JP2022161665A - ガラス繊維織物の異物除去方法及びその装置 - Google Patents

ガラス繊維織物の異物除去方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022161665A
JP2022161665A JP2021066656A JP2021066656A JP2022161665A JP 2022161665 A JP2022161665 A JP 2022161665A JP 2021066656 A JP2021066656 A JP 2021066656A JP 2021066656 A JP2021066656 A JP 2021066656A JP 2022161665 A JP2022161665 A JP 2022161665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass cloth
heating
glass
manufacturing
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021066656A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7134288B1 (ja
Inventor
周 廣瀬
Shu Hirose
裕幸 本間
Hiroyuki Homma
連 大谷
Ren Otani
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2021066656A priority Critical patent/JP7134288B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7134288B1 publication Critical patent/JP7134288B1/ja
Publication of JP2022161665A publication Critical patent/JP2022161665A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation

Landscapes

  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】従来のガラスクロスの製造プロセスでは、ガラスクロスの表面に付着した有機物を短時間で効率的に除去することができておらず、ガラスクロスの低誘電率及び低誘電正接化の余地がある。【解決手段】650℃より高いガラスクロス表面温度でガラスクロスを加熱する工程を含むガラスクロスの製造方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス繊維織物の異物除去方法及びその装置、並びにガラスクロスの加熱方法及びその装置に関する。
現在、スマートフォン等の情報端末の高性能化、および5G通信に代表される高速通信化に伴い、高速通信用のプリント配線板では、伝送損失低減のため使用される絶縁材料の低誘電率化、および低誘電正接化が著しく進行している。
高速通信用プリント配線板の絶縁材料としては、ビニル基又はメタクリロキシ基で末端を変性させたポリフェニレンエーテル等の低誘電熱硬化性樹脂(以下、「マトリックス樹脂」という。)をガラスクロスに含浸させ、乾燥させることで得られるプリプレグを積層して加熱加圧硬化させた積層板が使用されており、ガラスクロスにも低誘電率、低誘電正接が求められている(特許文献1~2)。
ガラス繊維の表面に有機物等の不純物が存在していると、絶縁体として用いた場合に絶縁体の絶縁抵抗性、および耐熱性の点で問題が生じることが開示されている(特許文献3)。また、低誘電ガラスクロスは、高温下においてガラスを構成する成分が揮発し易い傾向にあるため、ガラス糸の破断強度の低下を抑制する観点からは、低温でヒートクリーニングをすることが好ましいと考えられており、比較的、低誘電ガラスクロスの方が他のガラスクロスよりも有機残存物の影響を受け易いと考えられる(特許文献4)。
特許文献5では、複数の空隙が形成された筒状の巻芯に集束剤の付着したガラス繊維織物を巻き付け、加熱炉内を加熱し、巻芯を加熱炉内に配置し、ガラス繊維織物の周囲の加熱されたガスをガラス繊維織物及び空隙を通して巻芯内に流通させることで、ガラス繊維織物が巻物の状態でも、付着した有機物を効率よく短時間で取り除くことができるガラス繊維織物の脱油方法とその装置が開示されている。
また、特許文献6では、耐水性に優れる高ホウ酸ガラス繊維を効率よく製造するために、ガラスチョップドストランドの状態で350℃~650℃の高温でガラス繊維を加熱する方法が開示されている。
国際公開第2019/065940号 国際公開第2019/065941号 国際公開第2014/049877号 特開2020-100913号公報 特開2002-143266号公報 特願平9-232136号公報
しかしながら、特許文献5および6においても、ガラスクロスの状態での加熱温度は650℃以下であることから、ガラスクロスの表面に付着した有機物をより短時間で効率的に除去することができておらず、ガラスクロスの低誘電率及び低誘電正接化に余地がある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ガラス繊維の破断強度低下の抑制の観点から従来は避けられていた、ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度でガラスクロスを加熱することで、従来よりも、ガラスクロスの表面に付着している有機物を短時間で除去し、ガラスクロスの低誘電正接化が可能であることを見出し、本発明に至った。本発明の態様の一部を以下に例示する。
<1> ガラスクロスの表面温度が650℃より高い温度で前記ガラスクロスを加熱する工程を含むガラスクロスの製造方法。
<2> 酸素濃度が10%以上の雰囲気下で前記ガラスクロスを加熱する工程を含む、項目1に記載のガラスクロスの製造方法。
<3> 前記ガラスクロスを構成する、ガラス糸のSi含量が、SiO換算で、95質量%~100質量%である、項目1又は2に記載のガラスクロスの製造方法。
<4> 前記ガラスクロスを構成する、ガラス糸のB含量が、B換算で、15質量%~30質量%であり、かつSi含量が、SiO換算で、45質量%~60質量%である、項目1又は2に記載のガラスクロスの製造方法。
<5> 前記ガラスクロスを巻物の状態で貯蔵しながら、加熱する工程を含む、項目1~4のいずれか1項に記載のガラスクロスの製造方法。
<6> 加熱炉内で生成したガスを排出しながら、前記加熱炉内の酸素濃度が10%以上の雰囲気下で前記ガラスクロスを加熱するための空気循環手段を有する、項目5に記載のガラスクロスの製造方法。
<7> 前記ガラスクロスを加熱する加熱手段が、電気方式で構成されることを特徴とする、項目5に記載のガラスクロスの製造方法。
<8> 前記ガラスクロスを加熱する加熱手段が、バーナー方式で構成されることを特徴とする、項目5に記載のガラスクロスの製造方法。
<9> 前記ガラスクロスを搬送させながら加熱可能な工程を含む、項目1~4のいずれか1項に記載のガラスクロスの製造方法。
<10> 前記ガラスクロスが加熱炉内を通過することで、前記ガラスクロスを加熱可能な工程を含む、項目9に記載のガラスクロスの製造方法。
<11> 前記ガラスクロスを加熱する加熱手段が、電気式で構成されることを特徴とする、項目10に記載のガラスクロスの製造方法。
<12> 前記ガラスクロスを加熱する加熱手段が、バーナー方式で構成されることを特徴とする、項目10に記載のガラスクロスの製造方法。
<13> 加熱部と接触させることで、前記ガラスクロスを加熱可能な工程を含む、項目9に記載のガラスクロスの製造方法。
<14> 前記加熱部が、ロール状加熱部である、項目13に記載のガラスクロスの製造方法。
<15> 前記ロール状加熱部に付着した異物を除去しながら、前記ガラスクロスを加熱可能な工程を含む、項目14に記載のガラスクロスの製造方法。
<16> 400℃以上の温度の蒸気を前記ガラスクロスに当てて加熱する工程を含む、項目1~15のいずれか1項に記載のガラスクロスの製造方法。
<17> 巻出機構と巻取機構を有し、ガラスクロスを搬送させながら、前記ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度で前記ガラスクロスを加熱することが可能な加熱炉と、前記加熱炉内の酸素濃度が10%以上の雰囲気を維持又は調整するための空気循環手段とを有する、ガラスクロスの製造装置。
<18> 巻出機構と巻取機構を有し、ガラスクロスを搬送させながら、前記ガラスクロスと接触させることで、前記ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度で前記ガラスクロスを加熱することが可能な接触部材を有する、ガラスクロスの製造装置。
<19> 前記ガラスクロスを加熱する際の周辺酸素濃度が10%以上の雰囲気を維持又は調整するための空気循環手段を有する、項目18に記載のガラスクロスの製造装置。
<20> 400℃以上の温度の蒸気をガラスクロスに当てて、前記ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度で前記ガラスクロスを加熱することが可能な蒸気適用手段を有する、ガラスクロスの製造装置。
<21> 巻出機構と巻取機構を有し、前記ガラスクロスを搬送させながら、前記ガラスクロスを加熱することが可能な蒸気適用手段を有する、項目20に記載のガラスクロスの製造装置。
本発明によれば、ガラスクロスの表面に付着している有機物を効率よく除去することが可能なガラスクロスの加熱方法とその装置を提供することができ、ひいてはガラスクロスの低誘電率及び低誘電正接化を達成することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔ガラスクロス〕
本実施形態のガラスクロスは、複数本のガラスフィラメントから成るガラス糸を経糸及び緯糸として製織して成るガラスクロスである。
〔織り構造〕
ガラスクロスの織り構造については、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織り、等の織り構造が挙げられる。このなかでも、平織り構造がより好ましい。
〔ガラス糸を構成する元素〕
ガラス糸を構成する元素としては、Si、B、Al、Ca、Mg、P等が挙げられる。シリカヤーン又は石英ガラスヤーンとして知られるSi含量が95質量%以上のガラス糸、もしくは、B含量が10質量%を超えるガラス糸が、低誘電ガラスクロス用のガラス糸として使用される。
〔低誘電ガラスクロスに使用されるガラス糸〕
低誘電ガラスクロスに用いられる、高Si含量ガラス糸のSi含量は、SiO換算で、好ましくは95~100質量%であり、より好ましくは96~99.97質量%であり、さらに好ましくは97~99.95質量%であり、よりさらに好ましくは98~99.90質量%である。Si含量が95質量%以上であることにより、ガラスクロスの誘電率がより低下する傾向にある。
低誘電ガラスクロスに用いられる、高B含量ガラス糸のSi含量、B含量、Ca含量、Mg含量は以下のとおりである。Si含量は、SiO換算で、好ましくは45~60質量%であり、より好ましくは46~58質量%であり、さらに好ましくは47~56質量%であり、よりさらに好ましくは48~54質量%である。Siはガラス糸の骨格構造を形成する成分であり、Si含量が45質量%以上であることにより、ガラス糸の強度がより向上し、ガラスクロスの製造工程及びガラスクロスを用いたプリプレグの製造などの後工程において、ガラスクロスの破断がより抑制される傾向にある。また、Si含量が45質量%以上であることにより、ガラスクロスの誘電率がより低下する傾向にある。Si含量が60質量%以下であることにより、ガラスフィラメントの製造過程において、溶融時の粘度がより低下し、より均質なガラス組成のガラス繊維が得られる傾向にある。このため、得られるガラスフィラメントに部分的に失透し易い部位、又は部分的に気泡が抜け難い部位が、発生し難くなることから、ガラスフィラメントに局所的に強度の弱い部位が生じ難くなり、結果として均質なガラスフィラメントを用いて得られるガラス糸から構成されるガラスクロスは、破断し難いものとなる。Si含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。
高B含量ガラス糸のB含量は、B換算で、好ましくは15~30質量%であり、より好ましくは17~28質量%であり、さらに好ましくは20~27質量%であり、よりさらに好ましくは21~25質量%であり、さらにより好ましくは21.5~24質量%である。B含量が15質量%以上であることにより、誘電率がより低下する傾向にある。また、B含量が30質量%以下であることにより、耐吸湿性が向上し、絶縁信頼性がより向上する傾向にある。B含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。なお、ガラスフィラメント作製中にB含量が変動し得る場合には、それを予め見越して、仕込量を調整することができる。
高B含量ガラス糸のCa含量は、CaO換算で、好ましくは4~10質量%であり、好ましくは5~9質量%であり、より好ましくは5~8.5質量%である。Ca含量が4質量%以上であることにより、ガラスフィラメントの製造過程において、溶融時の粘度がより低下し、より均質なガラス組成のガラス繊維が得られる傾向にある。また、Ca含量が10質量%以下であることにより、誘電率がより向上する傾向にある。Ca含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。
高B含量ガラス糸のMg含量は、MgO換算で、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは0.01~1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.05~0.6質量%以下であり、さらにより好ましくは0.05~0.3質量%である。Mg含量が5質量%以下であることにより、ガラスクロス製造時の開繊工程または表面処理工程等において、ガラスクロスが濡れた状態でスクイズロールまたはニップロール等を通過する際に、破断が生じ難くなる傾向にある。また、Mg含量が5質量%以下のとき、ガラスフィラメント製造時の相分離が抑制され、得られるガラスフィラメントの耐吸湿性がより向上する。これにより、得られるプリント配線板は、高湿度環境の使用環境の影響を受け難く、誘電率の環境依存性を低減することができる。Mg含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。
なお、上記各含量は、ICP発光分光分析法により測定することができる。具体的には、Si含量及びB含量は、秤取したガラスクロスサンプルを炭酸ナトリウムで融解した後、希硝酸で溶解して定容し、得られたサンプルをICP発光分光分析法により測定して得ることができる。また、Al含量、Ca含量、及びMg含量は、秤取したガラスクロスサンプルを硫酸、硝酸及びフッ化水素により加熱分解した後、希硝酸で溶解して定容し、得られたサンプルをICP発光分光分析法により測定して得ることができる。なお、ICP発光分光分析装置としては、日立ハイテクサイエンス社製のPS3520VDD IIを用いることができる。
ガラス糸は複数本のガラスフィラメントを束ね、必要に応じて撚って得られるものであり、ガラスクロスは上記ガラス糸を経糸及び緯糸として製織して得られるものである。ガラス糸はマルチフィラメント、ガラスフィラメントはモノフィラメントにそれぞれ分類される。
〔ガラスクロスの製造方法〕
本実施形態に係るガラスクロスの製造方法は、ガラスクロスの表面温度が650℃より高い温度で、ガラスクロスを加熱する工程を含むことを特徴とする。ガラスクロスの表面温度が650℃より高くなるようにガラスクロスを加熱することによって、ガラスクロス表面に付着している有機物を効率よく除去したり、有機物の除去時間を短縮したりすることができる。ガラスクロスの加熱は、逐次的もしくは連続的に、閉鎖系もしくは開放系で、行われることができ、または閉鎖系と開放系を組み合わせて行われることができる。
閉鎖系の場合には、加熱手段の観点から、ガラスクロスを加熱炉内に配置することが好ましく、かつ/又は貯蔵スペースおよび加熱範囲の観点から、ガラスクロスを巻物の状態で貯蔵しながら加熱することが好ましい。また、有機物除去の効率を上げたり、有機物の除去時間を短縮したりするという観点から、加熱炉内でガラスクロスを搬送しながら加熱することも好ましい。
開放系の場合には、被加熱面積の観点から、ガラスクロスを搬送させながら加熱することが好ましい。ガラスクロスの搬送は、例えば、巻出機構と巻取機構により行われることができる。
ガラスクロスを加熱する手段は、ガラスクロス表面温度が650℃より高くなるように加熱が行なわれる限り、既知の加熱方法、加熱媒体、加熱機構、加熱装置および加熱部品でよく、例えば、加熱炉内でのガラスクロスの加熱、加熱部とガラスクロスの接触、高温蒸気をガラスクロスに当てること等でよい。
〔加熱炉〕
加熱炉の加熱手段としては、ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度となるように加熱できるのであれば、電気式ヒーター、バーナーなど種々のものが考えられ、特定の手段のみに限定されない。また、複数の手段を組み合わせて、加熱をしてもよいが、ガラスクロスを酸素濃度10%以上の雰囲気下で加熱することが好ましく、そのためには、ガス式シングルラジアントチューブバーナー、もしくは、電気式ヒーターを用いることが好ましい。
加熱炉は、加熱効率の観点から、加熱炉内で生成したガスを排出する手段、および/または空気循環手段を備えることが好ましい。ガス排出手段は、例えば、ノズル、ガス管、小穴、ガス抜き弁などでよい。空気循環手段は、例えば、ファン、空気調和設備などでよい。
また、ガラスクロス表面に付着している有機物を効率よく除去するためには、ガラス繊維織物を巻芯に巻いて、所定の雰囲気温度でガラスクロスを加熱するバッチ方式よりも、ガラスクロスを連続的に加熱炉に通しながら、加熱することが可能な連続方式が好ましい。
ガラスクロス表面に付着している有機物を十分に除去するためには、加熱温度としては、ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度が好ましく、より好ましくは700℃以上、さらに好ましくは750℃以上、特に好ましくは800℃以上である。ガラスクロスの表面温度は、例えば、熱電対、非接触型温度計などにより測定されることができる。
ガラスクロスの表面温度が所定の温度に到達してから、冷却されるまでの加熱時間は、10秒以上が好ましく、12秒以上がより好ましく、14秒以上がさらに好ましく、15秒以上が特に好ましい。加熱時間が10秒よりも短い場合、上記有機物を十分に除去することが困難である。
また、上記有機物の除去のし易さの観点から、ガラスクロスを加熱する際の酸素濃度は、10%以上が好ましく、より好ましくは12%以上、さらに好ましくは13%以上、特に好ましくは15%以上である。酸素濃度は、加熱炉内で生成したガスを排出しながら、空気循環手段によって10%以上に調整されることができる。
〔ガラスクロスを加熱するための接触部材〕
ガラスクロスを加熱する方法として、上記加熱炉を使用してもよいが、低ランニングコストの観点から、所定の温度に加熱した部材とガラスクロスを接触させることで、ガラスクロスを加熱してもよい。
ガラスクロスの表面温度が650℃を超えるように加熱できれば、接触部材の形状は特に限定されないが、ガラスクロスの搬送のし易さから、ロール形状が好ましい。ロール形状でガラスクロスを加熱することが可能な部材としては、高温領域での使用が可能で、幅方向の温度のばらつきが比較的少ない、誘導発熱方式で加温するロールが好ましい。接触部材でガラスクロスを加熱するときには、接触部材の温度とガラスクロスの表面温度が概ね等しいことが考えられる。
また、ガラスクロスを連続加熱するにつれ、加熱ロールに付着する炭化物を除去するために、上記加熱ロール方式は、付着した異物を除去する機構、例えば、ブレード等の機構を備えた方式であることが好ましい。
〔高温蒸気をガラスクロスに適用すること〕
ガラスクロスに適用される蒸気は、例えば、揮発性溶媒、水蒸気、水蒸気以外のガスなどを含んでよいが、人体への毒性の観点やガラス繊維に用いられる集束剤の分解が促進し易い観点から水蒸気が好ましい。その高温蒸気の温度は、ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度にするために、必要であれば、高温蒸気と加熱空気を任意の割合で供給できる方法を用いても良い。高温蒸気の温度は、400℃以上であり、450℃以上が好ましく、550℃以上がより好ましく、600℃以上がさらに好ましく、650℃以上が特に好ましい。高温蒸気適用手段は、限定されるものではないが、噴霧、シャワー拡散、ジェットノズルなどでよい。代替的には、加熱炉から排出したガスを高温蒸気として再利用することがある。
〔ガラスクロスの製造装置〕
本実施形態に係るガラスクロスの製造装置は、上述のとおり、ガラスクロスの表面温度が650℃を超えるようにガラスクロスを加熱することができる。より詳細には、ガラスクロスの製造装置は、下記ア~ウの少なくとも1つであるように構成されることができる:
ア.巻出機構と巻取機構を有し、ガラスクロスを搬送させながら、ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度でガラスクロスを加熱することが可能な加熱炉と、加熱炉内の酸素濃度が10%以上の雰囲気を維持又は調整するための空気循環手段とを有する、ガラスクロスの製造装置;および
イ.巻出機構と巻取機構を有し、ガラスクロスを搬送させながら、ガラスクロスと接触させることで、ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度でガラスクロスを加熱することが可能な接触部材を有する、ガラスクロスの製造装置;および
ウ.400℃以上の温度の蒸気をガラスクロスに当てて、ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度でガラスクロスを加熱することが可能な蒸気適用手段を有する、ガラスクロスの製造装置。
巻出機構と巻取機構は、例えば、少なくとも一対のロール、Roll tо Roll方式などでよい。加熱炉、空気循環手段、接触部材、および蒸気適用手段は、ガラスクロスの製造方法において説明されたとおりである。
構成ア~ウを有するガラスクロスの製造装置は、単独で、又は組み合わせられて使用されることができる。また、構成イを有するガラスクロスの製造装置は、所望により、空気循環手段、接触部材に付着した異物を除去する機構などを具備してよい。構成ウを有するガラスクロスの製造装置は、所望により、巻出機構と巻取機構を有し、ガラスクロスを搬送させながら加熱してよい。
〔ガラスクロスの誘電正接測定方法〕
本実施形態の誘電特性評価方法は、共振法を用いてガラスクロスの誘電特性を測定する工程を含む。上記測定工程における測定方法は、共振法を用いた測定方法であれば、特定の方法のみに限定されない。当該測定方法によれば、測定サンプルとしての基板を作製して誘電特性を評価する従来の測定方法に対し、簡便にかつ精度よく測定することができる。共振法を用いることによってガラスクロスの誘電特性を簡便にかつ精度よく測定できる理由としては、理論に限定されないが、共振法は高周波数領域での低損失材料を評価することに適しているためである。共振法以外の誘電特性評価法としては集中定数法および反射伝送法が知られている。集中定数法では測定資料を2枚の電極で挟んでコンデンサを形成する必要があるため、オペレーションが非常に煩雑であり、反射伝送法では、低損失材料を評価する場合、ポートのマッチング特性の影響が強く表れ、試料の誘電正接を高精度に評価することが困難といった問題点がある。以上のことから当該ガラスクロスの誘電特性の評価法は共振法が好ましい。
本測定工程において、共振法を用いた好ましい測定機器として、スプリットシリンダー共振器、開放型共振器、及びNRDガイド励振誘電体共振器が挙げられる。しかしながら、共振法の原理を利用していれば、上記測定機器以外でガラスクロスの誘電特性を評価してもよい。
高速通信用プリント配線板用に用いられる上記ガラスクロスの誘電特性を測定するため、測定機器の測定可能範囲は、誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)について、それぞれDk=1.1Fm-1~50Fm-1、Df=1.0×10-6~1.0×10-1の範囲が好ましく、Dk=1.5Fm-1~10Fm-1、Df=1.0×10-5~5.0×10-1の範囲がより好ましく、Dk=2.0Fm-1~5Fm-1、Df=5.0×10-5~1.0×10-2の範囲がさらに好ましい。
測定機器の測定可能な周波数は10GHz以上であることが好ましい。周波数が10GHz以上であると、高速通信用プリント配線板用基板のガラスクロスとして実際に使用される場合に想定される周波数帯領域での特性評価を行うことが可能である。
より大面積でガラスクロスの誘電特性を測定し、当該測定結果が予め設定された基準値の範囲内であるかを判定するために、当該測定方法の測定面積は、10mm以上であることが好ましい。当該測定方法の測定面積は、15mm以上であることがより好ましく、20mm以上であることが更に好ましい。
次に、本発明を実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。各種の評価方法も以下に説明する。
[ガラスクロスの厚さの測定方法]
ガラス長繊維及びガラス長繊維を用いたガラスクロスなどの製品の一般試験方法について規定する、JIS R 3420の7.10に準じて、マイクロメータを用いて、スピンドルを静かに回転させて測定面に平行に軽く接触させ、ラチェットが3回音をたてた後の目盛を読み取った。
[目付(ガラスクロス重量)の測定方法]
クロスの目付は、クロスを所定のサイズでカットし、その重量をサンプル面積で除することで求めた。本実施例ではガラスクロスを10cmのサイズに切り出し、その重量を測定することで、各ガラスクロスの目付を求めた。
[換算厚み]
ガラスクロスは空気とガラスからなる不連続の面状体であるため、各ガラスクロスの目付を密度で除することで、共振法で測定する際に必要な換算厚みを算出した。
換算厚み(μm)=目付(g/m)÷密度(g/cm
〔誘電正接の測定方法〕
主にマイクロ波回路に用いる誘電体基板用ファインセラミックス材料の、マイクロ波帯における誘電特性の測定方法について規定する、JIS R1641/IEC 62562に準拠して、各ガラスクロスの誘電正接を測定した。具体的には、各共振器での測定に必要なサイズにサンプリングしたガラスクロスサンプルを23℃50%RHの恒温恒湿オーブンに8時間以上保管して調湿してからスプリットシリンダー共振器(EMラボ社製)およびインピーダンスアナライザー(Agilent Technologies社製)を用いて測定した。測定は各サンプルで5回実施し、その平均値を求めた。また、各サンプルの厚みは前記換算厚みを用いて、測定を行った。
〔ガラスクロスAの製造方法〕
SiO組成量が99.9質量%である石英ガラス繊維を用いて、経糸として、平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸、緯糸として、平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用し、エアジェットルームを用い、経糸66本/25mm、緯糸68本/25mmの織密度でガラスクロスAを製織した。
〔ガラスクロスBの製造方法〕
SiO組成量が50質量%、Al組成量が15質量%、MgO組成量が5質量%、B組成量が25質量%、P組成量が5質量%である石英ガラス繊維を用いて、経糸として、平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸、緯糸として、平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用し、エアジェットルームを用い、経糸66本/25mm、緯糸68本/25mmの織密度でガラスクロスを製織した。
(実施例1)
得られたガラスクロスAを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、加熱方式がラジエントチューブバーナー方式である加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を705℃とし、また、空気を循環させることで、炉内の酸素濃度を15%とした。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が700℃に到達してから、30分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例2)
得られたガラスクロスAを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、加熱方式が電気方式である加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を850℃とし、また、空気を循環させることで、炉内の酸素濃度を20%とした。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が800℃に到達してから1分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例3)
得られたガラスクロスAを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、加熱方式がラジエントチューブバーナー方式である加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を665℃とし、また、空気を循環させることで、炉内の酸素濃度を8%とした。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が660℃に到達してから、30分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例4)
得られたガラスクロスAを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、過熱水蒸気を供給できる加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を815℃となるように温度設定した過熱水蒸気を20kg/時間の量を供給した。過熱水蒸気を循環させているために、炉内の酸素濃度は約0%であった。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が800℃に到達してから、1分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例5)
得られたガラスクロスBを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、過熱水蒸気を供給できる加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を665℃となるように温度設定した過熱水蒸気を20kg/時間の量を供給した。過熱水蒸気を循環させているために、炉内の酸素濃度は約0%であった。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が660℃に到達してから、1分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例6)
得られたガラスクロスAを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、加熱方式がラジエントチューブバーナー方式である加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を665℃とし、また、空気を循環させることで、炉内の酸素濃度を15%とした。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が660℃に到達してから、0.25分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例7)
巻出機構、巻取機構および加熱炉(炉長=3m、加熱方式=電気式)を準備し、ガラスクロスを搬送させながら、加熱可能な設備を用意した。加熱炉の設定温度を850℃、炉内の酸素濃度を20%とした。得られたガラスクロスAの表面温度はK熱電対を用いて、計測し、ガラスクロスの表面温度が800℃に到達してから、0.25分間維持する搬送速度で、ガラスクロスを加熱した。加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例8)
巻出機構、巻取機構および加熱炉(炉長=3m、加熱方式=電気式)を準備し、ガラスクロスを搬送させながら、加熱可能な設備を用意した。加熱炉の設定温度を1050℃、炉内の酸素濃度を20%とした。得られたガラスクロスAの表面温度はK熱電対を用いて、計測し、ガラスクロスの表面温度が1000℃に到達してから、0.25分間維持する搬送速度で、ガラスクロスを加熱した。加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例9)
巻出機構、巻取機構および加熱炉(炉長=3m、加熱方式=過熱水蒸気)を準備し、ガラスクロスを搬送させながら、加熱可能な設備を用意した。加熱炉の設定温度が800℃となるように温度設定した過熱水蒸気を60kg/時間の流量をガラスクロスに噴射させながら加熱を行った。また、炉内の酸素濃度は約3%であった。得られたガラスクロスAの表面温度はK熱電対を用いて、計測し、ガラスクロスの表面温度が700℃に到達してから、0.25分間維持する搬送速度で、ガラスクロスを加熱した。加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例10)
巻出機構、巻取機構および誘導発熱方式の加熱ロール(ロール径=50cm)を準備し、ガラスクロスを搬送させながら、加熱可能な設備を用意した。なお、加熱ロールの設定温度を800℃とした。また、加熱は大気雰囲気下で実施したため、酸素濃度は20%である。得られたガラスクロスAの表面温度はK熱電対を用いて、計測し、ガラスクロスの表面温度が800℃に到達してから、0.25分間維持する搬送速度で、ガラスクロスを加熱した。加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(実施例11)
巻出機構、巻取機構および誘導発熱方式の加熱ロール(ロール径=50cm)を準備し、ガラスクロスを搬送させながら、加熱可能な設備を用意した。なお、加熱ロールの設定温度を700℃とした。また、加熱は大気雰囲気下で実施したため、酸素濃度は20%である。得られたガラスクロスAの表面温度はK熱電対を用いて、計測し、ガラスクロスの表面温度が700℃に到達してから、0.25分間維持する搬送速度で、ガラスクロスを加熱した。加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(比較例1)
得られたガラスクロスAを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、加熱方式がラジエントチューブバーナー方式である加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を375℃とし、また、空気を循環させることで、炉内の酸素濃度を5%に調整した。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が370℃に到達してから、4500分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(比較例2)
得られたガラスクロスAを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、加熱方式がラジエントチューブバーナー方式である加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を645℃とし、また、空気を循環させることで、炉内の酸素濃度を5%に調整した。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が640℃に到達してから、30分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(比較例3)
得られたガラスクロスBを15cm×10cmのサイズにサンプリングを行った。炉内の有効サイズが240mm×240mm×290mmであり、かつ、加熱方式がラジエントチューブバーナー方式である加熱炉を準備した。加熱炉の設定温度を645℃とし、また、空気を循環させることで、炉内の酸素濃度を5%に調整した。加熱炉に設けた22cm×30cm×5mmのサイズサンプル投入口から、金網で挟み込んで固定したガラスクロスサンプルを投入した。ガラスクロスの表面温度はK熱電対を用いて、計測を行い、ガラスクロスの表面温度が640℃に到達してから、30分経過後、サンプルを取り出し、加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
(比較例4)
巻出機構、巻取機構および加熱炉(炉長=3m、加熱方式=電気式)を準備し、ガラスクロスを搬送させながら、加熱可能な設備を用意した。加熱炉の設定温度を420℃、炉内の酸素濃度を12%とした。得られたガラスクロスAの表面温度はK熱電対を用いて、計測し、ガラスクロスの表面温度が400℃に到達してから、0.25分間維持する搬送速度で、ガラスクロスを加熱した。加熱後のガラスクロスの誘電正接を測定した。
Figure 2022161665000001

Claims (21)

  1. ガラスクロスの表面温度が650℃より高い温度で前記ガラスクロスを加熱する工程を含むガラスクロスの製造方法。
  2. 酸素濃度が10%以上の雰囲気下で前記ガラスクロスを加熱する工程を含む、請求項1に記載のガラスクロスの製造方法。
  3. 前記ガラスクロスを構成する、ガラス糸のSi含量が、SiO換算で、95質量%~100質量%である、請求項1又は2に記載のガラスクロスの製造方法。
  4. 前記ガラスクロスを構成する、ガラス糸のB含量が、B換算で、15質量%~30質量%であり、かつSi含量が、SiO換算で、45質量%~60質量%である、請求項1又は2に記載のガラスクロスの製造方法。
  5. 前記ガラスクロスを巻物の状態で貯蔵しながら、加熱する工程を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のガラスクロスの製造方法。
  6. 加熱炉内で生成したガスを排出しながら、前記加熱炉内の酸素濃度が10%以上の雰囲気下で前記ガラスクロスを加熱するための空気循環手段を有する、請求項5に記載のガラスクロスの製造方法。
  7. 前記ガラスクロスを加熱する加熱手段が、電気方式で構成されることを特徴とする、請求項5に記載のガラスクロスの製造方法。
  8. 前記ガラスクロスを加熱する加熱手段が、バーナー方式で構成されることを特徴とする、請求項5に記載のガラスクロスの製造方法。
  9. 前記ガラスクロスを搬送させながら加熱可能な工程を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のガラスクロスの製造方法。
  10. 前記ガラスクロスが加熱炉内を通過することで、前記ガラスクロスを加熱可能な工程を含む、請求項9に記載のガラスクロスの製造方法。
  11. 前記ガラスクロスを加熱する加熱手段が、電気式で構成されることを特徴とする、請求項10に記載のガラスクロスの製造方法。
  12. 前記ガラスクロスを加熱する加熱手段が、バーナー方式で構成されることを特徴とする、請求項10に記載のガラスクロスの製造方法。
  13. 加熱部と接触させることで、前記ガラスクロスを加熱可能な工程を含む、請求項9に記載のガラスクロスの製造方法。
  14. 前記加熱部が、ロール状加熱部である、請求項13に記載のガラスクロスの製造方法。
  15. 前記ロール状加熱部に付着した異物を除去しながら、前記ガラスクロスを加熱可能な工程を含む、請求項14に記載のガラスクロスの製造方法。
  16. 400℃以上の温度の蒸気を前記ガラスクロスに当てて加熱する工程を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載のガラスクロスの製造方法。
  17. 巻出機構と巻取機構を有し、ガラスクロスを搬送させながら、前記ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度で前記ガラスクロスを加熱することが可能な加熱炉と、前記加熱炉内の酸素濃度が10%以上の雰囲気を維持又は調整するための空気循環手段とを有する、ガラスクロスの製造装置。
  18. 巻出機構と巻取機構を有し、ガラスクロスを搬送させながら、前記ガラスクロスと接触させることで、前記ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度で前記ガラスクロスを加熱することが可能な接触部材を有する、ガラスクロスの製造装置。
  19. 前記ガラスクロスを加熱する際の周辺酸素濃度が10%以上の雰囲気を維持又は調整するための空気循環手段を有する、請求項18に記載のガラスクロスの製造装置。
  20. 400℃以上の温度の蒸気をガラスクロスに当てて、前記ガラスクロスの表面温度が650℃よりも高い温度で前記ガラスクロスを加熱することが可能な蒸気適用手段を有する、ガラスクロスの製造装置。
  21. 巻出機構と巻取機構を有し、前記ガラスクロスを搬送させながら、前記ガラスクロスを加熱することが可能な蒸気適用手段を有する、請求項20に記載のガラスクロスの製造装置。
JP2021066656A 2021-04-09 2021-04-09 ガラス繊維織物の異物除去方法及びその装置 Active JP7134288B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021066656A JP7134288B1 (ja) 2021-04-09 2021-04-09 ガラス繊維織物の異物除去方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021066656A JP7134288B1 (ja) 2021-04-09 2021-04-09 ガラス繊維織物の異物除去方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7134288B1 JP7134288B1 (ja) 2022-09-09
JP2022161665A true JP2022161665A (ja) 2022-10-21

Family

ID=83225883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021066656A Active JP7134288B1 (ja) 2021-04-09 2021-04-09 ガラス繊維織物の異物除去方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7134288B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20240099488A (ko) 2022-03-08 2024-06-28 아사히 가세이 가부시키가이샤 유리 클로스, 프리프레그 및 프린트 배선판

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0242785A (ja) * 1988-08-03 1990-02-13 Nitto Boseki Co Ltd ガラスクロスの製造方法とガラスクロス
JPH06220742A (ja) * 1993-01-22 1994-08-09 Asahi Shiyueebell Kk ガラス繊維織布
JPH0913263A (ja) * 1995-06-23 1997-01-14 Asahi Shiyueebell Kk ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
JP2007262632A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Nitto Boseki Co Ltd ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
JP2007262629A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Nitto Boseki Co Ltd ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
JP2010031425A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Nitto Boseki Co Ltd ガラスクロスの製造方法及びガラスクロス
JP2021063320A (ja) * 2019-10-16 2021-04-22 信越化学工業株式会社 シリカガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線基板
JP2021195689A (ja) * 2020-06-17 2021-12-27 信越化学工業株式会社 アニールド石英ガラスクロスとその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0242785A (ja) * 1988-08-03 1990-02-13 Nitto Boseki Co Ltd ガラスクロスの製造方法とガラスクロス
JPH06220742A (ja) * 1993-01-22 1994-08-09 Asahi Shiyueebell Kk ガラス繊維織布
JPH0913263A (ja) * 1995-06-23 1997-01-14 Asahi Shiyueebell Kk ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
JP2007262632A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Nitto Boseki Co Ltd ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
JP2007262629A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Nitto Boseki Co Ltd ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
JP2010031425A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Nitto Boseki Co Ltd ガラスクロスの製造方法及びガラスクロス
JP2021063320A (ja) * 2019-10-16 2021-04-22 信越化学工業株式会社 シリカガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線基板
JP2021195689A (ja) * 2020-06-17 2021-12-27 信越化学工業株式会社 アニールド石英ガラスクロスとその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7134288B1 (ja) 2022-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7332540B2 (ja) アニールド石英ガラスクロスとその製造方法
JP7183344B1 (ja) ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板
JP7321879B2 (ja) プリプレグ、及びプリント配線基板
WO2017168921A1 (ja) ガラスクロス
JP7134288B1 (ja) ガラス繊維織物の異物除去方法及びその装置
WO2019163159A1 (ja) ガラスクロス、プリプレグ、及び、ガラス繊維強化樹脂成形品
JP7429826B1 (ja) ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板
CN111379063B (zh) 玻璃布的制造方法和玻璃纱
CN113969453A (zh) 玻璃布、预浸料和印刷电路板
JP2007262632A (ja) ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
CN113969454B (zh) 玻璃布、预浸料和印刷电路板
JP7319776B2 (ja) ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板
JP7493653B1 (ja) ガラスクロス、及びその製造方法
JP7497219B2 (ja) 誘電特性評価方法及び品質管理方法
TW202426405A (zh) 玻璃布及其製造方法
JP7489526B2 (ja) ガラスクロス、及びガラスクロスの加熱脱油方法
TWI812348B (zh) 玻璃紗、玻璃布之製造方法及玻璃布
JPH02104767A (ja) 超高強度複合材料製造用炭素繊維の製造法
JP7322266B2 (ja) プリプレグ用シリカガラスクロス
TWI748505B (zh) 玻璃布、預浸體、及印刷佈線板
JPH0415288B2 (ja)
JP2024073103A (ja) ガラスクロス、ガラスクロスの製造方法、プリプレグ、プリント配線板
JPH0913263A (ja) ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
JP2007262629A (ja) ガラス繊維織物のヒートクリーニング方法
JP7011396B2 (ja) ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220126

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7134288

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150