JP2019193593A - 揚げ豆腐製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カット面がきれいで、日持ちがよく、かつ味染みがよい厚揚げ等の揚げ豆腐製品を提供することにある。【解決手段】豆腐を食用油でフライして四角形状の厚揚げ等の揚げ豆腐を調製するステップと、前記揚げ豆腐を超音波カッターでフライ後に三角形状にカットするステップと、三角形状にカットした厚揚げ等の揚げ豆腐を入れた容器にパック水を入れ、シールした後に加熱殺菌する、もしくは、カットした揚げ豆腐を入れた容器に熱湯を入れ、シールすることを特徴とする、おでんの具材として適した味染みのよい厚揚げ等の揚げ豆腐製品を製造する。【選択図】図なし
Description
本発明は、厚揚げ(生揚げ)、揚げ出し豆腐、油揚げ等の揚げ豆腐製品の製造方法、より詳しくは、豆腐を食用油でフライして揚げ豆腐を調製するステップと、前記揚げ豆腐をフライ後に超音波カッターでカットするステップと、カットした揚げ豆腐を収納した容器にパック水を入れ、シールした後に加熱殺菌する、もしくは、カットした揚げ豆腐を収納した容器に熱湯を入れ、シールすることを特徴とする味染みのよい揚げ豆腐製品の製造方法に関する。また本発明は、味染みのよい厚揚げの製造方法に用いられる厚揚げカット装置に関する。
従来、厚揚げは、油揚げの場合に比べて豆腐を厚目に切り、水けを切って油で揚げて作られ、内部は豆腐の状態を保つように、表面部のみを油で揚げた食品であり、生揚げとも呼ばれ、長方形、三角形、正方形などの形のものがある。揚げ出し豆腐は、豆腐に片栗粉や小麦粉等の衣を付けて、豆腐は豆腐の状態を保つように、衣のみを油で揚げた食品である。油揚げは、薄切りにした豆腐を、内部まで揚がるように、油で揚げた食品である。油揚げは二度揚げすることが多いが、厚揚げは180℃くらいの油で一度揚げる。表面についている油は酸化しやすいので、油抜きしてから用いる。油抜きは、熱湯をかけるか、熱湯中に入れてさっと煮立て水切りする。こうすると油臭がとれ、料理の味がすっきり仕上がる。通常、これらの揚げ豆腐は、フライヤーにて揚げてから、冷蔵庫で数時間〜十数時間冷却し、冷却した揚げ豆腐をフィルムで包装して出荷している。
豆腐を食用油でフライしてつくった厚揚げ等の揚げ豆腐製品に関しては、揚げ豆腐をその表面温度が65℃未満に下がるより前に気密性フィルムで密封包装し、前記密封包装後の揚げ豆腐を冷蔵庫にて芯温度が5℃以下になるように冷却することにより、消費期限の長い揚げ豆腐製品の製法(特許文献1)や、濃縮等により得られた豆乳に対して澱粉誘導体を加えることにより得られるレトルト耐性のある絹タイプ厚揚げの製造法(特許文献2)が知られている。
また、揚げ豆腐製品の包装に関しては、含有水分と比重を略同一とした水分とともに豆腐厚揚げを容器に封入してなる包装厚揚げ(特許文献3)や、所定大の豆腐を油で揚げた厚揚げ豆腐を販売容器に収納し、この販売容器内に満水状態に注水し、漏水しない状態に蓋板を付設する厚揚げ豆腐の包装法(特許文献4)や、豆腐関連食品を水と共に封入するパッケージ製品において、封入水をアルカリ性水溶液とする、日保ちを改善した豆腐関連食品のパッケージ方法(特許文献5)が知られている。
一方、揚げ豆腐製品等の切断に関しては、プラスチック収納容器内の焼き豆腐又は揚げ豆腐に上面から刃物先端を侵入させ、少なくとも長手方向に複数の小片に切断して焼き豆腐又は揚げ豆腐をプラスチック容器内に収納してなる容器入り切れ豆腐の製造方法(特許文献6)や、ケーキ,パン類、肉や魚、野菜など様々な食品を切断するための超音波振動を利用した超音波カッター(特許文献7)や、パン、ケーキ、チーズ、高野豆腐などを切断するための超音波振動を利用した超音波カッター(特許文献8)が知られている。
豆腐を食用油でフライしてつくった厚揚げ等の揚げ豆腐製品について、形状は四角や三角のものがあるが、カット後にフライをしているため、全面に皮がついている。皮がついていない方が味染みがよくなるが、フライ後にカットを行うと、綺麗に切れないことや、カット面が空気にさらされることで、日持ちがしなくなる。本発明の課題は、カット面がきれいで、日持ちがよく、かつ味染みがよい厚揚げ等の揚げ豆腐製品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討し、まず豆腐を食用油でフライ後に包丁による手切りを行ったところ、1/4〜1/3の厚揚げにおいてカット面が潰れたり、崩れてしまった。そこで、豆腐を食用油でフライ後に超音波カッターでカットしたところ、カット面が綺麗な厚揚げができ、カット面ができることで、カット面に皮がなく味染みがよくなることを見いだした。また、厚揚げを収納した容器にパック水を入れ、シールした後、加熱殺菌する、もしくは、厚揚げを収納した容器に熱湯を入れ、シールすることで日持ちを向上させることができることを確認した。
すなわち、味染みのよい揚げ豆腐製品の製造方法に関する本発明は、以下のとおりです。
(1)豆腐を食用油でフライして揚げ豆腐を調製するステップと、
前記揚げ豆腐を超音波カッターでフライ後にカットするステップと、
カットした揚げ豆腐を収納した容器にパック水を入れ、シールした後に加熱殺菌する、もしくは、カットした揚げ豆腐を収納した容器に熱湯を入れ、シールする
ことを特徴とする味染みのよい揚げ豆腐製品の製造方法。
(2)揚げ豆腐製品が厚揚げであることを特徴とする上記(1)記載の製造方法。
(3)カットした厚揚げが三角形状であることを特徴とする上記(2)記載の製造方法。
(4)おでんの具材であることを特徴とする上記(2)又は(3)記載の製造方法。
(1)豆腐を食用油でフライして揚げ豆腐を調製するステップと、
前記揚げ豆腐を超音波カッターでフライ後にカットするステップと、
カットした揚げ豆腐を収納した容器にパック水を入れ、シールした後に加熱殺菌する、もしくは、カットした揚げ豆腐を収納した容器に熱湯を入れ、シールする
ことを特徴とする味染みのよい揚げ豆腐製品の製造方法。
(2)揚げ豆腐製品が厚揚げであることを特徴とする上記(1)記載の製造方法。
(3)カットした厚揚げが三角形状であることを特徴とする上記(2)記載の製造方法。
(4)おでんの具材であることを特徴とする上記(2)又は(3)記載の製造方法。
また、厚揚げカット装置に関する本発明は、以下のとおりです。
(5)上記(3)記載の厚揚げの製造方法に用いられる厚揚げカット装置であって、超音波振動が付与された刃により厚揚げを切断する超音波カッターと、厚揚げを搬送する厚揚げ搬送装置より構成され、厚揚げ搬送装置の搬送経路中央部に超音波カッターが設けられており、
前記超音波カッターは、超音波振動を発生させる振動子と、超音波振動の振幅を増減させるブースターと、超音波振動が伝達されるホーンと、ホーン下端の刃と、超音波カッターを昇降動作させる超音波カッター昇降シリンダにより構成され、
前記厚揚げ搬送装置は、四角状の厚揚げを超音波カッター下方まで送る四角状厚揚げ送り装置と、超音波カッターにより三角状に切断された厚揚げを次工程へ送る三角状厚揚げ送り装置より構成され、厚揚げ搬送装置の前側が四角状厚揚げ送り装置、後側が三角状厚揚げ送り装置となっており、四角状厚揚げ送り装置後端部と三角状厚揚げ送り装置前端部が重なり合う構造になっていることを特徴とする厚揚げカット装置。
(6)四角状厚揚げ送り装置が、厚揚げを超音波カッター下方へ送る際に厚揚げがスライド可能に設けられている搬送台と、厚揚げを超音波カッター下方へ送り出すプッシャーと、プッシャーの駆動手段である厚揚げ送りシリンダより構成されていることを特徴とする上記(5)記載の厚揚げカット装置。
(7)搬送台が、プッシャーにより厚揚げを超音波カッター下方へ送る際、厚揚げを正確に案内するために、搬送台中央部に搬送経路に沿って設けられた中央ガイドと、中央ガイドの両側に1本ずつ搬送経路に沿って設けられた左ガイド、右ガイドの全3本のガイドよりなる厚揚げ案内レーンを備えていることを特徴とする上記(6)記載の厚揚げカット装置。
(8)搬送台が、中央ガイドを中心とした左列、右列の2列構成となっており、どちらか一方の列が他の列に比べ後方向に突出しており、一つのホーン下端の刃にて、同じタイミングで2列分の四角状の厚揚げを対角線に沿って三角状に切断することができることを特徴とする上記(7)記載の厚揚げカット装置。
(5)上記(3)記載の厚揚げの製造方法に用いられる厚揚げカット装置であって、超音波振動が付与された刃により厚揚げを切断する超音波カッターと、厚揚げを搬送する厚揚げ搬送装置より構成され、厚揚げ搬送装置の搬送経路中央部に超音波カッターが設けられており、
前記超音波カッターは、超音波振動を発生させる振動子と、超音波振動の振幅を増減させるブースターと、超音波振動が伝達されるホーンと、ホーン下端の刃と、超音波カッターを昇降動作させる超音波カッター昇降シリンダにより構成され、
前記厚揚げ搬送装置は、四角状の厚揚げを超音波カッター下方まで送る四角状厚揚げ送り装置と、超音波カッターにより三角状に切断された厚揚げを次工程へ送る三角状厚揚げ送り装置より構成され、厚揚げ搬送装置の前側が四角状厚揚げ送り装置、後側が三角状厚揚げ送り装置となっており、四角状厚揚げ送り装置後端部と三角状厚揚げ送り装置前端部が重なり合う構造になっていることを特徴とする厚揚げカット装置。
(6)四角状厚揚げ送り装置が、厚揚げを超音波カッター下方へ送る際に厚揚げがスライド可能に設けられている搬送台と、厚揚げを超音波カッター下方へ送り出すプッシャーと、プッシャーの駆動手段である厚揚げ送りシリンダより構成されていることを特徴とする上記(5)記載の厚揚げカット装置。
(7)搬送台が、プッシャーにより厚揚げを超音波カッター下方へ送る際、厚揚げを正確に案内するために、搬送台中央部に搬送経路に沿って設けられた中央ガイドと、中央ガイドの両側に1本ずつ搬送経路に沿って設けられた左ガイド、右ガイドの全3本のガイドよりなる厚揚げ案内レーンを備えていることを特徴とする上記(6)記載の厚揚げカット装置。
(8)搬送台が、中央ガイドを中心とした左列、右列の2列構成となっており、どちらか一方の列が他の列に比べ後方向に突出しており、一つのホーン下端の刃にて、同じタイミングで2列分の四角状の厚揚げを対角線に沿って三角状に切断することができることを特徴とする上記(7)記載の厚揚げカット装置。
厚揚げを超音波カッターでフライ後にカットすることで、カット面が綺麗な厚揚げができる。また、皮がないカット面ができることで、味染みがよくなるようになる。また、三角形状にカットした厚揚げを速やかに容器に収納して、厚揚げを入れた容器にパック水を入れ、シールした後、加熱殺菌する、もしくは、厚揚げを収納した容器に熱湯を入れ、シールすることで、カット面が空気に触れていないために、日持ちを向上させることができる。
本発明の味染みのよい揚げ豆腐製品の製造方法としては、豆腐を食用油でフライして揚げ豆腐を調製するステップと、前記揚げ豆腐を超音波カッターでフライ後にカットするステップと、カットした揚げ豆腐を収納した容器にパック水を入れ、シールした後に加熱殺菌する、もしくは、カットした揚げ豆腐を収納した容器に熱湯を入れ、シールする方法であれば特に制限されず、上記豆腐を食用油でフライした揚げ豆腐製品としては、厚揚げ、揚げ出し豆腐、油揚げ、がんもどき等を挙げることができ、中でも厚揚げを好適に例示することができる。また、カットした厚揚げが三角形状であることが好ましく、かかる三角形状にカットした厚揚げは、特におでんの具材に好適である。
豆腐をフライする食用油としては、大豆油、綿実油、菜種油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、椰子油、パーム油、落花生油などが挙げられ、大豆油、綿実油、菜種油が好ましい。かかる食用油でフライする工程は、揚げ豆腐類の種類により適宜調整される。例えば、厚揚げの場合には、常法どおり、150〜220℃、好ましくは160〜200℃、より好ましくは165〜175℃の温度で1〜10分間、好ましくは2〜7分間、より好ましくは3〜6分間程度フライされる。一方、油揚げの場合には、常法に準じて、80〜130℃程度で一次揚げ(伸ばし工程)を行い、145〜180℃程度で二次揚げ(からし工程)を行うことにより油揚げが得られる。
食用油でフライした揚げ豆腐をカット(切断)する超音波カッターとしては、市販品を含め従来公知の食品用の超音波カッターを用いることができるが、超音波振動を発生させる振動子と、超音波振動の振幅を増減させるブースターと、超音波振動が伝達されるホーンと、ホーン下端の刃と、超音波カッターを昇降動作させる超音波カッター昇降機構を備えた超音波カッターが好ましい。
以下、本発明の味染みのよい厚揚げの製造方法を、図1に示す「本発明における厚揚げの製造工程を示すフローチャート」に基づいて説明する。
「浸漬工程」
洗浄した大豆を大豆膨張率が210〜230%になるまで浸漬槽にて水に浸漬する。
「磨砕・加水工程」
浸漬した大豆を連続的に加水しながら磨砕機(グラインダー)で磨砕する。
この磨砕したものを生呉という。
「煮沸工程」
蒸煮缶で蒸煮温度90℃〜110℃、蒸煮時間9〜12分程度に加熱して、煮呉を得る。
「分離工程」
絞り機でおからを分離して、豆乳を得る。この豆乳の濃度はBrix14.0%以上である。
「凝固剤・添加混合工程」
この豆乳を豆乳タンク温度78℃〜86℃の温度範囲に維持した状態で凝固剤(塩化マグネシウム)を添加し、乳化混合機により均一に混合する。凝固剤の添加量は1.0〜2.2%である。乳化混合機の回転数は2000〜6000rpmである。
「型箱充填工程」
豆乳を型箱に充填する。充填量は13〜14Lである。
「凝固・熟成固定」
型箱内にて、1時間以上6時間以内で凝固・熟成させて豆腐生地を得る。生地状態を確認し、6時間以上を経ても凝固・熟成しないものは廃棄する。
「カット・切り離し工程」
豆腐生地を、カット装置により80(縦)×30(横)×58(高)mmの大きさに切断する。
「揚げ(フライ)工程」
カットされた豆腐生地をフライヤーにて、150℃〜185℃程度の食用油で5分30秒〜6分40秒程度揚げることにより、厚揚げを得る。このとき、製品(厚揚げ)中心温度は70℃以上が適正である。
「カット工程」
超音波カッターにより四角の形状の厚揚げを対角線方向に沿って、三角に切断する。
「パック詰め工程」
三角にカットした厚揚げを容器へ詰める。
「パック水充填工程」
厚揚げを収納した容器にオーバーフローするまでパック水を充填する。
「シール工程」
シール装置により容器にフィルムをシールする。
「殺菌工程」
包装された厚揚げを87℃〜96℃の高温状態で15分以上かけてボイル殺菌する。
「冷却工程」
ボイル殺菌後、水温8℃以下の冷却水で冷却する。このとき、製品(厚揚げ)中心温度は10℃以下が適正である。冷却に2時間以上かかる場合は廃棄する。
「浸漬工程」
洗浄した大豆を大豆膨張率が210〜230%になるまで浸漬槽にて水に浸漬する。
「磨砕・加水工程」
浸漬した大豆を連続的に加水しながら磨砕機(グラインダー)で磨砕する。
この磨砕したものを生呉という。
「煮沸工程」
蒸煮缶で蒸煮温度90℃〜110℃、蒸煮時間9〜12分程度に加熱して、煮呉を得る。
「分離工程」
絞り機でおからを分離して、豆乳を得る。この豆乳の濃度はBrix14.0%以上である。
「凝固剤・添加混合工程」
この豆乳を豆乳タンク温度78℃〜86℃の温度範囲に維持した状態で凝固剤(塩化マグネシウム)を添加し、乳化混合機により均一に混合する。凝固剤の添加量は1.0〜2.2%である。乳化混合機の回転数は2000〜6000rpmである。
「型箱充填工程」
豆乳を型箱に充填する。充填量は13〜14Lである。
「凝固・熟成固定」
型箱内にて、1時間以上6時間以内で凝固・熟成させて豆腐生地を得る。生地状態を確認し、6時間以上を経ても凝固・熟成しないものは廃棄する。
「カット・切り離し工程」
豆腐生地を、カット装置により80(縦)×30(横)×58(高)mmの大きさに切断する。
「揚げ(フライ)工程」
カットされた豆腐生地をフライヤーにて、150℃〜185℃程度の食用油で5分30秒〜6分40秒程度揚げることにより、厚揚げを得る。このとき、製品(厚揚げ)中心温度は70℃以上が適正である。
「カット工程」
超音波カッターにより四角の形状の厚揚げを対角線方向に沿って、三角に切断する。
「パック詰め工程」
三角にカットした厚揚げを容器へ詰める。
「パック水充填工程」
厚揚げを収納した容器にオーバーフローするまでパック水を充填する。
「シール工程」
シール装置により容器にフィルムをシールする。
「殺菌工程」
包装された厚揚げを87℃〜96℃の高温状態で15分以上かけてボイル殺菌する。
「冷却工程」
ボイル殺菌後、水温8℃以下の冷却水で冷却する。このとき、製品(厚揚げ)中心温度は10℃以下が適正である。冷却に2時間以上かかる場合は廃棄する。
次に、本発明の味染みのよい厚揚げ製品の製造方法に用いられる本発明の厚揚げカット装置としては、超音波振動が付与された刃により厚揚げを切断する超音波カッターと、厚揚げを搬送する厚揚げ搬送装置より構成され、厚揚げ搬送装置の搬送経路中央部に超音波カッターが設けられており、前記超音波カッターは、超音波振動を発生させる振動子と、超音波振動の振幅を増減させるブースターと、超音波振動が伝達されるホーンと、ホーン下端の刃と、超音波カッターを昇降動作させる超音波カッター昇降シリンダにより構成され、前記厚揚げ搬送装置は、四角状の厚揚げを超音波カッター下方まで送る四角状厚揚げ送り装置と、超音波カッターにより三角状に切断された厚揚げを次工程へ送る三角状厚揚げ送り装置より構成され、厚揚げ搬送装置の前側が四角状厚揚げ送り装置、後側が三角状厚揚げ送り装置となっており、四角状厚揚げ送り装置後端部と三角状厚揚げ送り装置前端部が重なり合う構造になっている装置であれば、特に制限されない。
また、前記四角状厚揚げ送り装置が、厚揚げを超音波カッター下方へ送る際に厚揚げがスライド可能に設けられている搬送台と、厚揚げを超音波カッター下方へ送り出すプッシャーと、プッシャーの駆動手段である厚揚げ送りシリンダより構成されている厚揚げカット装置や、搬送台が、プッシャーにより厚揚げを超音波カッター下方へ送る際、厚揚げを正確に案内するために、搬送台中央部に搬送経路に沿って設けられた中央ガイドと、中央ガイドの両側に1本ずつ搬送経路に沿って設けられた左ガイド、右ガイドの全3本のガイドよりなる厚揚げ案内レーンを備えている厚揚げカット装置や、搬送台が、中央ガイドを中心とした左列、右列の2列構成となっており、どちらか一方の列が他の列に比べ後方向に突出しており、一つのホーン下端の刃にて、同じタイミングで2列分の四角状の厚揚げを対角線に沿って三角状に切断することができる厚揚げカット装置が好ましい。
以下、図2及び3により、本発明の厚揚げカット装置を詳細に説明する。以下の説明において、図2を基準として、図2の左側を前、その右側を後といい、左右とは後方より見て、その左右の側を左右というものとする。
厚揚げカット装置(1)は、超音波振動が付与された刃(12)により厚揚げ(40)を切断する超音波カッター(2)と厚揚げ(40)を搬送する厚揚げ搬送装置(3)より構成されている。厚揚げ搬送装置(3)の搬送経路中央部に超音波カッター(2)が設けられている。
超音波カッター(2)は、超音波振動を発生させるチタン製振動子(15)と超音波振動の振幅(振動の大きさ)を増減させるブースター(16)と、超音波振動が伝達されるホーン(11)と、超音波カッター(2)を機械的に保持するブースター保持ブロック(17)と、超音波カッター(2)を昇降動作させる超音波カッター昇降シリンダ(13)により構成されている。チタン製振動子(15)の下端部にブースター(16)が設けられ、ブースター(16)下端部にホーン(11)が設置されている。ホーン(11)の下端は刃(12)になっており、上端はブースター(16)取付け部になっている。ブースター(16)中央部はフランジ状になっており、上記フランジにブースター保持ブロック(17)が取り付けられている。ブースター保持ブロック(17)は、ブースター保持ブロック(17)後端に取り付けられたL字ブラケット(14)を介して超音波カッター昇降シリンダ(13)のロッドに取り付けられている。
チタン製振動子(15)は、駆動周波数20kHz(1秒間に2万回の振動)の超音波振動(機械的振動)を発する。ブースター(16)は、チタン製振動子(15)から伝達された超音波振動の振幅(振動の大きさ)を増減させる。なお、超音波振動の振幅を増減させずにそのままホーン(11)に伝達する場合もある。超音波振動が、ブースター(16)下端面からホーン(11)に伝達される。ホーン(11)に伝達されることによりホーン(11)下端の刃(12)に超音波振動が付与される。
超音波カッター(2)は、超音波カッター昇降シリンダ(13)により昇降動作が可能となり、超音波カッター昇降シリンダ(13)による下降動作と超音波振動が付与された刃(12)により厚揚げ(40)を切断する。
厚揚げ搬送装置(3)は、厚揚げ搬送装置(3)に手供給された四角状の厚揚げ(40)を超音波カッター(2)下方まで送る四角状厚揚げ送り装置(4)と、超音波カッター(2)により三角状に切断された厚揚げ(40)を次工程へ送る三角状厚揚げ送り装置(5)より構成されている。厚揚げ搬送装置(3)の前側が四角状厚揚げ送り装置(4)、後側が三角状厚揚げ送り装置(5)となっており、四角状厚揚げ送り装置(4)後端部と三角状厚揚げ送り装置(5)前端部が重なり合う構造になっている。
四角状厚揚げ送り装置(4)は、厚揚げ(40)を超音波カッター(2)下方へ送る際に厚揚げ(40)がスライド可能に設けられている搬送台(21)と、厚揚げ(40)を超音波カッター(2)下方へ送り出すプッシャー(22)(23)と、プッシャー(22)(23)の駆動手段である厚揚げ送りシリンダ(24)と、厚揚げ(40)が四角状厚揚げ送り装置(4)に供給されたことを検出する厚揚げ検出センサ(29a)(29b)より構成されている。
搬送台(21)は、前記プッシャー(22)(23)により厚揚げ(40)を超音波カッター(2)下方へ送る際、厚揚げ(40)を正確に案内するために搬送台(21)中央部に搬送経路に沿って設けられた中央ガイド(26)と、中央ガイド(26)の両側に1本ずつ搬送経路に沿って設けられた左ガイド(27)、右ガイド(28)の全3本のガイド(26)(27)(28)よりなる厚揚げ案内レーンを備えている。搬送台(21)は、中央ガイド(26)を中心とした左列、右列の2列構成となっており、上面から見て、右列が左列に比べ後方向に突出している。これは、一つのホーン(11)下端の刃(12)にて、同じタイミングで2列分の四角状の厚揚げ(40)を対角線に沿って三角状に切断するためである。この搬送台(21)の構造に合わせて、右ガイド(28)は左ガイド(27)に比べ後方向へ長く設置されている。(図4参照)
プッシャー(22)(23)は、搬送台(21)上の左右列に設けられており、2列分の四角状の厚揚げ(40)を対角線に沿って超音波カッター(2)にて三角状に切断する際、右列の厚揚げ(40)が左列の厚揚げ(40)より後方向に位置するように配置される仕様に合わせて、右プッシャー(23)の厚揚げ(40)を送り出す始点、すなわち厚揚げ供給位置が、左プッシャー(22)に比べ後方向に位置するようになっている。そして、左右のプッシャー(22)(23)は、後方向へ同じ距離だけ進むことにより右列の厚揚げ(40)を左列の厚揚げ(40)より後方向に位置するよう配置することが可能となる。
左右のプッシャー(22)(23)は、搬送台(21)の左右列に設けられている左右のプッシャー孔(25a)(25b)を介して搬送台(21)下部に設置されている厚揚げ送りシリンダ(24)のロッドに取り付けられている。そして、左右のプッシャー(22)(23)は、厚揚げ送りシリンダ(24)によって、厚揚げ供給位置と厚揚げ(40)を超音波カッター(2)下方に配置させる位置との間で前後方向に進退駆動させられる。また、厚揚げ検出センサ(29a)(29b)は、搬送台(21)前部方向にて、搬送台(21)左右列の厚揚げ(40)を検出可能なように左右1個ずつ設けられている。
三角状厚揚げ送り装置(5)は、超音波カッター(2)により切断された三角状の厚揚げ(40)を搬送するベルトコンベア(31)と、ベルトコンベア(31)の駆動手段であるベルトコンベア駆動モータ(32)より構成されている。搬送台(21)後端部が、ベルトコンベア(31)前端部の上部に位置するかたちで、前述のように四角状厚揚げ送り装置(4)と三角状厚揚げ送り装置(5)が重なり合う構造となる。
次に、本発明の厚揚げカット装置を用いて、厚揚げを三角状へ切断する工程を図4に示す。
(a)手供給により、供給位置にて待機している左右のプッシャー(22)(23)後部に厚揚げ(40)をセットする。
(b)左右の厚揚げ検出センサ(29a)(29b)により厚揚げ(40)が検出されると、左右のプッシャー(22)(23)が厚揚げ(40)を刃(12)下方へ送り出す。このとき、厚揚げ(40)は、中央ガイド(26)、左ガイド(27)、右ガイド(28)よりなる厚揚げ案内レーンにより正確に送られる。厚揚げ(40)が刃(12)下方に到達すると、待機位置(上昇位置)にある刃(12)が下降動作を行い、左右2列の厚揚げ(40)を同じタイミングで三角状に切断する。厚揚げ(40)を三角状に切断後、刃(12)は上昇し待機位置(上昇位置)へ戻る。
(c)左右の三角状に切断された厚揚げ(40)が刃(12)下方に位置し続けている状態で、供給位置にある左右のプッシャー(22)(23)後部に、次の厚揚げ(40)をセットする。
(d)工程(c)により供給された厚揚げ(40)を刃(12)下方へ送る。このとき、工程(b)にて既に三角状に切断された厚揚げ(40)は、この工程(d)にて送られてきた厚揚げ(40)によりベルトコンベア(31)上に押し出される。
(a)手供給により、供給位置にて待機している左右のプッシャー(22)(23)後部に厚揚げ(40)をセットする。
(b)左右の厚揚げ検出センサ(29a)(29b)により厚揚げ(40)が検出されると、左右のプッシャー(22)(23)が厚揚げ(40)を刃(12)下方へ送り出す。このとき、厚揚げ(40)は、中央ガイド(26)、左ガイド(27)、右ガイド(28)よりなる厚揚げ案内レーンにより正確に送られる。厚揚げ(40)が刃(12)下方に到達すると、待機位置(上昇位置)にある刃(12)が下降動作を行い、左右2列の厚揚げ(40)を同じタイミングで三角状に切断する。厚揚げ(40)を三角状に切断後、刃(12)は上昇し待機位置(上昇位置)へ戻る。
(c)左右の三角状に切断された厚揚げ(40)が刃(12)下方に位置し続けている状態で、供給位置にある左右のプッシャー(22)(23)後部に、次の厚揚げ(40)をセットする。
(d)工程(c)により供給された厚揚げ(40)を刃(12)下方へ送る。このとき、工程(b)にて既に三角状に切断された厚揚げ(40)は、この工程(d)にて送られてきた厚揚げ(40)によりベルトコンベア(31)上に押し出される。
丸大豆5Kgに対して15Kgの16℃の水を加え、14時間浸漬した。この浸漬大豆を、挽き水6.7Kg/分と共にグラインダー(ナガサワ機械製作所製)を用いて生呉にした。これを、蒸気加熱釜(株式会社サンユー製)を用いて100℃で10分間加熱し、分離機(株式会社ヤナギヤ製)を用いて豆乳(固形分重量15%以上)とオカラに分けた。82℃に調整した豆乳100部に対して粗製海水塩化マグネシウム(花王株式会社製)を1.5%を加え、型箱(約560mm×約280mm×約90mm)に入れ豆腐を作製した。これを、約85mm×約63mm×約35mmにカットし、菜種油を用いて165℃で5分30秒フライ処理した。
このフライ処理した四角の形状の厚揚げを、超音波カッターを用いて対角線方向に沿って、三角の形状に切断した。超音波カッターは、20kHzチタン製振動子(日本アレックス株式会社製)、ブースター、ホーンを備えている。三角にカットした厚揚げを容器へ詰めた後、オーバーフローするまでパック水を充填三角にカットした厚揚げを容器へ詰め、この容器にオーバーフローするまでパック水を充填した後、シール装置により容器にフィルムをシールした。この包装された厚揚げを92℃の高温状態で15分以上かけてボイル殺菌した。ボイル殺菌後、水温5℃の冷却水で、製品(厚揚げ)中心温度が10℃以下となるまで冷却した。
本発明は食品分野、特に豆腐の分野において有用である。
1 厚揚げカット装置
2 超音波カッター
3 厚揚げ搬送装置
4 四角状厚揚げ送り装置
5 三角状厚揚げ送り装置
11 ホーン
12 刃
13 超音波カッター昇降シリンダ
14 L字ブラケット
15 チタン製振動子
16 ブースター
17 ブースター保持ブロック
21 搬送台
22 左プッシャー
23 右プッシャー
24 厚揚げ送りシリンダ
25a 左プッシャー孔
25b 右プッシャー孔
26 中央ガイド
27 左ガイド
28 右ガイド
29a 左厚揚げ検出センサ
29b 右厚揚げ検出センサ
31 ベルトコンベア
32 ベルトコンベア駆動モータ
40 厚揚げ
2 超音波カッター
3 厚揚げ搬送装置
4 四角状厚揚げ送り装置
5 三角状厚揚げ送り装置
11 ホーン
12 刃
13 超音波カッター昇降シリンダ
14 L字ブラケット
15 チタン製振動子
16 ブースター
17 ブースター保持ブロック
21 搬送台
22 左プッシャー
23 右プッシャー
24 厚揚げ送りシリンダ
25a 左プッシャー孔
25b 右プッシャー孔
26 中央ガイド
27 左ガイド
28 右ガイド
29a 左厚揚げ検出センサ
29b 右厚揚げ検出センサ
31 ベルトコンベア
32 ベルトコンベア駆動モータ
40 厚揚げ
Claims (8)
- 豆腐を食用油でフライして揚げ豆腐を調製するステップと、
前記揚げ豆腐を超音波カッターでフライ後にカットするステップと、
カットした揚げ豆腐を収納した容器にパック水を入れ、シールした後に加熱殺菌する、もしくは、カットした揚げ豆腐を収納した容器に熱湯を入れ、シールする
ことを特徴とする味染みのよい揚げ豆腐製品の製造方法。 - 揚げ豆腐製品が厚揚げであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- カットした厚揚げが三角形状であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
- おでんの具材であることを特徴とする請求項2又は3記載の製造方法。
- 請求項3記載の厚揚げの製造方法に用いられる厚揚げカット装置であって、超音波振動が付与された刃により厚揚げを切断する超音波カッターと、厚揚げを搬送する厚揚げ搬送装置より構成され、厚揚げ搬送装置の搬送経路中央部に超音波カッターが設けられており、
前記超音波カッターは、超音波振動を発生させる振動子と、超音波振動の振幅を増減させるブースターと、超音波振動が伝達されるホーンと、ホーン下端の刃と、超音波カッターを昇降動作させる超音波カッター昇降シリンダにより構成され、
前記厚揚げ搬送装置は、四角状の厚揚げを超音波カッター下方まで送る四角状厚揚げ送り装置と、超音波カッターにより三角状に切断された厚揚げを次工程へ送る三角状厚揚げ送り装置より構成され、厚揚げ搬送装置の前側が四角状厚揚げ送り装置、後側が三角状厚揚げ送り装置となっており、四角状厚揚げ送り装置後端部と三角状厚揚げ送り装置前端部が重なり合う構造になっていることを特徴とする厚揚げカット装置。 - 四角状厚揚げ送り装置が、厚揚げを超音波カッター下方へ送る際に厚揚げがスライド可能に設けられている搬送台と、厚揚げを超音波カッター下方へ送り出すプッシャーと、プッシャーの駆動手段である厚揚げ送りシリンダより構成されていることを特徴とする請求項5記載の厚揚げカット装置。
- 搬送台が、プッシャーにより厚揚げを超音波カッター下方へ送る際、厚揚げを正確に案内するために、搬送台中央部に搬送経路に沿って設けられた中央ガイドと、中央ガイドの両側に1本ずつ搬送経路に沿って設けられた左ガイド、右ガイドの全3本のガイドよりなる厚揚げ案内レーンを備えていることを特徴とする請求項6記載の厚揚げカット装置。
- 搬送台が、中央ガイドを中心とした左列、右列の2列構成となっており、どちらか一方の列が他の列に比べ後方向に突出しており、一つのホーン下端の刃にて、同じタイミングで2列分の四角状の厚揚げを対角線に沿って三角状に切断することができることを特徴とする請求項7記載の厚揚げカット装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018088384A JP2019193593A (ja) | 2018-05-01 | 2018-05-01 | 揚げ豆腐製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018088384A JP2019193593A (ja) | 2018-05-01 | 2018-05-01 | 揚げ豆腐製品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019193593A true JP2019193593A (ja) | 2019-11-07 |
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ID=68468907
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JP2018088384A Pending JP2019193593A (ja) | 2018-05-01 | 2018-05-01 | 揚げ豆腐製品の製造方法 |
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JP (1) | JP2019193593A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021153480A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 乾燥丸大豆油揚げの製造方法 |
-
2018
- 2018-05-01 JP JP2018088384A patent/JP2019193593A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021153480A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 乾燥丸大豆油揚げの製造方法 |
JP7361647B2 (ja) | 2020-03-27 | 2023-10-16 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 乾燥丸大豆油揚げの製造方法 |
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