JP2022131198A - 印刷システム、その制御方法及びプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】正解画像と検査画像との間での照合ページの不整合を抑止し、無駄な不良品を生まない印刷システムを提供する。【解決手段】印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像が印刷装置の白紙節約機能によって白紙画像であった場合、印刷ジョブと紐付かずに正解画像として登録された白紙画像を用いることで、正解画像のページと読取画像のページとを一致させる。【選択図】図１３

Description

本発明は、印刷結果の検査技術に関する。

従来より、印刷結果を検査しながら印刷出力可能な、インライン方式の検査装置を組み込んだ印刷システムがある。このような印刷システムでは、予め登録した評価基準となる画像（正解画像）と、印刷結果を光学的に読み取って得られた検査対象の画像（検査画像）とを比較することで、印刷欠陥の有無を判定している。そして、特許文献１には、正解画像と検査画像とのページ順の整合を取るために、複数ページ印刷、片面印刷、両面印刷などの印刷設定を考慮した検査方法が開示されている。

特開２０１３－１７１５７０号公報

印刷システムに組み込まれる印刷装置の中には白紙節約と呼ばれる機能が実装されているものがある。この機能は、印刷対象となる文書をページ単位で記述するデータ（ＰＤＬデータ）において文字や図形等のオブジェクトの指定がない白紙ページを出力しない機能である。ここで、正解画像の登録時と検査を伴う印刷処理の実行時とで印刷装置における白紙節約機能の設定が異なっていると、正解画像と検査画像とで照合するページに不整合が発生し、適切な検査ができなくなってしまう。

本件は上述の課題に鑑みてなされたものであり、正解画像と検査画像との間での照合ページの不整合を抑止し、無駄な不良品を生まない印刷システムの提供を目的とする。

本開示に係る印刷システムは、印刷ジョブに基づきページ単位で印刷処理を行う印刷手段と、前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像と、前記印刷ジョブと紐付けて登録された正解画像とを照合して、前記印刷処理されたシートの印刷欠陥を検査する検査手段と、を備え、前記印刷手段は、前記印刷処理の対象が白紙ページであった場合にその印刷出力を省略する機能を有し、前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像が前記機能によって白紙画像であった場合、前記検査手段は、前記印刷ジョブと紐付かずに正解画像として登録された白紙画像を用いることで、前記正解画像のページと前記読取画像のページとを一致させる、ことを特徴とする。

本開示の技術によれば、検査装置を組み込んだ印刷システムにおいて、正解画像と検査画像との間で照合ページを一致させ、無駄な不良品の発生を抑制することができる。

印刷システムの構成の一例を示す図。 印刷システムを構成する画像形成装置、外部コントローラ及びクライアントＰＣの内部構成を示すブロック図。 画像形成装置のメカ断面図。 （ａ）及び（ｂ）は、画像形成装置（検品モジュール）のＵＩ画面の一例を示す図。 （ａ）及び（ｂ）は、画像形成装置（検品モジュール）のＵＩ画面の一例を示す図。 画像形成装置（検品モジュール）のＵＩ画面の一例を示す図。 （ａ）及び（ｂ）は、外部コントローラのＵＩ画面の一例を示す図。 外部コントローラが行うジョブの投入処理の流れを示すフローチャート。 （ａ）及び（ｂ）は、ジョブ切替シートの一例を示す図。 検品ジョブ投入処理の詳細を示すフローチャート。 検品モジュールの動作制御を示すフローチャート。 正解画像の登録処理の詳細を示すフローチャート。 検品処理の詳細を示すフローチャート。 （ａ）及び（ｂ）は、検品結果画面の一例を示す図。 （ａ）及び（ｂ）は、プリンタ設定画面の一例を示す図。 印刷モジュールの動作制御を示すフローチャート。

以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、各実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが必須のものとは限らない。尚、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。

［実施形態１］
＜システム構成＞
図１は、本実施形態に係る印刷システムの構成の一例を示す図である。印刷システム１００は、画像形成装置１０１と外部コントローラ１０２を備える。画像形成装置１０１と外部コントローラ１０２は、内部ＬＡＮ１０５とビデオケーブル１０６を介して通信可能に接続されている。また、外部コントローラ１０２は、外部ＬＡＮ１０４を介してクライアントＰＣ１０３と通信可能に接続されている。

クライアントＰＣ１０３には、印刷処理の対象となる画像データを外部コントローラ１０２で処理可能なページ記述言語（ＰＤＬ）に変換する機能を有するプリンタドライバがインストールされている。印刷を行いたいユーザは、各種アプリケーションからプリンタドライバを介して印刷指示を行うことができる。プリンタドライバは、ユーザからの印刷指示に基づいて、ＰＤＬデータを外部コントローラ１０２に対して送信する。外部コントローラ１０２は、ＰＣ１０３からＰＤＬデータを受け取ると、ＰＤＬ解析やラスタライズ処理を行って画像形成装置１０１で処理可能な印刷データ（以下、「印刷ジョブ」と呼ぶ。）を生成し、画像形成装置１０１に投入する。

次に画像形成装置１０１について説明する。画像形成装置１０１は、印刷モジュール１０７、インサータ１０８、検品モジュール１０９、スタッカ１１０、フィニッシャ１１１を備える。以下、各モジュールについて説明する。

印刷モジュール１０７は、印刷ジョブに従い、給紙部２３０から搬送される記録媒体としてのシート（用紙）に対して、記録剤としてのトナーを用いて画像を形成する。この印刷モジュール１０７の構成及び動作原理は次のとおりである。印刷ジョブで指定された画像に応じて変調されたレーザ光をポリゴンミラー等の回転多面鏡により反射して走査光として感光ドラムに照射する。このレーザ光により感光ドラム上に形成された静電潜像はトナーによって現像され、転写ドラムに貼り付けられた用紙に、トナー像が転写される。この一連の画像形成プロセスを、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、ブラック（Ｋ）の各トナーに対して順次実行することにより、シート上にフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写ドラム上のシートは定着器へ搬送される。定着器は、ローラーやベルト等を含み、ローラー内にハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、フルカラー画像を形成しているシート上のトナーを、熱と圧力によって溶解してシートに定着させる。

インサータ１０８は、印刷モジュール１０７で印刷処理が施されて搬送されてきたシート群に対して、例えば任意の位置で区切るための仕切りシート等を挿入する装置である。

検品モジュール１０９は、搬送されてきた印刷処理済みシートの画像を読み取り、予め登録された正解画像（或いは「基準画像」とも呼ばれる。）と比較することで当該シート上に形成された画像が正常かどうかを、すなわち、印刷欠陥の有無を判定する。

スタッカ１１０は、印刷処理済みシートを積み重ねておくことが可能な大容量の集積装置である。フィニッシャ１１１は、ステイプルやパンチ、中綴じ製本といった各種のフィニッシング処理機能を持つ後処理装置である。搬送されてきた印刷処理済みシートに対して予め選択・設定されたフィニッシング処理を加える。フィニッシング処理後のシートは、排紙トレイに排紙される。

なお、図１で説明した印刷システムでは、外部コントローラ１０２を介して印刷ジョブが投入される構成としているが、例えば外部コントローラ１０２を省略する構成も可能である。すなわち、画像形成装置１０１を外部ＬＡＮ１０４に接続し、クライアントＰＣ１０３から、画像形成装置１０１にＰＤＬデータを送信する構成でもよい。この場合、画像形成装置１０１においてＰＤＬ解析やラスタライズ処理を行って印刷ジョブを生成した上で、印刷処理を実行することになる。また、図１の例では、外部コントローラ１０２と画像形成装置１０１は内部ＬＡＮ１０５とビデオケーブル１０６とで接続されているが、印刷に必要なデータの送受信が行える構成であればよい。例えば、内部ＬＡＮ１０５とビデオケーブル１０６のいずれか一方のみで接続されていてもよい。

＜印刷システムの内部構成＞
図２は、印刷システム１００を構成する画像形成装置１０１、外部コントローラ１０２、及びクライアントＰＣ１０３の内部構成を示すブロック図である。以下、順に説明する。

≪画像形成装置の内部構成≫
まず画像形成装置１０１の印刷モジュール１０７の内部構成について説明する。印刷モジュール１０７は、主に制御に関わる構成要素として、通信Ｉ／Ｆ２１７、ＬＡＮＩ／Ｆ２１８、ビデオＩ／Ｆ２２０、ＨＤＤ２２１、ＣＰＵ２２２、メモリ２２３、操作部２２４、ディスプレイ２２５を有する。さらに、印刷モジュール１０７は、主に画像形成に関わる構成要素として、原稿読取部２２６、レーザ露光部２２７、作像部２２８、定着部２２９、給紙部２３０を有する。それぞれの構成要素はシステムバス２３１を介して接続されている。通信Ｉ／Ｆ２１７は、通信ケーブル２５４を介して、インサータ１０８、検品モジュール１０９、スタッカ１１０、及びフィニッシャ１１１と接続され、それぞれの装置を制御するための通信が行われる。ＬＡＮＩ／Ｆ２１８は、内部ＬＡＮ１０５を介して外部コントローラ１０２と接続され、印刷データなどの通信が行われる。ビデオＩ／Ｆ２２０は、ビデオケーブル１０６を介して外部コントローラ１０２と接続され、画像データなどの通信が行われる。ＨＤＤ２２１は、プログラムやデータが保存された記憶装置である。ＣＰＵ２２２は、ＨＤＤ２２１に保存されたプログラム等に基づいて、印刷モジュール１０７を統括的に制御する。メモリ２２３は、ＣＰＵ２２２が各種処理を行う際に必要となるプログラムや、画像データが記憶され、ワークエリアとして動作する。操作部２２４は、例えばグラフィカルユーザインタフェースを介して、ユーザからの各種設定の入力や操作の指示を受け付ける。ディスプレイ２２５は、印刷処理に関わる各種設定情報や印刷ジョブの処理状況などを表示する。原稿読取部２２６は、コピー機能やスキャン機能を使用する際に原稿を光学的に読み取るスキャナ装置である。ユーザが載置したシートに対して露光ランプを照らしながらＣＣＤカメラで画像を撮影することで原稿上の画像を光学的に読み取って画像データを生成する。レーザ露光部２２７は、レーザ光を照射するための一次帯電やレーザ露光を行う装置である。レーザ露光部２２７は、まず感光ドラム表面を均一なマイナス電位に帯電させる一次帯電を行う。次にレーザードライバーによってレーザ光を、ポリゴンミラーで反射角度を調節しながら感光ドラムに照射する。これにより照射した部分のマイナス電荷が中和され、静電潜像が形成される。作像部２２８は、シートに対してトナーを転写するための装置である。作像部２２８は、不図示の現像ユニット、転写ユニット、トナー補給ユニット等により構成され、感光ドラム上のトナーをシートに転写する。現像ユニットは、現像シリンダーからマイナスに帯電したトナーを感光ドラム表面の静電潜像に付着させ、可視像化する。転写ユニットは、一次転写ローラーにプラス電位を印可し感光ドラム表面のトナーを転写ベルトに転写する一次転写、二次転写外ローラーにプラス電位を印可し転写ベルト上のトナーをシートに転写する二次転写を行う。定着部２２９は、シート上のトナーを熱と圧力でシートに溶解固着するための装置であり、不図示の加熱ヒーター、定着ベルト、加圧ベルト等で構成される。給紙部２３０は、印刷処理に供されるシートを給紙するための装置である。給紙部２３０は、不図示のローラーや各種センサーにより、シートの給紙動作、搬送動作を行う。

次に画像形成装置１０１のインサータ１０８の内部構成について説明する。インサータ１０８は、通信Ｉ／Ｆ２３２、ＣＰＵ２３３、メモリ２３４、給紙制御部２３５で構成され、それぞれの構成要素はシステムバス２３６を介して接続される。通信Ｉ／Ｆ２３２は、通信ケーブル２５４を介して印刷モジュール１０７と接続され、シートの挿入制御に必要な通信を行う。ＣＰＵ２３３は、メモリ２３４に格納された制御プログラムに応じて、インサータ１０８全体を制御する。メモリ２３４は、制御プログラムが保存された記憶装置である。給紙制御部２３５は、ＣＰＵ２３３からの指示に基づき、不図示のローラーやセンサーを制御しながら、トレイ３２１に載置されたシートの取り込み、不図示の給紙部からの給紙、印刷モジュール１０７から搬送されてくるシートの搬送を制御する。

次に画像形成装置１０１の検品モジュール１０９の内部構成について説明する。検品モジュール１０９は、通信Ｉ／Ｆ２３７、ＣＰＵ２３８、メモリ２３９、撮影部２４０、表示部２４１、操作部２４２で構成され、それぞれの構成要素はシステムバス２４３を介して接続される。通信Ｉ／Ｆ２３７は、通信ケーブル２５４を介して印刷モジュール１０７と接続され、印刷処理済みシートの検査等の制御に必要な通信を行う。ＣＰＵ２３８は、メモリ２３９に格納された制御プログラムに応じて、検品モジュール１０９全体を制御する。メモリ２３９は、制御プログラムの他、各種設定情報や画像データを保存する記憶装置である。撮影部２４０は、ＣＰＵ２３８の指示に基づき、搬送されてくる印刷処理済みシート上の画像を撮影により読み取る。なお、本実施形態ではカメラで撮影することによってシート上の画像を読み取っているが、例えばインラインスキャナなどで読み取ってもよい。ＣＰＵ２３８は、撮影部２４０によって得られた検査対象となる撮影画像（検査画像）と、メモリ２３９に予め保存した正解画像とを比較し、印刷結果に欠陥がないかどうかを判断する。表示部２４１は、検品結果や設定画面などが表示される。操作部２４２は、例えばグラフィカルユーザインタフェースを介して、検品モジュール１０９の設定変更や正解画像の登録などのユーザ指示を受け付ける。

次に画像形成装置１０１のスタッカ１１０の内部構成について説明する。スタッカ１１０は、通信Ｉ／Ｆ２４４、ＣＰＵ２４５、メモリ２４６、排紙制御部２４７で構成され、それぞれの構成要素はシステムバス２４８を介して接続される。通信Ｉ／Ｆ２４４は、通信ケーブル２５４を介して印刷モジュール１０７と接続され、シートの集積・排紙制御に必要な通信を行う。ＣＰＵ２４５は、メモリ２４６に格納された制御プログラムに応じて、スタッカ１１０全体を制御する。メモリ２４６は、制御プログラムが保存された記憶装置である。排紙制御部２４７は、ＣＰＵ２４５からの指示に基づき、搬送されてきたシートを、スタックトレイ、エスケープトレイ、または後続のフィニッシャ１１１に搬送するための制御を行う。

次に画像形成装置１０１のフィニッシャ１１１の内部構成について説明する。フィニッシャ１１１は、通信Ｉ／Ｆ２４９、ＣＰＵ２５０、メモリ２５１、排紙制御部２５２、フィニッシング処理部２５３で構成され、それぞれの構成要素はシステムバス２５４を介して接続される。通信Ｉ／Ｆ２４９は、通信ケーブル２５４を介して印刷モジュール１０７と接続され、フィニッシング処理の制御に必要な通信を行う。ＣＰＵ２５０は、メモリ２５１に格納された制御プログラムに応じて、フィニッシャ１１１全体を制御する。メモリ２５１は、制御プログラムが保存された記憶装置である。排紙制御部２５２は、ＣＰＵ２５０からの指示に基づき、シートの搬送や排紙を制御する。フィニッシング処理部２５３は、ＣＰＵ２５０からの指示に基づき、ステイプルやパンチ、中綴じ製本等の処理を実行する。

≪外部コントローラの内部構成≫
次に外部コントローラ１０２の内部構成について説明する。外部コントローラ１０２は、ＣＰＵ２０８、メモリ２０９、ＨＤＤ２１０、キーボード２１１、ディスプレイ２１２、ＬＡＮＩ／Ｆ２１３、ＬＡＮＩ／Ｆ２１４、ビデオＩ／Ｆ２１５で構成され、システムバス２１６を介して接続されている。ＣＰＵ２０８は、ＨＤＤ２１０に保存されたプログラムやデータに基づいて、クライアントＰＣ１０３からのＰＤＬデータの受信、ＲＩＰ処理、画像形成装置１０１への印刷ジョブの送信などの処理を実行する。メモリ２０９は、ＣＰＵ２０８が各種処理を行う際に必要なプログラムやデータを記憶し、ワークエリアとして動作する。ＨＤＤ２１０は、ＰＤＬ解析やＲＩＰ処理などの動作に必要なプログラムやデータを記憶する。キーボード２１１は、外部コントローラ１０２に対してユーザが各種操作・指示を入力するための入力デバイスである。ディスプレイ２１２には、外部コントローラ１０２が実行中のアプリケーション等の情報が静止画や動画で表示される。ＬＡＮＩ／Ｆ２１３は、外部ＬＡＮ１０４を介してクライアントＰＣ１０３と接続され、ＰＤＬデータの受信などが行われる。ＬＡＮＩ／Ｆ２１４は、内部ＬＡＮ１０５を介して画像形成装置１０１と接続され、印刷ジョブの送信などが行われる。ビデオＩ／Ｆ２１５は、ビデオケーブル１０６を介して画像形成装置１０１と接続され、画像データの送受信などを行う。

≪クライアントＰＣの内部構成≫
次にクライアントＰＣ１０３の内部構成について説明する。クライアントＰＣ１０３は、ＣＰＵ２０１、メモリ２０２、ＨＤＤ２０３、キーボード２０４、ディスプレイ２０５、ＬＡＮＩ／Ｆ２０６で構成され、システムバス２０７を介して接続されている。ＣＰＵ２０１は、ＨＤＤ２０３に保存された文書作成プログラム等に基づいて、印刷処理の対象となる画像データの作成や印刷指示を実行する。またＣＰＵ２０１は、システムバス２０７に接続される各デバイスを包括的に制御する。メモリ２０２は、ＣＰＵ２０１が各種処理を行う際に必要となるプログラムやデータを記憶し、ワークエリアとして動作する。ＨＤＤ２０３は、印刷処理などの動作に必要なプログラムやデータを記憶する。キーボード２０４はクライアントＰＣ１０３に対してユーザが各種操作・指示を入力するための入力デバイスである。ディスプレイ２０５には、クライアントＰＣ１０３が実行中のアプリケーション等の情報が静止画や動画で表示される。ＬＡＮＩ／Ｆ２０６は、外部ＬＡＮ１０４と接続されており、ＰＤＬデータの送信などが行われる。

なお、図２に示すメモリ２０２、メモリ２０９、メモリ２２３、メモリ２３４、メモリ２３９、メモリ２４６、メモリ２５１はそれぞれ、データやプログラムを保持するための記憶装置であればよい。たとえば、揮発性のＲＡＭ、不揮発性のＲＯＭ、内蔵ＨＤＤ、外付けＨＤＤ、ＵＳＢメモリなどで代替した構成でもよい。

＜画像形成装置の搬送系＞
続いて、画像形成装置１０１の搬送系について説明する。図３は、画像形成装置１０１のメカ断面図である。以下、図３に沿って説明する。

印刷モジュール１０７は、給紙デッキ３０１及び３０２を備えている。各給紙デッキ３０１／３０２には、各種シートを収容しておくことが可能である。給紙デッキ３０１／３０２は、収容されたシートのうち最も上にあるシート一枚のみを分離し、シート搬送パス３０３へ搬送する。現像ステーション３０４～３０７は、それぞれＹ、Ｍ、Ｃ、Ｋの有色トナーを用いてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、まず中間転写ベルト３０８に一次転写される。そして、中間転写ベルト３０８は図３において時計回りに回転し、二次転写位置３０９にて、シート搬送パス３０３から搬送されてきたシートへとトナー像が転写される。表示装置２２５には、印刷ジョブの処理状況や各種設定のための情報が表示される。定着ユニット３１１は、加圧ローラーと加熱ローラーを備え、各ローラーの間をシートが通過させてトナーを溶融・圧着することでシートにトナー像を定着させる。定着ユニット３１１を抜けたシートは、シート搬送パス３１２を通って、シート搬送パス３１５へと搬送される。シート種が定着のためにさらに溶融・圧着を必要とするシート種である場合は、定着ユニット３１１を通過した後、シート搬送パス３１２の上にあるシート搬送パス３１２’を通って第二定着ユニット３１３へと搬送される。第二定着ユニット３１３にて追加の溶融・圧着が施されたシートは、シート搬送パス３１４を通ってシート搬送パス３１５へと搬送される。ここで、印刷モードの設定が両面印刷に設定されている場合は、シート反転パス３１６へとシートが搬送され、シートを反転させた後、両面搬送パス３１７へと搬送される。そして、二次転写位置３０９にて２面目の画像転写が行われる。

シート搬送パス３１５を通ってインサータ１０８に搬送されてくるシートが所定枚数に達すると、インサータ１０８は、シート搬送パス３２２を通じて給紙された仕切りシートを搬送パスへ合流させる。これにより、印刷モジュール１０７から搬送されてくる一連のシート群に、任意のタイミングで仕切りシートを割り込ませて後続の装置へと搬送させることが可能となる。インサータ１０８を通過したシートは、検品モジュール１０９へ搬送される。検品モジュール１０９内には第１カメラ３３１と第２カメラ３３２が対向する形で配置されている。第１カメラ３３１がシートの上面を撮影し、第２カメラ３３２がシートの下面を撮影する。検品モジュール１０９は、シート搬送パス３３３に搬送されてきたシートが所定位置に到達したタイミングで、第１カメラ３３１と第２カメラ３３２を用いてシート両面の画像を読み取り、検査対象面の読取画像に欠陥がないかを検査する。表示装置２４１には、検品モジュール１０９によって行われた検品結果などが表示される。検査を終えたシートはスタッカ１１０へと搬送される。

スタッカ１１０は、シート積載用のスタックトレイ３４１を有する。検品モジュール１０９を通過したシートはシート搬送パス３４４を通ってスタッカ１１０に搬送されてくる。シート搬送パス３４４からシート搬送パス３４５を経由して搬送されてきたシートはフリップしながら、スタックトレイ３４１に積載される。スタックトレイ３４１は昇降トレイ３４２とイジェクトトレイ３４３から構成される。さらにスタッカ１１０は、排紙トレイとしてエスケープトレイ３４６を有する。エスケープトレイ３４６は、検品モジュール１０９によって印刷欠陥（画像不良）ありと判定されたシートを排出するための排紙トレイである。エスケープトレイ３４６に排出する場合は、シート搬送パス３４４からシート搬送パス３４７を経由してエスケープトレイ３４６へとシートが搬送される。なお、スタッカ１１０の後段のフィニッシャ１１１へシートを搬送する場合には、シート搬送パス３４８を経由して搬送される。反転部３４９は、検品モジュール１０９における検品結果に応じてシートの排出先を切り替える場合に必ず使用される。これは、２つのカメラ３３１及び３３２によってシート上の画像を読み取り、読み取った画像を検査し、シート搬送パス３４５或いは３４８へと搬送パスを切り替えるための時間を稼ぐためである。なお、検品を行わない場合は、スタックトレイ３４１への積載時にシートをフリップさせるときのみ反転部３４９が使用されることになる。検品モジュール１０９での検査の結果、画像不良が検出されなかったシートはフィニッシャ１１１へと搬送される。

フィニッシャ１１１では、搬送されてきたシートに対し、ステイプル（１個所／２箇所綴じ）やパンチ（２穴／３穴）や中とじ製本といったフィニッシング処理を行う。フィニッシャ１１１は、２つの排紙トレイ３５１及び３５２を備える。シート搬送パス３５３を経由して搬送されたシートは排紙トレイ３５１に排出される。ただし、シート搬送パス３５３ではステイプル等のフィニッシング処理を行うことはできない。ステイプル等のフィニッシング処理を行う場合は、シート搬送パス３５４を経由して処理機構３５５にシートが搬送される。そして、処理機構３５５において、ユーザが指定したフィニッシング機能が実行された後、排紙トレイ３５２へ排出される。排紙トレイ３５１及び３５２は、それぞれ昇降することが可能である。また、排紙トレイ３５１を下降させ、第一処理機構３５５にてフィニッシング処理が施されたシートを排紙トレイ３５１へ積載するように動作させることも可能である。また、フィニッシング機能のうち中とじ製本が指定された場合には、第二処理機構３５６にて、シート中央にステイプル処理をした後、当該シートを二つ折りにして、シート搬送パス３５７を経由して中とじ製本トレイ３５８へ排出される。中とじ製本トレイ３５８はベルトコンベア構成になっており、中とじ製本トレイ３５８上に積載されたシート束（中とじ製本束）は左側へ搬送される構成となっている。

＜検品モジュールの詳細＞
続いて、検品処理の開始前にユーザが検品モジュール１０９に対して行うべき各種設定作業など、検品モジュール１０９の使用方法について詳しく説明する。検品モジュール１０９は、予め設定された検査項目に従い、搬送されてきた印刷処理済みシートを検査する。検査は、印刷処理済みシートを撮影して得られたシート両面の読取画像のうち検査対象面に対応する読取画像（検査画像）と、表面又は裏面の何れかを示すシート面と対応付けて予め登録された正解画像とを比較して行われる。画像の比較方法には、両画像における対応する位置毎に画素値を比較する方法、エッジ検出によってオブジェクトの位置を比較する方法、文字認識処理（ＯＣＲ）による認識結果を比較する方法などがある。

図４（ａ）に示す検品メニュー画面４００において、左側上部にあるメッセージ欄４０１には、正解画像が未登録である旨と検品処理開始に先立って正解画像の登録が必要である旨のメッセージが表示されている。起動時点で正解画像が登録済みの場合は、検品処理が開始可能である旨のメッセージが表示されることになる。メッセージ欄４０１の下は、正解画像が表示される画像表示領域４０２である。図４（ａ）の例では、正解画像が未登録のため、「未登録」の文字列が表示されている。正解画像が登録されている場合の表示に関しては後述する。検品メニュー画面４００の右側には４つのボタン４０３～４０６が並んでいる。ボタン４０３は、正解画像の登録を行うためのＵＩ画面を呼び出すためのボタンである。前述のとおり正解画像は、検査画像に欠陥がないかどうかを判断する際の基準となる画像である。ボタン４０４は、検品時の条件を設定するためのＵＩ画面を呼び出すためのボタンである。ユーザは、検品目的に応じて検査項目や検査精度を設定する。ここで、検査項目には、印刷位置のずれ、画像の色合い、画像の濃度、スジやカスレ、印刷抜けなどがある。また、検査精度は、正解画像との差異がどの程度であれば欠陥ありと判断するのかを決める指標であり、例えば１％以内といった数値で規定される。ボタン４０５は、検品結果を確認するためのＵＩ画面を呼び出すためのボタンである。ユーザは、検品結果確認画面によって、過去の検品内容や検品結果を確認することができる。ボタン４０６は、検品の開始を指示するためのボタンである。ボタン４０６の押下が検知されると、検品モジュール１０９は検品モードへ移行し、印刷モジュール１０７に検品モードであることを通知して、順次搬送されてくる印刷処理済みシートの検査を開始する。なお、図４に示す検品メニュー画面４００の構成は一例であって、上述した以外の情報、例えば、仕切りシート設定などの検品の設定に関わる情報などを表示するように構成してもよい。

≪正解画像の登録≫
上述の検品メニュー画面４００において、ユーザがボタン４０３を押下すると、図５（ａ）に示すような正解画像を登録するためのＵＩ画面（以下、「画像登録画面」と呼ぶ。）が、まず表示部２４１に表示される。図５（ａ）に示す画像登録画面５００には、３つの設定領域５０１～５０３と１つのボタン５０４が存在する。設定領域５０１は、検品処理を伴う印刷ジョブ（以下、「検品ジョブ」と呼ぶ。）の１部あたりのシート枚数を設定するための領域である。ユーザは、設定領域５０１内のスピンボタンを操作して所望のシート枚数を指定できる。ただし、後述の設定領域５０３のチェックボックスにチェックが入った場合は、１部あたりのシート枚数は強制的に１枚に設定される。設定領域５０２は、シートの検査対象面を設定するための領域である。検査をシートの両面に対して行うのか、片面に対してのみ行うのか（その際は、表面のみか、裏目のみか）を設定することができる。なお、印刷は片面に対してだけ行われる場合であっても、非印刷面にゴミが付着していないことを検査するために、両面の検査を行うよう検品条件を設定する場合もある。設定領域５０３は、描画されるオブジェクトが存在しない白紙シートの画像を正解画像として登録する際に使用する。設定領域５０３内のチェックボックスにチェックが入った状態で「登録開始」ボタン５０４が押下されると、白紙シートを読み取って得られた画像（白紙画像）が、特定のジョブに紐づかない正解画像として登録されることになる。なお、ここでは図示していないが、Ａ４やＡ３といった用紙サイズ、普通紙や光沢紙といった用紙タイプを指定するための詳細設定用の領域を別途設け、用紙サイズや用紙タイプと紐付けて白紙画像を登録できるようにしてもよい。ボタン５０４は、見本となるシートから画像を読み取って、正解画像として登録する処理を開始するためのボタンである。このボタン５０４が押下されると検品モジュール１０９は正解画像登録モードに移行し、印刷モジュール１０７に正解画像登録モードであることを通知して、流れてきた見本となるシートの画像を読み取る。そして、読み取った画像を、正解画像をジョブ単位で切り替えるためのシート（ジョブ切替シート）に印刷されたバーコードと紐づけて保存する。ジョブ切替シートについては後述する。図５（ｂ）は、見本シートの読み取りが完了した後に検品モジュール１０９の表示部２４１に表示される、正解画像の登録と関連事項の設定を促すＵＩ画面（登録処理画面）画面の一例である。登録処理画面５１０の左側には、見本シートの読取画像を表示する画像表示領域５１１が存在し、さらにその下に、１部が複数シートで構成される場合における表示するシートを切り替えるためのボタン５１２と、シートの表面と裏面のいずれを表示するのかを切り替えるためのボタン５１３が存在する。なお、画像登録画面５００で設定した１部当たりのシート枚数が１枚のときにはボタン５１２の表示を行わないようにしてもよい。同様に、画像登録画面５００で設定した検査対象面が片面のみのときにはボタン５１３の表示を行わないようにしてもよい。登録処理画面５１０の右側には、３つのボタン５１４～５１６が並んでいる。ボタン５１４は、正解画像のうち検査画像との比較を行わない領域（検品スキップエリア）を設定するためのボタンである。この検品スキップエリア設定は、検査対象領域を限定する場合に使用する。例えば、１部毎にシート内の特定エリアについて印刷内容を変えるバリアブル印刷（ＶＤＰ：Variable Data Printing）の場合、１部毎に異なるＩＤを付して印刷する場合、住所や名前の部分だけを１部毎に変えて印刷するような場合がユースケースとして挙げられる。ボタン５１５は、画像表示領域５１１に表示中の読取画像を、正解画像として登録するためのボタンである。ボタン５１５が押下されると、画像表示領域５１１に表示された読取画像が、該当するシート番号（例えば１／１０枚目）やシート面（表面或いは裏面）の情報、さらに対象文書を識別するバーコード情報と共に登録される。登録完了後は、登録処理画面５１０から検品メニュー画面４００へと表示が戻る。ボタン５１６は、正解画像の登録をキャンセルする場合のボタンである。ボタン５１６が押下された場合には登録処理を中止し、検品メニュー画面４００へと表示が戻る。検品メニュー画面４００に表示が戻ると、検品モジュール１０９は、通常モードに移行し、印刷モジュール１０７に通常モードであることを通知する。

図４（ｂ）は、複数の検品ジョブについてそれぞれ対応する正解画像を登録した際に検品モジュール１０９の表示部２４１に表示されるメニュー画面４００’の一例を示している。メニュー画面４００’において、メッセージ欄４０１’は、登録された複数の正解画像の中から検品処理に使用する正解画像の選択を促すメッセージが表示されている。そして、画像表示領域４０２’には、登録された複数の正解画像それぞれの代表画像と、選択用のチェックボックス４１１～４１３が表示されている。選択ボックス４１１～４１３は各代表画像に対応している。左右のスピンボタン４１４及び４１５は、登録された複数の正解画像のすべてについて代表画像が表示し切れない場合に、表示させる代表画像を切り替えるためのボタンである。任意の正解画像を選択後、ボタン４０６が押下されると、選択された正解画像を使用した検品を伴う印刷処理が開始される。

≪検品結果の確認≫
上述の検品メニュー画面４００又は４００’において、ユーザがボタン４０５を押下すると、図６に示すような検品結果を確認するためのＵＩ画面（以下、「結果確認画面」と呼ぶ。）が、表示部２４１に表示される。結果確認画面６００には、検品結果の詳細を表示する結果表示領域６０１、表示対象の検品ジョブを切り替えるためのボタン６０２及びＯＫボタン６０３が存在する。いま、結果表示領域６０１には、履歴が保存されている９個の検品ジョブのうち、１ジョブ目についての、検品実行日時、対象となった検品ジョブの名称、検品の実行枚数、実行枚数のうち合格だった枚数と不合格だった枚数、の各情報が表示されている。そして、ユーザは、左右のスピンボタン６０２を操作することによって、表示対象の検品ジョブを切り替えることができる。検品結果を確認したユーザがＯＫボタン６０３を押下すると、上述の検品メニュー画面４００又は４００’に表示が戻る。

＜外部コントローラの動作＞
続いて、検品処理を開始する際に、ユーザが外部コントローラ１０２において行う作業について詳しく説明する。検品モジュール１０９に正解画像を登録するための見本シートや印刷対象の文書単位で正解画像を切り替えるためのシート、検品対象の印刷処理済みシートを流す指示は、外部コントローラ１０２から行う。

図７（ａ）は、外部コントローラ１０２のディスプレイ２１２に表示される、実行する検品ジョブを選択するためのＵＩ画面（以下、「検品ジョブ選択画面」と呼ぶ。」）である。検品ジョブ選択画面７００の設定領域７０１には、クライアントＰＣ１０３から受信した検品ジョブの一覧が表示され、ユーザは実行対象の検品ジョブを選択する。いま、設定領域７０１に表示された４つの検品ジョブの中から、実行するジョブとして「請求書」、「見積書」、「パンフレット」の３つが選択されている状態を示している。このようにして、実行する検品ジョブを選択した上で、ユーザがボタン７０２を押下すると、図７（ｂ）に示す検品ジョブの詳細設定のためのＵＩ画面（以下、「ジョブ設定画面」と呼ぶ。）７１０へ遷移する。ジョブ設定画面７１０の設定領域７１１は、上記検品ジョブ選択画面７００で選択された各検品ジョブに対して印刷部数を設定する領域である。設定領域７１１内の部数設定領域７１２で、選択中の各検品ジョブの印刷部数を設定することができる。この例では、“請求書”の検品ジョブについて３００部、“見積書”の検品ジョブについて１００部、“パンフレット”の検品ジョブについて５００部がそれぞれ設定されている。設定領域７１１内のボタン７１３は、各検品ジョブを１部だけ印刷する場合に使用する。例えばユーザが、検品モジュール１０９に対して正解画像の登録開始を指示した上で、“請求書”に対応するボタン７１３を押下したとする。この場合、まず、印刷モジュール１０７に対し“請求書”の１部印刷を指示する印刷ジョブが発行される。この印刷ジョブを受けた印刷モジュール１０７は“請求書”を１部だけ印刷出力し、その印刷処理済みシート（その先頭ページはジョブ切替シート）が検品モジュール１０９に搬送される。そして、検品モジュール１０９において、搬送されてきた印刷処理済みシートが読み取られ、“請求書”に対応する正解画像の登録が行われる。設定領域７１４では、選択中の検品ジョブについての排紙先を設定する。いま、検品合格時の排紙先として大容量スタッカ１１０が設定され、検品不合格時の排紙先としてエスケープトレイ３４６が設定されている。ボタン７１５は、正解画像を登録する際の見本シートを、インサータ１０８から給紙する場合に使用する。これにより、ユーザの目視により正常に印刷されていると判断した見本シートを用いて正解画像を登録することができる。ボタン７１５を使用する際には、ユーザは予め印刷欠陥がないことを確認済みの印刷処理済みシートとジョブ切替シートをインサータ１０８のトレイ３２１にセットすることになる。これにより、インサータ１０８から見本シートが検品モジュール１０９に搬送され、検品モジュール１０９において、搬送されてきた見本シートが読み取られて正解画像の登録が行われる。ボタン７１６は、検品ジョブの印刷開始を指示するためのボタンである。ボタン７１６の押下により、外部コントローラ１０２は、上記設定領域７１１及び７１４における設定値に基づき検品ジョブを生成し、印刷モジュール１０７に投入する。本実施形態では、検品モジュール１０９において先ず検品開始を指示（検品メニュー画面４００のボタン４０６を押下）し、それに続いて、検品ジョブの印刷開始を指示（ジョブ設定画面７１０のボタン７１６を押下）する。当該印刷開始指示に基づき外部コントローラ１０２は、印刷モジュール１０７に印刷データを投入し、その印刷処理済みシートの検品モジュール１０９への搬送を指示する。そして、印刷処理済みシートが検品モジュール１０９に搬送され、検品処理が行われる。

≪ジョブ投入処理≫
図８は、外部コントローラ１０２が行うジョブの投入処理の流れを示すフローチャートである。図８のフローチャートが示す一連の処理は、外部コントローラ１０２のＣＰＵ２０８が所定のプログラムを実行することで実現される。前述の図７（ｂ）のジョブ設定画面７１０を介して、何らかのユーザ指示が入力されると、以下の処理が開始する。

Ｓ８０１では、入力されたユーザ指示が、１部印刷の指示であるか否かが判定される。ジョブ設定画面７１０においてユーザが１部印刷を指示するボタン７１３を押下していた場合はＳ８０２に進み、そうでない場合はＳ８０５に進む。

Ｓ８０２では、１部印刷の対象文書（検品ジョブ）を一意に識別可能なバーコードが生成される。生成されたバーコードの情報は、１部印刷が指示された検品ジョブに係る文書の画像データと共に、メモリ２０９に保持される。次のＳ８０３では、Ｓ８０２で生成・保持されたバーコードを基に、印刷モジュール１０７に対してジョブ切替シートの印刷が指示される。図９（ａ）にジョブ切替シートの一例を示す。図９（ａ）に示すように、ジョブ切替シート９００にはバーコード９０１が印刷される。バーコード９０１を囲む矩形の枠９０２は、検品処理時にバーコードの有無をチェックする領域（バーコード領域）である。そして、Ｓ８０４では、対象文書の１部印刷を指示するジョブが印刷モジュール１０７に対して投入される。

Ｓ８０５では、入力されたユーザ指示が、見本シートのインサータ１０８からの給紙指示であるか否かが判定される。ユーザがインサータ１０８からの給紙を指示するボタン７１５を押下していた場合はＳ８０６に進み、そうでない場合はＳ８０７に進む。

Ｓ８０６では、インサータ１０８にセットされた見本シートの給紙を指示するジョブ（給紙ジョブ）が印刷モジュール１０７に対して投入される。この際、ユーザは、事前にジョブ切替シートを含めた見本シートをインサータ１０８に１部セットしておく必要がある。

Ｓ８０７では、入力されたユーザ指示が、検品処理を伴う印刷の開始指示であるか否かが判定される。ユーザが印刷開始を指示するボタン７１６を押下していた場合はＳ８０８に進み、そうでない場合はＳ８０９に進む。

Ｓ８０８では、ジョブ設定画面７１０の設定領域７１１に表示されているユーザ選択に係る１又は複数の検品ジョブが、印刷モジュール１０７に順次投入される。この検品ジョブ投入処理の詳細については後述する。

Ｓ８０９では、入力されたユーザ指示が、キャンセル指示であるか否かが判定される。ユーザが処理の中止を指示するボタン７１７を押下していた場合は本処理を終える。一方、キャンセル指示でなければＳ８０１に戻る。
以上が、外部コントローラ１０２が行うジョブの発行処理の流れである。

≪検品ジョブ投入処理の詳細≫
続いて、検品ジョブを印刷モジュール１０７に投入する処理（Ｓ８０８）の詳細について、図１０に示すフローチャートを参照して説明する。

Ｓ１００１では、ジョブ設定画面７１０の設定領域７１１にリスト表示されている各検品ジョブに関する設定値、具体的には印刷部数や排紙先の設定値が検品ジョブ単位で取得される。

Ｓ１００２では、リスト表示されている検品ジョブのうち、注目する検品ジョブを一意に識別可能なバーコードが生成される。注目する検品ジョブは、例えばリストの一番上にある検品ジョブから順に決定していけばよい。生成されたバーコードの情報は、注目する検品ジョブに係る文書の画像データと共に、メモリ２０９に保持される。

Ｓ１００３では、Ｓ１００２で生成・保持されたバーコードを基に、正解画像を検品ジョブ単位（文書単位）で切り替えるためのジョブ切替シートの印刷が印刷モジュール１０７に対して指示される。

Ｓ１００４では、注目する検品ジョブの印刷が印刷モジュール１０７に対して指示される。この際、Ｓ１００１で取得された設定値に基づき、印刷部数並びに検品合格時と検品不合格時それぞれの排紙先も指示される。

注目する検品ジョブに関し指定部数分の印刷処理が完了すると、Ｓ１００５では、未処理の検品ジョブが残っているか否かが判定される。未処理の検品ジョブが残っている場合はＳ１００２に戻り、次の注目する検品ジョブを決定して同様の処理を繰り返す。一方、ユーザが選択したすべての検品ジョブについて処理が完了している場合は、本処理を終える。
以上が、検品ジョブを投入する処理の詳細である。

＜検品モジュールの動作＞
次に、検品モジュール１０９側の動作について、図１１のフローチャートを参照して詳しく説明する。図１１のフローチャートが示す一連処理は、検品モジュール１０９のＣＰＵ２３８が所定のプログラムを実行することで実現される。前述の図４（ａ）の検品メニュー画面４００を介した検品処理の開始指示、又は図５（ａ）の画像登録画面５００を介した正解画像の登録指示が入力されると、以下の処理が開始する。

Ｓ１１０１では、入力されたユーザ指示が、正解画像の登録指示と検品の開始指示のいずれであるかが判定される。正解画像の登録指示であればＳ１１０２に進み、検品の開始指示であればＳ１１０３に進む。

Ｓ１１０２では、動作モードが正解画像登録モードに設定され、正解画像の登録処理が実行される。正解画像登録処理の詳細については後述する。

Ｓ１１０３では、動作モードが検品モードに設定され、検品処理が実行される。検品処理の詳細については後述する。
以上が、検品モジュール１０９側の動作の大まかな流れである。

≪正解画像登録処理≫
続いて、正解画像登録処理（Ｓ１１０２）の詳細について、図１２に示すフローチャートを参照して説明する。

Ｓ１２０１では、正解画像を登録するための設定値が取得される。ここで取得される設定値には、図５（ａ）の画像登録画面５００にて設定された１部あたりの用紙枚数、検品を行う面、白紙登録を行うか否か（チェックの有無）といった情報が含まれる。なお、白紙登録を行う場合は、白紙のシートをインサータ１０８から給紙するか、若しくは１枚だけの白紙印刷のジョブを投入すればよい。

Ｓ１２０２は、印刷モジュール１０７又はインサータ１０８から搬送されてくるシートの検知処理である。シートが検知された場合はＳ１２０３に進む。

Ｓ１２０３では、検知されたシートの両面がカメラ２３１及びカメラ２３２によって撮影され、シート上の画像が読み取られる。こうして得られた読取画像は、そのデータがメモリ２３９に保持されると共に、登録処理画面５１０の画像表示領域５１１に表示される。なお、搬送されてくるシートのうち最初のシートは、正解画像をジョブ単位で切り替えるためのジョブ切替シートである。

Ｓ１２０４では、Ｓ１２０１で取得した１部あたりの用紙枚数の情報に基づき、指定された枚数分のシートを読み取ったか否かが判定される。指定された枚数分のシートの読み取りが完了していればＳ１２０５へ進み、読み取ったシートの枚数が指定された枚数に達していない場合は、Ｓ１２０２へ戻り処理を続行する。

Ｓ１２０５では、Ｓ１２０３にて得られた読取画像を正解画像として登録するユーザ指示が入力されたか否かが判定される。図５（ｂ）の画像登録画面５１０にて、ボタン５１５の押下による登録指示が入力された場合は１２０６に進み、ボタン５１６の押下によるキャンセル指示が入力された場合は本処理を抜ける。

Ｓ１２０６では、登録指示に係る読取画像が白紙画像であり、かつ、白紙登録を行う設定がなされているか否かが判定される。この場合において、Ｓ１２０３で得られた読取画像のうち先頭ページの読取画像はジョブ切替シートの読取画像である。したがって、「登録指示に係る読取画像」とは、先頭ページを除く次ページ以降の読取画像である。登録指示に係る読取画像が白紙画像で、かつ、白紙登録を行う設定がなされている場合はＳ１２０８に進む。一方、登録指示に係る読取画像が白紙画像ではない場合、又は、白紙登録をしない設定がなされている場合はＳ１２０７へ進む。

Ｓ１２０７では、Ｓ１２０３にて得られた読取画像をページ単位で正解画像として登録する処理がなされる。具体的には、メモリ２３９に保持しているジョブ切替シートの読取画像におけるバーコード領域をトリミングしてバーコード画像を取得し、次ページ以降の各読取画像と当該バーコード画像とを紐づけてメモリ２３９に保存する処理が実行される。ここで、正解画像登録処理の対象文書（検品ジョブ）が全５ページで構成されており、その３ページ目が白紙ページであったとする。そして、印刷モジュール１０７側で、白紙節約機能（出力対象のページが白紙だった場合に、当該ページの出力を行わないようにする機能）がオフに設定された状態で、印刷処理を伴う正解画像の登録指示がなされたとする。この場合、Ｓ１２０３のシート読取処理においては、全５ページ（ジョブ切替シートを除く）分の読取画像が得られることになる。そして、当該５ページ分の読取画像の中には、白紙ページを読み取って得られた白紙画像も含まれるため、当該白紙画像に対してもバーコード画像が紐付けされて正解画像として登録されることになる。一方、全５ページの同じ文書（３ページ目が白紙ページの文書）について、印刷モジュール１０７側で白紙節約機能がオンに設定された状態で印刷処理を伴う正解画像の登録指示がなされたとする。この場合、Ｓ１２０３のシート読取処理においては、ジョブ切替シート分を除くと、１，２，４，５の各ページに対応する４ページ分の読取画像が得られることになる。つまり、当該４ページ分の読取画像の中には、白紙ページである３ページ目の画像は含まれず、得られた４ページ分の読取画像に対してバーコード画像が紐付けられて正解画像として登録されることになる。

Ｓ１２０８では、Ｓ１２０３にて白紙シートを読み取って得られた白紙画像が、正解画像として登録される。具体的には、メモリ２３９の白紙画像保存領域に、指定された用紙サイズ・用紙タイプと紐付けて１枚の白紙画像のデータが正解画像として格納される。この際、バーコードとの紐付けは不要なので、メモリ２３９に保持しているジョブ切替シートの読取画像は使用されることなく破棄される。このような白紙画像の登録は、白紙ページの１部印刷、或いはインサータ１０８からの１枚の白紙シートの給紙に基づきなされる。白紙画像のみを正解画像として登録しておくことで、印刷モジュール１０７において白紙ページの出力に変化が生じ得る機能（本実施形態では、白紙節約機能）の設定値が正解画像の登録時と検品時とで異なっていても、照合ページの不整合の発生を抑制することが可能になる。
以上が、正解画像を登録する際の処理の流れである。

≪検品処理≫
続いて、検品処理（Ｓ１１０３）の詳細について、図１３に示すフローチャートを参照して説明する。図１３に示すフローの開始前に、印刷モジュール１０７において白紙節約機能を使用する設定がなされているかどうかを示す設定値の情報が予め取得されメモリ２３９に保持されているものとする。

Ｓ１３０１では、検品処理の終了か否かが判定される。投入された検品ジョブで指定された全部数の検品処理が完了した場合や図１４の（ａ）及び（ｂ）に示す検品結果画面１４００の「検品終了」ボタン１４０３が押下された場合、検品処理の終了と判定されて本処理を終了する。一方、検品処理を終了するタイミングではないと判定されればＳ１３０２へ進む。

Ｓ１３０２は、印刷モジュール１０７又はインサータ１０８から搬送されてくるシートの検知処理である。シートが検知された場合はＳ１３０３に進み、検知されない場合はＳ１３０１に戻る。

Ｓ１３０３では、検知されたシートの両面がカメラ２３１及びカメラ２３２によって撮影され、シート上の画像が読み取られる。こうして得られた読取画像は、そのデータがメモリ２３９に保持されると共に、図１４の（ａ）及び（ｂ）の検品結果画面１４００の画像表示領域１４０１に表示される。

Ｓ１３０４では、Ｓ１３０３で得られた読取画像が、ジョブ切替シートの読取画像であるか否かが判定される。この判定は、対象の読取画像における、前述のバーコード領域に対応する画像領域と、メモリ２３９に保持しているバーコード画像（前述のＳ１２０７参照）とを比較することで行う。比較の結果、読取画像におけるバーコード領域の画像が、保持されていたバーコード画像と一致する場合はＳ１３１７に進む。Ｓ１３１７では、メモリ２３９に保持されているバーコード画像に紐づく１又は複数の正解画像が取得され、その先頭ページの正解画像が、読取画像との比較において最初に参照する正解画像として設定される。そして、続くＳ１３１８では、印刷モジュール１０７に対して、画像を読み取ったシートを大容量スタッカ１１０のエスケープトレイ３４６に排紙するよう指示される。その後はＳ１３０１に戻り、同様の処理を繰り返す。一方、読取画像におけるバーコード領域の画像が、保持されていたバーコード画像と一致しない場合はＳ１３０５へ進む。つまり、Ｓ１３０３で得られた読取画像が、印刷モジュール１０７から搬送されてきた最初のシートであればＳ１３１７へ進み、２枚目以降のシートであればＳ１３０６に進むことになる。

Ｓ１３０５では、Ｓ１３０３にて得られた読取画像が、白紙画像であるか否かが判定される。白紙画像であるかどうかは、例えば読取画像を構成する各画素値（ＲＧＢ値）が白を表す画素値であるかのチェック処理、例えば８ｂｉｔ信号値の場合にＲＧＢの各値が２５０を超えていれば白と判定のようなチェック処理を行えばよい。また、印刷モジュール１０７でのラスタライズ時に得られた白紙ページかどうかの情報を取得してその結果に基づき処理を振り分けてもよい。読取画像が白紙画像でないと判定された場合はＳ１３０６へ進み、白紙画像であると判定された場合はＳ１３０９へ進む。なお、読取画像が白紙画像となる状況は、通常は白紙節約機能がオフに設定されている場合に限られる。つまり、印刷モジュール１０７で白紙節約機能がオンに設定されている場合、印刷処理の過程で何らかの異常が起きない限りは全ての読取画像は非白紙画像となるので、Ｓ１３０６に進むことになる。

Ｓ１３０６では、現在設定中の正解画像が白紙画像であるか否かが判定される。現在設定中の正解画像が白紙画像であればＳ１３０７へ進み、白紙画像でなければＳ１３１１へ進む。

Ｓ１３０７では、印刷モジュール１０７において白紙節約機能がオンに設定されているかどうかが確認される。上述のとおり本ステップに進んだ段階で、白紙節約機能はオンに設定されていることが推認されるが、ここで念のためにチェックされる。印刷モジュール１０７における白紙節約機能の設定状態の情報は事前に取得・保持されているので、印刷モジュール１０７にて白紙節約機能がオンに設定されていればＳ１３０８へ進み、白紙節約機能がオフに設定されていればＳ１３１１へ進む。なお、白紙節約機能がオフに設定されていると判定された場合にＳ１３１１に進むことなくエラー処理を行ってもよい。

Ｓ１３０８では、読取画像と照合する正解画像が更新される。これにより、例えば現在設定中の正解画像が１ページ目に対応する正解画像であれば、２ページ目に対応する正解画像が新たに現在設定中の正解画像となる。

読取画像が白紙画像であった場合のＳ１３０９では、Ｓ１３０６と同様、登録されている正解画像のうち、現在設定中の正解画像が白紙画像であるか否かが判定される。現在設定中の正解画像が白紙画像であればＳ１３１１へ進み、白紙画像でなければＳ１３１０へ進む。

Ｓ１３１０では、前述の図１２のフローで正解画像として登録された白紙画像（Ｓ１２０８を参照）が、読取画像と照合する正解画像として設定される。これにより白紙画像が、現在設定中の正解画像となる。

Ｓ１３１１では、Ｓ１３０３にて得られた読取画像と現在設定中の正解画像とが照合され、印刷欠陥の有無が解析される。読取画像から所定の欠陥が検出されなければ検品合格と判定され、欠陥が検出されれば検品不合格と判定される。

Ｓ１３１２では、Ｓ１３１１での判定結果に応じて、処理が振り分けられる。Ｓ１３１１の判定の結果、検品合格であればＳ１３１３に進み、検品不合格であればＳ１３１５へ進む。

Ｓ１３１３では、検品において印刷欠陥が検出されなかった旨の通知表示が行われる。例えば、図１４（ａ）の検品結果画面１４００の結果表示領域１４０２のように「ＯＫ」の文字が表示される。続くＳ１３１４では、画像を読み取ったシートを所定の排紙先（例えば大容量スタッカ１１０）に排紙するよう印刷モジュール１０７に対して指示される。ここでの排紙先は、前述の図７（ｂ）のジョブ設定画面７１０における設定領域７１４で設定された排紙先である。その後、Ｓ１３０１に戻り処理を繰り返す。

Ｓ１３１５では、検品において印刷欠陥が検出された旨の通知表示が行われる。例えば、図１４（ｂ）の検品結果画面１４００の結果表示領域１４０２のように「ＮＧ」の文字が表示される。続くＳ１３１６では、画像を読み取ったシートを所定の排紙先（例えばエスケープトレイ３４６に）に排紙するよう印刷モジュール１０７に対して指示される。ここでの排紙先も、前述の図７（ｂ）のジョブ設定画面７１０における設定領域７１４で設定された排紙先である。その後、Ｓ１３０１に戻り処理を繰り返す。

以上が、検品処理の流れである。ここで、検品処理時の実際の動作の流れを、ケース別に説明する。なお、前提として、投入される検品ジョブは全５ページで構成され、そのうち３ページ目が白紙ページであり、特定のジョブに紐づけられていない白紙画像が正解画像として登録済みであるものとする。

＜ケース１：正解画像登録時及び検品印刷実行時ともに白紙節約機能オフ＞
このケースでは、白紙ページを含む全５ページ（切替用ページを入れると全６ページ。以下同じ。）の読取画像が事前に正解画像として登録され、検品を伴う印刷時には白紙ページを含めた全５ページが印刷出力されることになる。

・非白紙ページ（１，２，４，５ページ）の読取画像はそれぞれ対応する正解画像と比較される。よって、各ページについて、Ｓ１３０５でＮｏ、Ｓ１３０６でＮｏとなって、Ｓ１３１１に進み、各ページの読取画像と対応するページの正解画像とが比較される。

・白紙ページである３枚目の読取画像の処理は以下の通り。
１）読取画像は白紙画像なのでＳ１３０５でＹｅｓとなって、Ｓ１３０９へ進む。
２）３ページ目の正解画像として白紙画像が登録されているので、Ｓ１３０９でＹｅｓとなって、Ｓ１３１１へ進む。
３）３ページ目の白紙の読取画像と正解画像としての白紙画像とが比較される（Ｓ１３１１）。

＜ケース２：正解画像登録時及び検品印刷実行時ともに白紙節約機能オン＞
このケースでは、白紙ページを除いた全４ページ（１，２，４，５ページ）の読取画像が正解画像として登録され、検品を伴う印刷時にも白紙ページを除いた全４ページ（１，２，４，５ページ）が印刷出力されることになる。

・非白紙ページ（１，２，４，５ページ）の読取画像がそれぞれ対応するページの正解画像と比較される。つまり、全ページについて、Ｓ１３０５でＮｏ、Ｓ１３０６でＮｏとなって、Ｓ１３１１に進み、各ページの読取画像と対応するページの正解画像とが比較される。

＜ケース３：正解画像登録時に白紙節約機能オン、検品印刷実行時に白紙節約機能オフ＞
このケースでは、白紙ページを除いた全４ページ（１，２，４，５ページ）の読取画像が正解画像として登録され、検品を伴う印刷時には白紙ページを含めた全５ページが印刷出力されることになる。

・非白紙ページ（１，２，４，５ページ）の読取画像はそれぞれ対応する正解画像と比較される。つまり、各ページについて、Ｓ１３０５でＮｏ、Ｓ１３０６でＮｏとなって、Ｓ１３１１に進み、各ページの読取画像と対応するページの正解画像とが比較される。

・白紙ページである３ページ目の処理は以下の通り。
１）読取画像は白紙画像なのでＳ１３０５でＹｅｓとなって、Ｓ１３０９へ進む。
２）設定中の正解画像は白紙画像ではない（この時点では４ページ目の正解画像になっている）ので、Ｓ１３０９でＮｏとなってＳ１３１０へ進む。
３）ジョブ共通の正解画像として事前登録された白紙画像が読み出され、正解画像として設定されてＳ１３１１へ進む。
４）白紙ページの読取画像と正解画像としての白紙画像とが比較される（Ｓ１３１１）。

＜ケース４：正解画像登録時に白紙節約機能オフ、検品印刷実行時に白紙節約機能オン＞
このケースでは、白紙ページを含む全５ページの読取画像が正解画像として登録され、検品を伴う印刷時には白紙ページを除いた全４ページ（１，２，４，５ページ）が印刷出力されることになる。

・非白紙ページである１，２ページ目の読取画像はそれぞれ対応する正解画像と比較される。つまり、各ページについて、Ｓ１３０５でＮｏ、Ｓ１３０６でＮｏとなって、Ｓ１３１１へ進み、各ページの読取画像と対応するページの正解画像とが比較される。

・非白紙ページである３枚目（４ページ目）の処理は以下のとおり。
１）読取画像は白紙画像ではないので、Ｓ１３０５でＮｏとなってＳ１３０６へ進む。
２）現在設定中の正解画像は白紙画像なので（ジョブに含まれる３ページ目の白紙ページの読取画像が正解画像として登録されている）、Ｓ１３０６でＹｅｓとなってＳ１３０７へ進む。
３）印刷モジュール１０７の白紙節約機能がオンなので、Ｓ１３０７でＹｅｓとなってＳ１３０８へ進む。
４）正解画像が更新（４ページ目の正解画像を読み出して設定）されて、Ｓ１３１１へ進む。
５）読取画像と４ページ目の正解画像とが比較される（Ｓ１３１１）。

・非白紙ページである４枚目（５ページ目）の読取画像は対応する正解画像と比較される。つまり、Ｓ１３０５でＮｏ、Ｓ１３０６でＮｏとなって、Ｓ１３１１へ進み、５ページの読取画像と対応するページの正解画像とが比較される。

以上のとおり本実施形態の手法によれば、いずれのケースにおいても、読取画像と正解画像との間で照合ページの不一致は発生することなく検品処理が行われることが分かる。

＜印刷モジュールの動作＞
続いて、検品を伴う印刷処理を開始する際のユーザが印刷モジュール１０７に対して行う作業について説明する。図１５（ａ）は、印刷モジュール１０７のディスプレイ２２５に表示される、印刷条件の設定を行うためのＵＩ画面（以下、「プリンタ設定画面」と呼ぶ。」）の一例である。プリンタ設定画面１５００は、印刷モジュール１０７のＣＰＵ２２２によって表示制御される。項目表示領域１５０１には各設定項目がリスト表示され、ボタン１５０２により設定項目のスクロールが可能である。各設定項目については右側にあるボタンを押下することで表示される。ボタン１５０３は「白紙節約」について設定を行うためのサブ画面を表示するためのボタンである。ボタン１５０３が押下されると、図１５（ｂ）に示す白紙節約機能をオン又はオフに設定するためのサブ画面１５１０がポップアップ表示される。ユーザは、白紙節約機能を使用する場合はボタン１５１１を選択し、続けてボタン１５１４を押下する。また、白紙節約機能を使用しない場合はボタン１５１２を選択し、続けてボタン１５１２を押下する。ボタン１５１３を押下すると操作がキャンセルされ、元の設定値のままサブ画面１５１０から抜ける。ボタン１５１４が押下されると直前に選択された設定内容が保存されサブ画面１５１０から抜ける。そして、プリンタ設定画面１５００のボタン１５０４が押下されると、各設定項目について直前に選択された設定内容が保存されて画面表示が終了する。

次に、印刷モジュール１０７における動作について、図１６のフローチャートを参照して詳しく説明する。図１６のフローチャートが示す一連処理は、印刷モジュール１０７のＣＰＵ２２２が所定のプログラムを実行することで実現される。

Ｓ１６０１では、外部コントローラ１０２から投入されたジョブを受信する。次のＳ１６０２では、受信したジョブがインサータ１０８からシートを取り込むことを指示する給紙ジョブであるか否かが判定される。給紙ジョブである場合はＳ１６０８へ進み、給紙ジョブではない場合（すなわち、印刷ジョブである場合）はＳ１６０３へ進む。

Ｓ１６０３では、Ｓ１６０１で受信した印刷ジョブに基づきページ単位の印刷画像が生成される。続くＳ１６０４では、Ｓ１６０３で生成された印刷画像が白紙画像であるか否かが判定される。この際の判定手法は、前述のＳ１３０５で説明したとおりである。判定の結果、印刷画像が白紙画像である場合はＳ１６０５へ進み、白紙画像でない場合はＳ１６０６へ進む。

Ｓ１６０５では、白紙節約機能がオンに設定されているか否かが判定される。白紙節約機能がオンに設定されている場合はＳ１６０７へ進み、白紙節約機能がオフに設定されている場合はＳ１６０６へ進む。

Ｓ１６０６では、Ｓ１６０３で生成された印刷画像の印刷処理が実行される。そして、Ｓ１６０７では、印刷ジョブで指定された全ページ分の印刷処理が完了したか否かが判定される。印刷処理が済んでいないページがあればＳ１６０３へ戻って同様の処理が繰り返される。一方、全ページの印刷処理が完了していれば本処理を終了する。

受信したジョブが給紙ジョブであった場合のＳ１６０８では、インサータ１０８にセットされたシートがページ単位で給排紙される。次のＳ１６０９では、給紙ジョブで指定された全ページ分の給排紙処理が完了したか否かが判定される。給排紙処理が済んでいないページがあればＳ１６０８へ戻って同様の処理が繰り返される。一方、全ページの給排紙処理が完了していれば本処理を終了する。
以上が、印刷モジュール１０７の動作である。

＜変形例＞
上述の実施形態では、正解画像の登録時と検品を伴う印刷時とで白紙節約機能の設定値が異なり得ることを前提とし、ジョブ共通の白紙画像を予め正解画像として登録しておくことで、検品処理における照合ページの不整合の発生を未然に防いでいる。しかしながら、正解画像の登録時と検品を伴う印刷時とで印刷モジュール１０７における白紙節約機能の設定状態を一致させることができれば、同様に検品処理における照合ページの不整合の発生は防ぐことができる。そこで、必ず白紙ページも含める形で正解画像の登録が行われるように、例えば検品モジュール１０９側が正解画像登録モードであるときは、白紙節約機能をオンに設定できないようにユーザ操作を不能化してもよい。具体的な方法としては、例えば上述のプリンタ設定画面１５００において「白紙節約」の項目名やその設定のためのボタン１５０３をグレイアウトしてユーザが選択できないようにすればよい。その際には、現在の白紙節約の設定値をメモリ２２４に保持しておき、正解画像の登録処理が完了した段階で不能化を解除して保持しておいた設定値に戻せばよい。このような制御を行う場合、前述の図１３のフローチャートのＳ１３０５、Ｓ１３０９、Ｓ１３１０のステップは省略できる。すなわち、Ｓ１３０４でＮｏ（読み取ったシートはジョブ切替シートではないと判定）のとき、直ちにＳ１３０６へ進み、現在の正解画像が白紙画像であるかどうかの判定を行えばよい。本変形例の場合、検品モジュール１０９側の動作制御をより簡素にできる。

以上のとおり本実施形態によれば、検品を伴う印刷時に正解画像と検査画像との間で照合ページに不整合が生じるのを防ぐことが可能となる。また、印刷モジュール１０７側の白紙節約機能の設定状態に合わせた何通りものパターンで正解画像を登録する必要がなくなるので、ユーザの負荷軽減にも資することができる。

＜その他の実施形態＞
上述の実施形態においては、検品条件の設定の操作は検品モジュール１０９にて行い、検品ジョブの設定や印刷指示の操作は外部コントローラ１０２にて行っているが、このような構成に限定されない。例えば検品条件の設定および検品ジョブの設定や印刷指示といった操作を、外部コントローラ１０２、印刷モジュール１０７、検品モジュール１０９、クライアントＰＣ１０３のいずれかで統一して行うように構成してもよい。

また、上述の実施形態では、正解画像のデータは検品モジュール１０９のメモリ２３９において保持していたが、例えば各モジュールが共通でアクセス可能なサーバー上に保持するような構成でもよい。

また、上述の実施形態では、正解画像の登録を行う際、図９（ａ）に示すような専用のジョブ切替シートを用いていたが、必ずしも独立したジョブ切替シートを用いなくてもよい。例えば図９（ｂ）に示すように、検品ジョブで指定される用紙サイズよりも一回り大きいシートに検品対象の画像を印刷し、その余白部分に正解画像に紐付くバーコードを印刷してもよい。この場合、検品モジュール１０９は、正解画像となる画像領域とバーコード領域をそれぞれトリミングして、画像データの保持・登録を行えばよい。また、印刷物を束毎に管理するために特定の部数毎に仕切りシートを挿入した検品ジョブを実行する場合、先頭の仕切りシートに対して正解画像に紐付くバーコードを付加してもよい。これにより、束間の仕切りシートの一部をジョブ切替シートとして機能させることができる。

本発明は、上述の実施形態の１以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける１つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、１以上の機能を実現する回路（例えば、ＡＳＩＣ）によっても実現可能である。

Claims (13)

1. 印刷ジョブに基づきページ単位で印刷処理を行う印刷手段と、
   前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像と、前記印刷ジョブと紐付けて登録された正解画像とを照合して、前記印刷処理されたシートの印刷欠陥を検査する検査手段と、
   を備え、
   前記印刷手段は、前記印刷処理の対象が白紙ページであった場合にその印刷出力を省略する機能を有し、
   前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像が前記機能によって白紙画像であった場合、前記検査手段は、前記印刷ジョブと紐付かずに正解画像として登録された白紙画像を用いることで、前記正解画像のページと前記読取画像のページとを一致させる、
   ことを特徴とする印刷システム。
2. 前記検査手段は、前記検査を行う際の前記印刷手段における前記機能の設定値に基づき、前記印刷ジョブと紐付かずに正解画像として登録された白紙画像を用いるかどうかを決定して、前記正解画像のページと前記読取画像のページとを一致させる、ことを特徴とする請求項１に記載の印刷システム。
3. 前記検査手段は、前記検査を行う際の前記印刷手段における前記機能の設定値がオンであって、前記読取画像のページが白紙ページであり、かつ、前記印刷ジョブと紐付けて当該白紙ページに対応する白紙画像が予め正解画像として登録されていない場合、前記印刷ジョブに紐付かずに正解画像として登録された白紙画像を、前記読取画像のページに対応する正解画像として決定する、
   ことを特徴とする請求項２に記載の印刷システム。
4. 印刷処理された見本シートの画像を読み取って得られた読取画像を前記印刷ジョブと紐付けて正解画像として登録し、さらに、印刷処理されていない白紙シートの画像を読み取って得られた読取画像を特定の印刷ジョブに紐付かない正解画像として登録する登録手段をさらに備えたことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の印刷システム。
5. 前記登録に関する設定を行うためのグラフィカルユーザインタフェースを備え、
   前記グラフィカルユーザインタフェースは、印刷処理された見本シートの画像を読み取って得られた読取画像を前記印刷ジョブと紐付けて正解画像として登録するための設定領域と、印刷処理されていない白紙シートの画像を読み取って得られた読取画像を特定の印刷ジョブに紐付かない正解画像として登録するための設定領域とを有する、
   ことを特徴とする請求項４に記載の印刷システム。
6. 印刷ジョブに基づきページ単位で印刷処理を行う印刷手段と、
   印刷処理された見本シートの画像を読み取って得られた読取画像を前記印刷ジョブと紐付けて正解画像として登録する登録手段と、
   前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像と、前記印刷ジョブと紐付けて登録された正解画像とを照合して、前記印刷処理されたシートの印刷欠陥を検査する検査手段と、
   を備え、
   前記印刷手段は、前記印刷処理の対象が白紙ページであった場合にその印刷出力を省略する機能を有し、
   前記機能は、前記登録を行うための前記見本シートの印刷処理を行う際にはその設定値をオンに設定できない、
   ことを特徴とする印刷システム。
7. 前記機能の設定値をオンにするかオフにするかをユーザが設定するためのユーザインタフェースを備え、
   前記ユーザインタフェースは、前記登録を行うための前記見本シートの印刷処理を行う際、前記設定のためのユーザ操作が不能化される、
   ことを特徴とする請求項６に記載の印刷システム。
8. 前記ユーザインタフェースは、グラフィカルユーザインタフェースであり、
   前記不能化は、前記グラフィカルユーザインタフェースにおいて、前記機能に関する表示をグレイアウトすることで実現される、ことを特徴とする請求項７に記載の印刷システム。
9. 前記不能化の際、前記機能の現在の設定値を保存する保存手段をさらに備え、
   前記ユーザインタフェースは、前記登録が完了すると、前記不能化が解除されると共に、前記機能の設定値が前記保存された設定値に戻される、
   ことを特徴とする請求項７又は８に記載の印刷システム。
10. 印刷ジョブに基づきページ単位で印刷処理を行う印刷手段と、
    前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像と、前記印刷ジョブと紐付けて登録された正解画像とを照合して、前記印刷処理されたシートの印刷欠陥を検査する検査手段と、
    を備え、
    前記印刷手段は、前記印刷処理の対象が白紙ページであった場合にその印刷出力を省略する機能を有し、
    前記正解画像登録時は前記機能をオン、前記正解画像と照合を行う検査時は前記機能がオフの場合、前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた白紙画像を、前記印刷ジョブと紐付かずに正解画像として登録された白紙画像と照合する、
    ことを特徴とする印刷システム。
11. 印刷ジョブに基づきページ単位で印刷処理を行う印刷手段と、
    前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像と、前記印刷ジョブと紐付けて登録された正解画像とを照合して、前記印刷処理されたシートの印刷欠陥を検査する検査手段と、
    を備え、
    前記印刷手段は、前記印刷処理の対象が白紙ページであった場合にその印刷出力を省略する機能を有し、
    前記正解画像登録時は前記機能をオフ、前記正解画像と照合を行う検査時は前記機能がオンの場合、前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた画像を、前記正解画像として登録された白紙画像と照合しないように制御する、
    ことを特徴とする印刷システム。
12. 印刷手段と検査手段を備えた印刷システムの制御方法であって、
    前記印刷手段が、印刷ジョブに基づきページ単位で印刷処理を行う印刷ステップと、
    前記検査手段が、前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像と、前記印刷ジョブと紐付けて登録された正解画像とを照合して、前記印刷処理されたシートの印刷欠陥を検査する検査ステップと、
    を含み、
    前記印刷手段は、前記印刷処理の対象が白紙ページであった場合にその印刷出力を省略する機能を有し、
    前記印刷ジョブに基づき印刷処理されたシート上の画像を読み取って得られた読取画像が前記機能によって白紙画像であった場合、前記検査ステップでは、前記印刷ジョブと紐付かずに正解画像として登録された白紙画像を用いることで、前記正解画像のページと前記読取画像のページとを一致させる、
    ことを特徴とする制御方法。
13. コンピュータを、請求項１乃至１１のいずれか一項に記載の印刷システムとして機能させるためのプログラム。

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