JP2017158683A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】反発係数を向上させ打球の飛距離および初速の向上を図る。【解決手段】第1平面P1と第2平面P2との間に位置するクラウン部16の部分、あるいは、第3平面P3と第4平面P4との間に位置するソール部18の部分に、少なくとも第5平面P5と第6平面P6との間でトウヒール方向にわたって延在し打球時におけるフェース部14の変形を促進する変形促進用凹部32を設けた。また、変形促進用凹部32が設けられたクラウン部16の部分あるいはソール部18の部分であって第5平面P5と第6平面P6との間で延在する後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分またはソール部18の部分に、打球時における変形を抑制する変形抑制用リブ34を設けた。【選択図】図3

Description

本発明はゴルフクラブヘッドに関する。
ゴルフクラブヘッドでボールを打球した際の初速を向上させることが飛距離の向上を図る上で重要である。そのため、ゴルフクラブヘッドの反発係数の向上を図ることが必要となる。
特許文献1、2には、中空型のゴルフクラブヘッドにおいて、フェース部寄りのクラウン部、ソール部、サイド部の部分に溝部(弾性変形部)を形成することで打球時に溝部の変形を促進することで、ゴルフクラブヘッドの反発係数を確保することが開示されている。
また、特許文献3には、上記の溝部に加えて、溝部の後方におけるソール部の内面(裏面)の部分に複数の薄板を溶接して高弾性部を設けることにより反発係数を高めることが開示されている。
特開2002−52099号公報 特許第5204826号公報 特許第4128970号公報
しかしながら、上記従来技術では、高剛性部が薄板で構成されていることから高剛性部の位置や構造が制約され、また、弾性変形部と高剛性部との関係について詳細に考慮されておらず、反発係数の向上を図る上で改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、反発係数の向上を図り、打球の飛距離および初速の向上を図る上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、前記フェース中心基準断面と直交し前記フェース中心基準断面における前記フェース部と前記クラウン部との第1境界点を通り前記水平面と直交する平面を第1平面とし、前記第1平面と平行し前記第1平面からフェースバック方向に50mm離間した平面を第2平面とし、前記フェース中心基準断面と直交し前記フェース中心基準断面における前記フェース部と前記ソール部との第2境界点を通り前記水平面と直交する平面を第3平面とし、前記第3平面と平行し前記第3平面からフェースバック方向に50mm離間した平面を第4平面とし、前記フェース中心基準断面と平行し前記フェース中心基準面からトウ側に20mm離間した平面を第5平面とし、前記フェース中心基準断面と平行し前記フェース中心基準面からヒール側に20mm離間した平面を第6平面としたとき、前記第1平面と前記第2平面との間に位置する前記クラウン部の部分、あるいは、前記第3平面と前記第4平面との間に位置する前記ソール部の部分に、少なくとも前記第5平面と前記第6平面との間でトウヒール方向にわたって延在し打球時における前記フェース部の変形を促進する変形促進用凹部を設け、前記変形促進用凹部は前記フェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態で、最も前記フェース部側に位置する前側境界点と前記前側境界点からクラウンソール方向において最も離れた箇所に位置する内側境界点とを接続する前壁と、前記内側境界点と最もフェースバック側に位置する後側境界点とを接続する後壁とを有し、前記変形促進用凹部が設けられた前記クラウン部の部分あるいは前記ソール部の部分であって前記第5平面と前記第6平面との間で延在する前記後壁が延在する後壁延在部分、あるいは、前記後壁延在部分からフェースバック側に連続する前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分、あるいは、前記後壁延在部分からフェースバック側に離間した前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分に、打球時における変形を抑制する変形抑制用リブを設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記変形抑制用リブは、前後方向に延在し、前記後壁延在部分と前記後壁延在部分からフェースバック側に連続する前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分とを接続しており、前記後壁延在部分を前記フェース中心基準断面と平行する平面で切断した状態で、前記後壁延在部分が前記中空部に面した内面の全長を延在長さL0とし、前記延在長さ内において、前記変形抑制リブが前記後壁延在部分の前記内面に接続する部分の前記内面に沿った長さを第1接続長さL1としたとき、前記第1接続長さL1が前記延在長さL0の50%以上であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記変形抑制用リブは、前記後壁延在部分からフェースバック側に離間した前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分に設けられ、前記変形抑制用リブが前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分に設けられた部分の最も前記後側境界点寄りの部分は、前記後側境界点からフェースバック方向に0mmから10mmの範囲内に位置していることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記変形抑制用リブは、トウヒール方向の幅Wをもって前後方向に延在し、前記変形抑制用リブの前記幅Wは0.5mm以上5mm以下であり、前記変形抑制用リブのクラウン部の内面またはソール部の内面からの高さHは3mm以上30mm以下であり、前記変形抑制用リブが前後方向に延在する長さLは5mm以上50mm以下であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記変形抑制用リブは、前後方向の幅Wをもってトウヒール方向に延在し、前記変形抑制用リブの前記幅Wは0.5mm以上5mm以下であり、前記変形抑制用リブのクラウン部の内面またはソール部の内面からの高さHは3mm以上30mm以下であり、前記変形抑制用リブがトウヒール方向に延在する長さLは40mm以上であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記変形抑制用リブは、トウヒール方向に間隔をおいて2つ以上設けられていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記変形抑制用リブは、前後方向に間隔をおいて2つ以上設けられていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、打球時において変形抑制用リブにより、変形促進用凹部の後方のクラウン部の部分またはソール部の部分の変形が抑制されるため、打球時にゴルフクラブヘッドに加わるエネルギーが変形促進用凹部の後方のクラウン部の部分またはソール部の部分の変形によって無駄に失われることが抑制される。
そのため、打球時にゴルフクラブヘッドに加わるエネルギーは、変形促進用凹部を集中的に変形させるため、変形促進用凹部による反発力を確保する上で有利となり、ゴルフクラブヘッドの反発係数を高め、打球の飛距離および初速の向上を図る上で有利となる。
請求項2から請求項7記載の発明によれば、請求項1の効果を高める上で有利となる。
第1の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドをフェース面の前方から見た正面図である。 図1のA矢視図である。 図1のB矢視図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第1の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第2の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第3の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第4の説明図である。 ゴルフクラブヘッドの重心点G0とフェース面上重心点FGとの関係を示すゴルフクラブヘッドの断面図である。 フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの断面図である。 フェース面の中心点Pcの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 (A)は第1の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドのフェース中心基準断面の断面図であり、(B)は(A)のBB線断面図である。 図12(A)の部分拡大図である。 第1境界点K1、第2境界点を規定する説明図である。 クラウン部に設けられる変形促進用凹部の前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBを規定する説明図である。 ソール部に設けられる変形促進用凹部の前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBを規定する説明図である。 (A)はゴルフクラブヘッドの比較例の断面図、(B)は(A)の部分拡大図である。 (A)はクラウン部側における延在長さL0、第1接続長さL1の説明図、(B)はソール部側における延在長さL0、第1接続長さL1の説明図である。 第2の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの平面図である。 (A)は第2の実施の形態に係るゴルフクラブヘッドのフェース中心基準断面の断面図であり、(B)は(A)のBB線断面図である。 図20(A)の部分拡大図である。 (A)〜(C)は変形抑制用リブの変形例を示す説明図である。 変形促進用凹部の変形状態の説明図である。 実験例1〜14の評価結果を示す図である。 実験例15〜27の評価結果を示す図である。 実験例28〜39の評価結果を示す図である。 実験例2の説明図である。 実験例3の説明図である。 実験例4の説明図である。 実験例5の説明図である。 実験例6の説明図である。 実験例7の説明図である。 実験例8の説明図である。 実験例10の説明図である。 実験例13の説明図である。 実験例14の説明図である。 実験例15の説明図である。 実験例17の説明図である。 (A)はクラウン部側における延在長さL0、第1接続長さL1の規定を説明する説明図、(B)はソール部側における延在長さL0、第1接続長さL1の規定を説明する説明図である。
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3、図12に示すように、本実施の形態において、ゴルフクラブヘッド10は、中空のウッド型ゴルフクラブヘッドであり、ヘッド本体12を含んで構成されている。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成される。
前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14の上部から後方に延在している。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間をフェースバック26を通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空部28とされた中空構造を呈している。
フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aであり、フェース部14の中空部28に面した裏面がフェース裏面14Bとなっている。
クラウン部16の外側に露出する表面がクラウン面16Aであり、クラウン部16の中空部28に面した裏面がクラウン裏面16Bである。
クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル30が設けられている。
ソール部18の外側に露出する表面がソール面18Aであり、ソール部18の中空部28に面した裏面がソール裏面18Bとなっている。
次に、フェース面14Aの中心点Pcの規定方法について説明する。
フェース面14Aの中心点Pcは、フェース面14Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
[A]フェース面14Aの中心点Pcの第1の規定方法:
フェース面14Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面14Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面14Aが明瞭に定義されることになる。
図4〜図7はフェース面14Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
(1)まず、図4に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平面HP上にゴルフクラブヘッド10を載置する。このときのゴルフクラブヘッド10の状態を基準状態とする。なお、ライ角およびフェース角の設定値は、例えば製品カタログに記載された値である。
(2)次にクラウン部16及びソール部18を結ぶ方向における仮中心点c0を求める。
すなわち、図4に示すように、トウ22およびヒール24を結ぶ水平面HPと平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面14Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面14Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(3)次に図5に示すように仮中心点c0を通る水平線g0を引く。
(4)次に図6に示すように水平線g0とフェース面14Aのトウ22側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面14Aのヒール24側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
(5)次に図7に示すように仮中心点c1を通る垂線f1を引き、この垂線f1とフェース面14Aの上縁とが交差するa1点と、垂線f1とフェース面14Aの下縁とが交差するb1点の中点を仮中心点c2とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面14Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面14Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面14Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ22−ヒール24方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
[B]フェース面14Aの中心点Pcの第2の規定方法:
次に、フェース面14Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面14Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
図8に示すように、ゴルフクラブヘッド10は中空であり、符号G0はゴルフクラブヘッド10の重心点を示し、符号Lpは重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線であり、言い換えると、直線Lpは重心点G0を通るフェース面14Aの垂線である。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0をフェース面14Aに投影した点がフェース面上重心点FGである。
ここで、図9に示すように、重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
ゴルフクラブヘッド10を各平面H1、H2、H3、…、Hnに沿って破断したときの断面において、図10に示されるように、ゴルフクラブヘッド10の外面の曲率半径r0を測定する。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面14A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面14Aの中心点Pcから外方向(図10における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面14Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、図9、図10に示すように、フェース面14Aとして定義される。
次に、図11に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平な地面上(水平面HP)にゴルフクラブヘッド10を載置する。
直線LTは、フェース面14Aのトウ22側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面14Aのヒール24側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面14Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面14Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
次に、ゴルフクラブヘッド10の各部の規定について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態とする。
図1、図12(A)に示すように、基準状態において、フェース面14Aの中心点Pcを通る法線を含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面をフェース中心基準断面Pfcとする。言い換えると、フェース中心基準断面Pfcは、基準状態において、フェースセンターラインCLを含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面である。
図2、図3、図12(A)に示すように、クラウン部16の部分およびソール部18の部分に、それぞれトウヒール方向にわたって延在し打球時におけるフェース部14の変形を促進する変形促進用凹部32と、打球時における変形促進用凹部32の後方のクラウン部16の部分およびソール部18の部分の変形を抑制する変形抑制用リブ34とが設けられている。すなわち、本実施の形態では、クラウン部16の部分およびソール部18の部分の双方に、変形促進用凹部32および変形抑制用リブ34がそれぞれ設けられている。
変形促進用凹部32および変形抑制用リブ34を説明するに先立って、第1境界点K1、第2境界点K2、第1平面P1〜第6平面P6、前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBについて説明する。
なお、本実施の形態では、第1境界点K1、第2境界点K2、前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBは、ヘッド本体12の外面上に規定される。
(第1境界点K1、第2境界点K2)
図1、図12(A)に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態に設置し、フェース中心基準断面Pfcにおいて、第1境界点K1、第2境界点K2を規定する。
第1境界点K1は、フェース部14とクラウン部16と境界点である。
第2境界点K2は、フェース部14とソール部18との境界点である。
図14に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、フェース面14Aの中心点Pcからクラウン部16に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつクラウン部16に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn−1で除した値が1/2未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを第1境界点K1とする。
図14に示すように、フェース中心基準断面Pfcにおいて、フェース面14Aの中心点Pcからソール部18に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつソール部18に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn−1で除した値が1/2未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを第2境界点K2とする。
本実施の形態では、上述のような手順で第1境界点K1、第2境界点K2を規定したため、各境界点K1、K2を簡単かつ確実に定める上で有利となる。
なお、第1、第2境界点K1、K2の曲率半径を測定するためのデータ作製方法は、ヘッドをレーザースキャン等を用いて寸法測定を行うことにより、CADデータ(外面データ)を作成して、曲率半径を測定するなどで良い。
(第1平面P1〜第6平面P6)
図3に示すように第1平面P1〜第6平面P6を規定する。
第1平面P1は、フェース中心基準断面Pfcと直交しフェース中心基準断面Pfcにおけるフェース部14とクラウン部16との第1境界点K1を通り水平面HPと直交する平面とする。
第2平面P2は、第1平面P1と平行し第1平面P1からフェースバック方向に50mm離間した平面とする。
第3平面P3は、フェース中心基準断面Pfcと直交しフェース中心基準断面Pfcにおけるフェース部14とソール部18との第2境界点K2を通り水平面HPと直交する平面とする。
第4平面P4は、第3平面P3と平行し第3平面P3からフェースバック方向に50mm離間した平面とする。
第5平面P5は、フェース中心基準断面Pfcと平行しフェース中心基準断面Pfcからトウ側に20mm離間した平面とする。
第6平面P6は、フェース中心基準断面Pfcと平行しフェース中心基準断面Pfcからヒール側に20mm離間した平面とする。
(前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KB)
図15、図16に示すように、変形促進用凹部32は、フェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態で、最もフェース部14側に位置する前側境界点KFと前側境界点KFからクラウンソール方向において最も離れた箇所に位置する内側境界点KIとを接続する前壁3202と、内側境界点KIと最もフェースバック側に位置する後側境界点KBとを接続する後壁3204とを有している。
ここで、前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBを規定する。
前側境界点KFは、変形促進用凹部32の前壁3202とクラウン部16またはソール部18との境界点である。
内側境界点KIは、変形促進用凹部32の前壁3202と後壁3204との境界点であり、最も中空部28側に位置する点である。
後側境界点KBは、変形促進用凹部32の後壁3204とクラウン部16またはソール部18との境界点である。
図15を参照してクラウン部16側の前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBについて説明する。
フェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態でクラウン部16側の変形促進用凹部32よりも前方のクラウン部16の箇所からフェースバック方向に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつフェースバック方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnの値が最小値となったとき、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを前側境界点KFとする。
また、フェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態でクラウン部16側の変形促進用凹部32よりも後方のクラウン部16の箇所からフェース部14方向に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつフェース部14方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnの値が最小値となったとき、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを後側境界点KBとする。
前側境界点KFと後側境界点KBとの間に位置する変形促進用凹部32の箇所を通る、前側境界点KFと後側境界点KBとを結んだ直線Aに対する垂線Bの長さが最長となったときに、垂線Bと変形促進用凹部32の箇所との交点を内側境界点KIとする。
図16を参照してソール部18側の前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBについて説明する。
フェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態でソール部18側の変形促進用凹部32よりも前方のソール部18の箇所からフェースバック方向に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつフェースバック方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnの値が最小値となったとき、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを前側境界点KFとする。
また、フェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態でソール部18側の変形促進用凹部32よりも後方のソール部18の箇所からフェース部14方向に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつフェース部14方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnの値が最小値となったとき、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを後側境界点KBとする。
前側境界点KFと後側境界点KBとの間に位置する変形促進用凹部32の箇所を通る、前側境界点KFと後側境界点KBとを結んだ直線Aに対する垂線Bの長さが最長となったときに、垂線Aと変形促進用凹部32の箇所との交点を内側境界点KIとする。
本実施の形態では、上述のような手順で前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBを規定したため、各境界点KF、KI、KBを簡単かつ確実に定める上で有利となる。
なお、前側境界点KF、後側境界点KBの曲率半径を測定するためのデータ作製方法は、前述した第1、第2境界点K1、K2の曲率半径を測定するためのデータ作製方法と同様に行なえば良い。
変形促進用凹部32は、第1平面P1と第2平面P2との間に位置するクラウン部16の部分、および、第3平面P3と第4平面P4との間に位置するソール部18の部分に設けられている。
また、それら2つの変形促進用凹部32は、第5平面P5と第6平面P6との間にわたって延在している。
このようにすると、打球時におけるフェース部14の変形を促進する上で有利となる。
なお、変形促進用凹部32が、第1平面P1と第2平面P2との間に位置するクラウン部16の部分以外、あるいは、第3平面P3と第4平面P4との間に位置するソール部18の部分以外に位置していると、打球時におけるフェース部14の変形を促進する上で不利となる。
また、変形促進用凹部32が、第5平面P5と第6平面P6との間の距離よりも短い長さで延在していると、打球時におけるフェース部14の変形を促進する上で不利となる。
図12(A)、(B)に示すように、変形抑制用リブ34は、変形促進用凹部32が設けられたクラウン部16の部分およびソール部18の部分であって第5平面P5と第6平面P6との間で延在する後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分の内面(クラウン裏面16B)およびソール部18の部分の内面(ソール裏面18B)に設けられている。
本実施の形態では、前後方向の幅Wをもってトウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34が1つ設けられている。
変形抑制用リブ34は、図13に示すように、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分およびソール部18の部分に設けられ、変形抑制用リブ34がクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分は、後側境界点KBからフェースバック方向に0mmから10mmの範囲内に位置している。
変形抑制用リブ34がクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が上記範囲内に位置していると、打球時における変形促進用凹部32の後方のクラウン部16の部分およびソール部18の部分の変形の抑制を図る効果が高く、上記範囲外に位置していると、打球時における変形の抑制を図る効果が低くなる。
図12(A)、(B)、図13に示すように、変形抑制用リブ34は、前後方向の幅Wをもってトウヒール方向に延在しており、変形抑制用リブ34の幅Wは0.5mm以上5mm以下である。
幅Wが上記範囲内であると、変形抑制と設計自由度の点で有利となり、上記範囲を下回ると、変形抑制の効果が低くなり、上記範囲を上回ると、質量過多になり、設計自由度(低重心設計・深重心設計)の効果が低くなる。
変形抑制用リブ34のクラウン部16の内面またはソール部18の内面からの高さHは3mm以上30mm以下である。
高さHが上記範囲内であると、変形抑制と設計自由度の点で有利となり、上記範囲を下回ると、変形抑制の効果が低くなり、上記範囲を上回ると、質量過多になり、設計自由度(低重心設計・深重心設計)の効果が低くなる。
図3に示すように、変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在する長さLは40mm以上である。
長さLが40mm未満だと、変形抑制の効果が低くなる。
本実施の形態では、クラウン部16およびソール部18に、トウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34がそれぞれ1つ設けられている場合について説明したが、トウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34が前後方向に間隔をおいて2つ以上設けられてもよい。
変形抑制用リブ34の数が多いほど、変形促進用凹部32の後方のクラウン部16の部分またはソール部18の部分の変形を抑制する効果が高まる。
また、変形抑制用リブ34の数は、クラウン部16およびソール部18で異なっていてもよい。
以上説明したように本実施の形態のゴルフクラブヘッド10によれば、第1平面P1と第2平面P2との間に位置するクラウン部16の部分、あるいは、第3平面P3と第4平面P4との間に位置するソール部18の部分に、少なくとも第5平面P5と第6平面P6との間でトウヒール方向にわたって延在し打球時におけるフェース部14の変形を促進する変形促進用凹部32を設けた。また、変形促進用凹部32が設けられたクラウン部16の部分あるいはソール部18の部分であって第5平面P5と第6平面P6との間で延在する後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分またはソール部18の部分に、打球時における変形を抑制する変形抑制用リブ34を設けた。
したがって、打球時において変形抑制用リブ34により、変形促進用凹部32の後方のクラウン部16の部分またはソール部18の部分の変形が抑制されるため、打球時にゴルフクラブヘッド10に加わるエネルギーが変形促進用凹部32の後方のクラウン部16の部分またはソール部18の部分の変形によって無駄に失われることが抑制される。
そのため、打球時にゴルフクラブヘッド10に加わるエネルギーは、変形促進用凹部32を集中的に変形させるため、変形促進用凹部32による反発力を確保する上で有利となり、ゴルフクラブヘッド10の反発係数を高め、打球の飛距離および初速の向上を図る上で有利となる。
また、変形抑制用リブ34を設けると、クラウン部16あるいはソール部18の補強がなされ、ゴルフクラブヘッド12の耐久性の向上を図る上でも有利となる。
例えば、図17(A)、(B)に示す比較例のように、変形促進用凹部32が設けられているが、変形抑制用リブ34が設けられていない場合、打球時のエネルギーにより変形促進用凹部32よりも後方のクラウン部16の部分、ソール部18の部分が大きく変形している。なお、図中、実線は打球前でありゴルフクラブヘッド10の変形が無い状態を示し、破線は打球によりゴルフクラブヘッド10が変形した状態を示している。
これに対して図12(A)、図13に示す第1の実施の形態では、変形抑制用リブ34の作用により、打球時のエネルギーによる変形促進用凹部32よりも後方のクラウン部16の部分、ソール部18の部分の変形量が比較例に比べて抑制されていることが明らかである。
また、図23は、変形抑制用リブ34を設けない場合における変形促進用凹部32の変形状態の一例を示す説明図であり、実線は打球前であり変形が無い状態を示し、破線は打球により変形した状態を示している。(センター打点。変形倍率5倍)
打球時に、変形促進用凹部32よりも後方のクラウン部16の部分が上方に膨らむような変形が生じると共に、このようなクラウン部16の部分の変形に伴い、図23に破線で示すように、前壁3202と後壁3204との接続部分(凹部の頂点)がフェース部14に向かって近づくように変形促進用凹部32が変形する。(変形倍率が5倍なので干渉しているように見えるが実際は干渉しない)
このような変形は、打球時におけるフェース部14のたわみが阻害(ボールの衝突エネルギーが、フェースたわみ以外に使用される)ことになり、ゴルフクラブヘッド10の反発係数を確保する上で不利となる。
そこで、本実施の形態のように変形抑制用リブ34を設けると、変形促進用凹部32よりも後方のクラウン部16の部分の変形が抑制されるため、前壁3202と後壁3204との接続部分がフェース部14に向かって近づく変形も抑制される。
したがって、打球時におけるフェース部14のたわみが阻害されることなく、ゴルフクラブヘッド10の反発係数を確保する上で有利となる。
上記のような現象は、ソール部18側でも同様に生じ、変形抑制用リブ34を設けることで、変形促進用凹部32よりも後方のソール部18の部分の変形が抑制されるため、前壁3202と後壁3204との接続部分がフェース部14に向かって近づく変形も抑制され、ゴルフクラブヘッド10の反発係数を確保する上で有利となることは同様である。
なお、本実施の形態では、トウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34が後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分およびソール部18の部分に設けられている場合について説明したが、トウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34は、以下のような構成であってもよい。
すなわち、図18(A)、(B)に示すように、変形抑制用リブ34は、後壁延在部分3204Aから離間しておらず、トウヒール方向に延在しつつかつ前後方向にも延在して後壁延在部分3204Aと後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分またはソール部18の部分とを接続する。
すなわち、変形抑制用リブ34は前後方向の幅をもってトウヒール方向に延在している。
このように変形抑制用リブ34が後壁延在部分3204Aと後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分またはソール部18の部分とを接続していると、変形抑制用リブ34が後壁延在部分3204Aから離間している場合に比較して、後壁延在部分3204Aの変形を抑制する上でより有利となる。したがって、変形促進用凹部32よりも後方のクラウン部16の部分の変形の抑制を図る上でもより有利となる。
ここで、図39(A)、(B)に示すように、後壁延在部分3204Aをフェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態で、後壁延在部分3204Aが中空部28に面した内面3206の全長を延在長さL0とする。
延在長さL0は以下のように規定される。
フェース中心基準断面Pfcと平行する平面において、後壁延在部分3204Aの内面3206で内側境界点KIの近傍において1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを各測定点pの位置を、フェース部14方向に、また、フェースバック26方向に1mmずつずらしながら測定し、測定された曲率半径Rの値が最小値となったとき、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを後壁内側境界点KI′とする。
また、フェース中心基準断面Pfcと平行する平面において、後壁延在部分3204Aの内面3206で後側境界点KBの近傍において1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを各測定点pの位置を1mmずつずらしながら測定し、測定された曲率半径Rの値が最小値となったとき、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを後壁後側境界点KB′とする。
そして、後壁内側境界点KI′から後壁後側境界点KB′までの後壁延在部分3204Aの内面3206に沿った長さを後壁延在部分3204Aの延在長さL0と規定する。
また、後壁内側境界点KI′と後壁後側境界点KB′とを結ぶ長さ内(延在長さL0内)において、変形抑制リブ34が後壁延在部分3204Aの内面3206に接続する部分の内面3204に沿った長さを第1接続長さL1とする。
このとき、第1接続長さL1が延在長さL0の50%以上である。
第1接続長さL1が延在長さL0の50%以上であると、打球時における変形促進用凹部32の後壁延在部分3204Aの変形の抑制を図る効果が高く、第1接続長さL1が延在長さL0の50%未満であると、打球時における変形促進用凹部32の後方の後壁延在部分3204Aの変形の抑制を図る効果が低くなる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について図19〜図21を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施の形態と異なる部分について重点的に説明する。
第2の実施の形態は、変形抑制用リブ36が前後方向に延びる細長形状を呈し、トウヒール方向の幅をもって前後方向に延在している点が第1の実施の形態と異なっている。
第1境界点K1、第2境界点K2、第1平面P1〜第6平面P6、前側境界点KF、内側境界点KI、後側境界点KBについては第1の実施の形態と同様であり、変形促進用凹部32の規定についても第1の実施の形態と同様である。
また、第2の実施の形態においても、図19、図20(A)、(B)に示すように、変形抑制用リブ36は、変形促進用凹部32が設けられたクラウン部16の部分およびソール部18の部分であって第5平面P5と第6平面P6との間で延在する後壁延在部分3204A、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分の内面(クラウン裏面16B)およびソール部18の部分の内面(ソール裏面18A)に設けられている。
第2の実施の形態では、クラウン部16の部分およびソール部18の部分において、トウヒール方向の幅Wをもって前後方向に延在する変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいてそれぞれ3つ設けられている。
図18(A)、(B)を流用して説明すると、変形抑制用リブ34は、後壁延在部分3204Aから離間しておらず、前後方向に延在して後壁延在部分3204Aと後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分またはソール部18の部分とを接続する。
このように変形抑制用リブ34が後壁延在部分3204Aと後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分またはソール部18の部分とを接続していると、変形抑制用リブ34が後壁延在部分3204Aから離間している場合に比較して、後壁延在部分3204Aの変形を抑制する上でより有利となる。したがって、変形促進用凹部32よりも後方のクラウン部16の部分の変形の抑制を図る上でより有利となる。
ここで、図39(A)、(B)を流用して説明すると、後壁延在部分3204Aをフェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態で、後壁延在部分3204Aが中空部28に面した内面3206の全長を延在長さL0とする。
延在長さL0は以下のように規定される。
フェース中心基準断面Pfcと平行する平面において、後壁延在部分3204Aの内面3206で内側境界点KIの近傍において1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを各測定点pの位置を、フェース部14方向に、また、フェースバック26方向に1mmずつずらしながら測定し、測定された曲率半径Rの値が最小値となったとき、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを後壁内側境界点KI′とする。
また、フェース中心基準断面Pfcと平行する平面において、後壁延在部分3204Aの内面3206で後側境界点KBの近傍において1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを各測定点pの位置を1mmずつずらしながら測定し、測定された曲率半径Rの値が最小値となったとき、3つの測定点pのうちの中間の測定点pを後壁後側境界点KB′とする。
そして、後壁内側境界点KI′から後壁後側境界点KB′までの後壁延在部分3204Aの内面3206に沿った長さを後壁延在部分3204Aの延在長さL0と規定する。
また、後壁内側境界点KI′と後壁後側境界点KB′とを結ぶ長さ内(延在長さL0内)において、変形抑制リブ34が後壁延在部分3204Aの内面3206に接続する部分の内面3204に沿った長さを第1接続長さL1とする。
このとき、第1接続長さL1が延在長さL0の50%以上である。
第1接続長さL1が延在長さL0の50%以上であると、打球時における変形促進用凹部32の後壁延在部分3204Aの変形の抑制を図る効果が高く、第1接続長さL1が延在長さL0の50%未満であると、打球時における変形促進用凹部32の後方の後壁延在部分3204Aの変形の抑制を図る効果が低くなる。
図19に示すように、変形抑制用リブ36は、トウヒール方向の幅Wをもって前後方向に延在している。
変形抑制用リブ36の幅Wは0.5mm以上5mm以下である。
幅Wが上記範囲内であると、変形抑制と設計自由度の点で有利となり、上記範囲を下回ると、変形抑制の効果が低くなり、上記範囲を上回ると、質量過多になり、設計自由度(低重心設計・深重心設計)の効果が低くなる。
図21に示すように、変形抑制用リブ36のクラウン部16の内面またはソール部18の内面からの高さHは3mm以上30mm以下である。
高さHが上記範囲内であると、変形抑制と設計自由度の点で有利となり、上記範囲を下回ると、変形抑制の効果が低くなり、上記範囲を上回ると、質量過多になり、設計自由度(低重心設計・深重心設計)の効果が低くなる。
図19に示すように、変形抑制用リブ36が前後方向に延在する長さLは5mm以上50mm以下である。
長さLが上記範囲内であると、変形抑制と設計自由度の点で有利となり、上記範囲を下回ると、変形抑制の効果が低くなり、上記範囲を上回ると、質量過多になり、設計自由度(低重心設計・深重心設計)の効果が低くなる。
本実施の形態では、クラウン部16およびソール部18に、変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいてそれぞれ3つ設けられている場合について説明したが、変形抑制用リブ36が1つであっても、あるいは、変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて4つ以上設けられてもよい。
変形抑制用リブ36の数が多いほど、変形促進用凹部32の後方のクラウン部16の部分またはソール部18の部分の変形を抑制する効果が高まる。
また、変形抑制用リブ36の数は、クラウン部16およびソール部18で異なっていてもよく、変形抑制用リブ36をクラウン部16およびソール部18の一方に設けてもよい。
第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、変形促進用凹部32と変形抑制用リブ36を設けたので、変形促進用凹部32による反発力を確保する上で有利となり、ゴルフクラブヘッド10の反発係数を高め、打球の飛距離および初速の向上を図る上で有利となる。
また、変形抑制用リブ36を設けると、クラウン部16あるいはソール部18の補強がなされ、ゴルフクラブヘッド12の耐久性の向上を図る上でも有利となることは第1の実施の形態と同様である。
例えば、図17(A)、(B)に示す比較例と、図20(A)、図21に示す第2の実施の形態とを比較すると、第2の実施の形態では、変形抑制用リブ36の作用により、打球時のエネルギーによる変形促進用凹部32よりも後方のクラウン部16の部分の変形量が比較例に比べて抑制されていることが明らかである。
なお、第2の実施の形態では、変形抑制用リブ36が前後方向に延在し、変形抑制用リブ36が後壁延在部分3204Aと後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分またはソール部18の部分とを接続する場合について説明したが、変形抑制用リブ36は、以下のように後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間して構成されていてもよい。
すなわち、変形抑制用リブ36は、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分およびソール部18の部分に設けられ、変形抑制用リブ36がクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分は、後側境界点KBからフェースバック方向に0mmから10mmの範囲内に位置している。
変形抑制用リブ34がクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が上記範囲内に位置していると、打球時における変形促進用凹部32の後方のクラウン部16の部分およびソール部18の部分の変形の抑制を図る効果が高く、上記範囲外に位置していると、打球時における変形促進用凹部32の後方のクラウン部16の部分およびソール部18の部分の変形の抑制を図る効果が低くなる。
次に、変形抑制用リブ34、36の変形例について図22(A)〜(C)を参照して説明する。
図22(A)に示す変形抑制用リブ34は、第1の実施の形態に相当するものであり、変形抑制用リブ34はトウヒール方向に延在しており、第5平面P5と第6平面P6との間で延在する後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分に設けられている。
図22(B)に示す変形抑制用リブ36は、前後方向に細長形状を呈しており、第5平面P5と第6平面P6との間で延在する後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分に設けられている。
図22(C)に示す変形抑制用リブ36は、前後方向に細長形状を呈しており、第5平面P5と第6平面P6との間で延在する後壁延在部分3204Aと、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分との双方にわたって設けられている。
すなわち、本発明において、変形抑制用リブ34、36は、第5平面P5と第6平面P6との間で延在する後壁延在部分3204A、あるいは、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に連続するクラウン部16の部分またはソール部18の部分、あるいは、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられていれば良い。
以下、本発明の実験例について説明する。
図24〜図26は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、後述する3つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、3つの指数の合計点を求めた。
(1)初速
ゴルフクラブヘッド10を備えたゴルフクラブをスイングロボットに設置し、以下の条件で実打試験を行い9打点における初速の平均値を指数で評価した。実験例1の指数を100とし指数が大きいほど初速が速く、評価が良いことを示す。
ヘッドスピード:40m/s
打点位置は、以下の合計9打点とし、各打点で5回ずつボールを打撃した。
フェース面14Aの中心点Pcと、中心点Pcを通りフェースセンターラインCLと直交する直線上で中心点Pcからトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
フェースセンターラインCL上で中心点Pcからクラウン部16方向に5mm離間した点と、この点を通りフェースセンターラインCLと直交する上5mmライン上で、上記点からトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
フェースセンターラインCL上で中心点Pcからソール部18方向に5mm離間した点と、この点を通りフェースセンターラインCLと直交する下5mmライン上で、上記点からトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
(2)飛距離
上記打点位置での実打試験で得られた飛距離を測定した。
実験例1の指数を100とし指数が大きいほど飛距離が長く、評価が良いことを示す。
(3)耐久性
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面14Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部14の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。打点位置はフェース面14Aの中心点Pcとした。
この場合、実験例1のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
(4)合計点
上述した初速、飛距離、耐久性の3つの指数を合計したものを合計点とした。
実験例1の合計点を300とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
次に図24〜図26を参照しつつ実験例1〜39について説明する。
なお、以下の実験例では、変形促進用凹部32および変形抑制用リブ34、36は、クラウン部16に設けられ、ソール部18には設けられていないものである。
まず、図24〜図26の記載内容について説明する。
左欄には、以下に示すように、各請求項で規定する内容が記載されている。
(対応する図面)
変形促進用凹部32または変形抑制用リブ34、36の形状を示す図面の番号を記載した。
(変形促進用凹部の前後方向の位置)
フェース中心基準断面Pfcにおいて第1境界点K1から前側境界点KFまでの距離と第1境界点K1から後側境界点KBまでの距離とを記載した。
したがって、距離0mm〜50mmの範囲内であれば、第1平面P1と第2平面P2との間に位置するクラウン部16の部分、あるいは、第3平面P3と第4平面P4との間に位置するソール部18の部分に変形促進用凹部32が位置しており、請求項1の規定を満たす。
(変形抑制用リブのトウヒール方向の位置)
変形抑制用リブ34、36が第5平面P5と第6平面P6との間でトウヒール方向にわたって延在していれば「有」、延在していなければ「無」と記載した。
延在していれば請求項1の規定を満たす。
延在していない場合とは、図Hに示すように、変形抑制用リブ36(34)がトウヒール方向において第5平面P5と第6平面P6との間の外側に位置していることを示す。
(変形抑制用リブの種類)
トウヒール方向に細長形状で延在する変形抑制用リブ34を「TH」、前後方向に細長形状で延在する変形抑制用リブ36を「FB」と記載した。
(変形抑制用リブの接続長さ)
第1接続長さL1を延在長さL0で除した比率を記載した。
L1/L0が50%以上であれば、請求項2の規定を満たす。
(変形抑制用リブの最も後側境界点KB寄りの位置)
この場合、変形抑制用リブ34、36は、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられている。
変形抑制用リブ34、36がクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が、後側境界点KBからフェースバック方向に0mmから10mmの範囲内に位置しているか否かを示す。
変形抑制用リブ34、36がクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が上記範囲内に位置していれば、請求項3の規定を満たす。
変形抑制用リブ34、36がクラウン部16の部分またはソール部18の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が上記範囲内に位置していれば「該当」、位置していなければ「非該当」と記載した。
(変形抑制用リブの幅)
トウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34の場合は、変形抑制用リブ36の前後方向の幅Wを記載し、前後方向に延在する抑制用リブ36の場合は、変形抑制用リブ36のトウヒール方向の幅Wを記載した。
幅Wが0.5mm以上5mm以下であれば、請求項4あるいは請求項5の規定を満たす。
(変形抑制用リブの高さ)
変形抑制用リブ34、36のクラウン部16の内面(クラウン裏面16B)またはソール部18の内面(ソール裏面18B)からの高さHを記載した。
高さHが3mm以上30mm以下であれば、請求項4あるいは請求項5の規定を満たす。
(変形抑制用リブの長さ)
トウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34の場合は、変形抑制用リブ36のトウヒール方向の長さLを記載し、前後方向に延在する抑制用リブ36の場合は、変形抑制用リブ36の前後方向の長さLを記載した。
トウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34は、長さが40mm以上でであれば、請求項5の規定を満たす。
前後方向に延在する抑制用リブ36の場合は、長さLが5mm以上50mm以下であれば、請求項4の規定を満たす。
(変形抑制用リブの本数)
トウヒール方向に延在する変形抑制用リブ34、前後方向に延在する抑制用リブ36のそれぞれについて変形抑制用リブ34、36の本数を記載した。
以下、実験例1〜39について説明する。
なお、以下の実験例1〜39においては、クラウン部16に変形促進用凹部32を設け、ソール部18に変形促進用凹部32を設けないものとした。
実験例1は、従来技術であって比較例に相当するものであり、クラウン部16に変形促進用凹部32を備えるが、本発明で規定する変形抑制用リブ36を有さないものであり、本発明の請求項1の規定を満たさないものである。
実験例2は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、図27に示すように、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は四角形を呈している。
実験例2は、請求項1−4、6の規定を満たしている。
したがって、飛距離145、初速150、耐久性135、合計点430であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
実験例3は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、図28に示すように、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
実験例3は、請求項1−4、6の規定を満たしている。
したがって、飛距離144、初速149、耐久性135、合計点428であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
実験例4は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、図29に示すように、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は、帯板状(四角形)を呈している。
変形抑制用リブ36は、長手方向の一端が後壁延在部分3204Aに接続されるとともに、長手方向の他端が後側境界点KBよりもフェースバック方向に離間したクラウン部16の部分に接続され、変形抑制用リブ36の長手方向の中間部は、後壁延在部分3204Aと、後壁延在部分3204Aに接続されるクラウン部16の部分との双方から離間している。
実験例4は、請求項1−4、6の規定を満たしている。
したがって、飛距離140、初速148、耐久性134、合計点422であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
実験例5は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、図30に示すように、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は四角形を呈している。
実験例5は、請求項1−4、6の規定を満たしている。
したがって、飛距離135、初速142、耐久性138、合計点415であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
実験例6は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、図31に示すように、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
実験例6は、請求項1−4、6の規定を満たしている。
したがって、飛距離134、初速141、耐久性138、合計点413であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
実験例7は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に延在するものであり、図32に示すように、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
実験例7は、請求項1−3、5の規定を満たしている。
したがって、飛距離145、初速150、耐久性136、合計点431であり、全ての評価が実験例1に比較して優れている。
実験例8は、本発明の範囲外であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は図28と同様の三角形を呈している。
実験例8は、図33に示すように、変形促進用凹部32の前後方向の位置が請求項1の規定を満たしていない。
すなわち、第1境界点K1から前側境界点KFまでの距離が52mmであり、フェース中心基準断面Pfcにおいて変形促進用凹部32が第2平面P2よりもフェースバック方向に外れており、請求項1の規定を満たしてない。
したがって、飛距離102、初速102、耐久性101、合計点305であり、全ての評価が実験例1と同等に留まっている。これは、変形促進用凹部32の位置がフェースバック方向に離れすぎており、変形促進用凹部32の効果が発揮されないためである。
実験例9は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、実験例3(図28)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
実験例9は、請求項1−4、6の規定を満たしている。
フェース中心基準断面Pfcにおいて第1境界点K1から前側境界点KFまでの距離が46mmであり、50mm近くとなっている。
したがって、飛距離122、初速119、耐久性120、合計点361であり、実験例2に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。これは、変形促進用凹部32の位置がフェースバック方向に50mm近く離れており、変形促進用凹部32の効果が低下しているためである。
実験例10は、本発明の範囲外であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、実験例3(図28)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
実験例10は、図34に示すように、変形抑制用リブ36のトウヒール方向の位置が請求項1の規定を満たしていない。
すなわち、変形抑制用リブ36がトウヒール方向において第5平面P5と第6平面P6との間の外側に位置している。
したがって、飛距離101、初速102、耐久性101、合計点304であり、全ての評価が実験例1と同等に留まっている。
これは、変形抑制用リブ36が第5平面P5と第6平面P6との間の外側に設けられているため、変形抑制用リブ36による変形の抑制効果がほとんど得られないことによるものである。
実験例11は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、実験例6(図31)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
実験例11は、請求項1の規定を満たすが、第1接続長さL1を延在長さL0で除した比率が、47%であり、50%未満となっており、請求項2の規定を満たしていない。
したがって、飛距離104、初速105、耐久性106、合計点315であり、実験例6に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、延在長さL0に対する第1接続長さL1の比率が低いため、変形抑制用リブ36による変形抑制の効果が充分に発揮できていないことによるものである。
実験例12は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は実験例4(図29)と同様の形状を呈している。
実験例12は、請求項1の規定を満たすが、第1接続長さL1を延在長さL0で除した比率が、47%であり、50%未満となっており、請求項2の規定を満たしていない。
したがって、飛距離106、初速106、耐久性106、合計点318であり、実験例4に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、延在長さL0に対する第1接続長さL1の比率が低いため、変形抑制用リブ36による変形抑制の効果が若干低下しているためである。
実験例13は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1の規定を満たしている。
実験例13は、図35に示すように、実験例3と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈しているが、変形抑制用リブ36は、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分に設けられている。
そして、変形抑制用リブ36がクラウン部16の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が、後側境界点KBからフェースバック方向にα=3mm離れた位置に位置しており、したがって、第1接続長さL1が延在長さL0の0%であり、請求項2の50%以上であるとの規定を満たしていない。
一方、変形抑制用リブ36がクラウン部16の部分の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分の最も後側境界点KB寄りの部分が0mmから10mmの範囲内に位置しており、請求項3の規定を満たしている。
したがって、飛距離105、初速104、耐久性105、合計点314であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36と後壁延在部分3204Aとが離間しているため、変形抑制用リブ36と後壁延在部分3204Aとが接続されている場合に比較して、変形抑制用リブ36による変形抑制の効果が低下しているためである。
実験例14は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1の規定を満たしている。
実験例14は、図36に示すように、実験例3と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈しているが、変形抑制用リブ36は、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分に設けられている。
そして、変形抑制用リブ36がクラウン部16の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が、後側境界点KBに位置しており(α=0mm)、したがって、第1接続長さL1が延在長さL0の0%であり、請求項2の50%以上であるとの規定を満たしていない。
一方、変形抑制用リブ36がクラウン部16の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が0mmから10mmの範囲内に位置しており、請求項3の規定を満たしている。
したがって、飛距離107、初速106、耐久性106、合計点319であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36と後壁延在部分3204Aとが離間しているため、変形抑制用リブ36と後壁延在部分3204Aとが接続されている場合に比較して、変形抑制用リブ36による変形抑制の効果が若干低下しているためである。
実験例15は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、請求項1の規定を満たしている。
実験例15は、図37に示すように、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は実験例7(図32)と同様な形状を呈しているが、変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aからフェースバック方向に離間すると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34がクラウン部16の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が、後側境界点KBからフェースバック方向にα=3mm離間しており、したがって、第1接続長さL1が延在長さL0の0%であり、請求項2の50%以上であるとの規定を満たしていない。
一方、変形抑制用リブ34がクラウン部16の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が0mmから10mmの範囲内に位置しており、請求項3の規定を満たしている。
したがって、飛距離105、初速106、耐久性106、合計点317であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ34と後壁延在部分3204Aとが離間しているため、変形抑制用リブ34と後壁延在部分3204Aとが接続されている場合に比較して、変形抑制用リブ34による変形抑制の効果が低下しているためである。
実験例16は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1の規定を満たしている。
実験例16は、実験例13(図35)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈しているが、変形抑制用リブ36は、後壁延在部分3204Aからフェースバック側に離間したクラウン部16の部分に設けられている。
そして、変形抑制用リブ36がクラウン部16の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が、後側境界点KBからフェースバック方向にα=12mm離れた位置に位置しており、したがって、第1接続長さL1が延在長さL0の0%であり、請求項2の50%以上であるとの規定を満たしていない。
また、変形抑制用リブ36がクラウン部16の部分に設けられた部分の最も後側境界点KB寄りの部分が0mmから10mmの範囲内に位置しておらず、請求項3の規定を満たしていない。
したがって、飛距離102、初速102、耐久性106、合計点310であり、実験例13に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36と後壁延在部分3204Aとがより大きく離間しているため、変形抑制用リブ36と後壁延在部分3204Aとが接続されている場合に比較して、変形抑制用リブ36による変形抑制の効果が低下しているためである。
実験例17は、本発明の範囲内であり、図38に示すように、2つの変形抑制用リブ34A、34Bが前後方向に間隔をおいてトウヒール方向に延在するものである。
一方の変形抑制用リブ34Aは、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
他方の変形抑制用リブ34Bは、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において、一方の変形抑制用リブ34Aのフェースバック方向に離間した位置でクラウン部16に接続されている。
実験例17は、請求項1−3、5、7の規定を満たしている。
したがって、飛距離150、初速150、耐久性130、合計点430であり、全ての評価が実験例7とほぼ同等である。
実験例18は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例18は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36のトウヒール方向の幅Wが0.3mmであり、0.5mm以上5mm以下の範囲を下回っており、請求項4の規定を満たしていない。
したがって、飛距離110、初速111、耐久性114、合計点335であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36の幅Wが小さすぎるため、変形抑制用リブ36による変形抑制の効果が低下しているからである。
実験例19は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例19は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36のトウヒール方向の幅Wが5.5mmであり、0.5mm以上5mm以下の範囲を上回っており、請求項4の規定を満たしていない。
したがって、飛距離110、初速112、耐久性113、合計点335であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36の幅Wが大きすぎるため、質量過多になり、設計自由度(深重心設計)の効果が低くなる。そのため、重心深さが浅くなってしまい、打ち出し角を高くすることができず、初速、飛距離が低下し、幅が広すぎることにより、応力集中もおこりやすく耐久性も低下する。
実験例20は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例20は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36のトウヒール方向の幅Wが0.7mmであり、0.5mm以上5mm以下の範囲の下限値近傍であり、請求項4の規定を満たしている。
したがって、飛距離127、初速124、耐久性140、合計点391であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの実験例18よりも効果は高い。
実験例21は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例21は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36のトウヒール方向の幅Wが4.8mmであり、0.5mm以上5mm以下の範囲の上限値近傍であり、請求項4の規定を満たしている。
したがって、飛距離123、初速122、耐久性145、合計点391であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの実験例19よりも効果は高い。
実験例22は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例22は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36のクラウン部16の内面からの高さHが2mmであり、3mm以上30mm以下の範囲を下回っており、請求項4の規定を満たしていない。
したがって、飛距離107、初速107、耐久性121、合計点335であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36の高さHが小さすぎるため、変形抑制用リブ36による変形抑制の効果が低下しているからである。
実験例23は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例23は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36のクラウン部16の内面からの高さHが34mmであり、3mm以上30mm以下の範囲を上回っており、請求項4の規定を満たしていない。
したがって、飛距離114、初速117、耐久性104、合計点335であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36の高さHが大きすぎるため質量過多になり、設計自由度(深重心設計)の効果が低くなる。そのため、重心深さが浅くなってしまい、打ち出し角を高くすることができず、初速、飛距離が低下し、高さが高すぎることにより、応力集中もおこりやすく耐久性も低下する。
実験例24は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例24は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36のクラウン部16の内面からの高さHが4mmであり、3mm以上30mm以下の範囲の下限値近傍であり、請求項4の規定を満たしている。
したがって、飛距離120、初速127、耐久性138、合計点385であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの実験例22よりも効果が高い。
実験例25は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例25は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36のクラウン部16の内面からの高さHが29mmであり、3mm以上30mm以下の範囲の上限値近傍であり、請求項4の規定を満たしている。
したがって、飛距離125、初速137、耐久性126、合計点388であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの実験例23よりも効果が高い。
実験例26は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例26は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36が前後方向に延在する長さLが3mmであり、5mm以上50mm以下の範囲を下回っており、請求項4の規定を満たしていない。
したがって、飛距離108、初速107、耐久性124、合計点339であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36の長さHが小さすぎるため、変形抑制用リブ36による変形抑制の効果が低下しているからである。
実験例27は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例27は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36が前後方向に延在する長さLが55mmであり、5mm以上50mm以下の範囲を上回っており、請求項4の規定を満たしていない。
したがって、飛距離115、初速115、耐久性104、合計点334であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ36の長さLが大きすぎるため、質量過多になり、設計自由度(深重心設計)の効果が低くなる。そのため、重心深さが浅くなってしまい、打ち出し角を高くすることができず、初速、飛距離が低下し、長さが長すぎることにより、応力集中もおこりやすく耐久性も低下する。
実験例28は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例28は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36が前後方向に延在する長さLが7mmであり、5mm以上50mm以下の範囲の下限値近傍であり、請求項4の規定を満たしている。
したがって、飛距離125、初速125、耐久性135、合計点385であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの、実験例26よりも効果が高い。
実験例29は、本発明の範囲内であり、3つの変形抑制用リブ36がトウヒール方向に間隔をおいて前後方向に延在するものであり、請求項1、2、6の規定を満たしている。
実験例29は、実験例3(図28)と同様にフェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ36は三角形を呈している。
そして、変形抑制用リブ36が前後方向に延在する長さLが48mmであり、5mm以上50mm以下の範囲の上限値近傍であり、請求項4の規定を満たしている。
したがって、飛距離125、初速130、耐久性135、合計点390であり、実験例3に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの、実験例27よりも効果が高い。
実験例30は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例30は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34の前後方向の幅Wが0.4mmであり、0.5mm以上5mm以下の範囲を下回っており、請求項5の規定を満たしていない。
したがって、飛距離109、初速112、耐久性114、合計点335であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ34の幅Wが小さすぎるため、変形抑制用リブ34による変形抑制の効果が低下しているからである。
実験例31は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例31は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34の前後方向の幅Wが5.4mmであり、0.5mm以上5mm以下の範囲を上回っていおり、請求項5の規定を満たしていない。
したがって、飛距離110、初速112、耐久性113、合計点335であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ34の幅Wが大きすぎるため、質量過多になり、設計自由度(深重心設計)の効果が低くなる。そのため、重心深さが浅くなってしまい、打ち出し角を高くすることができず、初速、飛距離が低下し、幅が広すぎることにより、応力集中もおこりやすく耐久性も低下する。
実験例32は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例32は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34の前後方向の幅Wが0.6mmであり、0.5mm以上5mm以下の範囲内の下限値近傍であり、請求項5の規定を満たしている。
したがって、飛距離125、初速126、耐久性140、合計点391であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの、実験例29よりも効果が高い。
実験例33は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例33は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34の前後方向の幅Wが4.9mmであり、0.5mm以上5mm以下の範囲内の上限値近傍であり、請求項5の規定を満たしている。
したがって、飛距離123、初速123、耐久性145、合計点391であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの、実験例30よりも効果が高い。
実験例34は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例34は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34のクラウン部16の内面からの高さHが2mmであり、3mm以上30mm以下の範囲を下回っており、請求項5の規定を満たしていない。
したがって、飛距離109、初速116、耐久性121、合計点336であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ34の高さHが小さすぎるため、変形抑制用リブ34による変形抑制の効果が低下しているからである。
実験例35は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例35は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34のクラウン部16の内面からの高さHが33mmであり、3mm以上30mm以下の範囲を上回っており、請求項5の規定を満たしていない。
したがって、飛距離115、初速117、耐久性104、合計点336であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ34の高さが大きすぎるため、質量過多になり、設計自由度(深重心設計)の効果が低くなる。そのため、重心深さが浅くなってしまい、打ち出し角を高くすることができず、初速、飛距離が低下し、高さが高すぎることにより、応力集中もおこりやすく耐久性も低下する。
実験例36は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例36は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34のクラウン部16の内面からの高さHが4mmであり、3mm以上30mm以下の範囲内の下限値近傍であり、請求項5の規定を満たしている。
したがって、飛距離123、初速128、耐久性138、合計点389であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの、実験例34に比較して効果が高い。
実験例37は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例37は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34のクラウン部16の内面からの高さHが28mmであり、3mm以上30mm以下の範囲内の上限値近傍であり、請求項5の規定を満たしている。
したがって、飛距離125、初速137、耐久性129、合計点391であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下しているものの、実験例35に比較して効果が高い。
実験例38は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例38は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34のトウヒール方向に延在する長さLは35mmであり、40mm以上であるという請求項5の規定を満たしていない。
したがって、飛距離108、初速107、耐久性123、合計点338であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が低下している。
これは、変形抑制用リブ34の長さLが小さすぎるため、変形抑制用リブ34による変形抑制の効果が低下しているからである。
実験例39は、本発明の範囲内であり、1つの変形抑制用リブ34がトウヒール方向に延在するものであり、トウヒール方向に変形抑制用リブ34が延在するものである。
実験例39は、実験例7(図32)と同様に、フェース中心基準断面Pfcと平行な断面において変形抑制用リブ34は後壁延在部分3204Aに接続されると共にクラウン部16に接続されている。
そして、変形抑制用リブ34のトウヒール方向に延在する長さLは43mmであり、40mm以上であるという請求項5の規定の下限値近傍の値であり、請求項5を満たしている。
したがって、飛距離125、初速130、耐久性135、合計点390であり、実験例7に比較すると、飛距離、初速、耐久性の効果が若干低下している。
これは、変形抑制用リブ34の長さLが実験例7よりも小さいため、変形抑制用リブ34による変形抑制の効果が若干低下しているからである。
以下、各評価項目について検討する。
(1)飛距離
本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たす実験例2−7、9、11−39は、飛距離が104〜145であり、本発明の範囲外である実験例8、10は、飛距離が101、102であり、本発明の範囲内のものは、本発明の範囲外のものに対して飛距離の向上を図る効果が優れている。
(2)初速
本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たす実験例2−7、9、11−39は、初速が105〜150であり、本発明の範囲外である実験例8、10は、初速が102、102であり、本発明の範囲内のものは、本発明の範囲外のものに対して初速の向上を図る効果が優れている。
(3)耐久性
本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たす実験例2−7、9、11−39は、耐久性が104〜138であり、本発明の範囲外である実験例8、10は、耐久性が101、101であり、本発明の範囲内のものは、本発明の範囲外のものに対して耐久性の向上を図る効果が優れている。
(4)合計点
本発明の範囲内であり、請求項1の規定を満たす実験例2−7、9、11−39は、合計点が315〜431であり、本発明の範囲外である実験例8、10は、合計点が304、305であり、本発明の範囲内のものは、本発明の範囲外のものに対して合計点の向上を図る効果が優れている。
10 ゴルフクラブヘッド
12 ヘッド本体
14 フェース部
16 クラウン部
18 ソール部
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
26 フェースバック
28 中空部
32 変形促進用凹部
3202 前壁
3204 後壁
3204A 後壁延在部分
34 変形抑制用リブ
36 変形抑制用リブ

Claims (7)

  1. 上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、
    前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、
    前記フェース中心基準断面と直交し前記フェース中心基準断面における前記フェース部と前記クラウン部との第1境界点を通り前記水平面と直交する平面を第1平面とし、
    前記第1平面と平行し前記第1平面からフェースバック方向に50mm離間した平面を第2平面とし、
    前記フェース中心基準断面と直交し前記フェース中心基準断面における前記フェース部と前記ソール部との第2境界点を通り前記水平面と直交する平面を第3平面とし、
    前記第3平面と平行し前記第3平面からフェースバック方向に50mm離間した平面を第4平面とし、
    前記フェース中心基準断面と平行し前記フェース中心基準面からトウ側に20mm離間した平面を第5平面とし、
    前記フェース中心基準断面と平行し前記フェース中心基準面からヒール側に20mm離間した平面を第6平面としたとき、
    前記第1平面と前記第2平面との間に位置する前記クラウン部の部分、あるいは、前記第3平面と前記第4平面との間に位置する前記ソール部の部分に、少なくとも前記第5平面と前記第6平面との間でトウヒール方向にわたって延在し打球時における前記フェース部の変形を促進する変形促進用凹部を設け、
    前記変形促進用凹部は前記フェース中心基準断面Pfcと平行する平面で切断した状態で、最も前記フェース部側に位置する前側境界点と前記前側境界点からクラウンソール方向において最も離れた箇所に位置する内側境界点とを接続する前壁と、前記内側境界点と最もフェースバック側に位置する後側境界点とを接続する後壁とを有し、
    前記変形促進用凹部が設けられた前記クラウン部の部分あるいは前記ソール部の部分であって前記第5平面と前記第6平面との間で延在する前記後壁が延在する後壁延在部分、あるいは、前記後壁延在部分からフェースバック側に連続する前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分、あるいは、前記後壁延在部分からフェースバック側に離間した前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分に、打球時における変形を抑制する変形抑制用リブを設けた、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記変形抑制用リブは、前後方向に延在し、前記後壁延在部分と前記後壁延在部分からフェースバック側に連続する前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分とを接続しており、
    前記後壁延在部分を前記フェース中心基準断面と平行する平面で切断した状態で、前記後壁延在部分が前記中空部に面した内面の全長を延在長さL0とし、
    前記延在長さ内において、前記変形抑制リブが前記後壁延在部分の前記内面に接続する部分の前記内面に沿った長さを第1接続長さL1としたとき、
    前記第1接続長さL1が前記延在長さL0の50%以上である、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記変形抑制用リブは、前記後壁延在部分からフェースバック側に離間した前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分に設けられ、
    前記変形抑制用リブが前記クラウン部の部分または前記ソール部の部分に設けられた部分の最も前記後側境界点寄りの部分は、前記後側境界点からフェースバック方向に0mmから10mmの範囲内に位置している、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記変形抑制用リブは、トウヒール方向の幅Wをもって前後方向に延在し、
    前記変形抑制用リブの前記幅Wは0.5mm以上5mm以下であり、
    前記変形抑制用リブのクラウン部の内面またはソール部の内面からの高さHは3mm以上30mm以下であり、
    前記変形抑制用リブが前後方向に延在する長さLは5mm以上50mm以下である、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記変形抑制用リブは、前後方向の幅Wをもってトウヒール方向に延在し、
    前記変形抑制用リブの前記幅Wは0.5mm以上5mm以下であり、
    前記変形抑制用リブのクラウン部の内面またはソール部の内面からの高さHは3mm以上30mm以下であり、
    前記変形抑制用リブがトウヒール方向に延在する長さLは40mm以上である、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記変形抑制用リブは、トウヒール方向に間隔をおいて2つ以上設けられている、
    ことを特徴とする請求項2から4の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記変形抑制用リブは、前後方向に間隔をおいて2つ以上設けられている、
    ことを特徴とする請求項5記載のゴルフクラブヘッド。
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