JP2022133923A - 緩衝材 - Google Patents

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Abstract

【課題】段ボールシートからなる緩衝材において、他の物品を積み重ねた際の変形を低減ないし防止する。【解決手段】緩衝材20は、段ボールシート10からなり、物品1に嵌め込む本体30と、本体30の外側に配置された補強部材50とを備える。本体30は、端板31と、端板31の上端に設けられた上板32と、端板31の下端に設けられた下板34と、端板31の幅方向の両端に設けられた側板36とを備える。補強部材50は、本体30の端板31に沿って外側に配置された外端板51と、外端板51の幅方向(X方向)の両端に連なり、本体30の側板36に沿って外側に配置された外側板52と、外側板52に連なり、本体30の側板36に沿って内側に配置された内側板54とを備える。補強部材50の外端板51、外側板52及び内側板54に対して、中しん13の凸条13aと凹条13bは上下方向(Y方向)に延びている。【選択図】図3

Description

本発明は、緩衝材に関する。
空気調和機の室内機等の大型で長尺な物品は、長手方向の両端に緩衝材がそれぞれ配置され、筒状のスリーブで覆った状態に梱包される。緩衝材は、発泡スチロール製であり、端壁部と、端壁部の上下にそれぞれ連なる上壁部及び下壁部と、端壁部の両側に連なる一対の側壁部とを備える。
近年では、環境問題や廃棄性を考慮して、緩衝材を紙製の段ボールシートによって製造することが要望されている。段ボールシートの圧縮強度は、中しんの延び方向に沿う方向の力には強いが、特に面に対して直交する方向の力には弱い。よって、水平方向に延びる緩衝材の上壁部上に他の物品を積み重ねると、物品の荷重に耐えられず、上壁部及び上壁部に連なる一対の側壁部が変形する。
特許文献1には、圧縮強度の向上を目的として、箱本体の内部に補強部材を配置した包装箱が開示されている。この包装箱のように、段ボールシートによって緩衝材を製造する場合でも、本体の内部に補強部材を配置することが考えられる。
特開2013-39963号公報
本体内に補強部材を配置した緩衝材では、他の物品を積み重ねることに伴う変形を多少は低減できる。しかし、水平方向に延びる上壁部に他の物品の荷重が加わるため、上壁部と一対の側壁部の変形は避けられない。
本発明は、段ボールシートからなる緩衝材において、他の物品を積み重ねた際の変形を低減ないし防止することを課題とする。
本発明の一態様は、第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中しんとを有する段ボールシートからなり、物品に嵌め込む本体と、前記本体の外側に配置された補強部材とを備える緩衝材であって、前記本体は、上下方向に延びる端板と、前記端板の上端に設けられ、前記端板に対して折り曲げられた上板と、前記端板の下端に設けられ、前記上板に沿って延びる下板と、前記端板の幅方向の端に設けられ、前記端板に対して折り曲げられた側板とを備え、前記補強部材は、前記本体の前記端板に沿って外側に配置された外端板と、前記外端板の幅方向の端に連なり、前記本体の前記側板に沿って外側に配置された外側板と、前記外側板に連なり、前記本体の前記側板に沿って内側に配置された内側板とを備え、前記補強部材の前記外端板、前記外側板及び前記内側板に対して、前記中しんの前記凸条と前記凹条は上下方向に延びている、緩衝材を提供する。
本態様では、本体のうち、上下方向に延びる端板の外側に補強部材の外端板が配置され、上下方向に延びる側板の外側に補強部材の外側板が配置されている。よって、緩衝材の上に他の物品が配置された場合、補強部材の外端板と外側板で他の物品の荷重を受けることができる。また、外端板と外側板では段ボールシートの中しんの凸条と凹条が上下方向に延びているため、補強部材の上下方向の圧縮強度は強い。よって、本体の上板に他の物品の荷重が加わることを大幅に低減ないし防止できるため、緩衝材の変形を大幅に低減ないし防止できる。
本発明では、段ボールシートからなる緩衝材において、他の物品を積み重ねた際の変形を低減ないし防止できる。
本発明の第1実施形態に係る緩衝材の使用状態を示す斜視図。 組立状態の緩衝材の斜視図。 図2の緩衝材の分解斜視図。 図2の緩衝材の正面図。 図2の緩衝材の一部を破断した平面図。 図2の緩衝材の一部を破断した底面図。 段ボールシートを示す断面図。 段ボールシートに形成した汎用罫線を示す断面図。 段ボールシートに形成した切断線を示す断面図。 図3の本体の展開図。 図3の補強部材の展開図。 本体の組立過程を示す斜視図。 補強部材の組立過程を示す斜視図。 第2実施形態の緩衝材の平面図。 第2実施形態の補強部材の展開図。 第3実施形態の緩衝材の一部を破断した平面図。 第3実施形態の補強部材の展開図。 第4実施形態の緩衝材の一部を破断した平面図。 第4実施形態の補強部材の展開図。 第1比較例の緩衝材の分解斜視図。 第1比較例の本体の展開図。 第1比較例の補強部材の展開図。 第2比較例の緩衝材の分解斜視図。 第2比較例の本体の展開図。 第2比較例の補強部材の展開図。 第3比較例の緩衝材の組立過程を示す斜視図。 第3比較例の本体の展開図。 第3比較例の補強部材の展開図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る緩衝材20を用いた包装体15を示す。包装体15は、筒状のスリーブ16と、一対の緩衝材20とを備える。空気調和機の室内機等の大型で長尺な物品1の長手方向両端に緩衝材20をそれぞれ嵌め込み、緩衝材20と一緒に物品1をスリーブ16によって覆う。この状態で、スリーブ16と一対の緩衝材20を取り囲むように、樹脂製の結束バンド(図示せず)を物品1の長手方向に巻き付けて結束することで、物品1を包装する。
(緩衝材の構成)
図2は図1の緩衝材20を横倒しした状態を示し、図3は横倒しした緩衝材20を分解した状態を示す。図1においてX方向は物品1の幅方向であり、図1においてY方向は物品1の上下方向であり、図1においてZ方向は物品の長手方向である。図2及び図3においてX方向は、物品1の幅方向に対応する緩衝材20の幅方向である。図2及び図3においてY方向は、物品1の上下方向に対応する緩衝材20の上下方向である。図2及び図3においてZ方向は、物品1の長手方向に対応する緩衝材20の厚さ方向である。図1に示す使用状態で緩衝材20は、図2に示すY方向が上下方向に延びる姿勢で配置される。
図1及び図2を参照すると、緩衝材20は、端壁21と、端壁21の外周から突出した四角筒状の外周壁22とを備え、一端を開口26としたトレイ状である。外周壁22は、端壁21の上端(Y方向の一端)に立設された上壁23、端壁21の下端(Y方向の他端)に立設された下壁24、及び端壁21の両側(X方向の両端)に立設された一対の側壁25を備える。図3を参照すると、緩衝材20は、物品1に嵌め込む本体30と、本体30の外側に配置された補強部材50とを備える。
図3及び図5を参照すると、端壁21は、本体30と補強部材50とで構成されている。具体的には、端壁21は、端板31、外端板51、内端板58、及び第3重畳板68によって構成された四層構造である。そのうち、端板31は本体30に形成され、他の外端板51、内端板58、第3重畳板68は補強部材50に形成されている。
図3及び図10を参照すると、上壁23と下壁24は、本体30のみによって構成されている。具体的には、上壁23は、上板32、上側内板38、及び差込板47によって構成された三層構造であり、これらはいずれも本体30に形成されている。下壁24は、下板34、下側内板43、及び差込板47によって構成された三層構造であり、これらはいずれも本体30に形成されている。
図3及び図4を参照すると、側壁25は、本体30と補強部材50とで構成されている。具体的には、側壁25は、側板36、外側板52、内側板54、第1重畳板64、及び第2重畳板66によって構成された五層構造である。そのうち、側板36は本体30に形成され、他の外側板52、内側板54、第1重畳板64、第2重畳板66は補強部材50に形成されている。
以下、本体30と補強部材50の構成を具体的に説明する。
本体30と補強部材50は、いずれも紙製の段ボールシート10によって形成されている。なお、スリーブ16も紙製の段ボールシート10によって形成されている。図7Aを参照すると、段ボールシート10は、表ライナ(第1ライナ)11と、表ライナ11と間隔をあけて位置する裏ライナ(第2ライナ)12と、これらの間に配置された中しん13とを備える。中しん13は、表ライナ11に向けて突出した凸条13aと、裏ライナ12に向けて窪んだ凹条13bとを交互に繰り返す波板状を呈している。凸条13aの頂部が表ライナ11に貼着され、凹条13bの頂部が裏ライナ12に貼着されている。中しん13の凸条13aと凹条13bが波状に見える図7Aに示す状態を段目といい、凸条13aと凹条13bが延びる方向を段方向という。
図8は本体30のブランクを示し、図9は補強部材50のブランクを示す。図8及び図9に一点鎖線で示す部分は、図7Bに示すように、肉厚を圧縮するように裏ライナ12の方から罫を入れて形成した汎用罫線である。図8及び図9に実線で示す部分は、図7Cに示すように、裏ライナ12から表ライナ11にかけて刃を入れて形成した切断線、及び打ち抜きによる形状線(辺)である。
(本体の構成)
図3及び図10を参照すると、本体30は、端壁21を構成する端板31、上壁23を構成する上板32、下壁24を構成する下板34、及びそれぞれ側壁25を構成する一対の側板36を備える。また、本体30は、上壁23を構成する上側内板38及び差込板47と、下壁24を構成する下側内板43及び差込板47とを更に備える。
図2及び図3を参照すると、端板31は、四角形状を呈し、XY平面に沿って延びている。端板31のY方向両端はX方向に延びており、端板31のX方向両端はY方向に延びている。端板31において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。
図2及び図3を参照すると、上板32は、四角形状を呈し、XZ平面に沿って延びている。上板32は、使用状態での上端である端板31のY方向の一端に連なり、端板31に対して折り曲げられている。上板32において段ボールシート10の段方向は、物品1(図1参照)の長手方向に相当するZ方向である。
図8を参照すると、上板32は、折曲部33(図1参照)を構成する折曲線33’を介して端板31に連なっている。折曲線33’は、端板31に対する上板32の折曲性を向上するための2本の切断線33aと、3本の汎用罫線33bとで構成されている。図1を参照すると、折曲部33はX方向に延びている。
図2及び図3を参照すると、下板34は、四角形状を呈し、上板32に沿うようにXZ平面に沿って延びている。下板34は、使用状態での下端である端板31のY方向の他端に連なり、端板31に対して上板32と同じ向きに折り曲げられている。下板34において段ボールシート10の段方向は、物品1(図1参照)の長手方向に相当するZ方向である。
図8を参照すると、下板34は、折曲部35(図3参照)を構成する折曲線35’を介して端板31に連なっている。折曲線35’は、端板31に対する下板34の折曲性を向上するための切断線35aと、汎用罫線35bとで構成されている。図3を参照すると、折曲部35はX方向に延びている。
図3を参照すると、側板36は、四角形状を呈し、YZ平面に沿って延びている。側板36は、端板31の幅方向(X方向)の両端にそれぞれ連なり、端板31に対して上板32と同じ向きに折り曲げられている。側板36のY方向の寸法は、端板31のY方向の寸法よりも小さい。側板36において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。
図8を参照すると、側板36は、折曲部37(図3参照)を構成する折曲線37’を介して端板31に連なっている。折曲線37’は汎用罫線によって構成されている。図3を参照すると、折曲部37はY方向に延びている。
図2及び図3を参照すると、上側内板38は、四角形状を呈し、XZ平面に沿って延びている。上側内板38は、帯状の連続部39を介して上板32のZ方向の先端(開口26側)に連なり、上板32の内面側に折り曲げられている。上側内板38において段ボールシート10の段方向は、物品1(図1参照)の長手方向に相当するZ方向である。
上側内板38のX方向の寸法は、一対の側板36間に上側内板38を圧入し、段ボールシート10の弾性力で圧入が解除されない範囲で、可能な限り小さく設定されている。連続部39のY方向の寸法は、上板32と上側内板38との間に差込板47を挿入可能な隙間が形成される程度の大きさである。
図8を参照すると、連続部39は、折曲部40(図3参照)を構成する折曲線40’を介して上板32に連なり、上側内板38は、折曲部41(図3参照)を構成する折曲線41’を介して連続部39に連なっている。折曲線40’,41’は、いずれも汎用罫線によって構成されている。図3を参照すると、折曲部40,41はX方向に延びている。
図2及び図3を参照すると、上側内板38と連続部39には、全体で台形状をなすように打抜部42が設けられている。打抜部42は、上側内板38への物品1(図1参照)の突出部分の干渉を防ぐために設けられており、物品1の形状に対応するように緩衝材20の開口26から端板31に向けて延びている。
図1を参照すると、下側内板43は、四角形状を呈し、XZ平面に沿って延びている。下側内板43は、帯状の連続部44を介して下板34のZ方向の先端(開口26側)に連なり、下板34の内面側に折り曲げられている。下側内板43において段ボールシート10の段方向は、物品1(図1参照)の長手方向に相当するZ方向である。
下側内板43のX方向の寸法は、一対の側板36間に下側内板43を圧入し、段ボールシート10の弾性力で圧入状態が解除されない範囲で、可能な限り小さく設定されている。連続部44のY方向の寸法は、下板34と下側内板43との間に差込板47を挿入可能な隙間が形成される程度の大きさである。
図8を参照すると、連続部44は、折曲部45(図3参照)を構成する折曲線45’を介して下板34に連なり、下側内板43は、折曲部46(図3参照)を構成する折曲線46’を介して連続部44に連なっている。折曲線45’,46’は、いずれも汎用罫線によって構成されている。図3を参照すると、折曲部45,46はX方向に延びている。
図3及び図10を参照すると、差込板47は、四角形状を呈し、XZ平面に沿って延びている。差込板47は、一対の側板36のY方向(上下方向)両端にそれぞれ連なっている。上板32側に位置する一対の差込板47は、側板36に対してX方向内向きに折り曲げられ、上板32と上側内板38の間にそれぞれ差し込まれている。下板34側に位置する一対の差込板47は、側板36に対してX方向内向きに折り曲げられ、下板34と下側内板43の間にそれぞれ差し込まれている。差込板47において段ボールシート10の段方向は、緩衝材20の幅方向に相当するX方向である。
図8を参照すると、差込板47は、折曲部48(図10参照)を構成する折曲線48’を介して側板36に連なっている。折曲線48’は、側板36に対する差込板47の折曲性を向上するための1本の切断線48aと、2本の汎用罫線48bとで構成されている。図10を参照すると、折曲部48はZ方向に延びている。
本体30を組み立てる場合、まず、図10に示すように、端板31に対して側板36をそれぞれ折り曲げるとともに、側板36に対して差込板47をそれぞれ折り曲げる。続いて、図3に示すように、端板31に対して上板32を折り曲げた後、上板32に対して連続部39を折り曲げるとともに、連続部39に対して上側内板38を折り曲げる。また、端板31に対して下板34を折り曲げた後、下板34に対して連続部44を折り曲げるとともに、連続部44に対して下側内板43を折り曲げる。これにより、本体30の組み立てが完了する。
(補強部材の構成)
図2及び図3に示すように、補強部材50は、端壁21を構成する外端板51、側壁25を構成する外側板52、及び側壁25を構成する内側板54を備える。また、補強部材50は、端壁21を構成する内端板58及び第3重畳板68と、側壁25を構成する第1重畳板64及び第2重畳板66とを更に備える。
図3及び図5を参照すると、外端板51は、本体30の端板31よりも大きい四角形状を呈し、端板31に沿うようにXY平面に沿って延びている。外端板51は、端板31の外側に間隔をあけて配置されている。外端板51のY方向両端はX方向に延びており、外端板51のX方向両端はY方向に延びている。外端板51において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。
図1及び図4を参照すると、外端板51のY方向の一端に位置する第1端51aは、使用状態での上端であり、本体30の上端である上板32の外面と面一に位置している。外端板51のY方向の他端に位置する第2端51bは、後述するブリッジ部59A~59Dを除く部分によって構成されている。外端板51の第2端51bは、使用状態での下端であり、本体30の下端である下板34の外面と面一に位置している。つまり、外端板51のY方向の寸法S1は、本体30の端板31のY方向の寸法以上である。但し、外端板51の寸法S1は、上板32の外面から下板34の外面までの本体30のY方向の寸法S0に対して95%以上であればよい。このようにすれば、他の物品(例えば同じ構造を有する包装体15)を上板32上に載せた際、他の物品の荷重によって上板32が過度に変形することを、外端板51によって抑制できる。
図2、図3及び図5を参照すると、外側板52は、本体30の側板36よりも大きい四角形状を呈し、側板36に沿うようにYZ平面に沿って延びている。外側板52は、本体30の側板36の外側に間隔をあけて配置されている。外側板52は、外端板51の幅方向(X方向)の両端にそれぞれ連なり、外端板51に対して折り曲げられている。外側板52において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。
図1及び図4を参照すると、外側板52のY方向の一端に位置する第1端52aは、使用状態での上端であり、外端板51の第1端51aと面一に位置している。外側板52のY方向の他端に位置する第2端52bは、使用状態での下端であり、外端板51の第2端51bと面一に位置している。つまり、外側板52のY方向の寸法S2は、本体30の端板31のY方向の寸法以上であり、外端板51の寸法S1と同一である。但し、外側板52の寸法S2は、外端板51の寸法S1と同様に、本体30の寸法S0に対して95%以上であればよい。
図9を参照すると、外側板36は、折曲部53(図2参照)を構成する折曲線53’を介して外端板51に連なっている。折曲線53’は、汎用罫線によって構成されている。図2を参照すると、折曲部53はY方向に延びている。
図2、図3及び図5を参照すると、内側板54は、本体30の側板36よりも小さい四角形状を呈し、側板36に沿うようにYZ平面に沿って延びている。内側板54は、帯状の連続部55を介して外側板52のZ方向の先端(開口26側)に連なり、側板36の内面側に折り曲げられている。内側板54及び連続部55において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。なお、内側板54の先端(端板31側)に形成された半円形状の切欠部54aは、緩衝材20を分解する際の操作部である。
内側板54のY方向の寸法は、本体30の上側内板38と下側内板43の間に内側板54を圧入し、段ボールシート10の弾性力で圧入状態が解除されない範囲で、可能な限り小さく設定されている。図1及び図4を参照すると、連続部55のY方向の第1端55aは外側板52の第1端52aと面一に位置し、連続部55のY方向の第2端55bは外側板52の第2端52bと面一に位置している。つまり、連続部55のY方向の寸法は、外側板52のY方向の寸法S2と同一に設定されている。連続部55のX方向の寸法は、外側板52と内側板54の間に、本体30の側板36、第1重畳板64及び第2重畳板66を挿入可能な隙間が形成される程度の大きさである。
図9を参照すると、連続部55は、折曲部56(図2参照)を構成する折曲線56’を介して外側板52に連なり、内側板54は、折曲部57(図2参照)を構成する折曲線57’を介して連続部55に連なっている。折曲線56’,57’はいずれも、汎用罫線56a,57a上に間隔をあけて複数の切断線56b,57bを設けたリード罫によって構成されている。図2を参照すると、折曲部56,57はY方向に延びている。
図3及び図5を参照すると、内端板58は、本体30の端板31よりも大きく補強部材50の外端板51よりも小さい四角形状を呈し、端板31に沿うようにXY平面に沿って延びている。内端板58において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。
内端板58は、ブリッジ部59A~59Dを介して外端板51の第2端51a側(一端側)に連なり、外端板51と本体30の端板31との間に折り曲げて配置されている。内端板58と外端板51とは、定められた間隔をあけて位置しており、これらの間には空隙部63が形成されている。つまり、本体30の端板31と外端板51も定められた間隔をあけて位置している。
図1及び図4を参照すると、内端板58のY方向の一端に位置する第1端58aは、使用状態での上端であり、外端板51の第1端51aと面一に位置している。内端板58のY方向の他端に位置する第2端58bは、ブリッジ部59A~59Dを除く部分によって構成されている。内端板58の第2端58bは、使用状態での下端であり、外端板51の第2端51bと面一に位置している。つまり、内端板58のY方向の寸法は、外端板51のY方向の寸法S1と同一に設定されている。
図9を参照すると、内端板58は、ブリッジ部59A~59Dと一対の切断線60によって、外端板51と分断されている。詳しくは、ブリッジ部59A~59Dのうち、2種のブリッジ部59A,59Bは一対の切断線60の外側にそれぞれ形成され、残りの2種のブリッジ部59C,59Dは一対の切断線60間に形成されている。
ブリッジ部59A,59Dは、外端板51と内端板58に均等に跨がるように設けられている。ブリッジ部59Bは、外端板51と内端板58に跨がっているが、内端板58側に片寄って設けられている。ブリッジ部59Cは、外端板51と内端板58に跨がっているが、外端板51側に片寄って設けられている。これにより、ブリッジ部59A,59Dと、ブリッジ部59Bと、ブリッジ部59Cとは、いずれもXZ平面に沿って延びているが、XZ平面に対する傾斜角度がそれぞれ異なっている。
図3及び図6を参照すると、ブリッジ部59Aは、外端板51に連なる第1端61aと、内端板58に連なる第2端61bとを備える。図9を参照すると、ブリッジ部59Aは、第1端(折曲部)61aを構成する折曲線61a’と、第2端(折曲部)61bを構成する折曲線61b’と、折曲線61a’,61b’の両端間にかけてそれぞれ延びる切断線62a,62bとで画定されている。折曲線61a’,61b’は汎用罫線によって構成されている。切断線60から折曲線61a’までの距離と、切断線60から折曲線61b’までの距離とは、同一である。切断線62aは、切断線60(端板51,58の第2端51b,58b)に対して直交方向に延びている。切断線62bは、折曲線61a’から折曲線61b’に向けて、幅方向の外側へ傾斜している。
図3及び図6を参照すると、ブリッジ部59Bは、外端板51に連なる第1端61cと、内端板58に連なる第2端61dとを備える。図9を参照すると、ブリッジ部59Bは、第1端(折曲部)61cを構成する折曲線61c’と、第2端(折曲部)61dを構成する折曲線61d’と、折曲線61c’,61d’の両端間にかけてそれぞれ延びる切断線62b,62cとで画定されている。折曲線61c’,61d’は汎用罫線によって構成されている。切断線60から折曲線61c’までの距離は、切断線60から折曲線61d’までの距離よりも小さい。切断線62bは、折曲線61a’から折曲線61c’,61b’を経て折曲線61d’まで延びている。切断線62cは、折曲線61c’から折曲線61d’に向けて、幅方向の内側へ傾斜している。
図3及び図6を参照すると、ブリッジ部59Cは、外端板51に連なる第1端61eと、内端板58に連なる第2端61fとを備える。図9を参照すると、ブリッジ部59Cは、第1端(折曲部)61eを構成する折曲線61e’と、第2端(折曲部)61fを構成する折曲線61f’と、折曲線61e’,61f’の両端間にかけてそれぞれ延びる切断線62d,62eとで画定されている。折曲線61e’,61f’は汎用罫線によって構成されている。切断線60から折曲線61e’までの距離は、切断線60から折曲線61f’までの距離よりも大きい。切断線62dは、切断線60に対して直交方向に延びている。切断線62eは、折曲線61e’から折曲線61f’に向けて、幅方向の外側へ傾斜している。
図3及び図6を参照すると、ブリッジ部59Dは、外端板51に連なる第1端61gと、内端板58に連なる第2端61hとを備える。図9を参照すると、ブリッジ部59Cは、第1端(折曲部)61gを構成する折曲線61g’と、第2端(折曲部)61hを構成する折曲線61h’と、折曲線61g’,61h’の両端間にかけてそれぞれ延びる一対の切断線62eとで画定されている。切断線60から折曲線61g’までの距離と、切断線60から折曲線61h’までの距離は、同一である。一対の切断線62eは、折曲線61e’から折曲線61g’,61f’を経て折曲線61h’まで延びている。
このように形成したブリッジ部59A,59Dと、ブリッジ部59Bと、ブリッジ部59Cとは、前述のようにXZ平面に対する傾斜角度がそれぞれ異なる。また、ブリッジ部59A~59Dにおいて段ボールシート10の段方向は、外端板51から内端板58に向かうZ方向である。よって、外端板51に対してZ方向に外力が加わった際、ブリッジ部59A~59Dによって外力を異なる方向へ分散できる。その結果、外力によるブリッジ部59A~59Dの変形を抑制でき、外端板51と内端板58の間の空隙部63を確保できる。
図3から図5を参照すると、第1重畳板64は、Z方向の寸法が外端板51よりも小さい四角形状を呈し、本体30の側板36に沿うようにYZ平面に沿って延びている。第1重畳板64は、内端板58の幅方向(X方向)の両端に連なり、外側板52と本体30の側板36との間に折り曲げて配置されている。第1重畳板64において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。
図1及び図4を参照すると、第1重畳板64のY方向の第1端64aは外側板52の第1端52aと面一に位置し、第1重畳板64のY方向の第2端64bは外側板52の第2端52bと面一に位置している。つまり、第1重畳板64のY方向の寸法は、外側板52のY方向の寸法S2と同一に設定されている。
図9を参照すると、第1重畳板64は、折曲部65(図3参照)を構成する折曲線65’を介して内端板58に連なっている。折曲線65’は、汎用罫線65a上に間隔をあけて複数の切断線65bを設けたリード罫によって構成されている。図3を参照すると、折曲部65はY方向に延びている。
図3から図5を参照すると、第2重畳板66は、Z方向の寸法が第1重畳板64よりも大きく外端板51よりも小さい四角形状を呈し、第1重畳板64に沿うようにYZ平面に沿って延びている。第2重畳板66は、第1重畳板64のZ方向の先端(開口26側)に連なり、第1重畳板64と外側板52との間に折り曲げて配置されている。第2重畳板66において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。
図1及び図4を参照すると、第2重畳板66のY方向の第1端66aは外側板52の第1端52aと面一に位置し、第2重畳板66のY方向の第2端66bは外側板52の第2端52bと面一に位置している。つまり、第2重畳板66のY方向の寸法は、外側板52のY方向の寸法S2と同一に設定されている。
図9を参照すると、第2重畳板66は、折曲部67(図3参照)を構成するブリッジ部67’を介して第1重畳板64に連なっている。ブリッジ部67’は、第1重畳板64及び第2重畳板66それぞれの長手方向(Y方向)において、中央と両端の3箇所に設けられている。中央のブリッジ部67’は、間隔をあけて設けられた一対の切断線67aと、一対の切断線67aの両端間にかけて延びる一対の折曲線67bとで画定されている。両端のブリッジ部67’は、第1重畳板64及び第2重畳板66それぞれの縁と、1本の切断線67aと、一対の折曲線67bとで画定されている。折曲線67bは、汎用罫線上に切断線を設けたリード罫によって構成されている。隣接したブリッジ部67’間には切断線67cが設けられている。
図3及び図5を参照すると、第3重畳板68は、内端板58の幅方向(X方向)の寸法の半分よりも小さい四角形状を呈し、内端板58に沿うようにXY平面に沿って延びている。第3重畳板68は、第2重畳板66の先端(外端板51側)に連なり、外端板51と内端板58との間に折り曲げて配置されている。第3重畳板68において段ボールシート10の段方向は、使用状態での上下方向に相当するY方向である。
図1及び図4を参照すると、第3重畳板68のY方向の第1端68aは外側板52の第1端52aと面一に位置し、第3重畳板68のY方向の第2端68bは外側板52の第2端52bと面一に位置している。つまり、第3重畳板68のY方向の寸法は、外側板52のY方向の寸法S2と同一に設定されている。
図11を参照すると、第3重畳板68の第2端68bには、ブリッジ部59A~59Dに対応し、これらとの干渉を防ぐための切欠部68cが設けられている。X方向における切欠部68cの一端は、第2重畳板66にかけて延びている。図2を参照すると、切欠部68c以外の部分である第3重畳板68の第2端68bは、X方向に隣接したブリッジ部59A,59C間を通してY方向外向きに突出している。
図9を参照すると、第3重畳板68は、折曲部69(図3参照)を構成する折曲線69’を介して第2重畳板66に連なっている。折曲線69’は、汎用罫線69a上に間隔をあけて複数の切断線69bを設けたリード罫によって構成されている。図3を参照すると、折曲部69はY方向に延びている。
図3及び図5を参照すると、一対の第3重畳板68のX方向の寸法は、互いの先端68dが定められた間隔をあけて位置する大きさ設定されている。この先端68d間の間隔は、外端板51と内端板58にそれぞれ設けられた把持孔70A,70BのX方向の寸法よりも大きい。図3及び図9を参照すると、外端板51の把持孔70Aと内端板58の把持孔70Bとは、いずれも長円形状を呈しており、Z方向に対応している。
本体30に補強部材50を用いて緩衝材20を組み立てる場合、まず、図11に示すように、補強部材50の第1重畳板64に対して第2重畳板66を折り曲げて重ね合わせる。続いて、外端板51に対して内端板58を折り曲げ、図3に示すように、外端板51上に内端板58を重ね合わせる。
その後、前述のように組み立てた本体30を内端板58上に配置し、内端板58に対して第1重畳板64と第2重畳板66を折り曲げ、これらを本体30の側板36の外側に重ねる。また、外端板51に対して外側板52を折り曲げた後、外端板51に対して連続部55を折り曲げるとともに、連続部55に対して内側板54を折り曲げ、内側板54を本体30の側板36の内側に重ねる。
これにより、図1及び図2に示すように、端壁21の外周から上壁23、下壁24、及び一対の側壁25が突出した緩衝材20の組み立てが完了する。
このように組み立てた緩衝材20の端壁21は、本体30の端板31、補強部材50の内端板58、一対の第3重畳板68、及び外端板51によって構成された四層構造である。また、緩衝材20の側壁25は、本体30の側板36、補強部材50の第1重畳板64、第2重畳板66、外側板52、及び内側板54によって構成された五層構造である。
そのうち、図1及び図2に示すように、端壁21では、本体30の端板31の外側に、補強部材50の外端板51、内端板58及び第3重畳板68からなる三層の補強材が配置されている。また、図4に示すように、側壁25では、本体30の側板36の外側に、補強部材50の外側板52、第1重畳板64及び第2重畳板66からなる三層の補強材が配置されている。そして、これらの補強材は、本体30の上板32の外面(上端)から下板の外面(下端)まで延びている。よって、緩衝材20(上板32)上に他の物品を積み重ねた場合、上記補強材によって他の物品の荷重を受けることができる。
また、補強部材50の外端板51、内端板58、第3重畳板68、外側板52、第1重畳板64及び第2重畳板66では、段ボールシート10の凸条13aと凹条13bが、いずれも使用状態での上下方向であるY方向に延びている。そして、段ボールシート10の圧縮強度は、中しん13の延び方向に沿う方向の力に強い。よって、本体30の上板32に他の物品の荷重が加わることを大幅に低減ないし防止できる。
このように構成した緩衝材20は、以下の特徴を有する。
本体30のうち、上下方向(Y方向)に延びる端板31の外側に補強部材50の外端板51が配置され、上下方向に延びる側板36の外側に補強部材50の外側板52が配置されている。よって、緩衝材20上に他の物品が配置された場合、補強部材50の外端板51と外側板52によって他の物品の荷重を受けることができる。また、外端板51と外側板52では段ボールシート10の中しん13が上下方向に延びているため、補強部材50の上下方向の圧縮強度は強い。よって、本体30の上板32に他の物品の荷重が加わることを大幅に低減ないし防止できる。その結果、上板32の変形、及び上板32に変形に伴う側板36の変形、つまり緩衝材20の変形を大幅に低減ないし防止できる。
本体30の側板36は端板31の幅方向(X方向)の両端に一対設けられ、補強部材50の外側板52と内側板54は外端板51の幅方向の両端に一対設けられている。よって、本体30の幅方向両側での圧縮強度を確実に向上できるため、他の物品を積み重ねた際の緩衝材20の変形を大幅に低減ないし防止できる。
補強部材50の外側板52の上下方向(Y方向)の寸法は、本体30の端板31の上下方向の寸法以上である。そのため、他の物品の荷重を補強部材50の外側板52で確実に受けることができる。よって、本体30の上板32が他の物品の荷重を受けることを防止できるため、他の物品を積み重ねた際の緩衝材20の変形を確実に防止できる。
補強部材50は、外端板51と本体30の端板31との間に配置された内端板58を備える。よって、本体30の端板31の外側での圧縮強度を更に向上できるため、他の物品を積み重ねた際の緩衝材の変形を大幅に低減ないし防止できる。
補強部材50は、外側板52と本体30の側板36との間に配置された第1重畳板64を備える。よって、本体30の側板36の外側での圧縮強度を更に向上できるため、他の物品を積み重ねた際の緩衝材の変形を大幅に低減ないし防止できる。
補強部材50は、第1重畳板64と外側板52との間に配置された第2重畳板66を備える。よって、本体30の側板36の外側での圧縮強度を更に向上できるため、他の物品を積み重ねた際の緩衝材の変形を大幅に低減ないし防止できる。
補強部材50は、外端板51と内端板58との間に配置された第3重畳板68を備える。よって、本体30の端板31の外側での圧縮強度を更に向上できるため、他の物品を積み重ねた際の緩衝材の変形を大幅に低減ないし防止できる。
補強部材50の外端板51と内端板58はブリッジ部59A~59Dを介して連なっている。よって、外端板51と内端板58の間隔を、希望に応じた寸法で設定できる。また、第3重畳板68にはブリッジ部59A~59Dに対応する切欠部68cが設けられている。よって、第3重畳板68に隣接した第2重畳板66の上下方向の寸法を、希望に応じた大きさで設定できる。その結果、他の物品の荷重を第2重畳板66で確実に受けることができる。
補強部材50の外端板51には把持孔70Aが設けられており、本体30の端板31と補強部材50の外端板51との間には空隙部63が設けられている。この空隙部63の間隔は、ブリッジ部59A~59Dによって希望に応じた寸法(例えば28mm)に設定できる。つまり、本体30の端板31と補強部材50の外端板51との間に、把持孔70Aに手を差し込んで持ち運ぶ際に必要な空隙部63を確保できる。よって、緩衝材20を用いて包装した物品1を持ち運ぶ際の作業性を向上できる。
本体30は、上板32の内面側に、物品1に対応する打抜部42が形成された上側内板38を備える。この打抜部42によって上側内板38への物品1の干渉を防止できるため、上側内板38を含む上板32が内側から外側へ変形すること、及び上板32の変形に伴う側板36の変形を防止できる。
(第2実施形態)
図12は第2実施形態の緩衝材20を示し、図13は図12の補強部材50のブランクを示す。図12を参照すると、第2実施形態の緩衝材20は、一対の第3重畳板68のX方向の寸法を、Z方向に互いに重なり合う大きさで形成した点で、第1実施形態の緩衝材20と相違する。図13を参照すると、一対の第3重畳板68には、把持孔70A,70Bに連通する把持孔70Cがそれぞれ形成されている。
このように構成した緩衝材20の端壁21は、本体30の端板31、補強部材50の内端板58、一対の第3重畳板68、及び外端板51によって構成された五層構造である。つまり、本体30の端板31の外側には、他の物品の荷重を受けることが可能な四層の補強材が配置されている。また、これらの補強材における段ボールシート10の段方向は、いずれも上下方向(Y方向)である。よって、本体30の端板31の外側での圧縮強度を、第1実施形態よりも更に向上できる。
(第3実施形態)
図14は第3実施形態の緩衝材20を示し、図15は図14の補強部材50のブランクを示す。図14及び図15を参照すると、第3実施形態の緩衝材20は、側壁25を構成する第2重畳板66(図5及び図9参照)、及び端壁21を構成する第3重畳板68(図5及び図9参照)を設けていない点で、第1実施形態の緩衝材20と相違する。なお、端壁21を構成する第3重畳板68のみを設けずに、側壁25を構成する第2重畳板66は設けてもよい。
このように構成した緩衝材20の端壁21は、本体30の端板31、補強部材50の内端板58、及び外端板51によって構成された三層構造である。また、緩衝材20の側壁25は、本体30の側板36、補強部材50の第1重畳板64、外側板52、及び内側板54によって構成された四層構造である。つまり、本体30の端板31の外側には、他の物品の荷重を受けることが可能な二層の補強材が配置され、本体30の側板36の外側には、他の物品の荷重を受けることが可能な二層の補強材が配置されている。また、これらの補強材における段ボールシート10の段方向は、いずれも上下方向(Y方向)である。よって、本体30の上板32に他の物品の荷重が加わることを大幅に低減ないし防止できるため、緩衝材20の変形を大幅に低減ないし防止できる。
(第4実施形態)
図16は第4実施形態の緩衝材20を示し、図17は図16の補強部材50のブランクを示す。図16及び図17を参照すると、第4実施形態の緩衝材20は、側壁25を構成する第1重畳板64と第2重畳板66(図5及び図9参照)、及び端壁21を構成する内端板58と第3重畳板68(図5及び図9参照)を設けていない点で、第1実施形態の緩衝材20と相違する。また、補強部材50のうち、外端板51は本体30の端板31の外側に重ねて配置され、外側板52は本体30の側板36の外側に重ねて配置されている。
このように構成した緩衝材20の端壁21は、本体30の端板31、及び補強部材50の外端板51によって構成された二層構造である。また、緩衝材20の側壁25は、本体30の側板36、補強部材50の外側板52、及び内側板54によって構成された三層構造である。つまり、本体30の端板31の外側には、他の物品の荷重を受けることが可能な一層の補強材が配置され、本体30の側板36の外側には、他の物品の荷重を受けることが可能な一層の補強材が配置されている。また、これらの補強材における段ボールシート10の段方向は、いずれも上下方向(Y方向)である。よって、本体30の上板32に他の物品の荷重が加わることを大幅に低減ないし防止できるため、緩衝材20の変形を大幅に低減ないし防止できる。
(比較例)
図18から図20は第1比較例の緩衝材100を示し、図21から図23は第2比較例の緩衝材200を示し、図24から図26は第3比較例の緩衝材300を示す。緩衝材100,200,300はいずれも、本体110,210,310と、本体110,210,310の内側に配置される補強部材120,220,320とを備える。
(第1比較例の構成)
図18及び図19を参照すると、第1比較例の本体110は、四角形状の端板111を備える。端板111のY方向の一端には上板112が立設され、端板111のY方向の他端には下板113が立設されている。端板111のX方向両端にはそれぞれ外側板114が立設されている。外側板114には、連続部115を介して外側板114の内面側に重ねて配置される内側板116が連設されている。また、上板112と下板113それぞれのX方向両端には、外側板114と内側板116の間に差し込まれる差込板117がそれぞれ連設されている。
図18及び図20を参照すると、第1比較例の補強部材120は、端板111の内面側に配置される内端板121を備える。内端板121のX方向両端にはそれぞれ、内端板121と端板111の間に配置される第1重畳板122と第2重畳板123が、この順で連設されている。内端板121のY方向両端にはそれぞれ、上板112と下板113の内面側に配置される内板124が連設されている。内板124のX方向両端にはそれぞれ、内板124と上板112の間、及び上板112と下板113の間に配置される第1重畳板125と第2重畳板126が、この順で連設されている。
本体110と補強部材120とで構成された緩衝材100の端壁101は、本体110の端板111、補強部材120の内端板121、第1重畳板122、及び第2重畳板123によって構成された四層構造である。緩衝材100の上壁102は、本体110の上板112、補強部材120の内板124、第1重畳板125、及び第2重畳板126によって構成された四層構造である。緩衝材100の下壁103は、本体110の下板113、補強部材120の内板124、第1重畳板125、及び第2重畳板126によって構成された四層構造である。緩衝材100の側壁104は、本体110の外側板114、内側板116、及び差込板117によって構成された三層構造である。
(第2比較例の構成)
図21及び図22を参照すると、第2比較例の本体210は、第1比較例の本体110と同様に、端板211、上板212、下板213、外側板214、連続部215、内側板216、及び差込板217を備える。
図21及び図23を参照すると、第2比較例の補強部材220は、端板211の内面側に配置される内端板221を備える。内端板221のX方向両端にはそれぞれ、内側板216の内面側に配置される第1重畳板222と第2重畳板223が、この順で連設されている。第2重畳板223の先端には、内端板221と本体210の端板211との間に配置される第3重畳板224が更に連設されている。内端板221のY方向両端にはそれぞれ、上板212と下板213の内面側に配置される内板225が連設されている。
本体210と補強部材220とで構成された緩衝材200の端壁201は、本体210の端板211、補強部材220の内端板221、及び第3重畳板224によって構成された三層構造である。緩衝材200の上壁202は、本体210の上板212、及び補強部材220の内板225によって構成された二層構造である。緩衝材200の下壁203は、本体210の下板213、及び補強部材220の内板225によって構成された二層構造である。緩衝材200の側壁204は、本体210の外側板214、内側板216、差込板217、補強部材220の第1重畳板222、及び第2重畳板223によって構成された五層構造である。
(第3比較例の構成)
図24及び図25を参照すると、第3比較例の本体310は、第1比較例の本体110と同様に、端板311、上板312、下板313、外側板314、連続部315、及び内側板316、及び差込板317を備える。そのうち、差込板317は、補強部材320の後述する内板325と第1重畳板322の間を通して、第1重畳板322と内側板316の間に配置される点で、第1比較例の差込板117と相違する。
図24及び図26を参照すると、第3比較例の補強部材320は、端板311の内面側に配置される内端板321を備える。内端板321のX方向両端にはそれぞれ、差込板317の外面側に配置される第1重畳板322と第2重畳板323が、この順で連設されている。第2重畳板323の先端には、内端板321と本体310の端板311との間に配置される第3重畳板324が更に連設されている。内端板321のY方向両端にはそれぞれ、上板312と下板313の内面側に配置される内板325が連設されている。
本体310と補強部材320とで構成された緩衝材300の端壁301は、本体310の端板311、補強部材320の内端板321、及び第3重畳板324によって構成された三層構造である。緩衝材300の上壁302は、本体310の上板312、及び補強部材320の内板325によって構成された二層構造である。緩衝材300の下壁303は、本体310の下板313、及び補強部材320の内板325によって構成された二層構造である。緩衝材300の側壁304は、本体310の外側板314、内側板316、差込板317、補強部材320の第1重畳板322、及び第2重畳板323によって構成された五層構造である。
第1実施形態の緩衝材20、第1比較例の緩衝材100、第2比較例の緩衝材200、及び第3比較例の緩衝材300を用意し、これらに対して上方から一定の荷重を加え、圧縮強度と変位量を比較した。これらの緩衝材のX方向の寸法、Y方向の寸法、及びZ方向の寸法は、全て同じである。また、緩衝材を構成する段ボールシートの素材も全て同じである。
その結果、圧縮強度は、第1比較例の緩衝材100が最も低く、第2比較例の緩衝材200、第3比較例の緩衝材300の順で高くなり、第1実施形態の緩衝材20が最も高いことを示した。第1比較例の緩衝材100の圧縮強度を「1」とすると、第2比較例の緩衝材200は1.31倍の圧縮強度を有し、第3比較例の緩衝材300は1.38倍の圧縮強度を有し、第1実施形態の緩衝材20は1.46倍の圧縮強度を有することを確認できた。つまり、本体30の外側に補強部材50を配置した本発明の緩衝材20の圧縮強度は、本体110,210,310の内側に補強部材120,220,320を配置した比較例の緩衝材100,200,300の圧縮強度よりも強い。
変位量は、第2比較例の緩衝材200が最も大きく、第1比較例の緩衝材100、第3比較例の緩衝材300の順で小さくなり、第1実施形態の緩衝材20が最も小さいことを示した。第1比較例の緩衝材100の変位量を「1」とすると、第2比較例の緩衝材200は1.1倍の変位量であり、第3比較例の緩衝材300は0.98倍の変位量であり、第1実施形態の緩衝材20は0.28倍の変位量であることを確認できた。つまり、本体30の外側に補強部材50を配置した本発明の緩衝材20の変位量は、本体110,210,310の内側に補強部材120,220,320を配置した比較例の緩衝材100,200,300の変位量よりも少ない。
なお、本発明の緩衝材20は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、補強部材50のうち、本体30の側板36の外側に配置する重畳板の数は、必要に応じて変更が可能である。また、本体30の端板31の外側に配置する重畳板の数も、必要に応じて変更が可能である。
本体30は、上板32、下板34及び側板36と端板31との間に面取り板部を備えていてもよいし、上板32及び下板34と側板36との間に面取り板部を備えていてもよい。また、上板32と下板34には、内板38,43を連設しなくてもよい。つまり、本体30は、端板31、上板32、下板34、及び側板36を備えていれば、その他の構成は必要に応じて変更が可能である。
緩衝材20には、把持孔を設けなくてもよい。また、補強部材50には、分解操作用の切欠部54aを設けなくてもよい。
包装体15は、スリーブ16と一対の緩衝材20を備える構成を例に挙げて説明したが、物品によってはスリーブ16を用いることなく緩衝材20のみを用いて、物品を保護してもよい。
緩衝材20の素材は、紙製の段ボールシートに限らず、樹脂製の段ボールシートであってもよい。
1…物品
10…段ボールシート
11…表ライナ(第1ライナ)
12…裏ライナ(第2ライナ)
13…中しん
13a…凸条
13b…凹条
15…包装体
16…スリーブ
20…緩衝材
21…端壁
22…外周壁
23…上壁
24…下壁
25…側壁
26…開口
30…本体
31…端板
32…上板
33…折曲部
33’…折曲線
33a…切断線
33b…汎用罫線
34…下板
35…折曲部
35’…折曲線
35a…切断線
35b…汎用罫線
36…側板
37…折曲部
37’…折曲線
38…上側内板
39…連続部
40…折曲部
40’…折曲線
41…折曲部
41’…折曲線
42…打抜部
43…下側内板
44…連続部
45…折曲部
45’…折曲線
46…折曲部
46’…折曲線
47…差込板
48…折曲部
48’…折曲線
48a…切断線
48b…汎用罫線
50…補強部材
51…外端板
51a…第1端
51b…第2端
52…外側板
52a…第1端
52b…第2端
53…折曲部
53’…折曲線
54…内側板
54a…切欠部
55…連続部
55a…第1端
55b…第2端
56…折曲部
56’…折曲線
56a…汎用罫線
56b…切断線
57…折曲部
57’…折曲線
57a…汎用罫線
57b…切断線
58…内端板
58a…第1端
58b…第2端
59A~59D…ブリッジ部
60…切断線
61a,61c,61e,61g…第1端
61b,61d,61f,61h…第2端
61a’~61h’…折曲線
62a~62e…切断線
63…空隙部
64…第1重畳板
64a…第1端
64b…第2端
65…折曲部
65’…折曲線
65a…汎用罫線
65b…切断線
66…第2重畳板
66a…第1端
66b…第2端
67…折曲部
67’…ブリッジ部
67a…切断線
67b…折曲線
67c…切断線
68…第3重畳板
68a…第1端
68b…第2端
68c…切欠部
68d…先端
69…折曲部
69’…折曲線
69a…汎用罫線
69b…切断線
70A~70C…把持孔

Claims (10)

  1. 第1ライナと、前記第1ライナと間隔をあけて位置する第2ライナと、前記第1ライナと前記第2ライナの間に配置され、前記第1ライナに向けて突出する凸条及び前記第2ライナに向けて窪む凹条を交互に繰り返す波状の中しんとを有する段ボールシートからなり、物品に嵌め込む本体と、前記本体の外側に配置された補強部材とを備える緩衝材であって、
    前記本体は、
    上下方向に延びる端板と、
    前記端板の上端に設けられ、前記端板に対して折り曲げられた上板と、
    前記端板の下端に設けられ、前記上板に沿って延びる下板と、
    前記端板の幅方向の端に設けられ、前記端板に対して折り曲げられた側板と
    を備え、
    前記補強部材は、
    前記本体の前記端板に沿って外側に配置された外端板と、
    前記外端板の幅方向の端に連なり、前記本体の前記側板に沿って外側に配置された外側板と、
    前記外側板に連なり、前記本体の前記側板に沿って内側に配置された内側板と
    を備え、
    前記補強部材の前記外端板、前記外側板及び前記内側板に対して、前記中しんの前記凸条と前記凹条は上下方向に延びている、緩衝材。
  2. 前記本体の前記側板は、前記端板の幅方向の両端に一対設けられ、
    前記補強部材の前記外側板と前記内側板は、前記外端板の幅方向の両端に一対設けられている、
    請求項1に記載の緩衝材。
  3. 前記補強部材の前記外側板の上下方向の寸法は、前記本体の前記端板の上下方向の寸法以上である、請求項1又は2に記載の緩衝材。
  4. 前記補強部材は、前記外端板の上下方向の一端側に連なり、前記外端板と前記本体の前記端板との間に配置された内端板を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の緩衝材。
  5. 前記補強部材は、前記内端板の幅方向の端に連なり、前記外側板と前記本体の前記側板との間に配置された第1重畳板を備える、請求項4に記載の緩衝材。
  6. 前記補強部材は、前記第1重畳板に連なり、前記第1重畳板と前記外側板との間に配置された第2重畳板を備える、請求項5に記載の緩衝材。
  7. 前記補強部材は、前記第2重畳板に連なり、前記外端板と前記内端板との間に配置された第3重畳板を備える、請求項6に記載の緩衝材。
  8. 前記外端板と前記内端板は、ブリッジ部を介して互いに連なっており、
    前記第3重畳板には、前記ブリッジ部に対応する切欠部が設けられている、
    請求項7に記載の緩衝材。
  9. 前記補強部材の前記外端板には把持孔が設けられており、
    前記本体の前記端板と前記補強部材の前記外端板とは間隔をあけて位置し、これらの間には空隙部が設けられている、請求項8に記載の緩衝材。
  10. 前記本体は、前記上板の内面側に配置され、前記物品の形状に対応する打抜部が形成された上側内板を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の緩衝材。
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