JP5882522B1 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、フェース部寄りのクラウン部の一部に突起部を設け、突起部の肉厚をバック方向に向かうにしたがい徐々に減少させることで、フェース部のたわみ量を確保することが開示されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ボールの打ち出し角および初速の向上を図る上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
請求項2記載の発明は、前記基準状態で前記ゴルフクラブヘッドを前記フェース面の前方から見たとき前記水平面に対して22.23mm上方に位置するヒール側の箇所から最もトウ側に位置する端部までの距離を前記水平面に投影した寸法をトウヒール方向のヘッド長さAとし、前記膨出部のうち前記高さHを有する部分の前記トウヒール方向の距離を前記水平面に投影した寸法を前記膨出部の長さLとしたとき、前記膨出部の長さLが前記ヘッド長さAの20%以上100%以下であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記ヘッド本体の体積Vが400cc以上570cc以下であり、前記膨出部の肉厚dが0.7mm以上1.8mm以下であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記第2の接続角度βが−60°以上0°以下であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記第2の接続角度βが0°以上70°以下であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記フェース中心基準断面において、前記フェース面の中心点から前記クラウン部に向かって1mm間隔で3つの測定点を規定し前記3つの測定点を通る円弧の曲率半径を測定するとともに、この曲率半径の測定を前記3つの測定点を1mmずつ前記クラウン部に近づく方向に変位させつつ行なう操作を繰り返すことで前記曲率半径を順次測定し、前記第1の境界点は、測定された前記曲率半径をその直前に測定された前記曲率半径で除した値が2倍を超えたときに、前記3つの測定点のうちの中間の測定点であり、前記フェース中心基準断面において、前記第1の境界点の後方で前記膨出部の輪郭に沿って前記フェース面から離れる方向に向かって0.5mm間隔で3つの測定点を規定し前記3つの測定点を通る円弧の曲率半径を測定するとともに、この曲率半径の測定を前記3つの測定点を0.5mmずつ前記膨出部の輪郭に沿って前記フェース面から離れる方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで前記曲率半径を順次測定し、前記第2の境界点は、測定された前記曲率半径をその直前に測定された前記曲率半径で除した値が2倍を超えたときに、前記3つの測定点のうちの中間の測定点であり、前記フェース中心基準断面において、前記第2の境界点の下方で前記膨出部の輪郭に沿って前記第2の境界点から離れる方向に向かって0.5mm間隔で3つの測定点を規定し前記3つの測定点を通る円弧の曲率半径を測定するとともに、この曲率半径の測定を前記3つの測定点を0.5mmずつ前記膨出部の輪郭に沿って前記フェース面から離れる方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで前記曲率半径を順次測定し、前記第3の境界点は、測定された前記曲率半径をその直前に測定された前記曲率半径で除した値が2倍を超えたときに、前記3つの測定点のうちの中間の測定点であることを特徴とする。
したがって、膨出部の変形量を確保することで、フェース部の反発係数の向上および打ち出し角の向上を図ることができるため、打球の飛距離を向上する上で有利となる。
請求項2記載の発明によれば、膨出部の長さLをヘッド長さAの20%以上100%以下としたので、打球時における膨出部の変形によるフェース部のたわみ量を確保する上で有利となり、飛距離の向上を図る上でより有利となる。
請求項3記載の発明によれば、ヘッド本体の体積Vを400cc以上570cc以下としたので、打球時における膨出部の変形によるフェース部のたわみ量を確保して飛距離の向上を図る上でより有利となる。また、膨出部の肉厚dを0.7mm以上1.8mm以下としたので、膨出部の変形によるフェース部のたわみ量を確保して飛距離の向上を図る上で、また、耐久性を確保する上でより有利となる。
請求項4記載の発明によれば、反発係数を高くしてボールの初速を高速化する効果が、打ち出し角を大きくする効果よりもより大きく奏され、飛距離の向上を図る上で有利となる。
請求項5記載の発明によれば、打ち出し角を確保する効果が、反発係数を高くしてボールの初速を高速化する効果よりもより大きく奏され、飛距離の向上を図る上で有利となる。
請求項6記載の発明によれば、第1の境界点K1、第2の境界点K2、第3の境界点K3を簡単かつ確実に定める上で有利となる。
図1〜図3、図12に示すように、本実施の形態において、ゴルフクラブヘッド10は、中空のウッド型ゴルフクラブヘッドであり、ヘッド本体12を含んで構成されている。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成される。
前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14の上部から後方に延在している。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間をフェースバック26を通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空部28とされた中空構造を呈している。
フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aであり、フェース部14の中空部28に面した裏面がフェース裏面14Bとなっている。
クラウン部16の外側に露出する表面がクラウン面16Aである。
クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル30が設けられている。
ソール部18の外側に露出する表面がソール面18Aであり、ソール部18の中空部28に面した裏面がソール裏面18Bとなっている。
フェース面14Aの中心点Pcは、フェース面14Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
フェース面14Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面14Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面14Aが明瞭に定義されることになる。
図4〜図7はフェース面14Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
すなわち、図4に示すように、トウ22およびヒール24を結ぶ水平面HPと平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面14Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面14Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(4)次に図6に示すように水平線g0とフェース面14Aのトウ22側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面14Aのヒール24側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面14Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面14Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面14Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ22−ヒール24方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
次に、フェース面14Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面14Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0をフェース面14Aに投影した点がフェース面上重心点FGである。
ここで、図9に示すように、重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面14A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面14Aの中心点Pcから外方向(図10における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面14Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、図9、図10に示すように、フェース面14Aとして定義される。
直線LTは、フェース面14Aのトウ22側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面14Aのヒール24側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面14Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面14Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
図1、図2に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態とする。
図1、図12に示すように、基準状態において、フェース面14Aの中心点Pcを通る法線を含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面をフェース中心基準断面Pfcとする。言い換えると、フェース中心基準断面Pfcは、基準状態において、フェースセンターラインCLを含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面である。
以下、膨出部32の形状について詳細に説明する。
フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1の境界点K1、第2の境界点K2、第3の境界点K3を規定する。
第1の境界点K1は、フェース部14から膨出部32が立ち上がる部分の基端である。
第2の境界点K2は、フェース部14から膨出部32が立ち上がる部分と、クラウン部16から膨出部32が立ち上がる部分とが交わる箇所である。
第3の境界点K3は、クラウン部16から膨出部32が立ち上がる部分の基端である。
以下、第1の境界点K1、第2の境界点K2、第3の境界点K3の具体的な規定ついて説明する。
図12、図13に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、フェース面14Aの中心点Pcからクラウン部16に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつクラウン部16に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn−1で除した値が2倍を超えたときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを第1の境界点K1とする。
図12、図14に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1の境界点K1の後方で膨出部32の輪郭に沿ってフェース面14Aから離れる方向に向かって0.5mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径Rの測定を3つの測定点pを0.5mmずつ膨出部32の輪郭に沿ってフェース面14Aから離れる方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn−1で除した値が2倍を超えたときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを第2の境界点K2とする。
図12、図15に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第2の境界点K2の下方で膨出部32の輪郭に沿って第2の境界点K2から離れる方向に向かって0.5mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径Rの測定を3つの測定点pを0.5mmずつ膨出部32の輪郭に沿ってフェース面14Aから離れる方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径Rを順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn−1で除した値が2倍を超えたときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを第3の境界点K3とする。
本実施の形態では、上述のような手順で第1の境界点K1、第2の境界点K2、第3の境界点K3を規定したため、各境界点K1、K2、K3を簡単かつ確実に定める上で有利となる。
なお、K1、K2、K3の曲率半径を測定するためのデータ作製方法は、ヘッドをレーザースキャン等を用いて寸法測定を行うことにより、CADデータ(外面データ)を作成して、曲率半径を測定するなどで良い。
図16に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1の境界点K1と、水平面HPからの膨出部32の高さが最大となる膨出部最大高さ点Phとを結ぶ直線L1が、水平面HP(HP′)に対してなす角度を膨出部32のフェース部14に対する第1の接続角度αとする。
なお、図中、符号HP′は水平面HPと平行する水平面を示す。
また、膨出部最大高さ点Phと第2の境界点K2とは、一致していてもよく、あるいは、別々の点であってもよい。
図16に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第2の境界点K2と第3の境界点K3とを結ぶ直線L2が、フェース中心基準断面Pfcおよび水平面HPと直交する基準鉛直面Pvとなす角度を膨出部32のクラウン部16に対する第2の接続角度βとする。
この際、直線L2が下方に至るにつれてフェース面14A方向に近づく方向に傾斜する場合の第2の接続角度βを負の角度(β<0)とし、直線L2が下方に至るにつれてフェース面14Aから離れる方向に傾斜する場合の第2の接続角度βを正の角度(β>0)とする。
図16に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第2の境界点K2から第3の境界点K3までの鉛直方向の距離を膨出部32の高さHとする。
図3、図16に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1の境界点K1から第2の境界点K2までの膨出部32の輪郭に沿った距離を膨出部32の幅Wとする。
なお、図17(A)は第1の接続角度αが20°、図17(B)は第1の接続角度αが30°の場合を例示している。
ここで、図16に示すように、膨出部32のうち第1の境界点K1から第2の境界点K2までの部分を膨出部前部32Aといい、膨出部32のうち第2の境界点K2から第3の境界点K3までの部分を膨出部後部32Bという。
第1の接続角度αが15°以上35°以下の範囲内であると、図19(A)に示すように、打球時に膨出部前部32Aの変形量を大きく確保でき、したがって、フェース部14のたわみ量が増加するため、反発係数を高くすると共に、打ち出し角を大きくできるので、飛距離の向上を図る上で有利となる。
第1の接続角度αが15°以上35°以下の範囲を下回ると、図19(B)に示すように、打球時に膨出部前部32Aの変形量を確保する上で不利となり、したがって、フェース部14のたわみ量が低下するため、反発係数が低下すると共に、打ち出し角が小さくなるので、飛距離の向上を図る上で不利となる。
第1の接続角度αが15°以上35°以下の範囲を上回ると、打球時に膨出部前部32Aの変形量を確保でき、したがって、フェース部14のたわみ量が増加するものの、膨出部前部32Aたわみ量が大きすぎるため、反発係数は高くなるが、打ち出し角が低くなるなりやすく、また、スイートエリアが狭くなることから平均的な飛距離の向上を図る上で不利となる。また、ゴルフクラブヘッド10の外観形状に対する違和感が生じ、スイングしにくくなる不利がある。
なお、図18(A)は第2の接続角度βが−60°、図18(B)は第2の接続角度βが−30°、図18(C)は第2の接続角度βが0°、図18(D)は第2の接続角度βが+35°、図18(E)は第2の接続角度βが+70°の場合を例示している。
第2の接続角度βが−60°以上0°以下の範囲内であると、図20(A)に示すように、特に打球時における膨出部前部32Aの変形が促進され、膨出部前部32Aの変形が膨出部後部32Bの変形よりも顕著となり、膨出部前部32Aが上方に盛り上がる向きに変形しやすくなる。
この場合、フェース部14のたわみ量およびフェース部14の後方への倒れ(ロフト角が増加する方向へのフェース部14の変形)を確保でき、特にフェース部14のたわみ量を確保する効果が顕著となる。
この場合、反発係数を高くしてボールの初速を高速化する効果が、打ち出し角を大きくする効果よりもより大きく奏され、飛距離の向上を図る上で有利となる。
この場合、フェース部14のたわみ量を確保でき、特にフェース部14の後方への倒れ(ロフト角が増加する方向へのフェース部14の変形)を確保する効果が顕著となる。
したがって、打ち出し角を確保する効果が、反発係数を高くしてボールの初速を高速化する効果よりもより大きく奏され、飛距離の向上を図る上で有利となる。
第2の接続角度βが−60°以上+70°以下の範囲を上回ると、打球時に膨出部後部32Bの変形への影響が少なくなる。したがって、フェース部14の後方への倒れ(ロフト角が増加する方向へのフェース部14の変形)が低下するため、打ち出し角が小さくなるので、飛距離の向上を図る上で不利となる。
膨出部32の高さHが3mm以上10mm以下の範囲内であると、打球時における膨出部32の変形量を確保してフェース部14のたわみ量を確保する上で有利となり、飛距離の向上を図る上で有利となる。
膨出部32の高さHが3mm以上10mm以下の範囲を下回ると、打球時における膨出部32の変形量が小さくフェース部14のたわみ量を確保できず、飛距離の向上を図る上で不利となる。
膨出部32の高さHが3mm以上10mm以下の範囲を上回ると、打球時における膨出部32の変形量が大きくなりすぎて、反発係数が低下するため、飛距離の向上を図る上で不利となる。
膨出部32の幅Wが5mm以上25mm以下の範囲内であると、打球時における膨出部32の変形量を確保してフェース部14のたわみ量を確保する上で有利となり、飛距離の向上を図る上で有利となる。
膨出部32の幅Wが5mm以上25mm以下の範囲を下回ると、打球時において膨出部32に局所的に加わる荷重が過大なものとなり、ゴルフクラブヘッドの耐久性を確保する上で不利となる。
膨出部32の幅Wが5mm以上25mm以下の範囲を上回ると、打球時における膨出部32の変形量が小さくフェース部14のたわみ量を確保する上で不利となり、飛距離の向上を図る上で不利となる。
膨出部32のうち高さHを有する部分のトウヒール方向の距離を水平面HPに投影した寸法を膨出部32の長さLとする。
このとき、膨出部32の長さLをヘッド長さAの20%以上100%以下とした。
膨出部32の長さLがヘッド長さAの20%以上100%以下の範囲内であると、打球時における膨出部32の変形によるフェース部14のたわみ量を確保する上で有利となり、飛距離の向上を図る上で有利となる。
膨出部32の長さLがヘッド長さAの20%以上100%以下の範囲を下回ると、打球時における膨出部32の変形によるフェース部14のたわみ量が低下し、飛距離の向上を図る効果が低下する。
ヘッド本体の体積Vが400cc以上570cc以下の範囲内であると、フェース面14Aの面積が適切な範囲となり、打球時における膨出部32の変形によるフェース部14のたわみ量を確保する上で有利となり、飛距離の向上を図る上で有利となる。
ヘッド本体の体積Vが400cc以上570cc以下の範囲を下回ると、フェース面14Aの面積が小さすぎるため、打球時における膨出部32の変形によるフェース部14のたわみ量を確保する効果が低下し、飛距離の向上を図る効果が低下する。
ヘッド本体の体積Vが400cc以上570cc以下の範囲を上回ると、フェース面14Aの面積が大きすぎるため、打球時における膨出部32の変形によるフェース部14のたわみ量が過大となり、耐久性を確保する効果が低下する。
また、膨出部32の肉厚dが0.7mm以上1.8mm以下の範囲内であると、打球時における膨出部32の変形によるフェース部14のたわみ量を確保して飛距離の向上を図る上で、また、耐久性を確保する上で有利となる。
膨出部32の肉厚dが0.7mm以上1.8mm以下の範囲を下回ると、耐久性を確保する効果が低下する。
膨出部32の肉厚dが0.7mm以上1.8mm以下の範囲を上回ると、打球時における膨出部32の変形量が低下し、フェース部14のたわみ量が低下するため、飛距離の向上を図る効果が低下する。
したがって、膨出部32の変形量を確保することで、フェース部14の反発係数の向上および打ち出し角の向上を図ることができるため、打球の飛距離を向上する上で有利となる。
図21、図22は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、後述する4つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、4つの指数の合計点を求めた。
ゴルフクラブヘッド10を備えたゴルフクラブをスイングロボットに設置し、以下の条件で実打試験を行い9打点における初速の平均値を指数で評価した。実験例1の指数を100とし指数が大きいほど初速が速く、評価が良いことを示す。
ヘッドスピード:40m/s
打点位置は、以下の合計9打点とし、各打点で5回ずつボールを打撃した。
フェース面14Aの中心点Pcと、中心点Pcを通りフェースセンターラインCLと直交する直線上で中心点Pcからトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
フェースセンターラインCL上で中心点Pcからクラウン部16方向に5mm離間した点と、この点を通りフェースセンターラインCLと直交する上5mmライン上で、上記点からトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
フェースセンターラインCL上で中心点Pcからソール部18方向に5mm離間した点と、この点を通りフェースセンターラインCLと直交する下5mmライン上で、上記点からトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
上記打点位置での実打試験で得られた打ち出し角に基いて、実験例1の指数を100とし、指数が大きいほど打ち出し角が大きく評価が良いことを示す。
上記打点位置での実打試験で得られた飛距離を測定した。
実験例1の指数を100とし指数が大きいほど飛距離が長く、評価が良いことを示す。
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面14Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部14の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。打点位置はフェース面14Aの中心点Pcとした。
この場合、実験例1のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
上述した初速、打ち出し角、飛距離、耐久性の4つの指数を合計したものを合計点とした。
実験例1の合計点を400とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
実験例1は、従来技術であって比較例に相当するものであり、本発明で規定する膨出部32を有さず、したがって、本発明の請求項1の規定を満たさないものである。
すなわち、実験例1では、クラウン部16から上方に突出する突起部がクラウン部16に形成されており、第1の境界点K1を規定できるものの、突起部の形状が本発明の膨出部32と異なることから、第2の境界点K2、第3の境界点K3を規定することができない。
そのため、実験例1では、第1の接続角度αを12.0°とし、肉厚dは突起部の肉厚としてd=1.2mmとし、ヘッド本体12の体積を450ccとした。
また、第2の境界点K2、第3の境界点K3の規定が無いため、第2の接続角度β、膨出部32の高さH、膨出部32の幅W、膨出部32の長さLがヘッド長さAに占める割合については規定していない。
実験例2は、実験例1と同様に本発明の請求項1の規定を満たさないものであり、第1の接続角度αを22.0°とした以外、実験例1と同様の数値とした。
実験例21は、本発明の範囲内であるが、請求項2の規定を満たさない。
実験例23、24、27、28は、本発明の範囲内であるが、請求項3の規定を満たさない。
実験例5、6、9、10、13、14、17、18は、膨出部32を有しているものの、本発明の請求項1の規定を満たさない。
そのため、実験例1に比較してフェース部14のたわみ量がわずかに改善され、初速103、打ち出し角102、飛距離104、耐久性100、合計点409となっており、実験例1に対してわずかに改善されている。
したがって、初速132、打ち出し角145、飛距離139、耐久性124、合計点540となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速149、打ち出し角133、飛距離138、耐久性119、合計点539となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速102、打ち出し角103、飛距離101、耐久性101、合計点407であり、全ての評価が実験例1と同等に留まっている。
したがって、初速129、打ち出し角90、飛距離88、耐久性101、合計点408であり、初速を除く他の評価が実験例1と同等以下に留まっている。
また、実験例6では、第1の接続角度αが38.0°と大きいため、ゴルフクラブヘッド10の外観形状に対する違和感が生じ、スイングしにくくなる不利がある。
したがって、初速120、打ち出し角120、飛距離118、耐久性120、合計点478となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速121、打ち出し角119、飛距離116、耐久性120、合計点476となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速105、打ち出し角104、飛距離105、耐久性92、合計点406であり、全ての評価が実験例1と同等以下に留まっている。
また、実験例23では、第2の接続角度βが−66.0°であることから、打球時に膨出部前部32Aの変形が抑制され、したがって、フェース部14のたわみ量が低下するため、反発係数が低下するので、飛距離の向上を図る上で不利となっている。
したがって、初速101、打ち出し角92、飛距離98、耐久性112、合計点403であり、耐久性以外の評価が実験例1以下に留まっている。
また、実験例10では、第2の接続角度βが+75°であることから、打球時に膨出部後部32Bの変形への影響が少なくなることから、フェース部14の後方への倒れ(ロフト角が増加する方向へのフェース部14の変形)が低下するため、打ち出し角が小さくなるので、飛距離の向上を図る上で不利となっている。
したがって、初速130、打ち出し角120、飛距離119、耐久性110、合計点479であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速120、打ち出し角130、飛距離118、耐久性109、合計点477であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速104、打ち出し角103、飛距離102、耐久性101、合計点410であり、全ての評価が実験例1と同等に留まっている。
したがって、初速101、打ち出し角110、飛距離102、耐久性94、合計点407であり、打ち出し角を除いた評価が実験例1と同等以下に留まっている。
また、実験例14では、膨出部32の高さHが12.0mmと大きすぎるため、打球時におけるクラウン部16の変形量が大きくなり過ぎることで初速が低下する不利がある。
したがって、初速122、打ち出し角122、飛距離121、耐久性114、合計点479であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速111、打ち出し角125、飛距離120、耐久性115、合計点471であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速120、打ち出し角104、飛距離103、耐久性82、合計点409であり、耐久性以外の評価は、実験例1よりも僅かに改善されているものの、打球時において膨出部32に局所的に加わる荷重が過大なものとなり、ゴルフクラブヘッドの耐久性に劣っている。
したがって、初速100、打ち出し角101、飛距離102、耐久性103、合計点406となっており、打球時における膨出部32の変形量が小さくフェース部14のたわみ量を確保する上で不利であり、実験例1に対して改善は僅かである。
したがって、初速129、打ち出し角123、飛距離121、耐久性106、合計点479となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速115、打ち出し角114、飛距離116、耐久性125、合計点470となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速106、打ち出し角105、飛距離105、耐久性110、合計点426となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速123、打ち出し角126、飛距離124、耐久性124、合計点497となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れており、また、ヘッド長さAの規定を満足しない実験例21に比較して全ての評価が優れている。
したがって、初速117、打ち出し角117、飛距離115、耐久性100、合計点449となっており、耐久性以外の評価は実験例1に比較して優れており、耐久性が実験例1と同等に留まっている。
したがって、初速108、打ち出し角107、飛距離107、耐久性128、合計点450となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速129、打ち出し角139、飛距離128、耐久性124、合計点520となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れており、また、膨出部32の肉厚dの規定を満足しない実験例23、24に比較して全ての評価が優れている。
したがって、初速129、打ち出し角124、飛距離129、耐久性130、合計点512となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れており、また、膨出部32の肉厚dの規定を満足しない実験例23、24に比較して全ての評価が優れている。
したがって、初速113、打ち出し角112、飛距離114、耐久性110、合計点449となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速121、打ち出し角114、飛距離113、耐久性100、合計点448となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
したがって、初速125、打ち出し角135、飛距離135、耐久性124、合計点519となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。また、ヘッド本体12の体積Vの規定を満足しない実験例27、28に比較して全ての評価が優れている。
したがって、初速130、打ち出し角140、飛距離130、耐久性120、合計点520となっており、全ての評価が実験例1に比較して優れている。また、ヘッド本体12の体積Vの規定を満足しない実験例27、28に比較して全ての評価が優れている。
(1)初速
本発明の範囲内であり、請求項1から3の規定の全てを満たす実験例3、4、7、8、11、12、15、16、19、20、22、25、26、29、30は、初速が111〜149であり初速が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例21は、初速が106である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例23、24、27、28は、初速が108〜126である。
膨出部32を有するが、本発明の範囲外である実験例5、6、9、10、13、14、17、18は、初速が101〜129であり、実験例6を除いて初速の評価が実験例1と同等以下である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜3の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して初速の向上を図る効果が優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1から3の規定の全てを満たす実験例3、4、7、8、11、12、15、16、19、20、22、25、26、29、30は、打ち出し角が114〜145であり打ち出し角が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例21は、打ち出し角が105である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例23、24、27、28は、打ち出し角が107〜125である。
膨出部32を有するが、本発明の範囲外である実験例5、6、9、10、13、14、17、18は、打ち出し角が90〜110であり、実験例10を除いて打ち出し角の評価が実験例1同等以下である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜3の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して打ち出し角の向上を図る効果が優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1から3の規定の全てを満たす実験例3、4、7、8、11、12、15、16、19、20、22、25、26、29、30は、飛距離が116〜139であり飛距離が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例21は、飛距離が105である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例23、24、27、28は、飛距離が107〜120である。
膨出部32を有するが、本発明の範囲外である実験例5、6、9、10、13、14、17、18は、飛距離が88〜105であり、飛距離の評価が実験例1同等以下である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜3の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して飛距離の向上を図る効果が優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1から3の規定の全てを満たす実験例3、4、7、8、11、12、15、16、19、20、22、25、26、29、30は、耐久性が106〜130であり耐久性が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例21は、耐久性が110である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例23、24、27、28は、耐久性が100〜128であり、実験例24を除いて耐久性の評価が実験例1同等以下である。
膨出部32を有するが、本発明の範囲外である実験例5、6、9、10、13、14、17、18は、耐久性が82〜112であり、実験例10を除いて耐久性の評価が実験例1と同等以下である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜3の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して耐久性の向上を図る効果が優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1から3の規定の全てを満たす実験例3、4、7、8、11、12、15、16、19、20、22、25、26、29、30は、合計点が470〜540であり合計点が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例21は、合計点が426である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例23、24、27、28は、合計点が449〜471である。
膨出部32を有するが、本発明の範囲外である実験例5、6、9、10、13、14、17、18は、合計点が403〜410であり、合計点の評価が実験例1と同等である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜3の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して合計点の向上を図る効果が優れている。
12 ヘッド本体
14 フェース部
14A フェース面
14B フェース裏面
16 クラウン部
16A クラウン面
18 ソール部
18A ソール面
18B ソール裏面
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
26 フェースバック
28 中空部
30 ホーゼル
32 膨出部
32A 膨出部前部
32B 膨出部後部
HP 水平面
Pc フェース面14Aの中心点
Pfc フェース中心基準断面
Ph 膨出部最大高さ点
CL フェースセンターライン
X 平面
K1 第1の境界点
K2 第2の境界点
K3 第3の境界点
p 測定点
R 曲率半径
Claims (6)
- 上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、
前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面としたとき、
前記クラウン部のうち前記フェース部に接続される部分に、残りのクラウン部の部分よりも上方に膨出しトウヒール方向に沿って延在しかつ前記フェース中心基準断面と交差する膨出部を形成し、
前記フェース中心基準断面において、前記フェース部から前記膨出部が立ち上がる部分の基端を第1の境界点とし、前記フェース部から前記膨出部が立ち上がる部分と、前記クラウン部から前記膨出部が立ち上がる部分とが交わる箇所を第2の境界点とし、前記クラウン部から前記膨出部が立ち上がる部分の基端を第3の境界点とし、
前記基準状態で、前記フェース中心基準断面において、前記第1の境界点と、前記水平面からの前記膨出部の高さが最大となる膨出部最大高さ点とを結ぶ直線が、前記水平面に対してなす角度を前記膨出部の前記フェース部に対する第1の接続角度αとしたとき、前記第1の接続角度αが15°以上35°以下であり、
前記基準状態で、前記フェース中心基準断面において、前記第2の境界点と前記第3の境界点とを結ぶ直線が、前記フェース中心基準断面および前記水平面と直交する基準鉛直面Pvとなす角度を前記膨出部の前記クラウン部に対する第2の接続角度βとし、
前記基準状態で、前記第2の境界点と前記第3の境界点とを結ぶ直線が下方に至るにつれて前記フェース面に近づく方向に傾斜する場合の前記第2の接続角度βを負の角度とし、前記第2の境界点と前記第3の境界点とを結ぶ直線が下方に至るにつれて前記フェース面から離れる方向に傾斜する場合の前記第2の接続角度βを正の角度とした場合、前記第2の接続角度βが−60°以上+70°以下であり、
前記基準状態で、前記フェース中心基準断面において、前記第2の境界点から前記第3の境界点までの鉛直方向の距離を前記膨出部の高さHとしたとき、前記高さHが3mm以上10mm以下であり、
前記フェース中心基準断面において、前記第1の境界点から前記第2の境界点までの前記膨出部の輪郭に沿った距離を前記膨出部の幅Wとしたとき、前記幅Wが5mm以上25mm以下である、
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記基準状態で前記ゴルフクラブヘッドを前記フェース面の前方から見たとき前記水平面に対して22.23mm上方に位置するヒール側の箇所から最もトウ側に位置する端部までの距離を前記水平面に投影した寸法をトウヒール方向のヘッド長さAとし、
前記膨出部のうち前記高さHを有する部分の前記トウヒール方向の距離を前記水平面に投影した寸法を前記膨出部の長さLとしたとき、
前記膨出部の長さLが前記ヘッド長さAの20%以上100%以下である、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記ヘッド本体の体積Vが400cc以上570cc以下であり、
前記膨出部の肉厚dが0.7mm以上1.8mm以下である、
ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記第2の接続角度βが−60°以上0°以下である、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記第2の接続角度βが0°以上70°以下である、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記フェース中心基準断面において、前記フェース面の中心点から前記クラウン部に向かって1mm間隔で3つの測定点を規定し前記3つの測定点を通る円弧の曲率半径を測定するとともに、この曲率半径の測定を前記3つの測定点を1mmずつ前記クラウン部に近づく方向に変位させつつ行なう操作を繰り返すことで前記曲率半径を順次測定し、
前記第1の境界点は、測定された前記曲率半径をその直前に測定された前記曲率半径で除した値が2倍を超えたときに、前記3つの測定点のうちの中間の測定点であり、
前記フェース中心基準断面において、前記第1の境界点の後方で前記膨出部の輪郭に沿って前記フェース面から離れる方向に向かって0.5mm間隔で3つの測定点を規定し前記3つの測定点を通る円弧の曲率半径を測定するとともに、この曲率半径の測定を前記3つの測定点を0.5mmずつ前記膨出部の輪郭に沿って前記フェース面から離れる方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで前記曲率半径を順次測定し、
前記第2の境界点は、測定された前記曲率半径をその直前に測定された前記曲率半径で除した値が2倍を超えたときに、前記3つの測定点のうちの中間の測定点であり、
前記フェース中心基準断面において、前記第2の境界点の下方で前記膨出部の輪郭に沿って前記第2の境界点から離れる方向に向かって0.5mm間隔で3つの測定点を規定し前記3つの測定点を通る円弧の曲率半径を測定するとともに、この曲率半径の測定を前記3つの測定点を0.5mmずつ前記膨出部の輪郭に沿って前記フェース面から離れる方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで前記曲率半径を順次測定し、
前記第3の境界点は、測定された前記曲率半径をその直前に測定された前記曲率半径で除した値が2倍を超えたときに、前記3つの測定点のうちの中間の測定点である、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
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