて実用に耐えない。
【0079】
その結果は、以下の表に示される通りであった。
Figure 0003585108
【0080】
2.速乾性
いくつかの普通紙に印字を行い、印字サンプルの乾燥性について、以下の基準で評価した。なお、記録媒体の表面温度は60℃とした。
【0081】
評価A:5秒後指でさわっても印字物が地汚れしない。
評価B:5秒後指でさわると印字物が地汚れする。
【0082】
その結果は、以下の表に示される通りであった。
Figure 0003585108
【0083】
3.多色印字における隣り合う色同士のブリード
以下の表の通りインク組成物を組み合わせて多色印字を行い、その境界部分の混色にじみ(ブリード)を以下の基準で評価した。なお、記録媒体の表面温度は60℃とした。
【0084】
評価A:隣り合った色同士混色することなく、境界部分がシャープである。
評価B:隣り合った色同士混色して、境界部分がぼやける。
【0085】
その結果は、以下の表に示される通りであった。
Figure 0003585108
【0086】
4.保存安定性
インク組成物をガラス製のサンプルビンに入れ、50℃で1週間放置し、析出物の有無を観察した。析出物は、インク2ccを直径1mm、孔径10μmのフィルターに通して、50倍の顕微鏡観察にてフィルター上の残渣の数から判断した。評価基準は以下の通りである。
【0087】
評価A:フィルター上に観察される残渣が200個以下である。
評価B:フィルター上に観察される残渣が200個超過500個未満である。
評価C:フィルター上の観察される残渣が500個以上である。
【0088】
Figure 0003585108
【0089】
例B1
顔料分散液B1の作成
カーボンブラック(三菱化学社製「MA−7」)15部をスルホラン200部中に混合し、アイガーモーターミルM250型(アイガージャパン社製)で、ビーズ充填率70%および回転数5000rpmの条件下で1時間分散した。得られた顔料ペーストをエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら、120℃に加熱して、系内に含まれる水分をできるだけ留去した。その後、系の温度を150℃に制御し、三酸化硫黄25部を加えて6時間反応させた。反応終了後、過剰なスルホランで数回洗浄した後、反応物を水中に注ぎ、濾過後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.5に調製して、15重量%の表面処理カーボンブラック分散液(平均粒子径110nm)を得た。
【0090】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質α1とは、k=16、m/n=1、平均分子量3、500の式(I)の化合物の混合物(曇点:60℃)を意味し、また、物質β1とは、k=4、m=2、n=1の式(I)の化合物(曇点:40℃)を意味する。
【0091】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0092】
例B2
顔料分散液B2の作成
スチレン−アクリル酸共重合体樹脂(ジョンクリル550;重量平均分子量=7500;酸価=200)4部、トリエタノールアミン2.7部、およびイソプロピルアルコール0.4部を、イオン交換水72.9部に、70℃の加温下で完全に溶解させた。
【0093】
次に、カーボンブラックMA−100(三菱化学社製)20部を前記溶液に加え、プレミキシングを行った後、アイガーミル(アイガージャパン社製)でカーボンブラックの平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散を行い(ビーズ充填率=70%;メディア径=0.7mm)、20重量%のカーボンブラック顔料分散液を得た。
【0094】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質α2とは、 k=16、m/n=1.2、平均分子量6000の式(I)の化合物の混合物(曇点:65℃)を意味し、物質β2とは、k=5、m=3、n=1の式(I)の化合物の混合物(曇点:55℃)を意味する。
【0095】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0096】
例B3
顔料分散液B3の作製
フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)20部をキノリン500部と混合し、アイガーモーターミルM250型(アイガージャパン社製)でビーズ充填率70%および回転数5000rpmの条件下で2時間分散した。得られた顔料ペーストをエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら120℃に加熱し、系内に含まれる水分をできるだけ留去した。その後系の温度を160℃に制御し、スルホン化ピリジン錯体20部を加えて8時間反応させた。反応終了後、過剰なキノリンで数回洗浄した後、反応物を水中に注ぎ、濾過後、トリエタノールアミン水溶液を加えてpHを7.0に調製して、20重量%の表面処理フタロシアニン顔料分散液(平均粒子径120nm)を得た。
【0097】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質α3とは、k=18、m/n=1、平均分子量3、200の式(I)の化合物の混合物(曇点:54℃)を意味し、また、物質β3とは、k=6、m=4、n=2の式(I)の化合物の混合物(曇点:50℃)を意味する。
【0098】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0099】
例B4
顔料分散液B4の作製
イソインドリノン顔料(C.I.ピグメンイエロー110)20部をキノリン500部と混合し、アイガーモータミルM250型(アイガージャパン社製)でビーズ充填率70%および回転数5000rpmの条件下で2時間分散させた。得られた顔料ペーストをエバポレーターに移し、30mmHg以下に減圧しながら、120℃に加熱して系内に含まれる水分をできるだけ留去した。その後、系の温度を160℃に制御し、反応剤としてスルホン化ピリジン錯体20部を加えて4時間反応させた。反応終了後、過剰なキノリンで数回洗浄し、反応物を水中に注ぎ、濾過後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.0に調製して、20重量%の表面処理イソインドリノン顔料分散液(平均粒子径120nm)を得た。
【0100】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記において、物質α4とは、k=18、m/n=0.9、平均分子量2500の式(I)の化合物の混合物(曇点:56℃)を意味する。また、式(I)の化合物として例B1と同様の物質β1(曇点:40℃)を用いた。
【0101】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0102】
例B5
顔料分散液B5の作製
前記例B4の分散液B4の調製において、イソインドリノン顔料をジメチルキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122)に代えたこと以外は、例B4と同様にして、顔料分散液(平均粒子径110nm)を得た。
【0103】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
式(I)の化合物として例B1と同様の物質α1(曇点:60℃)を用いた。
【0104】
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0105】
例B6
顔料分散液B6の作製
カーボンブラックをPrintex150T(DEGUSSA社製)とすることしたこと以外は、例B1の顔料分散液B1と同様にして表面処理カーボンブラック顔料分散液(平均粒子径120nm)を得た。
【0106】
インクの調製
以下の組成のインク組成物を調製した。
Figure 0003585108
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0107】
例B7
着色剤として例B6で作成した顔料分散液B6を使用し、式(I)の化合物として例B1と同様の物質β1(曇点:40℃)を用いた。
Figure 0003585108
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0108】
例B8(比較例)
着色剤として例B6で作成した顔料分散液B6を使用した。
Figure 0003585108
上記インク組成物は、式(I)の化合物を含まないものである。上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0109】
例B9
着色剤として例B2で作成した顔料分散液B2を使用し、式(I)の化合物として例B1と同様の物質α1(曇点:60℃)および物質β1(曇点:40℃)を用いた。
Figure 0003585108
上記成分を混合し、混合物を金属メッシュフィルター(真鍋工業株式会社製;綾織り=2300メッシュ)に通して、インク組成物を得た。
【0110】
インク組成物の性能評価試験
図1に示される基本構造を有するインクジェットプリンタを用い、例B1〜9のインク組成物の性能を以下のようにして評価した。
【0111】
1.印字画像のエッジのシャープ度
上記と同様の印字画像のエッジのシャープ度を評価する評価試験を行った。なお、加熱温度は、例B1〜B8のインク組成物については60℃、例B9のインク組成物については35℃とした。
その結果を上記と同様の評価基準で評価した。
【0112】
その結果は、以下の表に示される通りであった。
Figure 0003585108
【0113】
2.速乾性
上記と同様の印字画像の乾燥性を評価する評価試験を行った。なお、加熱温度は、例B1〜B8のインク組成物については60℃、例B9のインク組成物については35℃とした。
その結果を上記と同様の評価基準で評価した。
【0114】
その結果は、以下の表に示される通りであった。
Figure 0003585108
【0115】
3.多色印字における隣り合う色同士のブリード
例B3、例B4、および例B5のシアンインク、イエローインク、およびマゼンタインクと、ブラックインク例B1、B2、B6、例B7、例B8、および例B9とを組み合わせて多色印字を行い、その境界部分の混色にじみ(ブリード)を以下の基準で評価した。なお、加熱温度はブランクインク例B9の場合に35℃とした以外は60℃とした。
【0116】
ブラックインクと他のカラーインクとの境界部分の混色にじみを以下の評価基準で評価した。
【0117】
評価A:隣り合った色同士混色することなく、境界部分がシャープで良好な印字品質。
評価B:隣り合った色同士混色して、境界部分がぼやけるが実用上問題ない。
評価C:隣り合った色同士混色して、境界部分が大きくぼやけ文字等の認識が困難であり、実用に耐えない。
【0118】
その結果は、以下の表に示される通りであった。
Figure 0003585108
【0119】
4.保存安定性
上記と同様の保存安定性を評価する評価試験を行った。その結果を上記と同様の評価基準で評価した。
【0120】
その結果は、以下の表に示される通りであった。
Figure 0003585108
【0121】
5.吐出安定性
上記評価試験1〜4を通じて、ドット抜け、飛行曲がり等の有無により吐出安定性を評価した。その結果を、以下の評価基準で評価した。
【0122】
評価A:ドット抜け、飛行曲がりが殆ど発生せず、印字試験を通して良好な吐出である。
評価B:ドット抜け、飛行曲がりが時折発生して、印字画像が乱れ、吐出が不安定である。
【0123】
その結果は、以下の表に示される通りであった。
Figure 0003585108

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインク組成物の印字に好ましく利用されるインクジェット記録装置の基本構成を表す図である。
【符号の説明】
1 プラテン
2 ヒーター
3 紙押えローラー
4 紙押えローラー
5 記録紙
6 記録ヘッド
7 インク容器
8 キャリッジ装置

Claims (16)

  1. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を加熱した記録媒体に付着させる工程を含んでなる、インクジェット記録方法に用いられるインク組成物であって、
    前記インク組成物が、水溶性有機溶剤と、水と、着色剤と、そして下記の式(I):
    R−[O−(EO)−(PO)]−H
    [上記式中、
    EOはエチレンオキシ基を表し、
    POはプロピレンオキシ基を表し、
    mおよびnは整数を表し、
    RはC2k+1(ここで、kは4〜18の自然数を表す)を表し、
    EOおよびPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい]
    で表される化合物の二種以上とを少くとも含んでなり、
    前記式(I)で表される化合物の第一の化合物群が、k=6〜18であり、2/3≦m/n≦1.5の関係を満たし、その平均分子量が1000以上8000以下のものであり、
    前記式(I)で表される化合物の第二の化合物群が、k=4〜10であり、m=1〜10であり、n=1〜5であり、かつ1.5≦m/nを満たすものであり、
    前記着色剤がインク組成物中で分散状態で存在するものであり、
    前記加熱された記録媒体の表面の温度が、前記式(I)の化合物の曇点以上の温度である、インクジェット記録用インク組成物。
  2. 前記第一の化合物群の含有量がインク組成物基準で2〜10重量%である、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記第二の化合物群の含有量がインク組成物基準で0.5〜5重量%である、請求項1に記載のインク組成物。
  4. 前記第一の化合物群および前記第二の化合物群の少なくとも一方の曇点が室温以上100℃以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記第一の化合物群および前記第二の化合物群の少なくとも一方の曇点が40以上70℃以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 前記着色剤が顔料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 前記着色剤が着色された樹脂粒子である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 前記着色剤が、その表面に官能基が導入され、水性溶媒に単独で分散可能な表面処理顔料である、請求項6記載のインク組成物。
  9. 前記着色剤が、その表面に官能基が導入され、水性溶媒に単独で分散可能な表面処理カーボンブラックである、請求項8に記載のインク組成物。
  10. 前記着色剤が、その表面に官能基が導入され、水性溶媒に単独で分散可能な表面処理有機顔料である、請求項8に記載のインク組成物。
  11. 導入される官能基がスルホン化処理により導入された硫黄含有官能基である、請求項9または10に記載のインク組成物。
  12. 硫黄含有官能基がSO 基またはSO 基である、請求項11に記載のインク組成物。
  13. 前記着色剤が有機顔料である、請求項12に記載のインク組成物。
  14. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を加熱された記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、
    インク組成物として請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物を用い、かつ
    前記加熱された記録媒体の表面の温度が、前記式(I)の化合物の曇点以上の温度である、インクジェット記録方法。
  15. 前記インク組成物の液滴を吐出が、圧電素子の力学的作用を利用してインク滴を吐出させる記録ヘッドにより行われる、請求項14記載のインクジェット記録方法。
  16. 請求項14または15に記録方法によって記録が行われた、記録物。
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