JP2024073103A - ガラスクロス、ガラスクロスの製造方法、プリプレグ、プリント配線板 - Google Patents

ガラスクロス、ガラスクロスの製造方法、プリプレグ、プリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、低誘電樹脂との安定した均一な樹脂含浸性を有するガラスクロス、及びその製造方法と、該ガラスクロスを用いたプリプレグ及びプリント配線板とを提供することを目的とする。【解決手段】複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなる、ガラスクロスの製造方法であって、ヒートクリーニング工程と、洗浄工程と、シランカップリング剤処理する工程を順次含み、前記洗浄工程が、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄する方法である、ガラスクロスの製造方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラスクロス、ガラスクロスの製造方法、プリプレグ、プリント配線板などに関する。
近年の情報通信社会の発達とともに、データ通信及び/又は信号処理が大容量で高速に行われるようになり、電子機器に用いられるプリント配線板の低誘電化(低誘電率化及び低誘電正接化)が著しく進行している。そのため、プリント配線板を構成するガラスクロスとして、低誘電ガラスクロスが提案されている。
例えば、従来から一般に使用されているEガラスクロスに対して、ガラス組成中にBを多く配合した低誘電ガラスクロスが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のガラスクロスは、強熱減量値が0.25質量%~1.0質量%の範囲になるように多量のシランカップリング剤で表面処理することにより、B含量が多いことに起因する吸湿性を抑制でき、実用的な絶縁信頼性が得られることが開示されている。
また、プリント配線板を構成する樹脂においても、ポリフェニレンエーテル等の低誘電樹脂が多く提案されている。低誘電樹脂は、嵩高い官能基を有する傾向、粘度が高くなる傾向を有し、従来から一般に用いられているエポキシ樹脂等と比較して、ガラスクロスへの含浸性に劣ることがある。ガラスクロスへの含浸性に劣ると、基板中のガラス繊維糸束に樹脂未含浸部分(ボイド)ができ易く、CAF(Conductive Anodic Filaments)が問題になり易い。そのため、ガラスクロス側の樹脂含浸性をより一層高めることにより、耐CAF性を向上させる必要がある。
ガラスクロスの樹脂含浸性を高めるには、ガラス繊維表面をシランカップリング剤等で処理して樹脂との親和性を向上させる化学的な方法、ガラス繊維糸束を開繊させて樹脂を浸み込み易くする方法などが知られている。
シランカップリング剤等を用いて含浸性を向上させる化学的な方法としては、特殊なシランカップリング剤を用いる方法(例えば、特許文献2参照)、シランカップリング剤を均一に処理する方法(例えば、特許文献3、4参照)等が知られている。ガラス繊維を開繊させて樹脂を浸み込み易くする開繊方法としては、柱状流、若しくはスプレー流を使用する方法、バイブロウォッシャーによる方法、又は液体を媒体とした高周波振動による方法等の方法が知られている(例えば、特許文献5等)。
一方でヒートクリーニングによる燃焼残さが少ないガラスクロスは、例えば特許文献6~8に開示されている。特許文献6に記載のガラスクロスは、アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物量を50ppm以下とすることで、樹脂との接着性が増し、耐熱性が向上することが開示されている。特許文献6に具体的に開示されているサイジング剤(集束剤)付着量は、12ppm(実施例7)~38ppm(実施例10)であった。
特許文献7に記載のガラスクロスは、ガラス成分由来の重量減少が特定範囲であり、且つ、白色度が95以上であることにより、絶縁性に優れるガラスクロスが得られることが開示されている。
特許文献8に記載のガラスクロスは、水溶性高分子をサイジング剤(集束剤)に用い、その後水洗と開繊を同時に行い、サイジング剤付着量を0.1%以下にすることで、シランカップリング剤による表面処理が均一になる効果と開繊が進む効果が重なり、含浸性が向上することが開示されている。特許文献8に具体的に開示されている集束剤付着量は、0.06%(600ppm、実施例2)~0.08%(800ppm、実施利1)であった。
国際公開第2016/175248号 特開平09-003770号公報 特開2005-281889号公報 特開平10-245766号公報 特開2001-348757号公報 特開2020-100913号公報 特開2022-021666号公報 特開平10-245766号公報
前述のとおり、低誘電ガラスクロスには、ポリフェニレンエーテル樹脂等の低誘電樹脂に対し、高い含浸性が求められている。しかしながら、特許文献2~5等に記載の従来の方法では、何れも含浸性に改善の余地があった。この理由は、限定されるものではないが、以下に示すとおり:
(i)B含量が多い低誘電ガラスクロスは、ヒートクリーニング時に、サイジング剤由来の粘稠性の燃焼残さ(副産物)が多く生成する;
(ii)この粘稠性の燃焼残さが、接着剤として作用し、ガラス糸束中の隣り合うフィラメント同士を接着してしまう;
(iii)隣り合うフィラメント同士が接着した状態で、その上からシランカップリング処理を行うことで、複数フィラメントを覆うようにシランカップリング剤による被膜が形成されてしまう;または
(iv)その結果、マトリクス樹脂の含浸阻害が生じている;
ものと考えられる。
上記のように含浸性改善を目的としたものではないが、ヒートクリーニングによる燃焼残さが少ないガラスクロスは、特許文献6~8に開示されている。
しかしながら、本発明者らが調査したところ、特許文献6~8に記載の燃焼残さ付着量では、フィラメント間の接着が残存しており、そのために、シランカップリング剤処理による複数フィラメントを覆う被膜が形成され、十分な含浸性が得られないことが判明した。燃焼残さが粘稠性を有するために少量でフィラメント間の接着を引き起こすものと推定される。また、低誘電ガラス組成、おそらくはホウ素(B)成分がサイジング剤の加熱分解を阻害し、粘稠性の副産物となり、フィラメント同士を結合するものと推測される。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、低誘電樹脂との安定した均一な樹脂含浸性を有するガラスクロス、及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該ガラスクロスを用いたプリプレグ及びプリント配線板を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ガラス糸に施されるサイジング剤の燃焼残さに起因するガラス繊維同士の接着が低誘電ガラスクロスの含浸性を阻害している大きな原因であることを突き止めた。そして、本発明者らは、サイジング剤の燃焼残さ量を特定範囲に調整することで良好なガラスクロスの含浸性が得られること、サイジング剤の燃焼残さ量を特定範囲に調整する方法を見出すことで、低誘電樹脂との安定した均一な含浸性を有する低誘電ガラスクロスが得られるに至った。本発明の一態様を以下に列記する。
<1>
複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなる、ガラスクロスの製造方法であって、ヒートクリーニング工程と、洗浄工程と、シランカップリング剤処理工程とを順次含み、
前記洗浄工程では、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄する、ガラスクロスの製造方法。
<2>
前記洗浄工程後の前記経糸の糸幅の下限値が、下式(1):
120×T0.385・・・式(1)
{式中、T:経糸のTEX}
で求められる値以上である、項目1に記載のガラスクロスの製造方法。
<3>
前記ガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性が20%以下となるように調整した状態で前記洗浄工程を行う、項目1又は2に記載のガラスクロスの製造方法。
<4>
前記ガラスクロスのアセトンによる抽出処理で捕集される抽出物量が、0ppm以上10ppm未満の範囲となるように前記洗浄工程を行う、項目1~3のいずれか1項に記載のガラスクロスの製造方法。
<5>
複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として構成されたガラスクロスであって、
アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物量が、0ppm以上10ppm未満である、ガラスクロス。
<6>
前記ガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性が20%以下である、項目5に記載のガラスクロス。
<7>
前記経糸の糸幅の下限値が、下式(1):
120×T0.385・・・式(1)
{式中、T:経糸のTEX}
で求められる値以上である、項目5又は6に記載のガラスクロス。
<8>
前記ガラスクロスのホウ素(B)含量が、B換算で、15~40質量%である、項目5~7のいずれか1項に記載のガラスクロス。
<9>
前記ガラスクロスの弾性係数が、50~70GPaである、項目5~8のいずれか1項に記載のガラスクロス。
<10>
前記ガラスクロスの弾性係数が、50~63GPaである、項目5~9のいずれか1項に記載のガラスクロス。
<11>
項目5~10のいずれか1項に記載のガラスクロスと、該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂と、を有する、プリプレグ。
<12>
項目5~10のいずれか1項に記載のガラスクロスと、該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂と、金属箔と、を有する、プリント配線板。
本発明によれば、低誘電樹脂との良好な含浸性を有する低誘電ガラスクロスを提供することができる。また、本発明によれば、該低誘電ガラスクロスを用いたプリプレグ及びプリント配線板を提供することもできる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔ガラスクロスの製造方法〕
本実施形態のガラスクロスの製造方法は、複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなる、ガラスクロスの製造方法であって、ヒートクリーニング工程と、洗浄工程と、次いで、ガラスクロスまたはその中間体をシランカップリング剤で処理するシランカップリング剤処理工程とを順次含む、ガラスクロスの製造方法である。
本発明によれば、ヒートクリーニング後に燃焼残さを洗浄除去し、燃焼残さが接着剤として作用することによるフィラメント間の接着を防ぐことにより、シランカップリング剤による複数フィラメントを覆う被膜形成が回避され、低誘電樹脂との含浸性が向上する。
(ヒートクリーニング工程)
本実施形態に係るガラスクロスの製造方法は、ヒートクリーニング工程を含む。ヒートクリーニング工程においては、ガラスクロスに350℃~1000℃で2秒から100時間加熱処理を行うことができる。
加熱処理の温度は360~600℃が好ましく、370~500℃がさらに好ましい。温度が350℃より高くなるようにガラスクロスを加熱することによって、ガラスクロス表面に付着している有機物を効率よく除去したり、有機物の除去時間を短縮したりすることができる。ガラスクロスの加熱処理は、逐次的もしくは連続的に、閉鎖系もしくは開放系で、行われることができ、または閉鎖系と開放系を組み合わせて行われることができる。生産性の観点から、巻出機構と巻取機構と有する装置を用いて、Roll-to-Rollでガラスクロスを加熱処理する方式が特に好ましい。
閉鎖系の場合には、加熱手段の観点から、ガラスクロスを加熱炉内に配置することが好ましく、かつ/又は貯蔵スペースおよび加熱範囲の観点から、ガラスクロスを巻物の状態で貯蔵しながら加熱することが好ましい。また、有機物除去の効率を上げたり、有機物の除去時間を短縮したりするという観点から、加熱炉内でガラスクロスを搬送しながら加熱することも好ましい。
開放系の場合には、被加熱面積の観点から、ガラスクロスを搬送させながら加熱することが好ましい。ガラスクロスの搬送は、例えば、巻出機構と巻取機構により行われることができる。
ガラスクロスを加熱する手段は、ガラスクロス表面温度が350℃より高くなるように加熱が行なわれる限り、既知の加熱方法、加熱媒体、加熱機構、加熱装置および加熱部品でよく、例えば、加熱炉内でのガラスクロスの加熱、加熱部とガラスクロスの接触、高温蒸気をガラスクロスに当てること等でよい。
〔加熱炉〕
加熱炉の加熱手段としては、ガラスクロスを350℃よりも高い温度となるように加熱できるのであれば、電気式ヒーター、バーナーなど種々のものが考えられ、特定の手段のみに限定されない。また、複数の手段を組み合わせて、加熱をしてもよいが、ガラスクロスを酸素濃度10体積%以上の雰囲気下で加熱することが好ましく、そのためには、ガス式シングルラジアントチューブバーナー、もしくは、電気式ヒーターを用いることが好ましい。
加熱炉は、加熱効率の観点から、加熱炉内で生成したガスを排出する手段、および/または空気循環手段を備えることが好ましい。ガス排出手段は、例えば、ノズル、ガス管、小穴、ガス抜き弁などでよい。空気循環手段は、例えば、ファン、空気調和設備などでよい。
また、ガラスクロス表面に付着している有機物を効率よく除去するためには、ガラス繊維織物を巻芯に巻いて、所定の雰囲気温度でガラスクロスを加熱するバッチ方式よりも、ガラスクロスを連続的に加熱炉に通しながら、加熱することが可能な連続方式が好ましい。
また、上記有機物の除去のし易さの観点から、ガラスクロスを加熱する際の酸素濃度は、10体積%以上が好ましく、より好ましくは12体積%以上、さらに好ましくは13体積%以上、特に好ましくは15体積%以上である。酸素濃度は、加熱炉内で生成したガスを排出しながら、空気循環手段によって10体積%以上に調整されることができる。
〔ガラスクロスを加熱するための接触部材〕
ガラスクロスを加熱する方法として、上記加熱炉を使用してもよいが、低ランニングコストの観点から、所定の温度に加熱した部材とガラスクロスを接触させることで、ガラスクロスを加熱してもよい。接触部材の形状は特に限定されないが、ガラスクロスの搬送のし易さから、ロール形状が好ましい。ロール形状でガラスクロスを加熱することが可能な部材としては、高温領域での使用が可能で、幅方向の温度のばらつきが比較的少ない、誘導発熱方式で加温するロールが好ましい。接触部材でガラスクロスを加熱するときには、接触部材の温度とガラスクロスの表面温度が概ね等しいことが考えられる。
また、ガラスクロスを連続加熱するにつれ、加熱ロールに付着する炭化物を除去するために、上記加熱ロール方式は、ロールに付着した汚れや異物を除去する機構、例えば、ブレード等の機構を備えた方式であることが好ましい。
〔高温蒸気をガラスクロスに適用すること〕
ガラスクロスに適用される蒸気は、例えば、揮発性溶媒、水蒸気、水蒸気以外のガスなどを含んでよいが、人体への毒性の観点やガラス繊維に用いられる集束剤の分解が促進し易い観点から水蒸気が好ましい。高温蒸気適用手段は、限定されるものではないが、噴霧、シャワー拡散、ジェットノズルなどでよい。代替的には、加熱炉から排出したガスを高温蒸気として再利用することがある。
(洗浄工程)
本実施態様に係るガラスクロスの製造方法は、ヒートクリーニング工程の後に、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄する、洗浄工程を含む。
洗浄工程においては、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄する工程に加え、行程中に別の洗浄工程をさらに含んでもよい。別の洗浄方法としては、ガラスクロスを液体に浸漬する方法、ガラスクロスを液体に浸漬して液体を通じてガラスクロスに力を加える方法(例えば、バイブロウォッシャー法、超音波法)、ガラスクロスに液体を勢いよくスプレーする方法(例えば、高圧スプレー法)等が挙げられる。
ガラスクロスを巻物の状態で液体に浸漬して洗浄することもでき、或いは、生産性および洗浄性の観点から、巻出機構と巻取機構と有する装置を用いて、Roll-to-Rollでガラスクロスを搬送させながら洗浄する方式が好ましい。
洗浄に用いる液体としては、水、又は有機溶媒のいずれも使用できるが、安全性及び地球環境保護の観点から、水を主成分とする液体を用いることが好ましい。洗浄に用いる液体には、洗浄の効率を上げるために、界面活性剤やpH調整剤を加えることも可能である。
洗浄に用いる液体の温度に特に制約はないが、洗浄効果を高める観点で、5℃以上が好ましい。また、洗浄に用いる液体の温度は、安全性の観点から60℃以下が好ましい。
本発明の一実施形態においては、ヒートクリーニング後の燃焼残さを極力洗浄除去してからシランカップリング剤処理工程に供することが好ましいため、洗浄力を高められる観点で、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄する方法を用いる。また、本発明の別の実施形態においては、超音波による洗浄と、本発明の他の要件と組み合わせることで、アセトン抽出物含量が10ppm未満となるまで洗浄することができるため好ましい。
超音波発振器によって超音波が照射されている水中にガラスクロスを走行させることによって、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄することができる。洗浄工程中の経糸に作用するライン張力は、30N~500N/1mが好ましい。経糸に作用するライン張力が30N/1m以上で、ガラスクロスに弛みがなく、また、後述する経糸の初期伸びの均一性が本発明の好ましい範囲にある時、経糸が緩むことなく均一に張られているため、超音波による洗浄力をムラなく作用させることができ、後述するアセトン抽出物含量を10ppm未満とすることができるため好ましい。
超音波照射による洗浄は、20kHz以上200kHz以下の周波数を有する超音波を用いることができる。超音波の周波数は、20kHz以上50kHz以下の周波数が好ましく、より好ましくは20kHz以上30kHz以下である。20kHz以上200kHz以下の周波数を有する超音波を用いれば、ガラスクロスの目曲り等の大きな欠点なく洗浄処理を行えるので好ましい。
本開示の一態様における超音波洗浄には、0.07W/cm以上3.60W/cm以下の出力の超音波を好ましく用いることができる。超音波出力のより好ましい範囲は0.14W/cm以上2.16W/cm以下、更に好ましい範囲は0.21W/cm以上1.44W/cm以下である。超音波出力が0.07W/cm以上で良好に洗浄することができ、超音波出力が3.60W/cm以下で目曲りなどの発生がなく均一な洗浄を行うことができるので好ましい。
本開示の一態様における好ましい超音波処理時間は、0.5秒以上60秒以下である。超音波処理時間が0.5秒以上で良好にガラスクロスまたはその中間体を洗浄することができるので好ましい。超音波処理時間は長い方が大きな洗浄効果が得られるので好ましいが、60秒を超えて処理しても更なる洗浄は殆どないので、60秒で十分である。
また、本開示の一態様の超音波洗浄処理に用いる水中には、通常、窒素や酸素を主成分とする空気が溶存しているが、該溶存酸素量(重量比)は1ppm以上20ppm以下であることが好ましく、より好ましい範囲は3ppm以上17ppm以下であり、更に好ましい範囲は4ppm以上14ppm以下である。溶存酸素量を管理することで、間接的に溶存気体量を制御することが可能であり、超音波が溶存気体により減衰される程度を制御することが可能となる。溶存酸素量は1ppm以上で、均一に開繊処理が施されるため好ましい。溶存酸素量が20ppm以下の時、繊維織物に良好な洗浄作用が与えられるので好ましい。溶存酸素量が1ppm以上20ppm以下の範囲で、均一で良好な開繊効果が得られるので好ましい。
(シランカップリング剤処理工程)
本実施形態に係るガラスクロスの製造方法は、洗浄工程後にシランカップリング剤処理工程を含む。シランカップリング剤としては後述する化合物を用いることができる。シランカップリング剤処理工程は、シランカップリング剤を含む処理液によってガラスフィラメントの表面をシランカップリング剤で覆う被覆工程と、加熱乾燥によりシランカップリング剤をガラスフィラメントの表面に化学的に固着させる固着工程と、を有する方法が挙げられる。処理液は、0.1重量%~3.0重量%のシランカップリング剤を含有することが好ましい。被覆工程によって、ガラスフィラメントの表面をシランカップリング剤でほぼ完全に覆うことが好ましい。
本実施形態のシランカップリング剤処理工程は、ガラスフィラメントの表面に物理的に付着したシランカップリング剤の少なくとも一部を水等の洗浄液により洗浄することにより、シランカップリング剤の付着量を調整する調整工程を含んでいてもよい。洗浄は、高圧スプレー水等で行うことができる。
シランカップリング剤を溶解又は分散させる溶媒としては、水、又は有機溶媒のいずれも使用できるが、安全性及び地球環境保護の観点から、水を主溶媒とすることが好ましい。水を主溶媒とした処理液を得る方法としては、シランカップリング剤を直接水に投入する方法、シランカップリング剤を水溶性有機溶媒に溶解させて有機溶媒溶液とした後に該有機溶媒溶液を水に投入する方法のいずれかの方法が好ましい。シランカップリング剤の処理液中での水分散性、安定性を向上させるために、界面活性剤を併用することも可能である。
必要に応じて、ガラスクロス製織工程後に、ガラスクロスのガラス糸を開繊する開繊工程を行ってもよく、シランカップリング剤処理工程が開繊工程を兼ねるものであってもよい。
なお、開繊前後ではガラスクロスの組成は通常変化しない。上記製造方法により、ガラス糸を構成するガラスフィラメント1本1本の表面全体に、ほぼ完全、かつ均一にシランカップリング剤層を形成することができると考えられる。
処理液をガラスクロスに塗布する方法としては、(A)処理液をバスに溜め、ガラスクロスを浸漬、通過させる方法(以下、「浸漬法」という。)、(B)ロールコーター、ダイコーター、またはグラビアコーター等で処理液をガラスクロスに直接塗布する方法等が可能である。上記(A)の浸漬法にて塗布する場合は、ガラスクロスの処理液への浸漬時間を0.5秒以上、1分以下に設定することが好ましい。
ガラスクロスに処理液を塗布した後、溶媒を加熱乾燥させる方法としては、熱風、電磁波等の公知の方法が挙げられる。加熱乾燥温度は、シランカップリング剤とガラスとの反応が十分に行われるように、好ましくは90℃以上であり、より好ましくは100℃以上である。また、加熱乾燥温度は、シランカップリング剤が有する有機官能基の劣化を防ぐために、好ましくは300℃以下であり、より好ましくは200℃以下である。
(アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含有量)
本実施形態においては、ガラスクロスの燃焼残さの含有量の指標として、ガラスクロスのアセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含有量(ppm)を用いる。本実施形態におけるアセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含有量は、ガラスクロス重量に対するアセトン抽出される成分量の割合であり、具体的には実施例に記載の方法によって測定される。
ヒートクリーニング後の洗浄工程によって得られるガラスクロス中間体の、アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含有量は、10ppm未満であることが好ましい。アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含量は、より好ましくは9ppm以下であり、さらに好ましくは8ppm以下であり、さらにより好ましくは7ppm以下である。抽出物含有量が10ppm未満であることにより、低誘電樹脂との安定した含浸性が得られる。
上記抽出物含有量の下限は、燃焼残さを十分に除去して低誘電樹脂との含浸性を高める観点から0ppmであることが理想であるが、0ppm超過であってもよい。
アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含有量を調整する方法としては、例えば、ヒートクリーニング処理において、加熱温度、及び/又は加熱時間を制御する方法、ヒートクリーニング前及び/又は後のガラスクロスに水洗等を施し、ガラスクロス表面に付着している付着物及び/又は燃焼残さ等を除去する方法、サイジング剤のワックス成分の配合量を多くして燃焼を促進し、残さの発生を抑制することなどが挙げられる。
ここで、ヒートクリーニング処理において、加熱温度、及び/又は加熱時間を制御する方法としては、具体的には、加熱温度を高くするよう制御すること、加熱時間を長くするよう制御すること等が挙げられるが、加熱温度を高くする、或いは、加熱時間を長くすると、ガラスクロスの強度が低下し、ガラスクロスの破れや破断、毛羽の発生などを招くので、注意が必要である。ヒートクリーニング処理の加熱温度、及び/又は加熱時間の制御だけでは、ガラスクロスの破れや破断、毛羽等を発生させることなく、アセトン抽出物含有量を10ppm未満とするのは困難であるが、本発明に記載の他の方法と適時組み合わせ、アセトン抽出物含有量を10ppm未満とすることができるため好ましい。
ヒートクリーニング前にガラスクロスに水洗等を施す方法は、ヒート残さ量の低減に一定の効果はあるが、ヒート残さ量の低減には限度があり、アセトン抽出物含有量を10ppm未満とすることはできない。本発明に記載の他の方法と適時組み合わせることで、効果的にアセトン抽出物含有量を10ppm未満とすることができるため好ましい。
サイジング剤のワックス成分の配合量を多くして燃焼を促進し、残さの発生を抑制する方法においても、B含量が多い低誘電ガラスクロスでは、ヒートクリーニング残さの発生を完全に解消することはできず、アセトン抽出物含有量を10ppm未満とすることはできない。本発明に記載の他の方法と適時組み合わせることで、効果的にアセトン抽出物含有量を10ppm未満とすることができるため好ましい。
本発明の一実施形態においては、ヒートクリーニング後に、特定の条件でガラスクロスに洗浄を施すことで、アセトン抽出物含有量を10ppm未満に調整できるので好ましい。具体的には上述のように、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄する方法である。
アセトン抽出物含有量の調整と関連して、超音波発振器によって超音波が照射されている水中にガラスクロスを走行させることによって、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄することができる。洗浄工程中の経糸に作用するライン張力は、30N~500N/1mが好ましい。経糸に作用するライン張力が30N/1m以上で、ガラスクロスに弛みがなく、また、後述する経糸の初期伸びの均一性が本発明の好ましい範囲にある時、経糸が緩むことなく均一に張られているため、超音波による洗浄力をムラなく作用させることができ、アセトン抽出物含量を10ppm未満とすることができるため好ましい。
アセトン抽出物含有量の調整と関連して、超音波照射による洗浄は、20kHz以上200kHz以下の周波数を有する超音波を用いることができる。超音波の周波数は、20kHz以上50kHz以下の周波数が好ましく、より好ましくは20kHz以上30kHz以下である。20kHz以上200kHz以下の周波数を有する超音波を用いれば、ガラスクロスの目曲り等の大きな欠点なく洗浄処理を行えるので好ましい。
アセトン抽出物含有量の調整と関連して、超音波洗浄には、0.07W/cm以上3.60W/cm以下の出力の超音波を好ましく用いることができる。超音波出力のより好ましい範囲は0.14W/cm以上2.16W/cm以下、更に好ましい範囲は0.21W/cm以上1.44W/cm以下である。超音波出力が0.07W/cm以上で良好に洗浄することができ、超音波出力が3.60W/cm以下で目曲りなどの発生がなく均一な洗浄を行うことができるので好ましい。
アセトン抽出物含有量の調整と関連して、好ましい超音波処理時間は、0.5秒以上60秒以下である。超音波処理時間が0.5秒以上で良好に洗浄することができるので好ましい。超音波処理時間は長い方が大きな洗浄効果が得られるので好ましいが、60秒を超えて処理しても更なる洗浄は殆どないので、60秒で十分である。
また、アセトン抽出物含有量の調整と関連して、超音波洗浄処理に用いる水中には、通常、窒素や酸素を主成分とする空気が溶存しているが、該溶存酸素量(重量比)は1ppm以上20ppm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は3ppm以上17ppm以下であり、更に好ましい範囲は4ppm以上14ppm以下である。溶存酸素量を管理することで、間接的に溶存気体量を制御することが可能であり、超音波が溶存気体により減衰される程度を制御することが可能となる。溶存酸素量は1ppm以上で、均一に開繊処理が施されるため好ましい。溶存酸素量が20ppm以下の時、繊維織物に良好な洗浄作用が与えられるので好ましい。溶存酸素量が1ppm以上20ppm以下の範囲で、均一で良好な開繊効果が得られるので好ましい。
本発明の一実施形態に係るガラスクロスの製造方法では、シランカップリング剤でガラスクロスを処理するシランカップリング剤処理工程後に、最終的に得られるガラスクロスのアセトン抽出物含量も10ppm未満であることが好ましい。アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含量は、好ましくは9ppm以下であり、さらに好ましくは8ppm以下であり、さらにより好ましくは7ppm以下である。抽出物含有量が10ppm未満であることにより、低誘電樹脂との安定した含浸性が得られる。
最終的に得られるガラスクロスの上記抽出物含有量の下限は、燃焼残さを十分に除去して低誘電樹脂との含浸性を高める観点から0ppmであることが理想であるが、0ppm超過であってもよい。
ヒートクリーニング後の洗浄工程でアセトン抽出物含量を10ppm未満とすれば、その後の工程では、アセトンに不溶な成分を意図的に付与しない限り、アセトン抽出物含量は10ppm未満となる。シランカップリング剤がガラスクロスに化学的に結合していれば、アセトンによる抽出操作ではシランカップリング剤層は剥離しない。また、物理的に吸着しているシランカップリング剤は、アセトン洗浄によりアセトンに溶解して洗浄除去されるので、アセトン不溶物として抽出物含量には加味されない。従って、ヒートクリーニング後の残さ洗浄工程以降、不純物の混入がなければアセトン抽出物含量は10ppm未満となる。不純物の混入はプリント配線板の絶縁不良を引き起こす原因となるため、アセトン抽出物含量は10ppm未満であることが好ましい。アセトン抽出物含量を指標として、不純物の混入がないことを確認できる。
(経糸の初期伸びの均一性)
また、本発明の一実施形態に係る洗浄工程において、前記ガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性が20%以内であることが好ましい。ガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性のより好ましい範囲は16%以内であり、さらに好ましい範囲は12%以内であり、さらにより好ましい範囲は9%以内であり、最も好ましい範囲は7%以内である。
ここで、経糸の初期伸びの均一性とは、幅25mm当たり1.5Nの荷重を経糸方向にかけた際に生じる伸び率を幅方向に等間隔で25カ所求めた際の均一性を示す指標であり、具体的には実施例に記載の方法によって測定される。
幅25mm当たり1.5Nの荷重を経糸方向にかけた際の経糸の初期伸びの均一性が20%以内であれば、ヒートクリーニング後に残さを水洗する工程において、ガラスクロスに作用するライン張力(30~500N/1m)の下、ガラスクロスの経糸が緩むことなく、均一に張ることができるため、超音波照査等の水洗加工力が経糸に均一に作用し、十分な洗浄作用が発揮され、アセトン抽出物含有量が10ppm未満に調整され易いので好ましい。
幅25mm当たり1.5Nの荷重を経糸方向にかけた際の経糸の初期伸びの均一性の下限は、水洗加工力が均一に作用する観点から0%であることが理想であるが、0%超過であってもよい。
例えば、撚り数、糸束の幅、バインダー塗布量などが均一なガラス糸を経糸に用い、引張り張力が作用した際の糸の張り状態が均一になるように調整する方法を実行することで、幅25mm当たり1.5Nの荷重を経糸方向にかけた際の経糸の初期伸びの均一性を20%以内に制御することができる。
整経時に経糸をボビンから引き出す際の張力変動を小さく抑える方法、幅方向で経糸に作用する張力が均一になるように張力値をモニタリングしながら経糸事に張力をコントロールする方法等も、初期伸びの均一性を高められるため好ましい。また、バイブロウォッシャー、高圧水スプレー、超音波照射等による糸束の扁平加工、開繊加工において、幅方向で均一に加工されるよう、幅方向に作用する張力や加工力を調整する方法も、初期伸びの均一性を高められるため好ましい。一つの方法で経糸の初期伸びの均一性を調整できない場合はこれらを適宜組み合わせてフィラメント間を跨いだ表面被膜の形成を抑制することが好ましい。
本発明の一実施形態に係るガラスクロスの製造方法では、シランカップリング剤によりガラスクロスを処理するシランカップリング剤処理工程後に、最終的に得られるガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性も20%以内であることが好ましい。ガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性のより好ましい範囲は16%以内であり、さらに好ましい範囲は12%以内であり、さらにより好ましい範囲は9%以内であり、最も好ましい範囲は7%以内である。最終的に得られるガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性の下限は、例えば、0%でよく、または0%超過でよい。
洗浄工程における経糸の初期伸びの均一性も20%以内であれば、最終的に得られるガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性も20%以内である傾向にある。
(経糸幅)
本発明の一実施形態に係るガラスクロスの製造方法は、前記のヒートクリーニング後の洗浄工程において、洗浄後のガラスクロス中間体の経糸の糸幅の下限値が、下式(1)で求められる値以上であることが好ましい。
120×T0.385・・・式(1)
{ここで、Tは経糸のTEXである。}
洗浄後の経糸の糸幅のより好ましい範囲は下式(3)で求められる値以上であり、さらに好ましい範囲は下式(4)で求められる値以上であり、さらにより好ましい範囲は下式(5)で求められる値以上であり、最も好ましくは下式(6)で求められる値以上である。
124×T0.382・・・式(3)
126×T0.380・・・式(4)
128×T0.378・・・式(5)
130×T0.376・・・式(6)
{式中、Tは、上記式(1)で定義されたとおりである。}
洗浄後の経糸幅が上記式(1)および(3)~(6)のいずれかで求められる下限値以上であれば、経糸を構成するフィラメント間同士の密着が抑えられ、隣り合うフィラメント間同士に隙間が形成さえる。そのため、続くシランカップリング剤処理において、隣り合うフィラメントを同時に覆うようなシランカップリング剤による被膜形成を抑制できる。結果、低誘電樹脂の含浸が阻害されることなく、良好な含浸性が得られ易いので好ましい。
上述のとおり、経糸幅の下限値は、経糸を構成するフィラメントが密集することなく散在する状態が好ましいため、経糸を構成するフィラメントの直径および本数を反映するTEXに応じて決まる。
洗浄後の経糸の糸幅は広い方が含浸性の観点では好ましいが、毛羽の発生を抑える観点、目曲がりや破れの発生を抑える観点、または経緯異方性を抑える観点から、上限値は下式(7)で得られる値以下である。
160×T0.330・・・式(7)
{式中、Tは、上記式(1)で定義されたとおりである。}
経糸幅は、例えば工程の加工力やライン張力、洗浄工程中のライン張力により制御することができる。加工力を上げることにより経糸幅は大きくなる傾向があり、ライン張力を下げることにより経糸幅が大きくなる傾向がある。より詳細には、ヒートクリーニング前の工程の加工力を上げることにより経糸幅は大きくなる傾向があり、ライン張力を下げることにより経糸幅が大きくなる傾向がある。また、洗浄工程中のライン張力を下げることにより、ヒートクリーニング前の工程で形成された経糸幅が維持され易く、経糸幅が大きくなる傾向にある。
本実施形態のガラスクロスの製造方法では、ガラスクロスまたはその中間体をシランカップリング剤で処理するシランカップリング剤処理工程後に、最終的に得られるガラスクロスの経糸の糸幅の下限値も、下式(1)で求められる値以上であることが好ましい。
120×T0.385・・・式(1)
{ここで、Tは経糸のTEXである。}
最終的に得られるガラスクロスの経糸の糸幅のより好ましい範囲は下式(3)で求められる値以上であり、さらに好ましい範囲は下式(4)で求められる値以上であり、さらにより好ましい範囲は下式(5)で求められる値以上であり、最も好ましくは下式(6)で求められる値以上である。
124×T0.382・・・式(3)
126×T0.380・・・式(4)
128×T0.378・・・式(5)
130×T0.376・・・式(6)
{式中、Tは、上記式(1)で定義されたとおりである。}
シランカップリング加工、およびその後の開繊加工等により、経糸の糸幅は変化を伴うが、糸幅の収縮を抑え、式(1)で求められる糸幅値以上に保つことで、良好な含浸が得られ易いので好ましい。
最終的に得られるガラスクロスの経糸の糸幅は広い方が含浸性の観点では好ましいが、毛羽の発生を抑える観点、目曲がりや破れの発生を抑える観点、または経緯異方性を抑える観点から、上限値は下式(7)で得られる値以下である。
160×T0.330・・・式(7)
{式中、Tは、上記式(1)で定義されたとおりである。}
(ガラスクロスの構成)
ガラス糸は、複数本のフィラメントを束ね、必要に応じて撚って得られるものである。この場合、ガラス糸はマルチガラスフィラメント、ガラス糸に含まれるフィラメント(ガラスフィラメント)はモノガラスフィラメントにそれぞれ分類される。
ガラスクロスの弾性係数は、好ましくは50~70GPaであり、より好ましくは50~63GPaであり、更に好ましくは53~63GPaである。
弾性係数はガラスの誘電率の指標にもなり、通常、ガラス糸の弾性係数が従来のEガラスに比べて低く、上記上限値以下であると、ガラスクロスの毛羽発生抑制や、破れ防止の目的で、ガラスクロスの強度を高めるために、シランカップリング剤等の表面処理剤を従来のEガラスより多く施す必要性が生じる。そのため、シランカップリング剤等の表面処理剤の被膜形成によるモノフィラメント間の接着が生じ、含浸性が低下する問題が発生し易い。本発明においては、シランカップリング剤処理前に、フィラメント同士の接合を抑制し、フィラメント間に隙間が形成されるため、またシランカップリング剤による複数のフィラメントを覆う被膜形成が防止されるため、ガラス糸の弾性係数が上記上限値以下でも、安定した耐CAF性が得られるため好ましい。
また、弾性係数が上記上限値以下であると、通常は、ガラス糸の風合いが柔らかくなるため、ガラスクロスの経糸の張り具合、経糸のうねりが、幅方向で均一に揃い難いため、例えば、高圧水スプレー加工、バイブロウォッシャー加工、超音波照査加工等による開繊加工及び洗浄加工において、加工力が均等に作用されず、開繊ムラおよび開繊不足、洗浄ムラおよび洗浄不足が発生し易いことが推定される。これに対し、本発明の好ましい実施形態において、経糸の初期伸びの均一性を20%以内に抑えることで、開繊および洗浄を均一に施すことができるため好ましい。ヒートクリーニング後に残さを洗浄する工程では、弾性係数が上記上限値以下のガラスクロスでも、アセトン抽出物含量を10ppm未満に抑えることができ、フィラメント間の接合を抑止して良好な含浸性が得られ易いため好ましい。
また、弾性係数が上記下限値以上であることにより、ガラス糸の剛性が向上し、製造工程において、毛羽が生じ難くなるため好ましい。
経糸及び緯糸を構成するモノガラスフィラメントの平均直径は、各々独立して、好ましくは2.5~9μmであり、より好ましくは3.0~8μmであり、さらに好ましくは3.5~7.5μmである。目的とするガラスクロスの厚さによって、適時選択して用いることができる。
経糸及び緯糸のTEXは各々独立して、好ましくは1~25であり、好ましくは1.5以上22以下であり、さらに好ましくは2.0以上21以下であり、最も好ましくは、2.5以上20.5以下である。
TEXが上記範囲内のガラス糸を用いてガラスクロスを製造することで、厚さ5~100μmのガラスクロスを得ることができるため、好ましい。本実施形態のガラスクロスの製造方法においては、ガラス糸のTEXが変化するような加工は施されないため、原材料として使用するガラス糸、洗浄後のガラスクロス中間体を構成するガラス糸、シランカップリング剤処理する工程後に最終的に得られるガラスクロスを構成するガラス糸のTEXは、実質的に同じである。
経糸及び緯糸を構成するモノガラスフィラメントの平均本数は、各々独立して、好ましくは30本以上250本以下である。経糸及び緯糸を構成するモノガラスフィラメントの平均本数が多いほど、隣り合うガラスモノフィラメント同士が接着した部位が発生し易く、含浸性が悪くなる傾向にあるため、本発明によりガラスモノフィラメント同士の接着を抑制することで、低誘電樹脂との安定した均一な含浸性が得られるため好ましい。
ガラスクロスを構成する経糸及び緯糸の打ち込み密度は、好ましくは30~120本/25mmであり、より好ましくは40~110本/25mmであり、さらに好ましくは50~100本/25mmである。
ガラスクロスの厚さは、好ましくは5~100μmであり、より好ましくは6~90μmであり、さらに好ましくは7~80μmである。ガラスクロスの厚さが上記範囲内であることにより、薄くて比較的に強度の高いガラスクロスが得られる傾向にある。
ガラスクロスの布重量(目付け)は、好ましくは8~250g/mであり、より好ましくは8~100g/mであり、さらに好ましくは8~50g/mであり、特に好ましくは8~35g/mである。
ガラスクロスの強熱減量値の好ましい範囲は、0.25質量%~1.8質量%であり、より好ましくは0.3質量%~1.5質量%であり、さらに好ましくは0.35質量%~1.2質量%である。ガラスクロスの強熱減量値が上記下限値以上であることにより、基板を製造する際に、十分なマトリックス樹脂との反応性が得られ、また、耐吸湿性がより向上し、結果として絶縁信頼性がより向上するため好ましい。また、ガラスクロスの強熱減量値が上記上限値以下であることにより、ガラスクロスへの樹脂浸透性がより向上し易いため好ましい。強熱減量値は、JISR3420に記載されている方法に従って測定することができる。
ガラスクロスの織り構造については、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織り、等の織り構造が挙げられる。このなかでも、平織り構造がより好ましい。
(ガラス組成)
以下、本実施形態のガラスクロスの組成について説明する。なお、ガラスクロスの組成とは、ガラスクロスを構成するガラス糸の組成と同義である。ガラスクロスを構成する元素としては、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、リン(P)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、及びフッ素(F)、等から成る群より選択される少なくとも一つが挙げられる。
ガラス糸のケイ素(Si)含量は、SiO2換算で、好ましくは40~60質量%であり、より好ましくは45~55質量%であり、更に好ましくは47.0~53.5質量%であり、より更に好ましくは48.0~52.0質量%である。
Siはガラス糸の骨格構造を形成する成分である。このため、Si含量が40質量%以上であることで、ガラス糸の強度がより向上し、ガラスクロスの製造工程及びガラスクロスを用いたプリプレグの製造工程、等の後工程において、ガラスクロスの破断がより抑制される傾向にある。また、Si含量が40質量%以上であることで、ガラスクロスの誘電率がより低下する傾向にある。他方、Si含量が60質量%以下であることで、ガラス糸の製造過程において、溶融時の粘度がより低下し、より均質なガラス組成のガラス繊維が得られる傾向にある。このため、得られるガラスフィラメントに、部分的に失透し易い部位、又は部分的に気泡が抜け難い部位が発生し難くなることから、ガラスフィラメントに局所的に強度の弱い部位が生じ難くなる。その結果として、これを用いて得られるガラス糸から構成されるガラスクロスは、破断し難いものとなる。Si含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。
ガラス糸のホウ素(B)含量は、B23換算で、好ましくは15~40質量%であり、より好ましくは17~30質量%、又は20~40質量%であり、更に好ましくは18~28質量%であり、より更に好ましくは19~26質量%であり、更により好ましくは20~25質量%であり、最も好ましくは20.5~24.5質量%である。
B含量が15質量%以上であることにより、誘電率がより低下する傾向にある。また、B含量が15質量%以上であることにより、ガラスクロスの耐脆性が向上し、また、ガラスクロスに適度な柔軟性、又はしなやかさが付与されるため、ガラス糸が、糸道ガイド、及び筬等の織機部材に接触した際、毛羽が発生し難くなる傾向にある。
B含量が15質量%以上であると、ヒートクリーニング工程において、粘稠性のサイジング剤の燃焼残さが生成され易くなる。粘稠性の燃焼残さが接着剤となり、フィラメント同士が接合し、その上からシランカップリング剤処理を施すことで、複数のフィラメントを覆うようにシランカップリング剤による被膜が形成され、含浸阻害が引き起こされ易い。本発明においては、粘稠性の燃焼残さを特定範囲に調整することで、フィラメント間の接合が抑制され、シランカップリング剤による複数のフィラメントを覆う被膜形成も生じ難いため、低誘電樹脂との良好な含浸性が得られるため好ましい。
他方、ガラス糸の強度を保つには、B含量が40質量%以下であることが好ましい。B含量が40質量%以下であることにより、耐吸湿性が向上し、後述するガラス糸表面特性の安定性が適正に保たれ易くなる。
特に、ガラス糸における、Si含量が上記範囲、かつ、B含量が上記範囲であることで、Si及びBに関する上記効果が相乗的に奏され易いので好ましい。
B含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料の使用量(仕込み量)により、調整することができる。なお、ガラスフィラメント作製中に、作製条件、使用量又は含量が変動し得る場合には、それを予め見越して、原料の仕込み量を調整することができる。
ガラス糸のアルミニウム(Al)含量は、Al23換算で、好ましくは11~18質量%であり、より好ましくは11~17.5質量%であり、更に好ましくは12~17.0質量%である。Al含量が上記範囲内であることにより、電気特性、強度がより向上する傾向にある。Al含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料の使用量(仕込み量)により、調整することができる。
ガラス糸のカルシウム(Ca)含量は、CaO換算で、好ましくは5.0~10質量%であり、より好ましくは5.0~9.0質量%であり、更に好ましくは5.0~8.5質量%である。Ca含量が5.0質量%以上であることにより、ガラスフィラメントの製造過程において、溶融時の粘度がより低下し、より均質なガラス組成のガラス繊維が得られる傾向にある。また、Ca含量が10質量%以下であることにより、誘電率がより向上する傾向にある。Ca含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料の使用量(仕込み量)により、調整することができる。
ガラス糸のリン(P)含量は、P25換算で、好ましくは8.0質量%以下であり、より好ましくは7.0質量%以下であり、更に好ましくは6.0質量%以下である。P含量は0質量%超えでよい。P含量が0質量%超えであることにより、ガラスクロスの誘電特性がより良好となる傾向にある。また、P含量が8.0質量%以下であることにより、ガラスクロスの耐熱性が向上する傾向にある。P含量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料の使用量(仕込み量)により調整することができる。
なお、上記各含量は、ICP発光分光分析法により測定することができる。具体的には、Si含量及びB含量は、秤取したガラスクロスを炭酸ナトリウムで融解した後、希硝酸で溶解して所定の容量とし、得られたサンプルをICP発光分光分析法により測定して得ることができる。更に、Al含量、Ca含量、及びP含量は、秤取したガラスクロスを過塩素酸、硫酸、硝酸及びフッ化水素により加熱分解した後、希硝酸で溶解して所定の容量とし、得られたサンプルをICP発光分光分析法により測定して得ることができる。なお、ICP発光分光分析装置としては、日立ハイテクサイエンス社製のPS3520VDD IIを用いることができる。
(表面処理剤)
ガラスクロスは表面処理剤により表面処理されたものであってもよい。表面処理剤としては、特に制限されないが、例えば、シランカップリング剤が挙げられ、必要に応じて水、有機溶剤、酸、染料、顔料、界面活性剤等を合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤としては、特に制限されないが、例えば、式(I)で示される化合物が挙げられる。
X(R)3-nSiYn ・・・(I)
(式(I)中、Xは、アミノ基及び不飽和二重結合基のうち少なくとも1つ以上有する有機官能基であり、Yは、各々独立して、アルコキシ基であり、nは、1以上3以下の整数であり、Rは、各々独立して、メチル基、エチル基及びフェニル基からなる群より選ばれる基である。)
式(I)中、Xは、アミノ基及び不飽和二重結合基のうち少なくとも3つ以上を有する有機官能基であることが好ましく、Xは、アミノ基及び不飽和二重結合基のうち少なくとも4つ以上を有する有機官能基であることがより好ましい。
式(I)中、Yについて、上記のアルコキシ基としては、いずれの形態も使用できるが、ガラスクロスへの安定処理化の観点から、炭素数5以下のアルコキシ基が好ましい。
シランカップリング剤としては、具体的には、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びその塩酸塩、N-β-(N-ジ(ビニルベンジル)アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N-β-(N-ジ(ビニルベンジル)アミノエチル)-N-γ-(N-ビニルベンジル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N-β-(N-ベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N-β-(N-ベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン及びその塩酸塩、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の公知の単体、又はこれらの混合物が挙げられる。
シランカップリング剤の分子量は、好ましくは100~600であり、より好ましくは150~500であり、さらに好ましくは200~450である。この中でも、分子量が異なる2種類以上のシランカップリング剤を用いることが好ましい。分子量が異なる2種類以上のシランカップリング剤を用いてガラス糸の表面を処理することにより、ガラスクロスの表面における表面処理剤密度が高くなり、マトリックス樹脂との反応性がさらに向上する傾向にある。
〔プリプレグ〕
本実施形態のプリプレグは、上記ガラスクロスと、該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂組成物とを有する。上記ガラスクロスを有するプリプレグは、絶縁信頼性がより向上したものとなり、最終製品の歩留まりの高いものとなる。また、誘電特性に優れ、耐吸湿性に優れるために使用環境の影響、特に高湿度環境で誘電率の変動が小さい、プリント配線板を提供することができるという効果も奏することができる。
本実施形態のプリプレグは、常法に従って製造することができる。例えば、本実施形態のガラスクロスに、エポキシ樹脂のようなマトリックス樹脂を有機溶剤で希釈したワニスを含浸させた後、乾燥炉にて有機溶剤を揮発させ、熱硬化性樹脂をBステージ状態(半硬化状態)にまで硬化させることにより製造することができる。
マトリックス樹脂組成物としては、上述のエポキシ樹脂の他に、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、BT樹脂、官能基化ポリフェニレンエーテル樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、全芳香族ポリエステルの液晶ポリマー(LCP)、ポリブタジエン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂;及び、それらの混合樹脂等が挙げられる。誘電特性、耐熱性、耐溶剤性、及びプレス成形性を向上させる観点から、マトリックス樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂を熱硬化性樹脂で変性した樹脂を用いてもよい。
また、マトリックス樹脂組成物は、樹脂中にシリカ及び水酸化アルミニウム等の無機充填剤;臭素系、リン系、金属水酸化物等の難燃剤;その他シランカップリング剤;熱安定剤;帯電防止剤;紫外線吸収剤;顔料;着色剤;滑沢剤等を含んでいてもよい。
〔プリント配線板〕
本実施形態のプリント配線板は、上記ガラスクロスを備える。本実施形態のプリント配線板は、絶縁信頼性がより向上したものとなり、最終製品の歩留まりの高いものとなる。また、誘電特性に優れ、耐吸湿性に優れるために使用環境の影響、特に高湿度環境で誘電率の変動が小さいという効果も奏することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔ガラス糸及びガラスクロスの物性〕
ガラス糸およびガラスクロスの物性、具体的には、ガラス糸のTEX、フィラメント数、経糸及び緯糸の打ち込み密度(織密度)は、JIS R3420に準拠して測定した。
〔弾性係数〕
ガラス糸の弾性係数は、ガラス糸を溶融及び冷却して得られるガラスバルクを試験片として用いての、パルスエコーオーバーラップ法により測定した。
〔経糸の糸幅〕
ガラスクロスのMD方向と垂直方向に、カメラを走査させ、ガラスクロス全幅分の経糸の画像を取得し、経糸1本毎の糸幅を測定した。得られたガラスクロス全幅分の経糸の糸幅値を平均し、経糸幅の平均値を求めた。
〔アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含有量〕
アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物含有量は、以下の手順により測定した。
1)ビーカーにガラスクロス(A4サイズ×3枚)と300mLのアセトンとを入れ、撹拌棒を用いて、5分間撹拌した。
2)次いで、目開き1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のメンブランフィルターを用いて、吸引ろ過した。
3)残ったガラスクロスに、アセトン250mLを追加し、撹拌棒を用いて、5分間撹拌した後、上記2)と同様の方法で吸引ろ過した。
4)上記3)の操作を1回、繰り返した。
5)メンブランフィルターを風乾した。
6)メンブランフィルター上に捕集された、アセトン抽出物を秤量し、ガラスクロスの質量で除した値を、アセトン抽出物量(ppm)とした。
なお、メンブレンフィルター上にガラスクロスから脱落したガラス糸が捕集された場合、当該ガラス糸を取り除き秤量した。なお、メンブランフィルターは、予め、風袋を測定しておいた。
〔経糸の初期伸びの均一性〕
<初期伸びの測定>
ガラスクロスに経糸方向に張力をかけた際の伸び量を、JIS R3420のガラス試験一般試験法、7.4引張り強さの項に記載された方法を準用して測定した。
該JIS規定の方法では、幅約30mm、長さ約250mmの試験片を織物の経糸方向と緯糸方向から採り、該試験片の両端部の糸をほぐし、幅約25mmとし、約150mmのつかみ間隔を確保してつかみ部に取り付け、引張り速度約200mm/minで引っ張り、破断時の荷重を求める。
本発明においては、測定精度を向上させるために引っ張り速度を約3mm/minとし、試験片の弛みがないように試験片に0.1Nの荷重がかからないように注意しながらつかみ間隔を広げる側に微調整してから試験開始した以外は上記JIS規定の方法と同一の条件で引っ張り試験を行い、ガラスクロスの幅25mm当たり荷重が1.5N作用した際の変位量を求めた。下式(2)により、初期伸びを求めた。
{(荷重時の間隔-無荷重時の間隔)/無荷重時の間隔}×100 (2)
<経糸の初期伸びの均一性>
幅方向に均等になるように25カ所から経糸方向が長尺となるように試験片を採取し、上記のとおり本発明のためにJIS規定の方法を改良した方法によって経糸の初期伸びを25点測定した。25点の初期伸びの最大値、最小値、平均値を用い、下式(8)により、初期伸びの均一性を求めた。
(最大値-最小値)/平均値/2×100・・・(8)
〔評価:ガラスクロスの含浸性評価〕
実施例および比較例で得られたガラスクロスから、幅方向に均等間隔となるように3枚の含浸性評価用試験片を採取した。
23±2℃の環境下にて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂をベンジルアルコールに溶解し、粘度680Pa・sの含浸性評価用のワニスを作製した。
ガラスクロス試験片を含浸性評価用ワニスに浸漬し、横からLEDライトの光を照射しながら、高精度カメラを装備したマイクロスコープにて含浸性評価用ワニスがガラスクロスに含浸する様子を観察し、ガラスクロス試験片を含浸評価用ワニスに浸漬してから所定時間後の、長さ160μm以上の未含浸部位の数(含浸性評価用ワニスの未含浸部位)をカウントした。このとき、マイクロスコープで観察したガラスクロスの視野範囲は、経糸方向約32mm、緯糸方向約32mmとした。
試験片3枚の未含浸部位数を平均し、実施例および比較例のガラスクロスの未含浸部位数を求め、下記の基準により含浸性を評価した。なお、ガラスクロス試験片を含浸用ワニスに浸漬してから未含浸部位数をカウントするまでの時間は、実施例1~11、比較例1~6は3分後、実施例12~14、比較例7、8は5分後とした。
◎: 未含浸部位数 10未満
〇〇:未含浸部位数 10以上20未満
○: 未含浸部位数 20以上50未満
△: 未含浸部位数 50以上200未満
×: 未含浸部位数 200以上
××:未含浸部位数 500以上
[実施例4]
ガラス糸(TEX4.9、フィラメント本数100本、弾性係数61GPa、ガラス組成:SiO換算51.2質量%、Al換算14.3質量%、CaO換算8.1質量%、MgO換算0.3質量%、B換算23.3質量%、P換算0.1質量%)を経糸および緯糸に用い、エアージェットルームにて、経糸織り密度65.5本/25mm、緯糸織り密度67.0本/25mmのガラスクロス生機を得た。
得られた生機を糊水洗および高圧水スプレーによる開繊処理を施した後、400℃で24時間加熱処理し、脱糊した。次いで、ガラスクロスを水中で走行させながら、周波数25GHz、出力0.72W/cmの超音波を照射し、残さの洗浄を行った。次いで、シランカップリング剤処理工を行い、最後に高圧水スプレーによる開繊加工を実施し、幅1285mmのガラスクロスを得た。
なお、経糸に用いたガラス糸は、撚り数の標準偏差が0.08~0.29、糸幅の標準偏差が0.032~0.049であった。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例3]
経糸に用いるガラス糸に、撚り数の標準偏差が0.13以下、糸幅の標準偏差が0.040以下のガラス糸を選別して使用した以外は、実施例4と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
実施例4のガラスクロス製造に比べ、実施例3は、アセトン抽出物量が少なくなっているのが特徴である。これは、撚り数および糸幅の均一なガラス糸を経糸に選別して使用したため、超音波洗浄が均一に効率よく作用したためと推測する。
[実施例2]
実施例4に対し、糊水洗工程の加工力を2.0倍、ライン張力を0.7倍とし、且つ、超音波照射による洗浄工程のライン張力を0.7倍とした以外は、実施例4と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
実施例4のガラスクロス製造に比べ、実施例2は、経糸幅が広くなっているのが特徴である。これは、上記条件で工夫することにより、予め脱水洗工程で経糸幅を広げておき、且つ、洗浄工程での経糸幅の収縮を阻止したためである。
[実施例1]
経糸に用いるガラス糸に、撚り数の標準偏差が0.13以下、糸幅の標準偏差が0.040以下のガラス糸を選別して使用し、且つ、糊水洗工程の加工力、ライン張張力、および洗浄工程のライン張力を、それぞれ実施例4対比で2.0倍、0.7倍、0.7倍とした以外は、実施例4と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
実施例4のガラスクロス製造に比べ、実施例1は、経糸幅が広く、アセトン抽出物量が少ない状態でガラスクロスの製造を実施することができた。
[比較例1]
超音波照射による残さ洗浄を行わない以外は、実施例1と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例2]
超音波照射による残さ洗浄を行わない以外は、実施例3と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例8]
ガラス糸(TEX4.7、フィラメント本数100本、弾性係数56GPa、ガラス組成:SiO換算49.8質量%、Al換算16.8質量%、CaO換算3.2質量%、MgO換算0.1質量%、B換算24.2質量%、P換算4.0質量%)を経糸および緯糸に用いた以外は、実施例4と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。
なお、経糸に用いたガラス糸は、撚り数の標準偏差が0.08~0.27、糸幅の標準偏差が0.033~0.051であった。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例7]
経糸に用いるガラス糸に、撚り数の標準偏差が0.13以下、糸幅の標準偏差が0.040以下のガラス糸を選別して使用した以外は、実施例8と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例6]
実施例8に対し、糊水洗工程の加工力を2.2倍、ライン張力を0.6倍とし、且つ、超音波照射による洗浄工程のライン張力を0.5倍とした以外は、実施例8と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例5]
経糸に用いるガラス糸に、撚り数の標準偏差が0.13以下、糸幅の標準偏差が0.040以下のガラス糸を選別して使用し、且つ、糊水洗工程の加工力を2.2倍、ライン張力を0.6倍とし、且つ、超音波照射による洗浄工程のライン張力を0.5倍とした以外は、実施例8と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例3]
超音波照射による残さ洗浄を行わない以外は、実施例5と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例4]
超音波照射による残さ洗浄を行わない以外は、実施例7と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例9]
水中で走行させながら超音波照射による洗浄を行う代わり、水中にガラスクロスを通すだけの水洗による洗浄処理を行った以外は、実施例5と同様にして幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例10]
水中で走行させながら超音波照射による洗浄を行う代わりに、水圧を3.0±0.1kg/cmに調整した高圧水スプレーで洗浄処理を施した以外は、実施例5と同様にして幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例11]
水中で走行させながら超音波照射による洗浄を行う代わりに、水圧を10.0±0.1kg/cmに調整した高圧水スプレーで洗浄処理を施した以外は、実施例5と同様にして幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例12]
ガラス糸(TEX9.5、フィラメント本数200本、弾性係数56GPa、ガラス組成:SiO換算49.8質量%、Al換算16.8質量%、CaO換算3.2質量%、MgO換算0.1質量%、B換算24.2質量%、P換算4.0質量%)を経糸および緯糸に用い、エアージェットルームにて、経糸織り密度52.5本/25mm、緯糸織り密度52.5本/25mmのガラスクロス生機を得た。
得られた生機を糊水洗および高圧水スプレーによる開繊処理を施した後、400℃で24時間加熱処理し脱糊した。次いで、ガラスクロスを水中で走行させながら、周波数25GHz、出力0.72W/cmの超音波を照射し、残さの洗浄を行った。次いで、シランカップリング剤処理工を行い、最後に高圧水スプレーによる開繊加工を実施し、幅1285mmのガラスクロスを得た。
なお、経糸に用いたガラス糸は、撚り数の標準偏差が0.07~0.26、糸幅の標準偏差が0.035~0.060であった。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例11]
経糸に用いるガラス糸に、撚り数の標準偏差が0.13以下、糸幅の標準偏差が0.048以下のガラス糸を選別して使用した以外は、実施例12と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例10]
実施例12に対し、糊水洗工程の加工力を2.5倍、ライン張力を0.5倍とし、且つ、超音波照射による洗浄工程のライン張力を0.3倍とした以外は、実施例12と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例9]
経糸に用いるガラス糸に、撚り数の標準偏差が0.13以下、糸幅の標準偏差が0.048以下のガラス糸を選別して使用し、且つ、糊水洗工程の加工力を2.5倍、ライン張力を0.5倍とし、且つ、超音波照射による洗浄工程のライン張力を0.3倍とした以外は、実施例12と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例5]
超音波照射による残さ洗浄を行わない以外は、実施例9と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例6]
超音波照射による残さ洗浄を行わない以外は、実施例11と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例16]
ガラス糸(TEX19.0、フィラメント本数200本、弾性係数56GPa、ガラス組成:SiO換算49.8質量%、Al換算16.8質量%、CaO換算3.2質量%、MgO換算0.1質量%、B換算24.2質量%、P換算4.0質量%)を経糸および緯糸に用い、エアージェットルームにて、経糸織り密度60.0本/25mm、緯糸織り密度57.0本/25mmのガラスクロス生機を得た。
得られた生機を糊水洗および高圧水スプレーによる開繊処理を施した後、400℃で24時間加熱処理し脱糊した。次いで、ガラスクロスを水中で走行させながら、周波数25GHz、出力0.72W/cmの超音波を照射し、残さの洗浄を行った。次いで、シランカップリング剤処理工を行い、最後に高圧水スプレーによる開繊加工を実施し、幅1285mmのガラスクロスを得た。
なお、経糸に用いたガラス糸は、撚り数の標準偏差が0.07~0.24、糸幅の標準偏差が0.040~0.080であった。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例15]
経糸に用いるガラス糸に、撚り数の標準偏差が0.13以下、糸幅の標準偏差が0.055以下のガラス糸を選別して使用した以外は、実施例16と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例14]
実施例7に対し、糊水洗工程の加工力を2.5倍、ライン張力を0.5倍とし、且つ、超音波照射による洗浄工程のライン張力を0.3倍とした以外は、実施例16同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[実施例13]
経糸に用いるガラス糸に、撚り数の標準偏差が0.13以下、糸幅の標準偏差が0.055以下のガラス糸を選別して使用し、且つ、糊水洗工程の加工力を2.5倍、ライン張力を0.5倍とし、且つ、超音波照射による洗浄工程のライン張力を0.3倍とした以外は、実施例16と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例7]
超音波照射による残さ洗浄を行わない以外は、実施例13と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
[比較例8]
超音波照射による残さ洗浄を行わない以外は、実施例15と同様にして、幅1285mmのガラスクロスを得た。得られたガラスクロスの含浸性評価結果を表1に示した。
シランカップリング処理工程の前に超音波による洗浄を行った実施例1~16のガラスクロスは、アセトン抽出物含量が少なく、良好な含浸性が得られた。
実施例1~4を比較すると、アセトン抽出量が大きく低減されている実施例3は、実施例4に比べて、更に良好な含浸性が得られた。これは、燃焼残さによるフィラメント同士の接着が抑えられた状態でシランカップリング剤処理が施されたため、シランカップリング剤によるフィラメント間の被膜形成が抑制されたためと推測する。
また、残さ洗浄工程後(シランカップリング処理前)の経糸幅が広い実施例2は、実施例4に比べて、更に良好な含浸性が得られた。これは、フィラメント間隔が広く状態でシランカップリング剤処理が施されるため、シランカップリング剤によるフィラメント間の被膜形成が抑制されたためと推測する。そして、アセトン抽出量が少なく、残さ洗浄工程後(シランカップリング処理前)の経糸幅が広い実施例1は、特に顕著な含浸性向上が見られた。
同様に実施例5~8、9~12、13~16を比較すると、アセトン抽出量が少なく、残さ洗浄工程後(シランカップリング処理前)の経糸幅が広い実施例5、9、13で、特に良好な含浸性向上が得られた。
シランカップリング処理工程の前に超音波洗浄を行わなかった比較例1~8で得られたガラスクロスは、含浸性に劣った。

Claims (12)

  1. 複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなる、ガラスクロスの製造方法であって、ヒートクリーニング工程と、洗浄工程と、シランカップリング剤処理工程とを順次含み、
    前記洗浄工程では、ガラスクロスに水中で超音波を照射して洗浄する、ガラスクロスの製造方法。
  2. 前記洗浄工程後の前記経糸の糸幅の下限値が、下式(1):
    120×T0.385・・・式(1)
    {式中、T:経糸のTEX}
    で求められる値以上である、請求項1に記載のガラスクロスの製造方法。
  3. 前記ガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性が20%以下となるように調整した状態で前記洗浄工程を行う、請求項1又は2に記載のガラスクロスの製造方法。
  4. 前記ガラスクロスのアセトンによる抽出処理で捕集される抽出物量が、0ppm以上10ppm未満の範囲となるように前記洗浄工程を行う、請求項1又は2に記載のガラスクロスの製造方法。
  5. 複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として構成されたガラスクロスであって、
    アセトンによる抽出処理で捕集される抽出物量が、0ppm以上10ppm未満である、ガラスクロス。
  6. 前記ガラスクロスの経糸の初期伸びの均一性が20%以下である、請求項5に記載のガラスクロス。
  7. 前記経糸の糸幅の下限値が、下式(1):
    120×T0.385・・・式(1)
    {式中、T:経糸のTEX}
    で求められる値以上である、請求項5又は6に記載のガラスクロス。
  8. 前記ガラスクロスのホウ素(B)含量が、B換算で、15~40質量%である、請求項5又は6に記載のガラスクロス。
  9. 前記ガラスクロスの弾性係数が、50~70GPaである、請求項5又は6に記載のガラスクロス。
  10. 前記ガラスクロスの弾性係数が、50~63GPaである、請求項5又は6に記載のガラスクロス。
  11. 請求項5又は6に記載のガラスクロスと、該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂と、を有する、プリプレグ。
  12. 請求項5又は6に記載のガラスクロスと、該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂と、金属箔と、を有する、プリント配線板。
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