JP2022131433A - 縫製データ編集装置、縫製データ編集プログラム、及びミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】ミシンを用いてカウチングを行う場合に、模様の角部において紐状部材が被縫製物上に縫い付けられる可能性を従来よりも向上させた縫製データを生成するよう構成された縫製データ編集装置、縫製データ編集プログラム、及びミシンを提供すること。【解決手段】カウチングをミシンを用いて行うための縫製データを編集する縫製データ編集装置は、所定模様に沿った複数の点の各々の位置を示す座標データを取得し、複数の点の各々の座標データに基づき、所定模様における、所定角度よりも小さい角部を検出し(S35)、複数の点の各々の座標データと、角部検出部の検出結果とに基づき、所定模様の内の、角部に対応する複数の第一針落ち点と、角部として検出されなかった非角部に対応する複数の第二針落ち点とで、互いに異なる編集条件を用いて縫製データを編集する(S37、S39、S40)。【選択図】図6

Description

本発明は、縫製データ編集装置、縫製データ編集プログラム、及びミシンに関する。
毛糸、飾り糸、及びリボン等の紐状部材を被縫製物に縫い止めることで、被縫製物上に模様を描くカウチングを、ミシンを利用して行うための縫製データを生成する縫製データ編集装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。該縫製データ編集装置は、模様を表す画像データから、通常の刺繍を行うための縫製データと、カウチングを行くための縫製データとの両方を生成できる。縫製データ編集装置は、紐状部材の太さ及び種類の入力を受け付け、入力結果に対応したステッチピッチ及びステッチ幅の装飾ステッチデータを生成する。
特開2009-233435号公報
上記従来の縫製データ編集装置で生成された縫製データを用いミシンでカウチングを行う場合、模様の角部において紐状部材が被縫製物上に縫い付けられないことがある。
本発明は、ミシンを用いてカウチングを行う場合に、模様の角部において紐状部材が被縫製物上に縫い付けられる可能性を従来よりも向上させた縫製データを生成するよう構成された縫製データ編集装置、縫製データ編集プログラム、及びミシンを提供することである。
本発明の第一態様に係る縫製データ編集装置は、所定模様に沿って紐状部材と被縫製物とを貫通する複数の縫目を形成することで、前記紐状部材を前記被縫製物に直接縫いつけたカウチングをミシンを用いて行うための縫製データを編集する縫製データ編集装置において、前記所定模様に沿った複数の点の各々の位置を示す座標データを取得する取得部と、前記複数の点の各々の前記座標データに基づき、前記所定模様における、所定角度よりも小さい角部を検出する角部検出部と、前記複数の点の各々の前記座標データと、前記角部検出部の検出結果とに基づき、前記所定模様の内の、前記角部に対応する複数の第一針落ち点と、前記角部として検出されなかった非角部に対応する複数の第二針落ち点とで、互いに異なる編集条件を用いて前記縫製データを編集する編集部とを備える。第一態様の縫製データ編集装置は、模様の内の角部と非角部とで異なる条件を用いて縫製データを編集できる。縫製データ編集装置によれば、ユーザは編集条件を適切に設定することで、所定模様の角部と非角部とで編集条件が互いに同じである場合に比べ、角部において紐状部材が被縫製物からはがれにくく、且つ、見栄えが良いカウチング模様を得ることができる。
本発明の第二態様に係る縫製データ編集プログラムは、第一態様の縫製データ編集装置のコンピュータを動作させるための指示を含む。第二態様の縫製データ編集プログラムは、縫製データ編集装置のコンピュータによって実行されることにより、第一態様の縫製データ編集装置と同様の効果を奏する。
本発明の第三態様に係るミシンは、被縫製物を第一方向、及び前記第一方向に直交する第二方向に移動するよう構成された移動機構と、下端に縫針を装着可能な針棒を有し、前記針棒を上下方向に往復駆動する針棒機構と、第一態様の縫製データ編集装置と、前記縫製データ編集装置が編集した前記縫製データに従って、前記移動機構と、前記針棒機構とを駆動して、カウチングを行う縫製制御部とを備える。第三態様のミシンは、模様の角部と非角部とで異なる条件を用いて縫製データを編集でき、編集された縫製データに基づき、カウチングを実行できる。ミシンによれば、ユーザは編集条件を適切に設定することで、模様の角部と非角部とで編集条件が互いに同じである場合に比べ、角部において紐状部材が被縫製物からはがれにくく、且つ、見栄えが良いカウチング模様を得ることができる。
押え装置2及び移動機構40が装着されたミシン1の斜視図である。 押え装置2の斜視図である。 ミシン1の電気的構成を示すブロック図である。 メイン処理のフローチャートである。 メイン処理で参照されるテーブル87、及び画面100、110、120の説明図である。 図4のメイン処理で実行される縫製データ編集処理のフローチャートである。 図6の縫製データ編集処理で模様Jの縫製データE1が編集される過程の説明図である。 図6の縫製データ編集処理で実行される第一編集処理のフローチャートである。 図6の縫製データ編集処理で実行される第二編集処理のフローチャートである。 図6の縫製データ編集処理で実行される第三編集処理のフローチャートである。 図6の縫製データ編集処理で変形例の模様Fの縫製データE2が編集される過程の説明図である。
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1を参照して、押え装置2及び移動機構40が装着されたミシン1の物理的構成を説明する。図1の上下方向、右下側、左上側、左下側、及び右上側が、各々、押え装置2及び移動機構40が装着されたミシン1の上下方向、前方、後方、左方、及び右方である。ベッド部11及びアーム部13の長手方向がミシン1の左右方向である。脚柱部12が配置されている側が右側である。脚柱部12の伸長方向がミシン1の上下方向である。
図1に示すように、ミシン1は、ベッド部11、脚柱部12、アーム部13、及び頭部14を備える。ベッド部11は、左右方向に延びるミシン1の土台部である。脚柱部12は、ベッド部11の右端部から上方へ立設されている。アーム部13は、ベッド部11に対向して脚柱部12の上端から左方へ延びる。頭部14は、アーム部13の左先端部に連結する部位である。
ミシン1は、ベッド部11内に、図3に示す送り歯57、送り機構58、及び釜機構56等を備える。送り歯57は、刺繍縫製ではない通常の縫製時に、送り機構58によって駆動され、被縫製物を所定の移動量で移動させる。釜機構56は、ベッド部11の上面に設けられた針板17の下方において上糸(図示略)を下糸(図示略)に絡ませる。釜機構56は、後述のミシンモータ48、主軸49、及び針棒機構55と共に、被縫製物に縫目を形成する縫製部70を構成する。
脚柱部12の前面には、LCD15が設けられている。LCD15は、コマンド、イラスト、設定値、及びメッセージ等の様々な項目を含む画像を表示する。LCD15の前面側には、押圧された位置を検知可能なタッチパネル26が設けられている。ユーザが、指又はスタイラスペン(図示略)を用いてタッチパネル26の押圧操作を行うと、タッチパネル26は押圧位置を検知する。ミシン1の制御部80(図3参照)は、検知された押圧位置に基づき、画像中で選択された項目を認識する。脚柱部12は、内部にミシンモータ48を備える。
アーム部13の上部には、開閉可能なカバー16が設けられる。図1は、カバー16が開かれた状態を示す。カバー16が閉じられた場合のカバー16の下方(つまり、アーム部13の内部)には、糸収容部18が設けられる。糸収容部18は、上糸が巻回された糸駒20を収容可能である。開かれた状態のカバー16は、糸立装置10を取り外し可能に装着できる。糸立装置10は、2つの糸駒を保持可能であり、且つ、それぞれ糸駒から供給される上糸をミシン1の縫針7に向けて案内できる。カウチング模様縫製時には、糸立装置10は、毛糸及び飾り紐等の紐状部材Cを紐状部材Cの供給源(図示略)から押え装置2に向けて案内できる。紐状部材Cの供給源は、例えば、紐状部材Cを巻回したロール等であり、開かれた状態のカバー16の糸収容部18の右方、又はミシン1の近傍に配置される。アーム部13内部には、左右方向に延びる主軸49(図3参照)が設けられている。主軸49は、ミシンモータ48により回転駆動される。アーム部13の前面左下部には、スタート/ストップスイッチ29を含む各種スイッチが設けられている。スタート/ストップスイッチ29は、ミシン1の運転を開始又は停止させる、即ち、縫製開始又は停止の指示を入力するのに使用される。
頭部14には、針棒6、針棒機構55(図3参照)、押え棒8、及び撮影部69(図3参照)等が設けられる。針棒6は上下方向に延びる。針棒6の下端には、縫針7が取り外し可能に装着される。針棒機構55は、主軸49の回転により、針棒6を上下方向に往復駆動させる。押え棒8は針棒6の後方において上下方向に延びる。押え棒8の下端部には、押え装置2が取り外し可能に取り付けられる。押え装置2は、刺繍枠50を用いた刺繍縫製時に、針棒6の上下動と同期して間欠的に被縫製物を押える。押え装置2の詳細は後述する。撮影部69は、頭部14の内部に設けられる。撮影部69は、針棒6の下方を含む所定の撮影範囲を撮影可能に配置され、撮影範囲を撮影した画像データを生成可能である。撮影部69は、例えば、周知のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。撮影部69が生成した画像データによって表される画像の座標系(以下、「画像座標系」ともいう。)と、空間全体の座標系(以下、「ワールド座標系」ともいう。)とは、フラッシュメモリ84(図2参照)に記憶されたパラメータによって予め関連づけられている。ワールド座標系と刺繍座標系とは、フラッシュメモリ84に記憶されたパラメータによって予め関連づけられている。故にミシン1は、撮影部69が生成した画像データに基づき、刺繍座標系の座標で表される縫目の形成位置と、被縫製物とを重ね合わせた合成画像を生成する処理を実行可能である。カバー16が開かれた状態において、ガイド部材30は頭部14の左方に取り外し可能に装着される。ガイド部材30は、上下方向に延び、紐状部材Cを押え装置2に向けて案内できる。
移動機構40は、ミシン1のベッド部11に対して取り外し可能に装着される。移動機構40は、本体部41、キャリッジ42、及びホルダを備える。本体部41は、図3に示す、X移動機構37及びXモータ36を内部に備える。X移動機構37は、キャリッジ42を左右方向(X方向)に移動させる。Xモータ36は、X移動機構37を駆動する。キャリッジ42は本体部41に対し左右方向に移動可能である。キャリッジ42は、図3に示す、Y移動機構39、及びYモータ38を備える。Y移動機構39は、ホルダを前後方向(Y方向)に移動させる。Yモータ38は、Y移動機構39を駆動する。ホルダは、キャリッジ42の右方において、キャリッジ42に対し前後方向に移動可能に支持される。ホルダは、シート状の被縫製物(例えば、加工布)を保持する刺繍枠50を取り外し可能に装着する。刺繍枠50は、第一枠51及び第二枠52を備え、第一枠51と第二枠52とで被縫製物を挟持できる。刺繍枠50を用いた刺繍縫製時には、移動機構40は、キャリッジ42のホルダに装着された刺繍枠50を、固有のXY座標系(刺繍座標系)で示される位置に移動可能である。刺繍座標系では、例えば、ミシン1の右方、左方、後方、及び前方は各々、Xプラス方向、Xマイナス方向、Yプラス方向、及びYマイナス方向である。
図2を参照して、押え装置2を説明する。押え装置2は、移動機構40に装着された刺繍枠50を用いてカウチング模様を縫製する時に使用される、金属製の押え装置である。押え装置2は、取付体3、調整部材4、及び押え体5を備える。押え装置2は、更に、抑制体9、及び回転止め部材(図示略)を備える。
取付体3は、取付部31、支持部32、33、ガイド21、及び軸47を備える。取付部31は、ミシン1が有する、上下方向に延びる押え棒8に取り付けられる。取付部31は、上下方向に延び、凹部34、35を有する。凹部34は取付部31の右端部から左方に凹んだ部位である。凹部34は、取付部31の上端まで延びる。凹部35は、取付部31の上下方向略中心付近において、前端から後方に凹んだ部位である。凹部35は凹部34と連通する。押え装置2は、凹部34に押え棒8を配置した状態で、凹部35に挿通した左右方向に延びるネジ67(図1参照)が押え棒8に設けたネジ孔に螺合されることで、押え棒8に取り外し可能に装着される。支持部32は、取付部31の後方において前後方向に延びる直方体状である。支持部32は支持部32の上端から下方に凹んだ孔に、ガイド21の下端を挿通した状態で、ガイド21を支持する。
ガイド21は、後述の押え体5の挿通孔60に対し、左方から挿通孔60に紐状部材Cを案内できる。ガイド21は、棒状の金属部材を屈曲させた部材であり、装着部22、支持部23、及びループ部24を備える。装着部22は、上下方向に延びる。装着部22の下端は支持部32に支持される。支持部23は、左右方向に延びる部分である。ループ部24は、ループ部24の右端から平面視反時計回りに円状に折り曲げられた部位である。ループ部24の他端25は、上下方向において、支持部23よりも上方に位置する。ループ部24は挿通孔60の左やや後方に位置する。カウチング模様縫製時、ループ部24によって囲まれる孔には、紐状部材Cが挿通される。平面視において、ループ部24によって囲まれる円の中心と、押え体5の挿通孔60の中心との間の前後方向の長さは、ループ部24によって囲まれる円の中心と、押え体5の挿通孔60の中心との間の左右方向の長さよりも小さい。軸47は、前後方向と交差する左右方向に延びる棒状の部材である。
調整部材4は、軸47の右端側と螺合する。調整部材4は、調整部材4の回転に応じて、押え体5と調整部材4との左右方向の相対位置を同じ位置に維持した状態で、取付体3の軸47と調整部材4との左右方向の相対位置を変更する。調整部材4は第一壁部44、第二壁部45、及び係合部46を有する。調整部材4は、第一壁部44と、第二壁部45との間において後述の抑制体9と係合する。係合部46は、調整部材4の右端に設けられる。係合部46は、第二壁部45の右側に配置され、調整部材4を回転させるための治具と係合する溝を有する。
押え体5は、調整部材4の回転に応じて、軸47に沿って取付体3に対し左右方向に移動するよう構成される。押え体5は、装着部65及び押え部59を備える。装着部65は、押え体5を取付体3に装着する部位である。装着部65は、左壁53、右壁54、及び後壁を有する。左壁53及び右壁54は、左右方向に貫通し、軸47を挿通する挿通部を有する。左壁53及び右壁54の挿通部に軸47が挿通された状態では、取付体3の支持部33は、左壁53と右壁54との間に配置される。
押え部59は、装着部65の前下方から前方に延びる。押え部59は、挿通孔60を有する。挿通孔60は、押え部59の前端部に設けた平面視円状の貫通孔である。挿通孔60には、針棒6の下端に装着された縫針7と、ガイド21のループ部24を経た紐状部材Cとが挿通される。押え棒8(取付体3)に対する挿通孔60の左右方向の位置は、調整部材4により調整可能である。抑制体9は、調整部材4と当接して調整部材4の回転を抑制する。抑制体9は、第一壁部44と、第二壁部45との間において調整部材4と係合する。抑制体9は、ネジ62により押え体5に固定される。つまり、調整部材4は、抑制体9を介し、押え体5に回転可能に固定される。回転止め部材は、取付体3に接続され、軸47を中心とした押え体5の回転を規制する。回転止め部材は、前後方向に延びるピンであり、取付体3に後方から接続する。
図3を参照して、ミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1の制御部80は、CPU81、ROM82、RAM83、フラッシュメモリ84、入出力インターフェイス(I/O)85、及び駆動回路91から95を備える。CPU81はバス86を介して、ROM82、RAM83、フラッシュメモリ84、及び入出力I/O85と接続されている。
CPU81は、ミシン1の主制御を司り、ROM82に記憶された各種プログラムに従って、縫製に関わる各種演算及び処理を実行する。ROM82は、図示しないが、プログラム記憶エリアを含む複数の記憶エリアを備える。プログラム記憶エリアには、ミシン1を動作させるための各種プログラム(例えば、後述のメイン処理を実行させるためのプログラム)が記憶されている。RAM83には、CPU81が演算処理した演算結果等を収容する記憶エリアが設けられる。フラッシュメモリ84には、ミシン1が各種処理を実行するための各種パラメータ等が記憶されている。入出力I/O85には、駆動回路91から95、タッチパネル26、スタート/ストップスイッチ29、及び撮影部69が接続されている。
駆動回路91には、ミシンモータ48が接続されている。駆動回路91は、CPU81からの制御信号に従って、ミシンモータ48を駆動する。ミシンモータ48の駆動に伴い、ミシン1の主軸49を介して針棒機構55が駆動され、針棒6が上下動する。駆動回路92には、送り量調整モータ28が接続されている。駆動回路93は、CPU81からの制御信号に従って液晶ディスプレイ(LCD)15を駆動することで、LCD15に画像を表示する。駆動回路94には、Xモータ36が接続されている。駆動回路95には、Yモータ38が接続されている。駆動回路94及び95は、各々、CPU81からの制御信号に従って、Xモータ36及びYモータ38を駆動する。Xモータ36及びYモータ38の駆動に伴い、制御信号に応じた移動量だけ、移動機構40に装着されている刺繍枠50が左右方向(X方向)及び前後方向(Y方向)に移動する。
図1から図3を参照して、押え装置2と、移動機構40とが装着されたミシン1でカウチング模様を縫製する場合の操作の一例を説明する。ユーザは通常の刺繍縫製と同様に上糸と下糸をミシン1に装着する。ユーザは被縫製物を保持した刺繍枠50を移動機構40に装着する。ユーザは押え棒8に押え装置2を取り付ける。ユーザは、治具を用いて調整部材4を左右方向周りに回転させて、押え棒8に対する挿通孔60の左右方向の位置を調整する。ユーザは紐状部材Cを糸立装置10、ガイド部材30、ループ部24に掛け、挿通孔60に上側から通す。ユーザは、カウチング模様を縫製するための縫製データを選択後、スタート/ストップスイッチ29を選択することで、縫製開始の指示を入力する。ミシン1の制御部80は縫製開始の指示を取得したことに応じて、縫製データに従って、移動機構40及び縫製部70を駆動し、紐状部材Cを被縫製物に縫い付けて被縫製物にカウチング模様を形成する。
図4から図10を参照して、ミシン1を用いてカウチングを行う場合に実行されるメイン処理を、星型の模様Jを縫製する具体例1、2を用いて説明する。メイン処理ではユーザが選択した縫製データの座標データ、又はユーザが指定した図形の座標データに基づき、縫製データを編集し、編集された縫製データに基づき刺繍枠50に保持された被縫製物に模様を縫製する処理が実行される。具体例1はユーザがタッチパネル26を操作して模様Jの頂点の位置を指定する例であり、具体例2はユーザがタッチパネル26を操作してフラッシュメモリ84に記憶された複数の縫製データの中から、模様Jの縫製データを指定する例である。メイン処理は、ユーザが処理を開始させる指示を入力した場合に起動される。制御部80は処理を開始する指示を検知すると、ROM82のプログラム記憶エリアに記憶されたメイン処理を実行するためのプログラムを、RAM83に読み出す。制御部80は、RAM83に読み出したプログラムに含まれる指示に従って、以下のステップを実行する。メイン処理を実行するのに必要な各種パラメータは、フラッシュメモリ84に記憶されている。メイン処理の過程で得られた各種データは、適宜RAM83に記憶される。図5及び図7の左右方向及び上下方向は各々、刺繍座標系のX方向及びY方向に対応する。メイン処理開始時には、被縫製物を保持する刺繍枠50が移動機構40に装着されている。
図4に示すように、制御部80は、タッチパネル26の出力に基づき座標指定指示を検出したかを判断する(S1)。ユーザはカウチングにより形成する模様の形状を指定する場合にタッチパネル26を操作して座標指定指示を入力する。座標指定指示が検出されていない場合(S1:NO)、制御部80は、縫製データ指定指示を取得したかを判断する(S7)。ユーザはミシン1に記憶された縫製データの中から、カウチングに用いる縫製データを選択する場合に、タッチパネル26を操作して縫製データ指定指示を入力する。縫製データ指定指示が検出されていない場合(S7:NO)、制御部80は縫製条件設定指示を検出したかを判断する(S11)。ユーザはカウチングを行う際の縫製条件を指定する場合にタッチパネル26を操作して縫製条件設定指示を入力する。縫製条件設定指示が検出されていない場合(S11:NO)、制御部80は後述のS20の処理を行う。
縫製条件設定指示が検出された場合(S11:YES)、制御部80はテーブル87を参照し、縫製条件の設定に用いられる画面100をLCD15に表示する(S12)。テーブル87はカウチングに用いる紐状部材Cの種類、太さ、柔らかさ、及び第二間隔K2等を対応付けて記憶する。紐状部材Cの柔らかさの評価方法は、予め定めればよく、例えば、整数を用いた評価値で表される。画面100は、欄101から105、及びキー106を含む。本例のミシン1はカウチングを行う時の縫製条件として、紐状部材Cの種類、第一間隔K1、角部編集方法、第二間隔変更の有無、及び第二間隔K2を設定できる。欄101は紐状部材Cの種類を表示する。紐状部材Cの種類は、紐状部材Cの材質、太さ、柔らかさ等により分類される。紐状部材Cの材質は、例えば毛糸、リボン、飾り紐等である。柔らかさは、例えば、整数で表される評価値である。欄102は、角部以外の部分である非角部を縫製する場合の送り量を第一間隔K1として表示する。本例のミシン1は、模様の内、鋭角の部分を角部として検出する。角部の範囲は、紐状部材Cの種類等を考慮して適宜設定されればよく、本例の角部は、鋭角の角に隣接する数針分の部分である。
欄103は、角部に対応する複数の第一針落ち点と、角部として検出されなかった非角部に対応する複数の第二針落ち点とで、互いに異なる編集条件を用いて縫製データを編集するために設定された角部編集方法を表示する。針落ち点は、縫製データによって示される、縫針7が被縫製物に刺さる予定の点である。本例のミシン1は、第一編集方法、第二編集方法、及び第三編集方法の何れかを角部編集方法として選択可能である。第一編集方法は、複数の第一針落ち点の内の縫製順序が前後する二つの第一針落ち点の間隔を非角部の第一間隔K1よりも短い第二間隔K2となるように縫製データを編集する方法である。第二編集方法は、角部となる注目点と、注目点に隣接する二つの点とを結ぶ三角形の内側に、一以上の針落ち点を設定し、注目点と離隔した複数の縫目を形成する縫製データに編集する方法である。第三編集方法は、複数の点の内、角部となる注目点に隣接する二つの点の縫製順序を入れ替えた縫製データに編集する方法である。
欄104は角部と非角部とで送り量を変更するか否かを設定する。角部の送り量を非角部の送り量よりも小さい値とする場合、ミシン1は第二間隔変更がONに設定され、角部の送り量を非角部の送り量と同じにする場合、第二間隔変更にOFFが設定される。欄105は、第二間隔変更がONである場合の、角部を縫製する際の送り量を第二間隔K2として表示する。キー106は、変更を確定する指示を入力する。
制御部80は、キー106の選択を検出したかにより、縫製条件が入力されたかを判断する(S13)。ユーザは欄101から105の縫製条件を適宜設定した後、タッチパネル26によりキー106を選択する。キー106の選択が検出されない場合(S13:NO)、制御部80は、キー106が選択されるまで待機する。キー106の選択が検出された場合(S13:YES)、制御部80は欄101から105の各縫製条件をフラッシュメモリ84に記憶して、縫製条件を設定する(S14)。制御部80は後述のS20の処理を行う。
具体例1では、座標指定指示が検出され(S1:YES)、制御部80は模様Jの頂点の位置を指定する画面110をLCD15に表示する(S2)。画面110は、欄111、及びキー112、113を含む。欄111は、ユーザがタッチパネル26を操作して指定した点を、入力順に結んだ模様Jを表示する。キー112は、欄111に点を追加する指示を入力する。キー113は、欄111に点を追加する処理を終了する指示を入力する。ユーザはタッチパネル26を操作して点の位置を指定後、キー112を選択する操作を複数回繰り返した後、キー113を選択する。制御部80は、ユーザはタッチパネル26の出力に基づき、点の位置を指定後、キー112を選択する操作を検出したかを判断する(S3)。点の位置を指定後、キー112を選択する操作が検出された場合(S3:YES)、制御部80は、検出された点の座標を取得し、点の座標と取得順とを記憶する(S4)。S4が複数回繰り返されることで、制御部80は、タッチパネル26を介してユーザによりLCD15上で任意に指定された複数の点の各々の座標データを取得する。点の位置を指定後、キー112を選択する操作が検出されない場合(S3:NO)、又はS4の次に、制御部80は、キー113の選択を検出したかを判断する(S5)。キー113の選択が検出されない場合(S5:NO)、制御部80は処理をS3に戻す。キー113の選択が検出された場合(S5:YES)、S4の処理で取得された複数の点の座標データに基づき、複数の点を取得順に直線で結んだ図形を所定の送り量で走り縫いするための縫製データを生成し、生成された縫製データを取得する(S6)。縫製データは、複数の針落ち点の各々の刺繍座標系で表される座標データを含む。
具体例2では縫製データ指定指示が検出され(S7:YES)、制御部80は縫製データを指定するための画面120をLCD15に表示する(S8)。画面120は、欄121、122、及びキー123を含む。欄121は、複数の模様のイメージを表示する。各模様のイメージは、例えば、フラッシュメモリ84に記憶されている縫製データに基づき表される。欄122は、欄121に表示された複数の模様の中から、選択された一つの模様のイメージを表示する。キー123は、欄122に表示中の模様の選択を確定する指示を入力する。ユーザは欄121に表示された複数の模様の中からタッチパネル26を用いて、1つの模様を選択後、キー123を選択する。制御部80はキー123の選択を検出したかを判断する(S9)。制御部80はキー123の選択が検出される迄待機する(S9:NO)。キー123の選択が検出された場合(S9:YES)、制御部80はフラッシュメモリ84を参照し、欄122に表示されている模様Jの縫製データを取得する(S10)。説明を簡単にするため、S6で生成された具体例1の縫製データと、S10で取得された具体例2の縫製データとは同じ縫製データE1である場合について説明する。図7に示すように、縫製データE1は、走り縫いの針落ち点の位置を示す座標データを含む。複数の針落ち点の各々は、模様Jに沿って第一間隔K1で配置される。縫製データを用いてカウチングを行う場合、縫製データに従って形成される縫目は紐状部材Cの幅方向の略中心に形成される。
S6又はS10の次に、制御部80は縫製データ編集処理を行う(S15)。縫製データ編集処理は、縫製データに含まれる複数の針落ち点の各々の座標データと、角部の検出結果とに基づき、模様Jの内の、角部に対応する複数の第一針落ち点と、角部として検出されなかった非角部に対応する複数の第二針落ち点とで、互いに異なる編集条件を用いて縫製データを編集する処理である。制御部80は複数の針落ち点の各々の座標データと、角部の検出結果とに基づき、S6又はS10で取得された縫製データを編集する。
図6に示すように、制御部80は、縫製データに含まれる座標データを縫製順に読み出すための変数Nに0を設定する(S31)。制御部80は、第一ベクトルV1を取得する(S32)。第一ベクトルV1は、縫製順がN番目の針落ち点PNから、(N+1)番目の針落ち点P(N+1)に向かうベクトルである。図7の部分J1に示すように、変数Nが0である時、0番目の針落ち点P0から、1番目の針落ち点P1にむかう第一ベクトルV1が取得される。制御部80は、第二ベクトルV2を取得する(S33)。第二ベクトルV2は、(N-1)番目の針落ち点P(N-1)から、N番目の針落ち点PNに向かうベクトルである。変数Nが0である時、且つ、変数Nが0である時の針落ち点P0の座標(X0,Y0)と、変数Nが縫製順序が最後の数Eの時の針落ち点PEの座標(XE,YE)とが一致する場合、(E-1)番目の針落ち点P(E-1)から、0番目(E番目)の針落ち点P0(点PE)にむかう第二ベクトルV2が取得される。点P0の座標(X0,Y0)と、点PEの座標(XE,YE)とが一致しない場合は、第二ベクトルV2は取得されず、S33の処理の次にS41の処理が実行されてもよい。
制御部80は、S32で取得された第一ベクトルV1と、S33で取得された第二ベクトルV2とがなす角度を算出し(S34)、算出された角度が閾値よりも小さいかを判断する(S35)。S35は複数の点の各々の座標データに基づき、模様Jにおける、閾値(所定角度)よりも小さい角部を検出するための処理である。閾値は予め設定されればよく、本例の閾値は、90度よりも小さい。つまり、本例の制御部80は模様Jの内、第一ベクトルV1と第二ベクトルV2とがなす角が鋭角である場合に、当該部分を角部として検出する。
変数Nが0である時、S34で算出された角度が閾値よりも小さいと判断され(S35:YES)、制御部80はフラッシュメモリ84を参照し、角部編集方法として第一編集処理が設定されているかを判断する(S36)。角部編集方法として、第一編集処理が設定されている場合(S36:YES)、制御部80は第一編集処理を行う(S37)。第一編集処理では、制御部80は、複数の針落ち点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、模様Jの内の、複数の第一針落ち点の内の縫製順序が前後する二つの第一針落ち点の間隔を第一間隔K1よりも短い第二間隔K2となるように縫製データを編集する。
図8に示すように、制御部80はフラッシュメモリ84に記憶された縫製条件を参照し、紐状部材Cの種類に基づき、紐状部材Cが柔らかいかを判断する(S51)。紐状部材Cが柔らかいかの判断方法は適宜設定されればよい。紐状部材Cの柔らかさが評価値で設定されている場合、例えば、制御部80は評価値が閾値よりも大きい場合に、柔らかいと判断してもよい。紐状部材Cが柔らかい場合(S51:YES)、制御部80は第二間隔K2に第一距離を設定する(S52)。紐状部材Cが柔らかくはない場合(S51:NO)、制御部80は第二間隔K2に第一距離よりも長い第二距離を設定する(S53)。第一距離及び第二距離は各々、第一間隔K1に応じて設定されてもよいし、第一間隔K1によらず所定の値が設定されてもよい。本例のミシン1では第一間隔K1が2mmである時、第一距離は例えば第一間隔K1の1/4の0.5mmに設定され、第二距離は例えば第一間隔K1の半分の1mmに設定される。
S52又はS53の次に、制御部80はS32で取得された第一ベクトルV1に対応する部分にS52又はS53で設定された第二間隔K2で一以上の針落ち点Q1を追加する(S54)。制御部80はS33で取得された第二ベクトルV2に対応する部分にS52又はS53で設定された一以上の第二間隔K2で針落ち点Q2を追加する(S55)。図7の部分J3では、点P0、点Q1、点P1、点P(E-1)、点Q2、点PEが角部に対応する複数の第一針落ち点の一例であり、点P2、点P3、点P(E-3)、点P(E-2)が非角部に対応する複数の第二針落ち点の一例である。制御部80は以上で第一編集処理を終了し、処理を図6の縫製データ編集処理に戻す。
角部編集方法として、第二編集処理が設定されている場合(S36:NO、S38:YES)、制御部80は第二編集処理を行う(S39)。第二編集処理では、制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、複数の針落ち点の内、角部となる注目点PNと、注目点PNに隣接する二つの点P(N+1)、P(N-1)とを結んだ三角形の内側に一以上の針落ち点を設定し、注目点PNと離隔した複数の縫目を形成する縫製データに編集する。
図9に示すように、制御部80はフラッシュメモリ84に記憶された縫製条件を参照し、第二間隔変更にONが設定されているかを判断する(S61)。第二間隔変更にONが設定されている場合(S61:YES)、制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、模様Jの内の、複数の第一針落ち点の内の縫製順序が前後する二つの第一針落ち点の間隔を第一間隔K1よりも短い第二間隔K2となるように縫製データを編集する。具体的には、制御部80は、S51の処理と同様に、紐状部材Cの種類に基づき、紐状部材Cが柔らかいかを判断する(S62)。紐状部材Cが柔らかい場合(S62:YES)、制御部80は第二間隔K2に第一距離を設定する(S64)。紐状部材Cが柔らかくはない場合(S62:NO)、制御部80は第二間隔K2に第一距離よりも長い第二距離を設定する(S65)。第二間隔変更がOFFに設定されている場合(S61:NO)、制御部80は第二間隔K2に第一間隔K1を設定する(S63)。
S63からS65の何れかの次に、制御部80は注目点PNに基づき基準点Kを設定する(S66)。制御部80は、N番目の針落ち点を注目点PNとし、注目点PNに隣接する二つの点、即ち、(N+1)番目の針落ち点P(N+1)と、(N-1)番目の針落ち点P(N-1)とを結ぶ線分を線分Lとする。制御部80は、注目点PNを通り、線分Lの垂直な線分上の点の内、点PNに対し線分L側とは反対側、且つ、点PNからの距離が所定距離(例えば、2mm)となる点を基準点Kとして設定する。所定距離は適宜定められればよく、第一間隔K1によらず一定の値であってもよいし、第一間隔K1に応じた値であってもよい。図7の部分J4に示すように、変数Nが0である時、且つ、変数Nが0である時の針落ち点P0と、縫製順が最後の針落ち点PEとが同じ座標である時、線分Lは点P(E-1)と点P1とを結ぶ線分である。
制御部80は、S66で設定された基準点Kと、針落ち点P(N+1)、針落ち点P(N-1)とに基づき、ベジェ曲線Bを設定する(S67)。ベジェ曲線Bの設定方法は公知であるので説明を省略する。制御部80は縫製データからN番目の針落ち点PNを削除し(S68)、S67で設定されたベジェ曲線B上にS63からS65の何れかで設定された第二間隔K2で針落ち点を追加する(S69)。S68、S69の処理により、注目点PNと、注目点PNに隣接する二点P(N+1)、P(N-1)とを結んだ三角形の内側に一以上の針落ち点が設定され、注目点PNと離隔した複数の縫目を形成する縫製データに編集される。図7の部分J6に示すように、変数Nが0である時、Q11からQ13が設定され、注目点と離隔した複数の縫目を形成する縫製データに編集される。点Q11と点P1とを結ぶ線分、点P(E-1)と点Q12とを結ぶ線分、点Q12と点Q13とを結ぶ線分がなす角の角度は何れも、S34で算出された注目点PNの角度よりも大きい。図7の部分J6では、点P1、点Q11からQ13、点P(E-1)が角部に対応する複数の第一針落ち点の一例であり、点P2、点P3、点P(E-3)、点P(E-2)が非角部に対応する複数の第二針落ち点の一例である。制御部80は以上で第二編集処理を終了し、処理を図6の縫製データ編集処理に戻す。
角部編集方法として、第三編集処理が設定されている場合(S36:NO、S38:NO)、制御部80は第三編集処理を行う(S40)。第三編集処理では、制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、複数の針落ち点の内、角部となる注目点PNに隣接する二つの点P(N+1)、P(N-1)の縫製順序を入れ替えた縫製データに編集する。
図10に示すように、制御部80はフラッシュメモリ84に記憶された縫製条件を参照し、第二間隔変更にONが設定されているかを判断する(S71)。第二間隔変更にOFFが設定されている場合(S71:NO)、制御部80は針落ち点P(N+1)と針落ち点P(N-1)との縫製順序を入れ替える(S78)。図7の部分J5に示すように、S78の処理により、模様Jの始点P0側では、点P0、点P(E-1)、点P2の順に縫製され、模様Jの終点PE側では点(E-2)、点P1、点PEの順に縫製されるように縫製順序が入れ替えられる。図7の部分J5では、点P0、点P(E-1)、点P1、点PEが角部に対応する複数の第一針落ち点の一例であり、点P2、点P3、点P(E-3)、点P(E-2)が非角部に対応する複数の第二針落ち点の一例である。
第二間隔変更がONに設定されている場合(S71:YES)、制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、模様Jの内の、複数の第一針落ち点の内の縫製順序が前後する二つの第一針落ち点の間隔を第一間隔K1よりも短い第二間隔K2となるように縫製データを編集する。具体的には、制御部80は、S51の処理と同様に、紐状部材Cの種類に基づき、紐状部材Cが柔らかいかを判断する(S72)。紐状部材Cが柔らかい場合(S72:YES)、制御部80は第二間隔K2第一距離に設定する(S73)。S52と、S64と、S73とで第一距離が互いに異なってもよいし、互いに同じであってもよい。紐状部材Cが柔らかくはない場合(S72:NO)、制御部80は第二間隔K2に第一距離よりも長い第二距離を設定する(S74)。S53と、S65と、S74とで第二距離が互いに異なってもよいし、互いに同じであってもよい。
S73又はS74の次に、制御部80はS78と同様に針落ち点P(N+1)と針落ち点P(N-1)との縫製順序を入れ替える(S75)。制御部80はS32で取得された第一ベクトルV1に対応する部分にS73又はS74で設定された第二間隔K2で針落ち点を追加する(S76)。制御部80はS33で取得された第二ベクトルV2に対応する部分にS73又はS74で設定された第二間隔K2で針落ち点を追加する(S77)。制御部80は以上で第三編集処理を終了し、処理を図6の縫製データ編集処理に戻す。
変数NがMである時、図7の部分J2に示すように、点PMから点P(M+1)に向かう第一ベクトルV1と、点P(M-1)から点PMに向かう第二ベクトルV2とがなす角の角度は閾値よりも小さくないと判断され(S35:NO)、制御部80は後述のS41の処理を実行する。S37、S39、及びS40の何れかの次に、制御部80は変数Nを更新する(S41)。制御部80は例えば、変数Nに所定数(例えば1)を加えて変数Nを所定数だけインクリメントする。制御部80は変数Nが縫製順序が最後の数Eよりも小さいかを判断する(S42)。変数Nが数Eよりも小さい場合(S42:YES)、制御部80は処理をS32に戻す。変数NがEよりも小さくはない場合(S42:NO)、制御部80は以上で縫製データ編集処理を終了し、処理をS4のメイン処理に戻す。
図4に示すようにS15の次に、制御部80は被縫製物を撮影する(S16)。具体的には、制御部80は移動機構40を制御して、移動機構40を撮影位置に移動する。撮影位置は、例えば、S15で編集された縫製データによって表される模様Jの形成予定位置の中心が、撮影部69の撮影範囲の中心となる位置である。制御部80は、撮影部69から出力される画像データを取得する(S16)。制御部80は、S15で編集された縫製データが示す複数の縫目を表す画像を、撮影部69が撮影した被縫製物を表す撮影画像に重ねて、LCD15に表示する(S17)。ユーザはLCD15を参照し、模様Jの仕上がりイメージを確認する。
制御部80はスタート/ストップスイッチ29の検出結果に基づき、S15で編集された縫製データに基づく縫製を開始させる縫製指示が検出されたかを判断する(S18)。制御部80は、縫製指示が検出されるまで待機する(S18:NO)。縫製指示が検出された場合(S18:YES)、制御部80は、縫製データ編集装置が編集した縫製データに従って、移動機構40と、針棒機構55とを駆動して、カウチングを行う(S19)。S19では、縫製データに従って紐状部材Cの幅方向の略中心に縫目が形成される。
制御部80はメイン処理を終了する指示を検出したかを判断する(S20)。ユーザはミシン1を用いてカウチングを行う処理を終了する場合に、タッチパネル26を用い終了指示を入力する。終了する指示が検出されていない場合(S20:NO)、制御部80は処理をS1に戻す。終了する指示が検出された場合(S20:YES)、制御部80は以上でメイン処理を終了する。尚、S20の処理では、ユーザによる終了指示を検知した場合の他に、縫製データに基づく縫製が終了した場合も肯定判断を行い制御部80はメイン処理を終了する。上記メイン処理により、具体例1、2の何れの場合も、S6又はS10で取得された縫製データの内の、模様Jの鋭角の5つの角部を表す座標データが、設定された角部編集方法に応じた編集方法で編集され、非角部を表す座標データには角部編集方法が適用されず、S6又はS10で取得された縫製データのままとなる。
上記実施形態において、ミシン1は、本発明の縫製データ編集装置及びミシンの一例である。S4、S6、S10の処理を実行する制御部80は本発明の取得部の一例である。S35の処理を実行する制御部80は、本発明の角部検出部に一例である、S15、S37、S39、S40の処理を実行する制御部80は、本発明の編集部の一例である。S51、S62、S72の処理を実行する制御部80は、本発明の特定部の一例である。S52、S53、S64、S65、S73、S74の処理を実行する制御部80は、本発明の設定部の一例である。移動機構40、針棒機構55、LCD15、タッチパネル26、及び撮影部69は各々、本発明の移動機構、針棒機構、表示部、入力部、及び撮影部の一例である。S19の処理を実行する制御部80は、本発明の縫製制御部の一例である。S17の処理を実行する制御部80は、本発明の表示制御部の一例である。
上記実施形態のミシン1は、模様Jに沿って紐状部材Cと被縫製物とを貫通する複数の縫目を形成することで、紐状部材Cを被縫製物に直接縫いつけたカウチングをミシン1を用いて行うための縫製データを編集する縫製データ編集装置としての機能を有する。ミシン1の制御部80は、模様Jに沿った複数の点の各々の位置を示す座標データを取得する(S4、S10)。制御部80は、複数の点の各々の座標データに基づき、模様Jにおける、所定角度よりも小さい角部を検出する(S35)。制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、模様Jの内の、角部に対応する複数の第一針落ち点と、角部として検出されなかった非角部に対応する複数の第二針落ち点とで、互いに異なる編集条件を用いて縫製データを編集する(S37、S39、S40)。ミシン1は、模様Jの角部と非角部とで異なる条件を用いて縫製データを編集できる。ミシン1によれば、ユーザは編集条件を適切に設定することで、模様Jの角部と非角部とで編集条件が互いに同じである場合に比べ、角部において紐状部材Cが被縫製物からはがれにくく、且つ、見栄えが良いカウチング模様を得ることができる。
角部を検出するための所定角度(閾値)は、90度よりも小さい。故に、ミシン1は、模様Jの内の角度が鋭角である部分を角部として検出でき、模様Jの角部と非角部とで、異なる編集条件を用いて縫製データを編集できる。ミシン1は、紐状部材Cが被縫製物からはがれやすいと想定される鋭角部分のみを角部として検出できる。
制御部80は、模様Jに沿って第一間隔K1で配置された複数の点の各々の座標データを取得する(S6、S10)。制御部80は、第一編集処理において、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、模様Jの内の、複数の第一針落ち点の内の縫製順序が前後する二つの第一針落ち点の間隔を第一間隔K1よりも短い第二間隔K2となるように縫製データを編集する(S37)。故に、ミシン1は、角部において模様Jに沿って局所的に針数を増やすという比較的簡単な処理により、角部において局所的に針数を増やさない場合に比べ、角部においてより確実に紐状部材Cを被縫製物に縫い付けることができる。具体例1、2では、縫製データによって形成される縫目は、紐状部材Cの幅方向の中心を通る走り縫いの縫目である。故にミシン1は、紐状部材Cを被縫製物に縫い付ける際に、紐状部材Cの幅から、縫目がはみ出しにくい。
制御部80は、模様Jに沿って第一間隔K1で配置された複数の点の各々の座標データを取得する(S6、S10)。制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、複数の針落ち点の内、角部となる注目点と、注目点に隣接する二つの点(隣接点)とを結んだ三角形の内部に一以上の針落ち点を設定し、注目点と離隔した複数の縫目を形成する縫製データに編集する(S39)。具体的には、制御部80は、注目点を模様Jの外側領域に所定距離移動し、移動後の注目点と二つの隣接点とに基づきベジェ曲線Bを設定する。制御部80はベジェ曲線B上に一以上の針落ち点を設定する。故に、ミシン1は、角部の角度を編集前よりも大きくできる一方、角部において局所的に針数が多くなることを防げるため、紐状部材Cが毛糸等の比較的柔らかい素材である場合に、素材のふんわり感を維持したまま角部において紐状部材Cを被縫製物により確実に縫い付けることができる。
制御部80は、模様Jに沿って第一間隔K1で配置された複数の点の各々の座標データを取得する。制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、複数の点の内、角部となる注目点に隣接する二つの点の縫製順序を入れ替えた縫製データに編集する(S40)。故に、ミシン1は、角部において局所的に針数が多くなることを防げるため、紐状部材Cが毛糸等の比較的柔らかい素材である場合に、素材のふんわり感を維持したまま角部において紐状部材Cを被縫製物により確実に縫い付けることができる。
制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、模様Jの内の、複数の第一針落ち点の内の縫製順序が前後する二つの第一針落ち点の間隔を第一間隔K1よりも短い第二間隔K2となるように縫製データを編集する(S68、S69、S76、S77)。ミシン1は、模様Jの角部において模様Jに沿って局所的に針数を増やすことで、角部と非角部とで針数が変わらない場合に比べ、角部においてより確実に紐状部材Cを被縫製物に縫い付けることができる。
制御部80は、紐状部材Cの種類を特定する(S51、S62、S72)。制御部80は、特定した種類に応じて第二間隔K2を設定する(S52、S53、S64、S65、S73、S74)。制御部80は、複数の点の各々の座標データと、S35での検出結果とに基づき、模様Jの内の、二つの第一針落ち点の間隔をS52、S53、S64、S65、S73、S74の何れかで設定された第二間隔K2となるように縫製データを編集する(S54、S55、S69、S76、S77)。ミシン1は、紐状部材Cの種類に応じて第二間隔K2を変更できる。ミシン1は、紐状部材Cの種類に依らず一定の第二間隔K2とする場合に比べ、紐状部材Cの素材、太さ、柔らかさ等を考慮した縫目を形成する縫製データに編集できる。
ミシン1は、LCD15と、タッチパネル26とを備え、制御部80は、タッチパネル26を介してユーザによりLCD15上で任意に指定された複数の点の各々の座標データを取得する(S4)。ミシン1は、ユーザがタッチパネル26を介して指定した複数の点に基づき縫製データを編集できる。ミシン1は、縫製データを編集する際のユーザの利便性を向上できる。
制御部80は、座標データを含む縫製データを取得し(S10)、複数の点の各々の座標データと、S35での角部の検出結果とに基づき、S10で取得された縫製データを編集する(S37、S39、S40)。故に、制御部80は、既に生成された縫製データを利用して、縫製データを編集できる。
ミシン1は、被縫製物を第一方向、及び第一方向に直交する第二方向に移動するよう構成された移動機構40と、下端に縫針7を装着可能な針棒6を有し、針棒6を上下方向に往復駆動する針棒機構55とを備える。制御部80は、S15で編集された縫製データに従って、移動機構40と、針棒機構55とを駆動して、カウチングを行う(S19)。故にミシン1は、模様Jの角部と非角部とで異なる条件を用いて縫製データを編集でき、編集された縫製データに基づき、カウチングを実行できる。ミシン1によれば、ユーザは編集条件を適切に設定することで、模様Jの角部と非角部とで編集条件が互いに同じである場合に比べ、角部において紐状部材Cが被縫製物からはがれにくく、且つ、見栄えが良いカウチング模様を得ることができる。
ミシン1は、被縫製物を撮影する撮影部69と、LCD15とを備え、制御部80は縫製データが示す複数の縫目を表す画像を、撮影部69が撮影した被縫製物を表す撮影画像に重ねて、LCD15に表示する(S17)。故にミシン1は、縫製データに従って形成される複数の縫目の画像、被縫製物を撮影した被縫製物を表す撮影画像に重ねて表示できるので、ユーザはカウチング模様の仕上がりイメージを容易に確認できる。
本発明の縫製データ編集装置、縫製データ編集プログラム、及びミシンは、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。
(A)刺繍枠50を装着可能なミシン1の構成は適宜変更してよい。ミシン1は、工業用ミシン及び多針ミシンであってもよい。移動機構40は、針棒6に対してホルダ(刺繍枠)を相対的に左右方向と、前後方向に移動できればよい。移動機構40は、ミシン1と一体に形成されてもよい。刺繍枠50の形状及び大きさは適宜変更されてよく、例えば、円状、楕円状等であってもよい。縫製データを編集する処理は、PC等の汎用の装置、又は専用の装置で実行されてもよい。押え装置2の構成は適宜変更されてよく、例えば、押え装置2は、押え棒8に対する挿通孔60の左右方向の位置を調整不能でもよい。ガイド21は、押え装置2ではなく、ミシン1に設けられてもよい。本発明は各種態様で実現可能であり、例えば、非一時的コンピュータ可読媒体、及び縫製システム等として実現してもよい。
(B)図4のメイン処理を実行させるための指令を含むプログラムは、制御部80がプログラムを実行するまでに、ミシン1の記憶機器に記憶されればよい。従って、プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更してもよい。制御部80が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信し、フラッシュメモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、PC、及びネットワーク網を介して接続されるサーバを含む。
(C)ミシン1のメイン処理の各ステップは、制御部80によって実行される例に限定されず、一部又は全部が他の電子機器(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。メイン処理の各ステップは、複数の電子機器(例えば、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。メイン処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。ミシン1上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、制御部80からの指令に基づきメイン処理の一部又は全部を行う態様も、本開示の範囲に含まれる。例えば、メイン処理に以下の変更が適宜加えられてもよい。
ミシン1は、角部編集方法を設定不能であってもよいし、模様の形状等に応じて自動で角部編集方法を設定してもよい。ミシン1で設定可能な角部編集方法の種類は適宜変更されてよく、第一から第三編集方法とは別の編集方法が適用されてもよい。第一から第三編集方法とは別の編集方法は、例えば、角部はジグザグ縫いで縫製し、非角部を走り縫いで縫製する等、角部と非角部とで、実用模様の種類を変更する方法があげられる。制御部80は、第一編集処理において、第一ベクトルV1に対応する部分と、第二ベクトルV2に対応する部分との何れかのみに、針落ち点を追加する処理を行ってもよい。
制御部80は、S6又はS10で所定模様に沿って第二間隔K2で配置された複数の針落ち点の各々の座標データを取得してもよく、S35で角部と判断されない場合に、非角部の針落ち点の間隔を第二間隔K2から第一間隔K1に変更することで、非角部における第二針落ち点の間隔を角部における第一針落ち点の間隔よりも広くしてもよい。制御部80は、ユーザが指定した点によって表される図形に基づき、一旦縫製データを生成せずに、編集条件を満たす縫製データを直接生成してもよい。この場合、制御部80は、例えば、メイン処理は、針落ち点の座標データに替えて、模様上の点の座標データを読み出して、角部を検出する処理を行い、点の間隔、配置を編集する処理を適宜行った後、縫製データを生成してもよい。制御部80は、紐状部材Cの種類によらず、第二間隔K2の値を一定にしてもよい。
上記実施形態では、カウチングを行うための縫目は、走り縫いの他、ジグザグ縫い、実用模様等でもよい。図11の部分F2に示す矢印状のモチーフMを模様Fに沿って配置した縫目を形成するための縫製データに上記メイン処理を適用する場合を例に説明する。図11に示すように、変形例のモチーフMは、縫製順にステッチD1からD4の4つのステッチを備える。モチーフMは、例えば、カウチング模様の形状に沿った方向(ステッチD1の延設方向)の長さが2から15mmの大きさである。ステッチD1は、点71から点72まで延び、ステッチD1からD4の中で長さが最も長いメインステッチである。モチーフMは、ステッチD1について線対称である。ステッチD2は、点72から点73まで延びる。ステッチD3は、点73から点74まで延びる。ステッチD3は、ステッチD1よりも長さが短く、且つ、ステッチD1と交差する方向に延びるサブステッチである。ステッチD3の長さは、ステッチD1からD4の長さの内、ステッチD1の長さの次に長い。ステッチD3の長さは、紐状部材Cの太さよりも小さい。ステッチD3は、ステッチD1の終点72の位置よりもステッチD1の中心に近い側でステッチD1と直交する。ステッチD3の中心はステッチD1上にある。ステッチD4は点74から点75まで延びる。ステッチD1の終点72は、ステッチD4の終点75と同じ位置にある。一のモチーフMの最後の針落ち点75は、縫製順序が一のモチーフMの次のモチーフMの最初の針落ち点71となる。
変形例の模様Fに関するメイン処理のS6又はS10では図11に示す、縫製データE2が取得される。図11に示すように、縫製データE2は、X方向及びY方向の移動機構40の絶対座標系で表される。縫製データE2は、モチーフM1、M2を含む複数のモチーフMが、星型の模様Fが有する10個の辺H1からH10に沿って平面視時計回りに連続的に配置された模様Fを表す。モチーフMのステッチD1は、辺H1からH10上に配置される。辺H1からH10には各々6つのモチーフMが連続して配置される。各モチーフMの大きさは互いに同じである。模様Fの縫製開始点U0は、例えば、辺H1の左端に配置される。模様Fは、縫製開始点U0から平面視時計回りに連続して縫製される。
変形例の模様Fに関する図6の縫製データ編集処理では、S31の変数Nは、モチーフMを縫製順に読み出すために使用されればよい。図11の部分F1に示すように、S32では、第一ベクトルV11として、N番目のモチーフMNのステッチD1の始点から終点に向かうベクトルが取得され、S33では、第二ベクトルV12として、(N-1)番目のモチーフM(N-1)のステッチD1の始点から終点に向かうベクトルが取得される。変数Nが0であり、且つ、模様Fの始点と終点が同一の座標である場合、(N-1)番目のモチーフM(N-1)は、縫製順序が最後のモチーフMRとする。この時、S34で算出された角度は閾値よりも小さいと判断され(S35)、角度編集処理に第一編集処理が設定されている場合(S36:YES)、制御部80は、図11の部分F3に示すように、(N-1)番目のモチーフMRのステッチD2、D4上に、紐状部材Cの種類に応じた第二間隔K2で針落ち点W1、W2を追加して、モチーフMRが点U(E-4)、点U(E-3)、点W1、点U(E-2)、点(E-1)、点W2、点UEの順に縫製されるように縫製データを編集してもよい(S37)。角度編集処理に第二編集処理が設定されている場合(S36:NO、S38:YES)、制御部80は、図11の部分F4に示すように、N番目(0番目)のモチーフM0と、(N-1)番目(R番目)のモチーフMRの長手方向の長さを所定距離短くし、モチーフM0の始点とモチーフMRの終点とをつなぐように、点U(E-3)から点UE及び点U0を削除し、点W11からW16を設定して縫製データを編集してもよい。角度編集処理に第三編集処理が設定されている場合(S36:NO、S38:NO)、制御部80は、図11の部分F5に示すように、(N-1)番目のモチーフMRのステッチD2、D4の中点に針落ち点W21、W22を追加し、モチーフMRが点U(E-4)、点U(E-3)、点W21、点U(E-1)、点(E-2)、点W22、点UEの順に縫製されるように縫製データを編集してもよい(S40)。上記変形例は矛盾がない範囲で適宜組み合わされてもよい。
1:ミシン、6:針棒、15:LCD、26:タッチパネル、40:移動機構、55:針棒機構、69:撮影部、80:制御部、81:CPU、84:フラッシュメモリ

Claims (12)

  1. 所定模様に沿って紐状部材と被縫製物とを貫通する複数の縫目を形成することで、前記紐状部材を前記被縫製物に直接縫いつけたカウチングをミシンを用いて行うための縫製データを編集する縫製データ編集装置において、
    前記所定模様に沿った複数の点の各々の位置を示す座標データを取得する取得部と、
    前記複数の点の各々の前記座標データに基づき、前記所定模様における、所定角度よりも小さい角部を検出する角部検出部と、
    前記複数の点の各々の前記座標データと、前記角部検出部の検出結果とに基づき、前記所定模様の内の、前記角部に対応する複数の第一針落ち点と、前記角部として検出されなかった非角部に対応する複数の第二針落ち点とで、互いに異なる編集条件を用いて前記縫製データを編集する編集部と
    を備えたことを特徴とする縫製データ編集装置。
  2. 前記所定角度は、90度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の縫製データ編集装置。
  3. 前記取得部は、前記所定模様に沿って第一間隔で配置された前記複数の点の各々の前記座標データを取得し、
    前記編集部は、前記複数の点の各々の前記座標データと、前記角部検出部の検出結果とに基づき、前記所定模様の内の、前記複数の第一針落ち点の内の縫製順序が前後する二つの前記第一針落ち点の間隔を前記第一間隔よりも短い第二間隔となるように前記縫製データを編集することを特徴とする請求項1又は2に記載の縫製データ編集装置。
  4. 前記取得部は、前記所定模様に沿って第一間隔で配置された前記複数の点の各々の前記座標データを取得し、
    前記編集部は、前記複数の点の各々の前記座標データと、前記角部検出部の検出結果とに基づき、前記複数の点の内、前記角部となる注目点と、前記注目点に隣接する二つの点とを結んだ三角形の内側に一以上の針落ち点を設定し、前記注目点と離隔した前記複数の縫目を形成する前記縫製データに編集することを特徴とする請求項1又は2に記載の縫製データ編集装置。
  5. 前記取得部は、前記所定模様に沿って第一間隔で配置された前記複数の点の各々の前記座標データを取得し、
    前記編集部は、前記複数の点の各々の前記座標データと、前記角部検出部の検出結果とに基づき、前記複数の点の内、前記角部となる注目点に隣接する二つの点の縫製順序を入れ替えた前記縫製データに編集することを特徴とする請求項1又は2に記載の縫製データ編集装置。
  6. 前記編集部は、前記複数の点の各々の前記座標データと、前記角部検出部の検出結果とに基づき、前記所定模様の内の、前記複数の第一針落ち点の内の縫製順序が前後する二つの前記第一針落ち点の間隔を前記第一間隔よりも短い第二間隔となるように前記縫製データを編集することを特徴とする請求項4又は5に記載の縫製データ編集装置。
  7. 前記紐状部材の種類を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した前記種類に応じて前記第二間隔を設定する設定部と
    を更に備え、
    前記編集部は、前記複数の点の各々の前記座標データと、前記角部検出部の検出結果とに基づき、前記所定模様の内の、前記二つの第一針落ち点の前記間隔を前記設定部が設定した前記第二間隔となるように前記縫製データを編集することを特徴とする請求項3又は6に記載の縫製データ編集装置。
  8. 表示部と、
    入力部と
    を更に備え、
    前記取得部は、前記入力部を介してユーザにより前記表示部上で任意に指定された前記複数の点の各々の前記座標データを取得することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の縫製データ編集装置。
  9. 前記取得部は、前記座標データを含む前記縫製データを取得し、
    前記編集部は、前記複数の点の各々の前記座標データと、前記角部検出部の検出結果とに基づき、前記取得部が取得した前記縫製データを編集することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の縫製データ編集装置。
  10. 請求項1から8の何れかに記載の縫製データ編集装置のコンピュータを動作させるための指示を含む縫製データ編集プログラム。
  11. 被縫製物を第一方向、及び前記第一方向に直交する第二方向に移動するよう構成された移動機構と、
    下端に縫針を装着可能な針棒を有し、前記針棒を上下方向に往復駆動する針棒機構と、
    請求項1から6の何れかに記載の縫製データ編集装置と、
    前記縫製データ編集装置が編集した前記縫製データに従って、前記移動機構と、前記針棒機構とを駆動して、カウチングを行う縫製制御部と
    を備えることを特徴とするミシン。
  12. 前記被縫製物を撮影する撮影部と、
    表示部と、
    前記縫製データが示す前記複数の縫目を表す画像を、前記撮影部が撮影した前記被縫製物を表す撮影画像に重ねて、前記表示部に表示する表示制御部と
    を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載のミシン。
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