JP6024852B1 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
Description
このような弾道として、ストレート、ドロー、フェード、スライス、フックなどの種類がある。以下、ゴルファーが右利きの場合について説明する。
ゴルフボールの中心と目標点とを結ぶ目標線としたき、ストレートは、弾道が目標線に沿って直線状に延びるものである。
ドローは、弾道がいったん目標線から右側に離れたのち目標線に近づいて着弾するものである。
フェードは、弾道がいったん目標線から左側に離れたのち目標線に近づいて着弾するものである。
スライスは、弾道が目標線から右側に曲がり目標線から離れて着弾するものである。
フックは、弾道が目標線から左側に曲がり目標線から離れて着弾するものである。
上述した弾道のうち、ドローおよびフェードは、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性が安定してボールが目標線に近づいて着弾するため、ゴルファーにとって理想的な弾道である。
このような弾道を得るためには、ドローあるいはフェードの弾道となるようなサイドスピンをボールに与えればよく、したがって、ゴルフクラブヘッドのフェース面のたわみによりボールに加わるギア効果を確保することが重要となる。
このようなギア効果は、打球時におけるクラウン部のたわみ量をトウヒール方向に沿って変化させることで得ることができると考えられる。
一方、特許文献1には、良好な打球音を得るためにクラウン部の肉厚を調整することが開示されている。
また、特許文献2には、鋳造成形の歩留まりを高めるためにクラウン部の肉厚を調整することが開示されている。
また、特許文献3には、強度を保ちつつ軽量化を図るためにクラウン部の肉厚を調整することが開示されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性の安定を図る上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
請求項2記載の発明は、前記基準状態において前記ゴルフクラブヘッドを平面視した状態で、前記薄肉部よりも前記フェースバック側の箇所に、前記薄肉部の縁部のうち前記フェースバック側に対向する後縁部に沿って厚肉部が延在形成され、前記厚肉部の肉厚d2は前記薄肉部の肉厚d1の1.2倍以上2.0倍以下であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記薄肉部の肉厚d1は0.4mm以上0.6mm以下であり、前記厚肉部の肉厚d2は0.65mm以上1.0mm以下であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記基準状態において前記ゴルフクラブヘッドを平面視した状態で、前記後縁部は前記フェース中心基準断面と交差する方向に延在し、前記厚肉部に、前記薄肉部および前記厚肉部から離れる方向に延在するリブが形成され、前記リブの肉厚は前記厚肉部の肉厚d2と同一であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記リブは、前記厚肉部の延在方向に間隔をおいた前記厚肉部の複数箇所にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
したがって、トウ側領域とヒール側領域との剛性を比較すると、一方の剛性が他方の剛性よりも低くなる。
このため、フェース部でボールを打球した際にトウ側領域とヒール側領域との一方のたわみ量が他方のたわみ量に比較して相対的に大きくなることから、トウ側領域に接続するフェース部のたわみ量と、ヒール側領域に接続するフェース部のたわみ量との一方が他方よりも大きなものとなる。
この結果、フェース部のたわみ量がトウヒール方向に沿って変化することでボールにギア効果が加わり、サイドスピンがボールに与えられるため、弾道は、フェード傾向あるいはドロー傾向となる。したがって、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性を安定させる上で有利となる。
また、ボールの方向性が安定すると、方向性がばらつく心配がなくなるので力強くスイングできるようになる。その結果、ヘッドスピードも速くなり、飛距離アップにつながることも期待できる。
請求項2から5記載の発明によれば、請求項1の効果を高める上で有利となる。
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3に示すように、本実施の形態において、ゴルフクラブヘッド10は、中空のウッド型ゴルフクラブヘッド(ドライバー)であり、ヘッド本体12を含んで構成されている。
ヘッド本体12は、主に金属材料により構成される。
前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを備えている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14の上部から後方に延在している。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間をフェースバック26を通って延在している。
ヘッド本体12は、それらフェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20とで囲まれた内部が中空部28とされた中空構造を呈している。
図8に示すように、フェース部14の外側に露出する表面がボールを打撃するフェース面14Aであり、フェース部14の中空部28に面した裏面がフェース裏面14Bとなっている。
クラウン部16の外側に露出する表面がクラウン面16Aであり、クラウン部16の中空部28に面した裏面がクラウン裏面16Bとなっている。
クラウン部16には、フェース面14A側でかつヒール24寄りの位置にシャフトSに接続するホーゼル30が設けられている。
図8に示すように、ソール部18の外側に露出する表面がソール面18Aであり、ソール部18の中空部28に面した裏面がソール裏面18Bとなっている。
図中、符号19はリーディングエッジを示す。
フェース面14Aの中心点Pcは、フェース面14Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
フェース面14Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面14Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面14Aが明瞭に定義されることになる。
図4〜図7はフェース面14Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
すなわち、図4に示すように、トウ22およびヒール24を結ぶ水平面HPと平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面14Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面14Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(4)次に図6に示すように水平線g0とフェース面14Aのトウ22側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面14Aのヒール24側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面14Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面14Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面14Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ22−ヒール24方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
次に、フェース面14Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面14Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0をフェース面14Aに投影した点がフェース面上重心点FGである。
ここで、図9に示すように、重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面14A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面14Aの中心点Pcから外方向(図10における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面14Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、図9、図10に示すように、フェース面14Aとして定義される。
直線LTは、フェース面14Aのトウ側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面14Aのヒール側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面14Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面14Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
(フェース中心基準断面Pfc)
図1〜図3に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態とする。
図1、図3に示すように、基準状態において、フェース面14Aの中心点Pcを通る法線を含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面をフェース中心基準断面Pfcとする。言い換えると、フェース中心基準断面Pfcは、基準状態において、フェースセンターラインCLを含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面である。
図12に示すように、第1境界点K1は、フェース中心基準断面Pfcにおいて、フェース面14Aの上端とクラウン面16Aの前端との境界点をいう。
本実施の形態では、第1境界点K1を以下の方法で規定する。
フェース基準断面Pfにおいて、中心点Pcからクラウン部16に向かって1mm間隔で3つの測定点pを規定し3つの測定点pを通る円弧の曲率半径Rを測定するとともに、この曲率半径の測定を3つの測定点pを1mmずつクラウン部16に近づく方向に向かって変位させつつ行なう操作を繰り返すことで曲率半径R(R=R1、R2、R3、……Rn−1、Rn、Rn+1、……)を順次測定する。
測定された曲率半径Rnをその直前に測定された曲率半径Rn−1で除した値が0.3未満となったときに、3つの測定点pのうちの中間の測定点pをフェース側第1規定点A1とする。
フェース側第1規定点A1よりも1mm中心点Pc寄りの測定点pをフェース側第2規定点A2とする。
フェース側第2規定点A2よりも1mm中心点Pc寄りの測定点pをフェース側第3規定点A3とする。
フェース側第1規定点A1、フェース側第2規定点A2、フェース側第3規定点A3を含む複数の測定点pを通る円弧の曲率半径でクラウン部16側に延長した曲線(円弧)を第1規定線αとする。
なお、第1規定線αを規定する複数の測定点pのうち、フェース側第2規定点A2から最もフェース面14Aの中心点Pcに近い測定点pまでの第1規定線αに沿った距離は約3mm〜15mmである。実際の中空ゴルフクラブヘッドでは、フェース基準断面Pfにおいて、上記約3mm〜15mmの範囲でフェース面14Aの曲率半径Rはほぼ一定である。
なお、クラウン部16の測定点pの始点は以下のように定めることが好ましい。
すなわち、フェース基準断面Pfにおいて、フェース側第1規定点A1を含み水平面HPと平行する平面上でフェース側第1規定点A1からフェースバック方向に30mm離れた点を通り水平面HPと直交する直線L10とクラウン面16Aとが交差する交点P10の箇所を始点するか、あるいは、交点P10よりもフェース部14寄りの箇所をクラウン部16の測定点pの始点とする。
クラウン側第1規定点B1よりも1mmフェースバック寄りの測定点pをクラウン側第2規定点B2とする。
クラウン側第2規定点B2よりも1mmフェースバック寄りの測定点pをクラウン側第3規定点B3とする。
クラウン側第1規定点B1、クラウン側第2規定点B2、クラウン側第3規定点B3を含む複数の測定点pを通る円弧の曲率半径でフェース部14側に延長した曲線(円弧)を第2規定線βとする。
なお、第2規定線βを規定する複数の測定点pのうち、クラウン側第2規定点B2から最もフェース面14Aの中心点Pcから遠い測定点pまでの第2規定線βに沿った距離は約3〜15mmである。実際の中空ゴルフクラブヘッドでは、フェース基準断面Pfにおいて、上記約3mmから15mmの範囲でクラウン面16Aの曲率半径はほぼ一定である。
したがって、図12に示すように、第1境界点K1は、ゴルフクラブヘッド10の外面から外側に僅かに離れた箇所に位置している。
本実施の形態では、上述のような手順で第1境界点K1を規定したため、第1境界点K1を簡単かつ確実に定める上で有利となる。
第1境界点K1を規定するための各曲率半径を測定するためのデータ作製方法は、ゴルフクラブヘッド10をレーザースキャン等を用いて寸法測定を行うことにより、CADデータ(外面データ)を作成して、曲率半径を測定するなどすればよい。
図3に示すように、フェース中心基準断面Pfcおよび水平面HPと直交し第1境界点K1からフェースバック方向に50mm離間した平面を第1平面Pbとする。
図3に示すように、クラウン部16のうち第1平面Pbよりもフェース部14寄りの領域を前部領域Mとする。
前部領域Mのうちフェース中心基準断面Pfcよりもトウ22側寄りの部分をトウ側領域Mtとする。
前部領域Mのうちフェース中心基準断面Pfcよりもヒール24側寄りの部分をヒール側領域Mhとする。
本実施の形態では、クラウン部16は、前部厚肉部32、薄肉部34、後部厚肉部36、リブ38、中間部40を含んで構成されている。
前部厚肉部32は前部領域Mに形成され、クラウン部16とフェース部14との境界線に沿ってトウヒール方向に延在している。本実施の形態では、前部厚肉部32が特許請求の範囲の厚肉部を構成している。
薄肉部34は、薄肉部34を除く残りのクラウン部16の部分よりも肉厚が薄く形成されている。
薄肉部34の縁部のうちフェースバック側に位置する部分が後縁部3402であり、後縁部3402はフェースバック側に対向し、フェース中心基準断面Pfcと交差する方向に延在している。
本実施の形態では、平面視した状態で、薄肉部34は、ヒール24からトウ22に向かうにつれて前後方向の幅が広がる扇状に形成されている。
本実施の形態では、後部厚肉部36は一定の幅を有して、後縁部3402の全長以上の長さで延在している。
後部厚肉部36の幅は、2mm以上20mm以下であることが、薄肉部34のたわみ量を大きく確保し、また、ゴルフクラブヘッドの重量増を抑制する上で好ましい。
また、後部厚肉部36の延在方向の長さは、薄肉部34の後縁部3402の全長の長さよりも短くても良いが、後部厚肉部36の延在方向の長さが薄肉部34の後縁部3402の全長の長さ以上であると、薄肉部34のたわみ量を大きく確保する上でより有利となる。
また、本実施の形態では、基準状態でゴルフクラブヘッド10を平面視した状態で、後部厚肉部36は、クラウン部16の輪郭のうちトウ22寄りの箇所とヒール24寄り箇所とを結ぶように延在し、後部厚肉部36は、薄肉部34の後縁部3402の全長よりも広い範囲にわたって延在している。したがって、打球時の応力が効率的に薄肉部34全体に作用し、薄肉部34のたわみ量を大きく確保する上で有利となる。
本実施の形態では、リブ38は、後部厚肉部36の延在方向に間隔をおいた後部厚肉部36の複数箇所にそれぞれ設けられている。
また、リブ38の延在方向と後部厚肉部36の延在方向とが直交している。
また、リブ38で挟まれたクラウン部16の箇所には、後部薄肉部42がリブ38に沿って延在形成されている。
後部薄肉部42は、リブ38の延在方向に沿った長さと、この長さよりも小さい寸法の幅を有して細長形状を呈している。
中間部40は、クラウン部16のうち上述した前部厚肉部32、薄肉部34、後部厚肉部36、リブ34、後部薄肉部42を除く部分である。
各部の肉厚の大小関係は以下の通りである。
前部厚肉部32の肉厚>後部厚肉部36の肉厚>中間部40の肉厚>薄肉部34の肉厚
また、後部厚肉部36の肉厚とリブ38の肉厚は等しい。
また、後部薄肉部42の肉厚は中間部40の肉厚より小さい。
クラウン面16Aは凹凸がない滑らかな面で形成され、クラウン裏面16Bに凹凸形状が形成されていてもよいし、クラウン面16Aに凹凸形状が形成され、クラウン裏面16Bは凹凸がない滑らかな面で形成されていてもよい。
このとき、トウ側肉厚加重平均値Δdtでヒール側肉厚加重平均値Δdhを割った比(Δdh/Δdt)が1.1以上1.5以下である。
したがって、トウ側領域Mtとヒール側領域Mhとの剛性を比較すると、トウ側領域Mtの剛性がヒール側領域Mhの剛性よりも低くなる。
このように構成したゴルフクラブヘッド10によれば、フェース部14でボールを打球した際にフェース部14に加わる応力はクラウン部16に加わり、クラウン部16にたわみが生じる。
その際、剛性が低いトウ側領域Mtのたわみ量は、剛性が高いヒール側領域Mhのたわみ量に比較してより大きいものとなる。
図14から明らかなように、トウ側領域Mtのたわみ量がヒール側領域Mhのたわみ量に比較して相対的に大きくなっている。
このため、トウ側領域Mtに接続するフェース部14のたわみ量が、ヒール側領域Mhに接続するフェース部14のたわみ量よりも大きなものとなる。
この結果、フェース部14のたわみ量がヒール24からトウ22に向かうほど増加し、トウからヒールに向かうほど減少することになる。
このようにフェース部14のたわみ量がトウヒール方向に沿って変化することでボールにギア効果が加わり、サイドスピンがボールに与えられるため、ゴルファーが右利きの場合、弾道は、ドロー傾向となる。したがって、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性を安定させる上で有利となる。
また、ボールの方向性が安定すると、方向性がばらつく心配がなくなるので力強くスイングできるようになる。その結果、ヘッドスピードも速くなり、飛距離アップにつながることも期待できる。
比(Δdh/Δdt)が1.1以上1.5以下の範囲を下回ると、フェース部14からボールに加わるギア効果が低下し、ボールに与えるサイドスピン量が低下し弾道をドロー傾向にすることができない。したがって、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性を安定させる上で不利となる。
比(Δdh/Δdt)が1.1以上1.5以下の範囲を上回ると、フェース部14からボールに加わるギア効果が大きすぎるため、ボールに与えるサイドスピン量が過剰となり弾道がドロー傾向から逸脱してしまう。したがって、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性を安定させる上で不利となる。
このようなゴルフクラブヘッド10で打球すると、フェース部14寄りのクラウン部16の部分にフェースバック方向への応力が作用し、したがって、前部厚肉部32、薄肉部34、後部厚肉部36にフェースバック方向の応力が加わる。
この際、薄肉部34のフェースバック26寄りの箇所に薄肉部34よりも剛性が高い後部厚肉部36が位置しているため、応力は、薄肉部34に集中して加わることから、薄肉部34が前部厚肉部32および後部厚肉部36に比較してより大きくたわむことになる。
この結果、薄肉部34のたわみ量を大きく確保する上で有利となり、フェース部14のたわみ量を大きく確保し、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性を安定させる上で有利となる。
後部厚肉部36の肉厚d2が薄肉部34の肉厚d1の1.2倍以上2.0倍以下の範囲を上回ると、後部厚肉部36と薄肉部34との肉厚差が大きすぎるため、後部厚肉部36と薄肉部34との境界部に応力が集中し、クラウン部16の耐久性を確保する効果が低下する。
したがって、薄肉部34の剛性と後部厚肉部36の剛性とのバランスが最適となり反発性能を確保し、飛距離の向上を図る上で有利となる。
薄肉部34の肉厚d1が0.4mm以上0.6mm以下の範囲を下回ると、薄肉部34の耐久性を確保する効果が低下する。
薄肉部34の肉厚d1が0.4mm以上0.6mm以下の範囲を上回ると、薄肉部34のたわみ量が低下するため、反発性能を確保し、飛距離の向上を図る効果が低下する。
後部厚肉部36の肉厚d2が0.65mm以上1.0mm以下の範囲を下回ると、薄肉部34のたわみ量が低下するため、反発性能を確保し、飛距離の向上を図る効果が低下する。
後部厚肉部36の肉厚d2が0.65mm以上1.0mm以下の範囲を上回ると、薄肉部34に応力が集中しすぎることから、薄肉部34の耐久性を確保する効果が低下する。
なお、上記の効果を奏する上で、薄肉部34の肉厚d1は、より好ましくは0.45mm以上0.6mm以下であり、後部厚肉部36の肉厚d2は、より好ましくは0.65mm以上0.75mm以下である。
また、リブ38は、後部厚肉部36の延在方向に間隔をおいた後部厚肉部36の複数箇所にそれぞれ設けた。
したがって、リブ38によって後部厚肉部36の剛性を高めることができるので、打球時に加わる応力によって、薄肉部34をより大きくたわませることができ、フェース部14のたわみ量を大きく確保し、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性を安定させる上でより一層有利となる。
また、リブ38の延在方向と後部厚肉部36の延在方向とが直交していると、後部厚肉部36の剛性を高める上でより有利となる。
これに対して本実施の形態では、リブ38を設けたので、クラウン部16について最小限の重量増加で足り、ゴルフクラブヘッド10全体の軽量化を図る上で有利となり、また、ゴルフクラブヘッド10の重心設計の自由度を確保する上で有利となる。
また、本実施の形態では、リブ38に挟まれるクラウン部16の部分に後部薄肉部42を設けたので、ゴルフクラブヘッド10全体の軽量化を図る上でより有利となり、また、ゴルフクラブヘッド10の重心設計の自由度を確保する上でより有利となる。
次に第2の実施の形態について図15を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図15に示すように、第2の実施の形態では、平面視した状態で、薄肉部34は、第1の実施の形態とは逆に、トウからヒールに向かうにつれて前後方向の幅が広がる扇状に形成され、ヒール側肉厚加重平均値Δdhでトウ側肉厚加重平均値Δdtを割った比(Δdt/Δdh)が1.1以上1.5以下である点が第1の実施の形態と異なっている。
したがって、トウ側領域Mtとヒール側領域Mhとの剛性を比較すると、ヒール側領域Mhの剛性がトウ側領域Mtの剛性よりも低くなる。
このように構成したゴルフクラブヘッド10によれば、フェース部14でボールを打球した際にフェース部14に加わる応力はクラウン部16に加わり、クラウン部16にたわみが生じる。
その際、剛性が低いヒール側領域Mhのたわみ量は、剛性が高いトウ側領域Mtのたわみ量に比較してより大きいものとなる。
図16から明らかなように、ヒール側領域Mhのたわみ量がトウ側領域Mtのたわみ量に比較して相対的に大きくなっている。
このため、ヒール側領域Mhに接続するフェース部14のたわみ量が、トウ側領域Mtに接続するフェース部14のたわみ量よりも大きなものとなる。
この結果、フェース部14のたわみ量がトウ22からヒール24に向かうほど増加し、ヒール24からトウ22に向かうほど減少することになる。
このようにフェース部14のたわみ量がトウヒール方向に沿って変化することでボールにギア効果が加わり、サイドスピンがボールに与えられるため、ゴルファーが右利きの場合、弾道は、フェード傾向となる。したがって、ゴルクラブヘッドで打ち出したボールの方向性を安定させる上で有利となる。
またボールの方向性が安定すると、方向性がばらつく心配がなくなるので力強くスイングできるようになる。その結果、ヘッドスピードも速くなり、飛距離アップにつながることも期待できることは、第1の実施の形態と同様である。
このように、第2の実施の形態では、弾道がフィード傾向となること以外、第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
図17は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、以下の3つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、3つの指数の合計点を求めた。
ゴルフクラブヘッド10を備えたゴルフクラブをスイングロボットに設置し、以下の条件で実打試験を行い9打点における飛距離の平均値を指数で評価した。実験例1の指数を100とし指数が大きいほど飛距離が大きく、評価が良いことを示す。
ヘッドスピード:40m/s
打点位置は、以下の合計9打点とし、各打点で5回ずつボールを打撃した。
フェース面14Aの中心点Pcと、中心点Pcを通りフェースセンターラインCLと直交する直線上で中心点Pcからトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
フェースセンターラインCL上で中心点Pcからクラウン部1616方向に5mm離間した点と、この点を通りフェースセンターラインCLと直交する上5mmライン上で、上記点からトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
フェースセンターラインCL上で中心点Pcからソール部18方向に5mm離間した点と、この点を通りフェースセンターラインCLと直交する下5mmライン上で、上記点からトウ方向に7mm離間した点と、ヒール方向に7mm離間した点の3打点。
実際にゴルフボールをゴルフクラブヘッド10で打撃した場合の方向性を指数で評価した。従来例の指数を100とし指数が大きいほど方向性が良いことを示す。
ここで、方向性は以下のようにして求める。
すなわち、打球フィールドに目標点を設定してゴルファーが目標点に向かって打球する。そして打球する地点と目標点を結んだ直線と、打球されたボールが停止した点までの距離を方向ブレ幅(ヤード)として記録する。これらを1つのゴルフクラブに対して5球ずつ行い、方向ブレ幅の標準偏差の平均値を方向性の評価データとして求めた。
ここでは、20人の被験者について実験例1〜22のゴルフクラブを用いて方向性の評価データをそれぞれ求め、各ゴルフクラブのそれぞれについて20人の方向性の評価データの平均値を求めた。そして、実験例1の評価データの平均値を100とし、実験例2〜22を指数((実験例1の評価データの平均値/実験例2〜22の評価データの平均値)×100)によって評価した。即ち、指数が高いほど方向性に優れている。
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面14Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部1414の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。打点位置はフェース面14Aの中心点Pcとした。
この場合、実験例1のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
上述した飛距離、方向性、耐久性の3つの指数を合計したものを合計点とした。
実験例1の合計点を300とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
なお、実験例1〜22のうち、薄肉部を有する実験例2〜22は、図14に示すように、第1の実施の形態で説明したトウ側領域Mtに薄肉部の大部分が位置した形態のゴルフクラブヘッド10を試料としている。
また、リブ38を設けた実験例2〜20においてリブ38は図14と同様に5本設けている。
また、リブ38を設けた実験例22においてリブ38は1本設けている。
実験例1は、一般的なゴルフクラブヘッド10であって比較例に相当するものであり、本発明で規定する薄肉部34を有さず、したがって、本発明の請求項1の規定を満たさず、本発明の範囲外のものである。
実験例3、6は、薄肉部を有するものの、請求項1の規定を満たさないものであり、本発明の範囲外のものである。
実験例2、4、5、9、10、14、15、18、19、20は、本発明の請求項1から5の規定の全てを満たす。
実験例7、8、11は、本発明の範囲内であるが、請求項2の規定を満たさない。
実験例12、13、16、17は、本発明の範囲内であるが、請求項3の規定を満たさない。
実験例21は、本発明の範囲内であるが、請求項4、5の規定を満たさない。
したがって、飛距離113、方向性83、耐久性112、合計308であり、実験例1に比較して飛距離、耐久性が優れるものの、方向性が低下している。
これは、トウ側領域Mtとヒール側領域Mhとの間での肉厚差が小さすぎるため打球時に、フェース部からボールに与えるサイドスピン量が低下するためである。
したがって、飛距離108、方向性90、耐久性110、合計308であり、実験例1に比較してサイドスピンが多くなりすぎるため方向性が低下している。また飛距離もロスするので飛距離性能も低下している。
これは、トウ側領域Mtとヒール側領域Mhとの間での肉厚差が大きすぎるため打球時に、フェース部からボールに与えるサイドスピン量が増加しすぎるためである。
したがって、飛距離133、方向性135、耐久性134、合計402であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れている。
したがって、飛距離115、方向性108、耐久性114、合計337であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れている。
したがって、飛距離113、方向性115、耐久性111、合計339であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れている。
したがって、飛距離100、方向性115、耐久性113、合計328であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して概ね優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、後部厚肉部による薄肉部のたわみ量を増加させる効果が無いことから反発性能を確保する効果が低下するためである。
したがって、飛距離101、方向性114、耐久性115、合計330であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して概ね優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、後部厚肉部による薄肉部のたわみ量を増加させる効果が少ないことから反発性能を確保する効果が低下するためである。
したがって、飛距離113、方向性115、耐久性116、合計344であり、全ての評価が実験例8に比較して優れている。
したがって、飛距離115、方向性117、耐久性109、合計341であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れている。
したがって、飛距離116、方向性114、耐久性100、合計330であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して概ね優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、後部厚肉部の剛性が高すぎるため、薄肉部に応力が集中して耐久性を確保する効果が低下するためでる。
したがって、飛距離109、方向性118、耐久性118、合計345であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、薄肉部の肉厚d1が厚いため、薄肉部のたわみ量を確保する効果が低下し反発性能を確保する効果が低下するためである。
したがって、飛距離121、方向性122、耐久性100、合計343であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れているものの、実験例2に比較すると耐久性の評価が低い。
これは、薄肉部の肉厚d1が薄いため、打球時に薄肉部に応力が集中しすぎることにより耐久性を確保する効果が低下するためである。
したがって、飛距離118、方向性121、耐久性117、合計356であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れている。
したがって、飛距離119、方向性121、耐久性119、合計359であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れている。
したがって、飛距離121、方向性119、耐久性109、合計349であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、後部厚肉部の肉厚d2が厚いため、打球時に薄肉部に応力が集中しすぎることにより耐久性を確保する効果が低下するためである。
したがって、飛距離118、方向性119、耐久性115、合計352であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、後部厚肉部の肉厚d2が薄いため、薄肉部のたわみ量が低下し反発性能を確保する効果が低下するためである。
したがって、飛距離122、方向性124、耐久性121、合計367であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れており、請求項3の規定を満たさない実験例16、17に比較して評価が高い。
したがって、飛距離124、方向性122、耐久性116、合計362であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れており、請求項3の規定を満たさない実験例16、17に比較して評価が高い。
したがって、飛距離127、方向性125、耐久性123、合計375であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、リブ38の延在方向と後部厚肉部36の延在方向とが直交していないため、リブ38によって後部厚肉部36の剛性を高める効果が若干低下するためである。
したがって、飛距離123、方向性122、耐久性127、合計372であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、リブ38によって後部厚肉部36の剛性を高める効果が無いため、薄肉部のたわみ量を確保する効果が低下し反発性能を確保する効果が低下するためである。
したがって、飛距離128、方向性129、耐久性127、合計384であり、全ての評価が実験例1、3、6に比較して優れているものの、実験例2に比較すると評価が低い。
これは、リブ38が1つであるため、後部厚肉部36の剛性を高める効果が若干低下するため、薄肉部のたわみ量を確保する効果が低下し反発性能を確保する効果が低下するためである。
(1)飛距離
本発明の範囲内であり、請求項1から5の規定の全てを満たす実験例2、4、5、9、10、14、15、18、19、20は、飛距離が113〜133であり飛距離が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3、4、5の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例7、8、11は、飛距離が100〜116である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、5の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例12、13、16、17は飛距離が109〜121である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定を満たすが請求項4、5の規定を満たさない実験例21は飛距離が123である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、4の規定を満たすが請求項5の規定を満たさない実験例22は飛距離が128である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜5の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して飛距離の向上を図る効果が優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1から5の規定の全てを満たす実験例2、4、5、9、10、14、15、18、19、20は、方向性が108〜135であり方向性が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3、4、5の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例7、8、11は、方向性が114〜115である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、5の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例12、13、16、17は方向性が118〜122である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定を満たすが請求項4、5の規定を満たさない実験例21は方向性が122である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、4の規定を満たすが請求項5の規定を満たさない実験例22は方向性が129である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜5の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して方向性の向上を図る効果が優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1から5の規定の全てを満たす実験例2、4、5、9、10、14、15、18、19、20は、耐久性が109〜134であり耐久性が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3、4、5の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例7、8、11は、耐久性が113〜115である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、5の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例12、13、16、17は耐久性が100〜118である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定を満たすが請求項4、5の規定を満たさない実験例21は耐久性が127である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、4の規定を満たすが請求項5の規定を満たさない実験例22は耐久性が127である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜5の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して耐久性の向上を図る効果が優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1から5の規定の全てを満たす実験例2、4、5、9、10、14、15、18、19、20は、合計点が337〜402であり合計点が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1、3、4、5の規定を満たすが請求項2の規定を満たさない実験例7、8、11は、合計点が328〜330である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、5の規定を満たすが請求項3の規定を満たさない実験例12、13、16、17は合計点が338〜352である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3の規定を満たすが請求項4、5の規定を満たさない実験例21は合計点が372である。
本発明の範囲内であり、請求項1、2、3、4の規定を満たすが請求項5の規定を満たさない実験例22は合計点が384である。
したがって、本発明の範囲内で請求項1〜5の規定の全てを満たすものは、本発明の範囲外のものに対して合計点の向上を図る効果が優れている。
図16に示すように、第2の実施の形態で説明したヒール側領域Mhに薄肉部の大部分が位置した形態のゴルフクラブヘッド10を試料とした場合については、打球したボールの弾道がフィード傾向となること以外、実験例1〜22と同様の実験結果が得られることは無論である。
また、本発明は、このようなゴルフクラブヘッド10を備えるゴルフクラブに適用される。
12 ヘッド本体
14 フェース部
14A フェース面
16 クラウン部
16A クラウン面
18 ソール部
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
26 フェースバック
28 中空部
32 前部厚肉部
34 薄肉部
3402 後縁部
36 後部厚肉部(厚肉部)
38 リブ
HP 水平面
Pc フェース面の中心点
Pfc フェース中心基準断面
Pb 第1平面
K1 第1境界点
Claims (5)
- 上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とを含むヘッド本体を備え、それらフェース部とクラウン部とソール部とサイド部とで囲まれた内部が中空部であるゴルフクラブヘッドであって、
前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、
前記フェース中心基準断面において、前記フェース面の上端とクラウン面の前端との境界点を第1境界点K1とし、
前記フェース中心基準断面および前記水平面と直交し前記第1境界点K1から前記フェースバック方向に50mm離間した平面を第1平面とし、
前記クラウン部のうち前記第1平面よりも前記フェース部寄りの領域を前部領域とし、
前記前部領域のうち前記フェース中心基準断面よりもトウ側寄りの部分をトウ側領域とし、
前記前部領域のうち前記フェース中心基準断面よりもヒール側寄りの部分をヒール側領域とし、
前記トウ側領域の肉厚の加重平均値をトウ側肉厚加重平均値Δdtとし、
前記ヒール側領域の肉厚の加重平均値をヒール側肉厚加重平均値Δdhとしたとき、
前記前部領域に薄肉部が形成され、
前記薄肉部は、前記薄肉部を除く残りの前記クラウン部の部分よりも肉厚が薄く、
前記トウ側肉厚加重平均値Δdtおよび前記ヒール側肉厚加重平均値Δdhの一方を他方で割った比が1.1以上1.5以下である、
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記基準状態において前記ゴルフクラブヘッドを平面視した状態で、
前記薄肉部よりも前記フェースバック側の箇所に、前記薄肉部の縁部のうち前記フェースバック側に対向する後縁部に沿って厚肉部が延在形成され、
前記厚肉部の肉厚d2は前記薄肉部の肉厚d1の1.2倍以上2.0倍以下である、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記薄肉部の肉厚d1は0.4mm以上0.6mm以下であり、
前記厚肉部の肉厚d2は0.65mm以上1.0mm以下である、
ことを特徴とする請求項2記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記基準状態において前記ゴルフクラブヘッドを平面視した状態で、
前記後縁部は前記フェース中心基準断面と交差する方向に延在し、
前記厚肉部に、前記薄肉部および前記厚肉部から離れる方向に延在するリブが形成され、
前記リブの肉厚は前記厚肉部の肉厚d2と同一である、
ことを特徴とする請求項2または3記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記リブは、前記厚肉部の延在方向に間隔をおいた前記厚肉部の複数箇所にそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項4記載のゴルフクラブヘッド。
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