JP2022147905A - 搬送システム及び搬送制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】スループットを向上できる搬送システム等を提供すること。【解決手段】搬送システム100は、媒体を搬送する搬送機構120と、搬送中の媒体に所定の処理を行う処理部130と、制御部110とを備える。制御部110は、処理の後に切断によって作られるページについて、処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得して、上余白と下余白とに基づいて搬送機構120と処理部130とを制御する。制御部110は、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させ、第1ページの処理の後に第1ページの下余白の搬送を行わずに、改ページと、第2ページの上余白の搬送とを順次行うように搬送機構を制御する。【選択図】 図1
Description
本発明は、搬送システム及び搬送制御プログラム等に関する。
特許文献1には、長尺状のウェブを印刷媒体として搬送する搬送手段と、印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて、搬送手段により搬送されるウェブに対して印字することにより連続的に画像を印刷する印刷手段と、を含むウェブ印刷装置が開示されている。
搬送中の媒体に対して印刷等の処理を行うと共に改ページ処理によりページ管理を行う搬送システムにおいて、余白と改ページ処理の関係からスループットが低下するおそれがある。このような搬送システムにおいてスループットの向上が望まれている。
本開示の一態様は、媒体を搬送する搬送機構と、搬送中の前記媒体に所定の処理を行う処理部と、前記処理の後に切断によって作られるページについて、前記処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得して、前記上余白と前記下余白とに基づいて前記搬送機構と前記処理部とを制御する制御部と、を備えた搬送システムであって、前記制御部は、第2ページの前記上余白の量を第1ページの前記下余白の量だけ増加させ、前記第1ページの前記処理の後に前記第1ページの前記下余白の搬送を行わずに、改ページと、前記第2ページの前記上余白の搬送とを順次行うように前記搬送機構を制御する搬送システムに関係する。
また本開示の他の態様は、媒体を搬送する搬送機構と、搬送中の前記媒体に所定の処理を行う処理部と、を制御する搬送制御プログラムであって、前記処理の後に切断によって作られるページについて、前記処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得して、前記上余白と前記下余白とに基づいて前記搬送機構と前記処理部とを制御し、第2ページの前記上余白の量を第1ページの前記下余白の量だけ増加させ、前記第1ページの前記処理の後に前記第1ページの前記下余白の搬送を行わずに、改ページと、前記第2ページの前記上余白の搬送とを順次行うように前記搬送機構を制御するように、コンピューターを機能させる搬送制御プログラムに関係する。
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
1.搬送システム
図1は、搬送システム100の構成例である。搬送システム100は、制御部110と搬送機構120と処理部130とカッター140とメモリー150とを含む。
図1は、搬送システム100の構成例である。搬送システム100は、制御部110と搬送機構120と処理部130とカッター140とメモリー150とを含む。
搬送機構120は、媒体を搬送する。媒体は、例えば紙又は布であるが、幅に対して長手方向の長さが長尺の媒体であり、且つ幅に対して厚みが薄い媒体であればよい。搬送機構120は、媒体の長手方向に媒体を搬送する。搬送機構120は、例えばモーターと、モーターの回転を媒体に伝えることで媒体を移動させるローラーと、で構成される。
処理部130は、搬送中の媒体に所定の処理を行う。例えば、搬送システム100が印刷システムである場合、処理部130は印刷ヘッドを含み、処理は、印刷ヘッドによる媒体への印刷である。但し、処理は印刷に限定されず、媒体に対する様々な処理であってよい。例えば、処理は、媒体から画像データを読み取るスキャニングであってもよいし、或いは、媒体に対する何らかの加工であってもよい。
カッター140は、媒体をページ毎に分離する。具体的には、処理部130が媒体に処理を行った後、搬送機構120が媒体を搬送し、媒体の切断位置がカッター140の位置まで搬送されたときカッター140が媒体を切断する。カッター140は、媒体の長手方向に交差する方向に沿って媒体を切断し、例えば媒体の長手方向に直交する幅方向に沿って媒体を切断する。複数回の切断により媒体が複数枚の媒体片に分離され、その各媒体片がページに相当する。
メモリー150は、搬送システム100が用いる様々なデータを記憶したり、或いは、制御部110が行う制御処理のワーキングメモリーとして機能する。例えば、メモリー150は、ジョブを一時的に蓄積する。ジョブは、処理の指示、処理の内容又はそれら両方を含む。例えば処理が印刷である場合には、ジョブは印刷ジョブであり、印刷指示と印刷データとを含む。メモリー150は、例えば、RAM又は不揮発性メモリー等の半導体メモリー、或いは、ハードディスクドライブ等の磁気記録装置である。
制御部110は、ジョブに基づいて搬送システム100の各部を制御する。例えば、搬送システム100の外部に設けられた処理装置がジョブを制御部110に入力してもよいし、制御部110がジョブを生成してもよい。制御部110は、搬送機構120を制御して媒体を搬送させ、媒体が処理位置まで搬送されたときに処理部130を制御して媒体に対する処理を行わせ、媒体が切断位置まで搬送されたときにカッター140を制御して媒体を切断させる。
制御部110は、処理の後に切断によって作られるページについて、処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得して、その上余白と下余白とに基づいて搬送機構120と処理部130とを制御する。先端側は、搬送により媒体が進んでいく方向を意味し、後端側は、その反対方向を意味する。即ち、処理は媒体の先端側から後端側に向かって順次に行われていくことになる。
切断によって、第1ページと、その後端側の第2ページとが分離し、その第1ページに下余白があり、第2ページに上余白があるとする。第1ページと第2ページが切断により分離される前においては、第1ページの下余白と第2ページの上余白とは媒体上において隣り合った状態となっている。このとき、制御部110は、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させる。そして、制御部110は、第1ページの処理の後に第1ページの下余白の搬送を行わずに、改ページと、第2ページの上余白の搬送とを順次行うように、搬送機構120を制御する。
例えば、後述する図8において、nページが第1ページに対応し、n+1ページが第2ページに対応する。nページの下余白が1500ステップであり、n+1ページの上余白が1500ステップであったとき、制御部110は、n+1ページの上余白を3000ステップに変更する。そして、制御部110は、nページの処理の後に搬送を行うことなく改ページを行い、n+1ページの上余白3000ステップの搬送を行うように、搬送機構120を制御する。
従来、第1ページの下余白が搬送され、一時搬送が停止され、改ページされた後、第2ページの上余白が搬送されていた。この場合、改ページを挟むことで余白の搬送駆動が2回に分割され、改ページの際に搬送が一時停止されることから、スループットが低下する要因となっていた。この点、本実施形態によれば、第1ページの下余白と第2ページの上余白とが1度の駆動により搬送されるため、スループットを向上できる。スループットは、例えば、搬送システム100が単位時間当たりに生成できるページ数である。
なお、搬送システム100のハードウェア構成は種々想定できる。印刷システムを例にとると、例えば、制御部110、メモリー150、搬送機構120、処理部130及びカッター140を含む印刷装置により、印刷システムが構成されてもよい。この場合、制御部110は、印刷装置に設けられるCPU又はASIC等のプロセッサである。或いは、制御部110及びメモリー150を含む情報処理装置と、搬送機構120、処理部130及びカッター140を含む印刷装置とにより、印刷システムが構成されてもよい。この場合、制御部110は、情報処理装置に設けられるプロセッサ又はASIC等である。
搬送システム100は、コンピューターが搬送制御プログラムを実行することで、実現されてもよい。即ち、搬送システムは、制御部110の機能が記述された搬送制御プログラムを記憶するメモリーと、メモリーに記憶された搬送制御プログラムを実行することで制御部110の機能を実現するプロセッサと、を含む。プロセッサは、マイクロコンピューター、CPU、GPU又はDSP等である。メモリーは、RAM又は不揮発性メモリー等の半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置であってもよい。また、搬送制御プログラムは、コンピューターにより読み取り可能な媒体である非一時的な情報記憶媒体に格納されてもよい。情報記憶媒体は、不揮発性の半導体メモリー、ハードディスクドライブ、又は光ディスクドライブなどである。
具体的には、搬送制御プログラムは、媒体を搬送する搬送機構120と、搬送中の媒体に所定の処理を行う処理部130と、を制御する。搬送制御プログラムは、処理の後に切断によって作られるページについて、処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得するように、コンピューターを機能させる。そして、搬送制御プログラムは、上余白と下余白とに基づいて搬送機構120と処理部130とを制御し、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させ、第1ページの処理の後に第1ページの下余白の搬送を行わずに、改ページと、第2ページの上余白の搬送とを順次行うように搬送機構120を制御するように、コンピューターを機能させる。
2.詳細構成例
以下、搬送システム100が印刷システムである場合を例にとり、搬送システム100の詳細構成例を説明する。
以下、搬送システム100が印刷システムである場合を例にとり、搬送システム100の詳細構成例を説明する。
図2は、印刷装置10の内部を側面から見た概略図である。印刷装置10は、筐体30とカバー35とホルダー25とロール紙20と搬送ローラー41~43、61、62と印刷ヘッド50とキャリッジ52と支持部54とを含む。図2において、Z方向は、印刷装置10が設置されたときの鉛直方向であり、X方向は、Z方向に直交する印字走査方向であり、Y方向は、Z方向及びX方向に直交する方向である。
筐体30は、ホルダー25とロール紙20と搬送ローラー41~43、61、62と印刷ヘッド50とキャリッジ52と支持部54とを収納する。筐体30の一部はカバー35として開閉可能であってもよい。
ロール紙20は、ロール状に巻かれた紙であり、上述した媒体に対応する。ロール紙20はホルダー25に保持されている。搬送ローラー41~43、61、62はモーターにより駆動され、そのモーターと搬送ローラー41~43、61、62が、上述した搬送機構120に対応する。搬送ローラー41~43、61、62の各々は、ロール紙20から引き出された紙を挟む1対のローラーである。各ローラー対が回転することで紙が搬送され、ホルダー25に保持されたロール紙20が回転して紙が順次に引き出されていく。図2において、Fを付した矢印が搬送方向を示す。
搬送ローラー41~43により搬送された紙は、支持部54と印刷ヘッド50との間を通過する。印刷ヘッド50はキャリッジ52により保持されており、キャリッジ52は不図示の走査機構によりX方向又は-X方向に走査される。その印刷ヘッド50とキャリッジ52と走査機構とが、上述した処理部130に対応する。キャリッジ52が走査機構によりX方向又は-X方向に走査されると共に印刷ヘッド50が印字を行うことで、媒体に印字が行われる。以下では、この1走査の印字を1パスとも呼ぶ。1パスの印字と、搬送による紙送りとが繰り返されることで、紙の先端側から後端側に向かって順次に印字が行われていく。上述したように、ここでは搬送方向であるF方向を「先端側」方向としている。印刷ヘッド50は、例えばインクジェット方式のヘッドであるが、印刷方式はこれに限定されるものでない。
カッター60は印刷ヘッド50より先端側に設けられ、例えば1対の刃を有する。その1対の刃は、搬送ローラー61、62により搬送される紙の上下に設けられており、その1対の刃が噛み合わさることで紙を切断する。カッター60は、X方向、つまり印字走査方向と平行な方向に沿って、紙を切断する。
なお、印刷装置10は、ロール紙20の残量を検出する残量検出センサーを含んでもよい。残量検出センサーは、例えば光源と光センサーである。例えば、光源と光センサーは紙を挟んで向かい合って設けられ、光センサーが光を検知したとき、その光源と光センサーが設けられた位置を紙終端が通過したと判定される。或いは、残量検出センサーは、ホルダー25に保持されたロール紙20の重さを検出するセンサー、又は、ホルダー25の回転量を検出するロータリーエンコーダー等であってもよい。
図3と図4は、従来の印刷制御を説明する図である。図3において、「印刷イメージ」は、印刷が正常に行われたときの印刷結果を模式的に示す。nは1以上の整数である。ハッチング部分は、画像が印刷される部分であり、ハッチングが付されていない部分は余白である。nページとn+1ページの境界線は、カッター60により切断される位置を示す。
制御部110は、複数ページの印刷データを取得し、その複数ページの印刷データを1つの長尺の印刷データに連結し、その連結した印刷データに基づいて、長尺の媒体に対する印刷を制御する。そして、印刷が行われた長尺の媒体がカッター140により切断されることで、ページが生成される。具体的には、図3の「ステップ」は搬送量の単位を示しており、制御部110は、例えば1ページ当たりのステップ数を印刷ジョブから取得し、そのステップ数毎にページを分離するようにカッター140を制御することで、ページを生成する。
図3において、「印刷制御」は、制御部110が行う制御処理のフローを示している。従来の印刷制御は、各ページについて給紙、印刷及び排紙を順に行う単票紙印刷の制御を踏襲している。以下、この従来の印刷制御のフローを説明する。
制御部110は、nページ目の給紙処理を行い、次に1パスの印字を行うようにキャリッジ52の走査機構と印刷ヘッド50とを制御する。この制御を1パスの印字制御とも呼ぶ。制御部110は、次の印字位置まで紙を搬送するように搬送機構120を制御する。この制御を紙送り制御とも呼ぶ。制御部110は、1パスの印字制御と紙送り制御とを繰り返すことで、nページの印刷部分に対する印刷を行う。図3では3パスの印字が行われているが、パスの回数は任意であってよい。
nページの下余白が500ステップであり、n+1ページの上余白が200ステップであるとする。従来の印刷制御においては、制御部110は、500ステップの紙送り制御を行い、次にnページの排紙処理とn+1ページの給紙処理を行い、次に200ステップの紙送り制御を行い、次にn+1ページにおける最初の1パスの印字制御を行う。nページの排紙処理とn+1ページの給紙処理を合わせて、改ページとも呼ぶ。
以降、制御部110は、紙送り制御と1パスの印字制御とを繰り返して、n+1ページの印刷部分に対する印刷を行う。この印刷途中の紙送りにおいて、制御部110は、ページを分離するようにカッター140を制御する。以下、この制御をカット制御とも呼び、切断をカットとも呼ぶ。図3には、2パス目の印字が終わった後の紙送りにおいてカット制御が行われているが、カット制御のタイミングはこれに限定されず、印刷ヘッド50とカッター140の物理的な位置関係によって決まる。制御部110は、n+1ページの印刷が終わった後、n+1ページの排紙処理を行う。
制御部110は、給紙完了、印刷完了、排紙完了及びカット完了を監視することで、ページ管理を行う。具体的には、制御部110は、給紙完了、印刷完了、排紙完了及びカット完了を、この順序で検出したときに、そのページの生成が完了したと判断する。なお、図3にはnページについてのページ管理を示すが、各ページについて同様のページ管理が行われる。
また、制御部110は、紙詰まり等が生じて印刷を中止した時に、どのページから印刷を再開するかを管理するリカバリー制御を行っている。カット制御によりnページが分離されると、そのnページが印刷成果物として排出されるが、nページが分離される前に紙詰まり等が生じた場合にはnページが印刷成果物として得られない。このため、制御部110は、nページを分離するカット制御を行ったとき、nページがリカバリー不要になったと判定し、リカバリー対象のページをnページからn+1ページに更新する。より具体的には、制御部110は、上述のページ管理においてnページの生成が完了したと判断したとき、nページのリカバリーが不要であると判断する。
図4は、改ページ前後における印刷制御と、ヘッドとカッターと紙との位置関係とを説明する図である。図4において、実際にはヘッドとカッターに対して紙が先端側に搬送されていくが、図示の都合上、紙に対してヘッドとカッターが後端側に移動していくように図示している。
A1に示すように、nページにおける最後の印字パスにおいて、ヘッド位置は、nページの印刷部分の下端である。従来の印刷制御においては、A1の状態から、500ステップの紙送り制御が行われ、A2に示すように、ヘッド位置がnページの下端に移動する。ここで制御部110が改ページを行うことで、印刷制御上のページがnページからn+1ページに変わる。この改ページのとき、紙送りは一時的に停止されている。次に、200ステップの紙送り制御が行われ、A3に示すように、ヘッド位置が、n+1ページの印刷部分の上端に移動し、最初の1パスの印字が行われる。なお、A3の後、更に紙送り制御が行われ、カッター位置がページ境界に来たときカット制御が行われ、nページが分離される。
以上のように、印刷制御においてページ間で排紙処理と給紙処理が行われる。この改ページの処理は用紙管理上必要な処理であり、例えば、ページ管理、インク使用量の加算処理、及びリカバリーの要否判定に用いられている。従来の印刷制御においては、制御部110は、nページの下余白の紙送り量500ステップと、n+1ページの上余白の紙送り量200ステップとを別々に搬送機構120に送信し、その2つの紙送りの間に改ページを行っている。このため、500ステップの紙送り動作後、200ステップの紙送り動作が実施されるという2段階駆動となっており、それがスループット低下の一因となっている。
図5~図7に、印刷制御の第1実施形態を示す。
図5において、図3と同様に、nページの下余白が500ステップであり、n+1ページの上余白が200ステップであるとする。第1実施形態では、制御部110は、nページにおける最後の1パスの印字制御を行った後、改ページを行わずに700ステップの紙送り制御を行う。次に、制御部110は、改ページを行い、n+1ページにおける最初の1パスの印字制御を行う。以降、図3と同様である。第1実施形態においては、切断によって作られるページの境界と、制御上の改ページ位置とは異なっている。即ち、切断によって作られるn+1ページの上余白は、制御上はnページの下余白として扱われる。これにより、切断によって作られるnページの下余白とn+1ページの上余白が、制御上においてはnページの下余白として1駆動で紙送りされる。
第1実施形態によれば、nページの下余白の紙送りとn+1ページの上余白の紙送りとが1回の駆動に結合されている。これにより、従来の2駆動で紙送りされる場合に比べてスループットが向上する。そしてこれに加えて、以下に説明するように、ページ管理とリカバリー判断処理を行う。
図6と図7は、印刷データの一例を説明する図である。ここでは、nページの下余白とn+1ページの上余白を合わせて3000ステップであるとする。例えば、nページの下余白が1500ステップであり、n+1ページの上余白が1500ステップである。
図6と図7のB1に示すように、制御部110は、nページにおける最後の1パスの印字制御を行った後、改ページを行うことなく、3000ステップの紙送り制御を行う。B2に示すように、紙送り量が多いことから、紙送りの途中で切断位置にカッター140が到達する。このため、制御部110は、紙送りの途中でカット制御を行う。B3に示すように、制御部110は、3000ステップの紙送り制御が終わった後、改ページを行い、n+1ページにおける最初の1パスの印字制御を行う。
従来の印刷装置における制御部は、給紙完了、印刷完了、排紙完了及びカット完了の順に処理されることを前提にページ管理を行っている。即ち、この順序が遵守されるのであれば、制御部110は従来通りのページ管理を行うことができ、印刷がどのページまで成果物として得られているか、或いは、紙詰まりになったときにどのページからリカバリー印刷をすればよいのかを、把握できる。
しかしながら、図6と図7の例では、nページにおいて給紙完了、印刷完了、カット完了、排紙完了の順になっており、排紙完了とカット完了の順序が、期待される順序とは逆になっている。このため、従来通りのページ管理では不整合が生じる。具体的には、制御部110は、給紙完了、印刷完了、カット完了、排紙完了が正しい順で検出されたとき、そのページの完了を検出する。排紙完了とカット完了の順序が入れ替わった場合、制御部110は、ページの完了を正しく判断できない。或いは、制御部110は、ページ管理においてnページの完了を検出したとき、nページのリカバリーが不要になったと判断する。排紙完了とカット完了の順序が逆になった場合、nページの完了が検出されないので、リカバリー要否判定が適切に行われない。或いは、図6に示すように、制御部110がカット制御と共にリカバリー要否判定を行ったとする。このとき、nページの排紙が行われていないにも関わらず、nページのカット制御が行われる。即ち、制御上はnページが印刷成果物として得られていない状態でnページのリカバリー要否が判定されることになり、制御部110は、nページのリカバリー要否を適切に判定できない。
そのため、第1実施形態では、給紙完了、印刷完了、排紙完了及びカット完了の順に処理されることを前提にしたページ管理と、給紙完了、印刷完了、カット完了及び排紙完了の順に処理されることを前提にしたページ管理とを用意し、この2とおりのページ管理を印刷データに応じて使い分けるようにする。
図8~図11に、印刷制御の第2実施形態を示す。なお、図1で説明した内容は、第2実施形態、又は後述する第3実施形態に対応している。
図8と図9では、図6と同様に、nページの下余白とn+1ページの上余白を合わせて3000ステップであるとする。第1実施形態では、制御部110が排紙処理の前にカット制御を行う場合がある。このため第2実施形態では、C1に示すように、制御部110は、nページにおける最後の1パスの印字制御を行った後、改ページを行う。次に、制御部110は、3000ステップの紙送り制御を行う。即ち、制御部110は、ページを跨ぐ紙送りの前に改ページを行う。C2に示すように、制御部110は、3000ステップの紙送りの途中でカット制御を行い、C3に示すように、紙送り終了後にn+1ページにおける最初の1パスの印字制御を行う。第2実施形態においては、切断によって作られるnページの下余白は、制御上はn+1ページの上余白として扱われる。これにより、切断によって作られるnページの下余白とn+1ページの上余白が、制御上においてはn+1ページの上余白として1駆動で紙送りされる。
カッターはヘッドより先端側にあることから、nページにおける最後の1パスが印字された直後に改ページが行われることで、必ず、改ページ後にカットが行われることになる。このため、第2実施形態によれば、給紙完了、印刷完了、排紙完了、カット完了の順序が保証され、制御部110は適切にページ管理できる。また、正しいページ管理が実現されることで、リカバリー要否判定についても正しく判定される。
以上に説明したように、搬送システム100は、媒体をページ毎に分離するカッター140を更に備える。制御部110は、第2ページの上余白の搬送の搬送中にカッター140に第1ページの分離を行わせる。なお、第2実施形態において、媒体はロール紙20に対応し、第1ページはnページに対応し、第2ページはn+1ページに対応する。
本実施形態によれば、制御部110は、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させ、第1ページの処理の後に第1ページの下余白の搬送を行わずに、改ページと、第2ページの上余白の搬送とを順次行うように搬送機構120を制御し、その第2ページの上余白の搬送の搬送中にカッター140に第1ページの分離を行わせる。即ち、第1ページの処理完了、第1ページの排紙完了、第1ページの分離完了の順序で実行されている。これにより、給紙完了、処理完了、排紙完了及び分離完了の順序が保証され、制御部110が従来通りのページ管理でも適切にページ管理できる。
この第2実施形態においてはこれに加えて、用紙残量の不足によりエラーになったとき、以下のように対処する。図10と図11は、印刷データの一例を説明する図である。ここでは、nページの下余白とn+1ページの上余白が無いフチなし印刷を行う印刷データである。なお、nページの下余白とn+1ページの上余白を合わせた幅が、1パスの印字幅より小さければよい。
制御部110には、複数ページの印刷データが入力され、制御部110は、受け付けた複数ページの印刷データをメモリー150に蓄積し、そのメモリー150に蓄積された複数ページの印刷データを連結することで、長尺の媒体に対応した長尺の印刷データを生成する。このような連結を行うことで、図10に示すように、nページの下端とn+1ページの上端を、ページを跨いだ1パスで印字することが可能となり、スループットの向上につながる。ここでは、1パスの印字幅が200ステップであるとする。例えば、nページ下端の50ステップと、n+1ページ上端の150ステップとを1パスで印字することが可能である。
図8と図9で説明したように、第2実施形態では、n+1ページ給紙、ページ跨ぎの紙送り、n+1ページにおける最初の1パスの印字が、順に実行される。これを図10と図11の例に適用すると、次のようになる。図10と図11のD1に示すように、制御部110は、改ページにおいてn+1ページの給紙処理を行う。このとき、ヘッド位置は、n+1ページにおける最初の1パスよりも、200ステップ前である。次に、制御部110は、ページ跨ぎの紙送りとして、200ステップの紙送り制御を行う。次に、D2に示すように、制御部110は、n+1ページにおける最初の1パスの印字を行う。この1パスの印字は、nページの下端とn+1ページの上端の印字を含んでいる。このように、図10と図11の例では、n+1ページの給紙の後にnページの下端が印字される。
従来の印刷装置における制御部は、給紙及び各紙送りにおいてロール紙の残量チェックを行い、用紙残量が不足していると判定したとき、その後の印刷を中止すると共にエラー通知を行う。用紙残量の不足とは、今印刷しているページを完了するだけの用紙が残っていないことである。制御部は、印刷を中止した後、残りの用紙を排出する制御を行い、この排出において、既に印刷が完了しているページのカットが行われる。このとき、印刷完了枚数が正しくカウントされるのであれば、制御部110は、図8と図9で説明したページ跨ぎの紙送り前に改ページする印刷制御と、従来の残量チェック及びエラー通知との組み合わせでページ管理を行うことができる。印刷完了枚数は、印刷が中止される前に印刷が完了したページ数のことである。
しかしながら、図10と図11の例において、ページ跨ぎの紙送り前に改ページする印刷制御と、従来の残量チェック及びエラー通知とを組み合わせた場合、以下の印刷制御になる。図10と図11では、n+1ページの給紙の後にnページの下端が印字されるため、n+1ページの給紙のときに用紙残量不足によりエラーになると、そこで印刷が中止されてnページの下端が印刷されない。即ち、不足しているのはn+1ページの用紙であるのに、用紙が足りているnページの印刷が完了しない。また、図10と図11に示すように、n+1ページの給紙により制御上のページはn+1ページになるので、制御部110は、ページカウントをnからn+1にカウントアップする。このため、n+1ページの給紙において残量不足により印刷が中止された場合、制御上においてはnページまでカウントされているのでnページの印刷が完了していることになり、残り用紙の排出と共にnページのカットが行われる。このように、実際にはnページの下端の印字が完了していないにも関わらず、印刷完了枚数が1枚余分にカウントされる。
このため、第2実施形態において、以下のように残量チェック及びエラー通知を行う。制御部110は、n+1ページの給紙のときに用紙残量不足によりエラーになっても、そのままnページの下端を印刷する。即ち、n+1ページの用紙が不足しているというエラーが発生した時点でnページの印刷が完了しているかどうかを判断し、完了していないと判断した場合には、不足しているのはn+1ページの用紙であるので、nページの印刷が完了するまで印刷を継続し、エラー通知も待機する。完了していると判断した場合には、その時点で印刷を中止しエラー通知を行う。エラー通知は、例えば印刷装置の表示部等にエラーを表示させることで、ユーザーにエラーを通知することであるが、エラー通知の手法は画像表示に限らず光、音又は振動等であってもよい。
なお、図10と図11に示すように、制御部110は、給紙処理のときの残量チェックにおいて、用紙が足りていると判定した場合には、200ステップの紙送り制御と最初の1パスの印字を行い、その後、各紙送り制御において残量チェックを行う。図10には、印字後の最初の紙送り制御にのみ残量チェックを図示しているが、残量チェックNGにならない限り、各紙送り制御において残量チェックが行われる。
図12と図13は、印刷制御の第3実施形態を示す。用紙残量チェックに関する制御以外の印刷制御は、第2実施形態の印刷制御と同じである。図10と図11で説明したように、ページ跨ぎの紙送り前に改ページする印刷制御と、従来の残量チェック及びエラー通知とを組み合わせた場合、印刷完了枚数が1枚余分にカウントされる場合がある。これに対して、第3実施形態では、以下のように対処する。
図12と図13のE1に示すように、制御部110は、改ページにおいてn+1ページの給紙処理を行うと共に、n+1ページの用紙残量チェックを行う。用紙残量不足が検出されたか否かに関わらず、制御部110は、制御上のページをnのままカウントアップしない。仮にn+1ページの用紙残量不足が検出された場合であっても、制御上のページはnなので、制御部110は、制御上のページがn+1ページになるまで印刷を続行する。制御部110は、200ステップの紙送り制御を行った後、E2に示すようにn+1ページにおける最初の1パスの印字制御を行う。これにより、n+1ページ給紙において用紙残量不足と判定された場合であっても、nページの下端の印字が実行される。次に、制御部110は、200ステップの紙送り制御を行い、E3に示すように2パス目の印字制御を行う。この200ステップの紙送り制御のとき、制御部110は、制御上のページをnからn+1にカウントアップすると共に、用紙残量チェックを行う。給紙時の用紙残量チェックにおいてn+1ページの用紙が不足していると判定されていた場合、ここでも用紙残量不足と判定される。制御上のページカウントがn+1となっているので、制御部110は、印刷を中止すると共に、エラー通知、残り用紙の排出制御、及びnページのカット制御を行う。
なお、1ページ目の印刷制御においては、給紙時の用紙残量チェックにおいて1ページ目の用紙が不足していると判定された場合であっても、ページカウントを2にカウントアップすると共に印刷中止とエラー通知を行う。1ページ目に関しては、前のページの印刷完了を考慮する必要がないためである。
また、図12と図13では、2ページ目以降の給紙処理のときに残量チェックを行う例を説明しているが、図14で後述するように、2ページ目以降の給紙処理のときの残量チェックが省略されてもよい。
第3実施形態によれば、n+1ページの給紙のときにn+1ページの用紙が不足していたとしても、n+1ページにおける最初の1パスの印字が行われるので、nページの下端が印字され、nページの印刷が完了する。また、n+1ページの給紙のときにn+1ページの用紙が不足していたとしても、制御上のページカウントがnページに維持され、nページの下端が印字された後にn+1ページにカウントアップされる。これにより、ページ管理において印刷完了ページ数が正しくカウントされる。以上のように、第3実施形態によれば、余白搬送の結合によるスループットの向上と、適切なページ管理とを両立できる。
以上に説明したように、制御部110は、第1ページの処理の成否を第2ページの処理開始後に判断する。より具体的には、制御部110は、改ページにおいては、第2ページの用紙残量不足によるエラー通知を行わず、第2ページの処理開始後の搬送中において第1ページの処理の成否判断と共に第2ページの用紙残量チェックを行い、その用紙残量チェックにおいて第2ページの用紙残量不足と判定されたとき、エラー通知を行う。なお、第3実施形態において、処理は、ロール紙20に対する印刷に対応し、第1ページはnページに対応し、第2ページはn+1ページに対応する。また、第1ページの処理の成否は、図12に示すページカウントのカウントアップに対応する。このカウントアップは、n+1ページにおける最初の1パスの印字が行われた後の紙送り中に、実施される。また、このページカウントは、制御上におけるページ、即ち、現在処理されているページを示しており、nページからn+1ページへのカウントアップは、nページの処理成功を意味している。
複数ページのジョブを連結したジョブにより長尺の媒体に処理を行う場合、第2ページの最初の処理が、第1ページの最後の処理を含んでいる場合がある。図12と図13の例では、第2ページの最初の処理は、n+1ページにおける最初の1パスの印字であり、第1ページの最後の処理は、nページの下端の印字である。第2実施形態で説明したように、第2ページの処理開始前に第1ページの処理の成否が判断された場合、第1ページの最後の処理が終了していないにもかかわらず第1ページの処理が成功したと判断され、第1ページについてエラーが無いにも関わらず第1ページの最後の処理が行われない可能性がある。この点、本実施形態によれば、第2ページの処理開始後においては、第2ページの最初の処理が終了しているので、第1ページの最後の処理が必ず終了している状態で第1ページの処理の成否が判断される。これにより、第1ページの最後の処理が終了していないにもかかわらず第1ページの処理が成功したと判断されることがない。また、余白搬送の結合によりスループットの向上が実現されており、スループットの向上と適切なページ管理との両立が実現されている。
また本実施形態では、制御部110は、メモリー150に処理開始前の第1ページのジョブと第2ページのジョブとが蓄積されたことに応じて、第2ページのジョブの上余白の情報を書き換える。
制御部110には、複数ページのジョブが入力され、制御部110は、受け付けた複数ページのジョブをメモリー150に蓄積する。このとき、制御部110は、複数ページのジョブのうち、処理開始前の第1ページのジョブと第2ページのジョブとがメモリー150に蓄積されたことに応じて、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させるように、第2ページのジョブの上余白の情報を書き換える。これにより、第1ページの下余白と第2ページの上余白とを結合して、第2ページの上余白として搬送することが可能となり、スループットを向上できる。また、第1ページのジョブが処理開始前であることから、第1ページの下余白の搬送前であることが保証されており、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させるように、第2ページのジョブの上余白の情報を書き換えることができる。なお、すでに処理を開始しているジョブについて、又はすでに処理を開始しているページについては、余白の情報の書き換えは行わない。
図14は、第3実施形態における印刷制御の詳細フローチャートである。ジョブ命令タスクは、印刷ジョブの実行を管理するタスクであり、印刷ジョブに基づく命令をメカ制御タスクに対して出力する。メカ制御タスクは、印刷ジョブタスクからの命令に従って、搬送機構120、印刷ヘッド50、及びキャリッジ走査機構を制御する。
ジョブ命令タスクは、1枚目給紙の命令をメカ制御タスクに出力する。S1に示すように、メカ制御タスクは、1ページ目のカット位置をメモリー150に登録すると共に、1ページ目の用紙残量チェックを行う。メカ制御タスクは、用紙がセットされていない、又は、残量xがカット位置よりも小さい場合、1ページ目の用紙残量不足と判定し、紙無しエラー通知を行う。メカ制御タスクは、用紙残量不足が検出されなかったとき、給紙成功の応答をジョブ命令タスクに返す。
ジョブ命令タスクは、給紙成功の応答を受け付けたとき、印刷命令をメカ制御タスクに出力する。この印刷命令は、余白の紙送り後、最初の1パスの印字を指示する命令である。メカ制御タスクは、印刷を正常に実行できた場合、印刷成功の応答をジョブ命令タスクに返す。
ジョブ命令タスクは、印刷成功の応答を受け付けたとき、紙送り命令をメカ制御タスクに出力する。この紙送り命令は、パス間の紙送りを指示する命令である。S2に示すように、メカ制御タスクは、紙送りと共に1ページ目の用紙残量チェックを行う。メカ制御タスクは、用紙残量チェックにおいて、ロール紙の残量xと、S1で登録されたカット位置とを比較する。メカ制御タスクは、残量xがカット位置よりも小さい場合、1ページ目の用紙残量不足と判定し、紙無しエラー通知を行う。メカ制御タスクは、用紙残量不足が検出されなかったとき、紙送り成功の応答をジョブ命令タスクに返す。
以後、1ページ目の印刷部分が終了するまで、ジョブ命令タスクが印刷命令と紙送り命令を繰り返す。1ページ目の印刷部分が終了した後、ジョブ命令タスクは、1ページ目の排紙命令をメカ制御タスクに出力する。メカ制御タスクは、排紙を正常に実行できた場合、排紙成功の応答をジョブ命令タスクに返す。
ジョブ命令タスクは、排紙成功の応答を受け付けたとき、2枚目給紙の命令をメカ制御タスクに出力する。S3に示すように、メカ制御タスクは、2ページ目のカット位置をメモリー150に登録する。メカ制御タスクは、ここでは用紙残量チェックを行わない。なお、図12と図13で説明したように、ここでメカ制御タスクが用紙残量チェックを行うと共にページカウントをカウントアップしない構成としてもよい。
ジョブ命令タスクは、給紙成功の応答を受け付けたとき、印刷命令をメカ制御タスクに出力する。この印刷命令は、ページ跨ぎの余白の紙送り後、最初の1パスの印字を指示する命令である。メカ制御タスクは、印刷を正常に実行できた場合、印刷成功の応答をジョブ命令タスクに返す。
ジョブ命令タスクは、印刷成功の応答を受け付けたとき、紙送り命令をメカ制御タスクに出力する。この紙送り命令は、パス間の紙送りを指示する命令である。S4に示すように、メカ制御タスクは、紙送りと共に2ページ目の用紙残量チェックを行う。メカ制御タスクは、用紙残量チェックにおいて、ロール紙の残量xと、S3で登録されたカット位置とを比較する。メカ制御タスクは、残量xがカット位置よりも小さい場合、2ページ目の用紙残量不足と判定し、紙無しエラーをジョブ命令タスクに通知する。ジョブ命令タスクは、メカ制御タスクから紙無しエラーが通知されたとき、ユーザーにエラー通知を行う。
以上に説明した本実施形態の搬送システムは、媒体を搬送する搬送機構と、搬送中の媒体に所定の処理を行う処理部と、制御部と、を備える。制御部は、処理の後に切断によって作られるページについて、処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得して、上余白と下余白とに基づいて搬送機構と処理部とを制御する。制御部は、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させ、第1ページの処理の後に第1ページの下余白の搬送を行わずに、改ページと、第2ページの上余白の搬送とを順次行うように搬送機構を制御する。
従来、第1ページの下余白が搬送され、一時搬送が停止され、改ページされた後、第2ページの上余白が搬送されていた。この場合、改ページを挟むことで余白の搬送駆動が2回に分割され、改ページの際に搬送が一時停止されることから、スループットが低下する要因となっていた。この点、本実施形態によれば、第1ページの下余白と第2ページの上余白とが1度の駆動により搬送されるため、スループットを向上できる。さらに、第1ページの下余白の量を第2ページの上余白の量だけ増加させ、第1ページの処理の後に第1ページの下余白の搬送を行い、次いで改ページを行って、第2ページの上余白の搬送を行わない場合と比較して制御が容易になる。
また本実施形態では、搬送システムは、媒体をページ毎に分離するカッターを更に備えてもよい。制御部は、第2ページの上余白の搬送にカッターに分離を行わせてもよい。但し、搬送システムはカッターを備えていなくてもよい。搬送システムがカッターを備えていない場合、例えば、全ての印刷を完了した後にユーザーが手持ちのハサミなどを用いて分離する。
本実施形態によれば、制御部は、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させ、第1ページの処理の後に第1ページの下余白の搬送を行わずに、改ページと、第2ページの上余白の搬送とを順次行うように搬送機構を制御し、その第2ページの上余白の搬送の搬送中にカッターに第1ページの分離を行わせる。これにより、給紙完了、処理完了、排紙完了及び分離完了の順序が保証され、制御部が適切にページ管理できる。
また本実施形態では、制御部は、第1ページの処理の成否を第2ページの処理開始後に判断してもよい。
複数ページのジョブを連結したジョブにより長尺の媒体に処理を行う場合、第2ページの最初の処理が、第1ページの最後の処理を含んでいる場合がある。第2ページの処理開始前に第1ページの処理の成否が判断された場合、第1ページの最後の処理が終了していないにもかかわらず第1ページの処理が成功したと判断され、第1ページについてエラーが無いにも関わらず第1ページの最後の処理が行われない可能性がある。この点、本実施形態によれば、第2ページの処理開始後においては、第2ページの最初の処理が終了しているので、第1ページの最後の処理が必ず終了している状態で第1ページの処理の成否が判断される。これにより、第1ページの最後の処理が終了していないにもかかわらず第1ページの処理が成功したと判断されることがない。また、余白搬送の結合によりスループットの向上が実現されており、スループットの向上と適切なページ管理との両立が実現されている。
また本実施形態では、制御部は、改ページにおいては、第2ページの用紙残量不足によるエラー通知を行わず、第2ページの処理開始後の搬送中において第1ページの処理の成否判断と共に第2ページの用紙残量チェックを行い、用紙残量チェックにおいて第2ページの用紙残量不足と判定されたとき、エラー通知を行ってもよい。
改ページにおいて第1ページの処理の成否が判断されると共に第2ページの用紙残量不足によるエラー通知が行われた場合、実際には第1ページの最後の処理が終了していないにもかかわらず、第1ページの処理が成功したと判断されると共に第1ページの処理が中止される。この点、本実施形態によれば、第1ページの最後の処理が必ず終了している状態で第1ページの処理の成否判断と共に第2ページの用紙残量チェックが行われる。これにより、第1ページの最後の処理が終了した状態で、第1ページの処理が成功したと判断されると共に第1ページの処理が中止され、適切なページ管理が実現される。
また本実施形態では、制御部は、メモリーに処理開始前の第1ページのジョブと第2ページのジョブとが蓄積されたことに応じて、第2ページのジョブの上余白の情報を書き換えてもよい。
本実施形態によれば、制御部は、処理開始前の第1ページのジョブと第2ページのジョブとがメモリーに蓄積されたことに応じて、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させるように、第2ページのジョブの上余白の情報を書き換える。これにより、第1ページの下余白と第2ページの上余白とを結合して、第2ページの上余白として搬送することが可能となり、スループットを向上できる。また、第1ページのジョブが処理開始前であることから、第1ページの下余白の搬送前であることが保証されており、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させるように、第2ページのジョブの上余白の情報を書き換えることができる。
また本実施形態の搬送制御プログラムは、媒体を搬送する搬送機構と、搬送中の媒体に所定の処理を行う処理部と、を制御する搬送制御プログラムである。搬送制御プログラムは、処理の後に切断によって作られるページについて、処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得して、上余白と下余白とに基づいて搬送機構と処理部とを制御するように、コンピューターを機能させる。そして、搬送制御プログラムは、第2ページの上余白の量を第1ページの下余白の量だけ増加させ、第1ページの処理の後に第1ページの下余白の搬送を行わずに、改ページと、第2ページの上余白の搬送とを順次行うように搬送機構を制御するように、コンピューターを機能させる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また搬送システム及び搬送制御プログラム等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、複数の構成要素が一体となっていてもよいし、一つの構成要素が複数の装置が協働することで実現されていてもよい。
10…印刷装置、20…ロール紙、25…ホルダー、30…筐体、35…カバー、41,42,43…搬送ローラー、50…印刷ヘッド、52…キャリッジ、54…支持部、60…カッター、61,62…搬送ローラー、100…搬送システム、110…制御部、120…搬送機構、130…処理部、140…カッター、150…メモリー
Claims (6)
- 媒体を搬送する搬送機構と、
搬送中の前記媒体に所定の処理を行う処理部と、
前記処理の後に切断によって作られるページについて、前記処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得して、前記上余白と前記下余白とに基づいて前記搬送機構と前記処理部とを制御する制御部と、
を備えた搬送システムであって、
前記制御部は、第2ページの前記上余白の量を第1ページの前記下余白の量だけ増加させ、前記第1ページの前記処理の後に前記第1ページの前記下余白の搬送を行わずに、改ページと、前記第2ページの前記上余白の搬送とを順次行うように前記搬送機構を制御することを特徴とする搬送システム。 - 請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記媒体をページ毎に分離するカッターを更に備え、
前記制御部は、前記第2ページの前記上余白の搬送の搬送中に前記カッターに分離を行わせることを特徴とする搬送システム。 - 請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記第1ページの前記処理の成否を前記第2ページの前記処理開始後に判断することを特徴とする搬送システム。 - 請求項3に記載の搬送システムにおいて、
前記制御部は、前記改ページにおいては、前記第2ページの用紙残量不足によるエラー通知を行わず、前記第2ページの前記処理開始後の搬送中において前記第1ページの前記処理の成否判断と共に前記第2ページの用紙残量チェックを行い、前記用紙残量チェックにおいて前記第2ページの用紙残量不足と判定されたとき、前記エラー通知を行うことを特徴とする搬送システム。 - 請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記制御部は、メモリーに処理開始前の前記第1ページのジョブと前記第2ページのジョブとが蓄積されたことに応じて、前記第2ページのジョブの前記上余白の情報を書き換えることを特徴とする搬送システム。 - 媒体を搬送する搬送機構と、搬送中の前記媒体に所定の処理を行う処理部と、を制御する搬送制御プログラムであって、
前記処理の後に切断によって作られるページについて、前記処理が行われる位置よりも先端側の上余白と後端側の下余白とを取得して、前記上余白と前記下余白とに基づいて前記搬送機構と前記処理部とを制御し、
第2ページの前記上余白の量を第1ページの前記下余白の量だけ増加させ、前記第1ページの前記処理の後に前記第1ページの前記下余白の搬送を行わずに、改ページと、前記第2ページの前記上余白の搬送とを順次行うように前記搬送機構を制御するように、
コンピューターを機能させる搬送制御プログラム。
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