JP2022154315A - クレーンの遠隔操作システム、遠隔操作端末、およびクレーン - Google Patents

クレーンの遠隔操作システム、遠隔操作端末、およびクレーン Download PDF

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Abstract

【課題】遠隔操作において操作性のよいクレーンの遠隔操作システムを提供する。【解決手段】クレーン(100)の遠隔操作システムであって、クレーンの旋回操作信号を出力する旋回操作部(6,70)と、旋回操作部から出力されたクレーンの旋回操作信号の出力値に基づいて、クレーンを旋回させる旋回駆動部(HC1)と、を備え、旋回操作部は、クレーンに備えられ、クレーンの旋回操作信号である第1信号を出力する第1出力部(6)と、クレーンと通信回線を介して接続可能であって、クレーンの旋回操作信号である第2信号を出力する第2出力部(70)と、を含み、旋回駆動部は、第1信号の出力値に対するクレーンの旋回速度が第1特性(L1)に従って変化するようクレーンを旋回させると共に、第2信号の出力値に対するクレーンの旋回速度が第1特性とは異なる第2特性(L2)に従って変化するようにクレーンを旋回させる。【選択図】図6

Description

本発明は、クレーンの遠隔操作システム、遠隔操作端末、およびクレーンに関する。
本技術分野の背景技術として、例えば特許文献1には、オペレータが遠隔制御装置を操作して、例えばクレーン等の機械を動作させる技術が記載されている。
特表2010-524802号公報
クレーン等の大型の機械を遠隔操作する場合、運転室内での操作や自動運転による操作(通常のクレーン操作)と比べて操作感覚が異なることがある。そのため、オペレータが通常のクレーン操作と同じ感覚でクレーンの遠隔制御装置(遠隔操作端末)を操作すると、違和感を抱くことがある。
そこで、本発明は、遠隔操作において操作性のよいクレーンの遠隔操作システム、遠隔操作端末、およびクレーンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、代表的な本発明は、クレーンの遠隔操作システムであって、前記クレーンの旋回操作信号を出力する旋回操作部と、前記旋回操作部から出力された前記クレーンの旋回操作信号の出力値に基づいて、前記クレーンを旋回させる旋回駆動部と、を備え、前記旋回操作部は、前記クレーンに備えられ、前記クレーンの旋回操作信号である第1信号を出力する第1出力部と、前記クレーンと通信回線を介して接続可能であって、前記クレーンの旋回操作信号である第2信号を出力する第2出力部と、を含み、前記旋回駆動部は、前記第1信号の出力値に対する前記クレーンの旋回速度が第1特性に従って変化するよう前記クレーンを旋回させると共に、前記第2信号の出力値に対する前記クレーンの旋回速度が前記第1特性とは異なる第2特性に従って変化するように前記クレーンを旋回させることを特徴とする。
本発明によれば、クレーンの遠隔操作において操作性のよいクレーン操作を行うことができる。なお、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係るクレーンの側面図である。 運転室の全体を示す斜視図である。 左側レバー(旋回レバー)を示す図である。 旋回用油圧モータを駆動するための油圧回路図である。 遠隔操作端末の外部構成図である。 遠隔操作端末の内部構成図(ブロック図)である。 クレーンの旋回特性を示す図である。 遠隔操作端末によるクレーンの旋回操作の制御処理の手順を示すフローチャートである。 一次遅れ処理の説明図である。 電気式の旋回レバーを用いた場合の旋回用油圧モータを駆動する油圧回路図である。
以下、本発明に係るクレーンの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係るクレーン100の側面図である。クレーン100は、クローラクレーンであり、走行体101と、旋回輪102を介して走行体上に旋回可能に設けられた旋回体103と、旋回体103に回動可能に軸支されたブーム104とを有する。走行体101は、トラックフレーム101aと、トラックフレーム101aに取り付けられるクローラ101bとを有する。
旋回体103には運転室109が設けられ、原動機であるエンジン107のほか、ウインチ装置である巻上ドラム105およびリヤウインチドラム106が搭載されている。巻上ドラム105には巻上ロープ105aが巻回され、巻上ドラム105の駆動により巻上ロープ105aが巻き取りまたは繰り出され、フック110が昇降する。リヤウインチドラム106には起伏ロープ106aが巻回され、リヤウインチドラム106の駆動により起伏ロープ106aが巻き取りまたは繰り出され、ブーム104が起伏する。
旋回体103は旋回輪102を介して旋回用油圧モータ1(図4参照)により旋回駆動され、巻上ドラム105は巻上用油圧モータ(不図示)により駆動され、リヤウインチドラム106はリヤウインチ用油圧モータ(不図示)により駆動される。なお、詳しくは図示しないが、クレーン100を組み立てる際に旋回体103が旋回しないように、旋回体103と走行体101とを固定手段の一例である旋回ロックピン108により固定できる構造となっている。
図2は運転室109の全体を示す斜視図である。図2に示すように、運転室109には、オペレータが着座する運転席201と、運転席201に着座したオペレータが右手で操作する右側レバー群(走行レバー、ウインチ操作レバーなど)210と、運転席201に着座したオペレータが左手で操作する左側レバー(旋回レバー)221と、通信用の無線通信アンテナ50と、が設けられている。また、運転席201の左前方には、表示装置231が設けられており、クレーン100の運転状態や警告などの各種情報が表示される。
運転室109の床には、巻上ドラム105を制動するための巻上ドラムブレーキペダル251と、リヤウインチドラム106を制動するためのリヤドラムブレーキペダル252と、エンジン107の回転速度を増減させるためのアクセルペダル261と、旋回体103を制動するための旋回ブレーキペダル262とが設けられている。
左側レバー、すなわち旋回レバー221は、前後方向に揺動させることで旋回体103を旋回駆動するための操作レバーである。図3に示すように、旋回レバー221は、運転席201に着座するオペレータによって把持される把持部221dを有している。旋回レバー221には、アクセルグリップ221aと、旋回ブレーキスイッチ221bとが設けられている。
アクセルグリップ221aは、オペレータが左手で握った状態で、上から見たときに時計方向または反時計方向に回転させることでエンジン107の回転速度を増減するための操作装置である。アクセルグリップ221aは旋回レバー221と一体化されており、オペレータは片手でアクセルグリップ221aを操作しながら旋回レバー221を操作できる。なお、本実施形態では、アクセルグリップ221aを操作する以外に、アクセルペダル261を操作してもエンジン107の回転速度を増減できる構成となっている。
旋回ブレーキスイッチ221bは、旋回体103が旋回しないように保持する旋回ブレーキを掛けるか否かを選択するためのスイッチである。
また、図2に示すように、運転室109にはゲートロックレバー215が設けられている。ゲートロックレバー215は運転室109の出入口を遮断するロック解除位置と、運転室109の出入口を開放するロック作動位置との間で上下方向に操作可能である。ゲートロックレバー215はロック作動位置において、クレーン100の全ての操作を不能とする。すなわち、ゲートロックレバー215がロック作動位置にある場合には、クレーン100の吊作業、走行操作、旋回操作などのあらゆる操作ができなくなる。
次に、クレーン100の旋回体103を駆動する油圧駆動回路について説明する。図4は旋回用油圧モータ1を駆動するための油圧回路HC1を示す図である。図4に示すように、油圧回路HC1は、旋回用油圧ポンプ(以下、単に油圧ポンプ8と記す)と旋回用油圧モータ(以下、単に油圧モータ1と記す)とを方向制御弁7で接続した中立フリー旋回油圧回路である。
油圧回路(旋回駆動部)HC1は、エンジン107(図1参照)により駆動される可変容量型の油圧ポンプ8と、油圧ポンプ8から吐出される圧油により回転する油圧モータ1と、油圧モータ1の回転を制動する旋回ブレーキ装置20と、油圧ポンプ8から吐出される圧油の最高圧力を規定するリリーフ弁9と、を備えている。また、油圧回路HC1は、油圧ポンプ8から油圧モータ1への圧油の流れを制御する方向制御弁7と、エンジン107により駆動されるパイロットポンプ12と、旋回レバー装置6と、パイロットポンプ12から吐出されるパイロット圧油の最高圧力を規定するリリーフ弁11と、を備えている。
旋回レバー装置6は、旋回レバー221(図4参照)と、パイロットポンプ12に接続されるパイロット弁6a,6bとを含む。旋回レバー装置(旋回操作部/第1出力部)6は、旋回レバー221の操作方向および操作量に応じて、パイロット弁6a,6bにより旋回体103の旋回動作を指示する操作パイロット圧(旋回操作信号/第1信号)を生成し、方向制御弁7のパイロット圧入力部7a,7bに出力することで、旋回体103の旋回操作を行う旋回操作装置である。
油圧モータ1には、方向制御弁7を介して油圧ポンプ8から吐出された圧油が供給される管路30a,30bが接続されている。油圧モータ1の回転力は、遊星減速機構(不図示)を介して旋回輪102(図1参照)に伝達される。
方向制御弁7は、中立フリー位置(N)を有するコントロールバルブであり、油圧ポンプ8と油圧モータ1との間の油路に介挿されている。方向制御弁7は、運転室109内に設けられた旋回レバー221の操作に応じてパイロット弁6a,6bで生成される操作パイロット圧(パイロット圧油の圧力)によってスプールの位置が制御される。
オペレータが旋回レバー221を正転側に操作すると、パイロット弁6aから出力される操作パイロット圧が方向制御弁7のパイロット圧入力部7aに作用し、方向制御弁7が正転位置(A)側に切り換わる。これにより油圧ポンプ8から吐出された圧油が管路30bを介して油圧モータ1に供給され、油圧モータ1が正転し、旋回体103が正方向に旋回(たとえば左旋回)する。
オペレータが旋回レバー221を逆転側に操作すると、パイロット弁6bから出力される操作パイロット圧が方向制御弁7のパイロット圧入力部7bに作用し、方向制御弁7が逆転位置(B)側に切り換わる。これにより油圧ポンプ8から吐出された圧油が管路30aを介して油圧モータ1に供給され、油圧モータ1が逆転し、旋回体103が逆方向に旋回(たとえば右旋回)する。
オペレータが旋回レバー221を旋回操作位置から中立位置に戻すと、方向制御弁7が中立フリー位置(N)に切り換わり、管路30aと管路30bとが連通状態となるので、油圧モータ1が外力を受けて回転可能な状態となる。したがって、旋回体103が慣性回転可能なフリー状態となる。この状態を中立フリーとも呼ぶ。中立フリーとなっている場合、後述する旋回ブレーキ装置20を作動させ、旋回体103への制動力を発生することで旋回体103の旋回を停止できる。また、旋回レバー221を旋回体103の旋回方向と反対側に操作することで、旋回体103を停止させることもできる。
旋回ブレーキ装置20は、油圧モータ1の出力軸に設けられた旋回ブレーキ用ディスク(不図示)に押しつけるパッド2pを有する油圧シリンダ(以下、ブレーキ解除シリンダ2と記す)と、パイロットポンプ12からブレーキ解除シリンダ2へ供給される圧油の流れを制御する旋回ブレーキバルブ13と、を備えている。
旋回ブレーキ装置20は、いわゆるネガティブブレーキであり、ブレーキ解除シリンダ2がタンクに連通している状態ではバネ力によってパッド2pが旋回ブレーキ用ディスク(不図示)に押しつけられ、旋回ブレーキが作動し、旋回体103への制動力が発生する。ブレーキ解除シリンダ2に解除圧が作用すると旋回ブレーキ装置20が解除される。旋回ブレーキ装置20が解除されている状態では、旋回ブレーキ用ディスク(不図示)とパッド2pとの間に隙間が形成されるため、旋回体103への制動力は発生しない。
旋回ブレーキバルブ13は、パイロットポンプ12とブレーキ解除シリンダ2との間に設けられている。旋回ブレーキバルブ13は、解除位置(C)でパイロットポンプ12からブレーキ解除シリンダ2への圧油の流れを許容し、作動位置(D)でパイロットポンプ12からブレーキ解除シリンダ2への圧油の流れを禁止する電磁切換弁である。旋回ブレーキバルブ13が作動位置(D)に切り換えられているときには、ブレーキ解除シリンダ2とタンクとが連通され、ブレーキ解除シリンダ2の油室の圧力はタンク圧となる。
油圧回路HC1は、パイロットポンプ12とパイロット弁6a,6bとの間に設けられたゲートロックバルブ10を備えている。ゲートロックバルブ10は、連通位置(E)でパイロットポンプ12からパイロット弁6a,6bへの圧油の流れを許容し、遮断位置(F)でパイロットポンプ12からパイロット弁6a,6bへの圧油の流れを禁止する電磁切換弁である。
パイロットポンプ12は、ゲートロックバルブ10を介して旋回ブレーキバルブ13に接続されている。ゲートロックバルブ10が遮断位置(F)に切り換えられている場合、旋回ブレーキバルブ13が解除位置(C)に切り換えられたとしても、ブレーキ解除シリンダ2へ圧油が供給されることはないため、旋回ブレーキ装置20は作動状態(すなわち制動力が発生した状態)となる。つまり、ゲートロックバルブ10が遮断位置(F)に切り換えられると、旋回レバー221の操作が不能となる。そして、旋回ブレーキ装置20は、ゲートロックバルブ10が連通位置(E)に切り換えられ、かつ、旋回ブレーキバルブ13が解除位置(C)に切り換えられることで、解除される。
さらに、本実施形態では、パイロットポンプ12とパイロット圧入力部7aとが分岐管路40aを介して接続されており、分岐管路40aには電磁弁41aおよび高圧選択シャトル弁42aが設けられている。同様に、パイロットポンプ12とパイロット圧入力部7bとが分岐管路40bを介して接続されており、分岐管路40bには電磁弁41bおよび高圧選択シャトル弁42bが設けられている。
電磁弁41a,41bは常態では閉じている(非励磁状態)ため、パイロットポンプ12から吐出されたパイロット圧油は、方向制御弁7のパイロット圧入力部7a,7bには供給されない。一方、電磁弁41a,41bが励磁されて電磁弁41a,41bが開くと、パイロットポンプ12から吐出されるパイロット圧油は、操作パイロット圧として高圧選択シャトル弁42a,42bへと入力される。そして、高圧選択シャトル弁42a,42bにて選択された高圧側の操作パイロット圧が方向制御弁7のパイロット圧入力部7a,7bに入力される。
なお、上記したように、電磁弁41a,41bは常態では閉じているため、通常は旋回レバー221の操作によってのみ方向制御弁7が切り換わる。しかし、後述する遠隔操作端末70からの指令により電磁弁41a,41bが開くと、旋回レバー221を操作することなく方向制御弁7の切り換えが可能である。即ち、本実施形態では、油圧モータ1の回転駆動(クレーン100の旋回操作)を、旋回レバー221の操作だけでなく遠隔操作端末70からの指令によっても行うことができる。
また、図4に示すように、クレーン100は、コントローラ3を備えている。コントローラ3は、CPUや記憶装置であるROMおよびRAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されている。コントローラ3は、各種センサからの信号に基づき、クレーン100の各部を制御する制御装置である。コントローラ3は、運転室109内に設けられて、無線通信アンテナ50を介して遠隔操作端末70と無線通信が可能である。勿論、コントローラ3と遠隔操作端末70とは有線通信回線を介して接続されていても良いし、通信回線の種類は特に限定されない。例えば、無線通信する場合、wifi通信でもブルートゥース(登録商標)通信でもその他方式でもよい。
コントローラ3は、旋回ブレーキバルブ13およびゲートロックバルブ10と電気的に接続されている。コントローラ3は、旋回レバー221に設けられた旋回ブレーキスイッチ221bと電気的に接続されており、旋回ブレーキスイッチ221bからの信号に基づいて、旋回ブレーキバルブ13を解除位置(C)または作動位置(D)に切り換える。また、コントローラ3は、運転室109に設けられたゲートロックレバー215(図2参照)の操作に基づいて、ゲートロックバルブ10を連通位置(E)または遮断位置(F)に切り換える。
より詳細には、旋回ブレーキスイッチ221bがオフ(閉)位置に操作されると、コントローラ3の電源(不図示)から旋回ブレーキバルブ13のソレノイドに電流が供給され、ソレノイドが励磁されることで、旋回ブレーキバルブ13が解除位置(C)に切り換えられる。旋回ブレーキスイッチ221bがオン(開)位置に操作されると、コントローラ3の電源(不図示)から旋回ブレーキバルブ13のソレノイドへの電流の供給が遮断され、ソレノイドが消磁されることで、旋回ブレーキバルブ13がバネ力により作動位置(D)に切り換えられる。
ゲートロックレバー215がロック解除位置に操作されると、コントローラ3の電源(不図示)からゲートロックバルブ10のソレノイドに電流が供給され、ソレノイドが励磁されることで、ゲートロックバルブ10が連通位置(E)に切り換えられる。ゲートロックレバー215がロック作動位置に操作されると、コントローラ3の電源(不図示)からゲートロックバルブ10のソレノイドへの電流の供給が遮断され、ソレノイドが消磁(非励磁)されることで、ゲートロックバルブ10がバネ力により遮断位置(F)に切り換えられる。
なお、図4に示していないが、ゲートロックバルブ10は、パイロットポンプ12と右レバー群210との間にも設けられている。そのため、ゲートロックレバー215がロック作動位置にある状態では、クレーン100の吊作業、走行操作、旋回操作などあらゆる操作が不能となる。すなわち、本実施形態において、コントローラ3によりゲートロックバルブ10が遮断位置(F)に切り換えられることで、クレーン100の全ての動作が停止することとなる。
次に、コントローラ3と通信してクレーン100の遠隔操作の指令を出す遠隔操作端末70について説明する。図5は遠隔操作端末70の外部構成図、図6は遠隔操作端末70の内部構成図(ブロック図)である。
図5に示すように、遠隔操作端末(旋回操作部/第2出力部)70は、無線通信アンテナ51を有しており、無線通信アンテナ51を介してコントローラ3に各種信号(指令)を送信する。遠隔操作端末70は、図示しないが、CPUや記憶装置であるROMおよびRAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成される。
遠隔操作端末70は、箱状に形成され、その表面に、旋回ブレーキスイッチ71と、電源スイッチ72と、エンジン非常停止スイッチ73と、ホーンスイッチ74と、旋回操作ダイヤル75と、油圧ポンプ流量調整ダイヤル76と、アクセル調整ダイヤル77と、モード設定スイッチ78と、を備える。ここで、スイッチ71~74はトグルスイッチ、モード設定スイッチ78はスライドスイッチが用いられているが、スイッチの形式は問わない。また、ダイヤル75~77は、回転により操作量を調整できる構成であるが、ダイヤルの代わりにスライドにより操作量を調整できる構成を用いても良いし、その他の調整機能を有するものを用いても良い。
旋回ブレーキスイッチ71は、旋回ブレーキ装置20を作動させるためのもので、旋回レバー221に設けられた旋回ブレーキスイッチ221bと同じ機能を有する。
電源スイッチ72は、遠隔操作端末70の電源をオン/オフするためのスイッチである。なお、電源スイッチ72がオンの場合には、ゲートロックバルブ10が連通位置(E)に切り換わる。電源スイッチ72がオフの場合には、ゲートロックバルブ10が遮断位置(F)に切り換わる。
エンジン非常停止スイッチ73は、非常時にエンジン107を停止させるためのスイッチである。
ホーンスイッチ74は、警告音を発するためのスイッチである。ホーンスイッチ74がオンされると、クレーン100に備えられたスピーカから警告音が発せられる。なお、遠隔操作端末70にスピーカを搭載しても良い。
旋回操作ダイヤル75は、旋回体103の旋回操作を行うためのもので、左に回すと左旋回、右に回すと右旋回するダイヤルである。旋回体103の旋回速度は、旋回操作ダイヤル75の操作量(回転量)に応じて変化する。旋回速度の変化は、後述する旋回特性L2,L3(図7参照)に従う。
油圧ポンプ流量調整ダイヤル76は、油圧ポンプ8のポンプ傾転角(例えば斜板の傾転角)を調整するためのダイヤルである。油圧ポンプ流量調整ダイヤル76の操作量に応じて、油圧ポンプ8のポンプ傾転角が変更される。
アクセル調整ダイヤル77は、エンジン107の回転速度を増減するためのダイヤルであって、旋回レバー221に設けられたアクセルグリップ221aと同じ機能を有する。
モード設定スイッチ78は、クレーン100の旋回モード(旋回特性)を設定するためのスイッチであり、左側にスライドさせると遠隔通常モードが設定され、右側にスライドさせると微速モードが設定される。遠隔通常モードと微速モードとは、互いに旋回操作ダイヤル75の操作量に対する旋回体103の旋回速度(変化率)が異なるモードである(詳細後述)。
また、図6に示すように、遠隔操作端末70は、入力部81と、処理部82と、一次遅れ処理部86と、出力部87と、を含む。
入力部81は、上記した旋回ブレーキスイッチ71、電源スイッチ72、エンジン非常停止スイッチ73、ホーンスイッチ74、旋回操作ダイヤル75、油圧ポンプ流量調整ダイヤル76、アクセル調整ダイヤル77、およびモード設定スイッチ78からの操作信号を受け付ける。
処理部82は、モード判定部83と、電流指令値決定部84と、電流指令値テーブル85と、を含む。モード判定部83は、モード設定スイッチ78からの操作信号に基づいて、遠隔通常モードか微速モードかを判定する。電流指令値テーブル85には、遠隔通常モードに対応する遠隔通常モード用テーブル85aと、微速モードに対応する微速モード用テーブル85bとが予め格納されている。
遠隔通常モード用テーブル85aは、後述する旋回特性L2に従ったクレーン100(旋回体103)の旋回速度になるように、旋回操作ダイヤル75の操作量に対する電磁弁41a,41bの電流指令値を規定したテーブルである。
微速モード用テーブル85bは、同じく後述する旋回特性L3に従ったクレーン100の旋回速度になるように、旋回操作ダイヤル75の操作量に対する電磁弁41a,41bの電流指令値を規定したテーブルである。
電流指令値決定部84は、モード判定部83にて判定された旋回モードに対応するテーブル85a,85bを参照して、電磁弁41a,41bに出力する電流指令値を決定する。
一次遅れ処理部86は、電流指令値決定部84にて決定された電流指令値の信号に一次遅れフィルタをかけ、一次遅れ処理された電流指令値の信号を出力部87に出力する(図9参照)。なお、本実施形態において、例えば時定数1.5秒の一次遅れフィルタを用いることができる。
出力部(第2出力部)87は、一次遅れ処理部86にて一次遅れ処理された電流指令値の信号(旋回操作信号/第2信号、第3信号)を、無線通信アンテナ51を介してコントローラ3に送信する。勿論、出力部87は、入力部81が受け付けた各種操作信号もコントローラ3に送信する。なお、遠隔通常モードに対応する電流指令値の信号が本発明の「第2信号」に相当し、微速モードに対応する電流指令値の信号が本発明の「第3信号」に相当する。
遠隔操作端末70からの電流指令値の信号を受信したコントローラ3は、旋回操作ダイヤル75の操作方向に基づいて電磁弁41aまたは電磁弁41bの何れかを励磁して、その電流指令値に応じた所定の開度に電磁弁41a,41bを制御する。すると、方向制御弁7のパイロット圧入力部7a,7bに電磁弁41a,41bの開度に応じた操作パイロット圧が入力され、方向制御弁7は正転位置(A)または逆転位置(B)に切り換わる。こうして、旋回体103は、旋回操作ダイヤル75の操作に応じて、所定の旋回速度で旋回することができる。
次に、旋回モードに応じたクレーン100の旋回特性について説明する。図7は、クレーン100の旋回特性を示す図である。図7において、横軸は旋回操作ダイヤル75または旋回レバー221の操作量、縦軸は方向制御弁7のパイロット圧入力部7a,7bに入力される操作パイロット圧である。図中、横軸の中心から右側はクレーン100の右旋回時における旋回特性、左側はクレーン100の左旋回における旋回特性をそれぞれ示している。左旋回と右旋回とでは同じ旋回特性であるため、以下の説明では、右旋回時の旋回特性について説明し、左旋回時の旋回特性についての説明は省略する。
なお、操作パイロット圧とクレーン100(旋回体103)の旋回速度とは相関する関係にあるため、旋回操作ダイヤル75の操作量に対する操作パイロット圧の関係は、旋回操作ダイヤル75の操作量に対する旋回速度の関係と等しい。よって、縦軸の操作パイロット圧はクレーン100の旋回速度と同義である。つまり、図7は、旋回操作ダイヤル75または旋回レバー221の操作量に対するクレーン100の旋回速度の関係を示していると言うこともできる。
図7には、3つの旋回特性L1,L2,L3が示されている。図7において、実線はクレーン100の通常運転時(旋回レバー221の操作による運転時)の旋回特性L1(第1特性)、一点鎖線は旋回モードが遠隔通常モードに設定されている場合の旋回特性L2(第2特性)、二点鎖線は旋回モードが微速モードに設定されている場合の旋回特性L3(第3特性)をそれぞれ示している。
旋回特性L1は、旋回レバー221の操作量に比例して操作パイロット圧(旋回速度)が直線的に大きくなる特性を有している。旋回レバー221が中立位置から操作量S11までの範囲は、遊びの部分であり、旋回レバー221を操作しても旋回体103は旋回しない。旋回レバー221が操作量S11から最大操作量S13までの範囲において、旋回レバー221の操作量が増加するに連れて、操作パイロット圧はゼロからP1まで直線的に増加する。別言すれば、旋回レバー221の操作に応じて旋回体103の旋回速度がゼロから旋回速度V1まで直線的に増加する。なお、旋回特性L1(第1特性)は、通常の吊り荷作業で使われる旋回操作に対応する特性である。
旋回特性L2は、旋回操作ダイヤル75の操作量に対して旋回体103の旋回速度の変化率が2段階で変化する特性を有している。旋回操作ダイヤル75がゼロ(中立位置)からS11までの範囲は、遊びの部分であるため、旋回操作ダイヤル75を操作しても旋回体103は旋回しない。旋回操作ダイヤル75の操作量がS11になると操作パイロット圧がP5となり旋回速度がV5となる。つまり、オペレータが旋回操作ダイヤル75を中立位置からS11まで操作すると、旋回体103は速度V5で旋回を開始する。そして、旋回操作ダイヤル75の操作量がS11からS12(所定値)までの範囲では、操作量が大きくなるに連れて、操作パイロット圧(旋回速度)が第1の傾きで大きくなり、操作量がS12になると操作パイロット圧がP3(旋回速度がV3)になる。また、旋回操作ダイヤル75の操作量がS12からS13までの範囲では、操作量が大きくなるに連れて操作パイロット圧(旋回速度)が第2の傾きで大きくなる。そして、旋回操作ダイヤル75の操作量がS13(最大)になると、操作パイロット圧がP2(旋回速度がV2)となる。
ここで、第1の傾きは、第2の傾きに比べて緩やかである。つまり、S11からS12までの範囲(操作の前半)における旋回体103の旋回速度の変化率は、S12からS13(操作の後半)までの範囲における旋回体103の旋回速度の変化率に比べて小さい。よって、旋回特性L2に従って旋回体103が旋回する場合、旋回操作ダイヤル75の操作量がS11からS12までの範囲では、旋回体103が第1の傾きに応じた旋回速度でゆっくり旋回し、旋回操作ダイヤル75の操作量がS12からS13までの範囲では、第2の傾きに応じた旋回速度でやや速く旋回する。
旋回特性L3は、旋回操作ダイヤル75の操作量に対して旋回体103の旋回速度の変化率が一定である特性を有している。旋回操作ダイヤル75がゼロ(中立位置)からS11までの範囲は、遊びの部分であるため、旋回操作ダイヤル75を操作しても旋回体103は旋回しない。旋回操作ダイヤル75の操作量がS11になると操作パイロット圧がP5となり旋回速度がV5となる。そして、旋回操作ダイヤル75の操作量がS11からS13(最大)までの範囲において、操作量が大きくなるに連れて、操作パイロット圧(旋回速度)が第3の傾きで直線的に大きくなる。操作量がS13(最大)になると操作パイロット圧がP4(旋回速度がV4)になる。
ここで、旋回特性L1,L2,L3の違いについて説明すると、旋回特性L1における旋回体103の最大旋回速度が3つの旋回特性L1,L2,L3の中で最も大きく、次いで旋回特性L2の最大旋回速度が大きく、旋回特性L3の最大旋回速度が最も小さい。つまり、旋回速度V1>V2>V4である。よって、遠隔操作端末70を用いて、旋回体103を旋回速度V2より大きい旋回速度で旋回させることはできない。
旋回特性L2,L3は遠隔操作端末70により旋回体103を旋回する場合に適用される特性であり、旋回体103の最大旋回速度は旋回特性L2の方が旋回特性L3より大きい(旋回速度V2>V3)。そして、旋回操作ダイヤル75の操作量の全範囲に亘って、旋回特性L2の方が旋回特性L3より旋回速度が大きい。よって、遠隔操作端末70により旋回操作する場合、旋回特性L2(遠隔通常モード)の方が、旋回特性L3(微速モード)より高速で旋回体103を旋回させることができる。
また、旋回特性L2の旋回速度の変化率(傾き)の方が旋回特性L3の旋回速度の変化率より大きい。よって、オペレータが旋回操作ダイヤル75を所定の位置まで回転させた場合に、微速モードの方が遠隔通常モードより旋回体103がゆっくり旋回する。
次に、遠隔操作端末70による遠隔操作の制御について説明する。図8は遠隔操作端末70によるクレーン100の旋回操作の制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、図8に示す処理は、遠隔操作端末70の電源スイッチ72がオンされると開始され、所定の周期(例えば数十ミリ秒毎)で繰り返し実行される。
図8に示すように、入力部81は、旋回操作ダイヤル75の操作量を取得する(S1)。次いで、モード判定部83は、モード設定スイッチ78により設定された旋回モードが微速モードか否かを判定する(S2)。モード判定部83が微速モードであると判定した場合(S2/Yes)、電流指令値決定部84は、微速モード用テーブル85bを参照して電磁弁41a,41bの電流指令値を決定し(S3)、出力部87が無線通信アンテナ51を介してコントローラ3に電流指令値の信号を送信する(S4)。なお、この場合、一次遅れ処理部86による処理は行われない。
コントローラ3は、無線通信アンテナ50を介して電流指令値の信号を受信し、受信した電流指令値に基づいて、電磁弁41a,41bを励磁する。こうして、遠隔操作端末70の旋回操作ダイヤル75の操作量および操作方向に基づくクレーン100の旋回操作が行われる。このとき、旋回体103は、微速モードに対応する旋回特性L3に従った旋回速度で旋回する。
一方、モード判定部83がS2において微速モードでないと判定した場合(S2/No)、電流指令値決定部84は、遠隔通常モード用テーブル85aを参照して電磁弁41a,41bの電流指令値を決定し(S5)、電流指令値の信号を一次遅れ処理部86に出力する。そして、一次遅れ処理部86は、旋回操作ダイヤル75の操作量の変化率が許容値以上であるか否かを判定し(S6)、旋回操作ダイヤル75の操作量の変化率が許容値以上の場合(S6/Yes)、即ち、オペレータが旋回操作ダイヤル75を急激に操作した場合、一次遅れ処理部86は、電流指令値決定部84から出力された電流指令値の信号に対して一次遅れ処理を行う(S7)。その後、出力部87は、無線通信アンテナ51を介してコントローラ3に一次遅れ処理された電流指令値の信号を送信する(S8)。
一方、旋回操作ダイヤル75の操作量の変化率が許容値未満の場合(S6/No)、出力部87は、無線通信アンテナ51を介してコントローラ3に電流指令値の信号を送信する(S8)。この場合、一次遅れ処理部86による処理は行われない。
コントローラ3は、無線通信アンテナ50を介して電流指令値の信号を受信し、受信した電流指令値に基づいて、電磁弁41a,41bを励磁する。この場合、旋回体103は、遠隔通常モードに対応する旋回特性L2に従った旋回速度で旋回する。
ここで、S7の一次遅れ処理について詳しく、図9を参照して説明する。図9は一次遅れ処理の説明図であって、電流指令値の出力信号の立ち上がり/立ち下がりを示すタイミングチャートある。図9に示すように、オペレータが時刻t1で旋回操作ダイヤル75を急激に操作すると、時刻t1のタイミングで電流指令値の出力信号が急激に立ち上がる。そして、オペレータが時刻t3で旋回操作ダイヤル75を急激に元に戻すと、時刻t3のタイミングで急激に電流指令値の出力信号が立ち下がる(出力)。一方、出力信号に一次遅れ制御をかけた場合、時刻t1から時刻t2にかけて徐々に出力信号が立ち上がり、時刻t3から時刻t4にかけて徐々に出力信号が立ち下がる(一次遅れ制御)。
このように、一次遅れ処理部86が出力信号に対して一次遅れ処理(フィルタ処理)を行うことで、旋回操作ダイヤル75を急激に操作した場合であっても、旋回体103が所定の遅れを以って作動するため、旋回体103の旋回速度の急激は変化(加減速)を防止できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
遠隔操作端末70によりクレーン100を旋回操作する場合、旋回速度が旋回特性L2,L3に従うことになるため、通常のクレーン操作に近い感覚でクレーンの遠隔操作を行うことができる。より詳細に説明すると、旋回特性L2,L3における旋回速度の変化率は、旋回特性L1における旋回速度の変化率より小さい。そのため、旋回操作ダイヤル75と旋回レバー221とを同じ操作量だけ操作しても、旋回操作ダイヤル75の方が旋回速度の増加は緩やかとなる。旋回操作ダイヤル75は小型であるため、少し操作しただけで旋回速度が急激に増加すると通常のクレーン操作と感覚が異なってしまい、オペレータは操作性に違和感を抱くこととなる。特に、クレーンの旋回操作においては、この違和感は顕著である。ところが、本実施形態のような旋回特性L2,L3に従って旋回速度が制御されることで、通常のクレーン操作に近い感覚でクレーン100の遠隔操作を行える。
別言すれば、クレーンの遠隔操作を行う場合、オペレータはクレーンの旋回挙動を感じることができない。そのため、遠隔操作時の旋回特性を運転室109内で操作する場合と同じ特性にすると、オペレータはクレーン操作に違和感を抱くこととなる。その点、本実施形態では、遠隔操作を行う場合には、通常運転時の旋回特性L1と異なる旋回特性L2,L3に従ってクレーンの旋回操作が可能であるため、クレーンの遠隔操作を行う場合の操作性が向上する。
また、遠隔操作では旋回体103が旋回を開始した初期段階における旋回速度が遅いので、オペレータは、クレーン100の旋回初期段階における挙動を感覚的に感じなくても、視覚的に旋回していることを理解しやすい。
また、旋回特性L2は、旋回操作ダイヤル75の操作量の範囲に応じて旋回速度の変化率が2段階に変化するため、オペレータにとって遠隔操作の使い勝手が良い。しかも、遠隔操作の作業効率も良好である。そして、旋回体103を旋回途中で素早く移動させたいときは、旋回操作ダイヤル75の操作量を大きくすれば、素早く旋回速度を上昇できる。そのため、作業効率が高まる。
また、旋回特性L3は、旋回特性L2より低速で旋回体103が旋回するため、旋回体103をゆっくり旋回させたい場合に好適である。例えば、後述するように、クレーン100を現地で組み立てる場合において、旋回体103を走行体101に対して旋回ロックピン108(図1参照)で固定する工程がある。この工程において、旋回特性L3(微速モード)にて旋回体103を旋回させると、旋回ロックピン108の挿入のための位置合わせがやり易くなるため、作業性が向上する。
また、旋回操作ダイヤル75を急激に操作した場合であっても、一次遅れ処理部86によって出力信号に遅れを生じさせているため、旋回体103が旋回操作ダイヤル75の操作に追従して急激に旋回することがない。よって、操作性および安全性が向上する。
また、旋回特性L2,L3の最大旋回速度は、旋回特性L1の最大旋回速度より小さいため、遠隔操作端末70により操作する場合に、クレーン100をゆっくり旋回させることができる。よって、クレーン100を現地で組み立てる工程において、より安全に作業を行える。また、遠隔操作が必要な組立操作においては、通常のクレーン操作に比べて速度を高くする必要はない。よって、本実施形態のように旋回特性L2,L3が設定された遠隔操作端末70を用いて操作することにより、旋回体103が過度に速く旋回することを防ぐ効果もある。
ここで、クレーン100の組立工程(主に、走行体101のトラックフレーム101aにクローラ101bを取り付ける工程)について具体的に説明する。
(工程1)トレーラによってクレーン100の旋回体103および走行体101のトラックフレーム101a(以下、本体と言う)を所定の位置に輸送する。
(工程2)オペレータが運転室109に搭乗して、エンジン107を始動させる。なお、遠隔操作端末70にエンジン107の始動スイッチが設けられている場合には、遠隔操作端末70によりエンジン107を始動しても良い。
(工程3)オペレータは、本体をジャッキアップしてトレーラの架台から持ち上げ、トレーラを移動させる。
(工程4)オペレータは、走行体101のトラックフレーム101aにクローラ101bを取り付けるために、遠隔操作端末70の旋回操作ダイヤル75を操作して、旋回体103を走行体101に対して所定の角度(例えば90度)までゆっくり旋回させる。このとき、遠隔通常モード(旋回特性L2)に設定しておくと良い。なお、機種によっては、この工程において、クレーン100のブーム104の下部に取り付けられた補助吊り上げ装置等によりクローラ101bを吊り下げて旋回し、トラックフレーム101aの近くまでゆっくり移動させて、工程6に進む。
(工程5)オペレータは、旋回ロックピン108を挿入するために、旋回体103が所定の位置になるまでゆっくり旋回させる。このとき、微速モード(旋回特性L3)に設定しておくと良い。そして、旋回体103と走行体101の位置合わせができたら、旋回ロックピン108を挿入して旋回体103と走行体101とを固定する。そして、エンジン107を停止する。なお、エンジン107の停止は運転室109内で行っても良いし、遠隔操作端末70のエンジン非常停止スイッチ73により行っても良い。
(工程6)旋回ロックピン108が取り付けられたら、オペレータは、トラックフレーム101aにクローラ101bを取り付ける。こうして、クローラ101bをトラックフレーム101aに取り付ける組立作業が完了する。
このような組立工程において、遠隔操作端末70の操作によりクレーン100を旋回操作することができるので、作業性良く組立を行うことができる。旋回体103を所定の角度まで旋回させる際は遠隔通常モードに設定することで、旋回体103を速やかに旋回させることができるため、作業性が向上する。また、旋回ロックピン108を挿入する際には、微速モードにて旋回体103を微速で旋回させることができるので、旋回ロックピン108の挿入作業が簡単である。このように、モード設定スイッチ78を適宜設定して組立作業を行うことで、作業効率を向上させることができる。
(その他の実施形態への言及)
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
例えば、上記した実施形態では、遠隔操作端末70にて遠隔通常モードと微速モードの2つの旋回モード(旋回特性)を設定する構成を例示したが、設定可能な旋回モードの数は2つに限定されない。設定可能な旋回モードの数は、1つでも良いし、3つ以上であっても良い。旋回モードの数が1つの場合には、モード設定スイッチ78は不要であり、電流指令値テーブルも1つで良い。
また、旋回特性L2において、旋回速度の変化率が2段階で変化する構成を例示したが、変化率が変化しない構成でも良いし、3段階以上で変化する構成でも良い。また、旋回特性L3も旋回速度の変化率が複数段階で変化しても良い。
また、上記した実施形態では、遠隔操作端末70から旋回モードに応じた電流指令値をコントローラ3に送信し、コントローラ3は受信した電流指令値に従って電磁弁41,41bを制御する構成を例示したが、この構成に代えて、コントローラ3が電磁弁41a,41bへの電流指令値を決定して、電磁弁41a,41bを制御する構成としても良い。具体的には、遠隔操作端末70は入力部81および出力部87の機能のみを備え、コントローラ3に処理部82および一次遅れ処理部86を備える構成とする。そして、コントローラ3は、遠隔操作端末70から送信された旋回モードの情報と旋回操作ダイヤル75の操作量の情報に基づいて、電流指令値テーブル85を参照して電流指令値を決定し、その決定に基づいて電磁弁41a,41bを制御すれば良い。
また、旋回モードが1つの場合には、コントローラ3は遠隔操作端末70からの入力信号に基づいてフラグを立てておき、フラグがある場合に通常のクレーン100の旋回操作と異なる旋回特性で旋回体103を旋回させるようにしても良い。
また、旋回レバー装置6は電気式の旋回レバーにより構成され、電気式の旋回レバーの操作方向および操作量に応じて電気信号(第1信号)を生成、出力しても良い。例えば、図10は電気式の旋回レバーを用いた場合の旋回用油圧モータを駆動する油圧回路図である。図10に示すように、電気式の旋回レバー206とコントローラ3とが電気的に接続されており、旋回レバー206の操作に応じてコントローラ3が電磁式の方向制御弁207の入力部207a,207bに励磁信号を出力するよう構成すれば、上記した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、コントローラ3が自動的に電気信号を生成、出力して旋回操作を行う自動運転の場合には、コントローラ3が旋回レバー装置(旋回操作部)として機能して、第1特性に従って旋回することとなる。
また、一次遅れ処理部86は必要に応じて設ければ良い。一次遅れ処理部86を設けない場合には、出力部87は、電流指令値決定部84にて決定された電流指令値の信号(第2信号、第3信号)をそのままコントローラ3に出力すれば良い。
また、クレーンの一例として、クローラクレーンを例示したが、本発明は、これに限らず、ホイールクレーン、トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン等の他の移動式クレーンに加えて、タワークレーン、天井クレーン、ジブクレーン、引込みクレーン、スタッカークレーン、門型クレーン、アンローダ、アースドリル等の基礎機械等のあらゆるクレーンに適用可能である。
1 旋回用油圧モータ
3 コントローラ
6 旋回レバー装置(旋回操作部/第1出力部)
6a,6b パイロット弁(第1出力部)
7 方向制御弁
8 旋回用油圧ポンプ
10 ゲートロックバルブ
12 パイロットポンプ
13 旋回ブレーキバルブ
20 旋回ブレーキ装置
50 無線通信アンテナ
51 無線通信アンテナ
70 遠隔操作端末(旋回操作部/第2出力部)
71 旋回ブレーキスイッチ
72 電源スイッチ
73 エンジン非常停止スイッチ
74 ホーンスイッチ
75 旋回操作ダイヤル
76 油圧ポンプ流量調整ダイヤル
77 アクセル調整ダイヤル
78 モード設定スイッチ
81 入力部
82 処理部
83 モード判定部
84 電流指令値決定部
85 電流指令値テーブル
85a 遠隔通常モード用テーブル
85b 微速モード用テーブル
86 一次遅れ処理部
87 出力部(第2出力部)
100 クレーン
101 走行体
102 旋回輪
103 旋回体
104 ブーム
105 巻上ドラム(ウインチ装置)
106 リヤウインチドラム(ウインチ装置)
107 エンジン
108 旋回ロックピン
109 運転室
110 フック
215 ゲートロックレバー
221 旋回レバー
221a アクセルグリップ
221b 旋回ブレーキスイッチ
221c タッチセンサ
221d 把持部
231 表示装置
251 巻上ドラムブレーキペダル
252 リヤドラムブレーキペダル
261 アクセルペダル
262 旋回ブレーキペダル
HC1 油圧回路(旋回駆動部)
L1 第1特性
L2 第2特性
L3 第3特性

Claims (10)

  1. クレーンの遠隔操作システムであって、
    前記クレーンの旋回操作信号を出力する旋回操作部と、
    前記旋回操作部から出力された前記クレーンの旋回操作信号の出力値に基づいて、前記クレーンを旋回させる旋回駆動部と、を備え、
    前記旋回操作部は、
    前記クレーンに備えられ、前記クレーンの旋回操作信号である第1信号を出力する第1出力部と、
    前記クレーンと通信回線を介して接続可能であって、前記クレーンの旋回操作信号である第2信号を出力する第2出力部と、を含み、
    前記旋回駆動部は、
    前記第1信号の出力値に対する前記クレーンの旋回速度が第1特性に従って変化するよう前記クレーンを旋回させると共に、
    前記第2信号の出力値に対する前記クレーンの旋回速度が前記第1特性とは異なる第2特性に従って変化するように前記クレーンを旋回させることを特徴とするクレーンの遠隔操作システム。
  2. 請求項1に記載のクレーンの遠隔操作システムにおいて、
    少なくとも前記クレーンの旋回速度が最大旋回速度より小さい所定の旋回速度以下である場合における前記クレーンの旋回速度の変化率は、前記第2特性の方が前記第1特性より小さいことを特徴とするクレーンの遠隔操作システム。
  3. 請求項2に記載のクレーンの遠隔操作システムにおいて、
    前記第2特性における前記クレーンの旋回速度の変化率は、前記第2信号の出力値の範囲が所定値以下の場合より前記所定値を超えた場合の方が大きい部分を含むことを特徴とするクレーンの遠隔操作システム。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載のクレーンの遠隔操作システムにおいて、
    前記第2信号の出力値に対する前記クレーンの最大旋回速度は、前記第1信号の出力値に対する前記クレーンの最大旋回速度より小さいことを特徴とするクレーンの遠隔操作システム。
  5. 請求項1~4の何れか1項に記載のクレーンの遠隔操作システムにおいて、
    前記第2出力部は、前記クレーンの旋回操作信号である第3信号を出力し、
    前記旋回駆動部は、前記第3信号の出力値に対する前記クレーンの旋回速度が前記第2特性とは異なる第3特性に従って変化するように前記クレーンを旋回させることを特徴とするクレーンの遠隔操作システム。
  6. 請求項5に記載のクレーンの遠隔操作システムにおいて、
    前記第3特性は、前記第2特性と比べて前記クレーンの旋回速度の変化率が小さいことを特徴とするクレーンの遠隔操作システム。
  7. 請求項5または6に記載のクレーンの遠隔操作システムにおいて、
    前記第3特性は、前記第2特性と比べて前記クレーンの旋回操作信号の出力値に対する前記クレーンの旋回速度が小さいことを特徴とするクレーンの遠隔操作システム。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載のクレーンの遠隔操作システムにおいて、
    前記第2出力部からの前記クレーンの旋回操作信号の出力に対して、前記クレーンの旋回速度が所定の遅れを以って動作することを特徴とするクレーンの遠隔操作システム。
  9. 請求項1~8の何れか1項に記載のクレーンの遠隔操作システムに使用され、前記第2出力部を備えた遠隔操作端末。
  10. クレーンであって、
    当該クレーンに搭乗したオペレータの操作または当該クレーンに搭載されたコントローラの指示に基づいて、旋回速度が第1特性に従って変化するように前記クレーンを旋回させる旋回駆動部を備え、
    前記旋回駆動部は、前記クレーンの外部から通信回線を介して接続可能な遠隔操作端末からの指示に基づいて、旋回速度が前記第1特性とは異なる第2特性に従って変化するように前記クレーンを旋回させることを特徴とするクレーン。
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