JP5578322B2 - ガラス繊維、ガラス繊維の製造方法及びガラス繊維シート状物 - Google Patents

ガラス繊維、ガラス繊維の製造方法及びガラス繊維シート状物 Download PDF

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Description

本発明は、低誘電率、低誘電正接、及び低熱線膨張係数のガラス組成物よりなり、電子部品等で利用される高密度実装を必要とするプリント配線板等に使用されると誘電損失が少なく信頼性の高いプリント配線板が得られるガラス繊維と、このガラス繊維の製造方法と、これにより構成されるガラス繊維シート状物に関する。
情報産業を支える様々な電子機器の発達に伴い、携帯電話や携帯情報端末(PDA)等に関わる技術が目覚ましく進捗している。これらの電子機器では、搭載される抵抗器、コンデンサ、集積回路等の数多くの電子部品が、従来にない高密度実装技術によりプリント配線板(プリント回路板、リジッド基板、プリント基板またはプリント配線基板とも言う)上へ高い密度で実装されている。プリント配線板とは、ガラス繊維と樹脂材、及び改質剤等が適量混在するシート形状の複合材料である。プリント配線板に数多く搭載される電子部品は、プリント配線板に設けられたスルーホール等によって基板上へ配設されている。このプリント配線板は、その機能や用途によりモジュール、ボード、ユニットあるいはパッケージ等の別名で表されることもある。
Eガラスは、このプリント配線板用途のガラス繊維としてよく知られている。このEガラスは、電気絶縁性に優れ、ガラス繊維として熔融状態から製造する際の紡糸性に優れ、切断加工などの加工性にも優れた材質である。このため、Eガラスは、多くの使用実績があり、その具体的なガラス組成は、例えば、酸化物換算の質量百分率表示で、SiO 52〜56%、Al 12〜16%、B 5〜10%、CaO 16〜25%、MgO 0〜5%、アルカリ金属酸化物(RO) 0〜2%、Fe 0.05〜0.4%、F 0〜1.0%である。
一方、プリント配線板については、近年高速な信号処理を実現するため、高周波を使用し信号伝送速度が高速化されるようになった。この際に重要視されるのは、プリント配線板の電気特性である。材料の誘電率の平方根に反比例する伝送速度を向上するためにはプリント配線板を構成する材料が低誘電率であることが必要である。また、プリント配線板の発熱に係る誘電損失は小さいことが求められるが、このためには誘電正接が小さい材料が必要となる。ちなみに本発明における誘電率は、媒質の誘電率と真空の誘電率の比である比誘電率を意味している。一般に、ガラスに交流電流を流すと、ガラスは交流電流に対してエネルギー吸収を行い、熱として発する。吸収される誘電損失エネルギーは、ガラスの成分及び構造により定まる誘電率及び誘電正接に比例し、W=kfv×εtanδで表される。ここで、Wは誘電損失エネルギー、kは定数、fは周波数、vは電位傾度、εは誘電率、tanδは誘電正接を表す。この式からガラス組成物の誘電率ε及び誘電正接tanδが大きい程、また周波数fが高い程、誘電損失が大きくなることがわかる。よって誘電損失を小さくするには、ガラス組成物の誘電率εと誘電正接tanδを小さくすることが求められる。
このため、プリント配線板に用いられるガラス繊維には誘電率εが低く、誘電正接tanδが小さいプリント配線板用ガラス繊維材質が要望されるようになり、特許文献1には、Eガラス(室温における周波数1MHzでの誘電率εが6.7、誘電正接tanδが12×10−4である)よりも低い誘電率と誘電正接を実現するためDガラスと呼称されるガラス材質が開示されている。このDガラスは、例えば、酸化物換算の質量百分率表示で、SiO 74.6%、Al 1.0%、B 20.0%、MgO 0.5%、CaO 0.4%、LiO 0.5%、NaO 2.0%、KO 1.0%からなるガラス材質であり、このガラスの1MHzの誘電率は約4.4である。
特許文献2には、質量%で、SiO 50〜60%、Al 10〜18%、B 18〜25%、CaO 0〜10%、MgO 1〜10%、LiO+NaO+KO 0〜1.0%、Fe 0.1〜1%のガラス組成を有することを特徴とする低誘電率ガラス繊維が開示されている。
特許文献3には、質量%で、SiO 50〜60%、Al 10〜20%、B 20〜30%、CaO 0〜5%、MgO 0〜4%、LiO+NaO+KO 0〜0.5%、TiO 0.5〜5%の組成を有することを特徴とする低誘電率ガラス繊維が開示されている。
また特許文献4には、質量%で、SiO 48〜80%、Al 0〜18%、B 11〜35%、MgO 0〜10%、CaO 0〜10%、LiO+NaO+KO 0〜7%、TiO 3%未満の組成を有し、HO<800ppmであって、1MHzで誘電率が5.0以下、誘電正接が7×10−4以下であることを特徴とする低誘電率低誘電正接ガラスが開示されている。
特開昭63−2831号公報 特開平10−167759号公報 特開平8−333137号公報 特開2003−137590号公報
しかしながら、これまでの発明は、高密度実装を行うプリント配線板等に用いるに相応しい高品位のガラス繊維を効率よく生産するという点で、十分ではない。プリント配線板用として用いられるガラス繊維は、一般に高温状態に保持した熔融ガラスからガラス繊維を引き出して製造される。その製造時には、ガラス中に混入する気泡によるホローファイバーと呼ばれる中空繊維が極稀に発生することがある。このホローファイバーは、熔融ガラス中の気泡が、ガラス繊維の紡糸時にガラス繊維中で引き出し方向に沿って引き延ばされることによって生成される。このようなホローファイバーは、ガラス繊維の強度等の物理的性能にも大きな影響を及ぼすばかりか、プリント配線板の絶縁不良などの致命的な欠陥となることがある。ホローファイバーは、絶縁信頼性の低下原因の一つとも捉えられている。すなわち、一層高密度実装のプリント配線板においては、穴個数の増加、狭間隔化が進むため、ホローファイバーを原因とする信頼性の低下が懸念されている。よってプリント配線板を製造する際には、ガラス繊維にホローファイバー、すなわち中空繊維の混入がないことが要求される。
また、高密度実装の発達に伴い、プリント配線板には、従来よりも細いモノフィラメント径のガラス繊維(細番手フィラメント)が求められるようになってきている。細番手の繊維を用いる程、プリント配線板の穿孔位置を精巧に仕上げることができるからである。しかしながら細番手のガラス繊維は、熔融ガラスの粘度管理を厳しくせねばならず、熔融時の均質性にも高い水準が求められ、繊維径の調整が困難であるという問題も指摘されている。
本発明は、上述した状況に鑑み、電子部品の高密度実装に用いられるプリント配線板等の用途で構造材として多用される細番手のガラス繊維に関して、低誘電率、低誘電正接、及び低熱線膨張係数のガラス組成物よりなり、ホローファイバーの混入がなく、プリント配線板等の構成材に相応しい均質な品位のガラス繊維、およびその製造方法の提供と、このガラス繊維を用いて得られるガラス繊維シート状物に関する。
本発明者らは、ガラス繊維用ガラス組成物中の微量成分に注目し、その含有量を所定範囲に限定することによってホローファイバーの混入しないガラス繊維が得られることを見いだし、その内容を提示するものである。
本発明のガラス繊維は、酸化物換算の質量百分率表示で、SiO 70〜80%、Al 0〜2%、B 15〜21.5%、MgO 0〜1%、CaO 0〜2%、LiO 0〜2%、NaO 0〜3%、KO 0〜3%、LiO+NaO+KO 2〜5%の組成を含有し、SOの含有量が50ppm以下であり、光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下であることを特徴とする。
本発明のガラス繊維は、化学分析や機器分析等の各種分析手段を使用することによって、その化学組成を特定することができる。
本発明では、ガラス繊維を構成する各元素成分を酸化物換算で表示すると、そのガラス組成は、SiO成分が70質量%から80質量%の範囲にあり、Al成分が0質量%から2質量%の範囲にあり、B成分が15質量%から21.5質量%の範囲にあり、MgO成分が0質量%から1質量%の範囲にあり、CaO成分が0質量%から2質量%の範囲にあり、LiO成分が0から2質量%の範囲にあり、NaO成分が0から3質量%の範囲にあり、KO成分が0から3質量%の範囲にあり、LiO成分とNaO成分とKO成分の合量が2質量%から5質量%の範囲にあり、さらにSO成分が50ppm以下であるということを表している。
上述した各成分の含有率を限定する理由を、以下に説明する。
SiO成分はガラス構造において、その網目状構造の骨格をなす成分であって、本発明のガラス組成物の主要成分であり、ガラス組成物中のSiO成分の含有量が増加するほどガラスの構造強度が大きくなる傾向となる。ガラスの構造強度が大きくなれば、それだけ化学的な耐久性も向上し、特に耐酸性について高い性能を有するものとなる。ガラス構造の強度を充分な状態となるように維持し、安定した品位を有するものとするには、SiO成分の含有量は少なくとも70質量%以上とすることが必要である。一方、ガラス組成物中のSiO成分の含有量が増加すると、熔融ガラスの高温粘性値が大きくなり、その結果、熔融法によりこのようなガラス組成物を高い効率で均質になるように製造しようとすれば、高価な設備が必要となる。またガラス繊維として成形する際の成形温度も高くなる。よって製造時の設備管理等の点でも制約が生じることとなる場合がある。またガラス熔融時に、ガラス化反応時などに生じた気泡等が残存しない均質な熔融ガラスを得やすいものとし、ガラスの熔融に過剰な熱エネルギーを要しないようにし、しかもガラス繊維を製造する際の高い紡糸性を確保するにはSiO成分の含有量を80質量%以下の含有量とすることが必要である。以上の観点から、SiO成分は、酸化物換算の百分率表示で、72質量%以上、78質量%以下とすること、すなわちSiO 72〜78質量%がより好ましく、さらに好ましくはSiO 73〜77質量%、一層好ましくはSiO 74〜77質量%とすることである。
Al成分は、ガラスの分相化を抑制し、耐水性を向上させる成分であるが、2質量%以上含有すると誘電率εが高くなり分相性も悪化する。ガラスの分相性の悪化は、得られたガラス繊維の耐酸性の劣化に繋がるため好ましくない。ここで分相とは、ガラスが2以上のガラス相に分離する現象を意味している。このような観点から、Al成分は、酸化物換算の百分率表示で、より好ましくは1.8質量%以下、すなわちAl 0〜1.8質量%とすることであり、さらに好ましくは0〜1.4質量%、一層好ましくは0〜1.2質量%とすることである。
成分は、SiO成分と同様にガラス網目構造において、その骨格をなす成分であるが、SiO成分のように熔融ガラスの高温粘度を大きくすることはなく、むしろ高温粘度を低下させる働きがある。よってB成分は成形されたガラスの誘電率εを低く維持し、かつ熔融ガラスの高温粘度の増加を抑える両方の役割を有する。ガラス組成中のB成分の含有量は、15質量%未満ではガラスの誘電率εを4.5以下に維持しつつ、しかも紡糸温度である103.0dPa・sでの熔融ガラスの温度が十分な紡糸性を確保できる1400℃未満とするのが困難となる場合がある。一方、B成分はガラス組成中の含有量が多くなりすぎると熔融中にB成分の揮発量が多くなり、熔融ガラスを均質な状態に維持するのが困難となる場合もある。またB成分の含有量が多くなりすぎると耐水性が低下するとともに歪点が下がる。このような観点からガラス組成中のB成分が21.5質量%を超えるとガラスの耐酸性や分相性が悪化するため好ましくない。以上の観点からB成分は、酸化物換算の百分率表示で、より好ましくは16質量%以上、21.0質量%以下とすること、すなわちB 16〜21.0質量%とすることであり、より好ましくは17〜20.7質量%、一層好ましくは18〜20.5質量%とすることである。
MgO成分は、ガラス原料を熔融し易くする融剤としての働きを有する成分であると同時に102.0dPa・sの温度に相当する高温粘性の低下に非常に有効であり、熔融時にガラスの泡切れを良くし、均質なガラスを作るのに役立つ。しかし、MgO成分はガラス組成中の含有量が1%を超えると誘電率ε及び誘電正接tanδが高くなるため好ましくない。以上の観点からMgO成分は、酸化物換算の百分率表示で、1質量%以下、より好ましくは0.9質量%以下、すなわち0〜0.9質量%とすることであり、さらに好ましくは0〜0.8質量%、一層好ましくは0〜0.7質量%とすることである。
CaO成分は、ガラス原料を熔融し易くする融剤としての働きを有する成分であると同時に102.0dPa・sの温度に相当する高温粘度の低下に非常に有効であり、熔融時にガラスの泡切れを良くし、均質なガラスを作るのに役立つ。しかし、CaO成分はガラス組成中の含有量が2%を超えると誘電率ε及び誘電正接tanδが高くなるため好ましくない。以上の観点からCaO成分は、酸化物換算の百分率表示で、2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、すなわち0〜1.5質量%とすることであり、さらに好ましくは0〜1.0質量%、一層好ましくは0〜0.8質量%とすることである。
LiO成分、NaO成分あるいはKO成分として表されるガラス組成中の酸化物換算表示のアルカリ金属酸化物成分については、複数のガラス原料を混合した状態で加熱してガラス融液とする際に、ガラス融液の生成を容易にする、いわゆる融剤としての働きをし、さらに高温粘度を低下させる働きをも有するものである。しかし、LiO成分、NaO成分あるいはKO成分は、いずれもガラス組成中の含有量が多くなると、ガラスの誘電率εが高くなり、耐水性が悪くなるため、LiO成分は2質量%まで、NaO成分及びKO成分は各々3質量%が上限である。またLiO、NaO、及びKOの合量が2質量%以下の場合は、熔融ガラスの高温粘度が大きくなって熔融性が悪くなり、5質量%以上の場合は1MHzでの誘電率εが4.5以上、誘電正接tanδが0.003以上になる。以上の観点からLiO成分の上限は、酸化物換算の百分率表示で、より好ましくは1.5質量%まで、すなわち0〜1.5質量%とすることであり、さらに好ましくは0〜1.3質量%とすることである。またNaO成分及びKO成分は各々、その上限が酸化物換算の百分率表示で、より好ましくは2.8質量%まで、すなわち0〜2.8質量%とすることであり、さらに好ましくは0〜2.5質量%、一層好ましくは0〜2.2質量%までとすることである。またLiO成分、NaO成分、及びKO成分の合量については、より好ましくは2.3質量%以上4.5質量%以下、すなわち2.3〜4.5質量%とすることであり、さらに好ましくは2.7〜4.2質量%、一層好ましくは3.0〜3.9質量%とすることである。
SO成分は、熔融ガラス中で清澄剤として作用する成分であるが、ガラス繊維中の残存量が50ppm以上になると、熔融ガラス中に泡が残ったり、ブッシング近傍でリボイルにより泡が発生したりすることにより、ホローファイバー発生の原因となるため好ましくない。ホローファイバーを少なくするためには、ガラス繊維中のSO成分は少ないほど好ましく、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは15ppm以下である。例えば、ガラス原料バッチ中にSOが意図的あるいは不純物として含まれた場合でも、ガラス繊維として紡糸する前にガラスの熔融温度を十分に高くし、ガラス中の溶存SO成分の量を少なくすることにより、SOガスとして熔融ガラスから放出させ、50ppm以下とすることが必要である。SO成分の分析方法は、例えばアルカリ融解を用いて試料を分解し、イオンクロマトグラフを用いて行えばよい。
また本発明のガラス繊維は、上述に加えて実質的にAs、Sb、F、Clを含まないものであるなら、環境負荷物質を含んでおらず、環境に配慮した製品となるので好ましい。なお、「実質的に含まない」とは、熔融時の耐火物や原料などから、不純物として混入する成分は対象外とするものであり、具体的には、各成分を酸化物換算表示で表すと、1000ppm以下であるという意味である。
As、Sb、F、Clも清澄剤として作用する成分であるが、環境負荷を考えると実質的に含まれないことが好ましい。
本発明では、上述に加え清澄剤として、CeO成分を2質量%以下含有してもよい。CeO成分の清澄作用がより明瞭に表れるのは酸化物換算の質量百分率表示で0.01質量%以上とすることであり、より好ましくは0.05質量%以上、最も好ましくは0.10質量%以上とすることである。ただし、CeO成分は、大量に添加しすぎると熔融ガラスの失透性に影響を及ぼす場合がある。このような観点からCeO成分は、酸化物換算の質量百分率表示で2%を超えるべきではない。CeO成分を含有することにより、ガラス繊維のノンホロー化をより達成しやすくなる。
また本発明のガラス繊維は、上述に加えて光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下である。β−OH値がこの範囲にあれば、熔融ガラスの清澄段階における粘度を低下させて、清澄を促進することが可能であり、含有するβ−OHにより難溶解性成分(ノット等となる均質化不十分な部分で紡糸において糸切れに繋がる危険性がある)の均質な熔融が促進され、そのため熔融ガラス中で泡の生成、膨張が抑制されることに繋がるので、紡糸時にホローファイバーの生成を防ぐことになり好ましい。
光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下であるというのは、ガラスのβ−OH結合構造の振動によって3600cm−1付近に生じる赤外線の最小透過率を分母とし、参照波長(3846cm−1)での赤外線の透過率を分子として得られる比について、常用対数(10を底とする対数)の値を、被検査ガラス試料の厚さで除した値が0.55/mmから0.65/mmの範囲内であるという意味である。すなわち、β−OH値を計算する式は次のような数1で示す式になる。

なお、数1において、Tは披検査ガラス試料の光線透過厚さ(mm)、Aは参照波長(3846cm−1)における透過率(%)、Bは3600cm−1付近に生じる赤外線の最小透過率値(%)を表している。
光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm未満である場合には、粘度の低下効果や難熔解性成分の削減効果が十分に得られない場合がある。本発明のガラス繊維は、主に白金を主要成分とする貴金属成分より構成されたブッシングと呼ばれる耐熱容器を用いて製造される場合が多い。このブッシングは、耐熱ノズルを多数備えており、この耐熱ノズルから多数のガラス繊維が細い熔融ガラスのストリームとして引き出されて冷却され、ガラス繊維とされる。β−OH値が0.55/mm未満であると、原料起源の気泡を脱泡するに十分な熔融が行えず、気泡が残留したままとなる。また難熔解性成分に取り込まれた状態の気泡はそのまま流出しやすい状況となり、紡糸時にノズルが詰まる、あるいは糸切れなどが発生し易い状況となる。そしてこのような熔融ガラス中の気泡生成、及び膨張の挙動の結果、紡糸においてホローファイバーが形成されやすくなる。以上のような観点からβ−OH値が0.55/mm以上とするのがより好ましく、さらに好ましく0.555/mm以上、一層好ましくは0.560/mm以上、さらに一層好ましくは0.565/mm以上、最も好ましくは0.568/mm以上とすることである。
またβ−OH値が0.65/mmを超える場合には、熔融ガラスの粘性は小さくなる方へシフトするが、その粘性の著しい変動が生じ易くなり、紡糸されるガラス繊維の直径の管理、調整が困難になる。以上のような観点からβ−OH値が0.645/mm以下とすることであり、さらに好ましくはβ−OH値が0.643/mm以下とすることである。
また本発明のガラス繊維は、上述に加えて本発明のガラス繊維の性能に大きな影響を及ぼさない範囲で必要に応じて各種の成分を添加することができる。本発明のガラス繊維用ガラス組成物の構成成分として使用できるものを具体的に例示するならば、ZrO、P、Fe等を質量%表示で3%以下の含有量であれば含有することができる。
また上述以外にも、微量成分を質量%表示で0.1%まで含有することができる。例えば、Cr、MoO等の各種微量成分が該当する。
また本発明のガラス繊維では、ガラス繊維の性能に大きな影響がないならば、ガラス中に微量の貴金属元素が含有してもよい。例えば、Pt、Rh及びOs等の白金属元素を1000ppmまで、すなわち金属元素の含有量を質量百分率で表示して0.1%まで含有してもよい。
本発明のガラス繊維は、上述に加え周波数1MHzにおける誘電率εが4.5以下であり、かつ誘電正接が20×10−4以下であるならば、ガラス繊維を用いたプリント配線板の誘電損失が小さくなるので好ましい。
また、本発明のガラス繊維は、上述に加え周波数10GHzにおける誘電率εが4.5以下であり、かつ誘電正接が60×10−4以下であるならば高周波数を使用するプリント配線板で誘電損失が一層小さくなるので好ましい。
本発明のガラス繊維は、上述に加え150℃における体積電気抵抗率logρが12.8Ω・cm以上であるならば、電気抵抗が十分に大きいため、プリント配線板などとして利用する際に安定した性能を発揮するものとなる。
また本発明のガラス繊維は、上述に加え103.0dPa・sの温度Tyが1400℃未満であれば、ガラス繊維の紡糸装置や紡糸方法に大きな変更を行うことなく効率よくガラス繊維を製造することができるので好適である。
本発明のガラス繊維は、ガラス繊維の直径の平均値が3μm以上9.5μm以下、特に3μm以上5μm以下の、いわゆる細番手であれば、特に高密度で薄型化が必要となるプリント配線板等の用途に適用する場合に、このような繊維径の小さいガラス繊維を使用することによって構成されたプリント配線板用途の複合材の性能を大きく改善するものとなる。
ガラス繊維、すなわちガラスフィラメントの直径の平均値が3μm未満である場合には、繊維径が小さくなりすぎるため、ガラス繊維の製造収率が低くなる場合もある。
一方、ガラスフィラメントの直径の平均値が9.5μmを超える場合には、繊維径が太すぎてプリント配線板用のガラス繊維としては適さない。
以上のような観点から、本発明のガラス繊維は、そのガラスフィラメントの直径の平均値が3.1μm以上9.2μm以下の範囲とすることがより好ましく、さらに好ましくは3.2μm以上7.2μm以下の範囲とすることであり、一層好ましくは3.3μm以上5.5μm以下の範囲とすることであり、さらに一層好ましくは3.4μm以上5.2μm以下とすることであって、最も好ましくは3.8μm以上4.8μm以下とすることである。
また本発明のガラス繊維は、上述に加えてガラスフィラメント長さ100mm当たりのホローファイバーが3個/10万フィラメント以下であるならば、信頼性の高いプリント配線板を得ることができる。
ガラスフィラメント長さ100mm当たりのホローファイバーが3本/10万フィラメント以下であるとは、ガラスフィラメント長さ100mmのフィラメントについて、その10万フィラメント当たりのホローファイバー数が3本以下であることを意味している。ホローファイバー数の計測は、ガラスファイバーと屈折率が等しくなるように調整された浸液中にガラスクロスを浸漬し、透過光の顕微鏡(50倍)下で観察し、ガラスクロスの経糸中のホローファイバーの本数を計測し、その値を観察したフィラメント本数で割り、10万倍することにより容易に求めることができる。
本発明のガラス繊維は、上記した観点から、より好ましくはガラスフィラメント長さ100mm当たり2個/10万フィラメント以下、さらに好ましくは1個/10万フィラメント以下とすることであり、最も好ましくは0.5個/10万フィラメント以下とすることである。
ガラス繊維については、その表面に所望の物理化学的な性能を付与する被覆剤を表面に塗布したものとしてもよい。具体的には集束剤、帯電防止剤、界面活性剤、酸化防止剤、被膜形成剤、カップリング剤あるいは潤滑剤を被覆したものであってもよい。
ガラス繊維の表面処理に使用できるシランカップリング剤を例示すれば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等があり、使用されるガラス繊維と複合化する樹脂の種類により適宜選択してもよい。
本発明のガラス繊維は、上述に加えて繊維直径の標準偏差を繊維直径の平均値で除し、その値に100を乗じて得られるガラス繊維直径のCV(Coefficient of Variation)値が、12%以下である複数本のガラスフィラメントをチョップドストランド、ヤーン又はロービングの形態としたものであれば、プリント配線板用途に加えて、プリント配線板以外の他の用途であっても、繊維径の小さいガラス繊維を必要とする様々な場合に用いることができる。ちなみに、CV値は、変動係数とも呼び、標準偏差から尺度の影響を除いた散らばり度合いを算出した値である。ガラス繊維のCV値が12%を超えると、精密な形状を要求されるガラス繊維として、その成形性等で支障が生じるため好ましくない。CV値を数式で表すと数2に示すような式となる。

ガラス繊維直径のCV値が12%以下である複数本のガラスフィラメントをチョップドストランド、ヤーン又はロービングの形態としたものとは、前記したCV値が12%以下となるようにガラス繊維製造装置の諸条件を調整することによって紡糸を行い、得られたガラス繊維を切断したガラスチョップドストランドとするか、あるいは撚糸としたヤーンとするか、ガラスフィラメント複数本を引き揃えて回巻状態に巻き取ったロービングとしたものであることを表している。ちなみに繊維直径の標準偏差及び平均値は、200本のガラスフィラメントについての計測値から算出するものである。
ガラス繊維直径のCV値が12%以下となるように制御するには、例えばブッシングに多数の耐熱性ノズルを配設したガラス成形装置を用いる場合であれば、ノズル孔直径、ノズル長さ、ノズル温度、ノズル周囲大気温度、ノズルヘッド圧、送風速度及びガラスフィラメント引き出し速度の夫々の条件を本発明のガラス繊維用組成物に適合する最適なものとなるように決めればよい。
本発明のガラス繊維は、ガラス繊維直径のCV値が12%以下である複数本のガラスフィラメントをチョップドストランド、ヤーン又はロービングの形態としたものであるならば、均一な直径のガラス繊維を種々の形態で成形されたものとでき、プリント配線板の用途で用いられる際に開繊、拡幅処理されたガラスクロスとすることにより、スルーホールを形成するドリリング工程でドリル先端のズレによって発生する穿孔位置の変動を抑止することによって穿孔位置の精度を高めることになるので好ましい。
また本発明のガラス繊維は、所望の性能を実現できるのであれば、どのような製造方法によって製造されたものであってもよい。例えば、直接成形法(DM法:ダイレクトメルト法)、間接成形法(MM法:マーブルメルト法)等の各種の製造方法を用途や製造量に応じて採用してよい。すなわち、本発明のガラス繊維は上述に加えて耐熱性ノズルを備えたブッシングからガラス繊維を引き出すことによって所定直径のガラス繊維を得ることによって紡糸されたものであればよい。
また本発明のガラス繊維は、上述に加えてプリント配線板に用いられるものであれば、細番手のガラス繊維を高い品質のプリント配線板を構成することができる。
本発明のガラス繊維は、上述に加えてガラスクロス、あるいは不織布として有機樹脂材と複合化されて有機樹脂複合材を形成する用途で用いられものであれば、高密度なプリント配線板を構成する上で最適なガラス繊維となるので好ましい。
すなわち、ガラスクロス、あるいは不織布として有機樹脂材と複合化されて有機樹脂複合材を形成する用途で用いられものとは、ガラス繊維を経糸と緯糸として、プリント配線板用ガラスクロスに用いられる種々の製織方法で織られた織物とするか、あるいはチョップドストランドを湿式法や乾式法にてガラスペーパーとし、これらを有機樹脂材と複合化することによって有機樹脂複合材を形成する用途で用いるものである。
本発明のガラス繊維を使用して得られるガラスクロスの場合、それを構成するガラス繊維は、例えば、1tex以上75tex以下、好ましくは1.5tex以上25tex以下であり、さらに好ましくは1.5tex以上15tex以下であり、束ねられたガラスストランドを構成するガラスフィラメントの断面形状等については特別な限定を必要としない。ガラスフィラメントの断面形状は、円形であっても楕円形であっても長円形であってもよい。ガラス繊維束の撚り数は、2回/25mm以下がより好ましい。
また本発明のガラス繊維を使用して得られるガラスクロスは経糸、及び緯糸の25mm当たりについての打ち込み本数がそれぞれ30本以上100本以下、好ましくは経糸が45本以上90本以下、緯糸が35本以上90本以下となる構成のガラスクロスであればさらに好適である。
本発明のガラス繊維を使用して得られる製織品が、プリント配線板の構成材料として用いられる場合には、その製造工程は具体的に以下のようなものとなる。すなわち、本発明のガラス繊維用組成物よりなるガラスヤーン回巻体のパッケージから解舒されたガラスヤーンをワーパーで整経し、糊付け機で二次サイズしてビームからルームビームに巻き取りこれを経糸とする。ガラスヤーン回巻体のパッケージを解舒して、これを緯糸に使用し、エアージェットルームなどを用いてガラスクロスを製織する。製織されたガラスクロスに付着している有機成分を加熱焼却することにより取り除き(加熱脱油)、シランカップリング剤を含む処理液に浸漬して乾燥した(表面処理)後、樹脂を含侵させ、積層して樹脂を硬化させることによってプリント配線板用の積層板が製造される。
また本発明のガラス繊維を使用して得られるガラスペーパーが、チョップドストランドを使用したものである場合は、そのチョップドストランドの長さ寸法は限定しない。つまり繊維の長さ寸法については、用途に適応したものを選択することができる。また、チョップドストランドの製造方法についても任意のものを採用することができる。熔融工程から紡糸されたストランドを紡糸直後に切断加工することもできるし、一度連続繊維として巻き取った後に用途に応じて切断装置により切断加工してもよい。この場合、切断方法についても任意の方法を採用することができる。例えば、外周刃切断装置や内周刃切断装置等を使用することが可能である。また、チョップドストランドの集合形態についても特に限定しない。
また本発明のガラス繊維を使用して得られるガラスクロスやガラスペーパーには、本発明のガラス繊維以外の繊維材や固形添加剤、液状添加剤を用途に応じて併用してよい。またガラスクロスやガラスペーパーを構成する場合に本発明のガラス繊維材と併用する本発明のガラス繊維以外の繊維材としては、Eガラス繊維や他の組成のガラス繊維、また有機繊維材、セラミック繊維やカーボン繊維等を使用してもよく、固形添加材としては、セラミックス粉末、有機樹脂粉末、及びシリコーン粉末等があり、液状添加剤としては、重合促進剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分解反応禁止剤、希釈剤、帯電防止剤、凝集防止剤、改質剤、湿潤剤、乾燥剤、防黴剤、分散剤、硬化促進剤、反応促進剤、増粘剤又は反応促進剤等を適量使用してもよい。
本発明のガラス繊維の製造方法は、光学的な計測により得られるβ−OH値が0.59/mm以上、0.65/mm以下となるように熔融し、紡糸することにより本発明のガラス繊維を製造することを特徴とする。
ここで、光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下となるように熔融し、紡糸することにより本発明のガラス繊維を製造するとは、次のようなものである。すなわち、熔融ガラスとなるように各種ガラス原料(カレット等を含む)を高温状態に加熱して熔融し、均質化の後にブッシングに付設したノズルから紡糸して得られるガラス繊維であって、酸化物換算の質量百分率表示で、SiO 70〜80%、Al 0〜2%、B 15〜21.5%、MgO 0〜1%、CaO 0〜2%、LiO 0〜2%、NaO 0〜3%、KO 0〜3%、LiO+NaO+KO 2〜5%の含有組成を有し、SO含有量が50ppm以下であるようにすることであり、かつ光学的な計測により得られるガラスのβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下となるようにガラスの水分量を限定するということである。
ガラスのβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下となるようにするには、ガラス原料成分の選定、カレット率、熔融ガラスの温度と時間、酸素分圧、熔融ガラスの液面の上面の雰囲気、ブッシングやノズル、さらに熔融タンクの周囲雰囲気の溶存ガス成分を適正に管理すればよい。また熔融を複数回に分け、一次熔融、二次熔融などとして、他段階の熔融を行う際には、β−OH値の値を支配する熔融段階が判るのであれば、その段階のみを重点的に管理してもよい。これらの相互条件を熔融ガラス中でβ−OH値の上限値と下限値の間となるようにし、しかも紡糸が安定して実現できるものとなるようにすればよく、その結果、得られるガラスのβ−OH値は0.55/mm以上、0.65/mm以下とすればよい。
また、本発明のガラス繊維シート状物は、本発明のガラス繊維をシート状に形成してなり、有機樹脂材と複合化されて有機樹脂複合材を形成する用途で用いられることを特徴とする。
ここで、本発明のガラス繊維をシート状に形成してなり、有機樹脂材と複合化されて有機樹脂複合材を形成する用途で用いられるとは、酸化物換算の質量百分率表示でSiO 70〜80%、Al 0〜2%、B 15〜21.5%、MgO 0〜1%、CaO 0〜2%、LiO 0〜2%、NaO 0〜3%、KO 0〜3%、LiO+NaO+KO 2〜5%の組成を含有し、SOの含有量が50ppm以下であるガラス繊維をその厚さが1mm以下のガラス繊維シート状物とし、熱硬化性を有する有機樹脂材を含浸させて有機樹脂複合材を得る用途で使用されるものであることを意味している。
熱硬化性を有する有機樹脂材としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂あるいはビスマレイミド樹脂等の樹脂を使用すればよい。
また本発明のガラス繊維シートは、上述に加えガラスシート状物が、ガラスクロス又はガラスペーパーであるならば、用途に応じて種々の性能を発揮するプリント配線板を製造することができる。
ガラスクロスとしては、様々な構造の織布を採用することができる。例えば平織り、綾織等の織り構造のものから、さらに複雑な構造を有するものまで使用することが可能である。さらにガラスペーパーについては、チョップドストランドを使用し、白水中でモノフィラメントとして分散させた後、すきあげ、有機結合剤を用いてシート状物に成形したものであればよい。例えばチョップドストランドを使用する場合であれば、上述した本発明のガラス繊維を熔融した熔融ガラスをブッシング等の成形装置に配設された耐熱製ノズルから連続的に引き出してその周囲に集束剤などを被覆させて成形する。次いで得られたガラス長繊維を紙管等の周囲に巻き取ってケーキ(またはチーズともよぶ)とした後ケーキから必要本数をまとめて引き出してガラス繊維切断装置によって所定長の寸法となるように切断する。こうして得られたチョップドストランドを白水中に分散させた後、メッシュ上にすき上げ、コンベヤ上にランダムに堆積してシート状となった状態で、その上方より液状の結合剤を散布し、この結合剤を硬化させることによりそれぞれのガラスチョップドストランド同士を接合する工程を経て、ガラスチョップドストランドにより構成させるガラス繊維シート状物が得られることとなる。
(1)本発明のガラス繊維は、酸化物換算の質量百分率表示で、SiO 70〜80%、Al 0〜2%、B 15〜21.5%、MgO 0〜1%、CaO 0〜2%、LiO 0〜2%、NaO 0〜3%、KO 0〜3%、LiO+NaO+KO 2〜5%の組成を含有し、SOの含有量が50ppm以下であるため、熔融ガラス中に泡が残ったり、ブッシング近傍でリボイルにより泡が発生したりすることがなく、ガラス繊維中のホローファイバーの数が少なく、しかも得られたガラス繊維の誘電率εや誘電正接tanδなどの電気的な性能に優れたものとなる。
(2)本発明のガラス繊維は、実質的にAs、Sb、F、及びClを含有しないものであれば、環境負荷が小さいものとなるので好ましい。
(3)本発明のガラス繊維は、光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下であるならば、熔融時の清澄が促進され、しかも粘度の大きい不均質成分が紡糸に悪影響を及ぼし、ホローファイバーの生成機会を増やすことに繋がることもなく、それだけ安定した品位のガラス繊維を得やすくなるので好ましい。
(4)本発明のガラス繊維は、ガラスフィラメント長さ100mm当たりのホローファイバーが3個/10万フィラメント以下であれば、高い品位の複合材料を得ることができるので、複合材料の性能を十分に発揮させるものとなる。
(5)本発明のガラス繊維は、プリント配線板に用いられるものであれば、高密度実装を実現する場合に特に好適なものである。
(6)本発明のガラス繊維は、ガラスクロス、あるいは不織布として有機樹脂材と複合化されて有機樹脂複合材を形成する用途で用いられるものであれば、高い性能を有するガラス繊維を用途に応じた最適な形態で供給することができ、各種電子回路に適用されるプリント配線板の誘電特性や耐熱性を向上させることが可能となる。
(7)本発明のガラス繊維の製造方法は、光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下となるように熔融し、紡糸することにより請求項1から請求項6の何れかに記載のガラス繊維を製造するものであるため、ホローファイバーの混入を抑制し、安定した細番手のガラス繊維を効率よく生産し続けることが容易である。
(8)本発明のガラス繊維シート状物は、ガラス繊維をシート状に形成してなり、有機樹脂材と複合化されて有機樹脂複合材を形成する用途で用いられるものであれば、従来工程を変更することなく製造された高い品位と安定した性能を発揮するプリント配線板を製造するのに好適なものである。
(9)本発明のガラス繊維シート状物は、ガラスクロス又はガラスペーパーであるため、プリント配線板を製造する工程で用いられるプリプレグを製造する際に、製造条件の変更などを伴うことなく製造することができるので、プリント配線板の製造工程にとって妨げとなることもなく、温度変化の激しい環境でも使用することのできるプリント配線板を得るのに好適なものである。
以下に本発明のガラス繊維、その製造方法及び本発明のガラス繊維を用いたガラス繊維シート状物について、具体的に説明する。
表1に本発明の実施例に関して、一連の評価に用いたガラス繊維の化学組成と、熔融により得られたガラス繊維の性質をまとめて示す。まず、本発明のガラス繊維組成となるように、天然原料や化成原料等の複数の各種ガラス原料を所定量秤量し、熔融後に紡糸して得られるガラス繊維の組成が、表1に質量百分率表示で示す組成となるように調製する。こうして得られた原料混合バッチは、まず白金ロジウム製の坩堝内に投入する。次いでこの原料混合バッチが投入された白金ロジウム製の坩堝を間接加熱電気炉内にて大気雰囲気中にて一次熔融温度で5時間加熱して、ガラス原料混合バッチを高温化学反応させて熔融ガラスとした。一次熔融においては、β−OHの値を調整するため、雰囲気温度や雰囲気の湿度、さらに加圧条件などについても適正な値となるように注意を払った。尚、熔融ガラスを均質な状態とするために加熱熔融の途中で耐熱性撹拌棒を使用して熔融ガラスの撹拌を行った。
こうして均質な状態とした熔融ガラスをロール成形し、厚さ1mmのフィルム状のガラスを得た。このフィルム状のガラスをボールミルで目開き5mmの篩を通過する粒度に粉砕し、ガラス素材を得た。またガラス物性を測定する場合には、必要に応じてフィルム成形厚を変化させた。
この素材をリメルト温度に保持した耐熱性容器に連続的に供給して二次熔融を行い、耐熱性容器の底面に設けた200個の耐熱性ノズルから熔融ガラスを連続的に引き出して単繊維直径5μmの細番手のガラス繊維を紡糸した。得られたガラス繊維は、撚糸機でガラスヤーンにし、エアジェットルーム(air jet loom)を用いてプリント配線板に用いられる平織りのガラスクロスにした。
以上の一連の手順によって得られた試料に関して、様々な評価を実施した。表1には、評価によって得られた結果を示す。
表1に示したガラス繊維に関しては、予め表示したような組成になるように調製したものではあるが、得られたガラスについてさらに、蛍光X線分析装置等の各種分析法を用いて組成値既知の試料を標準として分析し、所定の組成となっていることを確認した。
SO成分の分析は、粉末化した試料1gを白金坩堝に秤量し、NaCO2gと混合し、その上をNaCO1gでおおい、950℃に設定された電気炉中で20分間アルカリ融解を行った。その後、白金坩堝内容物を温水(超純水)にて取り出し、80℃で温浸した。その後、5種C濾紙で濾過し、100mlに定容した。その液20mlを量り取り、イオン交換樹脂30mlで10分間攪拌後、5種A濾紙で濾過し、100mlに定容した後、イオンクロマトグラフにて測定し、SO成分の含有量を確認した。
また、表1のβ−OH値については、一次熔融後の厚さ1mmのフィルム状ガラスを使用して計測した。二次熔融後との差異についても事前調査したが、二次熔融はβ−OH値が変化するほど長時間の熔融を行っていないため、その計測値に差異は認められなかった。赤外線分光光度計などの赤外域の波長の透過率を測定できる装置を使用して測定した。
線熱膨張係数は、NISTのSRM−731、SRM−738を熱膨張係数既知の標準試料として使用し校正を受けた公知の熱膨張計測機器により、30℃から380℃の温度範囲について計測された平均線熱膨張係数である。この線熱膨張係数の値が低い程、温度変化が大きい場合であってもガラス繊維の膨張が小さくなり、その結果ガラス繊維が使用されるプリント配線板が電子機器に搭載された場合の温度変動に関わる信頼性を高めることに繋がる。
熔融ガラスの高温粘度を示す103.0dPa・sの温度(紡糸温度とも呼ぶ)を計測するには、予め適正なサイズとなるように破砕した各ガラス試料をアルミナ製坩堝に投入して、再加熱し、融液状態にまで加熱した後に白金球引き上げ法に基づいて計測した各粘性値の複数の計測によって得られた粘性曲線の内挿によってそれぞれの値を算出したものである。
周波数1MHzの誘電率ε、誘電正接tanδは、一次熔融後に得られた50mm×50mm×3mmの寸法に加工したガラス試料片を用いて計測した。このガラス試料片の厚さ3mmの両表面は、1200番のアルミナ粉を水で溶いた研磨液で研磨した。なお、事前調査で一次熔融後と二次熔融後に測定値には、差異は認められなかった。測定は、ASTM D150−87に準拠し、横河ヒューレットパッカード製4192Aインピーダンスアナライザを使用することによって、室温下にて計測することによって得た。また、複数の異なる直径を有する円柱状試料を切削加工して作製した。これら試料を用いて計測した値から周波数10GHzの誘電率ε及び誘電正接tanδの値を内挿法により得た。周波数10GHzの誘電率ε及び誘電正接tanδの値の計測については、JIS R1627:1996に準拠した両端短絡形誘電体共振器法によりAglient製ネットワークアナライザーを使用することにより、室温下にて測定することにより得た。誘電率εと誘電正接tanδが小さい値であるほど、プリント配線板を構成する用途でガラス繊維が用いられた場合にプリント配線板の熱損失は小さくなり、その結果、プリント配線板が経時的に熱劣化していくのを抑えることが可能となる。
体積電気抵抗logρは、150℃に加熱した状態で、ASTM C657−78に基づいて電気抵抗を測定したものである。体積電気抵抗の値が高い程、高密度実装が行われるプリント配線板であっても安定した電気絶縁性能を発揮することができる。
ホローファイバー混入数は、まずガラスヤーンからガラスクロスを作製し、このガラスクロスをガラスと同じ屈折率となるように調整した浸液中に浸漬し、経糸長さ100mmをクロス巾方向10cm以上にわたり、50倍の顕微鏡で観察することにより、ガラスストランド中に含まれるホローファイバーの数を測定する。測定されたホローファイバーの数を測定したフィラメント本数で割り、10万倍することにより、長さ100mmのガラスフィラメント10万本当たりのホローファイバー数を求める。この値が少ないほど、ホローファイバーがプリント配線板のスルーホール間を貫通する危険度が小さくなり、ホローファイバー内にメッキ液が浸入することによる導通破壊が生じにくくなり、安定した品位のプリント配線板を得るのが容易となる。
繊維直径のCV値は、ガラスストランドの断面撮影画像から得られた繊維径を画像解析装置で解析し、各フィラメントの繊維径を計測してその標準偏差と平均繊維径を導き、CV値を算出した。
以上の試験によって、本発明の実施例である試料No.1から試料No.5までについては、二次熔融して得られたガラス繊維は、酸化物換算の質量%において、SiO 74.6〜76.5%、Al 0.2〜1.0%、B 19.1〜20.5%、MgO 0.3〜0.5%、CaO 0.4〜0.6%、LiO 0.5〜1.1%、NaO 1.4〜2.0%、KO 0.8〜1.1%、LiO+NaO+KO 3.3〜3.5%であり、SO含有量が5〜28ppmであり、β−OH値が0.568〜0.643の範囲であった。またこれらの試料の性能は、線熱膨張係数が31〜33×10−7/℃であり、紡糸温度が1295〜1335℃、1MHzの誘電率εが4.2〜4.4、誘電正接tanδが0.001〜0.002、1GHzの誘電率εが4.2〜4.4、誘電正接tanδが0.001〜0.006の範囲内であった。さらにこれら試料の150℃における体積電気抵抗は12.8〜13.1であり、10万フィラメント当たりのホローファイバー混入数は1個以下、CV値は8〜11%の範囲内にあった。以上の事実より、これら試料No.1から試料No.5までについては、本発明の要件を満足するガラス繊維であった。
本発明の実施例の中でも特に特徴的な試料について以下で説明する。
実施例の試料No.1のガラス繊維は、Al成分が1.0質量%と最も多いものであったが、線熱膨張係数が33×10−7/℃、紡糸温度が1295℃、1MHzの誘電率εが4.4、誘電正接tanδが0.002、10GHzの誘電率εが4.4、誘電正接tanδが0.006であって、その性能は申し分なかった。そしてこのガラスのβ−OH値は0.643、SO含有量は、5ppmであり、ホローファーバーの数は10万フィラメント当り0個であった。さらにCV値は、11%と低く、ガラス繊維の繊維径のバラツキが十分に小さく、安定した品位であった。
また実施例の試料No.3のガラス繊維は、B成分が19.5質量%と少ないものであったが、線熱膨張係数が32×10−7/℃、紡糸温度が1335℃、1MHzの誘電率εが4.3、誘電正接が0.001、10GHzの誘電率εが4.3、誘電正接tanδが0.003であって、その性能は申し分なかった。そしてこのガラスのβ−OH値は0.568、SO含有量は、12ppmであり、ホローファーバーの数は、試料No.1と同様に10万フィラメント当り0個であった。またCV値も8%と低く、ガラス繊維の繊維径のバラツキも小さく、安定した品位であった。
実施例の試料No.5のガラス繊維は、LiO成分が1.1質量%と最も多く、一方NaO成分が1.4質量%と最も少ないものであったが、線熱膨張係数が31×10−7/℃、紡糸温度が1315℃、1MHzの誘電率εが4.2、誘電正接tanδが0.001、10GHzの誘電率εが4.2、誘電正接tanδが0.001であって、プリント配線板に使用する場合にその性能は申し分なかった。このガラスのβ−OH値は0.585、SO含有量は、23ppmであり、このガラスのホローファイバーの数は、試料No.1と同様に長さ100mmについて、10万フィラメント当り0個であった。またCV値も9%と低く、ガラス繊維の繊維径のバラツキも小さく、他の実施例と同様に安定した品位であった。
次いで比較例として試料No.101と試料No.102に係るガラスについても、表1に示したように、本発明の実施例と同様の手順で評価し、一連の評価を実施した。その結果を以下に示す。
比較例の試料No.101のガラス繊維は、SO含有量が70ppmと多いため、このガラス繊維中の長さ100mmについて、ホローファイバーの数が10万フィラメント当り20個と多い結果となった。CV値も14%と、実施例よりも大きくなった。
比較例の試料No.102のガラス繊維は、SO含有量が100ppmとさらに多く、β―OH値が0.528と低く粘性低下効果が低いため、このガラス繊維中のホローファイバーの数は長さ100mmについて、10万フィラメント当り100個と非常に多いものであった。CV値も15%と、実施例よりも大きくなった。
実施例2として、本発明の試料No.3のガラスを2段階の熔融ではなく、タンク熔融炉を使用して、1回の熔融でガラス繊維とすることも行った。実施例1と同様に温度条件や炉内の加圧条件などの各種条件を調整し、ガラス組成は試料No.3の組成となるように調整し、またSO含有量、さらにβ−OH値も適正な範囲となるように調製し、表1の値となるように熔融条件などを調整して熔融し、直径4.5μmのガラスフィラメントをターレット型巻取り装置に装着した紙管に巻き取り、ガラス繊維回巻体を得た。得られたガラス繊維のCV値を計測すると、9%となり、非常に安定した品位となっていることが判明した。また、ホローファイバー数は長さ100mmについて、10万フィラメント当り0個と優れた品位であった。
次いで、得られたガラス繊維回巻体からガラスストランドを解舒し、長さ13mmとなるように切断してガラスチョップドストランドに切断後、白水中に分散させた後、メッシュ上にすき上げ、コンベヤ上にランダムに堆積してシート状となった状態で、その上方より液状の結合剤を散布し、この結合剤を硬化させることによりそれぞれのガラスチョップドストランド同士を接合する工程を経て、ガラスペーパーを作成した。このガラスペーパーも安定した品位で優れた性能を発揮するものであった。
以上に示した実施例についての一連の評価によって、本発明のガラス繊維は、高密度実装を実現するプリント配線板に使用される細番手のガラス繊維として好適なものであり、ガラス繊維の製造に於いてもノンホローファイバーの混入数が少なく、紡糸性にも優れ、高い製造効率によって安定した品位のものであることが明瞭なものとなった。また本発明のガラス繊維より得たガラス繊維シート状物は、プリント配線板用途として優れた品位と性能を発揮するものであることも明らかになった。
本発明のガラス繊維は、プリント配線板として用いることにより、その高い性能を発揮するものであるが、プリント配線基板用途以外であっても、例えば電子部品用パッケージ、FRP構造材等として、本発明に見合う性能を必要とする用途があれば使用してよい。

Claims (8)

  1. 酸化物換算の質量百分率表示で、SiO 70〜80%、Al 0〜2%、B 15〜21.5%、MgO 0〜1%、CaO 0〜2%、LiO 0〜2%、NaO 0〜3%、KO 0〜3%、LiO+NaO+KO 2〜5%の組成を含有し、SOの含有量が50ppm以下であり、光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下であることを特徴とするガラス繊維。
  2. 実質的にAs、Sb、F、及びClを含有しないことを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維。
  3. ガラスフィラメント長さ100mm当たりのホローファイバーが3個/10万フィラメント以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス繊維。
  4. プリント配線板に用いられることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス繊維。
  5. ガラスクロス、あるいは不織布として有機樹脂材と複合化されて有機樹脂複合材を形成する用途で用いられることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記戴のガラス繊維。
  6. 光学的な計測により得られるβ−OH値が0.55/mm以上、0.65/mm以下となるように熔融し、紡糸することにより請求項1〜5の何れかに記載のガラス繊維を製造することを特徴とするガラス繊維の製造方法。
  7. 請求項1〜5の何れかに記載のガラス繊維をシート状に形成してなり、有機樹脂材と複合化されて有機樹脂複合材を形成する用途で用いられることを特徴とするガラス繊維シート状物。
  8. ガラス繊維シート状物が、ガラスクロス又はガラスペーパーであることを特徴とする請求項に記戴のガラス繊維シート状物。
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