JP2022165876A - 芋食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規の芋食品を製造する技術の提供。【解決手段】芋食品を製造する方法であって、食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱する調理工程を有し、前記調理工程は、前記食用油に浸漬した状態の前記原料芋を加熱することと、前記食用油に浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することと、を兼ねる工程である、芋食品の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は芋食品を製造する方法に関する。
近年、焼き芋などが身近なスイーツとして人気となっている(特許文献1)。そのため、近年、新しい嗜好性を持った芋食品の製品開発に注目が集まっている。
焼き芋、揚げ芋等の芋食品は、オーブン、トースター、レンジ、グリル、炊飯器などといった加熱機器を用い製造される。
また、焼き芋の伝統的な製造方法として、つぼ焼きが知られている。
ここで、通常、甘味が強く、ねっとりとした食感を備える焼き芋の製造には、サツマイモのデンプンを6~8時間程の長時間、60℃~70℃での低温加熱をすることにより、デンプンを糊化させ、糊化デンプンを麦芽糖(いわゆる、蜜)へ変化させる処理を行う必要があった。また、6~8時間程の長時間低温加熱に供した焼き芋は、最も栄養の多い皮の部分が焦げてしまうことが問題としてあった。
上記の通り、6~8時間程の長時間低温加熱が求められるため、従来の技術では、効率よく芋食品を製造することができなかった。
ところで、芋食品の製造方法として、サツマイモを油揚げ処理(フライ処理)する方法が知られている(特許文献2)。
特開2004-248946号公報 特開2005-040099号公報
上記事情に鑑みなされた本発明は、新規の芋食品を製造する技術の提供を課題とする。
また、本発明の好ましい実施の形態では、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造する技術の提供を課題とする。
上記課題を解決する本発明は、芋食品を製造する方法であって、
食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱する調理工程を有し、
前記調理工程は、
前記食用油に浸漬した状態の前記原料芋を加熱することと、
前記食用油に浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することと、を兼ねる工程である、芋食品の製造方法である。
本発明によれば、食用油に浸漬した状態の前記原料芋を加熱することと、食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
また、上記の条件で調理することで、切断されていない原料芋であっても短時間で喫食可能な状態とすることができる。
そして、上記の条件で調理することで、皮付きの原料芋であっても、皮の焦げ、皮の破れの少ない芋食品を提供することができる。
また本発明の好ましい形態では、食用油がココナッツオイルである。
ココナッツオイルに浸漬した状態の前記原料芋を加熱することと、ココナッツオイルに浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘い風味を備え、かつ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
加えて、上記の条件で調理することで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、甘い風味を備え、かつ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
また、本発明の好ましい形態では、調理工程は、160℃以下の条件で、20分以上、60分以下加熱することを含む。
本発明の好ましい実施の形態によれば、上記の条件の加熱であっても、十分に喫食可能な芋食品を提供することができる。
そして、上記の条件で調理することで、皮付きの原料芋であっても、皮の焦げ、皮の破れの少ない芋食品を提供することができる。
加えて、上記の条件で調理することで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
また、本発明の好ましい形態では、調理工程は、電圧100V以上700V以下の条件で、20分以上、前記食用油浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することを含む。
また、本発明の好ましい形態では、調理工程は、電流10mA以上50mA以下の条件で、20分以上、前記食用油浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することを含む。
また、本発明の好ましい形態では、調理工程は、交流電界の周波数20kHz以上100kHz以下の条件で、20分以上、前記食用油浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することを含む。
また、本発明の好ましい形態では、調理工程は、電界強度200V/m以上20,000V/m以下の条件で、20分以上、前記食用油浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することを含む。
本発明の好ましい実施の形態によれば、上記の条件で食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することを含む調理工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
そして、上記の条件で調理することで、皮付きの原料芋であっても、皮の焦げ、皮の破れの少ない芋食品を提供することができる。
加えて、上記の条件で調理することで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
本発明の好ましい形態では、前記調理工程の後の芋を袋に入れ、該袋を脱気密封した状態で冷凍することを含む。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前述の調理工程の後に、芋を袋に入れ、該袋を脱気密封した状態で冷凍することで、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
加えて、上記の条件の冷却工程を行うことで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
本発明の好ましい形態では、前記調理工程の後に、さらに、冷却工程を行い、
前記冷却工程は、調理工程後の芋を常温で静置し冷却する静置処理と、静置後の芋を冷却する一次冷却処理と、一次冷却処理後の芋を容器に入れ脱気密封した状態で冷却する二次冷却処理と、を備える。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前述の調理工程の後に、上記の冷却工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
加えて、上記の条件の冷却工程を行うことで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
本発明によれば、新規の芋食品を製造する技術の提供することができる。
一実施形態にかかる電界処理装置の概要図である。 一実施形態にかかる電界処理装置の概要図である。 一実施形態にかかる通電部の概要図である。 試験例1で製造した芋食品を示す図である。 冷却工程において、調理工程後の芋食品を脱気密封した態様を示す図である。
以下本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。
以下、本発明の芋食品に用いる原料芋について、好ましい形態を説明する。
ここで、本明細書において、「原料芋」は、本発明の芋食品の製造方法に供する前の原材料としての芋を指す。
また、本明細書において、「芋食品」は、調理工程及び/又は冷却工程を得た後の、消費者が喫食可能な状態の芋を指す。
本発明に用いることのできる原料芋の品種は特に制限されず、例えば、サツマイモを好ましく挙げることができる。
中でも、原料芋は、シルクスイート、安納芋を好ましく挙げることができる。
ここで、当業者の間で、安納芋は、ねっとり系と評される原料芋であって、定法により焼き芋としたときにスプーンでも食べられるのほどのクリーミーな口当たりと、濃厚な甘みが特徴のサツマイモである。
本発明によれば、食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品とすることができる。
そのため、ねっとり系と評される原料芋を用いた場合には、定法により製造された焼き芋よりもねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
ここで、他のねっとり系と評される原料芋としては、紅はるか、紅天使、甘太くん、いもジェンヌ、紅優甘、クイックスイートを挙げることができる。
また、当業者の間で、シルクスイートは、しっとり系と評される原料芋であって、定法により焼き芋としたときに、ほどよい甘味と、のどごしの滑らかさに特徴のあるサツマイモである。
しっとり系と評される原料芋は、ねっとり系と評される原料芋に比して含水量が少ないことが特徴としてある。
本発明によれば、食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することを兼ねる調理工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品とすることができる。
そのため、しっとり系と評される原料芋を用いた場合には、定法により製造された焼き芋とは異なり、ねっとりとした食感を備える芋食品となる。
ここで、他のしっとり系と評される原料芋としては、紅まさり、めんげ芋、ひめあやか、アメリカ芋を挙げることができる。
本発明に用いる原料芋の質量は、好ましくは25g以上、より好ましくは30g以上、より好ましくは45g以上、より好ましくは50g以上、より好ましくは100g以上を目安とすることができる。
また、本発明に用いる原料芋の質量は、好ましくは400g以下、より好ましくは350g以下、特に好ましくは200g以下を目安とすることができる。
本発明に用いる原料芋がシルクスイート(しっとり系と評される原料芋)である場合、その質量は、好ましくは100g以上、より好ましくは120g以上、より好ましくは150g以上、特に好ましくは200g以上を目安とすることができる。
また、本発明に用いる原料芋がシルクスイートである場合、その質量は、好ましくは400g以下、より好ましくは350g以下を目安とすることができる。
本発明に用いる原料芋が安納芋(ねっとり系と評される原料芋)である場合、その質量は、好ましくは25g以上、より好ましくは30g以上、より好ましくは45g以上、特に好ましくは50g以上を目安とすることができる。
また、本発明に用いる原料芋が安納芋である場合、その質量は、好ましくは200g以下、より好ましくは150g以下、特に好ましくは100g以下を目安とすることができる。
また、本発明で用いる原料芋は、皮つき芋であることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、芋食品の皮の焦げ、皮の破れの少ない芋食品を提供することができる。
また、本発明で用いる原料芋は、切断されていない芋であることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、皮が破れを抑えることができるため、皮つき芋であって、切断されていない芋を用いた場合、芋食品への余分な油の染み込みを抑えることができる。そして、芋食品への油の染み込みを抑えることで、通常の方法により製造した揚げ芋に比して、芋食品そのものが高カロリーとなることを抑え、かつ、芋食品の油の味や匂いが強くなることを抑えることができる。
なお、本発明においては、上記の質量となるよう分割された芋であることであってもよい。
なお、本発明で用いる原料芋の入手の手段に特に制限はなく、例えば、市販の原料芋を用いることができる。
また、本発明の製造方法に供する前に、原料芋に対して別途調味する必要はない。
以下、本発明の調理工程について説明する。
本発明において、調理工程は、食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱すること(以下、加熱作業とも表記)と、
前記食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加すること(以下、印加作業とも表記)を兼ねる。
食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、芋食品の製造時間を短縮することができる。
また、食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
ここで、食用油は、ココナッツオイルであることが好ましい。
ココナッツオイルに浸漬した状態の原料芋を加熱することと、ココナッツオイルに浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘い風味を備え、かつ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
加えて、上記の条件で調理することで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、甘い風味を備え、かつ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
ただし、本発明において、食品の調理に通常使用可能なオイルであれば、その種類に制限はない。他の食用油としては、例えば、サラダ油、オリーブオイル、菜種油、ゴマ油などをあげることができる。
また、使用する食用油の量は、後述の加熱作業、及び、印加作業に十分な量であれば、特に制限はない。
[加熱作業]
本発明において、加熱作業は、食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱する作業である。
以下、加熱作業のより好ましい形態を説明する。
加熱作業における加熱時間は、好ましくは20分以上、より好ましくは30分以上、さらに好ましくは35分以上である。
また、加熱作業における加熱時間は、好ましくは90分以下、より好ましくは60分以下、より好ましくは50分以下、さらに好ましくは45分以下である。
食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
上記の条件で調理することで、切断されていない原料芋であっても短時間で喫食可能な状態とすることができる。
そして、上記の条件で調理することで、形状の崩れの少ない芋食品を提供することができる。
なお、加熱時間は、芋が油面に上がってきてから15分程度を目安とすることもできる。
加熱作業における加熱温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは130℃以上、さらに好ましくは140℃以上、特に好ましくは150℃以上である。
また、加熱作業における加熱温度は、好ましくは170℃以下、より好ましくは165℃以下、より好ましくは160℃以下である。
上記の条件で食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
上記の条件で調理することで、切断されていない原料芋であっても短時間で喫食可能な状態とすることができる。
そして、上記の条件で調理することで、形状の崩れの少ない芋食品を提供することができる。
なお、本発明の効果を発揮する範囲において、加熱温度及び加熱時間は適宜調整することができる。
[印加作業]
以下、調理工程における、印加作業について、より好ましい形態を説明する。
ここで、印加作業は、後述の印加手段(例えば、図1中 通電部1に相当)により、芋原料に交流電界を印加する工程である。
印加作業において、芋原料に印加される交流電界にかかる電圧は、好ましくは50V以上、より好ましくは100V以上、より好ましくは200V以上、さらに好ましくは250V以上である。
また、印加作業において、芋原料に印加される交流電界にかかる電圧は、好ましくは850V以下、より好ましくは700V以下、より好ましくは500V以下、さらに好ましくは350V以下である。
印加作業において、芋原料に印加される交流電界にかかる電流は、好ましくは10mA以上、より好ましくは20mA以上、さらに好ましくは25mA以上である。
印加作業において、芋原料に印加される交流電界にかかる電流は、好ましくは50mA以下、より好ましくは40mA以下、さらに好ましくは35mA以下である。
印加作業において、芋原料に印加される交流電界の周波数は、好ましくは20kHz以上、より好ましくは30kHz以上、さらに好ましくは40kHz以上である。
印加作業において、芋原料に印加される交流電界の周波数は、好ましくは150kHz以下、より好ましくは120kHz以下、より好ましくは100kHz以下、より好ましくは85kHz以下、さらに好ましくは60kHz以下である。
印加作業において、芋原料に印加される交流電界の電界強度は、好ましくは200V/m以上、より好ましくは500V/m以上、より好ましくは1000V/m以上、より好ましくは1500V/m以上、より好ましくは3000V/m以上、さらに好ましくは4500V/m以上である。
印加作業において、芋原料に印加される交流電界の電界強度は、好ましくは20000V/m以下、より好ましくは17500V/m以下、より好ましくは15000V/m以下、より好ましくは12000V/m以下、さらに好ましくは8000V/m以下である。
印加作業において、芋原料への印加時間は、好ましくは20分以上、より好ましくは30分以上、さらに好ましくは35分以上である。
また、印加作業における印加時間は、好ましくは90分以下、より好ましくは60分以下、より好ましくは50分以下、さらに好ましくは45分以下である。
ここで、本発明の好ましい実施の形態では、印加作業における印加時間と、加熱作業における加熱時間は、同じであることが好ましい。
食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、上記の条件で食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
また、食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、上記の条件で食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することを兼ねる調理工程を行うことで、原料芋の調理時間を短縮することができる。
加えて、上記の条件の調理工程を行うことで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
なお、本発明において、調理工程を行う手段に特に制限はない。
例えば、図1、図2に示すような、電界処理装置を用いることができる。
図1に例示する電界処理装置は、通電部1と、油槽2と、を備える。
ここで、油槽2は、食用油3を貯留可能に構成されている。
また、通電部1は、油槽2に設けられた食用油3及び原料芋に交流電界を印加可能に構成されている。なお、本発明の調理工程において、油槽2に設けられた食用油3及び原料芋に交流電界を印加することで、食用油3中の水分4が細分化する様子が観察できる。
そして、電界処理装置は、油槽2の外部に設けられ、油槽2を加熱可能な加熱部5を備える(図2 参照)。ここで、加熱部5は電熱機構に基づくものであることが好ましい。
[冷却工程]
また、本発明において、調理工程の後に、冷却工程を行う形態とすることが好ましい。
ここで、冷却工程は、調理工程後の芋(以下冷却工程の説明では単に芋とも表現する)を常温で静置し冷却すること(以下、静置処理ともいう)と、静置後の芋を冷却すること(以下、一次冷却処理ともいう)と、一次冷却処理後の芋を容器に入れ脱気密封した状態で冷却すること(以下、二次冷却処理ともいう)と、を備える形態であることが好ましい。
以下、各作業について好ましい形態を説明する。
[静置処理]
静置処理は、調理工程後の芋を食用油から取り出し、静置することで、芋の冷却を行う工程である。
静置処理の時間は、好ましくは30分以上、より好ましくは40分以上、さらに好ましくは50分以上を目安とすることができる。
また、静置処理の時間に、特に上限はない。例えば、90分以下を目安とすることができる。
静置処理を行うことにより、調理工程後の芋の熱気を取ることができる。
また、静置処理を行うことにより、芋内部に浸漬した食用油の染み出しを抑えることができる。
また、前述の調理工程を経た芋に上記の冷却工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
[一次冷却処理]
一次冷却処理は、静置処理後の芋を冷却する工程である。
ここで、一次冷却処理における冷却温度は、好ましくは-20℃以下、より好ましくは-30℃以下、より好ましくは-35℃以下である。
また、一次冷却処理における冷却温度は、好ましくは-50℃以上、より好ましくは-45℃以上、より好ましくは-42℃以上である。
前述の調理工程を経た芋に上記の冷却工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
加えて、上記の条件の冷却工程を行うことで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
また、一次冷却処理の冷却時間は、好ましくは15分以上、より好ましくは20分以上、さらに好ましくは25分以上である。
また、一次冷却処理の冷却時間は、好ましくは45分以下、より好ましくは40分以下、さらに好ましくは35分以下である。
前述の調理工程を経た芋に上記の冷却工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
ここで、一次冷却処理は、空冷であることが好ましい。
また、一次冷却処理は、急速冷却であることが好ましい。
一次冷却処理が急速冷却であることで、調理工程後の芋の芯温を短時間で上述の温度帯とすることができる。
ここで、一次冷却処理には、ブラストチラー(ブラストフクシマ社製)を好ましく用いることができる。
また、一次冷却処理は、上記の処理の前に、予備冷却を含むことが好ましい。
予備冷却は、一次冷却処理における冷却温度冷却温度での冷却を、1分以上10分以下行う処理である。
予備冷却処理により芋の表面(皮)を固めることができる。
ここで、予備冷却後に、芋の内部を観察可能な状態に切断することが好ましい。
予備冷却により芋の表面を固めることで、よりきれいに芋を切断することができる。そして、予備冷却後のタイミングでの切断とすることで、芋の内部をきれいな状態に維持したまま、後述の二次冷却処理に供することができる。
また、切断により、芋の内部を消費者に観察可能な状態とすることで、後述の二次冷却処理後の芋食品の内部を観察可能な形態とすることができ、消費者への購買欲求につなげることができる。
なお、芋の切断方法に特に制限はない。
[二次冷却処理]
二次冷却処理は、一次冷却処理後の芋を容器に入れ脱気密封した状態で冷却する作業である。
ここで、二次冷却処理における冷却温度は、好ましくは-20℃以下、より好ましくは-30℃以下、より好ましくは-35℃以下、さらに好ましくは-40℃以下、特に好ましくは-45℃以下である。
また、二次冷却処理における冷却温度は、好ましくは-65℃以上、より好ましくは-60℃以上、より好ましくは-55℃以上である。
前述の調理工程を経た芋に上記の冷却工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。また、二次冷却処理をすることで、製造から出荷まで芋を袋から取り出す必要がなく、簡便に配送などにも対応可能な芋食品とすることができる。
また、二次冷却処理の冷却時間は、好ましくは30分以上、より好ましくは40分以上、さらに好ましくは50分以上を目安とすることができる。
また、二次冷却処理の冷却時間は、好ましくは90分以下、より好ましくは75分以下、さらに好ましくは65分以下である。
前述の調理工程を経た芋に上記の冷却工程を行うことで、甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができる。
加えて、上記の条件の冷却工程を行うことで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができる。
また、二次冷却処理は、急速冷却であることが好ましい。
二次冷却処理が急速冷却であることで、調理工程後の芋の芯温を短時間で上述の温度帯とすることができる。
ここで、二次冷却処理には、ブライン急速凍結機(株式会社サンテツ技研製)を好ましく用いることができる。
なお、本発明において、二次冷却処理は、定法による冷凍処理であってもよい。
このとき、二次冷却処理には、業務用冷凍庫(例えば、パナソニック株式会社 製)を用いることができる。
また、容器を密封する際に容器内の空気を脱気する(真空状態とする)ことが、芋食品の保存の観点から望ましい。容器内の空気を脱気することで、酸素による原料芋の酸化をより効果的に防ぐことができる(図5 参照)。
ここで、脱気の手段に特に制限はなく、例えば、真空包装機(V-455G-1 :株式会社TOSEI 社製)を用い、容器内の空気を脱気し容器を密封する方法を採用することができる。
なお、容器は密封することができればその材質や形状に限定はないが、容器として袋を用いることが好ましい。
なお、本発明の芋食品の製造方法において容器を密封するタイミングは、調理工程後であって容器を密封したとしても容器が破裂する危険のない状態であることが好ましい。
袋は不透水性であって、芋が直接触れても食品衛生上有害でなく、かつ耐熱性及び/又は低温凍結耐性を有する袋であることが好ましい。
袋は、どのように形成された袋であってもよく、例えば、円筒形のフィルムを溶着、裁断し形成される袋、1枚のフィルムを二つ折りにして形成される袋、2枚のフィルムを重ね合わせて形成される袋、3枚以上のフィルムを張り合わせ形成された袋等が挙げられる。
さらに袋はその形状にも特に制限はなく、例えば、封筒様の略矩形状の袋、角柱や直方体等の立体形状の袋、略球形状の袋のいずれであってもよい。
袋の容積にも特に限定はなく、袋の容積は200cm以上、好ましくは500cm以上、より好ましくは1500cm以上、さらに好ましくは4000cm以上である。
また、袋の容積は25000cm以下、好ましくは18000cm以下、より好ましくは12000cm以下、さらに好ましくは6500cm以下である。
なお、袋が略矩形状であるとき、最も大きい面の面積は、100cm以上、好ましくは200cm以上、より好ましくは400cm以上、さらに好ましくは800cm以上である。
なお、袋が略矩形状であるとき、最も大きい面の面積は、2500cm以下、好ましくは2000cm以下、より好ましくは1500cm以下、さらに好ましくは1000cm以下である。
袋が前述の大きさであることで、袋に内包された芋の形状が崩れない。
そして、袋を密封する手段としては、例えば、袋の端を熱溶着する方法、接着剤により密封する方法、等を挙げることができる。このうち、袋を密封する手段は袋を熱溶着する方法であることが好ましい。
原料芋を袋に入れ、密封した状態での二次冷却処理をすることで、製造から出荷まで芋を袋から取り出す必要がなく、簡便に配送などにも対応可能な芋食品とすることができる。
また、袋に密封されているため、芋食品の製造中であっても出荷することができる。
なお、製造後の芋食品を袋から取り出し、別容器に詰め替え出荷することもできる。
また、上述の条件での冷却工程後の芋食品を解凍し、店頭販売などに供することもできる。
さらに、芋食品の製造を外界の影響を受けない密封状態で行うことができるため、芋食品の品質保持をより確実にすることができる。
また、袋に密封されているため、冷蔵庫に配置して冷却処理を行う場合には袋を重ねて配置することができる。そのため、冷蔵庫内の空間を有効に利用し芋食品を製造することができる。
なお、本発明においては、必ずしも冷却工程を行う必要はなく、調理工程後の芋食品を店頭販売する形態とすることもできる。
また、前述の調理工程によらず、通常方法で揚げた芋に対して、本発明の冷却工程を行う形態とすることもできる。
以下に実施例を用いて、より詳細に本発明について説明する。本実施例において、%(パーセント)による表記は、特に断らない限り質量を基準としたものである。
[試験例1]
試験例1では、調理工程での印加の有無による、製造した芋食品に与える影響を検討した。
(1)調理工程
(1-1)各種条件
・原料芋:安納芋(個体重量50g~100gの皮つき芋)、シルクスイート(個体重量200g~300gの皮つき芋)
・食用油:ココナッツオイル(ココウェル:実施例)
・加熱手段(油槽2、加熱部5):MEF-M8FT(株式会社マルゼン 社製)
加熱条件:
150℃ 40分
・印加手段(通電部1):図3 参照
・印加条件:
電圧 300V程度(100V~700Vの範囲内を維持するよう適宜調節)
電流 30mA程度(10mA~50mAの範囲内を維持するよう適宜調節)
交流電界の周波数 50kHz程度(20kHz~100kHzの範囲内を維持するよう適宜調節)
電界強度 5,000V/m 程度(200V/m~20,000V/mの範囲内を維持するよう適宜調節)
(1-2)調理工程の試験手法及び評価
まず、油槽2に貯留させた食用油に原料芋を投入した。そして、投入した原料芋に対し、下表に示す条件での加熱作業とともに、上記の条件での印加作業を行った。
調理工程後の芋食品について、食品の製造を専門とする評価者による芋食品の評価をした。
(2)結果、及び考察
交流電界を原料芋に印加することを含む調理工程では、芋原料から出る泡が、印加作業を含まない形態に比して、若干小さいように見えた。
また、交流電界を原料芋に印加することを含む調理工程に供したことで、芋原料からの水分流出が抑えられていることが確認できた。
そして、交流電界を印加することを含む調理工程に供した芋食品は、皮が激しく破れてなく、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を有していた(図4 参照)。
また、交流電界を印加することを含む調理工程に供した芋食品は、印加作業を含まない形態の芋食品に比して、焦げが少なかった。
印加作業を含まない形態の芋食品は、油を多く含み、表面がべとべととしていた。
また、印加作業を含まない形態の芋食品の食感は、印加作業を含む形態に比して、好ましくないものであった。併せて、印加作業を含まない形態の芋食品は、皮が破裂していて、望ましいものではなかった。
すなわち、本試験の結果、食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱することと、食用油に浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することと、を兼ねる調理工程により、皮が激しく破れてなく、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感の芋食品を製造できることがわかった。
[試験例2]
試験例2では、調理工程でのより好適な条件及び、調理工程後の冷却工程が芋食品に与える影響を検討した。
(1)調理工程
(1-1)各種条件
・原料芋:安納芋(個体重量50g~100gの皮つき芋)
・食用油:ココナッツオイル(ココウェル:実施例)
・加熱手段(油槽2、加熱部5):MEF-M8FT(株式会社マルゼン 社製)
加熱条件:下表 参照
・印加手段(通電部1):図3 参照
・印加条件:
電圧 300V程度(100V~700Vの範囲内を維持するよう適宜調節)
電流 30mA程度(10mA~50mAの範囲内を適宜調節)
交流電界の周波数 50kHz程度(20kHz~100kHzの範囲内を維持するよう適宜調節)
電界強度 5,000V/m 程度(200V/m~20,000V/mの範囲内を維持するよう適宜調節)
(1-2)調理工程の試験手法及び評価
まず、油槽2に貯留させた食用油に原料芋を投入した。そして、投入した原料芋に対し、下表に示す条件での加熱作業とともに、上記の条件での印加作業を行った(下表<調理工程後評価> 参照)。
調理工程後の芋食品の一部を、食品の製造を専門とする評価者により、以下の観点での評価に供した。併せて、食品の製造を専門とする評価者により、芋食品の評価をした。
結果を下表に示す。
残りの芋食品を、冷却工程に供した。
(2)冷却工程の試験手法及び評価
まず、調理工程後の芋(中心温度は100℃程度)の表面の油分を拭き取る。その後、1時間常温で冷ました(静置処理)。
静置後の芋食品を半分にカットし、ブラストチラーにより-40℃の条件で、30分間急速空冷した(一次冷却処理)。
急速空冷後、真空パックに芋食品を入れ、脱気した。脱気した芋食品をブライン急速冷凍機に入れることで、-50℃の条件で、60分間冷却した(二次冷却工程)。
冷却後、解凍した芋食品を、食品の製造を専門とする評価者により、以下の観点での評価に供した。併せて、食品の製造を専門とする評価者により、芋食品の性状観察をした。
結果を下表に示す。
ここで、表中の-は、試験未実施であることを示す。
<実施例:安納芋 ココナッツオイル>
Figure 2022165876000001
<芋食品の評価観点>
判断基準:皮の破れが少なく、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備えるか否か
◎ ・・・特に好ましい
〇 ・・・とても好ましい
△ ・・・やや好ましい
× ・・・好ましくない
(3)結果及び考察
本試験の結果、原料芋が安納芋である場合、重量50g、160℃、30分を調理工程の目安とすることができることがわかった。
また、原料芋が安納芋である場合、重量100g、160℃、40分を調理工程の目安とすることができることがわかった。
そして、原料芋の重量が上記条件から50g増すごとに、加熱時間を10分追加することを目安とすることができることがわかった。また、加熱温度を10℃低く設定した場合には、加熱時間を10分追加することを目安とすることができることがわかった。
表1に示す通り、上述の条件での調理工程に供することで、短時間での芋食品の製造が可能であることがわかった。
また、表1の対比観察の結果、上述の条件での調理工程に供する際に、食用油にココナッツオイルを用いることで、甘い風味があり、糖度もねっとりとした食感のある芋食品の製造ができることがわかった。
また、表1に示す通り、冷却工程を行うことで、より、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造できることがわかった(特に、150℃ 50分、160℃ 50分での試験 参照)。
[試験例3]
(1)調理工程
(1-1)各種条件
・原料芋:シルクスイート(個体重量200g~300gの皮つき芋)
・食用油:ココナッツオイル(ココウェル:実施例)、サラダ油(Jオイル長調得徳サラダ油:参考例)
・加熱手段(油槽2、加熱部5):MEF-M8FT(株式会社マルゼン 社製)
加熱条件:下表 参照
・印加手段(通電部1):図3 参照
・印加条件:
電圧 300V程度(100V~700Vの範囲内を維持するよう適宜調節)
電流 30mA程度(10mA~50mAの範囲内を維持するよう適宜調節)
交流電界の周波数 50kHz程度(20kHz~100kHzの範囲内を維持するよう適宜調節)
電界強度 5,000V/m 程度(200V/m~20,000V/mの範囲内を維持するよう適宜調節)
(1-2)調理工程の試験手法及び評価
まず、油槽2に貯留させた食用油に原料芋を投入した。そして、投入した原料芋に対し、下表に示す条件での加熱作業とともに、上記の条件での印加作業を行った(下表<調理工程後評価> 参照)。
調理工程後の芋食品の一部を、食品の製造を専門とする評価者により、以下の観点での評価に供した。併せて、食品の製造を専門とする評価者による芋食品の評価をした。
結果を下表に示す。
残りの芋食品を、冷却工程に供した。
(2)冷却工程の試験手法及び評価
まず、調理工程後の芋(中心温度は100℃程度)の表面の油分を拭き取る。その後、1時間常温で冷ました(静置処理)。
静置後の芋食品を半分にカットし、ブラストチラーにより-40℃の条件で、30分間急速空冷した(一次冷却処理)。
急速空冷後、真空パックに芋食品を入れ、脱気した(図 5 参照)。脱気した芋食品をブライン急速冷凍機に入れることで、-50℃の条件で、60分間冷却した(二次冷却工程)。
冷却後、解凍した芋食品を、食品の製造を専門とする評価者により、以下の観点での評価に供した。併せて、食品の製造を専門とする評価者による芋食品の性状観察をした。
結果を下表に示す。
ここで、表中の-は、試験未実施であることを示す。
<実施例:シルクスイート ココナッツオイル>
Figure 2022165876000002
<参考例:シルクスイート サラダ油>
Figure 2022165876000003
<芋食品の評価観点>
判断基準:皮の破れが少なく、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、ねっとりとした食感を備えるか否か
◎ ・・・特に好ましい
〇 ・・・とても好ましい
△ ・・・やや好ましい
× ・・・好ましくない
(3)結果及び考察
本試験の結果、原料芋がシルクスイートである場合、重量200g、160℃、50分を調理工程の目安とすることができることがわかった。
また、原料芋がシルクスイートである場合、重量300g、160℃、60分を調理工程の目安とできることがわかった。
そして、原料芋の重量が上記条件から50g増すごとに、加熱時間を10分追加することを目安とできることがわかった。また、加熱温度を10℃低く設定した場合には、加熱時間を10分追加することを目安とできることがわかった。
表2、3に示す通り、上述の条件での調理工程に供することで、短時間での芋食品の製造が可能であることがわかった。
また、表2、表3の対比観察の結果、ココナッツオイルに浸漬した状態の原料芋を加熱することと、ココナッツオイルに浸漬した状態の原料芋に交流電界を印加することとを兼ねる調理工程を行うことで、甘い風味を備え、かつ、ねっとりとした食感を備える芋食品を提供することができることがわかった。
加えて、上記の条件で調理することで、芋食品の外縁が少し固まった態様(器のような態様)でありつつも、中心部分は甘味に優れ、甘い風味を備え、かつ、ねっとりとした食感を備える芋食品を製造することができることがわかった。
また、上述の条件での調理工程の後に、冷却工程を行うことで、ねっとりとした食感及び、糖度(甘味)の増した芋食品を製造できることがわかった。
本発明は芋食品の製造に利用することができる。
1 通電部
2 油槽
3 食用油
4 水分
5 加熱部

Claims (7)

  1. 芋食品を製造する方法であって、
    食用油に浸漬した状態の原料芋を加熱する調理工程を有し、
    前記調理工程は、
    前記食用油に浸漬した状態の前記原料芋を加熱することと、
    前記食用油に浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することと、を兼ねる工程である、芋食品の製造方法。
  2. 前記食用油がココナッツオイルである、請求項1に記載の芋食品の製造方法。
  3. 前記調理工程は、160℃以下の条件で、20分以上、60分以下加熱することを含む、請求項1又は2に記載の芋食品の製造方法。
  4. 前記調理工程は、電圧100V以上700V以下、電流10mA以上50mA以下の条件で、20分以上、前記食用油浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することを含む、請求項1~3の何れか一項に記載の芋食品の製造方法。
  5. 前記調理工程は、交流電界の周波数20kHz以上100kHz以下、電界強度200V/m以上20,000V/m以下の条件で、20分以上、前記食用油浸漬した状態の前記原料芋に交流電界を印加することを含む、請求項1~4の何れか一項に記載の芋食品の製造方法。
  6. 前記調理工程の後に、さらに、冷却工程を行い、
    前記冷却工程は、前記調理工程後の芋を袋に入れ、該袋を脱気密封した状態で冷凍することを含む、請求項1~5の何れか一項に記載の芋食品の製造方法。
  7. 前記調理工程の後に、さらに、冷却工程を行い、
    前記冷却工程は、調理工程後の芋を常温で静置し冷却する静置処理と、静置後の芋を冷却する一次冷却処理と、一次冷却処理後の芋を容器に入れ脱気密封した状態で冷却する二次冷却処理と、を備える、請求項1~6の何れか一項に記載の芋食品の製造方法。

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