JP2023172651A - ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板、及びプリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の一側面は、熱可塑性樹脂組成物を含むガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板に関して、周波数の変動に伴う誘電正接の変動を抑制することに関する。【解決手段】ガラス組成物から形成されたガラス繊維を含むガラス繊維織物と、ガラス繊維織物に含浸した、液晶ポリマーを含む熱可塑性樹脂組成物と、を含む、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板。ガラス組成物が、ガラス組成物の質量を基準として、52.1~55.1質量%のSiO2と、21.2~24.2質量%のB2O3と、10.9~13.9質量%のAl2O3と、1.6~4.6質量%のCaOと、0.1~2.5質量%のMgOと、2.6~5.6質量%のSrOと、0.6~3.6質量%のTiO2と、0.2~1.8質量%のF2とを含む。液晶ポリマーが、265~300℃の融点を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板、及びこれを用いたプリント配線板に関する。
高周波の交流電流が用いられる電子機器部品のプリント配線板用基板として、硬化性樹脂組成物と、低誘電特性を備えるガラス繊維織物とを組み合わせたガラス繊維強化樹脂基板が知られている(例えば、特許文献1、2)。また、高周波で低い誘電正接を示すガラス繊維も開発されている(例えば、特許文献3)。
特開2011-046083号公報 特許第6999487号公報 特許第6468409号公報
熱可塑性樹脂組成物を含むガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板は、リサイクル性の点等で硬化性樹脂を含む樹脂基板と比較して有利である。ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板についても、高周波において十分に低い誘電正接を維持することが望まれる。
本発明の一側面は、熱可塑性樹脂組成物を含むガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板に関して、周波数の変動に伴う誘電正接の変動を抑制することに関する。
本開示は、概して以下の手段に関する。
[1]ガラス組成物から形成されたガラス繊維を含むガラス繊維織物と、前記ガラス繊維織物に含浸した、液晶ポリマーを含む熱可塑性樹脂組成物と、を含む、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板。前記ガラス組成物は、前記ガラス組成物の質量を基準として、52.1~55.1質量%のSiOと、21.2~24.2質量%のBと、10.9~13.9質量%のAlと、1.6~4.6質量%のCaOと、0.1~2.5質量%のMgOと、2.6~5.6質量%のSrOと、0.6~3.6質量%のTiOと、0.2~1.8質量%のFとを含む。前記液晶ポリマーは、265~300℃の融点を有する。当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の誘電正接が、測定周波数1GHzにおいてAで、測定周波数10GHzにおいてBであるとき、下記式:
100×|A-B|/{(A+B)/2}≦5.00%
が満たされる。
[2]当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の測定周波数1GHzにおける誘電正接A、及び、当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の測定周波数10GHzにおける誘電正接Bが、0.00090~0.00200であり、当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の測定周波数1GHzにおける誘電率、及び、当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の測定周波数10GHzにおける誘電率が、3.6~3.9である、[1]に記載のガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板。
[3][1]又は[2]に記載のガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板を含む、プリント配線板。
熱可塑性樹脂組成物を含むガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板に関して、周波数の変動に伴う誘電正接の変動が抑制される。
誘電損失エネルギーWは、次式(1)で表される。
W=kfv×ε1/2tanδ・・・(1)
式中、kは定数、fは周波数、vは電位傾度、εは誘電率、tanδは誘電正接を表す。したがって、高周波における誘電正接が低く維持されると、樹脂基板の発熱も抑制される。
熱可塑性樹脂組成物を含むガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板は、硬化性樹脂を含むガラス繊維強化樹脂基板と比較して、リサイクルが容易であり、環境負荷軽減の観点からも有利である。
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の一例を示す斜視図である。
本発明は以下の例に限定されるものではない。
図1は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の一例を示す斜視図である。図1に示されるガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1は、主として、ガラス繊維織物10と、ガラス繊維織物10に含浸した熱可塑性樹脂組成物15とから構成される。ガラス繊維織物10は、経糸12及び緯糸14としてガラス繊維を含む。
ガラス繊維織物10を構成するガラス繊維は、ガラス組成物から形成された繊維であり、通常、複数のガラスフィラメント(単糸)から構成される繊維束である。ガラス繊維は、例えば、所定の含有率で構成成分を含むガラス組成物(ガラスバッチ)を準備することと、ガラス組成物を溶融炉内で溶融することと、溶融したガラス組成物(溶融ガラス)をノズルチップから引き出し、引き出された繊維状のガラス組成物を冷却してガラスフィラメントを形成することと、ガラスフィラメントに集束剤又はバインダーをアプリケーターを用いて塗布することと、複数のガラスフィラメントを集束させながら巻き取ることとを含む方法によって得ることができる。ガラス組成物を溶融させる温度は、例えば、1450~1550℃であってもよい。溶融したガラス繊維は、例えば、所定の温度に制御されたブッシングの1~30000個のノズルチップから引き出される。複数のガラスフィラメントを集束させるために、例えば集束シューが用いられる。複数のガラスフィラメントが、例えば巻取り機を用いて高速でチューブに巻き取られる。1本のガラス繊維を構成するガラスフィラメントの数は、例えば2~30000本であってもよい。
ガラス繊維を形成するガラス組成物は、SiO、B、Al、CaO、MgO、SrO及びTiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物を含んでもよい。ガラス組成物がFを更に含んでもよい。
例えば、ガラス組成物が、ガラス組成物の質量を基準として、52.1~55.1質量%のSiOと、21.2~24.2質量%のBと、10.9~13.9質量%のAlと、1.6~4.6質量%のCaOと、0.1~2.5質量%のMgOと、2.6~5.6質量%のSrOと、0.6~3.6質量%のTiOと、0.2~1.8質量%のFとを含んでもよい。通常、ガラス繊維は、ガラス組成物における各無機酸化物の比率に相当する含有率で、Si、B、Al、Ca、Mg、Sr及びTi等の各元素を含む。
ガラス組成物又はガラス繊維における各成分の含有率は、例えば、波長分散型蛍光X線分析装置を用いた分析により、測定することができる。ガラス繊維を分析する場合、ガラス繊維の表面に付着した有機物、及び/又はガラス繊維織物に含浸した熱可塑性樹脂組成物が予め除去される。そのために、例えば、ガラス繊維、ガラス繊維織物、又はガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板をマッフル炉等により加熱してもよい。例えば、加熱温度は300~650℃で、加熱時間が0.5~24時間程度であってもよい。各成分の含有率を求める方法は、例えば、白金ルツボに収容されたガラス組成物(ガラスバッチ)又はガラス繊維を、撹拌しながら電気炉中で加熱することにより溶融ガラスを形成することと、溶融ガラスをカーボン板上に流し出してガラスカレットを形成することと、ガラスカレットを粉砕してガラス粉末を形成することと、ガラス粉末をプレス機で成形して円盤状の試料を得ることと、試料中の各元素の含有率を波長分散型蛍光X線分析によって求めることとを含む。ガラス組成物(ガラスバッチ)から溶融ガラスを形成するための加熱条件は、例えば1550℃で6時間であってもよい。ガラス繊維から溶融ガラスを形成するための加熱条件は、例えば1500℃で6時間であってもよい。波長分散型蛍光X線分析においては、具体的には、ファンダメンタルパラメーター法による測定結果に基づいて作製された検量線用試料を用いた検量線法によって試料を定量分析することができる。検量線用試料における各成分の含有率は、ICP発光分光分析によって定量することができる。定量分析から求められる各元素の含有率が各酸化物の含有率に換算される。ガラス組成物又はガラス繊維が軽元素であるLiを含む場合、その含有率はICP発光分光分析によって求めることができる。ICP発光分光分析は、ガラス粉末を酸で加熱分解して得た試料を用いて行われる。
ガラス組成物におけるSiOの比率は、ガラス組成物の質量を基準として、51.1~56.1質量%、51.6~55.6質量%、52.6~55.2質量%、52.6~54.7質量%、53.1~54.1質量%、53.2~54.0質量%、又は53.6~54.0質量%であってもよい。
ガラス組成物におけるBの比率は、ガラス組成物の質量を基準として、21.2~25.2質量%、21.2~24.7質量%、21.7~23.7質量%、22.2~23.2質量%、22.3~23.1質量%、又は22.3~22.7質量%であってもよい。
ガラス組成物におけるAlの比率は、ガラス組成物の質量を基準として、9.9~14.9質量%、10.4~14.4質量%、11.3~13.5質量%、11.5~13.5質量%、12.0~13.5質量%、又は12.4~13.5質量%であってもよい。
ガラス組成物におけるCaOの比率は、ガラス組成物の質量を基準として、0.6~5.6質量%、1.1~5.1質量%、2.1~4.1質量%、2.6~3.6質量%、3.1~3.6質量%、又は3.1~3.5質量%であってもよい。
ガラス組成物におけるMgOの比率は、ガラス組成物の質量を基準として、0.2~1.8質量%、0.5~1.5質量%、又は0.6~1.4質量%であってもよい。
ガラス組成物におけるSrOの比率は、ガラス組成物の質量を基準として、1.6~6.6質量%、2.1~6.1質量%、3.1~5.1質量%、3.6~4.6質量%、又は3.6~4.1質量%であってもよい。
ガラス組成物におけるTiOの比率は、ガラス組成物の質量を基準として、0.1~4.1質量%、1.1~3.1質量%、1.6~2.6質量%、又は1.7~2.1質量%であってもよい。
ガラス組成物におけFの比率は、ガラス組成物の質量を基準として、0.5~1.5質量%、又は0.6~1.4質量%であってもよい。
ガラス繊維織物10を構成するガラス繊維の測定周波数10GHzにおける誘電率が、4.0~4.5、又は、4.2~4.4であってもよい。ガラス繊維織物10を構成するガラス繊維の測定周波数10GHzにおける誘電正接が、0.00090~0.00200、0.00110~0.00190、0.00120~0.00180、又は、0.00130~0.00170であってもよい。ここで、ガラス繊維の誘電率及び誘電正接は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
ガラス繊維の繊維束を構成するガラスフィラメントの直径(フィラメント系)は、例えば、2.0μm以上9.0μm以下であってもよい。ガラス繊維の1000m当たりの質量は、例えば0.35~70.00tex(g/1000m)であってもよい。ガラス繊維の撚り数は、例えば、4.4回/25mm以下であってもよい。
ガラス繊維織物10の織物組織は、例えば、平織、朱子織、ななこ織、又は綾織であってもよい。ガラス繊維織物10の単位面積当たりの質量が、例えば、2.5~220.0g/mであってもよい。ガラス繊維織物10の厚さが、例えば4.0~200.0μmであってもよい。
ガラス繊維織物10は、例えば、40~150本/25mmの織密度を有する経糸と、40~150本/25mmの織密度を有する緯糸とから構成される。経糸の織密度に対する緯糸の織密度の比(緯糸の織密度/経糸の織密度)が、例えば、0.85~1.35であってもよい。
ガラス繊維織物10は、ガラス繊維を経糸及び緯糸として、通常の織機を用いて製織することにより得ることができる。織機の例としては、エアージェット又はウォータージェット等のジェット式織機、シャトル式織機、及びレピア式織機が挙げられる。
製織されたガラス繊維織物10に対して、脱油処理、表面処理、及び開繊処理から選ばれる1種以上の処理が施されてもよい。
脱油処理は、例えば、ガラス繊維織物を雰囲気温度が350℃~400℃の加熱炉内に40~80時間配置し、ガラス繊維に付着している有機物を加熱分解することを含む。
表面処理は、例えば、シランカップリング剤を含む溶液中にガラス繊維織物10を浸漬することと、浸漬後のガラス繊維織物10から余分な溶液を絞り取ることと、ガラス繊維織物10を80~180℃の温度、1~30分間の加熱により乾燥することとを含む。シランカップリング剤を含む溶液が界面活性剤を更に含んでもよい。
シランカップリング剤は、例えば、アミノシラン、ウレイドシラン、クロロシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、(メタ)アクリルシラン、フェニルシラン、スチリルシラン、及びイソシアネートシランからなる群より選ばれる1種以上の化合物を含む。アミノシランの例としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-N’-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、及びγ-アニリノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。ウレイドシランの例としては、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、及びクロロシラン(例えばγ-クロロプロピルトリメトキシシラン)が挙げられる。エポキシシランの例としては、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、及びγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。メルカプトシランの例としては、γ-メルカプトトリメトキシシラン、及びγ-メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。ビニルシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN-ベンジル-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。(メタ)アクリルシランの例としては、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。フェニルシランの例としては、フェニルトリメトキシシランが挙げられる。スチリルシランの例としては、p-スチリルトリメトキシシランが挙げられる。イソシアネートシランの例としては、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。シランカップリング剤は、単独で、又は、二種以上組み合わせて用いられる。
界面活性剤は、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、又は両性界面活性剤を含むことができる。ノニオン系界面活性剤の例としては、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックコポリマー、アルキルポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックコポリマーエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンキャスターオイルエーテル、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、及びアセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。カチオン系界面活性剤の例としては、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、高級アルキルアミン酢酸塩、高級アルキルアミン塩酸塩、高級アルキルアミンへのエチレンオキサイド付加物、高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとの縮合物、高級脂肪酸とアルカノールアミンとのエステルの塩、高級脂肪酸アミドの塩、イミダゾリン型カチオン性界面活性剤、及びアルキルピリジニウム塩が挙げられる。アニオン系界面活性剤の例としては、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、α-オレフィン硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸ハライドとN-メチルタウリンとの反応生成物、スルホコハク酸ジアルキルエステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、及び、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩が挙げられる。両性界面活性剤の例としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤(アルキルジメチルベタイン等)、及びイミダゾリン型両性界面活性剤が挙げられる。アミノ酸型両性界面活性剤の例としては、アルキルアミノプロピオン酸アルカリ金属塩が挙げられる。界面活性剤は、単独で、又は、二種以上組み合わせて用いられる。
開繊処理は、例えば、ガラス繊維織物の経糸に20~200Nの張力をかけながら、水流圧力による開繊、液体を媒体とした高周波の振動による開繊、面圧を有する流体の圧力による開繊、又はロールによる加圧での開繊によって、経糸及び緯糸の糸幅を拡幅することを含む。
表面処理されたガラス繊維織物10は、ガラス繊維の表面上に形成された、シランカップリング剤を含む表面処理層を有していてもよい。表面処理層は界面活性剤を更に含んでもよい。ガラス繊維織物10が表面処理層を有する場合、表面処理層の質量の割合は、表面処理層を含むガラス繊維織物10の全量に対して、例えば、0.03~1.50質量%であってもよい。
熱可塑性樹脂組成物15は、液晶ポリマーを含む。液晶ポリマーの融点は、265~300℃である。液晶ポリマーの融点が、275~295℃、又は282~292℃であってもよい。熱可塑性樹脂組成物15が、これらの数値範囲内の融点を有していてもよい。液晶ポリマー又は熱可塑性樹脂組成物の融点は、示差走査型熱量計を用いてJIS K 7121:2012に規定される方法にしたがった方法により測定される値であることができる。所定の融点を有する液晶ポリマーを、例えば市販品から選択することができる。
熱可塑性樹脂組成物15は、実質的に液晶ポリマーのみを含んでいてもよく、その他の成分を更に含んでいてもよい。熱可塑性樹脂組成物15における液晶ポリマーの比率が、熱可塑性樹脂組成物15の質量を基準として、例えば80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、又は98質量%以上であってもよい。
熱可塑性樹脂組成物15に含まれ得るその他の成分は、液晶ポリマー以外の熱可塑性ポリマーを含んでいてもよく、その例としては、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、及びフッ素樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂組成物15が、各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で更に含んでもよい。
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1の誘電正接が、測定周波数1GHzにおいてAで、測定周波数10GHzにおいてBであるとき、下記式:
100×|A-B|/{(A+B)/2}≦5.00%
が満たされる。100×|A-B|/{(A+B)/2}の値が小さいことは、1GHzから10GHzの範囲の周波数における誘電正接の変動が小さいことを意味する。ガラス繊維と、特定の融点を有する液晶ポリマーを含む熱可塑性樹脂組成物との組み合わせにより、上記式を満たす誘電正接を示すガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1を容易に得ることができる。100×|A-B|/{(A+B)/2}の値が、3.00%以下、又は2.50%以下であってもよい。100×|A-B|/{(A+B)/2}の値の下限は、特に限定されないが、例えば0.05%であってもよい。
高周波数における発熱抑制の観点から、誘電正接A及びBが、それぞれ、0.00090~0.00200、0.00150~0.00200、0.00160~0.00190、又は0.00170~0.00180であってもよい。
高周波数における発熱抑制の観点から、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1の測定周波数1GHzにおける誘電率、及び、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1の測定周波数10GHzにおける誘電率が、それぞれ、3.6~3.9、3.5~4.0、3.6~3.9、又は3.7~3.8であってもよい。
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1におけるガラス繊維の比率は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1の質量を基準として、例えば35~60質量%、又は40~55質量%であってもよい。ここで、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1におけるガラス繊維の比率は、JIS K 7052:1999に準拠して算出することができる。
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1は、例えば、ガラス繊維織物10に溶融した熱可塑性樹脂組成物15を含浸させることを含む方法により、得ることができる。熱可塑性樹脂組成物の成形体である樹脂フィルムとガラス繊維織物とを積層し、形成された積層体を熱プレスにより加熱及び加圧してもよい。
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1は、例えば高周波の信号が用いられるプリント配線板の基板として用いることができる。プリント配線板は、例えば、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1と、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1上に設けられた金属配線とを有する。ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板1は、プリント配線板の基板以外に、例えばアンテナにも用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.ガラス繊維織物
ガラス繊維を経糸及び緯糸として有する2種のガラス繊維織物1及び2を準備した。ガラス繊維織物1及び2それぞれを構成するガラス繊維は、表1に示される配合比で各成分を含むガラス組成物の溶融紡糸により形成されたものであった。表1中のROは、LiO、KO及びNaOの合計の含有率を示す。ガラス繊維織物1及び2は、撚り数が1.0回/25mmのガラス繊維を経糸及び緯糸として有し、アミノシランを含む溶液により表面処理及び開繊処理を経て得られた平織の織物であった。ガラス繊維は、直径5.3μmの200本のガラスフィラメントを含む繊維束であった。ガラス繊維織物1及び2において、経糸及び緯糸の織密度は53本/25mmで、単位面積当たりの質量は43.0g/mで、厚さは43.0μmであった。
ガラス繊維織物1又は2を構成するガラス繊維の測定周波数10GHzにおける誘電率及び誘電正接も表1に示される。各ガラス繊維の誘電率及び誘電正接は、以下の方法により測定された値である。まず、各ガラス繊維を形成するためのガラス組成物(ガラスバッチ)を80mm径の白金ルツボ内で1500℃~1600℃で7時間の加熱により溶融させた。形成された溶融ガラスを白金ルツボから取り出し、ガラスバルクを得た。得られたガラスバルクを、580~700℃、8時間の加熱により焼き鈍した。次いでガラスバルクから80mm×3mm(厚さ1mm)の試験片を切り出し、これを研磨した。研磨された試験片を、絶乾後、23℃、湿度60%の室内に24時間保管した。その後の試験片の10GHzにおける誘電正接(散逸率Df)を、JIS C2565:1992に準拠した方法により、株式会社エーイーティー製空洞共振器法誘電率測定装置ADMS01Oc1(商品名)を用いて想定した。
Figure 2023172651000002
2.ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の作製
以下の熱可塑性樹脂フィルムを準備した。
LCP1:282℃の融点を有する液晶ポリマーを含む熱可塑性樹脂フィルム(千代田インテグレ株式会社製LCP、ペリキュール(登録商標)LCP)
LCP2:320℃の融点を有する液晶ポリマーを含む熱可塑性樹脂フィルム
PEEK:ポリエーテルエーテルケトンを含む熱可塑性樹脂フィルム
PPS:ポリフェニレンスルフィドを含む熱可塑性樹脂フィルム
ガラス繊維織物1又は2と、各熱可塑性樹脂フィルムとを重ね、形成された積層体を熱プレスすることにより、ガラス繊維織物に熱可塑性樹脂組成物が含浸したガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板(厚さ:約1.0mm)を得た。ガラス繊維織物と熱可塑性樹脂組成物との組み合わせが表2に示される。ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板において、ガラス繊維織物の比率は、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の質量を基準として52質量%であった。
3.評価
作製された各ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板から、80mm×3mm(厚さ1mm)の試験片を作製した。得られた試験片を、絶乾後、23℃、湿度60%の室内に24時間保管した。次いで、試験片の1GHz又は10GHzにおける誘電率(誘電定数Dk)及び誘電正接(散逸率Df)を、JIS C2565:1992に準拠した方法により、株式会社エーイーティー製空洞共振器法誘電率測定装置ADMS01Oc1を用いて測定した。測定結果が表2に示される。
Figure 2023172651000003
1…ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板、10…ガラス繊維織物、12…経糸、14…緯糸、15…熱可塑性樹脂組成物。

Claims (3)

  1. ガラス組成物から形成されたガラス繊維を含むガラス繊維織物と、
    前記ガラス繊維織物に含浸した、液晶ポリマーを含む熱可塑性樹脂組成物と、
    を含む、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板であって、
    前記ガラス組成物が、前記ガラス組成物の質量を基準として、
    52.1~55.1質量%のSiOと、
    21.2~24.2質量%のBと、
    10.9~13.9質量%のAlと、
    1.6~4.6質量%のCaOと、
    0.1~2.5質量%のMgOと、
    2.6~5.6質量%のSrOと、
    0.6~3.6質量%のTiOと、
    0.2~1.8質量%のFと、
    を含み、
    前記液晶ポリマーが、265~300℃の融点を有し、
    当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の誘電正接が、測定周波数1GHzにおいてAで、測定周波数10GHzにおいてBであるとき、下記式:
    100×|A-B|/{(A+B)/2}≦5.00%
    が満たされる、
    ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板。
  2. 当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の測定周波数1GHzにおける誘電正接A、及び、当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の測定周波数10GHzにおける誘電正接Bが、0.00090~0.00200であり、
    当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の測定周波数1GHzにおける誘電率、及び、当該ガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板の測定周波数10GHzにおける誘電率が、3.6~3.9である、
    請求項1に記載のガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板。
  3. 請求項1又は2に記載のガラス繊維強化熱可塑性樹脂基板を備える、プリント配線板。
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