JP7489526B2 - ガラスクロス、及びガラスクロスの加熱脱油方法 - Google Patents

ガラスクロス、及びガラスクロスの加熱脱油方法 Download PDF

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Description

本発明はガラスクロス、及びガラスクロスの加熱脱油方法に関する。
現在、スマートフォン等の情報端末の高性能化、及び5G通信に代表される高速通信化が進んでいる。この背景に伴い、例えば、高速通信用のプリント配線板に対して、耐熱性の向上だけでなく、その絶縁材料の更なる誘電特性の向上(例えば、低誘電正接化)が望まれている。同様に、プリント配線板の絶縁材料に用いられるプリプレグ、及び該プリプレグに含まれるガラス糸並びにガラスクロスに対しても誘電特性の向上が望まれている。
例えば、低誘電ガラスを用いてプリプレグを構成する手法が知られている(特許文献1及び2参照)。特許文献1は、二酸化ケイ素(SiO)組成量が98質量%以上100質量%以下のガラス糸を用いる手法を記載しており、特許文献2は、ガラスクロス(石英ガラスクロス)を加熱処理することで、更なる低誘電化を試みている。
上記加熱処理によりガラスクロスの強度が低下する場合がある。そこで、加熱処理後の強度が低下した石英ガラスクロスにエッチング処理を行うことで、加熱処理時に歪んだ表面層を溶解除去し、これにより強度の回復を試みている(特許文献3参照)。
ところで、一般に、ガラス糸の表面には、ガラス糸の毛羽発生の抑制及び吸水防止のため、澱粉を主成分とするサイジング剤が付着している。そして、ガラス糸を製織する前後又はその過程で、サイジング剤を低減する目的(脱糊する目的)のもと、ガラス糸又はガラスクロスを洗浄し、及び/又は加熱脱油する場合がある。
ここで、硝酸アンモニウムを含む石英ガラス繊維用集束剤、又は澱粉の少なくとも一部を硝酸エステル化した石英ガラス繊維用集束剤を用いることで、比較的低温で加熱脱油が可能である旨が報告されている(特許文献4及び5参照)。また、アルカリ金属化合物の含量が0.5重量%以下のポリビニルアルコール(PVA)及び/又はPVA誘導体を主剤とした経糸糊剤を用いることで、アルカリの浸食によるガラスクロスの引張強さの低下を防止できる旨が報告されている(特許文献6参照)。
また、プリント配線板の高密度化に応じて、スルーホール同士の間、及び/又は内層ラインとスルーホールとの間、等が狭くなり易く、このため、絶縁抵抗が低下する現象が見られ易い。そのため、プリント配線板には、従来よりも高い絶縁信頼性が求められる背景がある。プリント配線板の絶縁抵抗を低下させる原因の一つとして、銅マイグレーション(電食)の影響が考えられる。電食は、電圧印加の高湿度環境下で、導体である銅が陽極から溶け出して析出し、絶縁材を通過して陰極と導通する現象である。電食は、表面レジスト、及び/又は接着剤層に発生するデンドライトと、内層ガラス繊維及び樹脂の界面において発生するCAF(Conductive Anodic Filaments)と、に分けられる。CAFの発生原因の一つとして、ガラス繊維及び樹脂の界面におけるイオン成分が知られている。
この点、Eガラス組成のガラスクロスから抽出されるアルカリ金属、及び/又はアルカリ土類金属の量を20ppm以下に制御し、プリント配線板の耐CAF性の向上を図る旨が報告されている(特許文献7参照)。また、カップリング剤を主成分とした表面処理剤でガラスクロスの表面処理を行った後に水蒸気流を噴霧することで、ガラスクロス表面に付着しているカルシウムイオン量を低減し、これにより、耐CAF性の向上を図る旨が報告されている(特許文献8参照)。
特開2018-127747号公報 特開2021-63320号公報 特開2021-195689号公報 特開2016-108162号公報 特開2016-113322号公報 特開平7-279055号公報 特開2001-73253号公報 特開2005-42245号公報
しかしながら、特許文献1には、SiO組成量が98質量%以上100質量%以下のガラスは実用上の観点から問題があると記載されており、そのため、この種のガラス糸を用いて好適にガラスクロスを提供する、他の手法の提供が待たれていた。特許文献2に記載の手法では、加熱処理によりガラスクロスの強度が低下するため、ライン上での破断により収率が低下する、生産性が低下する、等という課題があった。
特許文献3に記載の手法では、ガラスクロスの強度が一度低下しているため、続く強度回復のためのエッチング処理までの取り扱い、及び/又は搬送における張力制御が難しかった。そのため、ガラスクロスに、毛羽、しわ、破断が生じ易い、等という課題があった。また、エッチング処理時間が長くなれば、生産性が低下する場合もあった。さらには、特許文献3に記載の手法では、エッチング処理によってガラスを溶解させるため、ガラスクロスの目付量が過度に減少してしまうという課題があった。プリプレグ中のマトリックス樹脂量(「レジンコンテント」と称される場合がある)は、正確にコントロールされる必要があるが、ガラスクロス自身の目付量が変動してしまうエッチング処理は、プリプレグのレジンコンテント量の制御を難しくしてしまう。
特許文献4及び5には、石英ガラスの表面シラノール基がアルカリ金属と結合することで、失透と呼ばれる再結晶化現象が起こり、これにより強度が低下する旨が記載されている。その解決手段として比較的低温での加熱脱油方法が示されているものの、どのような手法によって高温での失透現象を抑制するか、特許文献4及び5では、十分に検討されていなかった。そもそも、比較的低温で加熱脱油を行う場合、低誘電正接化を図り難いため、ガラスクロスの誘電特性に関して改善の余地があった。
特許文献6では、経糸糊剤に由来しないアルカリ、例えば、製織工程、脱糊目的の洗浄工程、及び開繊工程において、水又は環境からガラスクロスに付着するアルカリ金属イオン、及び/又はアルカリ土類金属イオン等について、考慮されていなかった。このため、これらに由来して、ガラスクロスの引張強さが低下する可能性があった。
特許文献7及び8では、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の耐CAF性に関する報告はなされているが、ガラスクロスの強度維持という観点では報告されていなかった。ガラスクロスの強度と、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属と、の関係を明らかにすることは、ガラスクロスの工業的生産という観点から大きな課題となる。
そこで、本発明は、加熱脱油時の石英ガラスの失透現象を抑制することで、生産性を低下させることなく、ガラスクロス強度の低下の抑制と、優れた誘電特性(例えば、低誘電正接化)の実現と、の両立を図ることができるガラスクロスを提供することを目的とする。また、本発明は、上記両立を達成するためのガラスクロスの加熱脱油方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、ガラスクロスの強度と、金属イオン(アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオン等を含む)と、の関係を明らかにすることが、ガラスクロスの工業的生産という観点から非常に意義があると考え、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、加熱脱油前のガラスクロスに付着するNaイオン量、及びMgイオン量に着目するに至った。そして、加熱脱油前のガラスクロスに付着する各イオン量を制御したガラスクロスを用いることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の態様の一部を以下に例示する。
[1]
ガラス糸を製織して成るガラスクロスであって、
前記ガラス糸における、ケイ素(Si)含有量が、二酸化ケイ素(SiO)換算で95.0質量%以上100質量%以下であり、
前記ガラス糸がサイジング剤で表面処理されており、
前記ガラスクロスの強熱減量値が0.07質量%以上5.0質量%以下であり、
前記ガラスクロス表面に付着するナトリウム(Na)イオン量が0以上15ppm以下、かつ、前記ガラスクロス表面に付着するマグネシウム(Mg)イオン量が0以上8ppm以下である、
ガラスクロス。
[2]
前記ガラスクロス表面に付着する硫酸(SO)イオン量が0以上12ppm以下である、[1]に記載のガラスクロス。
[3]
前記サイジング剤は、澱粉、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂から成る群から選択される少なくとも1つを主成分として含む、[1]又は[2]に記載のガラスクロス。
[4]
前記ガラスクロスの厚みが0超え60μm以下である、[1]~[3]のいずれか1項に記載のガラスクロス。
[5]
前記ガラスクロスの加熱脱油後のガラスクロスは、
その厚みあたりの経糸方向の引張強度(N/25mm/μm)が0.52以上、かつ、
10GHzにおける誘電正接が0.0009以下である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のガラスクロス。
[6]
ガラスクロス表面に付着するナトリウム(Na)イオン量が15ppm以下、かつ、マグネシウム(Mg)イオン量が8ppm以下のガラスクロスを加熱脱油する工程を含む、ガラスクロスの加熱脱油方法。
[7]
600℃以上1500℃以下で前記加熱脱油する工程を含む、[6]に記載のガラスクロスの加熱脱油方法。
[8]
Roll-to-Rollで搬送しながら、前記ガラスクロスを前記加熱脱油する工程を含む、[6]又は[7]に記載のガラスクロスの加熱脱油方法。
[9]
ガラスクロス表面に付着するナトリウム(Na)イオン量が15ppm以下、かつ、マグネシウム(Mg)イオン量が8ppm以下のガラスクロスを加熱脱油する工程を含む、ガラスクロスの製造方法。
本発明によれば、加熱脱油時の石英ガラスの失透現象を抑制することで、生産性を低下させることなく、ガラスクロス強度の低下の抑制と、優れた誘電特性(例えば、低誘電正接化)の実現と、の両立を図ることができるガラスクロスを提供することができる。
また、本発明によれば、上記両立を達成するためのガラスクロス(生機クロス)の加熱脱油方法を提供することができ、これにより、ガラスクロスの収率の向上、及び/又は生産効率の向上が図られる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。本発明は本実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。本実施形態において、「~」を用いて記載した数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む。本実施形態では、段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えることができる。本実施形態では、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えることもできる。本実施形態において、「工程」の語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、工程の機能が達成されれば、本用語に含まれる。
[ガラスクロス]
本実施形態のガラスクロスは、ガラス糸を製織して成るガラスクロスであって、
ガラス糸における、Si含有量が、SiO換算で95.0質量%以上100質量%以下であり、
ガラス糸がサイジング剤で表面処理されており、
ガラスクロスの強熱減量値が0.07質量%以上5.0質量%以下であり、
ガラスクロス表面に付着するNaイオン量が0以上15ppm以下、かつ、
ガラスクロス表面に付着するMgイオン量が0以上8ppm以下である。
これによれば、加熱脱油時の石英ガラスの失透現象を抑制することで、生産性を低下させることなく、ガラスクロス強度の低下の抑制と、優れた誘電特性(例えば、低誘電正接化)の実現と、の両立を図ることができるガラスクロスを提供することができる。
また、本実施形態によれば、エッチング処理(例えば、上記特許文献3に記載されるようなエッチング処理)を行わずにガラスクロスの強度を一定以上に保つ、という期待にも応えることができる。
ガラスクロスは、ガラス糸(例えば、複数本のガラスフィラメントから成るガラス糸)を経糸及び緯糸として製織して成る。ガラスクロスの織り構造は、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織り等の織り構造が挙げられる。なかでも、平織り構造が好ましい。
ガラスクロスを構成する経糸及び緯糸の打ち込み密度は、好ましくは10~120本/inch(=10~120本/25mm)、より好ましくは40~100本/inchである。打ち込み密度が上記の範囲内であれば、本発明の効果が得られ易い。経糸及び緯糸の打ち込み密度は異なってよい。
ガラスクロスの目付量(ガラスクロスの質量)は、好ましくは8~250g/m、より好ましくは8~100g/m、更に好ましくは8~80g/m、特に好ましくは8~50g/mである。ガラスクロスの目付量が上記の範囲内であれば、本発明の効果が得られ易い。
ガラスクロスの厚みは、好ましくは60μm以下、より好ましくは55μm以下、更に好ましくは50μm以下である。ガラスクロスの厚みが上記の範囲内であれば、本発明の効果が得られ易い。ガラスクロスの厚みは、0超え、5μm以上、又は10μm以上でよい。
〔Naイオン量、及びMgイオン量〕
ガラスクロス表面に付着するNaイオン量、例えば、加熱脱油前のガラスクロス表面に付着するNaイオン量は、0以上15ppm以下である。Naイオン量が15ppmを超えると、高温(例えば、600℃以上)で加熱脱油したときに石英ガラスの失透現象を抑制することが難しく、ガラスクロスの引張強度が低下する。
Naイオン量は、好ましくは12ppm以下、より好ましくは8ppm以下、更に好ましくは6ppm以下、特に好ましくは3.5ppm以下である。Naイオン量が上記範囲であれば、加熱脱油時の石英ガラスの失透現象を抑制し易い。Naイオン量の下限値は、0でもよく、0を超えてよい。
ガラスクロス表面に付着するMgイオン量、例えば、加熱脱油前のガラスクロス表面に付着するMgイオン量は、0以上8ppm以下である。Mgイオン量が8ppmを超えると、高温(例えば、600℃以上)で加熱脱油したときに石英ガラスの失透現象を抑制することが難しく、ガラスクロスの引張強度が低下する。
Mgイオン量は、好ましくは6ppm以下、より好ましくは4ppm以下、更に好ましくは3ppm以下、特に好ましくは2ppm以下である。Mgイオン量が上記範囲であれば、加熱脱油時の石英ガラスの失透現象を抑制し易い。Mgイオン量の下限値は、0でもよく、0を超えてもよい。
ガラスクロス表面に付着するNaイオン量、及びMgイオン量は、後述するガラスクロスの製造方法により制御可能である。具体的には、ガラスクロスの洗浄、洗浄に用いる溶媒のイオン含有量、サイジング剤の付着量により制御可能である。Naイオン量、及びMgイオン量は、実施例に記載の方法で測定される。
〔SOイオン量〕
ガラスクロス表面に付着するSOイオン量、例えば、加熱脱油前のガラスクロス表面に付着するSOイオン量は、好ましくは12ppm以下、より好ましくは10ppm以下、更に好ましくは8ppm以下、特に好ましくは6ppm以下である。SOイオン量が上記範囲であれば、高温(例えば、600℃以上)で加熱脱油したときの、石英ガラスの失透現象を抑制し易く、特に、Mgイオンによる失透現象を抑制し易い。SOイオン量の下限値は、0でもよく、0を超えてもよい。
ガラスクロス表面に付着するSOイオン量は、後述するガラスクロスの製造方法により制御可能である。具体的には、ガラスクロスの洗浄、洗浄に用いる溶媒のイオン含有量、サイジング剤の付着量により制御可能である。SOイオン量は、実施例に記載の方法で測定される。
〔ガラス糸〕
本実施形態のガラスクロスを構成するガラス糸は、低誘電ガラスを原料にして得られる。低誘電ガラス糸は、Si含量が、SiO換算で95.0質量%以上100質量%以下である。低誘電ガラス糸を用いることで、得られるガラスクロスの誘電特性の向上を図ることができる。誘電特性の向上の観点から、Si含量は、好ましくは99.0質量%以上、より好ましくは99.5質量%以上、更に好ましくは99.9質量%以上である。
SiO換算で99.0質量%以上のガラスが、ある程度厚みを有するバルクの状態である場合、その誘電正接(バルク誘電正接)は、一般に、下記式:
バルク誘電正接≦1.2×10-3
で表される。
ガラス糸を構成するガラスフィラメントの平均フィラメント径は、好ましくは2.5μm以上9.0μm以下、より好ましくは2.5μm以上7.5μm以下、更に好ましくは3.5μm以上7.0μm以下、より更に好ましくは3.5μm以上6.0μm以下、特に好ましくは3.5μm以上5.0μm以下である。フィラメント径が上記下限値以上であると、フィラメントの破断強度を確保し易いため、得られるガラスクロスに毛羽が発生し難い。また、フィラメント径が上記上限値未満であると、ガラスクロスの質量が大きくなり過ぎることを防止できるため、搬送又は加工を行い易い。そして、ガラスフィラメントの平均フィラメント径が上記の範囲内であれば、本発明の効果が得られ易い。
(サイジング剤)
本実施形態のガラス糸は、サイジング剤で表面処理されている。すなわち、本実施形態のガラス糸は、サイジング剤で表面処理されて成る。ガラス糸の収束性を向上させる、毛羽を減らす、製織性を向上させる、等の観点から、サイジング剤は、澱粉、PVA樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂から成る群から選択される少なくとも1つを主成分として含むものが好ましい。ガラスクロスの毛羽を抑制する観点から、サイジング剤は、澱粉、及び/又はPVA樹脂を主成分として含むものがより好ましい。
ここでの「主成分」は、サイジング剤における、50質量%以上、65質量%以上、80質量%以上、又は95質量%以上を占めることを意味する。
(強熱減量値)
ガラスクロスの強熱減量値、例えば、加熱脱油前のガラスクロスの強熱減量値は、0.07質量%以上5.0質量%以下又は4.5質量%以下、4.0質量%以下、若しくは3.5質量%以下であり、好ましくは0.07質量%以上3.0質量%未満、より好ましくは0.10質量%以上2.0質量%未満、更に好ましくは0.1質量%以上1.8質量%未満であり、特に好ましくは0.1質量%以上1.5質量%未満である。強熱減量値が5.0質量%以上であると、ガラスクロス表面のサイジング剤が多量であるため、加熱脱油後のガラスクロス上に付着するサイジング剤の残渣量が増加する。その結果、ガラスクロスの誘電正接が増加し、また、加熱脱油前の洗浄によっても、ガラスクロス表面に付着するNaイオン、及び/又はMgイオンを効果的に低減し難い。また、強熱減量値が0.07質量%未満であると、サイジング剤として収束性を向上させる効果が不十分になるため、得られるクロスに、毛羽及び傷が生じ易い。
強熱減量値は、例えば、ガラス糸に付着するサイジング剤量、ガラス糸の洗浄条件等により制御可能である。強熱減量値は、JIS R3420に準拠して測定される。
〔バルク誘電正接〕
「バルク誘電正接」は、スプリットシリンダー共振器を用いてガラスクロス原料を10GHzで測定したときに得られる誘電正接を意味する。ガラスクロス原料は、ガラス種、ガラスフィラメント、ガラス糸等でよい。ガラスクロス原料のバルク誘電正接は、ガラスクロス原料と同じ種類及び組成を有する、厚み300μm以下のガラス板を、ガラスクロスの誘電正接の測定と同様の方法で測定することで得られる。
本発明の効果を更に向上させるという観点から、本実施形態に係るガラスクロスの製織について、ガラス糸を構成するガラスのバルク誘電正接は、スプリットシリンダー共振器を用いて測定されるとき、10GHzにおいて、好ましくは2.5×10-3以下、より好ましくは2.0×10-3以下、更に好ましくは1.7×10-3以下、より更に好ましくは1.5×10-3以下、特に好ましくは1.2×10-3以下、最も好ましくは1.0×10-3以下である。バルク誘電正接は、0超えでよい。
ガラスクロスの誘電正接、バルク誘電正接、及びそれらの差は、理論に拘束されることを望まないが、例えば、ガラス糸表面に物理付着したサイジング剤の、熱酸化劣化物の残存及び発生を抑制するようにサイジング剤を選択する;ガラスクロス製造プロセスにおいて、加熱脱油(加熱脱糊)工程等の条件を最適化する;等によって、上記の数値範囲内に調整されることが考えられる。
〔ガラスクロスの誘電正接〕
ガラスクロスの誘電特性は、共振法を用いて測定することができる。共振法を用いた好ましい測定機器としては、スプリットシリンダー共振器が挙げられる。共振法によれば、測定サンプルとしてのプリント配線板を作製して誘電特性を評価する従来の測定方法と比べて、簡便かつ精度よく測定することができる。この理由としては、理論に限定されないが、共振法は高周波数領域での低損失材料を評価することに適しているためである。共振法以外の誘電特性の評価法としては、例えば、集中定数法又は反射伝送法が知られている。他方、集中定数法では、測定試料を2枚の電極で挟んでコンデンサを形成する必要があるため、オペレーションが煩雑である。また、反射伝送法では、低損失材料を評価する場合、ポートのマッチング特性の影響が表れ易く、そのため、試料の誘電正接を高精度に評価することが困難になり易い。
プリント配線板、特に、高速通信用のプリント配線板に適用可能な、本実施形態に係るガラスクロスの誘電特性を測定するにあたり、その測定機器の測定可能範囲は、周波数誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)ともに、好適な範囲であることが好ましい。例えば、Dkは、好ましくは1.1Fm-1以上50Fm-1以下、より好ましくは1.5Fm-1以上10Fm-1以下、更に好ましくは2.0Fm-1以上5Fm-1以下である。また、Dfは、0超えでよく、好ましくは1.0×10-6以上1.0×10-1以下、より好ましくは1.0×10-5以上5.0×10-1以下、更に好ましくは5.0×10-5以上1.0×10-2以下である。
測定機器の測定可能な周波数は、好ましくは10GHz以上である。周波数が10GHz以上であれば、高速通信用のプリント配線板のガラスクロスとして実際に使用される場合に想定される周波数帯領域での特性評価を行うことが可能である。
測定面積は、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、更に好ましくは20mm以上である。より大面積でガラスクロスの誘電特性を測定することで、ガラスクロスに対する検査結果の信頼性を高め易い。
測定可能なサンプルの厚みは、好ましくは3μm以上300μm以下、より好ましくは5μm以上200μm以下、更に好ましくは7μm以上150μm以下である。これによれば、ガラスクロスに対する検査結果の信頼性を高め易い。
バルク誘電正接から、ガラスクロスの誘電正接にある程度見当をつけることが可能であり、その逆も可能である。他方、バルク誘電正接に対して、ガラスクロスの誘電正接に差が生じる場合がある。この差の要因は、理論に拘束されることを望まないが、例えば、ガラス糸の表面に物理付着したサイジング剤の熱酸化物、及び/又はその劣化物の発生、が挙げられる。従って、サイジング剤の種類の選択、ガラスクロスの製造プロセスにおける各種条件の最適化、等により、ガラスクロスの誘電正接を上記範囲内に制御可能である。
加熱脱油後のガラスクロスは、上記共振法で測定した、10GHzにおける誘電正接が、好ましくは0.0009以下(例えば、0.00090以下)である。このようなガラスクロスであれば、誘電特性の向上を図ることができるプリプレグを提供し易い。
〔ガラスクロスの引張強度〕
ガラスクロスの経糸方向の引張強度は、好ましくは16N/25mm以上、より好ましくは18N/25mm以上、更に好ましくは20N/25mm以上である。ガラスクロスの経糸方向の引張強度が16N/25mm以上であると、ガラスクロス搬送時に加える張力を制御し易くなる。
〔加熱脱油後のガラスクロスの厚みあたりの経糸方向の引張強度〕
加熱脱油後のガラスクロスの厚みあたりの経糸方向の引張強度(N/25mm/μm)は、好ましくは0.52以上、より好ましくは0.54以上、更に好ましくは0.56以上、より更に好ましくは0.58以上、特に好ましくは0.60以上である。この値が0.52以上であると、ガラスクロス搬送時に張力を十分に掛け易く、よって、シワ、及び/又は設備等への予期せぬ接触による傷等が発生し難くなる。ガラスクロスの厚みあたりの経糸方向の引張強度は、6.0以下、5.0以下、4.0以下、3.0以下、又は2.0以下でよい。なお、300℃以上の加熱処理(一例では、600℃以上1500℃以下の温度範囲であり、また、具体的な加熱処理条件として、例えば、実施例に記載の条件が採用されてよい)に供され、そして強熱減量値が0.07質量%未満であるガラスクロスが、上記「加熱脱油後のガラスクロス」に相当する。従って、ガラスクロスの強熱減量値が0.07質量%以上であるガラスクロスは、加熱脱油前のガラスクロスとして扱われる。強熱減量値が0.07質量%以上であれば、ガラス糸にサイジング剤が残っている状態として扱われ、すなわち、加熱脱油は完了していない、として扱われる。サイジング剤の加熱残留物の量はガラスクロスの絶縁信頼性に影響を与えるため、加熱処理後のガラスクロスの強熱減量値は、好ましくは0.06質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下である。
〔加熱脱油後のガラスクロスの誘電正接〕
加熱脱油後のガラスクロスの10GHzにおける誘電正接は、0.00090以下が好ましく、0.00080以下がより好ましく、0.00070以下がさらに好ましく、0.00060以下がよりさらに好ましく、0.00050以下が特に好ましい。誘電正接が0.00090以下であれば、プリント配線基板の誘電特性を向上させ易い。10GHzにおける誘電正接が、0.00045以下、0.00040以下、0.00035以下、0.00033以下、又は0.00030以下であれば、誘電特性の向上をより図り易い。
[ガラスクロスの製造方法]
本実施形態に係るガラスクロスの製造方法は、ガラス表面に付着するNaイオン、及び/又はMgイオン量を低減する工程を含んでよい。該工程は、ガラス糸に適用でき、また、ガラスクロスにも適用できる。言い換えれば、ガラス糸を製織してガラスクロスを得る工程は、ガラス糸を製織する工程の前に設けられてもよく、その工程の途中に設けられてもよく、その工程の後に設けられてもよい。上記工程において「低減」とは、例えば、サイジング剤又は付着イオンの少なくとも一部を取り除く趣旨であって、除去しきれなかった残存物の発生が許容される。また、本実施形態のガラスクロスの製造方法は、ガラスクロスを加熱脱油処理する工程を含んでよい。
〔ガラスクロスの加熱脱油方法〕
本実施形態のガラスクロスの加熱脱油方法では、Si含量がSiO換算で95.0質量%以上100質量%以下のガラス糸から構成されるガラスクロスを、600℃以上の温度で加熱脱油してよい。これにより、ガラスクロスの誘電正接を下げ易い。本発明の効果を好適に得る観点から、加熱脱油の温度は、好ましくは600℃以上1500℃以下、より好ましくは800℃以上1300℃以下、更に好ましくは900℃以上1100℃以下である。加熱脱油温度が600℃以上であれば、ガラスクロスに付着する糊剤の残留物等を十分に除去し易いため、ガラスクロスの誘電正接を下げ易い。他方、加熱脱油温度が1500℃以下であれば、ガラスの失透現象を抑制し易くなり、ガラスクロスの強度低下を効果的に防ぐことが可能になる。
加熱脱油における加熱時間は、適宜選択でき、例えば、好ましくは3秒以上72時間以下、より好ましくは3秒以上12時間以下、更に好ましくは3秒以上2時間以下、特に好ましくは3秒以上10分以下、特に好ましくは3秒以上300秒以下である。
また、上記有機物の除去のし易さの観点から、ガラスクロスを加熱する際の酸素濃度は、10%以上が好ましく、より好ましくは12%以上、さらに好ましくは13%以上、特に好ましくは15%以上である。酸素濃度は、加熱炉内で生成したガスを排出しながら、空気循環手段によって10%以上に調整されることができる。
加熱脱油における加熱手段は、加熱脱油温度を好適に制御できる手法であれば、既知の加熱方法、加熱媒体、加熱機構、加熱装置、及び加熱部品等を用いることができ、例えば、(1)加熱炉内でガラスクロスを加熱する手法、(2)加熱部にガラスクロスを接触させる手法、(3)高温蒸気をガラスクロスに当てる手法、等でよい。加熱脱油温度が600℃以上となるようにガラスクロスを加熱することで、ガラスクロス表面に付着している有機物を効率よく除去したり、有機物の除去時間を短縮したりし易い。加熱は、逐次的若しくは連続的に、閉鎖系若しくは開放系で、行われることができ、又は閉鎖系と開放系を組み合わせて行われることができる。
閉鎖系の場合には、加熱手段による好適な加熱の観点から、ガラスクロスを加熱炉内に配置することが好ましく、かつ/又は貯蔵スペース及び加熱範囲の観点から、ガラスクロスを巻物の状態で貯蔵しながら加熱することが好ましい。また、有機物の除去効率を上げたり、有機物の除去時間を短縮したりするという観点から、加熱炉内でガラスクロスを搬送しながら加熱することも好ましい。
開放系の場合には、被加熱面積の観点から、ガラスクロスをRoll-to-Rollで搬送させながら加熱することが好ましい。ガラスクロスの搬送は、例えば、巻出機構と巻取機構により行われることができる。
〔加熱炉〕
加熱炉の加熱手段としては、電気式ヒーター、バーナー等、種々のものが挙げられ、ガス式シングルラジアントチューブバーナー又は電気式ヒーターが好ましい。複数の手段を組み合わせて加熱をしてよい。ガラスクロスを酸素濃度10%以上の雰囲気下で加熱することが好ましく、そのためには、ガス式シングルラジアントチューブバーナー、もしくは、電気式ヒーターを用いることが好ましい。
加熱炉は、加熱効率の観点から、加熱炉内で生成したガスを排出する手段、及び/又は空気循環手段を備えることが好ましい。ガス排出手段は、ノズル、ガス管、小穴、ガス抜き弁等でよい。空気循環手段は、ファン、空気調和設備等でよい。
また、ガラスクロス表面に付着している有機物を効率よく除去するため、ガラス繊維織物を巻芯に巻いて、所定の雰囲気温度でガラスクロスを加熱するバッチ方式よりも、ガラスクロスを連続的に加熱炉に通しながら加熱すること(例えば、ガラスクロスをRoll-to-Rollで搬送させながら加熱すること)が可能な連続方式が好ましい。更には、逆浸透(RO)水、イオン交換水、蒸留水といったアルカリ金属イオン又は/およびアルカリ土類金属イオンの含有量が少ない溶媒によるガラスクロスの洗浄を連続で行えるような方式が最も好ましい。特に、含有されているアルカリ金属イオンおよび/又はアルカリ土類金属イオン量がより少ないという観点から、イオン交換水又は蒸留水での洗浄が最も好ましい。
〔ガラスクロスを加熱するための接触部材〕
ガラスクロスを加熱する方法として、上記加熱炉を使用してもよいが、低ランニングコストの観点から、所定の温度に加熱した部材と、ガラスクロスと、を接触させることで、ガラスクロスを加熱してもよい。
加熱脱油温度を好適に制御しながら加熱できれば、接触部材の形状は特に限定されないが、ガラスクロスの搬送のし易さから、ロール形状が好ましい。ロール形状でガラスクロスを加熱することが可能な部材としては、高温領域での使用が可能で、幅方向の温度のばらつきが比較的少ない、誘導発熱方式で加温するロールが好ましい。接触部材でガラスクロスを加熱するときには、接触部材の温度とガラスクロスの表面温度が概ね等しいことが考えられる。
また、ガラスクロスを連続加熱するにつれ、加熱ロールに付着する炭化物を除去するために、上記加熱ロール方式は、付着した異物を除去する機構、例えば、ブレード等の機構を備えた方式であることが好ましい。
〔ガラスクロス表面に付着するイオン量の低減のための工程〕
発明者らが鋭意検討した結果、ガラスクロス表面に付着しているNaイオン量及び/又はMgイオン量が所定の範囲内に制御されるとき、高温でガラスクロスを加熱脱油しても、石英ガラスの失透現象による、ガラスクロスの引張強度の著しい低下を抑制できることを見出した。また、失透現象を抑制するため、加熱脱油前に、Naイオン量及び/又はMgイオン量が少ない溶媒によってガラスクロスを洗浄すると、ガラス表面のNaイオン量及び/又はMgイオン量が低下するので、高温で加熱脱油しても石英ガラスの失透現象を抑制することが可能であることを見出した。加熱脱油後のガラスクロスの強度を維持することで、その後の加工工程での張力制御が容易になり、その結果、切断等を抑制できる。
本発明の効果を好適に得る観点から、ガラスクロスの洗浄に使用する溶媒は、以下にその範囲を示すような、Naイオン量及び/又はMgイオン量が所定量に制御された溶媒であることが好ましい。
ここで、ガラスクロス表面に付着するイオン量についての数値(ppm)は、ガラスクロス質量を基準としたイオン量を示し、また、洗浄液のイオン量についての数値(ppm)は、洗浄液質量を基準としたイオン量を示す。所定のNaイオン濃度、及び/又は所定のMgイオン濃度の洗浄液でガラスクロスを洗浄することにより、ガラスクロス表面の上記イオンを洗浄液に移行させることができ、また、洗浄液の上記イオンをガラスクロス表面に移行、及び付着させることができる。
洗浄に使用する溶媒のNaイオン量は、好ましくは20ppm以下、より好ましくは15ppm以下、更に好ましくは12ppm以下、より更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは7ppm以下、最も好ましくは1.5ppm以下である。洗浄液のNaイオン量が20ppm以下であれば、ガラスクロス表面に付着するNaイオン量を低減し易く、これにより、高温(例えば、600℃以上1500℃以下)で加熱脱油したときの石英ガラスの失透現象を抑制し易くなって、その結果、ガラスクロスの引張強度を確保し易い。
洗浄に使用する溶媒のMgイオン量は、好ましくは18ppm以下、より好ましくは12ppm以下、更に好ましくは8ppm以下、より更に好ましくは6ppm以下、特に好ましくは3ppm以下、最も好ましくは1ppm以下である。洗浄液のMgイオン量が18ppm以下であれば、ガラスクロス表面に付着するMgイオン量を低減し易く、これにより、高温(例えば、600℃以上1500℃以下)で加熱脱油したときの石英ガラスの失透現象を抑制し易くなって、その結果、ガラスクロスの引張強度を確保し易い。
本発明の効果を好適に得る観点から、ガラスクロスの洗浄に使用する溶媒は、以下にその範囲を示すような、SOイオン量が所定量に制御された溶媒であることが好ましい。
所定のSOイオン濃度の洗浄液でガラスクロスを洗浄することにより、ガラスクロス表面の上記イオンを洗浄液に移行させることができ、また、洗浄液の上記イオンをガラスクロス表面に移行、及び付着させることができる。
洗浄に使用する溶媒のSOイオン量は、好ましくは18ppm以下、より好ましくは12ppm以下、更に好ましくは8ppm以下、特に好ましくは6ppm以下、最も好ましくは3ppm以下である。洗浄液のSOイオン量が18ppm以下であれば、ガラスクロス表面に付着するSOイオン量を低減し易く、これにより、高温(例えば、600℃以上1500℃以下)で加熱脱油したときの石英ガラスの失透現象を抑制し易くなって、その結果、ガラスクロスの引張強度を確保し易い。
ガラスクロス表面に付着するイオン量の低減のためにガラスを洗浄する手段は、ガラス表面のNaイオン及び/又はMgイオンを低減でき、好ましくはSOイオンを更に低減できる方法でよい。例えば、超音波を用いる手法(例えば、超音波振動子を用いる手法)、スプレーによる噴射(例えば、高圧スプレーによる噴射)、水蒸気噴霧等の方法が考えられる。安価に加工できるという観点から、洗浄液(Naイオン量が20ppm以下の溶媒及び/又はMgイオン量が18ppm以下の溶媒、好ましくはSOイオン量が18ppm以下の溶媒)を貯めた槽にガラスを浸漬した後に、スクイズローラ等で余分な洗浄液を除去し、その後にガラスを乾燥させる方法が好ましい。この場合、浸漬時間としては、例えば、2秒以上、5秒以上、10秒以上、15秒以上又は120秒以下、90秒以下、60秒以下、45秒以下でよい。
溶媒としては、水が好ましく、Naイオン量が20ppm以下及び/又はMgイオン量が18ppm以下の水、好ましくはSOイオン量も18ppm以下の水の製造方法は、既知の製造方法でよい。例えば、RO膜を用いたろ過、イオン交換樹脂を用いた脱イオン化、蒸留等の方法が考えられる。洗浄に使用する溶媒は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他の液体成分(水以外の液体;等)を含んでよい。また、溶媒は、低級アルコール(メタノール等)であってもよく、また、水と低級アルコールとの混合液であってもよい。
〔ガラスクロスの加熱脱油装置〕
本実施形態のガラスクロスの加熱脱油方法を実現するための、一態様の装置は、下記の構成:
巻出機構と、
巻取機構と、
巻出機構及び巻取機構の間に配され、ガラスクロスを加熱する工程を実行可能な加熱炉と、
加熱脱油処理の前にガラスクロスを搬送させながら、ガラスクロスを洗浄し、ガラス表面中のNaイオン及び/又はMgイオン、好ましくはSOイオンを低減する工程を実行可能な水洗槽と、を含む加熱脱油装置、
とされることができる。加熱炉は、好ましくは、600℃以上1500℃以下の温度でガラスクロスを加熱脱油することができる。
巻出機構と巻取機構は、例えば、少なくとも一対のロール、Roll tо Roll方式等でよい。加熱炉、空気循環手段、および接触部材は、ガラスクロスの製造方法において説明されたとおりである。
ガラスクロスの開繊工程での開繊方法としては、例えば、ガラスクロスを、スプレー水(高圧水開繊)、バイブロウォッシャー、超音波水又はマングル等で開繊加工する方法を採用できる。この開繊加工時に、ガラスクロスに掛かる張力を下げることにより、通気度をより小さくすることができる傾向にある。なお、開繊加工によるガラスクロスの引張強度の低下を抑えるため、ガラス糸を製織する際の接触部材との低摩擦化、及び集束剤の最適化並びに高付着量化、等の対策を施すことが好ましい。
上記工程は、必ずしも別工程で行われる必要はなく、複数の工程を1工程にまとめて行うこともできる。例えば、洗浄工程を製織工程後に行う場合には、洗浄工程に高圧水スプレー等を用いることで、開繊工程を兼ねることができる。開繊前後ではガラスクロスの組成は通常変化しない場合が多い。また、ガラスクロスの製造方法は、上記工程以外においても任意の工程を有することができる。例えば、開繊工程後に、スリット加工工程を有することができる。また、可能であれば、上記工程の順番は入れ替えることができる。
本発明を実施例及び比較例によって説明する。
〔ガラスクロスの厚みの測定方法〕
JIS R 3420の7.10に準拠して、ガラスクロスの厚みを求めた。具体的には、マイクロメータを用いて、スピンドルを静かに回転させてサンプルの測定面に平行に軽く接触させた。そして、ラチェットが3回音を立てた後の目盛を読み取った。なお、JIS R 3420の7.10には、ガラスクロス等のクロス製品の一般試験方法が規定されている。
〔目付量(クロスの質量)の測定方法〕
クロスを所定のサイズにカットし、その質量をサンプル面積で除することで求めた。本実施例では、ガラスクロスを10cmのサイズに切り出し、その質量を測定することで、各ガラスクロスの目付量を求めた。
〔換算厚みの測定方法〕
ガラスクロスは、ガラス繊維の間に空気が存在する、不連続の面状体である。そのため、各ガラスクロスの目付量(クロスの質量)をガラスの密度で除することで、換算厚みを算出した。具体的に、下記式:
換算厚み(μm)=目付量(g/m)÷密度(g/cm
により、換算厚みを算出した。この換算厚みの値を、共振法での測定に用いた。
〔誘電正接の測定方法〕
IEC 62562に準拠して、各ガラスクロスの10GHzにおける誘電正接を求めた。具体的には、スプリットシリンダー共振器での測定に必要なサイズにサンプリングしたガラスクロスのサンプルを、23℃,50%RHの恒温恒湿オーブンに8時間以上保管した。そして、保管後のサンプルに対して、スプリットシリンダー共振器(EMラボ社製)及びインピーダンスアナライザー(Agilent Technologies社製)を用いて誘電特性を測定した。測定は、各サンプルで5回実施し、その平均値を求めた。各サンプルの厚みとして、上記換算厚みを用いた。同様に、各ガラスクロスと同様の組成を有する厚み300μm以下のガラス板を用意して、該ガラス板の厚み測定から得られた厚み値から、バルク誘電正接も測定した。なお、IEC 62562は、主に、マイクロ波回路に用いるファインセラミックス材料の、マイクロ波帯における誘電特性の測定方法が規定されている。
〔ガラスクロスの強熱減量値の測定方法〕
JIS R3420に準拠して、ガラスクロスの強熱減量値を求めた。
〔ガラスクロスの引張強度〕
JIS R3420に準拠して、ガラスクロスの経糸方向の引張試験を5回行い、その平均値を経糸方向の引張強度として扱った。
〔ガラスクロスの厚みあたりの経糸方向の引張強度〕
ガラスクロスの厚みと、経糸方向の引張強度と、を用いて、下記式:
ガラスクロスの経糸方向の引張強度(N/25mm)/ガラスクロスの厚み(μm)
から、ガラスクロスの厚みあたりの経糸方向の引張強度を求めた。
〔洗浄液における、Naイオン量、Mgイオン量、SOイオン量の測定〕
加熱脱油前にガラスクロスを洗浄する洗浄液における、Naイオン量、Mgイオン量、SOイオン量を、イオンクロマトグラフを用いて測定した。
<前処理条件>
適宜蒸留水で希釈して試料調整を行った。
<カチオン イオンクロマト条件>
装置:Tosoh,IC-2010
分離カラム:Tosoh,TSKgel-Super IC-Cation/P(4.6mm×150mm)
分離液:2.5mM HNO+0.5mM L-ヒスチジン
流速:1.0mL/min
検出:電気伝導度
カラム温度:40℃
注入量:30μL
<アニオン イオンクロマト条件>
装置:Tosoh,IC-2010
分離カラム:Tosoh,TSKgel-Super IC-AZ(4.6mm×150mm)
溶離液:6.3mM NaHCO+1.7mM NaCO
流速:0.8mL/min
検出:電気伝導度
カラム温度:40℃
注入量:30μL
〔加熱脱油前のガラスクロス表面に付着している、Naイオン量、Mgイオン量、SOイオン量の測定〕
加熱脱油前のガラスクロス(生機クロス)表面に付着している、Naイオン量、Mgイオン量、SOイオン量を、イオンクロマトグラフを用いて測定した。
<前処理条件>
18cm×7cmにカットしたガラスクロスをクリーンボトル(和歌山CIC研究所製クリーンパック グッドボーイ100ml(SCC:超純水洗浄処理済み)、アズワン品番:7―2214―01)に入れた。次いで、常温の蒸留水10mlに浸漬し、そして超音波を30分照射した。その後、20℃~25℃(例えば、23℃)の室温下で終夜静置して、その後に遠心分離(12000rpm×15分)した。そして、ガラスクロス由来の異物を除去した上澄み液を試料として扱った。また、ガラスクロスを入れずに同様の操作を行った場合の上澄み液をブランクとした。
なお、ガラスクロス表面に付着しているNaイオン量、Mgイオン量、SOイオン量(ppm)は、以下の式を用いて求めた。
ガラスクロス表面に付着している各イオン量(ppm)=(ガラスクロスを入れた上澄み液の各イオン量(μg/ml)―ブランクの上澄み液の各イオン量(μg/ml))×10(ml)/ガラスクロス質量(g)
<カチオン イオンクロマト条件>
装置:Tosoh,IC-2010
分離カラム:Tosoh,TSKgel-Super IC-Cation/P(4.6mm×150mm)
溶離液:2.5mM HNO+0.5mM L-ヒスチジン
流速:1.0mL/min
検出:電気伝導度
カラム温度:40℃
注入量:30μL
<アニオン イオンクロマト条件>
装置:Tosoh,IC-2010
分離カラム:Tosoh,TSKgel-Super IC-AZ(4.6mm×150mm)
溶離液:6.3mM NaHCO+1.7mM NaCO
流速:0.8mL/min
検出:電気伝導度
カラム温度:40℃
注入量:30μL
〔サイジング剤A:澱粉系〕
生機クロスを作製するガラス糸に、以下の手順で、澱粉を主成分とするサイジング剤Aを付着させた。
ハイアミロース型エーテル化トウモロコシ澱粉を2kg、通常型エステル化低粘度化トウモロコシ澱粉を2kg秤量し、80kgの水に分散した。これを加熱昇温し、95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却し、A液を得た。別に、あらかじめ加熱溶解しておいた水素添加植物油700g、パラフィンワックス700g、及び乳化剤(ポリオキシエチレンポリプロピレンエーテル)200gを秤量し、ホモミキサーで攪拌しつつ熱湯を加えて、5分間攪拌を続けてから熱湯で希釈し4kgとし、B液を得た。また、別容器にテトラエチレンペンタミンとステアリン酸との縮合物の酢酸活性化物を200g秤量し、熱湯を加えて3kgとし、C液を得た。更に、オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェート150g(商品名:カチオーゲンESO、第一工業製薬(株)製)を、水で3倍に薄め、D液を得た。ホルマリンは33g(純分100%換算)秤量し、10倍に薄め、E液を得た。65℃のA液に、B液、C液、D液及びE液を順次加えた後、湯を加えて総重量100kgとし、サイジング剤Aを得た。60℃で保温したサイジング剤Aを、ガラス糸に付着させた。
〔サイジング剤B:ポリビニルアルコール樹脂〕
生機クロスを作製するガラス糸に、以下の手順で、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂を主成分とするサイジング剤Bを付着させた。
PVA(商品名:PVA403、クラレ(株)製)の濃度が5%の水溶液を作製し、この水溶液に潤滑剤として水添ヒマシ油2%を配合し、サイジング剤Bを得た。60℃で保温したサイジング剤Bを、ガラス糸に付着させた。
〔サイジング剤C:ポリウレタン樹脂〕
生機クロスを作製するガラス糸に、以下の手順で、ポリウレタン樹脂を主成分とするサイジング剤Cを付着させた。
平均分子量10,000のポリエチレングリコールに、トリレンジイソシアネートを反応比NCO/OH=0.85で加え、150℃で5時間加熱して水溶性ポリウレタンを得た。この水溶性ポリウレタンの濃度が5%水溶液を作製し、サイジング剤Cを得た。60℃で保温したサイジング剤Cを、ガラス糸に付着させた。
〔サイジング剤D:エポキシ樹脂〕
生機クロスを作製するガラス糸に、以下の手順で、エポキシ樹脂を主成分とするサイジング剤Dを付着させた。
γ-アミノプロピルトリエトキシシラン1.0wt%重量%、エポキシ樹脂(エポキシ当量1900)6.0wt%、植物系ワックス0.3wt%、水92.7wt%を混同し、これらから成るサイジング剤Dを得た。60℃で保温したサイジング剤Dを、ガラス糸に付着させた。
〔Q1035(生機クロス)の製造〕
SiO組成量が99.9質量%よりも多いガラス糸を用いて、エアジェットルームを用い、経糸66本/25mm、緯糸68本/25mmの織密度でクロスを製織した。なお、クロス幅は1300mmとなるように製織を行った。経糸として、平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用した。また、緯糸として、平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数100本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用した。
〔Q1078(生機クロス)の製造〕
SiO組成量が99.9質量%よりも多いガラス糸を用いて、エアジェットルームを用い、経糸54本/25mm、緯糸54本/25mmの織密度でクロスを製織した。なお、クロス幅は1300mmとなるように製織を行った。経糸として、平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数200本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用した。また、緯糸として、平均フィラメント径5.0μm、フィラメント数200本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用した。
〔Q1017(生機クロス)の製造〕
SiO組成量が99.9質量%よりも多いガラス糸を用いて、エアジェットルームを用い、経糸95本/25mm、緯糸95本/25mmの織密度でクロスを製織した。なお、クロス幅は1300mmとなるように製織を行った。経糸として、平均フィラメント径4.0μm、フィラメント数50本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用した。また、緯糸として、平均フィラメント径4.0μm、フィラメント数50本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用した。
〔Q2116生機クロスの製造〕
SiO組成量が99.9質量%よりも多いガラス糸を用いて、エアジェットルームを用い、経糸60本/25mm、緯糸58本/25mmの織密度でクロスを製織した。なお、クロス幅は1300mmとなるように製織を行った。経糸として、平均フィラメント径7.0μm、フィラメント数200本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用した。また、緯糸として、平均フィラメント径7.0μm、フィラメント数200本、撚り数1.0Zのシリカガラスの糸を使用した。
〔洗浄液におけるイオン量〕
洗浄液における、Naイオン量、Mgイオン量、SOイオン量は、下表のとおりである。
(実施例1)
サイジング剤Aを付着させたガラス糸を用いて、Q1035生機クロスを得た。洗浄水1を貯留した水槽に、得られた上記クロスを20秒間浸漬するライン速度で搬送させながら、ガラス表面に付着しているイオンを洗浄し(脱油前洗浄工程)、これにより、実施例1のガラスクロスを得た。
その後、同一ライン上に設けている加熱炉で、酸素濃度20%の雰囲気下、800℃で30秒加熱し、実施例1のガラスクロスの脱油を行った(加熱脱油工程)。
(実施例2)~(実施例20)
表に記載の条件(生機クロス等を含む)に変更した以外は、実施例1と同様の手法で、実施例2~20のガラスクロスを得た。
なお、実施例16では、洗浄液としてメタノールを用いた。
(比較例1)~(比較例8)
表に記載の条件に変更した以外は、実施例1と同様の手法で比較例2~8のガラスクロスを得た。
実施例及び比較例に関する製造条件、及び評価結果を下表に示す。

Claims (8)

  1. ガラス糸を製織して成るガラスクロスであって、
    前記ガラス糸における、ケイ素(Si)含有量が、二酸化ケイ素(SiO)換算で95.0質量%以上100質量%以下であり、
    前記ガラス糸がサイジング剤で表面処理されており、
    前記ガラスクロスの強熱減量値が0.07質量%以上5.0質量%以下であり、
    前記ガラスクロス表面に付着するナトリウム(Na)イオン量が0以上15ppm以下、かつ、前記ガラスクロス表面に付着するマグネシウム(Mg)イオン量が0以上8ppm以下である、
    ガラスクロス。
  2. 前記ガラスクロス表面に付着する硫酸(SO)イオン量が0以上12ppm以下である、請求項1に記載のガラスクロス。
  3. 前記サイジング剤は、澱粉、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂から成る群から選択される少なくとも1つを主成分として含む、請求項1又は2に記載のガラスクロス。
  4. 前記ガラスクロスの厚みが0超え60μm以下である、請求項1又は2に記載のガラスクロス。
  5. サイジング剤が付着した、かつ、ガラスクロスを構成するガラス糸における、ケイ素(Si)含有量が、二酸化ケイ素(SiO )換算で95.0質量%以上100質量%以下である、該ガラスクロスを用意し、そして
    前記ガラスクロス表面に付着するナトリウム(Na)イオン量が15ppm以下、かつ、マグネシウム(Mg)イオン量が8ppm以下のガラスクロスを加熱脱油する工程を含む、ガラスクロスの加熱脱油方法。
  6. 600℃以上1500℃以下で前記加熱脱油する工程を含む、請求項5に記載のガラスクロスの加熱脱油方法。
  7. Roll-to-Rollで搬送しながら、前記ガラスクロスを前記加熱脱油する工程を含む、請求項5又は6に記載のガラスクロスの加熱脱油方法。
  8. サイジング剤が付着した、かつ、ガラスクロスを構成するガラス糸における、ケイ素(Si)含有量が、二酸化ケイ素(SiO )換算で95.0質量%以上100質量%以下である、該ガラスクロスを用意し、そして
    前記ガラスクロス表面に付着するナトリウム(Na)イオン量が15ppm以下、かつ、マグネシウム(Mg)イオン量が8ppm以下のガラスクロスを加熱脱油する工程を含む、ガラスクロスの製造方法。
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