JP7322266B2 - プリプレグ用シリカガラスクロス - Google Patents
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Description
更に、本発明では、上記プリプレグを備えるプリント配線基板を提供する。
SiO2組成量が96.0~100.0質量%含まれるガラスフィラメントからなる非加熱処理シリカガラスクロスを準備する工程と、
前記非加熱処理シリカガラスクロスを450℃~1650℃の温度で、1分~72時間加熱処理して加熱処理シリカガラスクロスを得る工程を含み、
前記加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接tanδ1を、周波数9GHz以上で0.0015以下とし、
前記加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接tanδ1の前記非加熱処理シリカガラスクロスの周波数9GHz以上での誘電正接tanδ2に対する比tanδ1/tanδ2を0.7以下とすることを特徴とする加熱処理シリカガラスクロスの製造方法を提供する。
本発明の加熱処理シリカガラスクロスは、SiO2が96.0~100.0質量%含まれるシリカガラスフィラメントからなる、非加熱処理シリカガラスクロスの加熱処理体である。前記加熱処理体を得るための加熱処理については特に限定されないが、前記非加熱処理シリカガラスクロスを450℃~1650℃、1分~72時間加熱処理することが好ましい。
シリカガラスヤーンとしては、上記シリカガラスフィラメントを束ねてシリカガラスストランドとし、前記シリカガラスストランドに対して、1m当たり4回~40回の撚りを掛けて、番手の大きさが0.5~40texとしたシリカガラスヤーンを用いることができる。
ガラスクロスの開口率は、打込み密度、開繊度、ガラス糸の番手によって調整することができる。
ガラスクロスの開口部の平均面積は、打込み密度、開繊度、ガラス糸の番手によって調整することができる。
本発明の加熱処理シリカガラスクロスは、SiO2組成量が96.0~100.0質量%含まれるシリカガラスフィラメントからなる。そして、周波数9GHz以上での加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接をtanδ1、加熱処理前の非加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接をtanδ2とした場合、tanδ1が0.0015以下であり、tanδ1/tanδ2が0.7以下である。tanδ1が0.0015を超えたり、tanδ1/tanδ2が0.7を超えたりすると、5G通信用途等において、伝送損失が大きく、十分な伝送速度性能を達成できない。
なお、誘電正接(tanδ)は公知の方法で測定すればよく、例えば、誘電率測定用SPDR(Split post dielectric resonators)(キーサイト・テクノロジー株式会社製)を用いて測定することができる。
非加熱処理シリカガラスクロスの加熱処理温度は、450℃~1650℃が好ましく、500℃~1100℃がより好ましく、700℃~1100℃がさらに好ましい。このような加熱処理温度であれば、加熱処理体の誘電特性を好ましいものとすることができる。加熱方法としては、炉による加熱として電気加熱炉、マッフル炉、管状加熱炉等による加熱方法が挙げられるが、加熱処理温度が450℃~1650℃であれば炉による加熱方法、電気加熱炉、マッフル炉等による加熱方法に限定されるものではない。但し、酸水素火炎による方法ではOHの起因となるH2Oが生成するため、好ましくない。
本発明の加熱処理シリカガラスクロスの製造方法は、
SiO2組成量が96.0~100.0質量%含まれるガラスフィラメントからなる非加熱処理シリカガラスクロスを準備する工程と、
前記非加熱処理シリカガラスクロスを450℃~1650℃の温度で、1分~72時間加熱処理して加熱処理シリカガラスクロスを得る工程を含み、
前記加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接tanδ1を、周波数9GHz以上で0.0015以下とし、
前記加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接tanδ1の前記非加熱処理シリカガラスクロスの周波数9GHz以上での誘電正接tanδ2に対する比tanδ1/tanδ2を0.7以下とすることを特徴とする。
本発明のプリプレグは、上記加熱処理シリカガラスクロスと、前記加熱処理シリカガラスクロスに含浸された硬化性樹脂(マトリックス樹脂)とからなる。これにより、薄くて、誘電率が低く、絶縁信頼性の向上が図られたプリプレグを提供することができる。
マトリックス樹脂としては、特に制限はなく、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の何れも使用可能である。
本発明のプリント配線板は、上記プリプレグを備える。これにより、誘電率が低く、絶縁信頼性の向上が図られたプリント配線板を提供することができる。本発明のプリント配線板におけるプリプレグは2層以上からなる積層体であってもよい。
誘電率測定用SPDR(Split post dielectric resonators)誘電体共振器周波数9GHz(キーサイト・テクノロジー株式会社製)を用いて測定した。
上記誘電体共振器の面積とシリカガラスクロス厚みから算出される体積から、シリカガラスクロスを、シリカガラス(A)と空気(B)の複合体として、下記式1を用いてシリカガラスのみの誘電正接値を算出した。
tanδ=VA×tanδA+VB×tanδB (式1)
(tanδ:複合体の誘電正接、VA:シリカガラス(A)の体積分率、tanδA:シリカガラス(A)の誘電正接、VB:空気(B)の体積分率、tanδB:空気(B)の誘電正接)
実施例、比較例の誘電正接は、すべて上記式1により求めた、シリカガラスクロス単体の誘電正接を示す。
SiO2が99.9質量%以上でtanδ2が0.0022のシリカガラスクロス(2116)を電気加熱炉に入れ、500℃で10分加熱を行った。加熱後はクロス形状を維持していた。得られた加熱処理ガラスクロスの誘電正接(tanδ1)を測定し、値を算出したところtanδ1が0.0014であった。処理前との比はtanδ1/tanδ2=0.66であり、良好な結果であった。
実施例1と同様に、SiO2が99.9質量%以上でtanδ2が0.0022のシリカガラスクロス(2116)を電気加熱炉に入れ、500℃で10時間加熱を行った。加熱後はクロス形状を維持していた。得られた加熱処理ガラスクロスの誘電正接を測定し、値を算出したところtanδ1が0.0010であった。処理前との比はtanδ1/tanδ2=0.47であり、良好な結果であった。
実施例1と同様に、SiO2が99.9質量%以上でtanδ2が0.0022のシリカガラスクロス(2116)を電気加熱炉に入れ、700℃で5時間加熱を行った。加熱後はクロス形状を維持していた。得られた加熱処理ガラスクロスの誘電正接を測定し、値を算出したところtanδ1が0.0006であった。処理前との比はtanδ1/tanδ2=0.28であり、実施例1より良好な結果であった。
実施例1と同様に、SiO2が99.9質量%以上でtanδ2が0.0022のシリカガラスクロス(2116)を電気加熱炉に入れ、700℃で10時間加熱を行った。加熱後はクロス形状を維持していた。得られた加熱処理ガラスクロスの誘電正接を測定し、値を算出したところtanδ1が0.0002であった。処理前との比はtanδ1/tanδ2=0.10であり、実施例2より良好な結果であった。
実施例1と同様に、SiO2が99.9質量%以上でtanδ2が0.0022のシリカガラスクロス(2116)を電気加熱炉に入れ、1100℃で10時間加熱を行った。加熱後はクロス形状を維持していた。得られた加熱処理ガラスクロスの誘電正接を測定し、値を算出したところtanδ1が0.0002であった。処理前との比はtanδ1/tanδ2=0.10であり、実施例4と同様の良好な結果であった。
SiO2が99.9質量%以上でtanδ2が0.0022のシリカガラスクロス(2116)を電気加熱炉に入れ、400℃で10時間加熱を行った。加熱後はクロス形状を維持していた。得られた加熱処理ガラスクロスの誘電正接を測定し、値を算出したところtanδ1が0.00218であった。処理前との比はtanδ1/tanδ2=1.00であった。加熱エネルギー不足で加熱後のtanδ1が0.0015以下とならなかった。
SiO2が99.9質量%以上でtanδ2が0.0022のシリカガラスクロス(2116)を電気加熱炉に入れ、1700℃で10時間加熱行った。高温熱処理のため、クロス形状を維持できなかった。そのため誘電正接tanδ1は測定できなかった。
Claims (3)
- SiO2組成量が96.0~100.0質量%含まれるガラスフィラメントからなるプリプレグ用加熱処理シリカガラスクロスであって、
前記プリプレグ用加熱処理シリカガラスクロス単体の周波数9GHzでの誘電正接tanδ1の非加熱処理シリカガラスクロス単体の周波数9GHzでの誘電正接tanδ2に対する比tanδ1/tanδ2が0.47以下であり、
前記プリプレグ用加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接tanδ1が、周波数9GHzで0.0010以下であり、
前記誘電正接は、誘電体共振器周波数9GHzで測定した、シリカガラスクロスを、シリカガラスと空気の複合体としてシリカガラスのみの誘電正接値を算出したものであることを特徴とするプリプレグ用加熱処理シリカガラスクロス。 - 前記プリプレグ用加熱処理シリカガラスクロスが、平均フィラメント径が3μm~20μmのガラスフィラメントを10本~400本の本数で束ねたガラスストランドに対して、1m当たり4回~40回の撚りを掛けて、番手の大きさが0.5~40texとしたガラスヤーンを製織してなるものであることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ用加熱処理シリカガラスクロス。
- プリプレグ用加熱処理シリカガラスクロスの製造方法であって、
SiO2組成量が96.0~100.0質量%含まれるガラスフィラメントからなる非加熱処理シリカガラスクロスを準備する工程と、
前記非加熱処理シリカガラスクロスを450℃~1650℃の温度で、1分~72時間加熱処理して加熱処理シリカガラスクロスを得る工程を含み、
前記加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接tanδ1を、周波数9GHz以上で0.0015以下とし、
前記加熱処理シリカガラスクロスの誘電正接tanδ1の前記非加熱処理シリカガラスクロスの周波数9GHz以上での誘電正接tanδ2に対する比tanδ1/tanδ2を0.7以下とすることを特徴とするプリプレグ用加熱処理シリカガラスクロスの製造方法。
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