JP2022183061A - リシール包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器フランジの幅、材質に依存せず、密着性、開封性及び再封性に優れた蓋材を提供する。【解決手段】基材層11、第一の被接着層12、粘着剤層13、第二の被接着層14、及び、シーラント層15を有するリシール包装材1であって、厚み方向に、カット部2を有し、第二の被接着層が、粘着剤層との界面の30~70%の面積にアクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層、粘着剤層との界面全面に剥離コートが施された樹脂層、界面活性剤を含有する樹脂層、並びに、第二の被接着層と粘着剤層との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満であり、第一の被接着層が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、第一の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が2.5N/15mm以上である、ことを特徴とするリシール包装材。【選択図】図1

Description

本発明は、リシール包装材に関する。
大容量のヨーグルト、プリン等のカップ容器、お菓子、調味料等の袋包装等、様々な食品等が包装材により包装されている。
食品用の蓋材、容器等の包装材において、消費者が開封後、中身の一部を残して一時保管する場合にはラップ等で容器全体を包む必要があり、極めて不便である。またラップ等のゴミが発生することがあり、また、保存せずに内容物が残ったまま破棄するといったケースもあり、フードロスの観点からも望ましくないという問題がある。このため、包装材には、簡易的に複数回蓋が閉じられる特性(再封性、リシール性)を有することが望まれている。
リシール性を有する包装材として、粘着剤層及びヒートシール剤層が積層されており、粘着剤層が特定の配合である包装材料が提案されている(特許文献1及び2参照)。
しかしながら、これらの包装材料は、容易に開封可能であり再封は可能であるものの、粘着力が低く、例えば蓋材として使用した場合、容器のフランジの幅や材質によっては再封強度が十分でないという問題がある。
従って、容器フランジの幅や容器の材質に依存せず、優れた再封性を有する包装材の開発が望まれている。
特開特開2005-41539号公報 特開特開2020-15545号公報
本発明は、容器フランジの幅、材質に依存せず、密着性、開封性及び再封性に優れた蓋材を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、基材層、第一の被接着層、水添スチレンブタジエンゴム及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する粘着剤層、第二の被接着層、並びに、シーラント層をこの順に有するリシール包装材において、特定のカット部を有し、第一の被接着層及び第二の被接着層が特定の構成を備えることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のリシール包装材に関する。
1.基材層、第一の被接着層、水添スチレンブタジエンゴム及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する粘着剤層、第二の被接着層、及び、シーラント層をこの順に有するリシール包装材であって、
厚み方向に、前記シーラント層から前記第二の被接着層に至るカット部を有し、
前記第二の被接着層が、(1)前記粘着剤層との界面の30~70%の面積にアクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層、(2)前記粘着剤層との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層、(3)界面活性剤を含有する樹脂層
、並びに、(4)前記粘着剤層が5μm以下の場合にはポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層、の少なくともいずれかであり、
前記第二の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満であり、
前記第一の被接着層が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記第一の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が2.5N/15mm以上である、
ことを特徴とするリシール包装材。
2.前記第二の被接着層と、前記粘着剤層との界面の初期剥離強度は、5.0~20.0N/CUPである、項1に記載のリシール包装材。
3.前記第二の被接着層と、前記粘着剤層との界面の再剥離強度は、1.0~5.0N/CUPである、項1又は2に記載のリシール包装材。
4.基材層、第一の被接着層、水添スチレンブタジエンゴム及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する粘着剤層、第二の被接着層、及び、シーラント層をこの順に有するリシール包装材であって、
厚み方向に、前記シーラント層から前記粘着剤層に至るカット部を有し、
前記第一の被接着層が、(1)前記粘着剤層との界面の30~70%の面積にアクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層、(2)前記粘着剤層との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層、及び(3)界面活性剤を含有する樹脂層、並びに、(4)前記粘着剤層が5μm以下の場合はポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層、の少なくともいずれかであり、
前記第一の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満であり、
前記第二の被接着層が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記第二の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が2.5N/15mm以上である、
ことを特徴とするリシール包装材。
5.前記第一の被接着層と、前記粘着剤層との界面の初期剥離強度は、5.0~20.0N/CUPである、項4に記載のリシール包装材。
6.前記第一の被接着層と、前記粘着剤層との界面の再剥離強度は、1.0~5.0N/CUPである、項4又は5に記載のリシール包装材。
本発明のリシール包装材は、容器フランジの幅、材質に依存せず、密着性、開封性及び再封性に優れている。
本発明の第一実施形態のリシール包装材の層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の第一実施形態のリシール包装材の第一実施形態の層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の第一実施形態のリシール包装材を容器に用いる形態の一例を示す断面模式図である。 本発明の第二実施形態のリシール包装材の層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の第二実施形態のリシール包装材の層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の第二実施形態のリシール包装材を容器に用いる形態の一例を示す断面模式図である。 本発明のリシール包装材を容器に用いた例を示す写真である。
以下、本発明のリシール包装材について図を用いて詳細に説明する。なお、本発明のリシール包装材において、リシール包装材が、例えば容器の蓋に用いられる際に、内容物と接する側(シーラント層側)を「下」と称し、その反対側(基材層側)を「上」と称する場合がある。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態のリシール包装材の層構成の一例を示す断面模式図である。図1において、本発明の第一実施形態のリシール包装材1は、基材層11、第一の被接着層12、水添スチレンブタジエンゴム及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する粘着剤層(以下、単に「粘着剤層」とも示す。)13、第二の被接着層14、及び、シーラント層15をこの順に有するリシール包装材であって、厚み方向に、前記シーラント層15から前記第二の被接着層14に至るカット部2を有し、前記第二の被接着層14が、(1)前記粘着剤層13との界面の30~70%の面積にアクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層、(2)前記粘着剤層13との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層、(3)界面活性剤を含有する樹脂層、並びに、(4)前記粘着剤層が5μm以下の場合はポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層、の少なくともいずれかであり、前記第二の被接着層14と前記粘着剤層13との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満であり、前記第一の被接着層12が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記第一の被接着層12と前記粘着剤層13との接着強度が2.5N/15mm以上であるリシール包装材である。
第一実施形態では、カット部2が厚み方向に、シーラント層15から第二の被接着層14までカットされている。また、第二の被接着層14が、上記(1)~(4)の少なくともいずれかであるため、第二の被接着層14と粘着剤層13との接着強度が、他の層の層間接着強度よりも相対的に低くなっており、第二の被接着層14と粘着剤層13との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満となっている。また、第一の被接着層12と粘着剤層13との接着強度が2.5N/15mm以上となっている。このため、図3のように、カット部よりも容器3と接着されている側(外側)では、リシール包装材(蓋材)を引き剥がした際に、第二の被接着層14と粘着剤層13との間で剥離し、第二の被接着層14及びシーラント層15が容器3に付着した状態で容器3側に残存して開封される。リシール包装材(蓋材)側では、粘着剤層13が露出しており、開封したリシール包装材を再びシールすると、容器3側に残った第二の被接着層14と、リシール包装材側で露出している粘着剤層13とが接して再封される。すなわち、本発明の第一実施形態のリシール包装材1は、開封および再封される界面が、リシール包装材(蓋材)側の粘着剤層13と、容器3側の第二の被接着層14との界面であり、第二の被接着層が、上記(1)~(4)の少なくともいずれかであることにより、容器フランジの幅、材質に依存せず、密着性、開封性及び再封性に優れている。
本発明の第一実施形態のリシール包装材の層構成は、少なくとも基材層、第一の被接着層、粘着剤層、第二の被接着層、及び、シーラント層をこの順に有していればよく、具体的構成についてはリシール包装材の用途等に応じて適宜設定すればよい。例えば、図2に示すように、基材層11、第一の被接着層12、粘着剤層13、第二の被接着層14、シーラント層15、及び多孔質層16を有していてもよい。
基材層
基材層は、蓋材等のリシール包装材の表側の印刷層、芯材等の機能を有する層である。基材層は、リシール包装材にコシを付与し、突き破り等に対する耐久性を付与することができ、蓋材等のリシール包装材が容器に接着されている状態でリシール包装材を引き剥がす際に、リシール包装材に強度を付与して破断を抑制することができる。また、容器に充填される内容物が光、空気等に晒されることを嫌うものの場合には、基材層に、光の透過を抑制する特性、外気の進入を防ぐ特性、内容物の匂いの容器外への漏れを抑制する特性等を付与してもよい。なお、これらの特性は、後述する第一の被接着層に付与してもよい。
基材層の材質は、上述の機能を有していれば特に限定されず、例えばプラスチック、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、紙等の各種の材料を用いることができる。より具体的には、基材層を形成するための材料として、例えば、紙(セルロースフィルムを含む)、合成紙、樹脂フィルム、蒸着層を有する樹脂フィルム、合成樹脂板、アルミニウム箔、その他の金属箔、金属板、織布、不織布、皮、合成皮革、木材、ガラス板等の単体又はこれらの複合材料又は積層材料を好適に用いることができる。これらの中でも、紙が好ましく、また、光又は気体の透過を防ぎつつ、所定の強度も得られる点で、アルミニウム箔、又は樹脂フィルムが好ましい。
基材層の厚みは特に限定されず、通常は7~150μm程度であり、25~120μmが好ましい。
第一の被接着層
第一の被接着層は、基材と粘着剤層との間に介在する層である。
第一の被接着層は、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種である。より具体的には、例えば、紙(セルロースフィルムを含む)、合成紙、樹脂フィルム、蒸着層を有する樹脂フィルム、合成樹脂板、アルミニウム箔、その他の金属箔、金属板、織布、不織布、皮、合成皮革、木材、ガラス板等の単体又はこれらの複合材料又は積層材料を好適に用いることができる。粘着剤層と、より高い接着強度を得るために、これらの材料に適宜アンカーコート剤を施してもよい。これらの中でも、所定の強度も得られる点で、アンカーコート剤を処理した、アルミニウム箔又は樹脂フィルムが好ましい。
第一の被接着層と粘着剤層との接着強度は2.5N/15mm以上である。当該接着強度が2.5N/15mm以上であることにより、第一の被接着層と粘着剤層とが強固に接着され、また、後述するように第二の被接着層が(1)(2)(3)の少なくともいずれかであることによって、粘着剤層と第二の被接着層とが、相対的に剥離し易い構造となる。すなわち、リシール包装材を開封するに際して、粘着剤層と第二の被接着層との界面で剥離し、再封性を発揮することができる。上記接着強度は、3.0N/15mm以上が好ましく、3.5N/15mm以上がより好ましく、5.0N/15mm以上が更に好ましい。また、上記接着強度の上限は特に限定されず、10.0N/15mm以下程度である。
第一の被接着層の厚みは特に限定されず、通常は7~30μm程度であり、12~25μmが好ましい。
粘着剤層
粘着剤層は、第一の被接着層と第二の被接着層との間に介在する層である。第二の被接着層が上記(1)~(4)の要件を備えることで、粘着剤層とは一定の接着強度を有しつつ剥離可能である。また、第一の被接着層が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、且つ前記粘着剤層との接着強度が2.5N/15mm以上であるために十分に接着される。これにより、蓋材等のリシール包装材を容器から剥がす場合、粘着剤層と第2の被接着層との界面で剥離される。
粘着剤層は、水添スチレンブタジエンゴム及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する。
水添スチレンブタジエンゴムとしては、例えば、スチレン1~50質量%、及び、ブタジエン99~50質量%からなるランダム共重合体の水素添加物が例示できる。ASTMD1238(230℃、2.16kg)によるメルトフロー・インデックスが2~10の水添スチレンブタジエンゴムが好ましい。このような、水添スチレンブタジエンゴムとしては、例えば株式会社ENEOSマテリアルのDYNARON(登録商標)HSBRシリーズが挙げられる。
スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーとしては、例えば、スチレン1~40質量%、及び、エチレンブチレン99~40質量%からなるランダム共重合体が例示できる。ASTMD1238(230℃、2.16kg)によるメルトフロー・インデックスが2~30のスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーが好ましい。このような、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーとしては、例えば株式会社ENEOSマテリアルのDYNARON(登録商標)SEBSシリーズが挙げられる。
水添スチレンブタジエンゴム、及び、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーは、一旦粘着させた後剥離したものを再度粘着させても粘着強度はあまり変化せず、粘着と剥離を繰り返し行うことができる。
水添スチレンブタジエンゴム及び/又はスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーは、ポリオレフィン樹脂のブレンド等により変性されていてもよい。ポリオレフィン樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体、エチレン-メチル(メタ)アクリレート共重合体、アイオノマー等が用いられる。水添スチレンブタジエンゴム及び/又はスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーと、ポリオレフィン樹脂との比率は、質量比で100:0~60:40が好ましい。
粘着剤層の厚みは特に限定されず、通常は1~40μm程度であり、2~30μmが好ましく、5~25μmがより好ましい。
第二の被接着層
第二の被接着層の材質は、粘着剤層とシーラント層との間に介在する層である。第二の被接着層に含まれる樹脂は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、粘着剤層が5μm以下の場合には、ポリエチレンテレフタレート又はセルロースを用いることもできる。
第二の被接着層は、(1)粘着剤層との界面の30~70%の面積にアクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層、(2)粘着剤層との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層、(3)界面活性剤を含有する樹脂層、並びに、(4)前記粘着剤層が5μm以下の場合はポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層、の少なくともいずれかである。なお、上記(1)~(3)の場合は粘着剤層の厚みは特に限定されず、上述の粘着剤層の厚みとすればよい。
第二の被接着層の上記(1)及び(2)において、剥離コートが施された樹脂層に用いられる剥離コート剤としては、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂のいずれかである。
(1)アクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層を用いる場合は、剥離コートは、第二の被接着層と粘着剤層との界面の30~70%の面積に施される。面積が30%未満であると粘着剤層と第二の被接着層との界面強度が強くなり、初期開封及び再封強度が高くなって開封が困難となる。また、面積が70%を超えると、粘着剤層と第二の被接着層との界面強度が弱くなり内容物を密封することが困難となる。上記面積は、30~70%が好ましく、40~60%がより好ましい。
(2)粘着剤層との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層を用いる場合は、剥離コートは、被接着層と粘着剤層との界面の全面に施される。粘着剤層との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層としては、予め離型処理がされた市販のフィルムを用いることもできる。シリコンを含む剥離コートが施されたポリエステルフィルムとしては、例えば東レ株式会社製の離型フィルムであるセラピール(登録商標)が挙げられる。
上記(1)及び(2)において、剥離コートの塗布量は限定されず、通常、乾燥後重量で0.1~3.0g/m程度が好ましい。この剥離コートを上述の面積の範囲で樹脂フィルムの片側全面、又は所定のパターンでパートコートすることにより、第二の被接着層と粘着剤層との界面強度のコントロールが可能となる。
(3)界面活性剤を含有する樹脂層を用いる場合は、界面活性剤としては特に限定されず、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の公知の界面活性剤を用いることができる。このような界面活性剤を含有する樹脂層としては、市販品を用いることができる。 例えば、界面活性剤を含有するポリエチレンテレフタレート樹脂層として、東洋紡株式会社製の帯電防止性樹脂フィルムであるエスペットフィルム(登録商標)のT7410、T6140、T6142等が挙げられる。
上記(1)~(3)において、第二の被接着層の厚みは特に限定されず、通常は7~30μm程度であり、12~25μmが好ましい。
(4)粘着剤層が5μm以下の場合はポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層を用いる。ポリエチレンテレフタレート層及びセルロース層としては特に限定されず、市販のポリエチレンテレフタレートフィルム及びセルロースフィルムを用いることができる。(4)において、ポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層の厚みは特に限定されず、通常は7~30μm程度であり、12~25μmが好ましい。
第二の被接着層と粘着剤層との接着強度は、0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満である。0.5N/15mm未満であると再封性が劣る。また、2.5N/15mm以上であると、初期開封強度が強くなり開封が困難となる。上記接着強度は、0.6N/15mm以上2.0N/15mm以下が好ましく、1.0N/15mm以上1.5N/15mm以下がより好ましい。上記接着強度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
なお、本発明のリシール包装材を、例えばヨーグルト用等の蓋材として用いる場合は、特開2007-186217に記載のように、手で引っ張るためのタブ部分のみは、第二の被接着層と粘着剤層との剥離強度を0.1N/15mm又はそれ以下等、極端に低くしてもよい。
第二の被接着層の厚みは特に限定されず、通常は7~30μm程度であり、12~25μmが好ましい。
第二の被接着層と、粘着剤層との界面の初期剥離強度は、5.0~20.0N/CUPが好ましく、7.0~15.0N/CUPがより好ましい。初期剥離強度が上記範囲であることにより、リシール包装材の開封性がより一層向上し、且つ、密着性がより一層向上する。上記初期剥離強度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
第二の被接着層と、粘着剤層との界面の再剥離強度は、1.0~5.0N/CUPが好ましく、1.5~3.5N/CUPがより好ましい。再剥離強度が上記範囲であることにより、リシール包装材の密着性及び再封性がより一層向上し、且つ、再度開封する際の開封性がより一層向上する。上記再剥離強度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
シーラント層
シーラント層は、内容物が充填される容器等の被着体と強固に密着できる限り、特に限定されない。シーラント層は、樹脂成分として熱接着性を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。これにより、シーラント層が熱接着層として機能することができる。
シーラント層を構成する熱可塑性樹脂としては、熱接着性を有する樹脂であれば特に限定的されず、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等の接着剤等が挙げられる。より具体的には、a)低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマ-樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体アクリル-塩酢ビ共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ-、ポリブテンポリマ-、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;b)これらのポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ-ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂;c)ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂;d)その他これらのブレンド樹脂、これらを構成するモノマーの組合せを含む共重合体、変性樹脂等を例示することができる。これらの中でも、例えば容器の材質がポリエチレンであれば、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。また、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂等のエチレン系共重合体を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレン樹脂が好ましく、特に低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。
シーラント層を形成する場合には、シーラント樹脂を溶融状態で押出塗布した後、冷却固化する。第二の被接着層との密着性を向上するため、適宜第二の被接着層に接着剤(アンカーコート剤)を0.01~1.0g/m程度塗工することが好ましい。シーラント層の塗布は、上述の粘着樹脂の押出塗布直後に連続的に、第二の被接着層の粘着剤層側とは反対の面に押出塗布するのが好ましい。また、第二の被接着層に接着剤を塗布して接着剤層を形成し、市販のポリエチレンフィルムをラミネートしてもよい。接着剤層を形成する場合、使用できる接着剤としては、食品用途で使用できるものであれば特に限定されず、例えばラミネート接着剤等を好適に用いることができる。ラミネート接着剤の成分としては、例えばポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤、ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。また、ラミネート接着剤の性状も限定的でなく、溶剤型、無溶剤型、水性型等のいずれも使用することができる。また、被着体である容器の材質がポリプロピレンであればシーラント層もポリプロピレン系樹脂を選択し、容器の材質がポリエチレンテレフタレートであれば、ポリエステル系樹脂を選択する手法により、容器材質に依存せずに設計が可能となる。
シーラント層の厚みは、容器との密着性、及び光透過性の観点から通常10~70μm程度が好ましい。厚みの下限が上記範囲であると、容器にシールした際のクッション性が向上し、シールのバランスの低下によるシール不良がより一層抑制される。
シーラント層は、本発明の効果を妨げない範囲内において、必要に応じて他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば、分散剤、着色剤、沈降防止剤、粘度調整剤、脱泡剤、フィラー、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤等が挙げられる。
多孔質層
シーラント層は、外側(第二の被着層側とは反対側)に特殊な機能を付与されていてもより。例えば、内容物が付着しにくいように付着防止処理をすることも可能である。付着防止処理としては、多孔質層を設ける処理が挙げられる。
図2に、本発明の第一実施形態のリシール包装材の第一実施形態の層構成の一例を示す断面模式図を示す。図2では、シーラント層15の下に多孔質層16が形成されている。また、図3に、本発明の第一実施形態のリシール包装材を容器に用いる形態の一例を示す断面模式図を示す。図3では、多孔質層16を有するリシール包装材が容器3の蓋材に用いられており、多孔質層16が内容物4側の面として露出している。このため、図3では、蓋材としてのリシール包装材への内容物4の付着が抑制される。
多孔質層をヒートシール層の下に形成する方法としては特に限定されず、例えば、ヒートシール層の下側の面に一次粒子平均径3~100nm、好ましくは5~50nm、より好ましくは5~20nmの疎水性酸化物微粒子を付着させる方法により形成することができる。
疎水性酸化物微粒子を付着させる方法は特に限定されず、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコート、ドクターブレードコーティング、刷毛塗り、粉体静電法等の公知の方法を採用することができる。ロールコーティング等を採用する場合は、疎水性酸化物微粒子を溶媒に分散させてなる分散体をヒートシール層に塗布して塗膜を形成した後に乾燥する方法を採用することができる。溶媒としては限定されず、水、アルコール等の有機溶剤が挙げられる。
疎水性酸化物微粒子としては、疎水性を有するものであれば特に限定されず、表面処理により疎水化されたものを用いてもよい。例えば、親水性酸化物微粒子をシランカップリング剤等で表面処理を施し、表面状態を疎水性とした微粒子を用いることもできる。酸化物の種類も、疎水性を有するものであれば限定されない。例えばシリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ、チタニア等の少なくとも1種を用いることができる。これらは公知又は市販のものを採用することができる。これらの中でも、内容物の付着の抑制がより一層優れる点で、疎水性シリカ微粒子が好ましく、表面にトリメチルシリル基を有する疎水性シリカ微粒子がより好ましい。
ヒートシール層に付着させる疎水性酸化物微粒子の付着量(乾燥後重量)は特に限定されず、0.01~10g/mが好ましく、0.2~1.5g/mがより好ましく、0.3~1g/mが更に好ましい。
ヒートシール層に付着した疎水性酸化物微粒子は、三次元網目構造を有する多孔質層を形成していることが好ましく、その厚みは0.1~5μmが好ましく、0.2~2.5μmがより好ましい。このようにポーラスな層状態で付着することにより、当該層に空気を多く含むことができ、内容物の付着をより一層抑制することができる。
カット部
本発明の第一実施形態のリシール包装材は、図1及び図2のように、厚み方向に、シーラント層から第二の被接着層に至るカット部を有する。なお、図2のように、多孔質層を有する場合には、厚み方向に、多孔質層から第二の被接着層に至るカット部を有する。リシール包装材がカット部を有することにより、上述の基材層、第一の被接着層、粘着剤層、第二の被接着層、及び、シーラント層を有することとあいまって、図3のように、容器3のフランジ部上にシーラント層15及び第二の被接着層14が残存し、第二の被接着層14と粘着剤層13との間で剥離する。これにより、第二の被接着層14と粘着剤層13との間で密着性、開封性及び再封性を示すことができる。
カット部(ハーフカット)は、例えばミシン目、歯、レーザーによる凹部形成により設けられた所定の形状で設けられる。ハーフカットの形状、大きさは、容器の開口部分の範囲内であれば任意に設計することができる。ハーフカット部分の内側(リシール包装材の中心側)は、図3のようにリシール包装材側(蓋側)に配置され、外側(容器のフランジ側)のシーラント層15及び第二の被接着層14が容器側に残存し、外側の領域表面に粘着剤層13が露出することで、実用性の高い再封性の付与が可能となる。
ハーフカットの加工方法は特に限定されず、例えばレーザー照射、トムソン刃等の物理的カット等を任意に採用することができる。トムソン刃等の物理的カットを行う場合には、カット部の形成に際してその深さをコントロールするために、刃の長さ(刃が当たる深さ)を調整することが好ましい。また、レーザー照射によりカット部を形成する場合には、カット部を設ける最大深さの位置に金属箔を積層しておき、これにレーザー照射を施すことによって金属箔までの深さにカット部を設けることができる。
容器
本発明のリシール包装材を接着する被着体である容器は、本発明のリシール包装材を接着することができれば特に限定さない。図3では、カップ状の容器を示したが、トレイ状、ボトル状等のいずれの形状であってもよい。
容器に装填される内容物は特に限定されず、固体材料、流動性のある材料等を包装することができる。また、内容物は、ゲル状物又は非ゲル状物のいずれであってもよい。さらに、内容物は、水分及び油分(油脂類)の少なくとも一方を含む材料であってもよく、特に、水分を含む内容物を好適に包装することができる。内容物としては、具体的には、ヨーグルト、プリン、氷菓子等の食品;化粧品;医薬品等が挙げられる。
以上説明した本発明の第一実施形態のリシール包装材は、上述の構成であるので、容器フランジの幅、材質に依存せず、優れた密着性、開封性及び再封性を示すことができる。
(第二実施形態)
図4は、本発明の第二実施形態のリシール包装材の層構成の一例を示す断面模式図である。上記第一実施形態では、厚み方向に、シーラント層から第二の被接着層に至るカット部を有しており、第二の被接着層が(1)~(4)の層であり、第二の被接着層と粘着剤層との界面で剥離する構成を示したが、第二実施形態では、厚み方向に、シーラント層から粘着剤層に至るカット部を有しており、第一の被接着層が(1)~(4)の層であり、第一の被接着層と粘着剤層との界面で剥離する構成である点で、第一実施形態とは異なる。
図4において、本発明の第二実施形態のリシール包装材1は、基材層11、第一の被接着層12、水添スチレンブタジエンゴムを含有する粘着剤層13、第二の被接着層14、及び、シーラント層15をこの順に有するリシール包装材であって、厚み方向に、前記シーラント層15から前記粘着剤層13に至るカット部2を有し、前記第一の被接着層12が、(1)前記粘着剤層13との界面の30~70%の面積にアクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層、(2)前記粘着剤層13との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層、(3)界面活性剤を含有する樹脂層、並びに、(4)前記粘着剤層が5μm以下の場合はポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層、の少なくともいずれかであり、前記第一の被接着層12と前記粘着剤層13との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満であり、前記第二の被接着層14が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記第二の被接着層14と前記粘着剤層13との接着強度が2.5N/15mm以上であるリシール包装材である。
第二実施形態では、カット部2が厚み方向に、シーラント層15から粘着剤層13までカットされている。また、第一の被接着層12が、上記(1)~(4)の少なくともいずれかであるため、第一の被接着層12と粘着剤層13との接着強度が、他の層の層間接着強度よりも相対的に低くなっており、第一の被接着層12と粘着剤層13との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満となっている。また、第二の被接着層14と粘着剤層13との接着強度が2.5N/15mm以上となっている。このため、図6のように、カット部よりも容器3と接着されている側(外側)では、リシール包装材(蓋材)を引き剥がした際に、第一の被接着層12と粘着剤層13との間で剥離し、粘着剤層13、第二の被接着層14及びシーラント層15が容器3に付着した状態で容器3側に残存して開封される。容器3側では、粘着剤層13が露出しており、開封したリシール包装材を再びシールすると、リシール包装材(蓋材)側の第一の被接着層12と、容器3側で露出している粘着剤層13とが接して再封される。すなわち、本発明の第二実施形態のリシール包装材1は、開封および再封される界面が、容器3側の粘着剤層13と、リシール包装材(蓋材)側の第一の被接着層12との界面であり、第一の被接着層が、上記(1)~(4)の少なくともいずれかであることにより、容器フランジの幅、材質に依存せず、密着性、開封性及び再封性に優れている。
第二実施形態では、第一の被接着層が(1)~(4)の少なくともいずれかであり、第一の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満であり、第二の被接着層が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、第二の被接着層と粘着剤層との接着強度が2.5N/15mm以上である。すなわち、第二実施形態の層構成は、上記説明した第一実施形態の層構成の、第一の被接着層と、第二の被接着層とが入れ替わっている。これに伴い、第一の被接着層と、第二の被接着層とで、それぞれの層の材質、粘着剤層との接着強度、初期剥離強度、及び再剥離強度の特性も入れ替わっている。
図4は、本発明の第二実施形態のリシール包装材の層構成の一例を示す断面模式図である。上記第1実施形態では、厚み方向に、シーラント層から第二の被接着層に至るカット部を有しており、第二の被接着層が(1)~(4)の層であり、第二の被接着層と粘着剤層との界面で剥離する構成を示したが、第二実施形態では、厚み方向に、シーラント層15から粘着剤層13に至るカット部を有しており、第一の被接着層12が(1)~(4)の層であり、第一の被接着層12と粘着剤層13との界面で剥離する。
第二実施形態の基材層、粘着剤層、シーラント層等のその他の構成は、第一実施形態とほぼ同じであり、第二実施形態が第一実施形態と共通する要素には共通符号を付して説明を割愛する。第二実施形態においても、第一実施形態と同様の作用効果を奏する。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
基材である坪量80.0g/mの紙に、ポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量3.5g/m(以下、「D」とも略称する。))を用いて、第一の被接着層である厚み7μmのアルミニウム箔(東洋アルミニウム製、(以下、「AL」とも略称する。))を貼り合わせ、坪量80.0g/m紙(基材層)/D/7μmAL(第一の被接着層)の積層体1を調製した。
別途第二の被接着層として、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PET」とも略称する。)に剥離コート剤を施したものを用意した。具体的には、剥離コート剤としてRコートLTニス(DICグラフィックス株式会社製)と、塗布パターンの視認のための白色着色剤としてSBL-X709白(DICグラフィックス株式会社製)と、ブロッキング防止剤としてCブロッキング防止剤(DICグラフィックス製)とを、それぞれ重量比で8:2:1となるように配合したコート剤を調製した。次いで、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、単位面積が50%となるように、非ドット状(円状(ドットが非塗工の状態))にグラビアコートを行った。
調製した積層体1(坪量80.0g/m紙(基材層)/D/7μmAL(第一の被接着層)のAL面と、第二の被接着層の剥離コート面とを粘着樹脂により押出ラミネート加工した。具体的には、AL面に、アンカーコート(主成分:ポリエステル系樹脂(以下、「AC」とも略称する。)処理を施して、粘着剤層を形成するための粘着樹脂として水添スチレンブタジエンゴムであるDYNARON1320P(株式会社ENEOSマテリアル製)100質量%を膜厚30μmとなるように押出しラミネートし、サンプルAを調製した。なお、当該サンプルAを垂直方向に15mm幅で短冊状にカットし、引っ張り試験機を用いて粘着剤層とAL面との接着強度をn=6の条件で測定したところ、平均値は3.6N/15mmであった。
次いで、剥離コートPETの剥離コートの未塗工面に、アンカーコート(主成分:ポリエステル系樹脂(以下、「AC」とも略称する。)処理を施した上で、低密度ポリエチレン樹脂(以下、「LDPE」とも略称する。)を膜厚30μmとなるよう押出し積層した。これによって、「坪量80.0g/m紙(基材層)/D/7μmAL/30μm粘着剤/剥離コート/12μmPET/AC/30μmLDPE」である構成の積層体2を調製した。
次いで、図1及び図3に示すように、積層体2にハーフカット加工として、レーザー加工機を用いてφ55の円状の切れ込みを剥離コート界面まで入れ、且つ、容器フランジに合わせるようにタブ部分に開封の切っ掛け線(直線30mm)の切れ込み剥離コート界面まで入れた。次いで、上記加工を施した積層体2を、蓋材の形状(タブ付きの直径75mmの円形)に切り抜いて、第一実施形態の蓋材としてのリシール包装材を作製した。
上述のようにして作製したリシール包装材(蓋材)を用いて、図3のように紙/ポリエチレン製の容器に熱シールを行い、包装体を作製した。具体的には、フランジ付き紙/ポリエチレン製の容器(フランジ幅3mm、フランジ外径70mm、高さ約55mm、内容積約130cm、厚み約300μmの紙にポリエチレン100μmをコーティングしたものをポリエチレンが容器内側になるように成形したもの)のフランジ間に、蓋材の切っ掛け線が当たるようにヒートシールすることによって包装体を作製した。尚、ヒートシール条件は、温度170℃及び圧力3kg/cmで1秒間であった。
実施例2
第一の被接着層と第二の被接着層の順を入れ換え、図4及び図6に示すように切れ込みを粘着剤層まで入れた他は、実施例1と同様にして、第二実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。リシール包装材の層構成は、「坪量80.0g/m紙/D/12μmPET/剥離コート/30μm粘着剤/7μmAL/AC/30μmLDPE」であった。
実施例3
第二の被接着層の剥離コート剤の塗工面積を30%とした以外は、実施例1と同様にして、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。
実施例4
第二の被接着層の剥離コート剤の塗工面積を65%とした以外は、実施例1と同様にし、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。
実施例5
第二の被接着層として、東洋紡株式会社製の帯電防止性樹脂フィルムであるエスペットフィルムT6140(界面活性剤を含有する樹脂層)を用いた以外は、実施例1と同様にして、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。
実施例6
第二の被接着層として、東レ株式会社製のシリコーンコート系の離型フィルムであるセラピールを用いた以外は、実施例1と同様にして、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。
実施例7
第一の被接着層として、厚み12μmのアルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「VM-PET」とも略称する。) を用い、アルミニウム蒸着面と紙とを貼り合わせた以外は、実施例1と同様にして、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。なお、実施例7において、サンプルAを用いて実施例1と同様に、垂直方向に15mm幅に短冊状にカットし、引っ張り試験機を用いて粘着剤層とVM-PET面との接着強度をn=6測定したところ、平均値は3.4N/15mmであった。
実施例8
シーラント層を押出積層せず、市販の30μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量3.5g/m)を用いて、未処理のPET面と貼り合わせ、容器の材質をポリプロピレンとした以外は、実施例1と同様にして、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。
実施例9
粘着樹脂として、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーであるDYNARON8600P(株式会社ENEOSマテリアル製)100質量%を膜厚30μmとなるように押出しラミネートした以外は、実施例1と同様にして、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作成した。
実施例10
第一の被着層として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、粘着樹脂の膜厚を4.5μmとし、第二の被接着層として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。
実施例11
第一の被着層として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、粘着樹脂の膜厚を4.5μmとし、第二の被接着層としてセロハンフィルムPF-3#300(フタムラ化学株式会社製 厚み20μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、第一実施形態のリシール包装材を用いた包装体を作製した。
比較例1
第二の被接着層を12μmのポリエチレンテレフタレートとした以外は、実施例1と同様にして、リシール包装材を用いた包装体を作製した。
比較例2
第二の被接着層の剥離コート剤の塗工面積を25%とした以外は、実施例1と同様にして、リシール包装材を用いた包装体を作製した。
比較例3
第二の被接着層の剥離コート剤の塗工面積を75%とした以外は、実施例1と同様にして、リシール包装材を用いた包装体を作製した。
比較例4
表基材である坪量55g/mの紙に、ポリウレタン系ドライラミネート接着剤(乾燥後重量3.5g/m(以下、「D」とも略称する。))を用いて、第一の被接着層である厚み12μmのアルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「VM-PET」とも略称する。)の蒸着面と貼り合わせ、次いでVM-PET面に市販の中間層に粘着剤が積層されている60μmのリシール性シーラントフィルムを同様に接着剤で貼り合わせた構成体を使用し、且つ、ハーフカットを施さなかった以外は、実施例1と同様にしてリシール包装材を用いた包装体を作製した。リシール包装材の層構成は、「坪量55g/m紙/D/12μmVM-PET/D/60μmリシール性シーラントフィルム」であった。
比較例5
第一の被接着層として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、粘着樹脂の膜厚を5.9μmとし、第二の被接着層として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、リシール包装材を用いた包装体を作製した。
実施例及び比較例について、以下の測定を行った。
試験例1(接着強度(剥離界面強度))
蓋材としてのリシール包装材(熱シール前)を用いて、開封部分の垂直方向に15mm幅に短冊状にカットし、引っ張り試験機を用いてカット部分を上下の中心部分に設けて、粘着剤層と、剥離する層との剥離界面の剥離強度を、各包装体についてn=6の条件で測定し、その平均値を算出して、剥離界面強度とした。なお、試験例1では、引っ張り試験機の上側に基材側、下側にシーラント層側を取り付け、T形剥離試験を実施した。剥離界面強度は、手で容易に剥離できる程度であれば実使用において問題なく使用できるが、下記評価基準に従って評価した。
○:剥離界面強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満である。
×:剥離界面強度が0.5N/15mm未満、又は2.5N/15mm以上である。
試験例2(初期剥離強度(初期開封性))
初期開封性(一回目の開封性)の試験として、各包装体上のリシール包装材(蓋材)のタブを開封始点からみて仰角45度の方向に100mm/分の速度で引っ張り、開封時の最大荷重をシール強度(N)とし、各包装体についてn=6の条件で測定して平均値を算出した。下記評価基準に従って評価した。
○:平均値が5.0~20.0N/CUPである。
×:平均値が5.0N/CUP未満、又は20.0N/CUP超である。
試験例3(再剥離強度(再封性))
再封性の試験として、一回目の開封後粘着剤層が露出した部分を5回程度手の側面でなぞり、再び容器側と密着させた。次いで、包装体上の蓋材のタブを開封始点からみて仰角45度の方向に100mm/分の速度で引っ張り、開封時の最大荷重をシール強度(N)とし、各包装体についてn=6の条件で測定して平均値を算出した。下記評価基準に従って評価した。
○:平均値が1.0~5.0N/CUPである。
×:平均値が1.0N/CUP未満、又は5.0N/CUP超である。
結果を表1に示す。
Figure 2022183061000002
表1の結果から明らかな通り、本発明のリシール包装材は、容器フランジの幅、材質に依存せず、密着性、開封性及び再封性に優れていることが分かった。
1.リシール包装材
11.基材層
12.第一の被接着層
13.粘着剤層
14.第二の被接着層
15.シーラント層
16.多孔質層
2.カット部
3.容器
4.内容物

Claims (6)

  1. 基材層、第一の被接着層、水添スチレンブタジエンゴム及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する粘着剤層、第二の被接着層、並びに、シーラント層をこの順に有するリシール包装材であって、
    厚み方向に、前記シーラント層から少なくとも前記第二の被接着層までカット部を有し、
    前記第二の被接着層が、(1)前記粘着剤層との界面の30~70%の面積にアクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層、(2)前記粘着剤層との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層、(3)界面活性剤を含有する樹脂層、並びに、(4)前記粘着剤層が5μm以下の場合はポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層、の少なくともいずれかであり、
    前記第二の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満であり、
    前記第一の被接着層が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記第一の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が2.5N/15mm以上である、
    ことを特徴とするリシール包装材。
  2. 前記第二の被接着層と、前記粘着剤層との界面の初期剥離強度は、5.0~20.0N/CUPである、請求項1に記載のリシール包装材。
  3. 前記第二の被接着層と、前記粘着剤層との界面の再剥離強度は、1.0~5.0N/CUPである、請求項1又は2に記載のリシール包装材。
  4. 基材層、第一の被接着層、水添スチレンブタジエンゴム及びスチレン・エチレンブチレン・スチレンブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する粘着剤層、第二の被接着層、及び、シーラント層をこの順に有するリシール包装材であって、
    厚み方向に、前記シーラント層から少なくとも前記粘着剤層までカット部を有し、
    前記第一の被接着層が、(1)前記粘着剤層との界面の30~70%の面積にアクリル樹脂を含む剥離コートが施された樹脂層、(2)前記粘着剤層との界面全面にシリコン及び/又はフッ素を含む剥離コートが施された樹脂層、(3)界面活性剤を含有する樹脂層、並びに、(4)前記粘着剤層が5μm以下の場合はポリエチレンテレフタレート層又はセルロース層、の少なくともいずれかであり、
    前記第一の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が0.5N/15mm以上2.5N/15mm未満であり、
    前記第二の被接着層が、樹脂、ゴム、金属、ガラス、セラミックス、及び紙からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記第二の被接着層と前記粘着剤層との接着強度が2.5N/15mm以上である、
    ことを特徴とするリシール包装材。
  5. 前記第一の被接着層と、前記粘着剤層との界面の初期剥離強度は、5.0~20.0N/CUPである、請求項4に記載のリシール包装材。
  6. 前記第一の被接着層と、前記粘着剤層との界面の再剥離強度は、1.0~5.0N/CUPである、請求項4又は5に記載のリシール包装材。
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