JP6219108B2 - ゴルフクラブセット - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブセットに関する。
複数のクラブを有するクラブセットが知られている。このセットは、2本以上のクラブを有している。このセットとして、例えば、フェアウェイウッドのセット、ユーティリティ型クラブのセット及びアイアン型クラブのセットが挙げられる。
特開2012−61035号公報は、ロフト角が14°〜35°のゴルフクラブを含むセットを開示する。このセットでは、フェースプログレッションが所定の条件下において略一定とされている。更に、このセットでは、重心アングルが、ロフト角が大きいゴルフクラブになるに従って小さくされている。更に、このセットでは、重心距離が、ロフト角が大きいゴルフクラブになるに従って長くされている。
特開2012−61035号公報
セット内の全てのクラブが、同じ感覚でスイングできるのが好ましい。セット内の全てのクラブにおいて、インパクトタイミングが一致しているのが好ましい。セット内のクラブ間で、打球の方向が一定であることが好ましい。既存のゴルフクラブセットには、改善の余地があることが判明した。
本発明の目的は、クラブ間におけるインパクトタイミングの差が少ないゴルフクラブセットの提供にある。
本発明に係るゴルフクラブセットは、クラブ長さが相違する複数のゴルフクラブを備えている。上記ゴルフクラブのそれぞれが、ヘッドと、シャフトと、グリップとを有している。上記クラブのそれぞれにおいて、上記クラブ長さが38.5インチ以上42インチ以下である。フェースプログレッションは略一定である。上記ヘッドのシャフト軸線回りの慣性モーメントがMIとされるとき、隣接クラブ間でのMI相違率が3%以下である。
好ましくは、全ての上記クラブにおいて、ロフト角が17度以上である。
好ましくは、上記MI相違率が2%以下である。
好ましくは、上記ヘッドのそれぞれにおいて、ヘッド体積が70cm以上150cm以下である。
好ましくは、上記セットにおいて、シャフト軸線基準の重心深度が略一定である。
好ましいセットは、上記ヘッドが、フェースを有しており、上記フェースが、厚肉部を有しており、上記厚肉部が、厚肉部中央点を有している。好ましくは、上記厚肉部中央点の高さがH2とされるとき、クラブ長さが短くなるにつれて高さH2が大きくされている。
クラブ間におけるインパクトタイミングの差が少ないゴルフクラブセットが提供されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るクラブを示す。 図2は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブセットを示す。 図3は、図2のセットに用いられているヘッドの正面図である。 図4は、図3のF4−F4線に沿った断面図である。 図5は、図3のヘッドの斜視図である。 図6は、図3のヘッドの分解斜視図である。 図7は、図5と同様の斜視図である。図7では、フェース裏面の稜線が破線で示されている。 図8は、フェースの肉厚分布を示す平面視の図である。 図9は、図8のF9−F9線に沿った断面図である。 図10は、ヘッド重心位置に起因するシャフトのしなりを示す図である。 図11は、図3のヘッドの平面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、ゴルフクラブ4を示す。このゴルフクラブ4は、ヘッド6と、シャフト8と、グリップ10とを有する。
図2は、ゴルフクラブセット2を示す。セット2は、複数のゴルフクラブ4を含む。本実施形態のセット2は、5本のゴルフクラブ4を有する。ゴルフクラブ4のそれぞれは、ヘッド6と、シャフト8と、グリップ10とを有する。クラブ長さは、クラブ4ごとに異なっている。シャフト8の長さは、クラブ4ごとに異なっている。ヘッド6のロフト角は、クラブ4ごとに異なっている。
セット2におけるクラブ6の本数は、2以上とされ、3以上が好ましい。ゴルフルールにおけるクラブ本数の制約を考慮すると、セット2におけるクラブ6の本数は、7以下が好ましく6以下がより好ましく、5以下がより好ましい。
セット2において、全てのヘッド6は、中空である。セット2は、ドライバー(1番ウッド)を含まない。セットは、ドライバーを含んでいても良い。
なお、図1が示すように、ヘッド6は、複数のフェースライン(フェース溝)を有している。図1以外の図面では、これらフェースラインの記載が省略されている。
ヘッドのタイプは限定されない。例えばヘッド6は、ウッド型であってもよいし、ユーティリティ型(ハイブリッド型)であってもよいし、アイアン型であってもよい。本実施形態では、全てのヘッド6は、ユーティリティ型ヘッドである。
セット2は、ロフト角が小さい順に、クラブ41、クラブ42、クラブ43、クラブ44及びクラブ45とを有する。クラブ41のロフト角は、セット2において最小である。クラブ45のロフト角は、セット2において最大である。なおロフト角は、リアルロフト角を意味する。
図2が示すように、クラブ41のロフト角が両矢印La1で示されている。クラブ42のロフト角が両矢印La2で示されている。クラブ43のロフト角が両矢印La3で示されている。クラブ44のロフト角が両矢印La4で示されている。クラブ45のロフト角が両矢印La5で示されている。ロフト角の小さい順に、La1、La2、La3、La4及びLa5である。すなわち、La1<La2<La3<La4<La5である。クラブ長さが短くなるにつれて、ロフト角が大きい。
例えば、ロフト角La1は、16度以上18度未満である。例えば、ロフト角La2は、18度以上20度未満である。例えば、ロフト角La3は、20度以上22度未満である。例えば、ロフト角La4は、22度以上24度未満である。例えば、ロフト角La5は、24度以上26度未満である。好ましいゴルフクラブセットは、これら5種のロフト角のうちの2種以上、更には3種以上を含む。
セット2は、ロフト角が20度以上である複数のクラブを含む。セット2において、ロフト角が20度以上であるのは、クラブ43、クラブ44及びクラブ45である。これら3本のクラブは、クラブセット2aを構成する(図2参照)。セット2aは、ロフト角が20度以上のクラブからなる。
本願では、セット2を構成するN本のクラブのロフト角が、クラブ長さの大きい順に、La1、La2、・・・、LaNとされる。ただし、Nは2以上の自然数である。本実施形態では、Nが5である。セット2は、La1<La2<・・・<LaNを満たす。
本実施形態では、セット内における最小のロフト角La1が、好ましくは15°以上、より好ましくは16°以上である。
セット2では、ロフト角が大きいほど、ヘッド重量が大きい。ロフト角が大きいほど、ヘッド体積が小さくされてもよい。
クラブ41は、ヘッド61とシャフト81とを有する。クラブ42は、ヘッド62とシャフト82とを有する。クラブ43は、ヘッド63とシャフト83とを有する。クラブ44は、ヘッド64とシャフト84とを有する。クラブ45は、ヘッド65とシャフト85とを有する。
セット2では、ロフト角が大きくなるにつれて、シャフトが短い。シャフト長さが大きい順に、シャフト41、シャフト42、シャフト43、シャフト44及びシャフト45である。セット2では、ロフト角が大きくなるにつれて、クラブ長さが小さい。クラブ41は、セット2においてクラブ長さが最大である。クラブ45は、セット2においてクラブ長さが最小である。
クラブ長さは、1番手当たり、0.5インチずつ変化している。本実施形態では、クラブ41のクラブ長さは、41インチである。セット2において、クラブ41は最も長い。クラブ42のクラブ長さは、40.5インチである。クラブ43のクラブ長さは、40インチである。クラブ44のクラブ長さは、39.5インチである。クラブ45のクラブ長さは、39インチである。セット2において、クラブ45は、最も短い。セット2において最も長いクラブのクラブ長さは、40インチ以上41.5インチ以下が好ましい。セット2において最も短いクラブのクラブ長さは、38.5インチ以上39.5インチ以下が好ましい。
図2では、クラブ4のぞれぞれにおいて、フェースプログレッションFPが示されている。クラブ41のフェースプログレッションFPが両矢印FP1で示されている。クラブ42のフェースプログレッションFPが両矢印FP2で示されている。クラブ43のフェースプログレッションFPが両矢印FP3で示されている。クラブ44のフェースプログレッションFPが両矢印FP4で示されている。クラブ45のフェースプログレッションFPが両矢印FP5で示されている。
セット2では、フェースプログレッションFPが略一定である。略一定とは、フェースプログレッションFPの最大値と最小値との差が3mm以下であることを意味する。フェースプログレッションFPの最大値と最小値との差は、より好ましくは2mm以下であり、より好ましくは1.5mm以下であり、より好ましくは1mm以下である。
従来、ロフト角が大きいほど、フェースプログレッションFPが大きくなる傾向があった。ロフト角が17度以上、更には20度以上である場合に、この傾向が大きかった。よって、ロフト角が17度以上である場合、フェースプログレッションFPを略一定とする効果が大きい。ロフト角が20度以上である場合、フェースプログレッションFPを略一定とする効果が更に大きい。
各ヘッド6には、番手を示す文字が付されている。実際には、これらの文字は、例えばソールs6に表示されている。ゴルフクラブ41には、UT3との表示がなされている。ゴルフクラブ42には、UT3との表示がなされている。ゴルフクラブ43には、UT4との表示がなされている。ゴルフクラブ44には、UT5との表示がなされている。ゴルフクラブ45には、UT6との表示がなされている。
図3は、ヘッド6の正面図である。図4は、図3のF4−F4線に沿った断面図である。図4では、フェース近傍のみが示されている。
本願において、ヘッド6として説明される事項は、ヘッド61から65の全てに共通である。
ヘッド6は、フェースf6、クラウンc6、ソールs6及びホーセルh6を有する。フェースf6は、フェース面fsと、フェース裏面frとを有する。フェース面fsは、フェースf6の外面である。フェース面fsは、打撃面である。フェース裏面frは、フェースf6の内面である。ヘッド6は、中空である。ホーセルh6は、ホーゼル孔hzを有する。シャフト軸線Z1は、ホーゼル孔hzの中心軸線に一致する。
ヘッド6では、シャフト軸線Z1回りの慣性モーメントMIが測定される。慣性モーメントMIは、ヘッドごとに相違する。セット2では、クラブ長さが短くなるにつれて、慣性モーメントMIが大きい。セット2では、ロフト角が大きくなるにつれて、慣性モーメントMIが大きい。
セット2では、クラブ長さが短くなるにつれて、ヘッド重量が大きくされている。
フェース面fsは、フェースセンターFcを有する。フェース面fsは、スイートスポットSSを有する。フェース面fsは、リーディングエッジLeを有する。リーディングエッジLeは、フェース面fsの下縁である。
フェース面fsは、外側に凸の三次元曲面である。一般的なウッド型ヘッドと同様に、フェース面fsは、バルジ及びロールを有する。
[慣性モーメントMI(図3参照)]
本願において、慣性モーメントMIは、ヘッド6の慣性モーメントである。この慣性モーメントMIは、シャフト軸線Z1回りの慣性モーメントである。この慣性モーメントMIは、例えば、INERTIA DYNAMICS INC.社製の商品名「MOMENT OF INERTIA MEASURING INSTRUMENT MODEL NO.005−002」により測定することができる。
[MI相違率]
本願では、MI相違率との文言が用いられる。このMI相違率は、クラブ長さが最も近い2本のクラブの間における、慣性モーメントMIの相違率である。よってこのMI相違率は、「隣接クラブ間でのMI相違率」とも称される。MI相違率の算出では、クラブ長さを基準に、クラブの順序が決定される。例えば、クラブ長さが最も長いクラブの慣性モーメントMIがMI1とされ、クラブ長さが2番目に長いクラブの慣性モーメントMIがMI2とされ、クラブ長さが3番目に長いクラブの慣性モーメントMIがMI3とされる。この場合、隣接クラブ間でのMI相違率(%)は、次のように算出される。
・MI相違率(1)=100×(MI2−MI1)/MI1
・MI相違率(2)=100×(MI3−MI2)/MI2
なお、計算値がマイナスである場合、その絶対値がMI相違率である。
このように、セットのクラブ本数が3である場合、2個のMI相違率が算出される。一般に、N本のクラブを有するセットは、(N−1)個のMI相違率を有する。
上記実施形態のセット2は、5本のゴルフクラブ4を有するので、4個のMI相違率が算出される。ヘッド61の慣性モーメントMIがMI1であり、ヘッド62の慣性モーメントMIがMI2であり、ヘッド63の慣性モーメントMIがMI3であり、ヘッド64の慣性モーメントMIがMI4であり、ヘッド65の慣性モーメントMIがMI5であるとき、次の4個のMI相違率が算出される。
・MI相違率(1)=100×(MI2−MI1)/MI1
・MI相違率(2)=100×(MI3−MI2)/MI2
・MI相違率(3)=100×(MI4−MI3)/MI3
・MI相違率(4)=100×(MI5−MI4)/MI4
上述の通り、セット2は5本のクラブからなる。セット2のMI相違率は、後述の実施例1で示されている。セット2では、MI相違率が3%以下である。すなわち、セット2では、算出されうるMI相違率の全てが、3%以下である。MI相違率では、四捨五入が適用されうる。MI相違率が3.4%以下であれば、「MI相違率が3%以下」を充足する。
上述の通り、セット2aは3本のクラブからなる。後述の実施例2が示すように、セット2aでは、MI相違率が1.5%以下である。
セット内の全てのクラブにおいて、MI相違率は、3%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1.5%以下がより好ましい。この理由については、後述される。
[MI相違量]
本願では、MI相違量との文言が用いられる。このMI相違量は、クラブ長さが最も近い2本のクラブの間における、慣性モーメントMIの相違量である。上述のMI相違率と同様に、このMI相違量も、隣接するクラブ間での値である。MI相違量の算出では、クラブ長さを基準に、クラブの順序が決定される。例えば、クラブ長さが最も長いクラブの慣性モーメントMIがMI1とされ、クラブ長さが2番目に長いクラブの慣性モーメントMIがMI2とされ、クラブ長さが3番目に長いクラブの慣性モーメントMIがMI3とされる。この場合、隣接クラブ間でのMI相違量(g・cm)は、次のように算出される。
・MI相違量(1)=MI2−MI1
・MI相違量(2)=MI3−MI2
なお、計算値がマイナスである場合、その絶対値がMI相違量である。
このように、セットのクラブ本数が3である場合、2個のMI相違量が算出される。一般に、N本のクラブを有するセットは、(N−1)個のMI相違量を有する。例えば、後述の実施例1は、クラブ本数Nが5であり、4つのMI相違量を有する。
セット内の全てのクラブにおいて、MI相違量は小さいのが好ましい。セット内の全てのクラブにおいて、MI相違量は、140(g・cm)以下が好ましく、100(g・cm)以下がより好ましく、70(g・cm)以下がより好ましく、50(g・cm)以下がより好ましい。この理由については、後述される。
セット2では、クラブ長さが短いほど、重心距離が短くされている。重心距離とは、シャフト軸線Z1とヘッド重心との距離(最短距離)である。セット2では、クラブ長さが短いほどヘッド重量が大きくされている一方で、クラブ長さが短いほど重心距離が短くされている。このため、慣性モーメントMIに関して、ヘッド重量と重心距離との相殺効果が生じる。この相殺効果は、MI相違率の抑制に寄与している。
[基準状態、基準垂直面]
シャフト孔の中心軸線Z1が水平面Hに対して垂直な平面VP1に含まれ、且つ規定のライ角及びリアルロフト角で水平面H上にヘッドが載置された状態が、基準状態と定義される。上記平面VP1は、基準垂直面と定義される。上記規定のライ角及びリアルロフト角は、例えば、製品のカタログに掲載されている。上述の図3では、基準状態におけるヘッド6が示されている。
[トウ−ヒール方向]
トウ−ヒール方向とは、上記基準垂直面VP1と上記水平面Hとの交線の方向であると、定義される。
[前後方向]
前後方向とは、上記トウ−ヒール方向に対して垂直であり且つ上記水平面Hに対して平行な方向であると、定義される。
[鉛直方向]
鉛直方向とは、上記水平面Hに対して垂直な方向である。
[フェースセンターFc]
フェース面fsにおいて、トウ−ヒール方向の最大幅Wxが決定される(図示省略)。更に、この最大幅Wxにおけるトウ−ヒール方向中央位置Pxが決定される。この位置Pxにおいて、フェース面の鉛直方向中央点Pyが決定される。この点Pyが、フェースセンターFcと定義される。
[投影平面Ps]
図4には、投影平面Psが、二点鎖線で示されている。この投影平面Psは、直線LNに対して垂直な平面である。この直線LNは、フェースセンターFcを通り且つフェース面fsに対して垂直な直線である。なお、この直線LNの方向が、フェース法線方向と定義される。
[平面視]
上記投影平面Psへの投影像が、平面視と定義される。なお、投影平面Psへの投影において、その投影の方向は、上記フェース法線方向である。
[上下方向]
上記鉛直方向に延びる直線が、上記投影平面Psに投影される。この投影された投影平面Ps上の直線の方向が、上下方向と定義される。この上下方向は、上記投影平面Psに対して平行である。この上下方向に基づいて、上記平面視における「上側」及び「下側」が判断される。この上下方向は、フェース面fsに略平行である。
[ヘッド高さTH]
図3には、ヘッド高さTHが示されている。ヘッド高さTHは、クラウンc6の最大高さである。ヘッド高さTHは、上記基準状態において測定される。ヘッド高さTHは、水平面Hからの高さである。ヘッド高さTHは、上記鉛直方向に沿って測定される。
[スイートスポット高さSH]
上記基準状態のヘッドにおいて、上記水平面HからのスイートスポットSSの高さが、スイートスポット高さSHである(図3参照)。このスイートスポット高さSHは、鉛直方向に沿って測定される。なお、スイートスポットSSは、ヘッド重心からフェース面に下ろした垂線とフェース面fsとの交点である。
[フェースプログレッションFP]
上記基準状態のヘッドにおいて、ヘッド6の最前方点と上記平面VP1との前後方向距離が、フェースプログレッションFPである。ヘッドの最前方点は、前後方向において最も前方の点である。
[ヘッド幅HW]
前後方向におけるヘッドの最大幅が、ヘッド幅HWとされる(後述の図11参照)。
[重心深度DG]
ヘッド重心と上記基準垂直面VP1との距離が、重心深度DGである。この重心深度DGは、前後方向に沿って測定される。本願において、この重心深度DGは、「シャフト軸線基準の重心深度」とも称される。
セット2の全てのクラブ4において、ヘッド重心は、上記基準垂直面VP1よりも後方に位置している。ヘッド重心が上記基準垂直面VP1よりも後方に位置している場合、重心深度DGはプラスの値とされる。ヘッド重心が上記基準垂直面VP1よりも前方に位置している場合、重心深度DGはマイナスの値とされる。セット2では、全てのクラブにおいて、重心深度DGはプラスの値である。
本実施形態では、セット2において、上記重心深度DGは略一定である。略一定とは、重心深度DGの最大値と最小値との差が3mm以下であることを意味する。より好ましくは、重心深度DGの最大値と最小値との差は2.5mm以下であり、更に好ましくは2mm以下であり、更に好ましくは1.5mm以下であり、更に好ましくは1mm以下である。
上述の通り、セット2では、フェースプログレッションFPが略一定とされている。すなわち、従来のセットとの比較において、セット2では、クラブ長さが短くなるにつれて、フェース面が後方に位置している。フェース面が後方に移動すると、ヘッド重心も後方に移動しやすい。本実施形態では、クラブ長さが短くなるにつれて、ソール前方中央部の質量割合M1が大きくされている。本実施形態では、クラブ長さが短くなるにつれて、上記ソール前方中央部の平均厚みが大きくされている。このため、セット2では、ソールs6の質量分布に基づくヘッド重心位置の変動と、フェースプログレッションFPに基づくヘッド重心位置の変動とが、相殺されている。このため、重心深度DGが略一定とされている。この場合、インパクトタイミング効果(後述)が向上しうる。なお、上記質量割合M1とは、ソール前方中央部の質量をヘッド6の質量で割った値である。
なお、上記ソール前方中央部とは、ソールs6の一部であって、以下の(a)、(b)及び(c)を満たす領域である。
(a)ヘッド6の最前方点から前後方向に20mm隔てた位置よりも前方の領域。
(b)リーディングエッジLeから前後方向に11mm隔てた位置よりも後方の領域。
(c)フェースセンターFcからのトウ−ヒール方向距離が、25mm以内である領域。
上記(a)は上記ソール前方中央部の後方境界線Lbを画定している。上記(b)は上記ソール前方中央部の前方境界線Lfを画定している。上記(c)は上記ソール前方中央部のトウ側境界線Lt及びヒール側境界線Lhを画定している。図示しないが、ソールs6の平面視において、上記境界線Lbはトウ−ヒール方向に沿った直線であり、上記境界線LfはリーディングエッジLeに沿った曲線であり、上記境界線Lt及びLhは前後方向に沿った直線である。上記ソール前方中央部は、これらの境界線Lb、Lf、Lt及びLhで囲まれた領域である。
セット2では、ヘッド幅HWの変化が抑制されている。この構成は、重心深度DGを略一定とするのに寄与している。この観点から、セット内でのヘッド幅HWの変化量は、2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.5mm以下がより好ましい。この変化量は、セット内におけるヘッド幅HWの最大値と最小値との差である。この変化量は、0mmであってもよい。
低すぎる弾道を防止する観点から、重心深度DGは、5mm以上が好ましく、6mm以上がより好ましく、7mm以上がより好ましい。ギア効果によるサイドスピンを抑制する観点から、重心深度DGは、18mm以下が好ましく、16mm以下がより好ましく、14mm以下がより好ましく、12mm以下がより好ましい。好ましくは、セット内の全クラブにおいて、重心深度DGが上記好ましい値とされる。
[フェース面fsの周縁]
フェース面は、その周縁が明瞭な稜線等によって目視で特定されうる場合は、その周縁で囲まれた領域として定義される。丸み等によって周縁が明瞭でない場合、ヘッド重心とスイートスポットSSとを結ぶ直線L1(図示されない)を含む多数の平面が想定される。これら平面に沿った断面のそれぞれにおいて、ヘッド外面の曲率半径rが測定される。この曲率半径rは、フェースセンターFcから外方向に向かって連続的に測定される。この連続的な測定において、上記曲率半径rが最初に200mm以下となる地点が、周縁と定義される。この曲率半径rの測定では、フェースライン、パンチマーク等は存在しないと仮定される。
図5は、ヘッド6の斜視図である。図6は、ヘッド6の分解斜視図である。図6が示すように、ヘッド6は、ヘッド本体6mとフェース部材6pとが接合されることによって、形成されている。この接合は、溶接により達成されている。ヘッド本体6mは、開口6kを有する。この開口6kの形状は、フェース部材6pの輪郭形状に対応している。開口6kは、フェース部材6pによって閉塞されている。図5において二点鎖線で示されているのは、ヘッド本体6mとフェース部材6pとの境界k1である。
フェース面fsの全体面積のうち、フェース部材6pによって形成されている面積の割合Rpは、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がより好ましい。フェース部材6pが板材から形成される場合、フェース部材6pは板状とされるのがよい。よって、フェース面fsの周縁部は、ヘッド本体6mによって形成するのがよい。この観点から、上記割合Rpは、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
フェース部材6pは、プレート状である。フェース部材6pは、フェースf6の一部を形成している。フェース部材6pは、フェースf6の中央部分を形成している。ヘッド本体6mは、フェースf6の周囲部分を形成している。ヘッド本体6mは、フェース部材6pの周囲において、フェースf6を形成している。この構成により、フェース部材6pがプレート状とされることが、許容されている。
フェース部材6pの材質は、ヘッド本体6mの材質とは異なる。
フェースには特に高い強度が要求される。このため、フェースには、ヘッド本体よりも強度の高い材質が用いられるのが好ましい。この場合、カップ状(皿状)のフェース部材を用いることが考えられる。カップ状のフェース部材では、溶接部分の幅によってフェースプログレッションFPが変化しうる。一方、本実施形態では、ヘッド本体6mがフェースf6の周囲部分を形成している。このため、溶接部分の幅が変化しても、フェースプログレッションFPは変化しない。よって、フェースプログレッションFPの誤差が生じにくい。
ヘッド本体6mの材質は限定されない。ヘッド本体6mの材質として、金属、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等が例示される。上記金属として、純チタン、チタン合金、ステンレス鋼、マレージング鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金及びタングステン−ニッケル合金から選ばれる一種以上の金属が例示される。ステンレス鋼として、SUS630及びSUS304が例示される。ステンレス鋼の具体例として、CUSTOM450(カーペンター社製)が例示される。チタン合金として、6−4チタン(Ti−6Al−4V)、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al等が例示される。
フェース部材6pの材質は限定されない。強度の観点から、好ましい材質としてチタン合金及びマレージング鋼が挙げられ、より好ましくはマレージング鋼である。好ましいマレージング鋼として、Custom455及びHT1770が挙げられる。本実施形態におけるフェース部材6pの材質は、Custom455である。
ヘッド本体6mは、鋳造によって製造されている。一方、フェース部材6pは、板材をプレス加工することによって製造されている。この板材は、平板である。この板材は、圧延材である。圧延材は、欠陥が少なく、強度に優れる。更に、圧延材は、厚みの精度が高い。圧延材を用いることで、フェースf6の厚みの精度が高まる。圧延材を用いることで、フェースf6の強度が高まる。
圧延材の他の好ましい材料は、鍛造材である。鍛造材も、欠陥が少なく、強度に優れる。強度の観点から、フェース部材6pの材料は、圧延材又は鍛造材であるのが好ましく、圧延材がより好ましい。
上述の通り、フェース面fsは、バルジ及びロールを有する三次元曲面である。このため、平板を材料とする場合、曲げ加工がなされる。
フェース部材6pのフェース裏面frは、NC加工によって形成されている。NC加工により、厚みTFが精度良く形成される。NCとは、「Numerical Control」の略である。より詳細には、フェース裏面frは、CNC加工によって形成されている。CNCとは、「Computerized Numerical Control」の略である。厚みTFの精度は高い。
フェース部材6pの製造工程は、以下のステップA、B及びCを含む。
(1)平板にNC加工を行うステップA
(2)上記平板をフェース部材6pの輪郭形状に切り出すステップB
(3)上記ステップA及び上記ステップBがなされた部材を曲げるステップC
上記ステップBは、NC加工によってなされるのが好ましい。更に、上記ステップAのNCデータと上記ステップBのNCデータとが関連づけられているのが好ましい。この場合、厚みTFの分布が精度良く形成されうる。
上記ステップC(曲げ加工)は、プレスによってなされる。このプレスは、冷間プレスである。冷間プレスとされることにより、NC加工により形成された厚みTFが、プレス中に変化しにくい。よって、厚みTFの精度が高まる。
このように、フェース部材6pは、平板にNC加工がなされた後に曲げ加工がなされることによって、製造されている。平板に対してNC加工が施されることで、厚みTFの精度が高められている。曲げ加工を行った後にNC加工を行う場合、曲げ加工の誤差がNCデータに反映されず、結果として厚みTFの精度が低下しうる。
更に、上記平板は圧延材である。厚みの精度に優れた圧延材にNC加工を行うことで、厚み分布が精度よく形成されうる。
図7は、フェースf6の肉厚分布を説明するための図である。図7には、フェース裏面frに形成されている稜線が、破線で示されている。フェース裏面frは、全体として、段差なく連続している。ただし、フェース裏面frには、細かい筋が多数形成されている(図示省略)。これらの筋は、ミーリングの跡である
フェースf6は、第1厚肉部T1を有する。本実施形態では、第1厚肉部T1は、楕円形の領域である。この厚肉部T1は、フェースセンターFcを含む。更に、フェースf6は、第2厚肉部T2と第3厚肉部T3とを有する。第2厚肉部T2は、第1厚肉部T1よりも薄い。第3厚肉部T3は、第1厚肉部T1よりも薄い。
本願では、第1厚肉部T1が、単に厚肉部とも称される。本願では、第2厚肉部T2及び第3厚肉部T3が、副厚肉部とも称される。
フェースf6は、傾斜厚肉部Tsを有する。傾斜厚肉部Tsは、厚肉部T1と副厚肉部T2、T3とによって形成されている。傾斜厚肉部Tsは、ヒール上側からトウ下側に向かって延在している。
厚肉部T1よりも薄い副厚肉部T2、T3により、厚肉部T1の領域が抑制され、反発性能が向上しうる。更に、リブ状に延在する副厚肉部T2、T3により、フェース強度が高められている。
第2厚肉部T2は、厚肉部T1に隣接している。第2厚肉部T2は、厚肉部T1から、ヒール側且つ上側に向かって延在している。本実施形態では、第2厚肉部T2の幅は、ヒール側にいくにつれて小さい。第2厚肉部T2の先端は尖っている。第3厚肉部T3は、厚肉部T1に隣接している。第3厚肉部T3は、厚肉部T1から、トウ側且つ下側に向かって延在している。本実施形態では、第3厚肉部T3の幅は、トウ側にいくにつれて小さい。第3厚肉部T3の先端は尖っている。
フェースf6は、薄肉部を有する。この薄肉部は、ヒール薄肉部T4とトウ薄肉部T5とを有する。ヒール薄肉部T4は、厚肉部T1よりも薄い。ヒール薄肉部T4は、第2厚肉部T2(副厚肉部)よりも薄い。ヒール薄肉部T4は、第3厚肉部T3(副厚肉部)よりも薄い。トウ薄肉部T5は、厚肉部T1よりも薄い。トウ薄肉部T5は、第2厚肉部T2(副厚肉部)よりも薄い。トウ薄肉部T5は、第3厚肉部T3(副厚肉部)よりも薄い。
ヒール薄肉部T4は、傾斜厚肉部Tsよりも薄い。ヒール薄肉部T4は、薄肉部の一例である。トウ薄肉部T5は、傾斜厚肉部Tsよりも薄い。トウ薄肉部T5は、薄肉部の一例である。
図7が示すように、傾斜厚肉部Tsは、フェース部材6pを横断している。傾斜厚肉部Tsは、薄肉部T4、T5の存在を許容しつつ、フェース強度の向上に寄与している。
フェースf6は、移行部を有する。移行部は、傾斜厚肉部Tsと薄肉部T4、T5との間に位置する。この移行部は、傾斜厚肉部Tsと薄肉部T4、T5とを段差なく繋いでいる。本実施形態では、この移行部は、第1移行部TR1と第2移行部TR2とを有する。第1移行部TR1は、傾斜厚肉部Tsとヒール薄肉部T4との間に位置する。第1移行部TR1は、ヒール薄肉部T4に隣接している。第1移行部TR1は、厚肉部T1に隣接している。第1移行部TR1は、傾斜厚肉部Tsに隣接している。第2移行部TR2は、傾斜厚肉部Tsとトウ薄肉部T5との間に位置する。第2移行部TR2は、トウ薄肉部T5に隣接している。第2移行部TR2は、厚肉部T1に隣接している。第2移行部TR2は、傾斜厚肉部Tsに隣接している。
第1移行部TR1は、ヒール上側からトウ下側に向かって延在している。第1移行部TR1の厚みは、傾斜厚肉部Tsとヒール薄肉部T4との間である。第1移行部TR1の厚みは、傾斜厚肉部Tsからヒール薄肉部T4に向かうにつれて、薄くなっている。
第2移行部TR2は、ヒール上側からトウ下側に向かって延在している。第2移行部TR2の厚みは、傾斜厚肉部Tsとトウ薄肉部T5との間である。第2移行部TR2の厚みは、傾斜厚肉部Tsからトウ薄肉部T5に向かうにつれて、薄くなっている。
ヒール薄肉部T4は、移行部TR1、TR2よりも薄い。トウ薄肉部T5は、移行部TR1、TR2よりも薄い。
第1厚肉部T1の厚みTFは、フェース部材6pにおいて最大である。第1厚肉部T1の厚みTFは、フェースf6において最大である。ただし、最大厚みとの差が0.02mm以内の部分も、厚肉部T1とみなされる。
図7が示すように、フェース部材6pは、厚肉部T1の全体を含む。フェース部材6pは、副厚肉部T2,T3の少なくとも一部を含む。フェース部材6pは、ヒール薄肉部T4の少なくとも一部を含む。フェース部材6pは、トウ薄肉部T5の少なくとも一部を含む。フェース部材6pは、第1移行部TR1の少なくとも一部を含む。フェース部材6pは、第2移行部TR2の少なくとも一部を含む。
本実施形態において、各部分の厚みTFは次の通りである。
・第1厚肉部T1:2.15mm
・第2厚肉部T2:1.7mm以上2.15mm未満
・第3厚肉部T3:1.6mm以上2.15mm未満
・ヒール薄肉部T4:1.5mm
・トウ薄肉部T5:1.6mm
本実施形態では、厚肉部T1と副厚肉部T2、T3との間の厚みの相違は、0.55mm以下である。
フェース強度の観点から、第1厚肉部T1の厚みは、1.9mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましい。反発性能の観点から、第1厚肉部T1の厚みは、2.4mm以下が好ましく、2.3mm以下がより好ましい。
フェース強度の観点から、副厚肉部T2,T3の平均厚みは、1.5mm以上が好ましく、1.6mm以上がより好ましい。反発性能の観点から、副厚肉部T2,T3の平均厚みは、2.2mm以下が好ましく、2.1mm以下がより好ましい。
フェース強度の観点から、薄肉部T4、T5の平均厚みは、1.3mm以上が好ましく、1.4mm以上がより好ましい。反発性能の観点から、薄肉部T4、T5の平均厚みは、1.8mm以下が好ましく、1.7mm以下がより好ましい。
図7には、厚肉部中央点Ecが示されている。上記平面視において、厚肉部T1の図心が決定されうる。この平面視における図心が、厚肉部中央点Ecである。本実施形態では、厚肉部T1の輪郭線である楕円の中心が、厚肉部中央点Ecである。
図8は、上記平面視におけるフェースf6である。図9は、図8の断面線F9−F9に沿った、ヘッド6の断面図である。この断面線F9−F9は、厚肉部中央点Ecを通っている。
図8で示されている実線の境界線は、フェース裏面frにおいて視認される稜線である。これらの境界線は、フェース面fs側からは視認されない。よって、図8における実線の境界線は、本来、破線で示されるべきものである。図8では、境界線を明確とするため、破線であるべき境界線が、実線で示されている。実際のフェース裏面frの平面図は、図8が左右反転されたものである。
図8及び図9において両矢印H1で示されるのは、厚肉部中央点Ecの位置(トウ−ヒール方向位置)におけるフェース高さである。この高さH1は、上記平面視において測定される。この高さH1は、前述の上下方向に沿って測定される。高さH1の起点はフェース面fsの下縁である。この下縁は、リーディングエッジLeである。高さH1の終点は、フェース面fsの上縁である。
図8及び図9において両矢印H2で示されるのは、厚肉部中央点Ecの高さである。この高さH2も、厚肉部中央点Ecの位置(トウ−ヒール方向位置)において測定される。この高さH2は、上記平面視において測定される。この高さH2は、前述の上下方向に沿って測定される。高さH2の起点はフェース面fsの下縁である。高さH2の終点は厚肉部中央点Ecである。
図8が示すように、傾斜厚肉部Tsは、ヒール上側からトウ下側に向かって延在している。厚肉部T1と副肉厚部T2、T3とによって、ヒール上側からトウ下側に向かって延在する傾斜厚肉部Tsが形成されている。
傾斜厚肉部Tsをヒール上側からトウ下側に向かって延在させることで、薄肉部T4、T5が、ヒール下側及びトウ上側に確保されやすい。多数のゴルファーの打点を分析した結果、一般のゴルファーの打点は、ヒール下側及びトウ上側に比較的多く分布していた。ヒール下側及びトウ上側の薄肉部T4、T5は、平均飛距離の向上に寄与しうる。
[フェース高さH1]
芝生に直接置かれたボールを打球する場合、過大な高さH1は好ましくない。この点を考慮すると、高さH1は、40mm以下が好ましく、38mm以下がより好ましく、36mm以下がより好ましい。厚肉部T1以外の薄い領域は、反発性能を向上させうる。この観点から、高さH1は、29mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、31mm以上がより好ましく、32mm以上がより好ましい。上述された高さH1の好ましい範囲は、クラブセットに含まれる全てのクラブにおいて充足されているのが好ましい。
セット2では、クラブ長さが短くなるにつれて、高さH1が大きい。この場合、フェースプログレッションFPは、クラブ長さが短くなるにつれて大きくなりやすい。しかし、この傾向に反して、セット2では、フェースプログレッションFPが略一定とされている。つまり、インパクトタイミング効果の観点から、従来の傾向に反する構成が採用されている。
[厚肉部中央点の高さH2]
芝生に直接置かれたボールを打球する場合、打点が下側となりやすい。高さH2が大きくされることで、打点が下側の場合に、反発性能が向上しうる。この観点から、高さH2は、16mm以上が好ましく、17mm以上がより好ましく、18mm以上がより好ましい。高さH2が過大である場合、フェースの強度が低下することがある。この観点から、高さH2は、22mm以下が好ましく、21mm以下がより好ましく、20mm以下が好ましい。上述された高さH2の好ましい範囲は、クラブセットに含まれる全てのクラブにおいて充足されているのが好ましい。
セット2では、クラブ長さが短くなるにつれて、高さH2が大きい。この場合、クラブ長さが短くなるにつれて、厚肉部T1が後方に移動しやすい。なぜなら、ヘッド6はロフト角を有するからである。厚肉部T1の後方への移動により、重心深度DGが変化しやすい。しかし、セット2では、クラブ長さが短くなるにつれて、ヘッド幅HWが小さくなっている。厚肉部T1の後方への移動とヘッド幅HWの変化との相殺により、略一定の重心深度DGが達成されやすい。
[H2/H1]
打点が下側である場合の反発性能の観点から、H2/H1は、0.55以上が好ましく、0.56以上がより好ましい。フェースの強度を考慮すると、H2/H1は、0.63以下が好ましく、0.60以下がより好ましい。上述された高さH2/H1の好ましい範囲は、クラブセットに含まれる全てのクラブにおいて充足されているのが好ましい。
従来、スイートスポット高さSHを低くすることが飛距離に寄与すると考えられていた。厚肉部中央点の高さH2を大きくされると、スイートスポット高さSHが大きくなりやすい。このため、従来、厚肉部中央点の高さH2は高くされていなかった。従来、H2/H1は小さくされていた。
[厚肉部よりも下側のフェース高さH3]
図8において両矢印H3で示されているのは、厚肉部T1よりも下側のフェース高さである。この高さH3は、傾斜厚肉部Tsよりも下側のフェース高さでもある。この高さH3は、厚肉部中央点Ecのトウ−ヒール方向位置において測定される。この高さH3は、上述の平面視において測定される。この高さH3は、上述の上下方向において測定される。
打点が下側である場合の反発性能の観点から、高さH3は、7mm以上が好ましく、9mm以上がより好ましく、11mm以上がより好ましい。フェースの強度の観点から、この高さH3は、19mm以下が好ましく、17mm以下がより好ましく、15mm以下がより好ましい。上述された高さH3の好ましい範囲は、クラブセットに含まれる全てのクラブにおいて充足されているのが好ましい。
[厚肉部よりも上側のフェース高さH4]
図8において両矢印H4で示されているのは、厚肉部T1よりも上側のフェース高さである。この高さH4は、傾斜厚肉部Tsよりも上側のフェース高さでもある。この高さH4は、厚肉部中央点Ecのトウ−ヒール方向位置において測定される。この高さH4は、上述の平面視において測定される。この高さH4は、上述の上下方向に沿って測定される。
[H3/H4]
打点が下側である場合の反発性能を確保する観点から、H3/H4は、1.0より大きいのが好ましく、1.1以上がより好ましく、1.2以上がより好ましい。フェース強度を高める観点から、H3/H4は、1.8以下が好ましく、1.7以下がより好ましく、1.6以下がより好ましい。上述された高さH3/H4の好ましい範囲は、クラブセットに含まれる全てのクラブにおいて充足されているのが好ましい。
[H2−H3]
フェース強度を高める観点から、差(H2−H3)は、2mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、4mm以上がより好ましい。反発性能を高める観点から、差(H2−H3)は、9mm以下が好ましく、8mm以下がより好ましく、7mm以下がより好ましい。上述された差(H2−H3)の好ましい範囲は、クラブセットに含まれる全てのクラブにおいて充足されているのが好ましい。
[厚肉部中央点EcとフェースセンターFcとのトウ−ヒール方向距離]
フェース強度の観点から、厚肉部中央点Ecのトウ−ヒール方向位置は、フェースセンターFcに近いのが好ましい。この観点から、点EcとフェースセンターFcとの間のトウ−ヒール方向距離は、5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましく、3mm以下がより好ましい。この距離はゼロであってもよい。この好ましい距離は、クラブセットに含まれる全てのクラブにおいて充足されているのが好ましい。
[厚肉部の面積比率Ra]
面積比率Raは、フェース面の全体面積に対する、厚肉部T1の面積の比率である。フェース強度の観点から、この面積比率Raは、5%以上が好ましく、7%以上がより好ましい。反発性能の観点から、この面積比率Raは、20%以下が好ましく、18%以下がより好ましい。この面積比率Raは、上述の平面視において算出される。
[傾斜角度θ]
図8において直線L2で示されるのは、傾斜厚肉部Tsの最長横断線である。この最長横断線L2は、上述の平面視において定義される。この最長横断線L2は、厚肉部中央点Ecを通り且つ横断長さが最長となるような直線である。傾斜厚肉部Tsの輪郭線と直線との間に2つの交点pt1、pt2が存在しうる(図8参照)。これら2つの交点pt1、pt2間の距離が、上記横断長さである。上記平面視において、水平方向と直線L2との成す角度が、傾斜角度θであると定義される。水平方向とは、上記トウ−ヒール方向に沿った直線を上記投影平面Psに投影して得られる直線の方向である。
セット2では、傾斜厚肉部Tsの傾斜角度θが、クラブ長さが短くなるにつれて大きくなっている。この構成により、セット全体として、飛距離性能が向上しうる。クラブ長さが短くなるにつれて打点分布が変化する。上述のように傾斜角度θが変化することで、薄肉部の配置が打点分布に適合しやすくなり、飛距離が増大しうる。
ウッド型ヘッドとアイアン型ヘッドの中間的なヘッドが、一般に、ユーティリティ型ヘッドと称されている。ユーティリティ型ヘッドは、ハイブリッド型ヘッドと称されることがある。典型的なユーティリティ型ヘッドは、中空である。一般に、ユーティリティ型ヘッドは、ウッドの利点とアイアンの利点とを兼ね備えている。よってこのヘッドの仕様は、ウッドの仕様とアイアンの仕様との中間とされるのが好ましい。
上述の観点から、ヘッド体積は、下限としては70cm以上、更には80cm以上、更には90cm以上が好ましく、上限としては150cm以下、更には140cm以下、更には130cm以下が好ましい。リアルロフト角は、下限としては15°以上、更には16°以上、更には17°以上が好ましく、上限としては32°以下、更には30°以下、更には28°以下、更には26°以下が好ましい。ヘッド幅HW(図11参照)は、下限としては45mm以上、更には50mm以上、更には55mm以上が好ましく、上限としては120mm以下、更には100mm以下、更には90mm以下、更には80mm以下が好ましい。ヘッド幅HWは、ヘッドの前後方向での最大幅である。ヘッド高さTH(図3参照)は、下限としては30mm以上、更には32mm以上、更には34mm以上が好ましく、上限としては42mm以下、更には40mm以下、更には37mm以下が好ましい。
MI相違率を抑制する観点から、セット内でのヘッド体積の変化量は小さいのが好ましい。セット内でのヘッド体積の変化量は、15cm以下が好ましく、12cm以下がより好ましく、10cm以下がより好ましい。この変化量とは、ヘッド体積の最大値と最小値との差である。
ユーティリティ型ヘッドを有するクラブが、ユーティリティ型クラブと称される。このクラブは、ウッドの利点とアイアンの利点とを兼ね備えている。この観点から、クラブ長さは、下限としては38.5インチ以上、更には39インチ以上が好ましく、上限としては42インチ以下、更には41.5インチ以下、更には41.25インチ以下、更には41インチ以下が好ましい。
なお、クラブ長さは、R&A(Royal and Ancient Golf Club of Saint Andrews;全英ゴルフ協会)が定めるゴルフ規則「付属規則II クラブのデザイン」の「1 クラブ」における「1c 長さ」の記載に基づいて測定される。
[フェースプログレッションFPに基づく効果]
フェースプログレッションFPが略一定とされることにより、シャフト軸線に対するフェース面の前後方向位置が略一定となる。よって、クラブ間において、インパクトタイミングが一致しやすい。このため、クラブ間での打球方向性のバラツキが抑制され、セット全体として、打球の方向安定性が向上しうる。本願では、この効果が、インパクトタイミング効果とも称される。
[MI相違率に基づく効果]
シャフト軸線Z1回りの慣性モーメントMIは、スイング中におけるヘッドの返り(ヘッドのローテーション)に影響する。この慣性モーメントMIが大きく変化すると、ヘッドの返りにバラツキが生じる。このため、クラブ間において、打球方向性のバラツキが生じやすい。MI相違率を抑制することにより、ヘッドの返りにバラツキが生じにくい。よって、セット全体として、打球の方向安定性が向上しうる。
MI相違量に基づく効果は、MI相違率に基づく上記効果と同様である。
[重心深度DGに基づく効果]
通常、ヘッド重心は、シャフト軸線Z1よりも後方に位置する。上記実施形態でも、セット内の全てのクラブで、ヘッド重心はシャフト軸線Z1よりも後方である。インパクトでは、ヘッド重心がシャフト軸線Z1の延長線上となるようなシャフトのしなりが生じやすい。ここでのシャフト軸線Z1とは、しなっていない部分の軸線を意味する。
このしなりは、ヘッド重心に作用する遠心力に基づいて生ずる。図10が示すように、このシャフトのしなりは、ヘッドがスイング方向において先行するようなしなりである。重心深度DGが大きいほど、このしなりが大きくなりやすい。
このしなりは、インパクトタイミングを相違させうる。シャフト軸線基準の重心深度DGが略一定とされることで、上記しなりの量も一定となりやすい。よって、クラブ間において、インパクトタイミングが一致しやすい。重心深度DGが略一定とされることにより、上記インパクトタイミング効果が更に高まる。よって、セット全体として、打球の方向安定性が向上しうる。
上述の通り、インパクトタイミングが相違すると、打球方向性が悪化しやすい。この問題を解決するため、ゴルファーは、クラブ毎にスイングを変更してもよい。しかし、クラブ毎に異なるスイングを行い、各クラブにスイングを適合させることは、難しい。そのようなスイングの変更は、ゴルファーを混乱させうる。特に、ラウンド中のゴルファーには、混乱が生じやすい。メンタル的な混乱が生じると、スイングが乱れやすい。スイングが乱れると、ショットのバラツキが大きくなる。このショットのバラツキは、スコアを悪化させる。上述したインパクトタイミング効果は、メンタル的な安定性及びスイングの安定性にも寄与しうる。
図11は、ヘッド6の平面図である。クラウンc6は、塗装部Paを有する。図11において、塗装部Paはクロスハッチングで示されている。塗装部Paは、クラウンc6の表面の全体ではない。塗装部Paは、クラウンc6の表面の一部である。塗装部Paの最前方点は、トップエッジTeよりも後方に位置する。トップエッジTeとは、クラウンc6の表面とフェース面fsとの境界である。なお、塗装部Paは、有色の塗装が施された部分を意味する。クリア塗装が施された部分は、塗装部Paではない。顔料を含む塗料が、有色の塗装を形成する。
塗装部Paの前端Pa1は、トップエッジTeよりも後方に位置する。前端Pa1は、トップエッジTeに略沿ったラインを形成している。前端Pa1とトップエッジTeとの間を除き、塗装部Paはクラウンc6の全体に設けられている。
平面視(図11)において、前端Pa1は直線部を有する。この直線部は、トウ−ヒール方向に対して略平行である。略平行とは、前端Pa1とトウ−ヒール方向との成す角度が±5度以下であることを意味する。
本実施形態では、フェースプログレッションFPが略一定とされている。この場合、ロフト角が大きいヘッドにおいて、フェースプログレッションFPが小さくされる。この結果、ロフト角が大きいヘッドにおいて、フェース面fsが後方に移動し、トップエッジTeが後方に位置しやすい。このトップエッジTeの位置は、従来のクラブとは相違する。ゴルファーによっては、このトップエッジTeの位置に違和感を覚える。
塗装部Paの最前方点がトップエッジTeよりも後方に位置するため、ゴルファーは、トップエッジTeが比較的前方に位置すると錯覚しやすい。この視覚的効果により、上記違和感が抑制されうる。
図11において両矢印Dtで示されるのは、トップエッジTeと塗装部Paとの最短距離である。この距離Dtは、前後方向に沿って測定される。上記視覚的効果の観点から、距離Dtは、大きすぎても小さすぎても好ましくない。上記視覚的効果の観点から、上記距離Dtは、1mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2mm以上がより好ましい。上記錯覚を得る観点から、上記距離Dtは、5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1(5本のセット)]
上述のセット2と同様のクラブセットが作成された。5つのヘッド6(ヘッド61〜65)が作成された。上述の通り、各ヘッドは、フェース部材6pとヘッド本体6mとを用いて作成された。フェース部材6pの作製では、平板の圧延材が用いられた。フェース部材6pは、圧延材の裏面にCNC加工が施された。次いで、このCNC加工後の材料に、曲げ加工がなされた。CNC加工により、高い精度で、厚み分布が形成された。ヘッド本体6mはロストワックス精密鋳造によって作製された。フェース部材6pとヘッド本体6mとを溶接し、表面研磨を行った。更に、図11に示される塗装が施されて、各ヘッドが得られた。これらのヘッドを、市販のカーボンシャフトの一端部に装着した。これらのシャフトの他端部のそれぞれに、グリップを装着した。クラブ長さは、シャフトの長さによって調整された。このようにして、図2に示されるクラブセットを得た。これは、いわゆるユーティリティ型クラブのセットである。このセットの仕様及び評価結果が、下記の表1に示される。
[比較例1(5本のセット)]
ヘッド本体の金型を変更し、フェースプログレッションFP等を変更した。下記の表2に示される仕様の他は実施例1と同様にして、比較例1のセットを得た。このセットの仕様及び評価結果が、下記の表2に示される。
[実施例2(3本のセット)]
上記実施例1は5本のクラブを有する。少なくとも2本のクラブによりクラブセットが構成されうるので、これら5本のうちの少なくとも2本が、他のセットとして認識されうる。すなわち、上記実施例1は、複数のセットを含む。例えば、上記実施例1は、U4、U5及びU6の3本からなるセットを含む。このセットが実施例2とされた。実施例2の仕様及び評価結果が、下記の表3に示される。
[比較例2(3本のセット)]
上記比較例1は5本のクラブを有する。少なくとも2本のクラブによりクラブセットが構成されうるので、これら5本のうちの少なくとも2本が、他のセットとして認識されうる。すなわち、上記比較例1は、複数のセットを含む。例えば、上記比較例1は、U4、U5及びU6の3本からなるセットを含む。このセットが比較例2とされた。比較例2の仕様及び評価結果が、下記の表4に示される。
[実施例3及び実施例4(5本のセット)]
実施例1のセットを用いて、重心深度DGを変更した。ヘッド内部に粘着性樹脂(バランスジェル)を配置した。この粘着性樹脂は、高温にすると流動性を有し、室温では流動しない。この粘着性樹脂の位置及びヘッド本体の研磨によって、重心深度DGを調整した。上記以外は実施例1と同様にして、実施例3及び4のセットを得た。実施例3の仕様及び評価結果が、下記の表5に示される。実施例4の仕様及び評価結果が、下記の表6に示される。
[比較例3(5本のセット)]
実施例1のセットを用いて、重心深度DGを変更した。実施例3及び4と同様に、粘着性樹脂の位置及びヘッド本体の研磨によって、重心深度DGを調整した。上記以外は実施例1と同様にして、比較例3のセットを得た。比較例3の仕様及び評価結果が、下記の表7に示される。
Figure 0006219108
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[評価]
ハンディキャップが10以上20以下である10名のテスターにより、実打評価がなされた。平坦なフェアウェイで、テストが実施された。フェアウェイの芝生にボールを置き、このボールを各ゴルファーが打撃した。ボールとして、ダンロップスポーツ株式会社製の商品名「XXIO XD−AERO」が用いられた。各ゴルファーが各クラブで5球ずつショットした。以下の2つの項目について、評価がなされた。
[インパクトタイミングの一致性]
上記インパクトタイミング効果について、官能評価がなされた。セット内の全クラブにおけるインパクトタイミングの一致性について、1点から5点までの5段階で評価がなされた。インパクトタイミングが一致していると感じられるほど、高い点数とされた。5名のテスターの平均値が、上記表1から7に示される。
[打球方向のバラツキ]
各ショットについて、ボールの最終到達点の位置が計測された。全ての番手における全てのショットにおいて、左右ズレ距離が計測された。この左右ズレ距離は、目標方向からのズレの距離である。右にずれても左にずれても、この左右ズレ距離はプラスの値とされた。全ての計測値の平均値が、上記表1から7に示されている。
実施例1及び比較例1は、5本のセットである。これらを比較すると、実施例1のほうが評価が高い。実施例2及び比較例2は、3本のセットである。これらを比較すると、実施例2のほうが評価が高い。
実施例1、3及び4の比較では、重心深度DGの効果が示されている。各セットにおいて、重心深度DGの最大値と最小値との差は、実施例1では0.7mmであり、実施例3では1.5mmであり、実施例4では2.5mmである。この重心深度DGの差が小さいほど、評価結果が良好であった。また、実施例1、3及び4では、重心深度DGが略一定であり、比較例3よりも評価結果が良好であった。
このように、実施例は比較例と比べて評価が高い。本発明の優位性は明らかである。
本発明は、ウッド型ヘッド、ユーティリティ型ヘッド、ハイブリッド型ヘッド、アイアン型ヘッドなどに適用されうる。
2・・・ゴルフクラブセット
2a・・・ゴルフクラブセット
4、41〜45・・・ゴルフクラブ
6、61〜65・・・ヘッド
6m・・・ヘッド本体
6p・・・フェース部材
8、81〜85・・・シャフト
10・・・グリップ
s6・・・ソール
f6・・・フェース
c6・・・クラウン
FP・・・フェースプログレッション
Fc・・・フェースセンター
Ec・・・厚肉部中央点
Pa・・・塗装部
Le・・・リーディングエッジ

Claims (5)

  1. クラブ長さが相違する複数のゴルフクラブを備え、
    上記ゴルフクラブのそれぞれが、ヘッドと、シャフトと、グリップとを有しており、
    上記クラブのそれぞれにおいて、上記クラブ長さが38.5インチ(978mm)以上42インチ(1067mm)以下であり、
    フェースプログレッションが略一定であり、
    上記ヘッドのシャフト軸線回りの慣性モーメントがMIとされるとき、隣接クラブ間でのMI相違率が3%以下であり、
    上記ヘッドのそれぞれが、フェースを有しており、
    上記フェースが、厚肉部を有しており、
    上記厚肉部が、厚肉部中央点を有しており、
    上記厚肉部中央点の高さがH2とされるとき、クラブ長さが短くなるにつれて高さH2が大きくされているゴルフクラブセット。
  2. 全ての上記クラブにおいて、ロフト角が17度以上である請求項1に記載のゴルフクラブセット。
  3. 上記MI相違率が2%以下である請求項1又は2に記載のゴルフクラブセット。
  4. 上記ヘッドのそれぞれにおいて、ヘッド体積が70cm以上150cm以下である請求項1から3のいずれかに記載のゴルフクラブセット。
  5. シャフト軸線基準の重心深度が略一定である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフクラブセット。
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