JP2023080023A - 表面処理ガラスクロス、プリプレグ及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】柔らかい風合いを維持しながら、絶縁信頼性(白化距離)を改善することができる表面処理ガラスクロス、プリプレグ、及び、プリント配線板を提供する。【解決手段】本発明の表面処理ガラスクロスは、ガラスクロスの表面に表面処理層を備え、表面処理層は(メタ)アクリロイル基を含む第一のシランカップリング剤と少なくとも1つのアンモニウムカチオンを含む第二のシランカップリング剤とを含み、第一のシランカップリング剤の量をMモルとし、第二のシランカップリング剤の量をCモルとするときに、M/Cが3.2~60.1であり、ガラスクロスの全質量に対する、表面処理層に含まれる炭素質量Tcが0.034~0.505質量%であり、前記表面処理層の最大高さ平均Hが2.0~7.8nmである。【選択図】 なし
Description
本発明は、表面処理ガラスクロス、プリプレグ及びプリント配線板に関する。
従来、プリント配線板に用いられるガラスクロスとして、樹脂との密着性を向上させるために分子量が異なる2種類以上のシランカップリング剤を用いて表面処理を施したガラスクロスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、近年、電子機器の小型化、薄型化によりプリント配線板のさらなる絶縁信頼性向上が要求されており、従来の表面処理では十分な絶縁信頼性を得ることができないという不都合がある。また、前記シランカップリング剤の塗布後の乾燥工程において、表面処理ガラスクロスの表面処理層の状態によっては、ガラスクロスの風合いが硬くなり、表面処理剤水溶液塗布後の乾燥工程においてシワが入りやすいという不都合がある。
そこで、本発明は、前記不都合を解消して、柔らかい風合いを維持しながら、絶縁信頼性(白化距離指数)を改善することができる表面処理ガラスクロス、該表面処理ガラスクロスを用いるプリプレグ、及び、該表面処理ガラスクロスを用いるプリント配線板を提供することを目的とする。
従来、表面処理ガラスクロスの表面処理層の状態は、そのシランカップリング剤の種類と、付着量のみで議論されている。本発明者らは、表面処理ガラスクロスの表面処理層の状態について、鋭意検討を重ねた結果、アミノ基を有するシランカップリング剤と(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤のブレンド比を特定の範囲とし、さらに、表面処理ガラスクロスの表面に付着した成分量と表面高さを、特定の範囲内に制御することが、柔らかい風合いを維持しながら、絶縁信頼性(白化距離指数)を改善するに効果があることを見出し、本発明に到達した。
ここで、前記白化距離指数とは、前記表面処理層におけるガラスクロスと樹脂との間の界面剥離の程度を示す指標である。従って、前記白化距離指数が小さいほど、プリント配線板の絶縁信頼性が高くなる。
そこで、本発明の表面処理ガラスクロスは、前記目的を達成するために、ガラスクロスの表面に表面処理層を備える表面処理ガラスクロスであって、前記表面処理層は第一のシランカップリング剤と第二のシランカップリング剤とを含み、前記第一のシランカップリング剤は(メタ)アクリロイル基を含むシランカップリング剤であり、前記第二のシランカップリング剤は少なくとも1つのアンモニウムカチオンを含むシランカップリング剤であり、前記表面処理層に含まれる第一のシランカップリング剤の量をM(mol)とし、第二のシランカップリング剤の量をC(mol)とするときに、M/Cが3.2~60.1の範囲の数値であり、前記ガラスクロスの全質量に対する、前記表面処理層に含まれる炭素質量Tcの割合が0.034~0.505質量%の範囲であり、前記表面処理層の最大高さ平均Hが2.0~7.8nmの範囲であることを特徴とする。
本発明の表面処理ガラスクロスは、前記構成を備えることにより、柔らかい風合いを維持しながら、絶縁信頼性(白化距離指数)を改善することができる。ここで、柔らかい風合いとは、JIS L 1096のスライド法による剛軟性試験に準拠して前記表面処理ガラスクロスの風合いを測定したときに、移動距離が13.2cm以上であることをいう。前記風合いは、前記表面処理ガラスクロスを170mm×20mmにカットして、風合い測定用ガラスクロス片とし、JIS L 1096のスライド法による剛軟性試験に準拠して、前記風合い測定用ガラスクロス片の短辺の一端を長辺方向に30mm水平台に固定し、その他の部分を自由端として、水平台と上面が一致した移動台に乗せ、水平台上面を基準として、移動台を降下させ、自由端の先端中央部が移動台から離れるまでの移動距離を測定することにより評価することができる。前記移動台の移動距離はガラスクロスの風合いと相関性があり、移動距離が短いほど風合いが固い。
また、絶縁信頼性(白化距離指数)を改善するとは、白化距離指数が0.80以下であることを意味する。前記白化距離指数は、次のようにして算出することができる。
まず、本発明の表面処理ガラスクロスを350mm×400mmにカットして、表面処理ガラスクロス片とし、前記表面処理ガラスクロス片を、変性ポリフェニレンエーテル樹脂ワニスに浸漬し、150℃の温度で10分間予備乾燥して、プリプレグを得る。次に、前記プリプレグを4枚積層し、上下にセロハンフィルムを重ね、真空ホットプレスを用いて205℃、18kgf/cm2の条件下、真空中で1時間加熱加圧して板厚が約0.3mmの積層板を得る。次に、前記積層板から、縦と横にそれぞれ長さ2.5cmのスリットの入った6cm×4cmの試験片を切り出し、該試験片を60℃の温度に加熱した1mol/LのNaOH水溶液中に24時間浸漬した後、デジタルマイクロスコープを用いて50倍の倍率で経糸方向と緯糸方向への樹脂とガラスとの間の界面剥離による白化距離を、経糸方向、緯糸方向をそれぞれ15点測定し、平均値を白化距離とする。
次に、シランカップリング剤として、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用いる以外は、本発明と全く同一にして比較用積層板を得る。次に、該比較用積層板を用いる以外は本発明と全く同一にして該比較用積層板の白化距離を算出する。
次に、本発明の積層板の白化距離を、前記比較用積層板の白化距離で除することにより、本発明の積層板の白化距離指数を算出する。
本発明の表面処理ガラスクロスによれば、前記M/Cが60.1超ではガラスクロスと樹脂との接着が不十分となる。また、前記M/Cが3.2未満であるとガラスクロスと樹脂との接着が不十分となる上、風合いが硬くなる。
また、本発明の表面処理ガラスクロスによれば、前記ガラスクロスの全質量に対する、前記表面処理層に含まれる前記炭素質量Tcの割合が0.505質量%超では表面処理ガラスクロス風合いが硬くなり、シワの原因となる。また、前記ガラスクロスの全質量に対する、前記表面処理層に含まれる前記炭素質量Tcの割合が0.034質量%未満ではガラスクロスと樹脂との密着性が不十分となる。
また、本発明の表面処理ガラスクロスによれば、前記表面処理層の最大高さ平均Hが7.8nm超では、前記ガラスクロスの表面に付着して前記表面処理層を形成する付着成分であるシランカップリング剤が塊状となり、前記表面処理層を均一に形成することができず、ガラスクロスと樹脂との界面接着性が低下する。また、前記表面処理層の最大高さ平均Hが2.0nm未満では、表面処理層の表面積が小さくなり、樹脂と表面処理層の接着面積が十分でなく、プリント配線板の絶縁信頼性を十分に改善することができない。
本発明の表面処理ガラスクロスにおいて、前記第二のシランカップリング剤は、第2級アンモニウムカチオン又は第3級アンモニウムカチオンを含むことが好ましく、第2級アンモニウムカチオンを含むことがより好ましい。
また、本発明の表面処理ガラスクロスでは、前記第二のシランカップリング剤中のアンモニウムカチオンが、無機酸のアニオンと塩を形成していることが好ましく、前記無機酸のアニオンとしては例えば塩化物イオンを挙げることができる。
前記アンモニウムカチオンが、無機酸のアニオンと塩を形成している前記第二のシランカップリング剤として、例えば、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン塩酸塩、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-アミノプロピルトリエトキシシラン塩酸塩、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン塩酸塩、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩からなる群から選択される、少なくとも1つのシランカップリング剤を挙げることができる。
また、本発明の表面処理ガラスクロスでは、前記M/C、Tc及びHが次式(1)を満たすことが好ましい。
0.017≦H×Tc/(M/C)≦0.159 ・・・(1)
0.017≦H×Tc/(M/C)≦0.159 ・・・(1)
本発明の表面処理ガラスクロスによれば、前記M/C、Tc及びHが前記式(1)を満たすことにより、柔らかい風合いを維持しながら、絶縁信頼性(白化距離指数)をより改善することができる。ここで、絶縁信頼性(白化距離指数)をより改善するとは、白化距離指数が0.70以下であることを意味する。
また、本発明の表面処理ガラスクロスでは、前記M/Cが6.4~21.4の範囲の数値であることが好ましい。本発明の表面処理ガラスクロスによれば、前記M/Cが6.4~21.4の範囲の数値であることにより、柔らかい風合いを維持しながら、絶縁信頼性(白化距離指数)をさらに改善することができる。ここで、絶縁信頼性(白化距離指数)をさらに改善するとは、白化距離指数が0.60以下であることを意味する。
また、本発明の表面処理ガラスクロスでは、前記ガラスクロスはガラスフィラメントからなる経糸と緯糸とを備え、前記ガラスフィラメントは、前記ガラスフィラメントの全量に対し、合計で0.0~20.0質量%の範囲のMgOと、CaOと、SrOとを含む組成を備え、前記経糸を構成するガラスフィラメントと前記緯糸を構成するガラスフィラメントとが等しい組成を備えることが好ましい。本発明の表面処理ガラスクロスによれば、前記ガラスフィラメントが、前記ガラスフィラメントの全量に対し、合計で20.0質量%以下の範囲のMgOと、CaOと、SrOとを含む組成を備えることにより、合計で20.0質量%超のMgOと、CaOと、SrOとを含む組成を備えるときに比較して、前記ガラスクロスの耐アルカリ性が低下し、シランカップリング剤による界面接着効果が相対的に大きくなる。したがって、本発明の表面処理ガラスクロスにおける前記表面処理層が第一のシランカップリング剤と第二のシランカップリング剤とを含む効果を相対的に大きくすることができると考えられる。
また、本発明のプリプレグ又はプリント配線板は、本発明の表面処理ガラスクロスを含むことを特徴とする。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の表面処理ガラスクロスは、ガラスクロスの表面に表面処理層を備え、前記表面処理層は第一のシランカップリング剤と第二のシランカップリング剤とを含み、前記第一のシランカップリング剤は(メタ)アクリロイル基を含むシランカップリング剤であり、前記第二のシランカップリング剤は少なくとも1つのアンモニウムカチオンを含むシランカップリング剤であり、前記表面処理層に含まれる第一のシランカップリング剤の量をMモルとし、第二のシランカップリング剤の量をCモルとするときに、M/Cが3.2~60.1の範囲の数値であり、前記ガラスクロスの全質量に対する、前記表面処理層に含まれる炭素質量Tcの割合が0.034~0.505質量%の範囲であり、前記表面処理層の最大高さ平均Hが2.0~7.8nmの範囲である。
本実施形態の表面処理ガラスクロスは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、所定のガラスバッチ(ガラス原材料)を溶融して繊維化することにより、ガラスフィラメントを得る。前記ガラスフィラメントのフィラメント径は、特に限定されないが、プリント配線板用途には、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましく、3~5μmの範囲であることが特に好ましい。
前記ガラスフィラメントは、例えば、25~500本の範囲、好ましくは40~300本の範囲の本数で、それ自体公知の方法により集束され、ガラス繊維糸とされる。なお、ガラスバッチを溶融し、繊維化してガラスフィラメントを得て、次いで、このガラスフィラメント複数本を集束してガラス繊維糸を得ることを紡糸という。
前記ガラス繊維糸の単位長さ当たりの質量は、0.8~135g/1000mの範囲であることが好ましく、1~25g/1000mの範囲であることがより好ましい。
次に、ガラス繊維糸を経糸又は緯糸として製織することによりガラスクロスを得る。前記製織の方法は、特に限定されないが、例えば、平織、朱子織、綾織等を挙げることができ、平織であることが好ましい。前記製織の際の前記ガラス繊維糸の織密度は、特に限定されないが、例えば、10~150本/25mmの範囲であることが好ましく、40~100本/25mmの範囲であることがより好ましい。
前記製織の際には、前記ガラスフィラメントを集束させ、ガラス繊維糸を保護するために、サイズ剤を用いることができる。前記サイズ剤としては、例えば、被膜形成剤成分がデンプン系又はPVA(ポリビニルアルコール)系であるサイズ剤を挙げることができる。前記サイズ剤は、油剤又は柔軟剤等を含んでもよい。
前記ガラスクロスにおける前記サイズ剤の付着量は、前記ガラス繊維糸100質量部に対して該サイズ剤の付着量が0.1~3質量部の範囲であることが好ましく、0.5~1.5質量部の範囲であることがより好ましい。なお、前記サイズ剤の付着量の範囲や特に指定しない場合のサイズ剤の付着量は、経糸又は緯糸に対するサイズ剤の付着量の平均を表したものである。
次に、前記ガラスクロスに対して開繊処理及び脱油処理を施す。前記開繊処理としては、例えば、水流圧力による開繊処理、液体を媒体とした高周波の振動による開繊処理、面圧を有する流体の圧力による開繊処理、ロールによる加圧での開繊処理等を挙げることができる。前記開繊処理の中では、水流圧力による開繊処理、又は液体を媒体とした高周波の振動による開繊処理を使用することが、経糸及び緯糸のそれぞれにおいて、開繊処理後の糸幅のバラツキが低減されるので好ましい。また、前記開繊処理は、複数の処理方法を併用してもよい。
また、前記脱油処理は、例えば、前記ガラスクロスを雰囲気温度が350~450℃の範囲の温度の加熱炉内に40~80時間の範囲の時間配置し、該ガラスクロスに付着しているサイズ剤を加熱分解することにより行うことができる。
次に、前記脱油処理が施されたガラスクロスを、表面処理剤水溶液に浸漬し、余分な水分を絞液した後、80~180℃の範囲の温度で、1~30分間の時間、例えば110℃で5分間加熱乾燥することにより、本実施形態の表面処理ガラスクロスを得る。
前記表面処理剤水溶液としては、(メタ)アクリロイル基を含む第一のシランカップリング剤と、少なくとも1つのアンモニウムカチオンを含む第二のシランカップリング剤とを表面処理剤水溶液全量に対して、固形分として、0.2~5.0質量%の範囲で含み、pH調整剤としての弱酸(例えば、酢酸、クエン酸、プロピオン酸等)を、0.5~3.0質量%の範囲で含むものを用いることができる。
前記第一のシランカップリング剤としてのメタアクリロイル基を含むシランカップリング剤としては、例えば、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを挙げることができる。また、アクリロイル基を含むシランカップリング剤としては、例えば、3-アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。前記第一のシランカップリング剤としては、メタアクリロイル基を含むシランカップリング剤が好ましく、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
また、前記第二のシランカップリング剤は、第2級アンモニウムカチオン又は第3級アンモニウムカチオンを含むことが好ましく、第2級アンモニウムカチオンを含むことがより好ましい。
また、前記第二のシランカップリング剤は、前記第2級アンモニウムカチオン又は第3級アンモニウムカチオンが、塩を形成していることが好ましく、無機酸のアニオンと塩を形成していることがより好ましく、無機酸のアニオンがハロゲンイオンであることがさらに好ましい。前記無機酸のアニオンとしては例えば塩化物イオン、フッ化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオンを挙げることができる。
前記第2級アンモニウムカチオン又は第3級アンモニウムカチオンが、無機酸と塩を形成している前記第二のシランカップリング剤として、例えば、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン塩酸塩、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン塩酸塩、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩からなる群から選択される、少なくとも1つのシランカップリング剤を挙げることができる。前記第二のシランカップリング剤としては、前記第2級アンモニウムカチオンが塩化物イオンと塩を形成しているシランカップリング剤である、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩が好ましい。
前記M/Cの値は、例えば、ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS、株式会社島津製作所製、商品名:GC-MSQP2010Ultra)を用いて、前記第一のシランカップリング剤及び前記第二のシランカップリング剤を定量することによって求めることができる。
前記M/Cの数値は、好ましくは3.5~43.1の範囲であり、より好ましくは3.8~39.0の範囲であり、さらに好ましくは5.0~29.2の範囲であり、特に好ましくは6.4~21.4の範囲であり、最も好ましくは7.5~12.9の範囲である。本実施形態の表面処理ガラスクロスは、前記M/Cの数値が5.0~29.2の範囲であることにより、白化距離指数を0.63以下とすることができ、前記M/Cの数値が6.4~21.4の範囲であることにより、白化距離指数を0.60以下とすることができる。
前記表面処理層の炭素質量Tcは、全窒素・全炭素量測定装置(株式会社住化分析センター製、商品名:NC-TRINITY)を用いて測定することができる。前記ガラスクロスの全質量に対する、前記表面処理層に含まれる炭素質量Tcの割合は、好ましくは0.034~0.505%の範囲であり、より好ましくは0.081~0.255%の範囲であり、さらに好ましくは0.081~0.150%の範囲である。本実施形態の表面処理ガラスクロスは、前記ガラスクロスの全質量に対する、前記表面処理層に含まれる炭素質量Tcの割合が0.081~0.255%の範囲であることにより、白化距離指数を0.70以下とすることができる。
前記表面処理層の最大高さ平均Hは、次のようにして算出することができる。まず、前記表面処理ガラスクロスを350mm×400mmにカットして得られた表面処理ガラスクロス片をさらに1cm角にカットし、原子間力顕微鏡(AFM、Park Systems社製、商品名:NX20)のサンプル台に設置して、スキャンレートを0.60Hz、画素数を縦256ピクセル、横256ピクセルとし、表面測定領域を4μm角として、前記表面処理ガラスクロス片中のモノフィラメントのトップの部分の表面形状の測定を行う。前記表面処理ガラスクロスはフォトイオナイザ(浜松ホトニクス社製、商品名:L12536)にて除電しながら測定を実施する。次に、XE Image Processing Programを使用して、得られた表面形状画像から1μm角の画像を切り出し、円柱状のフィラメントを平面状とする画像加工を施した後、付着成分の最大高さを1つの視野につき3か所以上測定する。前記測定を、3か所以上の異なる視野で行い、得られた最大高さの平均値を、最大高さ平均Hとする。
前記最大高さ平均Hは、たとえば、表面処理剤水溶液に添加する界面活性剤の量や、表面処理剤水溶液に浸漬したガラスクロスの乾燥温度及び乾燥時間を調整することによって、調整することができる。
本実施形態の表面処理ガラスクロスは、前記最大高さ平均Hが、好ましくは2.5~6.8nmの範囲であり、より好ましくは3.0~5.8nmの範囲である。
本実施形態の表面処理ガラスクロスは、次式(1)を満たすことが好ましく、次式(2)を満たすことがより好ましく、次式(3)を満たすことがさらに好ましい。
0.017≦H×Tc/(M/C)≦0.159 ・・・(1)
0.028≦H×Tc/(M/C)≦0.087 ・・・(2)
0.029≦H×Tc/(M/C)≦0.038 ・・・(3)
0.017≦H×Tc/(M/C)≦0.159 ・・・(1)
0.028≦H×Tc/(M/C)≦0.087 ・・・(2)
0.029≦H×Tc/(M/C)≦0.038 ・・・(3)
本実施形態の表面処理ガラスクロスは、前記式(1)を満たすことにより、柔らかい風合いを維持しながら、白化距離指数を0.70以下とすることができ、前記式(2)を満たすことにより、柔らかい風合いを維持しながら、白化距離指数を0.60以下とすることができ、前記式(3)を満たすことにより、柔らかい風合いを維持しながら、白化距離指数を0.50以下とすることができる。
また、本実施形態の表面処理ガラスクロスを構成する前記ガラスクロスは、ガラスフィラメントからなる経糸と緯糸とを備え、前記ガラスフィラメントは、前記ガラスフィラメントの全量に対し、合計で0.0~20.0質量%の範囲のMgOと、CaOと、SrOとを含む組成を備え、前記経糸を構成するガラスフィラメントと前記緯糸を構成するガラスフィラメントとが等しい組成を備えることが好ましい。
前記ガラスフィラメントは、前記ガラスフィラメントの全量に対し、合計で0.1~15.0質量%の範囲のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることがより好ましく
、合計で0.5~9.0質量%の範囲のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることがさらに好ましく、前記ガラスクロスの耐アルカリ性がより低下し、シランカップリング剤による界面接着効果が相対的により大きくなるので、前記表面処理ガラスクロスにおける前記表面処理層が第一のシランカップリング剤と第二のシランカップリング剤とを含む効果を相対的により大きくすることができる。また、前記ガラスフィラメントの全量に対し、合計で1.1~8.8質量%のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることがとりわけ好ましく、合計で2.1~8.6質量%のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることが特に好ましく、合計で3.1~8.4質量%のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることが最も好ましい。
、合計で0.5~9.0質量%の範囲のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることがさらに好ましく、前記ガラスクロスの耐アルカリ性がより低下し、シランカップリング剤による界面接着効果が相対的により大きくなるので、前記表面処理ガラスクロスにおける前記表面処理層が第一のシランカップリング剤と第二のシランカップリング剤とを含む効果を相対的により大きくすることができる。また、前記ガラスフィラメントの全量に対し、合計で1.1~8.8質量%のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることがとりわけ好ましく、合計で2.1~8.6質量%のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることが特に好ましく、合計で3.1~8.4質量%のMgO、CaO及びSrOを含む組成を備えることが最も好ましい。
前記ガラスフィラメントは、低誘電率と低誘電正接という点からは、全量に対し、48.0~62.0質量%の範囲のSiO2と、17.0~26.0質量%の範囲のB2O3と、9.0~18.0質量%の範囲のAl2O3と、0~6.0質量%の範囲のMgOと、0.1~9.0質量%の範囲のCaOと、合計で0~0.5質量%の範囲のNa2O、K2O及びLi2Oと、0~5.0質量%の範囲のTiO2と、0~6.0質量%の範囲のSrOと、0~6.0質量%の範囲のP2O5と、合計で0~3.0質量%のF2及びCl2とを含み、前記MgOと、前記CaOと、前記SrOとの合計が0.1~9.0質量%の範囲である組成がさらに好ましい。
ここで、前述したガラスフィラメントの組成の各成分の含有量の測定は、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて行うことができる。測定方法としては、まず、前記ガラスクロスを適宜の大きさに裁断した後、白金ルツボに入れ、電気炉中で1550℃の温度に6時間保持して撹拌を加えながら溶融させることにより、均質な溶融ガラスを得る。このとき、前記ガラスクロス表面に有機物が付着している場合、又は、ガラスクロスが有機物(樹脂)中に主に強化材として含まれている場合には、例えば、300~600℃のマッフル炉で2~24時間程度加熱する等して、有機物を除去してから用いる。次に、得られた溶融ガラスをカーボン板上に流し出してガラスカレットを作製した後、粉砕し粉末化してガラス粉末を得る。次に、前記ガラス粉末をプレス機で円盤状に成形した後、波長分散型蛍光X線分析装置を用いて定量分析する。これらの定量分析結果を酸化物換算して各成分の含有量及び全量を計算し、これらの数値から前述した各成分の含有量(質量%)を求めることができる。
前記表面処理ガラスクロスは、プリント配線板の基材用途という観点から、その単位面積当たりの質量が110g/m2以下であることが好ましい。一方、製織性の観点からは、ガラスクロスの単位面積当たりの質量が8g/m2以上であることが好ましい。
前記表面処理ガラスクロスの厚みは、プリント配線板の基材用途という観点から、110μm以下であることが好ましい。一方、前記表面処理ガラスクロスの厚みは、取扱い性の観点からは、8μm以上であることが好ましい。
本実施形態のプリプレグにおいて、前述したガラスクロスに含浸される樹脂は、特に限定されない。このような樹脂として、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、変性ポリイミド樹脂等を挙げることができる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリブチレンテレフタート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
〔実施例1〕
本実施例では、IPC4412の規格#1078(使用ヤーン:D500、(繊維径5.0μm、ヤーン重量11.0g/1000m)、経糸織密度:53本/25mm、緯糸織密度:53本/25mm、単位面積当たりの質量:43g/m2)のガラスクロスを製織し、400~450℃の範囲の温度で60時間の加熱を行い脱油処理した後、ガラスクロスを表面処理剤水溶液に浸漬し、余分な水分を絞液した後、110℃で5分間加熱乾燥し、厚さ43μmの表面処理ガラスクロスを得た。
本実施例では、IPC4412の規格#1078(使用ヤーン:D500、(繊維径5.0μm、ヤーン重量11.0g/1000m)、経糸織密度:53本/25mm、緯糸織密度:53本/25mm、単位面積当たりの質量:43g/m2)のガラスクロスを製織し、400~450℃の範囲の温度で60時間の加熱を行い脱油処理した後、ガラスクロスを表面処理剤水溶液に浸漬し、余分な水分を絞液した後、110℃で5分間加熱乾燥し、厚さ43μmの表面処理ガラスクロスを得た。
前記ガラスクロスを構成するガラスフィラメントは、全量に対し、54.5質量%のSiO2と、19.4質量%のB2O3と、14.6質量%のAl2O3と、4.2質量%のMgOと、4.1質量%のCaOと、0質量%のSrOと、1.9質量%のTiO2と、0.1質量%のFe2O3と、合計で0.2質量%のLi2O、Na2O及びK2Oと、1.0質量%のF2とを含む組成(以下、ガラス組成Aという)を備えている。
前記表面処理剤水溶液は、第一のシランカップリング剤として3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.77質量%、第二のシランカップリング剤として、第2級アンモニウムカチオンが塩化物イオンと塩を形成しているシランカップリング剤である、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩(40%メタノール溶液)を0.34質量%、酢酸を2.0質量%となるように水に混合して、マグネチックスターラーにて1時間撹拌することにより調製した。
得られた表面処理ガラスクロスを350mm×400mmにカットし、表面処理ガラスクロス片とした。この際、該表面処理ガラスクロスに付着している炭素付着量Tcを、全窒素・全炭素量測定装置(株式会社住化分析センター製、商品名:NC-TRINITY)で測定した。ガラスクロスに付着している炭素付着量Tcは、ガラス繊維糸100質量部に対して、0.123質量部であった。
次に、前記表面処理ガラスクロス片を、変性ポリフェニレンエーテル樹脂ワニスに浸漬し、150℃の温度で10分間予備乾燥して、プリプレグを得た。前記変性ポリフェニレンエーテル樹脂ワニスは、オリゴフェニレンエーテル(三菱ガス化学株式会社製、商品名:OPE-2St)450質量部、トリアリルイソシアヌレート(エボニック・ジャパン株式会社製、商品名:TAICROS)100質量部、α,α'-ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(日油株式会社製、商品名:パーブチルP)4質量部、トルエン(富士フィルム和光純薬株式会社製)250質量部からなる。
次に、前記プリプレグを4枚積層し、上下にセロハンフィルムを重ね、真空ホットプレス(北川精機株式会社製)を用いて205℃、18kgf/cm2の条件下、真空中で1時間加熱加圧して板厚が約0.3mmの積層板を得た。
本実施例で得られた表面処理ガラスクロス片をさらに1cm角にカットし、原子間力顕微鏡(AFM、Park Systems社製、商品名:NX20)のサンプル台に設置して、スキャンレートを0.60Hz、画素数を縦256ピクセル、横256ピクセルとし、表面測定領域を4μm角として、該表面処理ガラスクロス片中のモノフィラメントのトップの部分の表面形状の測定を行った。該表面処理ガラスクロスはフォトイオナイザ(浜松ホトニクス社製、商品名:L12536)にて除電しながら測定を実施した。XE Image Processing Programを使用して、得られた表面形状画像から1μm角の画像を切り出し、円柱状のフィラメントを平面状とする画像加工を施した後、付着成分の最大高さを1つの視野につき3か所以上測定した。前記測定を、3か所以上の異なる視野で行い、得られた最大高さの平均値を、最大高さ平均Hとした。
次に、前記測定結果から、前記最大高さ平均H、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tc、前記表面処理層に含まれる第一のシランカップリング剤の量M(mol)、第二のシランカップリング剤の量C(mol)からH×Tc/(M/C)の値を算出した。
次に、本実施例で得られた積層板を、PCBセパレータ(株式会社サヤカ製、商品名:SAM-CT23V)を用いて、縦と横にそれぞれ長さ2.5cmのスリットの入った6cm×4cmの試験片を切り出した。ビーカーに、調液した1mol/LのNaOH(富士フィルム和光純薬株式会社製)水溶液を入れて、60℃の温度に加熱し、前記試験片を該水溶液中に24時間浸漬した後、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を用いて50倍の倍率で経糸方向と緯糸方向への樹脂とガラスとの間の界面剥離による白化距離を測定した。測定では経糸方向、緯糸方向をそれぞれ15点測定し、平均値を算出して白化距離とした。また、白化距離を後述する比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。この剥離による白化距離指数は基板の絶縁信頼性と相関性があり、白化距離指数が小さいほど好ましい。
また、前記表面処理ガラスクロスを経糸方向170mm、緯糸方向20mmにカットし、風合い測定用ガラスクロス片とした。測定はJIS L 1096のスライド法による剛軟性試験に準拠して行った。風合い測定用ガラスクロス片の短辺の一端を長辺方向に30mm水平台に固定し、その他の部分を自由端として、水平台と上面が一致した移動台に乗せた。水平台上面を基準として、移動台を降下させ、自由端の先端中央部が移動台から離れるまでの移動距離を測定した。風合い評価は移動距離が13.2cm以上を○、13.2cm未満を×と判定した。この移動台の移動距離はクロスの風合いと相関性があり、移動距離が短いほど風合いが固い。
結果を表1に示す。なお、表1中、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを「メタクリルシラン」、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を「カチオニックシラン」と記載し、前記表面処理剤水溶液を処理液と記載する。
〔実施例2〕
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.83質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.18質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.83質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.18質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本実施例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本実施例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を後述する比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを1.66質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.36質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを1.66質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.36質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本実施例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本実施例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を後述する比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.86質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.13質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.86質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.13質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本実施例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本実施例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を後述する比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.87質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.10質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.87質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.10質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本実施例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本実施例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を後述する比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例6〕
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.66質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.57質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.66質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.57質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本実施例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本実施例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を後述する比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.25質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.057質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本実施例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.25質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.057質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本実施例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本実施例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を後述する比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表1に示す。
〔実施例8〕
本実施例では、ガラスフィラメント全量に対して、65.0質量%のSiO2と、25.0質量%のAl2O3と、9.5質量%のMgOと、0.05質量%のCaOと、0.30%のFe2O3と、0.05質量%のZrO2と、合計で0.10質量%のLi2O、Na2O及びK2Oとを含むガラス組成(以下、ガラス組成Bという)のガラスクロスとした以外は、実施例2と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本実施例では、ガラスフィラメント全量に対して、65.0質量%のSiO2と、25.0質量%のAl2O3と、9.5質量%のMgOと、0.05質量%のCaOと、0.30%のFe2O3と、0.05質量%のZrO2と、合計で0.10質量%のLi2O、Na2O及びK2Oとを含むガラス組成(以下、ガラス組成Bという)のガラスクロスとした以外は、実施例2と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本実施例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本実施例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を後述する比較例11の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれるシランカップリング剤として、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.92質量%として調製した以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれるシランカップリング剤として、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.92質量%として調製した以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。本比較例の白化距離を、ガラスフィラメントのガラス組成がAであるガラスクロスを使用した全実施例及び比較例の基準とし、白化距離指数1とした。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれるシランカップリング剤として、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を2.0質量%として調製した以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれるシランカップリング剤として、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を2.0質量%として調製した以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.51質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.90質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.51質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.90質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.90質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.039質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.90質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.039質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表2に示す。
〔比較例5〕
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.083質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.018質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.083質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を0.018質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表2に示す。
〔比較例6〕
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを6.7質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を1.5質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを6.7質量%、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩を1.5質量%とした以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表3に示す。
〔比較例7〕
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる第一のシランカップリング剤として3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.83質量%、第二のシランカップリング剤としてトリメトキシフェニルシランを0.069質量%として調製した以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる第一のシランカップリング剤として3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.83質量%、第二のシランカップリング剤としてトリメトキシフェニルシランを0.069質量%として調製した以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表3に示す。
なお、表3中、トリメトキシフェニルシランを「フェニルシラン」と記載する。
〔比較例8〕
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる第一のシランカップリング剤として3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.83質量%、第二のシランカップリング剤として3-アミノプロピルトリエトキシシランを0.067質量%として調製した以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液に含まれる第一のシランカップリング剤として3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.83質量%、第二のシランカップリング剤として3-アミノプロピルトリエトキシシランを0.067質量%として調製した以外は、実施例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表3に示す。
なお、表3中、3-アミノプロピルトリエトキシシランを「アミノシラン」と記載する。
〔比較例9〕
本比較例では、表面処理剤水溶液としてシランカップリング剤の他に、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.1質量%として混合して調製した以外は、実施例2と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液としてシランカップリング剤の他に、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.1質量%として混合して調製した以外は、実施例2と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表3に示す。
なお、表3中、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを「界面活性剤」と記載する。
〔比較例10〕
本比較例では、表面処理剤水溶液としてシランカップリング剤の他に、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.2質量%として混合して調製した以外は、実施例2と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、表面処理剤水溶液としてシランカップリング剤の他に、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.2質量%として混合して調製した以外は、実施例2と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。また、白化距離を比較例1の白化距離で除すことで白化距離指数を算出した。結果を表3に示す。
〔比較例11〕
本比較例では、ガラスクロスを構成するガラスフィラメントのガラス組成をBとした以外は、比較例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
本比較例では、ガラスクロスを構成するガラスフィラメントのガラス組成をBとした以外は、比較例1と全く同一にして、表面処理ガラスクロス、プリプレグ、積層板を得た。
次に、本比較例で得られた表面処理ガラスクロスを用いた以外は、実施例1と全く同一にして、前記表面処理ガラスクロスの炭素付着量Tcと、前記表面処理ガラスクロスの面の最大高さ平均Hとを測定し、測定結果から、H×Tc/(M/C)の値を求めた。
次に、本比較例で得られた積層板を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、白化距離と風合いを求めた。本比較例の白化距離を、ガラスフィラメントのガラス組成がBであるガラスクロスを使用した全実施例及び比較例の基準とし、白化距離指数1とした。結果を表3に示す。
表1~3から、前記表面処理層におけるM/Cの数値が3.2~60.1の範囲であり、ガラスクロスの全質量に対する前記表面処理層の炭素質量Tcが0.034~0.505%の範囲であり、前記表面処理層の最大高さ平均Hが2.0~7.8nmの範囲である、実施例1~9の表面処理ガラスクロスを用いる積層板によれば、比較例1~12の表面処理ガラスクロスを用いる積層板よりも白化距離指数が小さく、信頼性が改善されていることが、明らかである。
Claims (8)
- ガラスクロスの表面に表面処理層を備える表面処理ガラスクロスであって、
前記表面処理層は第一のシランカップリング剤と第二のシランカップリング剤とを含み、
前記第一のシランカップリング剤は(メタ)アクリロイル基を含むシランカップリング剤であり、
前記第二のシランカップリング剤は少なくとも1つのアンモニウムカチオンを含むシランカップリング剤であり、
前記表面処理層に含まれる第一のシランカップリング剤の量をM(mol)とし、第二のシランカップリング剤の量をC(mol)とするときに、M/Cが3.2~60.1の範囲の数値であり、
前記ガラスクロスの全質量に対する、前記表面処理層に含まれる炭素質量Tcの割合が0.034~0.505質量%の範囲であり、
前記表面処理層の最大高さ平均Hが2.0~7.8nmの範囲であることを特徴とする、表面処理ガラスクロス。 - 請求項1記載の表面処理ガラスクロスであって、
前記第二のシランカップリング剤中のアンモニウムカチオンが、無機酸のアニオンと塩を形成していることを特徴とする、表面処理ガラスクロス。 - 請求項2記載の表面処理ガラスクロスであって、
前記第二のシランカップリング剤が、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン塩酸塩、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-アミノプロピルトリエトキシシラン塩酸塩、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン塩酸塩、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩からなる群から選択される、少なくとも1つのシランカップリング剤を含むことを特徴とする、表面処理ガラスクロス。 - 請求項1記載の表面処理ガラスクロスであって、前記M/C、Tc及びHが次式(1)を満たすことを特徴とする、表面処理ガラスクロス。
0.017≦H×Tc/(M/C)≦0.159 ・・・(1) - 請求項1記載の表面処理ガラスクロスであって、前記M/Cが6.4~21.4の範囲の数値であることを特徴とする、表面処理ガラスクロス。
- 請求項1記載の表面処理ガラスクロスであって、前記ガラスクロスはガラスフィラメントからなる経糸と緯糸とを備え、
前記ガラスフィラメントは、前記ガラスフィラメントの全量に対し、合計で0.0~20.0質量%の範囲のMgOと、CaOと、SrOとを含む組成を備え、
前記経糸を構成するガラスフィラメントと前記緯糸を構成するガラスフィラメントとが等しい組成を備えることを特徴とする、表面処理ガラスクロス。 - 請求項1記載の表面処理ガラスクロスを含むことを特徴とする、プリプレグ。
- 請求項1記載の表面処理ガラスクロスを含むことを特徴とする、プリント配線板。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2021192664 | 2021-11-29 | ||
JP2021192664 | 2021-11-29 |
Publications (1)
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JP2023080023A true JP2023080023A (ja) | 2023-06-08 |
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ID=86646907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022178960A Pending JP2023080023A (ja) | 2021-11-29 | 2022-11-08 | 表面処理ガラスクロス、プリプレグ及びプリント配線板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023080023A (ja) |
-
2022
- 2022-11-08 JP JP2022178960A patent/JP2023080023A/ja active Pending
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