JP2022129721A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】低重心化および打音の改善の双方を実現する。【解決手段】クラウン部16は、上方に凸状の曲面で形成された高位領域32と、高位領域32に接続され平面あるいは下方に窪む曲面で形成され高位領域32よりも高さが低い低位領域34とを含んでいる。高位領域32は、フェース部14寄りに位置する第1高位領域32Aと、第1高位領域32Aのフェースバック26寄りの箇所に接続されフェースバック26に至るにつれて高さが低くなる第2高位領域32Bとを備えている。低位領域34は、第2高位領域32Bのフェースバック26寄りの箇所に接続されフェースバック26に向かって延在している。上下方向において互いに対向する低位領域34の箇所とソール部18の箇所とを接続するリブ38が設けられている。【選択図】図5

Description

本発明はゴルフクラブヘッドに関する。
従来から飛距離を向上させる目的でゴルフクラブヘッドの低重心化を図る技術が提案されている。
特許文献1には、中空ゴルフクラブヘッドにおいて、クラウン部に下方に窪む凹部を形成すると共に、凹部のフェースバック寄りの箇所とソール部とを接続する拘束部材と、拘束部材に結合され凹部の前後方向のほぼ全長にわたって延在する片持梁部材とを設ける技術が開示されている。
この技術によれば、凹部により低重心化を図る一方、拘束部材と片持梁部材によってクラウン部の剛性を強化し打音の改善を図っている。
また、特許文献2には、低重心化を図るものではないが、打音の改善を図るために、中空ゴルフクラブヘッドにおいて、クラウン部からサイド部を経てソール部まで延在する複数のリブを設ける技術が開示されている。
特許第5378806号公報 特許第5260110号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、フェース部とフェースバックを結ぶ前後方向においてクラウン部の凹部のほぼ全長にわたって片持梁部材が設けられていることから重心が高くなるため低重心化の効果が低下する不利がある。
また、特許文献2の技術では、リブによってゴルフクラブヘッドの剛性を高めて打音の改善を図る上で一定の効果はあるものの、複数のリブがクラウン部に設けられていることから、上記引用文献1と同様に重心が高くなるため低重心化の効果が低下する不利が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低重心化および打音の改善の双方を実現する上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、クラウン部とソール部とを有し内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部は、上方に凸状の曲面で形成された高位領域と、前記高位領域に接続され平面あるいは下方に窪む曲面で形成された前記高位領域よりも高さが低い低位領域とを含み、上下方向において互いに対向する前記低位領域の箇所と前記ソール部の箇所とを接続するリブが設けられていることを特徴とする。
本発明の一実施の形態によれば、クラウン部に低位領域を設けることでゴルフクラブヘッドの低重心化を図る上で有利となり、そのため、打球の打ち出し角が高くなり、また、打球のバックスピン量を低減できることから、打球の飛距離を大きく確保する上で有利となる。
さらに、リブによって低位領域の箇所とソール部の箇所とを接続することで、低位領域の剛性を高め、低位領域に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にすることができるため、低位領域を設けたにも拘らず打球音の低下を防止し、心地よい打球音を得ることができる。
したがって、低重心化および打音の改善の双方を実現する上で有利となる。
第1の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドをフェースバック側から見た斜視図である。 第1実施の形態に係るゴルフクラブヘッドをフェース面の前方から見た正面図である。 図2のA矢視図である。 図2のB矢視図である。 図2の平面Xで破断したフェース中心基準断面Pfcの断面図である。 (A)はリブ接合部分と、高位領域と低位領域とを接続する境界部との位置関係を示す説明図、(B)は変曲点の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第1の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第2の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第3の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第4の説明図である。 ゴルフクラブヘッドの重心点G0とフェース面上重心点FGとの関係を示すゴルフクラブヘッドの断面図である。 フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの断面図である。 フェース面の中心点Pcの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 リブと第1基準円(第2基準円)との関係を示すゴルフクラブヘッドの平面図である。 (A)はリブ接合部分と、高位領域と低位領域とを接続する境界部との位置関係を示す説明図、(B)は変曲点の説明図である。 リブの変形例を示すゴルフクラブヘッドのフェース中心基準断面Pfcの断面図である。 第2の実施の形態のゴルフクラブヘッドをフェースバック側から見た斜視図である。 第2の実施の形態のゴルフクラブヘッドの平面図である。 (A)は図19のX-X線断面図、(B)は変曲点の説明図である。 実施の形態のゴルフクラブヘッドの実験例の評価結果を示す図である。
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1-図5に示すように、本実施の形態において、ゴルフクラブヘッド10Aは、中空のフェアウェイウッドであり、ヘッド本体12を含んで構成されている。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成される。
前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
図5に示すように、ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空部28とされた中空構造を呈している。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14よりも小さい肉厚でフェース部14の上部から後方に延在している。
例えば、クラウン部16の肉厚は、0.4mm-1.2mmであり、フェース部14の肉厚は、1.8mm-4.5mmであり、ソール部18の肉厚は、0.5mm-1.5mmである。
図5に示すように、フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aであり、フェース部14の中空部28に面した裏面がフェース裏面14Bとなっている。
クラウン部16の外側に露出する表面がクラウン面16Aであり、クラウン部16の中空部28に面した裏面がクラウン裏面16Bである。
図1に示すように、クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル30が設けられ、ホーゼル30にシャフトSが接続されることでゴルフクラブ100が構成される。
図5に示すように、ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
ソール部18の外側に露出する表面がソール面18Aであり、ソール部18の中空部28に面した裏面がソール裏面18Bである。
図2,図3に示すように、サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間をフェースバック26を通って延在し、したがって、サイド部20はクラウン部16とソール部18とを接続する箇所である。
サイド部20の外側に露出する表面がサイド面20Aであり、サイド部20の中空部28に面した裏面がサイド裏面20B(図5)である。
図中、符号19はリーディングエッジを示す。
(フェース面14Aの中心点Pc)
次に、フェース面14Aの中心点Pcの規定方法について説明する。
フェース面14Aの中心点Pcは、フェース面14Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
[A]フェース面14Aの中心点Pcの第1の規定方法:
フェース面14Aと他のゴルフクラブヘッド10Aの部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面14Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面14Aが明瞭に定義されることになる。図7-図10はフェース面14Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
(1)まず、図7に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平面HP上にゴルフクラブヘッド10Aを載置する。このときのゴルフクラブヘッド10Aの状態を基準状態とする。なお、ライ角およびフェース角の設定値は、例えば製品カタログに記載された値である。
(2)次にクラウン部16及びソール部18を結ぶ方向における仮中心点c0を求める。
すなわち、図7に示すように、トウ22およびヒール24を結ぶ水平面HPと平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面14Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面14Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(3)次に図8に示すように仮中心点c0を通る水平線g0を引く。
(4)次に図9に示すように水平線g0とフェース面14Aのトウ22側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面14Aのヒール24側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
(5)次に図10に示すように仮中心点c1を通る垂線f1を引き、この垂線f1とフェース面14Aの上縁とが交差するa1点と、垂線f1とフェース面14Aの下縁とが交差するb1点の中点を仮中心点c2とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面14Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面14Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面14Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウヒール方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
[B]フェース面14Aの中心点Pcの第2の規定方法:
次に、フェース面14Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10Aの部分との間が曲面で接続されておりフェース面14Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
図11に示すように、ゴルフクラブヘッド10Aは中空であり、符号G0はゴルフクラブヘッド10Aの重心点を示し、符号Lpは重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線であり、言い換えると、直線Lpは重心点G0を通るフェース面14Aの垂線である。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10Aの重心点G0をフェース面14Aに投影した点がフェース面上重心点FGである。
ここで、図12に示すように、重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
ゴルフクラブヘッド10Aを各平面H1、H2、H3、…、Hnに沿って破断したときの断面において、図13に示されるように、ゴルフクラブヘッド10Aの外面の曲率半径r0を測定する。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面14A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面14Aの中心点Pcから外方向(図13における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面14Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、図12、図13に示すように、フェース面14Aとして定義される。
次に、図14に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平な地面上(水平面HP)にゴルフクラブヘッド10Aを載置する。
直線LTは、フェース面14Aのトウ22側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面14Aのヒール24側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面14Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面14Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
次に、ゴルフクラブヘッド10Aの各部の規定について詳細に説明する。
図2、図3に示すように、ゴルフクラブヘッド10Aを水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態とする。なお、以下では、ゴルフクラブヘッド10Aの基準状態を単に「基準状態」という。
図2、図5に示すように、基準状態において、フェース面14Aの中心点Pcを通る法線を含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面をフェース中心基準断面Pfcとする。言い換えると、フェース中心基準断面Pfcは、基準状態において、フェースセンターラインCLを含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面である。
また、フェース中心基準断面Pfcと平行な任意の平面でヘッド本体12を破断した断面をフェース基準断面Pfとする。したがって、フェース基準断面Pfはフェース中心基準断面Pfcを含む。
(高位領域、低位領域)
図1、図3、図4、図5に示すように、クラウン部16は、上方に凸状の曲面で形成された高位領域32と、高位領域32に接続され平面あるいは下方に窪む曲面で形成され高位領域32よりも高さが低い低位領域34とを含んでいる。
第1の実施の形態では、高位領域32は、フェース部14寄りに位置する第1高位領域32Aと、第1高位領域32Aのフェースバック26寄りの箇所に接続されフェースバック26に至るにつれて高さが低くなる第2高位領域32Bとを備えている。
低位領域34は、第2高位領域32Bのフェースバック26寄りの箇所に接続されフェースバック26に向かって延在している。
第1、第2高位領域32A、32Bは、上方に凸状の曲面で形成されていることから剛性が高い。
これに対して、低位領域34は、平面あるいは下方に窪む曲面で構成されていることから剛性が低く、打球時の振動周波数が低いものとなりやすく、打球音の周波数が低下する原因となっている。
すなわち、一般的なゴルフクラブヘッドのクラウン部は上方に凸状の単一の曲面で構成されていることがほとんどであるため、クラウン部の剛性は高いものとなっており、打球音の周波数は一定の高さを維持するものとなっているのに対して、上記のようにクラウン部16に低位領域34を設けると、打球音の周波数が一般的なゴルフクラブヘッド10Aに比較して低下する。
また、ヘッド本体12の固有値解析を行なうと、低位領域34は、平面あるいは下方に窪む曲面で構成されていることから剛性が低いため、ヘッド本体12の複数の固有振動数のうち、打球音の周波数に顕著に影響を与える最も低い(最も振幅が大きい)固有振動数の振動モードが低位領域34に出現する傾向にある。
詳細に説明すると、ゴルフクラブヘッド10Aの基準状態において、フェース部14とフェースバック26を結ぶ前後方向においてホーゼル30よりも後方に位置するクラウン部16が第1、第2高位領域32A、32Bと低位領域34とに分割されている。
第1、第2高位領域32A、32Bの水平面HPからの高さに対して、低位領域34の水平面HPからの高さは低い。
なお、ホーゼル30より後方に位置するクラウン部16とは、図4に示すように、フェース中心基準断面Pfcおよび水平面HPと直交し、かつ、ホーゼル30の輪郭のうち最もフェースバック26寄りの箇所を通る第3平面PL3よりフェースバック26側に位置するクラウン部16の部分をいう。
図6(A)に示すように、第1の実施の形態では、基準状態において、フェース中心基準断面Pfcと平行する第1平面PL1でクラウン部16を破断したとき、第1の実施の形態では、第1平面PL1で破断したとき、その破断面においてクラウン面16A上で隣り合う高位領域32と低位領域34の境界部36が位置すると共に境界部36に変曲点Phが形成されている。
言い換えると、図6(B)に示すように、高位領域32(第2高位領域32B)と低位領域34とは境界部36で接続され、境界部36は変曲点Phを含んで構成されている。
ここで、変曲点Phについて定義する。
図6(B)に示すように、破断面において境界部36を挟んだクラウン面16A上においてクラウン面16Aの延在方向に1mmの間隔をおいて複数の測定点P1、P2、P3、…Pnを設定する。
各測定点P1…Pnにおいてクラウン面16Aに対する接線T1…Tnを描く。
そして、接線T1と隣り合う接線T2とが交差する交差角度θ1、接線T2と隣り合う接線T3とが交差する交差角度θ2、接線T3と隣り合う接線T4とが交差する交差角度θ3といった順番で交差角度θを順次測定する。
そして、ある交差角度θx1と次の交差角度θx2との変化量を順次測定していく。
交差角度θの変化量が10°以上生じたときの測定点Px(例えばP5)を変曲点Phとする。
(リブ)
図5に示すように、上下方向において互いに対向する低位領域34の箇所とソール部18の箇所とを接続するリブ38が設けられている。
このようなリブ38を設けることにより低位領域34の剛性を高め、低位領域34に出現する振動モードの固有振動数(ヘッド本体12の複数の固有振動数のうち、打球音の周波数に顕著に影響を与える最も低い(最も振幅が大きい)固有振動数)をより高い周波数に変化させることができ、これにより打球時の打音の周波数を高くし、打球音を心地よいものとする上で有利となる。
リブ38の延在方向は限定されないが、第1の実施の形態では、図4に示すように、リブ38はフェース部14とフェースバック26とを結ぶ前後方向に延在している。
リブ38は、延在方向に沿った長さと、クラウン部16とソール部18とを結ぶ上下方向に沿った高さと、長さおよび高さと直交する厚さとを備えている。
また、図4、図5に示す例では、リブ38は、境界部36の延在方向と交差する方向に延在しているが、境界部36側に位置するリブ38の延在方向の一端が境界部36から離間しており、境界部36とは接合していない。
ここで、境界部36は変曲点Phを含むことから境界部36の剛性は変曲点Phを含まない他の部分に比較して局所的に低下する傾向にある。
これに対して、図16(A)、(B)に示すように、リブ38の延在方向の一端が境界部36に接合していると、変曲点Phを含むことで低下している境界部36の剛性を高めることができることから、境界部36と隣接する低位領域34の剛性も高まり、低位領域34に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にする上でより有利となる。
また、図5あるいは図16(A)に示す例では、リブ38は、低位領域34とソール部18とを接合している一方、リブ38は、サイド部20に接合されていない。
これに対して、図17に示すように、リブ38を、低位領域34とソール部18に接合し、さらに、低位領域34とソール部18との間に位置するサイド部20にも接合し、リブ38と低位領域34との接合部分と、リブ38とサイド部20との接合部分と、リブ38とソール部18との接合部分とが連続するようにしてもよい。
このようにすると、リブ38が、低位領域34とソール部18に加えてサイド部20にも接合されるため、リブ38が接合された低位領域34の部分の剛性を高める上でより有利となり、低位領域34の剛性を高め、低位領域34に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にする上でより有利となる。
さらに、図17に示すように、リブ38にその厚さ方向に貫通する孔部40を設けると、リブ38の軽量化を図り、ゴルフクラブヘッド10Aの設計の自由度を確保する上で有利となる。
また、図4に示すように、ゴルフクラブヘッド10Aを水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、低位領域34の重心点GAを通る低位領域34(クラウン面16A)の法線を中心とする半径10mmの円を法線に沿って低位領域34上に投影した円を第1基準円CA1としたときに、ゴルフクラブヘッド10Aを平面視した状態でリブ38と低位領域34との接合部分の少なくとも一部が第1基準円CA1の内部に位置するようにしてもよい。
低位領域34に出現する振動モードで振幅が大きい箇所は、低位領域34の中で剛性が低い重心点GA付近に出現する。
したがって、図4に示すように、リブ38と低位領域34との接合部分の少なくとも一部が第1基準円CA1の内部に位置するようにすると、リブ38と低位領域34との接合部分の少なくとも一部が第1基準円CA1の内部に位置していない場合と比較して、リブ38と低位領域34との接合部分と、低位領域34の重心点GAとの距離が短縮される。
そのため、リブ38が接合された低位領域34の剛性を高める上でより有利となり、低位領域34に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にする上でより有利となる。
また、図4を流用して説明すると、ゴルフクラブヘッド10Aを水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、第1基準円CA1を鉛直方向にソール面18A上に投影した円を第2基準円CA2としたとき、ゴルフクラブヘッド10Aを平面視した状態でリブ38とソール部18との接合部分の少なくとも一部が第2基準円CA2の内部に位置するようにしてもよい。
このようにすると、リブ38とソール部18との接合部分の少なくとも一部が第2基準円CA2の内部に位置していない場合と比較して、リブ38とソール部18との接合部分と、低位領域34の重心点GAとの距離が短縮される。
そのため、ゴルフクラブヘッド10Aの基準状態において、低位領域34の重心点GAを通るソール部18(ソール内面18B)の法線に沿ってリブ38が上下方向に延在することになり、リブ38の延在方向とソール部18(ソール内面18B)が成す角度が90°に近づき、鉛直方向のリブ38の剛性を高め、リブ38が接合された低位領域34の剛性を高める上でより有利となり、低位領域34に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にする上でより有利となる。
なお、リブ38の重量は、5g以内とすることがゴルフクラブヘッド10Aの設計の自由度を確保する観点から好ましい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、クラウン部16は、上方に凸状の曲面で形成された高位領域32と、高位領域32に接続され平面あるいは下方に窪む曲面で形成された高位領域32よりも高さが低い低位領域34とを含み、上下方向において互いに対向する低位領域34の箇所とソール部18の箇所とを接続するリブ38が設けられている。
したがって、クラウン部16に低位領域34を設けることでゴルフクラブヘッド10Aの低重心化を図る上で有利となり、そのため、打球の打ち出し角が高くなり、また、打球のバックスピン量を低減できることから、打球の飛距離を大きく確保する上で有利となる。
さらに、リブ38によって低位領域34の箇所とソール部18の箇所とを接続することで、低位領域34の剛性を高め、低位領域34に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にすることができるため、低位領域34を設けたにも拘らず打球音の低下を防止し、心地よい打球音を得ることができ、ゴルフクラブヘッド10Aの商品価値を高める上で有利となる。
すなわち、低重心化および打音の改善の双方を実現する上で有利となる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
なお以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を簡略化し、異なる部分について重点的に説明する。
図18-図20に示すように、第2の実施の形態のゴルフクラブヘッド10Bは、クラウン部16に含まれる高位領域42と低位領域44の位置関係が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、高位領域42は、フェース部14寄りに位置する第1高位領域42Aと、第1高位領域42Aのトウヒール方向の中間部からフェースバック26に向かって延在する第2高位領域42Bとを備えている。
低位領域44は、第1高位領域42Aの中間部を除いた両側の箇所からフェースバック26に向かって延在すると共に、第2高位領域42Bのトウヒール方向の両側部から互いに離れる方向に延在している。
したがって、低位領域44は、第2高位領域42Bのトウ22側の側部から延在する第1低位領域44Aと、第2高位領域42Bのヒール24側の側部から延在する第2低位領域44Bとを備えている。
第1、第2高位領域42A、42Bは、いずれも上方に凸状の曲面で形成されている。
第1、第2低位領域44A、44Bは、下方に窪む曲面で形成され第1、第2高位領域42A、42Bよりも高さが低い。
第1の実施の形態と同様に、高位領域42と低位領域44とは境界部36で接続されている。
第2の実施の形態においても、高位領域42は、上方に凸状の曲面で形成されていることから剛性が高いのに対して、低位領域44は、下方に窪む曲面で構成されていることから高位領域42に比較して剛性が低く、打球時の振動周波数が低いものとなりやすく、打球音の周波数が低下する原因となっている。
詳細に説明すると、図19に示すように、ゴルフクラブヘッド10Bの基準状態において、フェース部14とフェースバック26を結ぶ前後方向においてホーゼル30よりも後方に位置するクラウン部16が高位領域42と低位領域44とに分割されている。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、図19に示すように、基準状態において、フェース中心基準断面Pfcと平行する第1平面PL1でクラウン部16を破断したとき、その破断面においてクラウン面16A上で隣り合う第1高位領域42Aと、第1、第2低位領域44A、44Bの境界部36がそれぞれ位置すると共に各境界部36に変曲点Ph1、Ph2が形成されている。
また、図19、図20(A)に示すように、基準状態において、フェース中心基準断面Pfcおよび水平面HPと直交する第2平面PL2でクラウン部16を破断したとき、その破断面においてクラウン面16A上で隣り合う第2高位領域42Bと、第1、第2低位領域44A、44Bの境界部36がそれぞれ位置すると共に各境界部36に変曲点Ph1、Ph2が形成されている。
第1高位領域42Aと第1、第2低位領域44A、44Bの境界部36および変曲点Ph1、Ph2は、第2高位領域42Bと第1、第2低位領域44A、44Bの境界部36および変曲点Ph1、Ph2とそれぞれ連続している。
言い換えると、図20(B)に示すように、高位領域42と低位領域44とは境界部36で接続され、境界部36は変曲点Ph1、Ph2を含んで構成されている。
ここで、変曲点の定義については、第1の実施の形態と同様であり、第1高位領域42Aと第1低位領域44Aの変曲点Ph1、および、第1高位領域42Aと第2低位領域44Bの変曲点Ph2については、第1の実施の形態と同様の手順で求めることができる。
また、第2高位領域42Aと第1低位領域44Aの変曲点Ph1については以下の手順で求めることができる。
すなわち、図20(B)に示すように、破断面において境界部36を挟んだクラウン面16A上においてクラウン面16Aの延在方向に1mmの間隔をおいて複数の測定点P1、P2、P3、…Pnを設定し、各測定点P1…Pnにおいてクラウン面16Aに対する接線T1…Tnを描き、隣合う接線同士の交差角度θを順次測定し、その交差角度θの変化量が10°以上生じたときの測定点Px(例えばP5)を変曲点Ph1とする。
なお、第2高位領域42Bと第2低位領域44Bの変曲点Ph2についても上記と同様の手順で求めることができる。
第2の実施の形態においても、図19に示すように、上下方向において互いに対向する低位領域44の箇所とソール部18の箇所とを接続するリブ46が設けられている。
すなわち、上下方向において互いに対向する第1低位領域44Aの箇所とソール部18の箇所とを接続する第1リブ46Aと、上下方向において互いに対向する第2低位領域44Bの箇所とソール部18の箇所とを接続する第2リブ46Bとが設けられている。
なお、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、境界部36は変曲点Ph1、Ph2を含むことから境界部36の剛性は変曲点Ph1、Ph2を含まない他の部分に比較して局所的に低下する傾向にある。
第1の実施の形態と同様に、リブ46の延在方向は限定されないが、図19に示すように、リブ46が境界部36の延在方向と交差する方向に延在し、リブ46の延在方向の一端が境界部36に接合していると、変曲点Ph1、Ph2を含むことで低下している境界部36の剛性を高めることができることから、境界部36と隣接する各低位領域44の剛性も高まり、低位領域44に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にする上でより有利となる。
また、第1の実施の形態と同様に、リブ46を、各低位領域44とソール部18に接合し、さらに、各低位領域44とソール部18との間に位置するサイド部20にも接合し、リブ46と各低位領域44との接合部分と、リブ46とサイド部20との接合部分と、リブ46とソール部18との接合部分とが連続するようにしてもよい。
また、図19に示すように、ゴルフクラブヘッド10Bを水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、2つの低位領域44の重心点GAを中心とする半径10mmの第1基準円CA1を各低位領域44上にそれぞれ描いたときに、ゴルフクラブヘッド10Bを平面視した状態で各リブ46と各低位領域44との接合部分の少なくとも一部が第1基準円CA1の内部に位置するようにしてもよい。
図19の例では、第1基準円CA1の直径を横切るようにリブ46が延在している。
各低位領域44に出現する振動モードで振幅が大きい箇所は、各低位領域44の中で剛性が低い重心点GA付近に出現する。
したがって、各リブ46と各低位領域44との接合部分の少なくとも一部が第1基準円CA1の内部に位置するようにすると、各リブ46と各低位領域44との接合部分の少なくとも一部が第1基準円CA1の内部に位置していない場合と比較して、各リブ46と低位領域34との接合部分と、各低位領域44の重心点GAとの距離が短縮されるため、各リブ46が接合された各低位領域44の剛性を高める上でより有利となり、各低位領域44に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にする上でより有利となる。
また、図19を流用して説明すると、ゴルフクラブヘッド10Bを水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、各低位領域44の重心点GAを中心とする半径10mmの第1基準円CA1を各低位領域44上にそれぞれ描き、各第1基準円CA1をソール面上に投影した円をそれぞれ第2基準円CA2としたとき、ゴルフクラブヘッド10Bを平面視した状態で各リブ46と各ソール部18との接合部分の少なくとも一部が第2基準円CA2の内部に位置するようにしてもよい。
図19の例では、第2基準円CA2の直径を横切るようにリブ46が延在している。
このようにすると、各リブ46と各ソール部18との接合部分の少なくとも一部が第2基準円CA2の内部に位置していない場合と比較して、各リブ46と各ソール部18との接合部分と、各低位領域44の重心点GAとの距離が短縮される。
そのため、ゴルフクラブヘッド10Bの基準状態において、各低位領域44の重心点GAを通るソール部18(ソール内面18B)の法線に沿って各リブ46が上下方向に延在することになり、各リブ46と各ソール部18(ソール内面18B)が成す角度が90°に近づき、鉛直方向の各リブ46の剛性を高め、各リブ46が接合された各低位領域44の剛性を高める上でより有利となり、各低位領域44に出現する振動モードの固有振動数を高い周波数にする上でより有利となる。
このような第2実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様に、クラウン部16に低位領域44を設けることでゴルフクラブヘッド10Bの低重心化を図る上で有利となり打球の飛距離を大きく確保する上で有利となることは無論のこと、リブ46を設けることで、低位領域44を設けたにも拘らず打球音の低下を防止し、心地よい打球音を得ることができ、ゴルフクラブヘッド10Bの商品価値を高める上で有利となる。
なお、高位領域42および低位領域44の数は実施の形態に限定されるものではない。
以下、本発明の実験例について説明する。
図21は、本発明に係るゴルフクラブヘッドの実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッドを各実験例毎に作成し、以下の2つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、2つの指数の合計点を求めた。
(1)リブ重量
リブ重量Wは、以下の式(1)で示される指数Prwで評価した。
Prw=(1-(W/W0))×100+100…(1)
W:実験例のリブ重量
W0:比較例のリブ重量
すなわち、比較例のリブ重量W0に対して実験例のリブ重量Wが軽量化された重量の比率(%)を100%に加算した値を指数Prwとした。
したがって、指数Prwが高いほどリブ46が軽量化されており、評価が高いことになる。
(2)固有振動数
固有振動数は、ゴルフクラブヘッドの有限要素モデルに対して固有値解析を行ない、出現する振動モードのうち、最低の固有振動数(Hz)を求めた。
そして、比較例の固有振動数を100とする指数Pfで実験例の固有振動数を評価した。
したがって、指数Pfが高いほど周波数(固有振動数)が高く、打音が改善され、評価が良いことを示す。
(3)合計点
上述したリブ重量の指数Pwrと固有値振動数の指数Pfを合計したものを合計点とした。
比較例(実験例1)に相当する実験例の合計点を200とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
以下、図21を参照して実験例のゴルフクラブヘッドについて説明する。
図21において、各請求項で規定した条件を満たすか否か、すなわち、リブ38、46の有無、第1、第2基準円CA1、CA2内に接合部分があるか否か、境界部36に接合部分が接合されているか否か、接合部分がサイド部20にわたって延在するか否かについては、それぞれ条件を満たす場合を記号○で示し、条件を満たさない場合を記号×で示す。
また、参考例1を除き、実験例のゴルフクラブヘッドはフェアウェイウッドである。
実験例1は、本発明の請求項1-5の規定を満たさないものであって、第1の実施の形態のゴルフクラブヘッド10Aにおいて、請求項1のうち高位領域32および低位領域34を設ける一方、リブ38を省略したものである。
実験例1の各部の仕様は以下の通りである。
ヘッド本体12の材料:Ti-6Al-4V
フェース部14の材料:Ti-6Al-4V
ロフト角 15°
ライ角 58°
ヘッド体積 160cc
実験例9は、本発明の請求項1-5の規定を満たさないものであって、第2の実施の形態のゴルフクラブヘッド10Bにおいて、請求項1のうち高位領域42および低位領域44を設ける一方、リブ46を省略したものである。
実験例2-8は、請求項1の規定を満たすものであり、第1の実施の形態で示すものと同様に、第1、第2高位領域32A、32B、低位領域34、低位領域34に設けられた1つのリブ38を備えている。
実験例10は、請求項1の規定を満たすものであり、第2の実施の形態で示すものと同様に、第1、第2高位領域42A、42B、第1、第2低位領域44A、44Bにそれぞれ1つずつ設けられた第1、第2リブ46A、46Bを備えている。
なお、実験例2-10の各部の仕様は実験例1と同様である。
参考例1は、特許文献1に記載したゴルフクラブヘッドと同等のものであり、中空型のドライバーであり、クラウン部16に下方に窪む凹部を形成すると共に、凹部のフェースバック26寄りの箇所とソール部18とを接続する拘束部材と、拘束部材に結合され凹部の前後方向のほぼ全長にわたって延在する片持梁部材とを設けたものである。
なお、参考例1におけるリブの重量Wの指数Pwrは、拘束部材および片持梁部材の重量をリブの重量Wとして算出した。
なお、各実験例において、リブ38、46の重量Wの指数Pwrを評価する必要があるため、便宜上、参考例1を比較例とし、指数Pwr、Pfをそれぞれ100、合計を200とし、この比較例に対して各実験例の指数を算出した。
参考例1の各部の仕様は以下の通りである。
ヘッド本体12の材料:Ti-6Al-4V
フェース部14の材料:Ti-6Al-4V
ロフト角 10.5°
ライ角 59°
ヘッド体積 460cc
なお、図21において、参考例1については、本発明の請求項1-5で規定する構造と異なっているため、各規定についての記載を割愛する。
実験例1は、第1の実施の形態に対応し、第1、第2高位領域32A、32Bおよび低位領域34を備えるが、リブ38を有さないものであり、本発明の範囲外である。
リブ38を有さないため、リブ重量Wの指数Prwは記載していない。
リブ38を有さないことから、固有振動数の指数Pfは73にとどまっている。
実験例2-8は、第1の実施の形態に対応し、第1、第2高位領域32A、32Bおよび低位領域34、リブ38を備えており、請求項1の規定を満たす。
なお、図21に示すように、第1基準円CA1および第2基準円CA2とリブ38の接合部分との位置関係は、請求項2、3の条件を満たすか否か(有/無)に加えて、重心点GAを通る法線からリブ38、46と低位領域34、44の接合部分までの最短距離ΔL1と、重心点GAを通る法線からリブ38、46とソール部18の接合部分までの最短距離ΔL2とをmm単位で記載している。
実験例2は、リブ重量Wの指数Prwが160でありリブ38の軽量化が図られている一方、請求項2、3の規定を満たさず、第1、第2基準円CA1、CA2からリブ38の接合部分が離間しているため、固有振動数の指数Pfは82にとどまっている。
実験例3は、請求項2の規定を満たし第1基準円CA1内にリブ38の接合部分が位置し最短距離ΔL1が8mmである一方、請求項3の規定を満たさず第2基準円CA2からリブ38の接合部分が離間しているため、固有振動数の指数Pfは87となり、実験例2に比較して改善されている。
実験例4は、請求項2の規定を満たし第1基準円CA1内にリブ38の接合部分が位置し最短距離ΔL1が0mmである一方、請求項3の規定を満たさず第2基準円CA2からリブ38の接合部分が離間しているため、固有振動数の指数Pfは91となり、実験例3に比較して改善されている。
実験例5は、請求項2の規定を満たし第1基準円CA1内にリブ38の接合部分が位置し最短距離ΔL1が0mmであり、請求項2の規定を満たし第2基準円CA2内にリブ38の接合部分が位置し最短距離ΔL2が8mmであるため、固有振動数の指数Pfは100となり、実験例4に比較して改善されている。
実験例6は、請求項2の規定を満たし第1基準円CA1内にリブ38の接合部分が位置し最短距離ΔL1が0mmであり、請求項3の規定を満たし第2基準円CA2内にリブ38の接合部分が位置し最短距離ΔL2が0mmであるため、固有振動数の指数Pfは119となり、実験例5に比較して改善されている。
実験例7は、実験例6と同じ条件を満たすことに加えて、請求項4の規定を満たし境界部36にリブ38の接合部分が接合されているため、固有振動数の指数Pfは126となり、実験例6に比較して改善されている。
実験例8は、実験例7と同じ条件を満たすことに加えて、請求項5の規定を満たしリブ38が低位領域34とサイド部20とソール部18に接合され、それら接合部分が接続されているため、固有振動数の指数Pfは138となり、実験例7に比較して改善されている。
実験例9は、第2の実施の形態に対応し、第1、第2高位領域42A、42Bおよび第1、第2低位領域44A、44Bを備えるが、リブ46を有さないものであり、本発明の範囲外である。
リブ46を有さないので、リブ重量Wの指数Prwは記載していない。
リブ46を有さないことから、固有振動数の指数Pfは71にとどまっている。
実験例10は、第2の実施の形態に対応し、第1、第2高位領域42A、42B、第1、第2低位領域44A、44B、リブ46を備え、請求項1-5の規定を全て満たす。
リブ重量Wの指数Prwが161でありリブ46の軽量化が図られている。
また、請求項1-5の規定を満たすため、固有振動数の指数Pfは137と改善されている。
なお、本発明は、中空部28を有するフェアウェイウッドの他、中空部28を有するドライバー、中空部28を有するユーテリティなどの様々な中空部28を有するゴルフクラブヘッドに適用されることは無論のことである。
10A、10B ゴルフクラブヘッド
12 ヘッド本体
14 フェース部
14A フェース面
14B フェース裏面
16 クラウン部
16A クラウン面
16B クラウン裏面
18 ソール部
18A ソール面
18B ソール裏面
20 サイド部
20A サイド面
20B サイド裏面
19 リーディングエッジ
22 トウ
24 ヒール
26 フェースバック
28 中空部
30 ホーゼル
32 高位領域
32A 第1高位領域
32B 第2高位領域
34 低位領域
36 境界部
38 リブ
40 孔部
42 高位領域
42A 第1高位領域
42B 第2高位領域
44 低位領域
44A 第1低位領域
44B 第2低位領域
46 リブ
46A 第1リブ
46B 第2リブ
PL1 第1平面
PL2 第2平面
PL3 第3平面
CA1 第1基準円
CA2 第2基準円
Pfc フェース中心基準断面
HP 水平面
Ph、Ph1、Ph2 変曲点
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、クラウン部とソール部とを有し内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部は、上方に凸状の曲面で形成された高位領域と、前記高位領域に接続され平面あるいは下方に窪む曲面で形成された前記高位領域よりも高さが低い低位領域とを含み、フェース部とフェースバックとを結ぶ前後方向における前記高位領域の長さは、前記低位領域の長さよりも大きな寸法で形成され、前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ水平面と直交する平面で前記ゴルフクラブヘッドを破断した断面をフェース中心基準断面としたとき、前記フェース中心基準断面と平行する第1平面で前記クラウン部を破断した破断面において、前記高位領域と前記低位領域の境界部が位置すると共に前記境界部に変曲点が形成され、前記変曲点は、前記破断面において前記クラウン面の延在方向に1mmの間隔おいて複数の測定点を設定した際に、隣り合う前記測定点を通る接線が交差する交差角度θの変化量が10°以上生じたときの前記測定点であり、上下方向において互いに対向する前記低位領域の箇所と前記ソール部の箇所とを接続するリブが設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、クラウン部とソール部とを有し内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、前記クラウン部は、方に凸状の曲面で形成された高位領域と、前記高位領域に接続され平面あるいは下方に窪む曲面で形成された前記高位領域よりも高さが低い低位領域とを含み、前記高位領域は、フェース部寄りでトウヒール方向に延在する第1高位領域と、前記第1高位領域のトウヒール方向の中間部からフェースバックに向かって延在する第2高位領域とを備え、前記低位領域は、前記第2高位領域のトウ側の側部からトウ方向に延在する第1低位領域と、前記第2高位領域のヒール側の側部からヒール方向に延在する延在する第2低位領域とを備え、前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ水平面と直交する平面で前記ゴルフクラブヘッドを破断した断面をフェース中心基準断面としたとき、前記フェース中心基準断面と平行する第1平面で前記クラウン部を破断した破断面において、かつ、前記フェース中心基準断面および前記水平面と直交する第2平面で前記クラウン部を破断した破断面において、前記高位領域と前記低位領域の境界部が位置すると共に前記境界部に変曲点が形成され、前記変曲点は、前記破断面において前記クラウン面の延在方向に1mmの間隔おいて複数の測定点を設定した際に、隣り合う前記測定点を通る接線が交差する交差角度θの変化量が10°以上生じたときの前記測定点であり、上下方向において互いに対向する前記低位領域の箇所と前記ソール部の箇所とを接続するリブが設けられていることを特徴とする。

Claims (5)

  1. クラウン部とソール部とを有し内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、
    前記クラウン部は、上方に凸状の曲面で形成された高位領域と、前記高位領域に接続され平面あるいは下方に窪む曲面で形成された前記高位領域よりも高さが低い低位領域とを含み、
    上下方向において互いに対向する前記低位領域の箇所と前記ソール部の箇所とを接続するリブが設けられている、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、前記低位領域の重心点を通る前記低位領域の法線を中心とする半径10mmの円を前記法線に沿って前記低位領域上に投影した円を第1基準円としたときに、
    前記ゴルフクラブヘッドを平面視した状態で前記リブと前記低位領域との接合部分の少なくとも一部が前記第1基準円の内部に位置している、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、前記低位領域の重心点を通る前記低位領域の法線を中心とする半径10mmの円を前記法線に沿って前記低位領域上に投影した円を第1基準円とし、前記第1基準円を鉛直方向にソール面上に投影した円を第2基準円としたとき、
    前記ゴルフクラブヘッドを平面視した状態で前記リブと前記ソール部との接合部分の少なくとも一部が前記第2基準円の内部に位置している、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記高位領域と前記低位領域とは境界部で接続され、
    前記リブは前記境界部の延在方向と交差する方向に延在し、前記リブの延在方向の一端は前記境界部に接合している、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記ゴルフクラブヘッドは、前記クラウン部と前記ソール部とを接続するサイド部を有し、
    前記リブは、前記低位領域と前記ソール部に接合されることに加え、前記低位領域と前記ソール部との間に位置する前記サイド部にも接合され、
    前記リブと前記低位領域との接合部分と、前記リブと前記サイド部との接合部分と、前記リブと前記ソール部との接合部分とが接続されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のゴルフクラブヘッド。
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