JP2022157682A - 容器用蓋材 - Google Patents

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侑哉 寺澤
Yuya Terasawa
清久 東
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Abstract

【課題】、優れた付着防止性を発揮しつつ、付着防止層の下方に位置する文字、図柄等の表示内容を視認することができる蓋材を提供する。【解決手段】なくとも基材層、透明性樹脂層、ホットメルト樹脂層及び付着防止層を順に含み、かつ、a)前記基材層、b)前記透明性樹脂層及びc)両層の層間に形成されていても良い中間層の少なくとも1層に文字図柄が表現されている蓋材に係る。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な容器用蓋材に関する。
例えばヨーグルト、ゼリー、プリン、アイスクリーム、豆腐、茶碗蒸し等の食品を収容する容器においては、その容器開口部に蓋材がヒートシールされることで食品の密閉保存がなされている。
このような蓋材としては、内容物である食品を弾いて蓋材に付着しないように疎水性粒子を用いて表面処理を施す技術が提案されている。
例えば、熱可塑性樹脂を含有する層の表面の少なくとも一部に一次粒子平均径3~100nmの疎水性酸化物微粒子が付着している包装材料が知られている(特許文献1)。
また例えば、基材層にバインダー層、ヒートシール層、疎水性層が順次積層され、前記バインダー層は、熱硬化性樹脂に平均粒径1~100μmの混合粒子が分散されていて、該混合粒子により前記ヒートシール層側に凹凸面が形成され、前記ヒートシール層は前記凹凸面に積層された熱可塑性樹脂からなり、疎水性層は平均粒径5nm~1μmの疎水性微粒子と無機バインダーからなることを特徴とする内容物非付着性包材が知られている(特許文献2)。
特開2011-93315号公報 特開2015-34038号公報
しかしながら、これら従来の技術では、疎水性粒子による光散乱が生じるために、表面処理された面は外観が白く濁った状態となる。そのため、表面処理された面の下地(例えば蓋材の裏面)に広告、内容物に関する情報等を印刷しても視認することが困難である。すなわち、印刷を施した基材に上記のような疎水性粒子による表面処理を施すと、印刷の色味、濃さ等によってはその印刷内容を読みにくくなる問題がある。このために、疎水性粒子により表面処理された蓋材の裏面は無地にせざるを得ないというのが実情である。
これに対し、このような表面処理が施された面であっても、その下地を透視することで視認することができれば、蓋材の裏面等にも種々の文字、色彩、模様等を表示してもその内容が確認することが可能となるため、蓋材の利便性、意匠性等を高めることができる。
従って、本発明の主な目的は、優れた付着防止性を発揮しつつ、付着防止層の下方に位置する文字、図柄等の表示内容を視認できる容器用蓋材を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構成を有する蓋材が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の容器用蓋材に係る。
1. 少なくとも基材層、透明性樹脂層、ホットメルト樹脂層及び付着防止層を順に含み、かつ、a)前記基材層、b)前記透明性樹脂層及びc)両層の層間に形成されていても良い中間層の少なくとも1層に文字図柄が表現されている蓋材であって、
(1)透明性樹脂層の厚みは10~40μmであり、
(2a)ホットメルト樹脂層は、ワックス成分、ロジン成分及びエチレン-酢酸ビニル共重合体を含み、
(2b)ホットメルト樹脂層の付着量が乾燥重量で10~40g/mであり、
(2c)ホットメルト樹脂層表面には高さ40~100μmの突起部が形成されており、
(2d)前記の突起部は2000~5000個/平方inchであり、
(3a)付着防止層は、最外層として配置されており、
(3b)付着防止層は、一次平均粒子径が3~100nmの疎水性酸化物微粒子を含み、
(3c)付着防止層の付着量が乾燥重量で0.3~1.0g/mであり、
(4)付着防止層上から前記文字図柄の内容を視認することができる、
ことを特徴とする容器用蓋材。
2. 透明性樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂及びビニル系樹脂の少なくとも1種を含む、前記項1に記載の容器用蓋材。
3. カップ状容器に内容物が充填されており、前記項1又は2に記載の容器用蓋材の付着防止層が容器内側に向いた状態で前記容器の開口部を密封してなる包装製品。
4. 前記カップ状容器の開口部と前記蓋材の透明性樹脂層とが熱接着される領域上にある付着防止層が、熱接着時に透明性樹脂層及び/又はホットメルト樹脂層中に埋め込まれることによって前記蓋材の透明性樹脂層とが熱接着されている、前記項3に記載の包装製品。
本発明によれば、優れた付着防止性を発揮しつつ、付着防止層の下方に位置する文字、図柄等の表示内容を視認することができる蓋材を提供することができる。特に、本発明の蓋材では、透明性樹脂層及び付着防止層の構成が透明性を発揮できる構成となっているので、文字、図柄等が透明性樹脂層、ホットメルト樹脂層及び付着防止層で覆われた状態になっているにもかかわらず、文字、図柄等の表示内容を正確に視認し、あるいは読み取ることができる。それと同時に、付着防止層が最外層(最表面)に配置されているので、高い付着防止効果(撥水性)を発揮することができる。
このような特徴を有する本発明蓋材は、各種の容器の蓋材として用いることができる。特に、容器内を密封するために用いられる蓋材(密閉容器用蓋材)として好適に用いることができる。従って、例えば食品、化粧品、医薬品、医薬部外品等を収容する容器の蓋材として有利に用いることができる。
本発明の蓋材の層構成の具体例を示す図である。 本発明の蓋材で密封された容器(カップ状容器)の断面模式図である。 実施例1において、ホットメルト樹脂層(HM)の表面観察を行った結果を示す図である。 実施例1において、積層体の断面の観察結果を示す図である。
1.容器用蓋材
本発明の容器用蓋材(本発明蓋材)は、少なくとも基材層、透明性樹脂層、ホットメルト樹脂層及び付着防止層を順に含み、かつ、a)前記基材層、b)前記透明性樹脂層及びc)両層の層間に形成されていても良い中間層の少なくとも1層に文字図柄が表現されている蓋材であって、
(1)透明性樹脂層の厚みは10~40μmであり、
(2a)ホットメルト樹脂層は、ワックス成分、ロジン成分及びエチレン-酢酸ビニル共重合体を含み、
(2b)ホットメルト樹脂層の付着量が乾燥重量で10~40g/mであり、
(2c)ホットメルト樹脂層表面には高さ40~100μmの突起部が形成されており、
(2d)前記の突起部は2000~5000個/平方inchであり、
(3a)付着防止層は、最外層として配置されており、
(3b)付着防止層は、一次平均粒子径が3~100nmの疎水性酸化物微粒子を含み、
(3c)付着防止層の付着量が乾燥重量で0.3~1.0g/mであり、
(4)付着防止層上から前記文字図柄の内容を視認することができる、
ことを特徴とする。
図1には、本発明蓋材の一つの層構成例を示す。本発明蓋材10は、下方に基材層11が配置されており、その上に中間層12として印刷層が形成されている。印刷層には、文字又は図柄が表現されている。文字図柄は、例えば文字(数字、記号等を含む。)、図柄、絵柄、模様、意匠、図形等の表示を包含するものである。より具体的には、商品名、メーカー名、バーコード、PR文、イラスト、ロゴ、商標(マーク)、キャラクター、デザイン、懸賞・応募表示等が挙げられる。印刷層の上方には透明性樹脂層13が形成されている。図1では、透明性樹脂層13は、中間層12に直に接する状態で積層されている。
図1では、文字図柄を表現した印刷層である中間層12を導入した形態になっているが、必ずしも中間層を形成する必要はなく、文字図柄が表現できる手段であれば、その形態は特に制限されない。例えば、文字図柄が表現された基材層又は透明性保護層を採用する方法、立体的な文字図柄が施された中間層を導入する方法等のいずれの態様であっても良い。
また、印刷層等の中間層を形成する場合においては、基材層表面の全面に形成されている場合(いわゆるベタ印刷等)のほか、基材層表面の一部に形成されている場合のいずれであっても良い。
透明性樹脂層13の表面(上方)にはホットメルト樹脂層14が形成されている。ホットメルト樹脂層14には特定の凹凸表面が形成されている。図1では、ホットメルト樹脂層14は、透明性樹脂層13の表面に直に接するように形成されている。
ホットメルト樹脂層14の表面には付着防止層15が形成されている。より具体的には、ホットメルト樹脂層14の凹凸表面上に疎水性酸化物微粒子15aの複数が堆積することで付着防止層15が形成されている。付着防止層15は、本発明蓋材の最表面層として配置されている。付着防止層15は、容器に蓋材として使用される場合、内容物を接触し得る表面にさらされることになるが、内容物と接触しても、付着防止層15が内容物をはじくことで蓋材への内容物の付着(固着)が防止される。
疎水性酸化物微粒子15aは、ホットメルト樹脂層13又は透明性樹脂層14表面又は別の疎水性酸化物微粒子に接触した状態で付着して固定されている。複数の疎水性酸化物微粒子15aは、互いに凝集して三次元網目構造を形成していても良い。これにより、より高い付着防止効果を得ることができる。
本発明蓋材では、上記のように、ホットメルト層14よりも下層に文字図柄が表現されているところ、その文字図柄の表示内容がホットメルト層及び付着防止層越しに視認することができる。図1に示すように、付着防止層の上方Aから蓋材を見た場合、ホットメルト層14及び透明性樹脂層13を通して、中間層12である印刷層の表示内容(印刷内容)を視認(透視)することができる。従って、例えば印刷層に文字情報が印刷されている場合は、その文字情報を読み取ることができる。特に、本発明蓋材では、上記のような特定の層構成を採用することによって、文字図柄が付着防止層、ホットメルト樹脂層及び透明性樹脂層に覆われているにもかかわらず、優れた付着防止効果を達成するとともに、より高い視認性を得ることができる。
本発明蓋材の厚みは、例えば内容物の種類、容器の形状等に応じて適宜設定することができ、例えば70~200μm程度の範囲とすることができるが、これに限定されない。以下、各層についてより詳細に説明する。
基材層
本発明において基材層は、蓋材の芯材として機能するものである。特に、蓋材にコシを付与し、蓋材に突き破り等に対する耐久性を付与するとともに、蓋材が容器に接着されている状態で蓋材を引き剥がすにあたって蓋材が不用意に破れないように強度を持たせることができる。
また、容器に充填される内容物が光、空気等に晒されることを嫌う場合には、基材には光の透過を抑制する効果を付与したり、外気の進入を防いだり、あるいは内容物の匂いが容器外に漏れることを防ぐという気体の透過の抑制効果を付与した層でもある。
基材層の材質は、上記のような機能を有する限り、特に限定されず、例えばプラスチックス、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、紙等の各種の材料を用いることができる。従って、基材層を形成するための材料としては、例えば紙、合成紙、樹脂フィルム、蒸着層付き樹脂フィルム、合成樹脂板、アルミニウム箔又はその他の金属箔、金属板、織布、不織布、皮、合成皮革、木材、ガラス板等の単体又はこれらの複合材料又は積層材料を好適に用いることができる。この中でも、光又は気体の透過を防ぎつつ、所定の強度も得られるという点で、アルミニウム箔又は蒸着層付き樹脂フィルムを用いることが好ましい。
基材層の厚みは、特に限定されないが、通常は7~30μm程度であり、特に12~20μmとすることが好ましい。
透明性樹脂層
透明性樹脂層は、主として、a)付着防止層を基材層に積層するために、付着防止層の下地としてのクッション性を確保するとともに、b)ホットメルト樹脂との密着性とを付与する役割を有する。また、これらの機能に伴って、蓋材として、容器とのシール性にも寄与し得る層である。
透明性樹脂層は、樹脂成分が含まれるが、特に樹脂成分として熱接着性を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。これによって、透明性樹脂層が熱接着層として機能することができる結果、上記のように付着防止層(特に疎水性酸化物微粒子)を基材層に強固に固定することができる。
透明性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、上記のような観点より、熱接着性を有する樹脂であれば限定的でなく、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等の接着剤等を挙げることができる。より具体的には、a)低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマ-樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ-、ポリブテンポリマ-、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、b)これらのポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ-ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂のほか、c)ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。その他にも、これらのブレンド樹脂、これらを構成するモノマーの組合せを含む共重合体、変性樹脂等を例示することができる。
これらの中でも、本発明では、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、その中でもポリエチレン系樹脂を用いることがより好ましい。より具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂のほか、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂等のエチレン系共重合体が例示される。本発明では、この中でも、ポリエチレン樹脂を採用するのが好ましく、特に低密度ポリエチレン樹脂を好適に採用することができる。
透明性樹脂層を形成する方法は、特に限定されず、例えばa)透明性樹脂を溶媒に溶解させた溶液又は溶媒に分散させた分散液を塗布及び乾燥する方法、b)透明性樹脂の溶融物を押出塗布した後、冷却固化する方法、c)透明性樹脂フィルムを接着剤を介して又は介さずにラミネートする方法等が挙げられる。基材との密着性を向上させるため、必要に応じて基材層に接着剤(アンカーコート剤)を0.01~1.0g/m程度塗工することが好ましい。
接着剤層を形成する場合、使用できる接着剤としては、特に食品用途で使用できるものであれば限定的ではなく、例えばラミネート接着剤等を好適に用いることができる。ラミネート接着剤の成分としては、例えばポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤、ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。また、接着剤の性状も、限定的でなく、例えば溶剤型、無溶剤型、水性型等のいずれも使用することができる。またフィルムは、必要に応じて疎水性粒子を含む塗工液を塗布・乾燥した後に、その面とは反対面を他基材とラミネートすることもできる。
透明性樹脂層の厚みは容器とのシール性及び光透過性の観点より通常10~40μm程度とすることが好ましい。厚みが10μm未満であると、容器シール時のクッション性が弱く、シールのバランスが悪くなることによりシール不良が発生しやすくなる。40μmを超える場合は、蓋裏側の表面の色調が濁り、印刷層が明瞭に視認しにくくなる。
透明性樹脂層中における熱可塑性樹脂の含有量は、上記のようなクッション性等を発揮できれば良く、通常は90~100質量%程度とすれば良いが、これに限定されない。
なお、本発明の効果を妨げない範囲内において、必要に応じて他の添加剤を透明性樹脂層中に適宜配合することができる。例えば、分散剤、着色剤、沈降防止剤、粘度調整剤、脱泡剤、フィラー、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤等を配合することができる。
本発明では、透明性樹脂層中には、その表面に凹凸を与える粒径をもつ粒子(以下「充填粒子」という。)が含まれないことが好ましい。この場合の充填粒子の大きさは、透明性樹脂層表面に充填粒子に由来する凹凸を付与するのに十分な大きさであり、通常は平均粒子径(レーザー回折式粒度分布計による)が10~40μmであり、特に12~30μmである。
ホットメルト樹脂層
ホットメルト樹脂層は、本発明蓋材と容器との接合時の熱接着性に寄与するとともに、容器に接合された本発明蓋材の開封時の易開封性を確保する役割を有する。
ホットメルト樹脂層は、ワックス成分、ロジン成分及びエチレン-酢酸ビニル共重合体を含む。
ワックス成分としては、特に限定されず、例えばパラフィンワックス等の石油系ワックス、カルナウバロウ、パームロウ等の天然系ワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成ワックス等が挙げられる。ホットメルト樹脂層中のワックス成分の含有量は、通常は20~80重量%程度とすれば良いが、これに限定されない。
ロジン成分としては、限定的でなく、例えばガムロジン、ウッドロジン等の各種ロジンを挙げることができる。ホットメルト樹脂層中のロジン成分の含有量は、通常は0.5~30重量%程度とすれば良いが、これに限定されない。
エチレン-酢酸ビニル共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルの共重合体であれば良く、各種のグレードのものを使用することができる。ホットメルト樹脂層中のエチレン-酢酸ビニル共重合体の含有量は、通常は20~50重量%程度とすれば良いが、これに限定されない。
ホットメルト樹脂層には、これら3成分のほか、本発明の効果を妨げない範囲内でその他の添加剤が含まれていても良い。添加剤としては、透明性樹脂層の説明で示した各種添加剤が例示される。
本発明では、これらの各成分を含む組成物を用いてホットメルト樹脂層を形成することができる。このような組成物としては、公知又は市販のホットメルト接着剤を採用することもできる。例えば、ホットメルト接着剤を溶融状態で塗布した後、冷却固化する。その後疎水性酸化物微粒子を付与すれば熱接着層に疎水性酸化物微粒子をそのまま付着させることができるため、本発明包装材料の連続的な生産が容易となる。
ホットメルト樹脂層は、その表面(付着防止層側)に高さ40~100μmの突起部が形成されており、その突起部の密度(個数)は2000~5000個/平方inchである。これにより、付着防止層中の疎水性酸化物微粒子の固定をより強固にすることができるとともに、熱接着時に疎水性酸化物微粒子が埋め込まれやすくなることでより高い密封性を得ることができる。
突起部の形状は、特に限定されず、例えば略円錐状、略角錐状、略円柱状、略角柱状、略半球状等のいずれであっても良い。また、これらの形状は、1種又は2種以上が含まれていても良い。
突起部の高さは、下地である透明性樹脂層から突起部頂点までの高さであり、通常は40~100μmの範囲であれば良く、特に50~80μmとすることが好ましい。また、突起部の密度は、前記のとおり、通常は2000~5000個/平方inchの範囲であれば良く、特に3000~4000個/平方inchとすることが好ましい。このような範囲に設定することで、良好な付着防止性を発揮することができる。前記突起部の高さが40μm未満である場合又は前記密度が2000個/平方inch未満である場合は、疎水性酸化物微粒子の固定が弱く、輸送時等において容易に脱離することで良好な付着防止性の維持が困難となる。他方、前記突起部の高さが100μm超える場合又は前記密度が5000個/平方inch超える場合は、蓋裏側の表面の色調が濁り、印刷層が明瞭に視認しにくくなる。
本発明において、突起部の高さは、サンプルをミクロトーム等の切削機を用いて突起部頂点で平滑な断面出しを行い、断面を顕微鏡にて観測及び測長するという方法によって確認することができる。また、突起部の密度は、視野全面にサンプルが入るように顕微鏡で観察し、視野内の突起部の個数をカウントし、単位面積当たりの個数に換算する(合計個数/視野面積)という方法によって計測することができる。
なお、本発明においては、本発明の効果を妨げない限りは、高さ40μm未満の突起部又は高さ100μmを超える突起部が含まれていても良い。
ホットメルト樹脂層の付着量は、乾燥重量で10~40g/m程度とし、特に15~25g/mとすることが好ましい。付着量10g/m未満であると、疎水性酸化物微粒子が熱接着層埋め込むことができず、容器とのシールを阻害する要因となる。付着量が40g/mを超える場合は、蓋裏側の表面の色調が濁り、印刷層が明瞭に視認しにくくなる。
ホットメルト樹脂層の形成方法は、上記のような所定の突起部が形成される限り、特に制限されない。例えば、ホットメルト樹脂を溶融状態で所定の表面凹凸を有するグラビア版を用いて塗布した後、冷却固化するという方法により上記突起部を有するホットメルト樹脂層を好適に形成することができる。
付着防止層
付着防止層は、容器用蓋材の蓋裏において最表面に備えられた層である。すなわち、容器用蓋材を容器と接着した場合において、内容物と接触し得る層である。付着防止層には疎水性酸化物微粒子を含む。付着防止層には、疎水性酸化物微粒子を含んでいれば良く、疎水性酸化物微粒子どうしを接合するバインダー樹脂を備えていても良い。好ましくは、付着防止層の一部が、透明性樹脂層中の熱可塑性樹脂に埋没し、疎水性酸化物微粒子どうしを接合していることが好ましい。
疎水性酸化物微粒子としては、疎水性を有するものであれば特に限定されず、表面処理により疎水化されたものであっても良い。例えば、親水性酸化物微粒子をシランカップリング剤等で表面処理を施し、表面状態を疎水性とした微粒子を用いることもできる。酸化物の種類も、疎水性を有するものであれば限定されない。例えばシリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、チタニア等の少なくとも1種を用いることができる。これらは公知又は市販のものを採用することができる。例えば、シリカとしては、製品名「AEROSIL R972」、「AEROSIL R972V」、「AEROSIL R972CF」、「AEROSIL R974」、「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RY200」(以上、日本アエロジル株式会社製)、「AEROSIL R202」、「AEROSIL R805」、「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」、(以上、エボニック デグサ社製)等が挙げられる。チタニアとしては、製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等が例示できる。アルミナとしては、製品名「AEROXIDE Alu C」(エボニック デグサ社製)等をシランカップリング剤で処理して粒子表面を疎水性とした微粒子が例示できる。
この中でも、疎水性シリカ微粒子を好適に用いることができる。とりわけ、より優れた付着防止性が得られるという点において、表面にトリメチルシリル基を有する疎水性シリカ微粒子が好ましい。これに対応する市販品としては、例えば前記「AEROSIL R812」、「AEROSIL R812S」(いずれもエボニック デグサ社製)等が挙げられる。
付着防止層に含まれる疎水性酸化物微粒子は、一次平均粒子径が3~100nmであり、特に5~20nmであることが好ましい。一次粒子平均径を上記範囲とすることにより、疎水性酸化物微粒子が適度な凝集状態となり、その凝集体中にある空隙に空気等の気体を保持することができる結果、優れた付着防止性を得ることができる。すなわち、この凝集状態は、透明性樹脂層に付着した後も維持されるので、優れた付着防止性を発揮することができる。
なお、本発明において、一次粒子平均径の測定は、走査型電子顕微鏡(FE-SEM)で実施することができ、走査型電子顕微鏡の分解能が低い場合には透過型電子顕微鏡等の他の電子顕微鏡を併用して実施しても良い。具体的には、粒子形状が球状の場合はその直径、非球状の場合はその最長径と最短径との平均値を直径とみなし、走査型電子顕微鏡等による観察により任意に選んだ20個分の粒子の直径の平均を一次粒子平均径とする。
透明性樹脂層に付着させる疎水性酸化物微粒子の付着量(乾燥後重量)は0.3~1.0g/mである。上記範囲内に設定することによって、より優れた非付着性が長期にわたって得ることができる上、疎水性酸化物微粒子の脱落抑制、コスト等の点でもいっそう有利となる。熱接着層に付着した疎水性酸化物微粒子は、三次元網目構造を有する多孔質層を形成していることが好ましい。
また、疎水性酸化物微粒子は、透明性樹脂層の全面(基材層側と反対側の面の全面)に付着していても良いし、透明性樹脂層が熱接着される領域(いわゆる接着しろ)を除いた領域に付着していても良い。本発明では、透明性樹脂層の全面に付着している場合でも、透明性樹脂層が熱接着される領域上に存在する疎水性酸化物微粒子のほとんど又は全部が当該透明性樹脂層中に埋没するので熱接着が阻害されることはなく、工業的生産上でも透明性樹脂層の全面に付着している方が望ましい。
付着防止の厚みは、上記の付着量の範囲内で適宜設定することができ、例えば0.1~5μm程度とすることができるが、これに限定されない。
付着防止層の形成方法は、特に限定されないが、特に溶媒中に疎水性酸化物微粒子が分散した分散液を透明性樹脂層の表面の一部又は全部に塗布し、乾燥する工程を含む方法によって好適に実施することができる。
分散液に使用される溶媒は特に制限されず、水、エタノール等のように食品製造で通常使用されている溶媒を1種又は2種以上で使用することができる。
分散液中における疎水性酸化物微粒子の含有量は特に制限されないが、一般的には5~200g/L(リットル)程度の範囲内で適宜設定することが好ましい。
また、分散液中には、本発明の効果を妨げない範囲内において、必要に応じて分散剤、着色剤、沈降防止剤、粘度調整剤、バインダー、脱泡剤等が含まれていても良い。
分散液を透明性樹脂層上に塗布する方法は、特に限定されず、例えばロールコーティング、各種グラビアコーティング、バーコート、ドクターブレードコーティング、コンマコーター、刷毛塗り等の公知の方法を適宜採用することができる。なお、疎水性酸化物微粒子は、分散媒中に混ぜられていると、より均一に塗工することができる。
塗布量(乾燥後重量)は、所望の撥水性又は撥油性に応じて適宜設定できるが、通常は0.3~1.0g/m程度とし、特に0.4~0.6g/mとすることが好ましい。上記範囲内に設定することによって、より確実に付着防止性粒子からなる多孔質層を形成することができる結果、より優れた非付着性が長期にわたって得ることができる上、微粒子の脱落抑制、コスト等の点でもいっそう有利となる。
塗布後は、塗布面を乾燥することにより、樹脂基材フィルム上に付着防止性粒子が付着してなるフィルムを得る。乾燥方法は、特に制限されず、自然乾燥又は加熱乾燥のいずれであっても良い。加熱乾燥する場合は、通常は60~190℃程度とし、特に80~150℃とすることが好ましい。加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は3~30秒程度とすれば良い。
形成された付着防止層の撥水性は、通常は純水(25℃)の接触角が140度以上、特に150度以上であることが好ましい。
その他の層
本発明蓋材では、本発明の効果を妨げない限り、他の層が形成されていても良い。例えば、層間に接着剤層を介在させることもできる。また、基材に透明性樹脂層が形成される反対の面(すなわち、蓋材が外部に露出する側の表面)に例えば印刷層、オーバーコート層、クリア層等が形成されていても良い。
文字図柄の表現
本発明蓋材では、a)前記基材層、b)前記透明性樹脂層及びc)両層の層間に形成されていても良い中間層の少なくとも1層に文字図柄が表現されている。前記のとおり、本発明蓋材では、ホットメルト樹脂層の下側(付着防止層とは反対側)に文字図柄が表現されているところ、その表示内容を透視することができる。これまでの蓋材では、そのおもて面(外側)には文字、絵柄等が施されているものの、裏面には付着防止層を形成することから文字図柄の表示を施したとしても視認不能又は視認困難となるために裏面への印刷等は敬遠されていた。これに対し、本発明の蓋材では、最外層に付着防止層が形成されていても、その下層に配置された文字図柄を透視することができるので、蓋材の裏面にも文字図柄その他の意匠を自由に施すことが可能となる。
文字図柄の表現方法は、図1に示したように、付着防止層上からその表示内容が視認できる限りは、いずれであっても良い。例えば、a)中間層として印刷層を導入する方法、b)凹凸により文字図柄を立体的に形成する方法、c)製造時に予め文字図柄が表現されたフィルムを用いて基材層、透明性樹脂層又は中間層を形成する方法、d)文字図柄を表現した部材を積層する方法等が挙げられるが、これに限定されない。また、これらの各方法は、1種又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
上記a)の方法では、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット、シルクスクリーン等の公知の印刷法によってインクを所定パターンとなるように印刷することによって印刷層を形成することができる。また例えば、転写フィルム等を用いて印刷層を転写することにより形成することもできる。このように、基材層の表面にインク、転写フィルム等を用いて印刷を施すことで印刷層を形成することができる。
印刷層を施す場合、その色は限定されず、例えば白、黒、赤、緑、黄等の各種の色のインクを適宜用いることができる。特に、容器に充填する内容物が食品等である場合には、より高い安全性が確保できるという点で、可食性インクを用いることが好ましい。また、インクは、油性インキ又は水性インクのいずれであっても良い。
上記(b)においては、例えば凹凸により文字図柄を立体的に形成する方法として、例えば(b1)基材層、透明性樹脂層又は中間層を刻印することにより文字図柄を形成する方法、(b2)予め凹凸により文字図柄を立体的に形成されたフィルムを用いて基材層、透明性樹脂層又は中間層を形成する方法等が挙げられる。上記(b1)の方法は、特に限定されず、レーザーによる刻印(非接触式)、各種の刻印機による刻印(接触式)のいずれであっても良い。上記(b2)の方法も、限定的でなく、例えば転写用の文字図柄が印字された金型を用いてプレス成形等により成形する方法が挙げられる。上記(b)では、凹凸の形成は、各層の片面又は両面のいずれに施しても良い。また、片面に施す場合は、透明性樹脂層が積層される側あるいはその反対側のいずれであっても良い。
上記(c)においては、例えば(c1)文字図柄を表現した部材が組み込まれた(例えば特定の文字図柄の形状を有するプレート等が埋め込まれた)フィルムを用いて基材層、透明性樹脂層又は中間層を形成する方法、(c2)着色樹脂を用いて模様、文字等が描かれたフィルムを用いて基材層、透明性樹脂層又は中間層を形成する方法等が挙げられる。
上記(d)においては、例えば文字図柄を表現した部材を基材層、透明性樹脂層又は中間層に積層する方法等が挙げられる。
なお、本発明蓋材においては、基材層のもう一方の面側(容器外部側)にも文字図柄が表示されていても良い。これらは、公知の蓋材の印刷層等と同じものを採用することもできる。
2.容器用蓋材の使用
本発明蓋材は、各種の容器の蓋として使用することができる。より具体的には、本発明蓋材の最表面にある付着防止層を容器内側に配置された状態で容器開口部を閉じるために用いられる。すなわち、本発明蓋材は、基材(シート状基材)を備え、その両面は、容器用蓋材が容器の蓋として使用されるに際して、容器の外側を向く面と容器の内側を向く面となる。
図2には、内容物16が充填されたカップ状容器17の開口部が図1の本発明蓋材10で閉じられている包装製品20を示す。カップ状容器17の開口部のフランジ部17aと蓋材の透明性樹脂層13及びホットメルト樹脂層が熱接着着(ヒートシール)により接合される結果、内容物16の密封を実現することができる。この場合、熱接着される前は、本発明蓋材の熱接着される領域上には付着防止層15の疎水性酸化物微粒子15aが積層されているが、熱接着時には透明性樹脂層13及び/又はホットメルト樹脂層14中に疎水性酸化物微粒子が埋め込まれる。これにより、特に透明性樹脂層13と容器開口部との強固な接合が実現される。熱接着される領域以外の部分には疎水性酸化物粒子15aが露出した状態になっているので、内容物として食品等が収容された場合において、その内容物が蓋材に接触しても、内容物が付着しにくくなる。
図2に示す本発明蓋材10では、容器の内側を向く面は、基材層11から順に、中間層(印刷層)12、透明性樹脂層13、ホットメルト樹脂層14及び付着防止層15を備える。容器の外側に向く面には、必要に応じて、例えば第二の基材層、印刷層、印刷層を保護するための保護層等(図示せず)等を適宜設けることができる。
この場合、付着防止層15を備える側の基材層11表面に備える印刷層12を蓋裏印刷とも呼称し、もう一方の表面に施された印刷を表印刷とも呼称する。一般的には表印刷には容器に充填される内容物に関する情報(例えば、製品名、ロゴ、成分、賞味期限、内容物のイメージ図、バーコード等)が印刷される。内容物付着防止機能を備えない一般的な蓋裏印刷には、製品に関する情報、キャンペーン情報、広告等が印刷されることがあるが、従来技術では蓋裏に内容物の付着防止機能を備える場合には、基材に印刷した場合にはその表面の付着防止機能の構造により光が乱反射して白くくすんで視認しにくいという理由から、蓋裏印刷は敬遠されている。これに対し、本発明蓋材は、例えば図1に示すように、A方向から見た場合でも、付着防止層15及び透明性樹脂層13を通して印刷層12の表示内容を視認(透視)できるため、その表示内容を確実かつ容易に理解することができる。このように、内容物付着防止機能を備えるものの蓋裏印刷を備えない容器用蓋材、蓋裏印刷を備えるものの内容物付着防止機能を備えない容器用蓋材はそれぞれ公知であるが、蓋裏印刷を備え、かつ、内容物付着防止機能を備える容器用蓋材は、本来は容器用蓋材を製造するうえでは相反する条件が要求されるものであるところ、その両立を実現したのが本発明蓋材である。
図2では、カップ状容器を示したが、容器形状は本発明蓋材が適用できれば限定的でなく、トレイ状、ボトル状等のいずれにも適用することができる。
また、容器に装填される内容物も、特に限定されず、ヨーグルト、プリン、氷菓子等の食品のほか、化粧品、医薬品等のいずれであっても良い。内容物の性状も限定的でなく、例えば固体材料のほか、流動性のある材料等にも適用することができる。また、内容物がゲル状物又は非ゲル状物のいずれであっても良い。さらに、内容物は、水分及び油分(油脂類)の少なくとも一方を含む材料であっても良いが、特に水分を含む内容物を好適に採用することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
厚み15μmのアルミニウム箔(1N30、軟質箔;ALと略称)の片面にポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量3.5g/m;Dと略称)を用いて、裏印刷(印刷と略称)を施した厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETと略称)の印刷面と貼り合わせ、基材層を作製した。この基材層のアルミニウム面に印刷を施した。なお、印刷は、視認性を比較しやすいように、二次元バーコードのデザインを施した。この印刷層の上にアンカーコート(主成分:ポリエステル系樹脂;ACと略称)処理を施した上、低密度ポリエチレン樹脂(LDPEと略称)を膜厚20μmとなるように押出し積層した。さらに、低密度ポリエチレン上にホットメルト剤(ワックス35重量部、ロジン35重量部及びエチレン-酢酸ビニル共重合体30重量部;HMと略称)を重量20g/m、厚み50μm、約3500個/平方inchとなるようにグラビアホットメルトコートした。これによって、「PET/印刷/D/AL/印刷/AC/LDPE/HM」なる構成の積層体を得た。
ここで、得られた積層体のホットメルト樹脂層(HM)の表面観察を行った。表面を走査型電子顕微鏡にて観察し、視野内にある突起部の個数を計測し、その個数を視野面積で割ることにより突起部の密度を算出した。その表面の顕微鏡写真を図3に示す。また、積層体の断面を切り出し、その断面にある全ての突起部の高さを計測した。その断面の顕微鏡写真を図4に示す。突起部の密度及び高さを表1に示す(以下の実施例及び比較例でも同様にして測定し、その結果も表1に示す。)。
次いで、付着防止層として、疎水性酸化物微粒子(製品名「AEROSIL R812S」エボニック デグサ社製、BET比表面積:220m/g、一次粒子平均径:7nm)5gをエタノール100mLに分散させてコート液を調製した。このコート液を上記積層体の透明性樹脂層表面に乾燥後重量で0.5g/mになるようにバーコート方式で付与した後、100℃で10秒程度かけて乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、容器用蓋材サンプルを得た。
実施例2
低密度ポリエチレンの膜厚10μm、ホットメルト剤の重量10g/m、厚み40μm、約2000個/平方inchにした以外は、実施例1と同様にして容器用蓋材サンプルを得た。
実施例3
低密度ポリエチレンの膜厚40μm、ホットメルト剤の重量40g/m、厚み100μm、約5000個/平方inchにした以外は、実施例1と同様にして容器用蓋材サンプルを得た。
比較例1
付着防止層を付与しなかったほかは、実施例1と同様にして容器用蓋材サンプルを作製した。
比較例2
付着防止層として、疎水性酸化物微粒子の塗布量を、乾燥後重量で1.2g/mになるようにした以外は、実施例1と同様にして容器用蓋材サンプルを得た。
比較例3
低密度ポリエチレンの膜厚9μm、ホットメルト剤の重量8g/m、厚み20μm、約1800個/平方inchにした以外は、実施例1と同様にして容器用蓋材サンプルを得た。
比較例4
低密度ポリエチレンの膜厚45μm、ホットメルト剤の重量50g/m、厚み110μm、約5500個/平方inchにした以外は、実施例1と同様にして容器用蓋材サンプルを得た。
比較例5
付着防止層の疎水性酸化物微粒子を、一次平均粒子径2.7μmの疎水性シリカ粒子であるサイロホービック-100(富士シリシア社製)としたほかは、実施例1と同様にして容器用蓋材サンプルを得た。
試験例1(蓋裏印刷の視認性)
各実施例及び比較例で得られたサンプルについて、蓋裏印刷の視認性を評価した。スマートフォン(サムスン電子社製 Galaxy SC-04J)のカメラを用い、印刷した二次元バーコードの読み取り性評価を実施した。評価方法は、二次元バーコード全体がカメラを介してスマートフォンの視野全体に表示されるように、カメラを10~15cmの距離に近づけて即座に読み取り可能なサンプルを「〇」、読み取りに数秒時間を要するもしくは読み取り不可のサンプルを「×」とした。その評価結果を表1に示す。
試験例2(シール強度)
各包装材料から蓋材の形状(タブ付きの直径75mmの円形)に切り抜いた蓋材を用いて包装体を作製した。具体的には、フランジ付き紙/ポリエチレン製容器(フランジ幅3mm、フランジ外径70mm、高さ約55mm、内容積約130cm3、厚み約300μmの紙にポリエチレン100μmをコーティングしたものをポリエチレンが容器内側になるように成形したもの)のフランジ上に前記蓋材をヒートシールすることによって包装体をそれぞれ作製した。ヒートシール条件は、温度160℃及び圧力1kg/cmで1秒間とした。
各包装体上の蓋材のタブを開封始点からみて仰角45度の方向に100mm/分の速度で引っ張り、開封時の最大荷重をシール強度(N)とし、各包装体についてn=6点測定し、その平均値を求めた。平均値が10.0~15.0N/CUPで良好な開封性を示したサンプルを「〇」とし、平均値が5.0N/CUP未満のシール強度が弱いサンプル、又は15.0N/CUPを超えるシール強度を示したサンプルを「×」とした。
試験例3(付着防止性)
ヒートシール条件を温度160℃及び圧力1kg/cmから、180℃及び圧力3kg/cmとした以外は試験例2と同様にして容器シールサンプルを得た。
作製した各包装体を振動試験機(アイデックス株式会社製 TRANSPORTATION TESTER BF-30U)を用いて1分40秒間(10Hz-10秒・15Hz-10秒・20Hz-10秒・25Hz-10秒・30Hz-10秒を2回繰り返して上下往復振動)、2.2mm振幅(上下方向)、加速度約2Gの条件にて振動させた後、蓋材を手指で開封し、各蓋材に付着したヨーグルトの量(付着面積)を目視で判定した。内容物が接する面(付着防止層)において、付着領域が0%以上10%未満のサンプルを「〇」とし、10%以上30%未満のサンプルを「△」とし、30%以上100%以下のサンプルを「×」とした。その評価結果を表1に示す。
Figure 2022157682000002
表1の結果からも明らかなように、本発明の容器用蓋材では、蓋裏において内容物の付着防止機能を有しながら、なおかつ、蓋裏の印刷層の色味又は濃さに限らず、明瞭に印刷層の印刷内容を認識することが可能となる。

Claims (4)

  1. 少なくとも基材層、透明性樹脂層、ホットメルト樹脂層及び付着防止層を順に含み、かつ、a)前記基材層、b)前記透明性樹脂層及びc)両層の層間に形成されていても良い中間層の少なくとも1層に文字図柄が表現されている蓋材であって、
    (1)透明性樹脂層の厚みは10~40μmであり、
    (2a)ホットメルト樹脂層は、ワックス成分、ロジン成分及びエチレン-酢酸ビニル共重合体を含み、
    (2b)ホットメルト樹脂層の付着量が乾燥重量で10~40g/mであり、
    (2c)ホットメルト樹脂層表面には高さ40~100μmの突起部が形成されており、
    (2d)前記の突起部は2000~5000個/平方inchであり、
    (3a)付着防止層は、最外層として配置されており、
    (3b)付着防止層は、一次平均粒子径が3~100nmの疎水性酸化物微粒子を含み、
    (3c)付着防止層の付着量が乾燥重量で0.3~1.0g/mであり、
    (4)付着防止層上から前記文字図柄の内容を視認することができる、
    ことを特徴とする容器用蓋材。
  2. 透明性樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂及びビニル系樹脂の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の容器用蓋材。
  3. カップ状容器に内容物が充填されており、請求項1又は2に記載の容器用蓋材の付着防止層が容器内側に向いた状態で前記容器の開口部を密封してなる包装製品。
  4. 前記カップ状容器の開口部と前記蓋材の透明性樹脂層とが熱接着される領域上にある付着防止層が、熱接着時に透明性樹脂層及び/又はホットメルト樹脂層中に埋め込まれることによって前記蓋材の透明性樹脂層とが熱接着されている、請求項3に記載の包装製品。
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