JP2022137319A - 船舶用排ガス処理装置 - Google Patents

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Toshiharu Mochida
貴之 金子
Takayuki Kaneko
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Kazuki Hayashi
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Yukiko UCHIDA
達紀 杉本
Tatsunori Sugimoto
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Abstract

【課題】船舶用排ガス処理装置においては、当該船舶用排ガス処理装置が搭載された船舶が水平方向から傾いた場合に、動力装置からの排ガスに含まれる硫黄酸化物を吸収した液体が当該動力装置に逆流することを防ぐことが望ましい。【解決手段】排ガスが導入され、排ガスを処理する液体が供給される反応塔を備え、反応塔は、反応塔の外部から内部に排ガスを導入する排ガス導入管と、反応塔の内部に供給された液体を、反応塔の外部に排出する一または複数の排水管と、を有し、一または複数の排水管のうちの少なくとも1つは、排ガス導入管の下方に設けられている、船舶用排ガス処理装置を提供する。反応塔は、反応塔の底面から予め定められた高さに設けられ、液体を検知するセンサをさらに有してよく、排ガス導入管は、反応塔の側壁に設けられてよく、センサは、排ガス導入管の下方に設けられていてよい。【選択図】図1

Description

本発明は、船舶用排ガス処理装置に関する。
動力装置からの排ガスに含まれる硫黄酸化物を液体に吸収させる排ガス処理装置において、従来、当該液体の水位を計測する液面レベル計を備える排ガス処理装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1 特開2005-66505号公報
特許文献2 特開2016-22408号公報
船舶用排ガス処理装置においては、当該船舶用排ガス処理装置が搭載された船舶が水平方向から傾いた場合に、動力装置からの排ガスに含まれる硫黄酸化物を吸収した液体が当該動力装置に逆流することを防ぐことが望ましい。
本発明の第1の態様においては、船舶用排ガス処理装置を提供する。船舶用排ガス処理装置は、排ガスが導入され、排ガスを処理する液体が供給される反応塔を備える。反応塔は、反応塔の外部から内部に排ガスを導入する排ガス導入管と、反応塔の内部に供給された液体を、反応塔の外部に排出する一または複数の排水管と、を有する。一または複数の排水管のうちの少なくとも1つは、排ガス導入管の下方に設けられている。
反応塔は、反応塔の底面から予め定められた高さに設けられ、液体を検知するセンサをさらに有してよい。排ガス導入管は、反応塔の側壁に設けられていてよい。センサは、排ガス導入管の下方に設けられていてよい。
本発明の第2の態様においては、船舶用排ガス処理装置を提供する。船舶用排ガス処理装置は、排ガスが導入され、排ガスを処理する液体が供給される反応塔を備える。反応塔は、反応塔の側壁に設けられ、反応塔の外部から内部に排ガスを導入する排ガス導入管と、反応塔の底面から予め定められた高さに設けられ、液体を検知するセンサと、を有する。センサは、排ガス導入管の下方に設けられている。
反応塔は、反応塔の内部に供給された液体を、反応塔の外部に排出する一または複数の排水管をさらに有してよい。一または複数の排水管のうちの少なくとも1つは、排ガス導入管の下方に設けられていてよい。
センサは、一または複数の排水管のうちの少なくとも1つの上方に設けられていてよい。
反応塔は、反応塔の側壁に設けられ、液体を前記センサに導入する引込管をさらに有してよい。
引込管は、反応塔の側壁から反応塔の外部に延伸する延伸部分を含んでよい。延伸部分と水平方向とのなす角度は、15度以上であってよい。
反応塔は、カバー部をさらに有してよい。反応塔の側壁には、引込管の内部と反応塔の内部とを接続する開口が設けられていてよい。カバー部は、開口を覆っていてよい。
カバー部は、内側カバー部と、内側カバー部を覆う外側カバー部と、を含んでよい。外側カバー部の下端には、第1開口が設けられていてよい。外側カバー部には、第1開口よりも上方に第2開口が設けられていてよい。内側カバー部の下端には、第3開口が設けられていてよい。
内側カバー部の下端と水平方向とのなす角度は、15度以上であってよい。
外側カバー部の下端と水平方向とのなす角度は、15度以上であってよい。
排ガス導入管の下端と水平方向とのなす角度は、15度以上であってよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本発明の一つの実施形態に係る船舶用排ガス処理システム200の一例を示す図である。 図1に示される船舶用排ガス処理装置100の上面の一例を示す図である。 図1に示される船舶用排ガス処理装置100の上面の一例を示す図である。 図1におけるセンサ部70およびカバー部90の拡大図である。 図4に示されるセンサ部70およびカバー部90の拡大図を、Y軸方向を中心にX軸からZ軸の方向に反時計回りに15度傾けて示した図である。 本発明の一つの実施形態に係る船舶用排ガス処理システム200の他の一例を示す図である。 図6に示される船舶用排ガス処理装置100の上面の一例を示す図である。 本発明の一つの実施形態に係る船舶用排ガス処理システム200の他の一例を示す図である。 図8に示される船舶用排ガス処理装置100の上面の一例を示す図である。 船舶300への船舶用排ガス処理装置100の載置の一例を示す図である。 図10における船舶用排ガス処理装置100および舷330を含む領域の拡大図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る船舶用排ガス処理システム200の一例を示す図である。船舶用排ガス処理システム200は、船舶用排ガス処理装置100および動力装置50を備える。動力装置50は、例えば船舶のエンジン、船舶のボイラー等である。
船舶用排ガス処理装置100は、反応塔10を備える。船舶用排ガス処理装置100は、ポンプ60を備えてよい。ポンプ60は、液体40を反応塔10に供給する。
反応塔10は、排ガス導入管32を有する。排ガス導入管32は、反応塔10の外部から内部に排ガス30を導入する。本例において、排ガス30は動力装置50から排出される。排ガス導入管32は、動力装置50と反応塔10とを接続する。本例の排ガス導入管32は、動力装置50から排出された排ガス30を反応塔10に導入する。
排ガス導入管32は、上端34および下端36を有する。上端34は、X軸方向の任意の位置におけるYZ断面において、排ガス導入管32の最もガス排出口17側に位置する端部を指す。下端36は、X軸方向の任意の位置におけるYZ断面において、排ガス導入管32の最も底面16(後述)側に位置する端部を指す。また、下端36は、排ガス導入管32の内部において排液45(後述)と接する内面のうち、最も底面16(後述)側に位置する端部を指す。
下端36と、反応塔10の底面16(後述)とのなす角度を角度θ1とする。角度θ1については、後述する。下端36は、底面16(後述)と角度θ1をなす面状の領域であってもよい。下端36は、XZ断面(XYZ軸については後述)においては底面16と角度θ1をなし、且つ、所定の長さを有する領域である。
液体40は、後述する通り例えば海水である。噴出部14は、液体40を噴出する。噴出部14から噴出された液体40は、排ガス30を処理する。排ガス30を処理するとは、排ガス30に含まれる有害物質(後述)を除去することを指す。
船舶用排ガス処理装置100は、例えば船舶用スクラバである。船舶用排ガス処理装置100が船舶用スクラバである場合、当該スクラバは、サイクロン式であってよい。サイクロン式船舶用スクラバの詳細については、後述する。船舶用排ガス処理装置100が船舶用スクラバである場合、動力装置50は例えば当該船舶のエンジン、ボイラー等であり、排ガス30は例えば当該動力装置50から排出される排ガスであり、排ガス30を処理する液体40は例えば海水である。液体40は、水酸化ナトリウム(NaOH)および炭酸水素ナトリウム(NaCO)の少なくとも一方を添加したアルカリ性の溶液であってもよい。
本例の反応塔10は、側壁15、底面16、ガス排出口17およびガス処理部18を有する。本例の反応塔10は、円柱状である。本例において、側壁15および底面16は、それぞれ円柱状の反応塔10の側面および底面である。排ガス導入管32は、側壁15に設けられている。
排ガス30には硫黄酸化物(SO)等の有害物質が含まれる。硫黄酸化物(SO)は、例えば亜硫酸ガス(SO)である。本例においては、液体40が排ガス30に含まれる当該有害物質を除去する。液体40により処理された排ガス30は、ガス排出口17から排出される。排ガス30を処理した後の液体40を、排液45とする。
本例のガス処理部18は、側壁15、底面16およびガス排出口17に囲まれた空間である。反応塔10に導入された排ガス30は、ガス処理部18において液体40により処理される。ガス処理部18の内壁は、排ガス30、液体40(例えば海水またはアルカリ性の液体)および排液45に対して耐久性を有する材料で形成される。当該材料は、SS400等の鉄材、ネバール黄銅等の銅合金、アルミニウムブラス等のアルミニウム合金、キュープロニッケル等のニッケル合金、または、SUS316L等のステンレスであってよい。
本例の反応塔10は、排ガス30を導入するガス導入開口11を有する。本例において、排ガス30は反応塔10の外部からガス導入開口11を通り、ガス処理部18に導入される。ガス導入開口11は側壁15に設けられてよい。
反応塔10は、一または複数の排水管20を有する。本例の反応塔10は、1つの排水管20を有する。排水管20は、反応塔10の内部に供給され、排ガス30を処理した液体40(即ち排液45)を反応塔10の外部に排出する。反応塔10には、液体排出口19が設けられている。本例の液体排出口19は、反応塔10の底面16に設けられている。液体排出口19は、排水管20の内部とガス処理部18とを接続する。排液45は、液体排出口19から排水管20に排出される。
本明細書においては、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。本明細書においては、XY面を水平方向とし、Z軸方向を重力方向とする。本明細書において、XY面内における所定の方向をX軸方向とし、XY面内においてX軸に直交する方向をY軸方向とする。船舶用排ガス処理装置100が、底面16が水平方向に平行となるように船舶に搭載され、且つ、当該船舶が水平である場合、反応塔10の底面16はXY面と平行であり、底面16からガス排出口17へ向かう方向(底面16に垂直な方向)はZ軸方向である。
本明細書においては、ガス排出口17の側を「上」、底面16の側を「下」と称する。本明細書において上面視とは、船舶用排ガス処理装置100をZ軸方向にガス排出口17から底面16の方向に見た場合を指す。船舶用排ガス処理装置100が船舶に搭載される場合、底面16が船舶に載置されてよい。
図1に示されるXZ断面において、排ガス導入管32が設けられている側壁15を側壁15-1とし、側壁15-1にX軸方向に対向する側壁15を側壁15-2とする。ただし、側壁15は、後述するように上面視においてガス処理部18を囲んでいるので、側壁15-1と側壁15-2とは別異の構成ではない。側壁15-1および側壁15-2は、XZ断面における便宜上の呼称に過ぎない。
側壁15-1および側壁15-2のX軸方向における位置を、それぞれ位置R1および位置R2とする。X軸方向において、位置R1はガス導入開口11が設けられる位置である。X軸方向において、位置R2は、幹管12(後述)とポンプ60とを接続する管が側壁15を貫通する位置である。X軸方向において、位置R1と位置R2との中央を位置Cとする。位置Cは、X軸方向において反応塔10の上面視における中心の位置C'(後述)と一致する。位置R1と位置R2との間のX軸方向における幅を幅Diとする。
液体排出口19の少なくとも一部は、底面16に設けられる。一または複数の排水管20のうちの少なくとも1つは、排ガス導入管32の下方に設けられる。本例においては、1つの排水管20が排ガス導入管32の下方に設けられる。排水管20が排ガス導入管32の下方に設けられるとは、X軸方向において液体排出口19の少なくとも一部が位置R1(ガス導入開口11の位置)と位置C(反応塔10の上面視における中心の位置)との間に設けられ、且つ、上面視において液体排出口19が領域D(後述)の内側に配置されている状態を指す。図1に示される例においては、X軸方向において液体排出口19の全体が位置R1と位置Cとの間に設けられている。船舶用排ガス処理装置100においては、液体排出口19の一部が底面16に設けられ、且つ、当該液体排出口19の他の一部が側壁15-1の底面16付近に設けられていてもよい。即ち、液体排出口19は、底面16から側壁15-1にわたり設けられていてもよい。液体排出口19は、側壁15-1の底面16付近に設けられてもよい。
反応塔10は、排液45を検知するセンサ80をさらに有する。Z軸方向において、底面16の位置、センサ80の位置、および、側壁15-1と下端36とが交差する位置を、それぞれ位置H0、位置H1および位置H2とする。位置H1は、センサ80の底面の位置であってよい。センサ80の底面とは、Z軸方向における、センサ80の最も底面16側の面であり、センサ80の最下部である。排液45がセンサ収容部79(後述)に流入した場合、排液45はセンサ80の当該底面に接触しやすい。
センサ80は、反応塔10の底面16から予め定められた高さに設けられる。即ち、センサ80は底面16よりも上方に設けられる。センサ80は、排液45の水位が位置H1に達したことを検知する。
本例のセンサ80は、排ガス導入管32の下方に設けられている。センサ80が排ガス導入管32の下方に設けられているとは、上面視で、排ガス導入管32の少なくとも一部がセンサ80と重なるように設けられている状態を指す。本例においては、センサ80はZ軸方向における位置H0と位置H2との間に設けられる。位置H1(センサ80の底面の位置)は、Z軸方向において位置H0と位置H2との間であってよい。本例のセンサ80は排ガス導入管32の下方に設けられているので、センサ80が排液45を検知した場合、船舶用排ガス処理装置100は当該排液45が排ガス導入管32を逆流する危険性が高まっていることを予め検知できる。
本例の反応塔10は、センサ部70をさらに有する。本例において、センサ部70は反応塔10の外部に設けられている。本例において、センサ80はセンサ部70に設けられている。
本例のセンサ部70は、引込管72およびセンサ収容部79を含む。本例の引込管72は、側壁15に設けられている。本例の引込管72は、側壁15-1とセンサ収容部79とを接続する。引込管72の内部は、センサ収容部79の内部および反応塔10の内部と連通している。センサ収容部79の底面には、センサ80が載置されている。引込管72は、排液45をセンサ収容部79に導入する。
排液45の水位が位置H1未満の場合において、本例の引込管72は、船舶用排ガス処理装置100が搭載された船舶が水平方向から所定角度未満傾いた場合に、排液45をセンサ80に導入しないよう、水平方向から当該所定角度傾けて設けられる。排液45の水位が位置H1未満の場合において、本例の引込管72は、当該船舶が水平方向から当該所定角度以上傾いた場合に、排液45をセンサ80に導入する。センサ部70の詳細については、後述する。
本例の反応塔10は、カバー部90をさらに有する。カバー部90は、引込管72と側壁15-1との接続部分をカバーしている。カバー部90の詳細については、後述する。
本例の船舶用排ガス処理装置100は、幹管12、枝管13および噴出部14をさらに備える。幹管12、枝管13および噴出部14は、反応塔10の内部(ガス処理部18)に設けられる。本例の幹管12は、排ガス30の導入側(底面16側)から排出側(ガス排出口17側)への方向(Z軸方向)に延伸している。噴出部14は、例えばスクラバ用ノズルである。
枝管13は、幹管12と接続される。本例の枝管13は、XY面内に延伸している。噴出部14は、枝管13と接続される。
幹管12には、液体40が供給される。本例において、幹管12には反応塔10の外部からポンプ60により液体40が供給される。本例において、幹管12に供給された液体40は、Z軸方向に底面16からガス排出口17側に向けて幹管12の内部を流れる。本例において、幹管12の内部を流れた液体40は枝管13に供給される。本例において、枝管13の内部を流れた液体40は噴出部14からガス処理部18に噴出される。噴出部14から噴出された液体40は、排ガス30を処理する。
本例の幹管12および枝管13は、排ガス30および液体40(例えば海水またはアルカリ性の液体)に対して耐久性を有する材料で形成される。当該材料は、例えばSS400等の鉄材、ネバール黄銅等の銅合金、アルミニウムブラス等のアルミニウム合金、キュープロニッケル等のニッケル合金、または、SUS316L等のステンレスである。
液体40が水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液の場合、排ガス30に含まれる亜硫酸ガス(SO)と水酸化ナトリウム(NaOH)との反応は、下記の化学式1で示される。
[化1]
SO+Na+OH→Na+HSO
化学式1に示されるように、亜硫酸ガス(SO)は化学反応により亜硫酸イオン(HSO )となる。亜硫酸イオン(HSO )は化学式1に示される化学反応後の排液45に含まれて、反応塔10に設けられた液体排出口19より排水される。
船舶用排ガス処理装置100は、複数の幹管12を有してよい。本例の船舶用排ガス処理装置100は、3つの幹管12を有する。本例において、幹管12-1は、最も底面16側に設けられる幹管12であり、幹管12-3は最もガス排出口17側に設けられる幹管12であり、幹管12-2はZ軸方向において幹管12-1と幹管12-3との間に設けられる幹管12である。本例において、幹管12-1、幹管12-2および幹管12-3には、反応塔10の外部からポンプ60により液体40が供給される。
船舶用排ガス処理装置100は、複数の枝管13を有してよい。本例において、枝管13-1は、最も底面16側に設けられる枝管13であり、枝管13-12は最もガス排出口17側に設けられる枝管13である。本例において、枝管13-2、枝管13-4、枝管13-6、枝管13-8、枝管13-10および枝管13-12はX軸方向に延伸し、枝管13-1、枝管13-3、枝管13-5、枝管13-7、枝管13-9および枝管13-11はY軸方向に延伸している。
枝管13-2、枝管13-4、枝管13-6、枝管13-8、枝管13-10および枝管13-12は、幹管12のX軸方向における両側に配置されてよい。枝管13-2を例に説明すると、枝管13-2Aおよび枝管13-2Bは、それぞれ幹管12のX軸方向における一方側および他方側の枝管13-2である。X軸方向において、枝管13-2Aおよび枝管13-2Bは幹管12を挟むように設けられてよい。
枝管13-1、枝管13-3、枝管13-5、枝管13-7、枝管13-9および枝管13-11は、幹管12のY軸方向における両側に配置されてよい。枝管13-1を例に説明すると、枝管13-1Aおよび枝管13-1Bは、それぞれ幹管12のY軸方向における一方側および他方側の枝管13-1である。Y軸方向において、枝管13-1Aおよび枝管13-1Bは幹管12を挟むように設けられてよい。なお図1において、枝管13-1A、枝管13-3A、枝管13-5A、枝管13-7A、枝管13-9Aおよび枝管13-11Aは幹管12と重なる位置に配置されているので、図示されていない。
船舶用排ガス処理装置100は、複数の噴出部14を有してよい。本例の噴出部14-1は、反応塔10における排ガス30の導入側(底面16側)から排出側(ガス排出口17側)への方向(Z軸方向)において、最も排ガス30の導入側に配置される。本例の噴出部14-12は、当該方向(Z軸方向)において、最も排ガス30の排出側に配置される。
本例においては、3つの噴出部14-2A、3つの噴出部14-4A、3つの噴出部14-6A、3つの噴出部14-8A、3つの噴出部14-10Aおよび3つの噴出部14-12Aが、それぞれ枝管13-2A、枝管13-4A、枝管13-6A、枝管13-8A、枝管13-10Aおよび枝管13-12Aに設けられている。本例においては、3つの噴出部14-2B、3つの噴出部14-4B、3つの噴出部14-6B、3つの噴出部14-8B、3つの噴出部14-10Bおよび3つの噴出部14-12Bが、それぞれ枝管13-2B、枝管13-4B、枝管13-6B、枝管13-8B、枝管13-10Bおよび枝管13-12Bに設けられている。
本例において、3つの噴出部14-1A、3つの噴出部14-3A、3つの噴出部14-5A、3つの噴出部14-7A、3つの噴出部14-9Aおよび3つの噴出部14-11Aは、それぞれ枝管13-1A、枝管13-3A、枝管13-5A、枝管13-7A、枝管13-9Aおよび枝管13-11Aに設けられる。本例において、3つの噴出部14-1B、3つの噴出部14-3B、3つの噴出部14-5B、3つの噴出部14-7B、3つの噴出部14-9Bおよび3つの噴出部14-11Bは、それぞれ枝管13-1B、枝管13-3B、枝管13-5B、枝管13-7B、枝管13-9Bおよび枝管13-11Bに設けられる。なお、図1において噴出部14-1A、噴出部14-3A、噴出部14-5A、噴出部14-7A、噴出部14-9Aおよび噴出部14-11Aは、幹管12と重なる位置に配置されているので、図示されていない。
噴出部14は、液体40を噴出する噴出面を有する。図1において、噴出面は「×」印にて示されている。当該噴出面はZ軸方向に平行であってよく、Z軸方向と所定角度をなしていてもよい。当該噴出面の方向は、XY面内において枝管13の延伸方向と所定の角度をなしていてよい。噴出面の方向とは、噴出面の法線方向を指す。
枝管13-1を例に説明すると、噴出部14-1Aおよび噴出部14-1Bのそれぞれの噴出面は、枝管13-1の延伸方向(Y軸方向)と所定の角度をなす一方の方向および他方の方向を指してよい。噴出部14-3、噴出部14-5、噴出部14-7、噴出部14-9および噴出部14-11のそれぞれの噴出面も同様である。
枝管13-2を例に説明すると、噴出部14-2Aおよび噴出部14-2Bのそれぞれの噴出面は、枝管13-2の延伸方向(X軸方向)と所定の角度をなす一方の方向および他方の方向を指してよい。噴出部14-4、噴出部14-6、噴出部14-8、噴出部14-10および噴出部14-12のそれぞれの噴出面も同様である。
図2は、図1に示される船舶用排ガス処理装置100の上面の一例を示す図である。図2において、ポンプ60は省略されている。図2は、反応塔10の内部の上面視における一例である。
船舶用排ガス処理装置100は、排ガス30が反応塔10における排ガス30の導入側から排出側へ、反応塔10の内部を螺旋状に進むサイクロン式スクラバであってよい。排ガス導入管32は、反応塔10の側壁15に接続される。上面視において排ガス導入管32は、排ガス導入管32の延伸方向における延長線が反応塔10の中心と重ならない位置に設けられてよい。排ガス導入管32の延伸方向とは、ガス導入開口11を通る排ガス30の進行方向を指す。排ガス導入管32がこのような位置に設けられることで、排ガス30はガス処理部18を螺旋状(サイクロン状)に旋回し、排ガス30の導入側(底面16側)から排出側(ガス排出口17側)に進行する。
反応塔10の内部には幹管12-1、幹管12-2および幹管12-3が設けられている。幹管12-1、幹管12-2および幹管12-3は、Z軸方向に中心軸を有する円柱状であってよい。XY面内において、幹管12-1、幹管12-2および幹管12-3の中心軸の位置は、反応塔10の中心軸の位置と一致してよい。即ち、幹管12-1、幹管12-2および幹管12-3、並びに反応塔10は、上面視で同心円状に配置されてよい。本例において、幹管12-2は幹管12-3の下方に配置され、幹管12-1は幹管12-2の下方に配置される。
XY面内において、排ガス30の導入側における幹管12の断面積は、排ガス30の排出側における幹管12の断面積よりも大きくてよい。本例においては、幹管12-1の断面積は幹管12-2の断面積よりも大きく、幹管12-2の断面積は幹管12-3の断面積よりも大きい。
反応塔10の外部から幹管12-1、幹管12-2および幹管12-3に供給された液体40は、Z軸方向に底面16側からガス排出口17側に向けて、それぞれ幹管12-1、幹管12-2および幹管12-3の内部を流れる。幹管12-1の内部を流れる液体40は噴出部14-1~噴出部14-4からガス処理部18に噴出される。幹管12-2の内部を流れる液体40は噴出部14-5~噴出部14-8からガス処理部18に噴出される。幹管12-3の内部を流れる液体40は噴出部14-9~噴出部14-12からガス処理部18に噴出される。図2において、噴出部14-11および噴出部14-12からガス処理部18に噴出される液体40の向きが破線矢印にて示されている。
上述した通り、本例の噴出部14は、液体40を枝管13の延伸方向と所定の角度をなす方向に噴出する。図2において、当該所定の角度が「φ」で示されている。即ち、本例において、噴出部14-11から噴出される液体40の向きと枝管13-11が延伸する方向(Y軸方向)とは、角度φをなす。また、本例において、噴出部14-12から噴出される液体40の向きと枝管13-12が延伸する方向(X軸方向)とは、角度φをなす。
本例において、噴出部14-11Aから噴出される液体40の向きは、枝管13-11の延伸方向と角度φをなす方向における一方の方向であり、噴出部14-11Bから噴出される液体40の向きは、枝管13-11の延伸方向と角度φをなす方向における他方の方向である。噴出部14-1A、噴出部14-3A、噴出部14-5A、噴出部14-7Aおよび噴出部14-9Aから噴出される液体40の向きも、当該一方の方向であってよい。噴出部14-1B、噴出部14-3B、噴出部14-5B、噴出部14-7Bおよび噴出部14-9Bから噴出される液体40の向きも、当該他方の方向であってよい。
本例において、噴出部14-12Aから噴出される液体40の向きは、枝管13-12の延伸方向と角度φをなす方向における一方の方向であり、噴出部14-12Bから噴出される液体40の向きは、枝管13-12の延伸方向と角度φをなす方向における他方の方向である。噴出部14-2A、噴出部14-4A、噴出部14-6A、噴出部14-8Aおよび噴出部14-10Aから噴出される液体40の向きも、当該一方の方向であってよい。噴出部14-2B、噴出部14-4B、噴出部14-6B、噴出部14-8Bおよび噴出部14-10Bから噴出される液体40の向きも、当該他方の方向であってよい。
図3は、図1に示される船舶用排ガス処理装置100の上面の一例を示す図である。図3は、図2と同じ上面図であるが、枝管13、噴出部14、および、噴出部14から噴出される液体40の図示が省略されている。また、図3には上面視における液体排出口19の位置、センサ部70の位置、および、カバー部90の位置が破線にて示されている。本例の液体排出口19は、上面視で円状である。なお、液体排出口19の下方には、排水管20(図1参照)が設けられている。
反応塔10の上面視における中心を中心C'とする。中心C'のX軸方向における位置は、図1に示される位置CのX軸方向における位置と同じである。上面視において、排ガス導入管32の一方の側面と反応塔10の側壁15との交点、および、排ガス導入管32の他方の側面と反応塔10の側壁15との交点を、それぞれ交点P1および交点P2とする。
本例において、排ガス導入管32の上面視における延伸方向をS軸方向とし、S軸およびZ軸に垂直な方向をT軸方向とする。交点P1と交点P2との間のT軸方向における幅を、幅Wとする。上面視において、ガス導入開口11における予め定められた位置を、位置P3とする。位置P3は、T軸方向においては交点P1と交点P2との中心の位置である。
図3において、位置P3と中心C'を通る線が一点鎖線にて示されている。本例において、当該一点鎖線はX軸に平行である。また、図3において位置P1と中心C'を通る線、および、位置P2と中心C'を通る線が、粗い破線で示されている。
排ガス導入管32の下方には、センサ部70が設けられている。図3において、センサ80の図示は省略されている。
引込管72は、延伸部分73を含んでいてよい。延伸部分73は、反応塔10の側壁15から反応塔10の外部に延伸している。本例の延伸部分73は、上面視でX軸方向に延伸している。本例において、延伸部分73の一方の端部は側壁15に接続され、他方の端部はセンサ収容部79に接続されている。
引込管72は、側面78をさらに含む。本例の側面78は、X軸方向に平行である。引込管72は、上面視で2つの側面78(側面78-1および側面78-2)を含む。本例の側面78-1および側面78-2は、それぞれY軸方向における一方側および他方側に配置される側面78である。側面78-1および側面78-2は、上面視において中心C'と位置P3とを結ぶ直線の延長線(図3における一点鎖線)をY軸方向に挟むように設けられていてよい。
反応塔10の内部には、カバー部90が設けられている。本例のカバー部90は、上面視でX軸方向に延伸している。
カバー部90は、側面52をさらに含む。本例の側面52は、X軸方向に平行である。カバー部90は、上面視で2つの側面52(側面52-1および側面52-2)を含む。本例の側面52-1および側面52-2は、それぞれY軸方向における一方側および他方側に配置される側面52である。
カバー部90は、延伸部分73の延伸方向における延長線上に配置されていてよい。側面52-1および側面52-2は、上面視において中心C'と位置P3とを結ぶ直線(図3における一点鎖線)を挟むように設けられていてよい。カバー部90は、Y軸方向においてセンサ部70の延伸部分73を囲うように設けられていてよい。カバー部90がY軸方向において延伸部分73を囲うとは、引込管72の側面78-1および側面78-2が、Y軸方向においてカバー部90における側面52-1と側面52-2との間に配置されている状態を指す。
上面視において、中心C'、交点P1および交点P2で囲まれる領域(本例においては図3における扇形の領域)を領域Dとする。液体排出口19は、上面視において領域Dの内側に配置されていてよい。排水管20(図1参照)は、排ガス導入管32の下方に設けられている。排水管20が排ガス導入管32の下方に設けられるとは、X軸方向において液体排出口19の少なくとも一部が位置R1(ガス導入開口11の位置)と位置C(反応塔10の上面視における中心の位置)との間に設けられ(図1参照)、且つ、液体排出口19が上面視において領域Dの内側に配置されている状態を指す。領域Dの内側には、領域Dの外縁が含まれてよい。液体排出口19が領域Dの内側に配置されるとは、液体排出口19の上面視における少なくとも一部が、領域Dの内側に配置されている状態を指す。図3の例においては、液体排出口19の上面視における全体が、領域Dの内側に配置されている。
センサ80は、排水管20の上方に設けられていてよい。センサ80が排水管20の上方に設けられているとは、センサ80を含むセンサ部70が領域Dに接し、且つ、領域Dの内側に液体排出口19が配置されている状態を指す。
カバー部90は、上面視において領域Dの内側に配置されていてよい。カバー部90が領域Dの内側に配置されるとは、カバー部90の上面視における少なくとも一部が、領域Dの内側に配置されている状態を指す。図3の例においては、カバー部90の上面視における全体が、領域Dの内側に配置されている。
カバー部90は、排水管20の上方に設けられていてよい。カバー部90が排水管20の上方に設けられているとは、カバー部90の上面視における少なくとも一部が、領域Dに配置されている状態を指す。
図4は、図1におけるセンサ部70およびカバー部90の拡大図である。図4には、反応塔10においてセンサ部70およびカバー部90を含む領域が拡大して示されている。
センサ部70およびカバー部90は、排ガス30、液体40(例えば海水またはアルカリ性の液体)および排液45に対して耐久性を有する材料で形成される。当該材料は、SS400等の鉄材、ネバール黄銅等の銅合金、アルミニウムブラス等のアルミニウム合金、キュープロニッケル等のニッケル合金、または、SUS316L等のステンレスであってよい。センサ部70およびカバー部90は、ガス処理部18の内壁の材料と同じ材料で形成されていてよい。
船舶は、航海中に海洋の状態等に応じて水平方向から傾く場合がある。この水平方向からの傾きの許容範囲は、船舶に係る規則において定められている。この規則において、所定時間継続して傾くことが許容されている、水平方向からの傾きの許容範囲は、15度以下と定められている。また、この規則において、瞬間的に傾くことが許容されている、水平方向からの傾きの許容範囲は、22.5度以下と定められている。
船舶用排ガス処理装置100が搭載された船舶が水平方向から傾いた場合、船舶用排ガス処理装置100も当該船舶と同様に傾く。排ガス導入管32が水平方向に設けられている場合、底面16に堆積した排液45の量が増加すると、船舶用排ガス処理装置100が傾いた場合に当該排液45がガス導入開口11から排ガス導入管32を逆流しやすい。排ガス導入管32を逆流した排液45が動力装置50に到達した場合、動力装置50が故障する場合がある。
上述したように、角度θ1は、排ガス導入管32の下端36と反応塔10の底面16とのなす角度である。船舶が水平である場合、底面16は水平方向に平行である。底面16が水平方向に平行である場合、角度θ1は下端36と水平方向とのなす角度である。
本例の船舶用排ガス処理装置100においては、角度θ1は15度以上30度以下である。このため、船舶用排ガス処理装置100が搭載された船舶が、Y軸方向を中心にX軸からZ軸の方向に反時計回りに15度、所定時間継続して傾いた場合であっても、排液45は排ガス導入管32を逆流しにくい。また、当該船舶が、Y軸方向を中心にX軸からZ軸の方向に反時計回りに22.5度、瞬間的に傾いた場合であっても、排ガス導入管32を逆流し始めた排液45は、当該船舶の傾きが15度以下に戻ると、ガス処理部18に戻りやすくなる。
引込管72は、上端71および下端74を含む。上端71は、X軸方向の任意の位置におけるYZ断面において、引込管72の最もガス排出口17側に位置する端部を指す。下端74は、X軸方向の任意の位置におけるYZ断面において、引込管72の最も底面16側に位置する端部を指す。また、下端74は、引込管72の内部において排液45と接する内面のうち、最も底面16側に位置する端部を指す。
側壁15-1には、開口75が設けられている。開口75は、引込管72の内部と反応塔10の内部とを接続する。引込管72の内部は、センサ収容部79の内部および反応塔10の内部と連通している。
延伸部分73と底面16とのなす角度を、角度θ2とする。底面16がXY面に平行である場合、角度θ2は延伸部分73と水平方向とのなす角度である。角度θ2は、15度以上30度以下であってよい。本例においては、下端74と底面16とのなす角度は、角度θ2に等しい。下端74は、底面16と角度θ2をなす面状の領域であってもよい。なお、角度θ2は角度θ1と等しくてよく、異なっていてもよい。
船舶用排ガス処理装置100が搭載された船舶が、Y軸方向を中心にX軸からZ軸の方向に反時計回りに15度以上、所定時間継続して傾いた場合、排液45は引込管72をガス処理部18からセンサ収容部79の方向に流れ、センサ80に到達する場合がある。上述したように、船舶が所定時間継続して傾くことが許容されている、水平方向からの傾きの許容範囲は、15度以下である。このため、センサ80が排液45を検知した場合、排液45が排ガス導入管32を逆流する危険性がある。
本例の船舶用排ガス処理装置100においては、センサ80が排ガス導入管32の下方に設けられているので、排液45の水位が排ガス導入管32に逆流しやすい位置(例えばZ軸方向における位置H1と位置H2との間)まで上昇する前に、センサ80は排液45を検知できる。また、本例の船舶用排ガス処理装置100においては、引込管72の延伸部分73と底面16とのなす角度θ2が15度以上である。このため、当該船舶用排ガス処理装置100が、底面16が水平方向に平行となるように船舶に搭載され、且つ、当該船舶が水平方向から15度以上、所定時間継続して傾いた場合に、センサ80は排液45を検知しやすくなる。
さらに、本例の船舶用排ガス処理装置100においては、センサ80が排ガス導入管32の下方に設けられ、且つ、引込管72の延伸部分73と底面16とのなす角度θ2が15度以上である。このため、当該船舶用排ガス処理装置100が、底面16が水平方向に平行となるように船舶に搭載され、且つ、当該船舶が排ガス導入管32に排液45が逆流しやすい方向(本例においてはY軸方向を中心に反時計回りにX軸からZ軸の方向)に所定時間継続して傾いた場合に、センサ80が排液45を検知しやすくなる。このため、本例の船舶用排ガス処理システム200は、排液45が排ガス導入管32を逆流する危険性を予め検知できる。
センサ80が排液45を検知した場合、船舶用排ガス処理システム200は、排液45が排ガス導入管32を逆流する危険性があると判断してよい。この場合において、船舶用排ガス処理システム200はポンプ60による反応塔10の内部への液体40の供給、および、動力装置50からガス処理部18への排ガス30の導入を、停止してよい。船舶用排ガス処理システム200は、動力装置50からガス処理部18への排ガス30の導入を停止した場合、当該排ガス30を、船舶用排ガス処理装置100を通さずに別経路にて排出してよい。
カバー部90は、内側カバー部92と外側カバー部91とを含んでよい。外側カバー部91は、内側カバー部92を覆っている。外側カバー部91が内側カバー部92を覆っているとは、内側カバー部92の周囲が外側カバー部91により囲われている状態を指す。言い換えると、外側カバー部91が内側カバー部92を覆っているとは、内側カバー部92の周囲が、後述する第1開口96および第2開口94を除き、ガス処理部18と連通していない状態を指す。
カバー部90は、開口75を覆っていてよい。本例の開口75は、カバー部90により覆われているので、開口ガス処理部18に露出していない。本例においては、内側カバー部92が開口75を覆っている。
外側カバー部91は、上端93、下端95および側面76を含む。上端93は、X軸方向の任意の位置におけるYZ断面において、外側カバー部91の最もガス排出口17側に位置する端部を指す。また、上端93は、外側カバー部91の外面(ガス処理部18と接する面)のうち、最もガス排出口17側に位置する端部を指す。下端95は、X軸方向の任意の位置におけるYZ断面において、外側カバー部91の最も底面16側に位置する端部を指す。また、下端95は、外側カバー部91の内部において排液45と接する内面のうち、最も底面16側に位置する端部を指す。側面76は、外側カバー部91の内部において排液45と接する内側面を指す。
下端95には、第1開口96が設けられている。外側カバー部91には、第1開口96よりも上方に第2開口94が設けられていてよい。本例の第2開口94は、上端93に設けられている。カバー部90の内部の空気は、第2開口94を通じてカバー部90の外部に排出される。
内側カバー部92は、上端97、下端98および側面77を含む。上端97は、X軸方向の任意の位置におけるYZ断面において、内側カバー部92の最もガス排出口17側に位置する端部を指す。また、上端97は、内側カバー部92の外面(外側カバー部91の第2開口94側の面)のうち、最もガス排出口17側に位置する端部を指す。下端98は、X軸方向の任意の位置におけるYZ断面において、内側カバー部92の最も底面16側に位置する端部を指す。また、下端98は、内側カバー部92の内部において排液45と接する内面のうち、最も底面16側に位置する端部を指す。側面77は、内側カバー部92の内部において排液45と接する内側面を指す。下端98には、第3開口99が設けられている。
本例において、噴出部14(図1および図2参照)はカバー部90およびセンサ部70よりも上方に設けられている。このため、噴出部14から噴出され、排ガス30を処理した液体40(即ち排液45)は、カバー部90の上方から落下する。図4において、この液体40が太い矢印にて示されている。当該液体40(即ち排液45)の一部は、カバー部90に落下する場合がある。
本例の船舶用排ガス処理装置100においては、カバー部90が側壁15-1に設けられた開口75を覆っている。噴出部14から噴出される液体40が水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液の場合、カバー部90に落下する排液45は、排ガス30に含まれる硫黄酸化物(SO)等を処理しているので、当該排液45には亜硫酸イオン(HSO )が含まれやすい([化1]式参照)。
本例の船舶用排ガス処理装置100においては、カバー部90が開口75を覆っているので、カバー部90の上方から落下する排液45がセンサ部70の引込管72に侵入するのを防ぐことができる。このため、センサ部70が当該排液45により腐食されるのを防ぐことができる。
また、カバー部90の上端93上に落下した排液45の一部は、第2開口94を通じてカバー部90の内部に侵入する場合がある。カバー部90の内部に侵入した排液45は、排ガス30に含まれる硫黄酸化物(SO)等を処理しているので、カバー部の内部に滞留した場合、当該排液45の温度が硫酸露点を下回ると、カバー部90は当該排液45により腐食されやすくなる。
本例の船舶用排ガス処理装置100においては、外側カバー部91の下端95に第1開口96が設けられ、第2開口94が第1開口96よりも上方に設けられているので、第2開口94を通じてカバー部90の内部に入った排液45は、第1開口96から排出されやすくなる。このため、このため、カバー部90が当該排液45により腐食されにくくなる。図4において、カバー部90の内部における排液45の経路の一例が太い矢印にて示されている。
外側カバー部91の下端95と底面16とのなす角度を、角度θ3とする。外側カバー部91の上端93と底面16とのなす角度を、角度θ4とする。内側カバー部92の下端98と底面16とのなす角度を、角度θ5とする。内側カバー部92の上端97と底面16とのなす角度を、角度θ6とする。船舶用排ガス処理装置100が、底面16が水平方向に平行となるように船舶に搭載され、且つ、当該船舶が水平である場合、角度θ3、角度θ4、角度θ5および角度θ6は、それぞれ下端95とXY面とのなす角度、上端93とXY面とのなす角度、下端98とXY面とのなす角度、および、上端97とXY面とのなす角度である。角度θ3、角度θ4、角度θ5および角度θ6は、15度以上30度以下であってよい。
下端95、上端93、下端98および上端97は、それぞれ底面16と角度θ3、角度θ4、角度θ5および角度θ6をなす面状の領域であってもよい。下端95、上端93、下端98および上端97は、XZ断面においては、それぞれ底面16と角度θ3、角度θ4、角度θ5および角度θ6をなし、且つ、所定の長さを有する領域である。
外側カバー部91の下端95と底面16とのなす角度θ3が15度以上である場合、船舶用排ガス処理装置100が搭載された船舶が、Y軸方向を中心にX軸からZ軸の方向に反時計回りに15度、所定時間継続して傾いた場合であっても、底面16に堆積した排液45は外側カバー部91の内部を逆流しにくい。このため、当該排液45が硫酸露点を下回った場合であっても、外側カバー部91は当該排液45により腐食されにくい。なお、角度θ3は角度θ1および角度θ2と等しくてよく、異なっていてもよい。
外側カバー部91の上端93と底面16とのなす角度θ4が15度以上である場合、船舶用排ガス処理装置100が搭載された船舶が上述のように傾いた場合であっても、カバー部90の上方から上端93に落下した排液45は、上端93上に滞留しにくい。このため、当該排液45が硫酸露点を下回った場合であっても、外側カバー部91は当該排液45により腐食されにくい。なお、角度θ4は角度θ1、角度θ2および角度θ3と等しくてよく、異なっていてもよい。
内側カバー部92の下端98と底面16とのなす角度θ5が15度以上である場合、船舶用排ガス処理装置100が搭載された船舶が上述のように傾いた場合であっても、底面16に堆積した排液45は内側カバー部92の内部を逆流しにくい。このため、当該排液45が硫酸露点を下回った場合であっても、内側カバー部92は当該排液45により腐食されにくい。なお、角度θ5は角度θ1、角度θ2、角度θ3および角度θ4と等しくてよく、異なっていてもよい。
内側カバー部92の上端97と底面16とのなす角度θ6が15度以上である場合、船舶用排ガス処理装置100が搭載された船舶が上述のように傾いた場合であっても、カバー部90の上方から外側カバー部91の上端93に落下し、第2開口94から内側カバー部92の上端97に落下した排液45は、上端97上に滞留しにくい。このため、当該排液45が硫酸露点を下回った場合であっても、内側カバー部92は当該排液45により腐食されにくい。なお、角度θ6は角度θ1、角度θ2、角度θ3、角度θ4および角度θ5と等しくてよく、異なっていてもよい。
外側カバー部91の側面76は、図4に示されるXZ断面において重力方向(Z軸方向)に平行であってよい。側面76における下方(下端95側)の端部を、端部E1とする。外側カバー部91の側面76のX軸方向における位置を、位置F1とする。なお、本例において端部E1のX軸方向における位置は、位置F1に等しい。
X軸方向において、第1開口96における一方の端部位置は、位置F1に等しくてよい。本例において、当該一方の端部位置は、X軸方向における底面16の中央側の端部位置である。図4において、底面16の中央側および外周側が、太い両矢印にて示されている。X軸方向において、第1開口96における一方の端部位置が位置F1に等しいことで、外側カバー部91の内部に侵入した排液45は端部E1に滞留しにくくなる。
内側カバー部92の側面77における下方(下端98側)の端部を、端部E2とする。端部E2のX軸方向における位置を、位置F2とする。X軸方向において、第3開口99における一方の端部位置は、位置F2に等しくてよい。本例において、当該一方の端部位置は、X軸方向における底面16の中央側の端部位置である。X軸方向において、第3開口99における一方の端部位置が位置F2に等しいことで、内側カバー部92の内部に侵入した排液45は端部E2に滞留しにくくなる。
内側カバー部92の側面77における上方(上端97側)の端部を、端部E3とする。端部E3のX軸方向における位置を、位置F3とする。位置F3は、X軸方向において位置F2よりも底面16の中央側に配置されてよい。位置F3が、X軸方向において位置F2よりも底面16の中央側に配置されることで、端部E3から落下した排液45が第3開口99を通じて内側カバー部92の内部に侵入しにくくなる。
なお、端部E3は、側面77における上方(上端97側)の端部、且つ、上端97における下方(下端98側)の端部であってよい。上端97と側面77とは、位置F3において接続されていてよい。
X軸方向において、位置F3が位置F2よりも底面16の中央側に配置されることで、内側カバー部92の側面77は、重力方向(Z軸方向)と予め定められた角度をなす。当該角度を、角度ψとする。角度ψは、0度より大きく且つ80度以下であってよい。角度φは、20度以上60度以下であってよい。
図5は、図4に示されるセンサ部70およびカバー部90の拡大図を、Y軸方向を中心にX軸からZ軸の方向に反時計回りに15度傾けて示した図である。側壁15-1と底面16との交点を反応塔10の角部Gとする。なお、図5においては、引込管72の下端74、外側カバー部91の上端93および下端95、並びに内側カバー部92の上端97および下端98は、水平方向に平行である。
船舶用排ガス処理装置100が図5に示されるように傾いた場合、底面16に堆積した排液45の上面は水平方向(XY面)に維持されるので、底面16と排液45の上面は非平行となる。当該排液45は、角部Gに滞留しやすくなる。本例においては、液体排出口19が領域Dの内側に配置されている(図3参照)ので、船舶用排ガス処理装置100が図5に示されるように傾いた場合、排液45は液体排出口19から排水管20に排出されやすくなる。
また、本例の船舶用排ガス処理装置100においては、液体排出口19が領域Dの内側に配置され、且つ、センサ80は排水管20の上方に設けられ(図3参照)、且つ、排ガス導入管32の下方に設けられている。このため、本例においては、液体排出口19が領域Dの内側(排液45を排出しやすい位置)に設けられているにもかかわらず、当該排液45が排ガス導入管32を逆流する危険性を、予め検知しやすくなる。
図6は、本発明の一つの実施形態に係る船舶用排ガス処理システム200の他の一例を示す図である。船舶用排ガス処理システム200は、船舶用排ガス処理装置100および動力装置50を備える。本例の船舶用排ガス処理装置100は、液体排出口19が反応塔10の側壁15に設けられている点で、図1に示される船舶用排ガス処理装置100と異なる。
本例においても、排水管20は排ガス導入管32の下方に設けられている。本例においては、液体排出口19はX軸方向において位置R1(ガス導入開口11の位置)に設けられている。
排水管20は、センサ部70の下方に設けられていてよい。排水管20がセンサ部70の下方に設けられるとは、上面視で、排水管20の少なくとも一部がセンサ部70と重なるように設けられている状態を指す。Z軸方向において、排水管20の下端の位置は、位置H0と位置H1との間であってよく、位置H0と等しくてもよい。排水管20の下端とは、排水管20の内部において排液45と接する内面のうち、最も底面16側に位置する端部を指す。
図7は、図6に示される船舶用排ガス処理装置100の上面の一例を示す図である。図7においては、枝管13、噴出部14、および、噴出部14から噴出される液体40の図示が省略されている。図7に示される例は、液体排出口19が反応塔10の側壁15に設けられている点で、図3に示される例と異なる。
液体排出口19は、上面視において領域Dの内側に配置されていてよい。領域Dの内側には、領域Dの外縁が含まれてよい。本例においては、液体排出口19は領域Dの外縁の一部に設けられている。本例において、液体排出口19は領域Dにおける交点P1と交点P2との間に設けられている。本例において、排水管20は液体排出口19からX軸方向に反応塔10の外部(中心C'とは反対側)に延伸している。
本例の船舶用排ガス処理装置100において、液体排出口19は領域Dの内側に配置されている。このため、船舶用排ガス処理装置100が図5に示されるように傾いた場合、排液45は液体排出口19から排水管20に排出されやすくなる。また、本例の船舶用排ガス処理装置100において、液体排出口19は領域Dの内側に配置され、且つ、センサ80は排水管20の上方に設けられ(図6参照)、且つ、排ガス導入管32の下方に設けられている。このため、本例においても図3に示される例と同様に、液体排出口19が領域Dの内側(排液45を排出しやすい位置)に設けられているにもかかわらず、当該排液45が排ガス導入管32を逆流する危険性を、予め検知しやすくなる。
図8は、本発明の一つの実施形態に係る船舶用排ガス処理システム200の他の一例を示す図である。船舶用排ガス処理システム200は、船舶用排ガス処理装置100および動力装置50を備える。反応塔10は、複数の排水管20を有してよい。本例の船舶用排ガス処理装置100は、反応塔10が3つの排水管20を有する点で図1に示される船舶用排ガス処理装置100と異なる。
本例において、排水管20-1および排水管20-3は、X軸方向において、それぞれ最も位置R1側および最も位置R2側に設けられる排水管20である。本例において、排水管20-2は、X軸方向において排水管20-1と排水管20-2との間に設けられる排水管20である。
底面16には、複数の液体排出口19が設けられてよい。本例においては、底面16に3つの液体排出口19(液体排出口19-1~液体排出口19-3)が設けられている。排液45は、液体排出口19-1、液体排出口19-2および液体排出口19-3から、それぞれ排水管20-1、排水管20-2および排水管20-3に排出される。
複数の排水管20のうちの少なくとも1つは、排ガス導入管32の下方に設けられてよい。本例においては、排水管20-1が排ガス導入管32の下方に設けられている。即ち、本例においては液体排出口19-1が、X軸方向において位置R1(ガス導入開口11の位置)と位置C(反応塔10の上面視における中心の位置)との間に設けられ、且つ、上面視において領域Dの内側に配置されている。
図9は、図8に示される船舶用排ガス処理装置100の上面の一例を示す図である。図9においては、枝管13、噴出部14、および、噴出部14から噴出される液体40の図示が省略されている。図9に示される例は、3つの液体排出口19が底面16に設けられている点で、図3に示される例と異なる。
本例においては、液体排出口19-1が上面視において領域Dの内側に配置されている。本例において、液体排出口19-2および液体排出口19-3は領域Dの外側に配置されている。
本例においては、3つの排水管20のうちの1つ(排水管20-1)が排ガス導入管32の下方に設けられている。このため、船舶用排ガス処理装置100が図5に示されるように傾いた場合、排液45は液体排出口19-1から排水管20-1に排出されやすくなる。また、本例の船舶用排ガス処理装置100において、液体排出口19-1は領域Dの内側に配置され、且つ、センサ80は排水管20-1の上方に設けられ(図6参照)、且つ、排ガス導入管32の下方に設けられている。このため、本例においても図3に示される例と同様に、液体排出口19-1が領域Dの内側(排液45を排出しやすい位置)に設けられているにもかかわらず、当該排液45が排ガス導入管32を逆流する危険性を、予め検知しやすくなる。
反応塔10が複数の排水管20を有する場合、反応塔10が1つの排水管20を有する場合よりも、排液45が反応塔10の外部に排出されやすくなるので、排液45は底面16に滞留しにくくなる。このため、反応塔10が複数の排水管20を有する場合、反応塔10が1つの排水管20を有する場合よりも、排液45が排ガス導入管32を逆流しにくくなる。
反応塔10が複数の排水管20を有する場合、複数の排水管20は、上面視で中心C'の周囲に周回状に配置されることが好ましい。複数の排水管20がこのように配置されることで、船舶の傾きに伴う船舶用排ガス処理装置100の傾きにかかわらず、排液45が反応塔10の外部に排出されやすくなる。
船舶用排ガス処理装置100が図5に示されるように傾いた場合、排液45は液体排出口19-1から排水管20-1に排出されやすい。船舶用排ガス処理装置100が、図5のYZ面を基準に図5とは対称に傾いた場合、排液45は側壁15-2側に滞留しやすい。本例においては、側壁15-2側に液体排出口19-3が配置されているので、この場合においても排液45は液体排出口19-3から排水管20-3に排出されやすい。
なお、反応塔10が複数の排水管20を有する場合、複数の排水管20の全てが排ガス導入管32の下方に設けられてもよい。反応塔10が複数の排水管20を有する場合、複数の液体排出口19のうち領域Dに配置される液体排出口19が、側壁15に設けられていてもよい。
図10は、船舶300への船舶用排ガス処理装置100の載置の一例を示す図である。図10は、船舶300の上面視における一例が示されている。船舶300は、船首310、船尾320および舷330を備える。図10において、船舶300の周囲は海洋である。
図10において、船舶300の進行方向(船尾320から船首310へ向かう方向)をY軸方向とする。船舶300は、2つの舷330(舷330-1および舷330-2)を備える。本例の舷330-1と舷330-2とはY軸方向に延伸し、X軸方向に対向している。
図10には、船舶300に載置された船舶用排ガス処理装置100が合わせて示されている。図10においては、船舶用排ガス処理装置100における反応塔10以外は省略されている。船舶用排ガス処理装置100は、X軸方向において舷330-1および舷330-2に挟まれて配置される。
図11は、図10における船舶用排ガス処理装置100および舷330を含む領域の拡大図である。図11においては、図3に示される船舶用排ガス処理装置100が、舷330-1および舷330-2と合わせて示されている。
上面視において、船舶用排ガス処理装置100が船舶300に載置される方向は、動力装置50、ポンプ60(以上図1参照)等が配置される位置に依存する場合がある。例えば、船舶用排ガス処理装置100は、動力装置50、ポンプ60等が配置される位置によっては、排ガス導入管32が船舶300の進行方向(Y軸方向)に延伸するように、船舶300に搭載されなければならない場合がある。また、船舶300は、航海中に海洋の状態に応じて様々な方向に傾き得る。このため、船舶用排ガス処理装置100は、船舶300がどのような方向に傾いた場合であっても、且つ、上面視において船舶300にどのような方向に載置された場合であっても、排液45が排ガス導入管32に逆流しないように設計される必要がある。
船舶300は、海洋を航海中においては、船尾320と船首310とを結ぶ方向(Y軸方向)よりも、舷330-1と舷330-2とを結ぶ方向(X軸方向)に傾きやすい。舷330-1と舷330-2とを結ぶ方向とは、Y軸方向を中心に時計回りまたは反時計回りの方向である。このため、ガス導入開口11がX軸に平行且つ中心C'と通る方向(図11における一点鎖線の方向)に配置される場合、排液45は排ガス導入管32を最も逆流しやすい。
本例の船舶用排ガス処理装置100においては、船舶300が舷330-1と舷330-2とを結ぶ方向(X軸方向)に傾き、且つ、ガス導入開口11がX軸に平行且つ中心C'と通る方向に配置された場合に、排液45が排ガス導入管32を最も逆流しやすい。本例の船舶用排ガス処理装置100は、このような場合であっても、排液45が排ガス導入管32を逆流しにくいように設計されている。このため、本例の船舶用排ガス処理装置100においては、上面視において船舶300にどのような方向に載置された場合であっても、且つ、船舶300がどのような方向に傾いた場合であっても、排液45は排ガス導入管32を逆流しにくい。このため、本例の船舶用排ガス処理装置100を用いることにより、艤装設計が容易になる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・反応塔、11・・・ガス導入開口、12・・・幹管、13・・・枝管、14・・・噴出部、15・・・側壁、16・・・底面、17・・・ガス排出口、18・・・ガス処理部、19・・・液体排出口、20・・・排水管、30・・・排ガス、32・・・排ガス導入管、34・・・上端、36・・・下端、40・・・液体、45・・・排液、50・・・動力装置、52・・・側面、60・・・ポンプ、70・・・センサ部、71・・・上端、72・・・引込管、73・・・延伸部分、74・・・下端、75・・・開口、76・・・側面、77・・・側面、78・・・側面、79・・・センサ収容部、80・・・センサ、90・・・カバー部、91・・・外側カバー部、92・・・内側カバー部、93・・・上端、94・・・第2開口、95・・・下端、96・・・第1開口、97・・・上端、98・・・下端、99・・・第3開口、100・・・船舶用排ガス処理装置、200・・・船舶用排ガス処理システム、300・・・船舶、310・・・船首、320・・・船尾、330・・・舷

Claims (12)

  1. 排ガスが導入され、前記排ガスを処理する液体が供給される反応塔を備え、
    前記反応塔は、
    前記反応塔の外部から内部に前記排ガスを導入する排ガス導入管と、
    前記反応塔の内部に供給された前記液体を、前記反応塔の外部に排出する一または複数の排水管と、
    を有し、
    前記一または複数の排水管のうちの少なくとも1つは、前記排ガス導入管の下方に設けられている、
    船舶用排ガス処理装置。
  2. 前記反応塔は、前記反応塔の底面から予め定められた高さに設けられ、前記液体を検知するセンサをさらに有し、
    前記排ガス導入管は、前記反応塔の側壁に設けられ、
    前記センサは、前記排ガス導入管の下方に設けられている、
    請求項1に記載の船舶用排ガス処理装置。
  3. 排ガスが導入され、前記排ガスを処理する液体が供給される反応塔を備え、
    前記反応塔は、
    前記反応塔の側壁に設けられ、前記反応塔の外部から内部に前記排ガスを導入する排ガス導入管と、
    前記反応塔の底面から予め定められた高さに設けられ、前記液体を検知するセンサと、
    を有し、
    前記センサは、前記排ガス導入管の下方に設けられている、
    船舶用排ガス処理装置。
  4. 前記反応塔は、前記反応塔の内部に供給された前記液体を、前記反応塔の外部に排出する一または複数の排水管をさらに有し、
    前記一または複数の排水管のうちの少なくとも1つは、前記排ガス導入管の下方に設けられている、
    請求項3に記載の船舶用排ガス処理装置。
  5. 前記センサは、前記一または複数の排水管のうちの少なくとも1つの上方に設けられている、請求項2または4に記載の船舶用排ガス処理装置。
  6. 前記反応塔は、前記反応塔の前記側壁に設けられ、前記液体を前記センサに導入する引込管をさらに有する、
    請求項2から5のいずれか一項に記載の船舶用排ガス処理装置。
  7. 前記引込管は、前記反応塔の前記側壁から前記反応塔の外部に延伸する延伸部分を含み、
    前記延伸部分と水平方向とのなす角度が、15度以上である、
    請求項6に記載の船舶用排ガス処理装置。
  8. 前記反応塔は、カバー部をさらに有し、
    前記反応塔の前記側壁には、前記引込管の内部と前記反応塔の内部とを接続する開口が設けられ、
    前記カバー部は、前記開口を覆っている、
    請求項6または7に記載の船舶用排ガス処理装置。
  9. 前記カバー部は、内側カバー部と、前記内側カバー部を覆う外側カバー部と、を含み、
    前記外側カバー部の下端には、第1開口が設けられ、
    前記外側カバー部には、前記第1開口よりも上方に第2開口が設けられ、
    前記内側カバー部の下端には、第3開口が設けられている、
    請求項8に記載の船舶用排ガス処理装置。
  10. 前記内側カバー部の前記下端と水平方向とのなす角度が、15度以上である、請求項9に記載の船舶用排ガス処理装置。
  11. 前記外側カバー部の前記下端と水平方向とのなす角度が、15度以上である、請求項9または10に記載の船舶用排ガス処理装置。
  12. 前記排ガス導入管の下端と水平方向とのなす角度が、15度以上である、請求項1から11のいずれか一項に記載の船舶用排ガス処理装置。
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