以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
[用語の定義]
本願では、基準垂直面、フェース−バック方向及びトウ−ヒール方向が定義される。シャフト孔の中心軸線Z1が水平面Hに対して垂直な平面P1に含まれ、且つ所定のライ角及びリアルロフト角で水平面H上にヘッド2が載置された状態が、基準状態とされる。上記平面P1が、基準垂直面とされる。所定のライ角及びリアルロフト角は、例えば製品カタログに掲載されている。
[接地平面]
本願において、基準状態における上記水平面Hが、接地平面とも称される。
[トウ−ヒール方向]
本願においてトウ−ヒール方向とは、上記基準垂直面と上記水平面Hとの交線の方向である。
[フェース−バック方向]
本願においてフェース−バック方向とは、上記トウ−ヒール方向に対して垂直であり且つ上記水平面Hに対して平行な方向である。
[トウ−ヒール方向断面]
上記トウ−ヒール方向に対して平行であり且つ上記水平面Hに対して垂直である平面がPthとされる。本願においてトウ−ヒール方向断面とは、基準状態にあるヘッドの、上記平面Pthによる断面である。
[フェース−バック方向断面]
上記フェース−バック方向に対して平行であり且つ上記水平面Hに対して垂直である平面がPfbとされる。本願においてフェース−バック方向断面とは、基準状態にあるヘッドの、上記平面Pfbによる断面である。
[フェースセンターFc]
本願において、フェースセンターFcが定義される。フェース面において、トウ−ヒール方向の最大幅Wxが決定される。更に、この最大幅Wxにおけるトウ−ヒール方向中央位置Pxが決定される。この位置Pxにおいて、フェース面の上下方向中央点Pyが決定される。この点Pyが、フェースセンターFcと定義される。
[ソール高さHs]
上記基準状態のヘッドにおいて、上記水平面Hからの高さが、ソール高さHsである。このソール高さHsは、上記水平面Hに対して垂直な方向Vdに沿って測定される。ソール高さHsは、ソール面の各地点のそれぞれにおいて決定されうる。ソール高さHsが大きい地点ほど、接地しにくい傾向にある。このソール高さHsは、後述の図9に示されている。
[ヘッド底面の平面視]
本願において、ヘッド底面の平面視が定義される。上記基準状態のヘッドにおいて、ヘッド底面が上記水平面Hに投影された投影像が、この平面視である。この投影における投影方向は、水平面Hに対して垂直な方向である。本願において、このヘッド底面の平面視は、単に、平面視とも称される。後述されるヘッド2において、ヘッド底面の平面視は、後述される図3である。
[ヘッド底面の側面視]
本願において、ヘッド底面の側面視が定義される。上記基準状態のヘッドにおいて、ヘッド底面が上記平面Pfbに投影された投影像が、この側面視である。この投影における投影方向は、トウ−ヒール方向である。本願において、このヘッド底面の側面視は、単に、側面視とも称される。
[側面視段差]
上記側面視において、段差形成面(後述)により形成される段差が、側面視段差とも称される。
[フェース高さHF]
上記基準状態のヘッドにおいて、上記垂直方向Vdにおけるフェースの最大高さが、フェース高さHFとされる。このフェース高さHFは、後述の図9に示されている。
[フェース上端高さHX]
上記基準状態のヘッドにおいて、上記接地平面Hからのフェース上端の高さの最大値が、フェース最大高さHXである。このフェース最大高さHXは、上記水平面Hに対して垂直な方向Vdに沿って測定される。このフェース最大高さHXは、後述の図9に示されている。
[ヘッド幅HW]
ヘッドのフェース−バック方向における最大幅が、ヘッド幅HWとされる。このヘッド幅HWは、後述の図2に示されている。
[慣性モーメントMI]
この慣性モーメントMIは、軸線ZH回りのヘッドの慣性モーメントである。本願において、この慣性モーメントは、上下慣性モーメントとも称される。上記基準状態において、この軸線ZHは、上記水平面Hに平行であり、ヘッド重心を通り、且つ、トウ−ヒール方向に平行である(後述の図9参照)。本願では、この軸線ZHが、ヘッド重心を通る水平軸線とも称される。この上下慣性モーメントMIは、例えば、INERTIA DYNAMICS INC.社製の商品名「MOMENT OF INERTIA MEASURING INSTRUMENT MODEL NO.005−002」により測定することができる。
[ヘッド厚さTH]
上記基準状態のヘッドにおいて、上記垂直方向Vdにおけるヘッドの最大厚みが、ヘッド厚さTHとされる。このヘッド厚さTHは、後述の図9に示されている。
[スイートスポット高さSH]
上記基準状態のヘッドにおいて、上記水平面HからのスイートスポットSSの高さが、スイートスポット高さSHである。このスイートスポット高さSHは、上記垂直方向Vdに沿って測定される。なお、スイートスポットSSは、ヘッド重心からフェース面に下ろした垂線とフェース面との交点である。このスイートスポット高さSHは、後述の図9に示されている。
図1は、本発明の第1実施形態に係るゴルフクラブヘッド2の斜視図である。図2は、ヘッド2の平面図である。図3は、ヘッド2の底面図である。図4は、ヘッド2をヒール側から見た斜視図である。図5は、ヘッド2をトウ側から見た斜視図である。図6は、ヘッド2をバック側から見た図である。
ヘッド2は、フェース4、クラウン6、ソール8及びホーゼル10を有する。フェース4は、フェース面f4を有する。フェース面f4は打球面である。ソール8は、ソール面f8を有する。ソール面f8は、ソールの外面である。ヘッド2は中空である。ヘッド2は、いわゆるウッド型のゴルフクラブヘッドである。
ヘッド2は、複数の部材が接合されることにより製造されている。この接合は溶接である。図1には、接合部の境界線k1が示されている。この境界線k1についての詳細は、後述される。
ホーゼル10は、シャフトを装着するためのシャフト孔12を有する(図1参照)。シャフト(図示されず)は、シャフト孔12に挿入される。シャフト孔12は、中心軸線Z1(図示されず)を有する。この中心軸線Z1は、ヘッド2を備えたゴルフクラブのシャフト軸線に一致する。
ソール面f8は、第1ソール領域R1を有している。上記基準状態において、第1ソール領域R1は、上記水平面Hに接している。上記基準状態において、上記水平面Hに接しているのは、第1ソール領域R1のみである。
第1ソール領域R1は、ソール面f8の略中央に位置している。第1ソール領域R1は、平面視におけるヘッド輪郭線の図心を含んでいる。第1ソール領域R1は、上記図心を中心とする半径15mmの円の全てを含んでいる。
図示は省略されているが、第1ソール領域R1には、部分的な凹みが設けられている。これらの凹みは、文字、マークなどを示す。典型的には、この文字は商品名、ブランド名、ロフト角、番手等を示す。これらの部分的な凹みを除き、第1ソール領域R1は、その全体が、滑らかに連続している。第1ソール領域R1において、滑らかな連続部分は、曲面である。この曲面は、トウ−ヒール方向に凸状の丸みを有している(図6参照)。この曲面は、フェース−バック方向に凸状の丸みを有している(図4及び図5参照)。この曲面は、三次元的な凸曲面である。接地抵抗を低減する観点から、上記部分的な凹みの幅は、8mm以下が好ましい。上記部分的な凹みは、後述されるエッジラインEg1、Eg2、Eg3及びEg4の内側に位置している。
図3が示すように、第1ソール領域R1の外縁は、第1エッジラインEg1、第2エッジラインEg2、第3エッジラインEg3及び第4エッジラインEg4を有している。
第1エッジラインEg1は、トウ側に向かうにつれてフェース面f4に近づくように傾斜している。平面視において、第1エッジラインEg1は曲線である。この曲線は、バック側に向かって凸となるように曲がっている。
第2エッジラインEg2は、ヒール側に向かうにつれてフェース面f4に近づくように傾斜している。平面視において、第2エッジラインEg2は曲線である。この曲線は、バック側に向かって凸となるように曲がっている。
第3エッジラインEg3は、ヒール側に向かうにつれてフェース面f4に近づくように傾斜している。平面視において、第3エッジラインEg3は曲線である。この曲線は、トウ側に向かって凸となるように曲がっている。
第4エッジラインEg4は、トウ側に向かうにつれてフェース面f4に近づくように傾斜している。平面視において、第4エッジラインEg4は曲線である。この曲線は、ヒール側に向かって凸となるように曲がっている。
エッジラインEg1、Eg2、Eg3及びEg4は、稜線である。これらエッジラインEg1、Eg2、Eg3及びEg4は繋がっており、この繋がりにより、1本のエッジラインが形成されている。この1本のエッジラインの両端点は、点D及び点Eである。これらエッジラインEg1、Eg2、Eg3及びEg4は第1ソール領域R1のエッジを形成しているが、好ましくは、このエッジは丸みを有している。この丸みの曲率半径は、エッジラインとしての稜線を視認できる程度に小さい。この丸みにおいて、曲率半径が最小である点が、エッジラインEg1、Eg2、Eg3及びEg4である。この丸みは、接地抵抗を低減しうる。この曲率半径は、フェース−バック方向断面において判断される。なお、このエッジの丸みにおいて、曲率半径が最小である部分(曲率半径最小部分)が点ではなく幅を有している場合、この曲率半径最小部分のフェース−バック方向断面は曲線となる。この場合、この曲線の中点が、エッジラインEg1、Eg2、Eg3及びEg4とされる。
第1エッジラインEg1の中点は、フェースセンターFcよりもトウ側に位置する。第2エッジラインEg2の中点は、フェースセンターFcよりもヒール側に位置する。第3エッジラインEg3の中点は、フェースセンターFcよりもトウ側に位置する。第3エッジラインEg3の全体が、フェースセンターFcよりもトウ側に位置する。第4エッジラインEg4の中点は、フェースセンターFcよりもヒール側に位置する。第4エッジラインEg4の全体が、フェースセンターFcよりもヒール側に位置する。
上記第1エッジラインEg1のバック側の端と、上記第2エッジラインEg2のバック側の端とが、接続点Aを介して繋がっている。
上記第1エッジラインEg1のフェース側の端と、上記第3エッジラインEg3のバック側の端とが、接続点Bを介して繋がっている。
上記第2エッジラインEg2のフェース側の端と、上記第4エッジラインEg4のバック側の端とが、接続点Cを介して繋がっている。
図3において符号Dで示されるのは、第3エッジラインのフェース側の端点である。第3エッジラインEg3の両端は、点B及び点Dである。
点Dは、リーディングエッジLeよりもバック側に位置している。点DがリーディングエッジLe上に位置していてもよい。
図3において符号Eで示されるのは、第4エッジラインのフェース側の端点である。第4エッジラインEg4の両端は、点C及び点Eである。
点Eは、リーディングエッジLeよりもバック側に位置している。点EがリーディングエッジLe上に位置していてもよい。
上記第1エッジラインEg1のバック側の端と、上記第2エッジラインEg2のバック側の端とが、他のエッジラインEg12(図示されず)によって繋がっていてもよい。この場合、このラインEg12の中点が、接続点Aとされる。ラインEg12として、トウ−ヒール方向に対して平行なエッジラインが例示される。
上記第1エッジラインEg1のフェース側の端と、上記第3エッジラインEg3のバック側の端とが、他のエッジラインEg13(図示されず)によって繋がっていてもよい。この場合、このラインEg13の中点が、接続点Bとされる。ラインEg13として、フェース−バック方向に対して平行なエッジラインが例示される。
上記第2エッジラインEg2のフェース側の端と、上記第4エッジラインEg4のバック側の端とが、他のエッジラインEg24(図示されず)によって繋がっていてもよい。この場合、このラインEg24の中点が、接続点Cとされる。ラインEg24として、フェース−バック方向に対して平行なエッジラインが例示される。
接続点Aは、トウ−ヒール方向中央範囲に位置している。トウ−ヒール方向中央範囲とは、フェースセンターFcからトウ側に10mmの位置から、フェースセンターFcからヒール側に10mmの位置までを意味する。
接続点Aは、平面視におけるヘッド輪郭線の図心よりもバック側に位置する。接続点Aは、上記基準状態における水平面Hとの接地点(又は接地部分)よりもバック側に位置する。
接続点Bは、フェースセンターFcよりもトウ側に位置している。接続点Cは、フェースセンターFcよりもヒール側に位置している。
接続点Bと接続点Cとを通る断面において、第1ソール領域R1の外面は凸状の曲がりを有している。この凸状の曲がりにより、つま先上がり及びつま先下がりのライに対して、適応性が向上している。このヘッド2では、つま先上がりのライ及びつま先下がりのライのいずれにおいても、アドレスしやすい。上記基準状態のヘッド2において、点Bと点Cとを通る断面は、上記水平面Hに対して垂直である。
接続点AとフェースセンターFcとを通る断面において、第1ソール領域R1の外面は凸状の曲がりを有している。この凸状の曲がりにより、左足上がり及び左足下がりのライに対して、適応性が向上している。このヘッド2では、左足上がりのライ及び左足下がりのライのいずれにおいても、アドレスしやすい。上記基準状態のヘッド2において、点AとフェースセンターFcとを通る断面は、上記水平面Hに対して垂直である。
第1ソール領域R1のバック側には、ソール後部Bcが設けられている。本実施形態では、このソール後部Bcには、段差等の凹凸が付与されている。
エッジラインEg1のバック側には、斜面Sp1が設けられている(図5等参照)。この斜面Sp1により、第1ソール領域R1とソール後部Bcとの段差が拡大されている。エッジラインEg2のバック側には、斜面Sp2が設けられている(図4等参照)。この斜面Sp2により、第1ソール領域R1とソール後部Bcとの段差が拡大されている。
なお、本実施形態において、ソール後部Bcは、ソール面f8のうち、斜面Sp1及び斜面Sp2のバック側の部分である。
第1ソール領域R1とソール後部Bcとの段差の効果を説明するため、インパクトについての説明がなされる。インパクトとは、ボールとフェース面f4とが接触している状態を意味する。インパクトの時間は短いが、インパクトには一定の時間を要する。ボールとフェース面f4との接触の開始により、インパクトがスタートする。インパクトの間に、ボールが潰れるように変形し、更にこの変形が回復する。その後、ボールがフェース面f4から離れ、インパクトが終了する。
インパクトの初期段階では、ソール面f8のフェース寄りの部分が接地しやすい。一方、インパクトの最終段階では、ソール面f8のバック寄りの部分が接地しやすい。スイングの進行に伴い、インパクトの間において、ヘッド2の姿勢は、バック側が下がるように変化していく。この姿勢の変化により、インパクトの最終段階では、ヘッド2のバック側が強く接地されやすい。第1ソール領域R1とソール後部Bcとの段差により、インパクトの最終段階における接地抵抗が抑制される。換言すれば、上記側面視段差により、インパクトの最終段階における接地抵抗が抑制される。よって、ソールの抜けが良好となる。
フェース−バック方向断面において、第1ソール領域R1におけるソール高さHsの最大値がR1xとされ、ソール後部Bcにおけるソール高さHsの最小値がBcnとされる。ソールの抜けの観点から、点Bから点Cまでのあらゆるトウ−ヒール方向において、差(Bcn−R1x)は、0を超えるのが好ましく、2mm以上がより好ましく、3mm以上がより好ましい。ヘッド重心を下げる観点から、点Bから点Cまでのあらゆるトウ−ヒール方向において、差(Bcn−R1x)は、10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましく、8mm以下がより好ましい。
フェース−バック方向断面において、斜面Sp1により形成される段差がDs1(図示されず)とされる。ソールの抜けを良くする観点から、段差Ds1は、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上がより好ましい。ヘッド重心を下げる観点から、段差Ds1は、10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましく、8mm以下がより好ましい。
斜面Sp1の始点におけるソール高さHsがHf1とされ、斜面Sp1の終点におけるソール高さHsがHb1とされるとき、上記段差Ds1は、差(Hb1−Hf1)である。斜面Sp1の始点とは、ラインEg1上の点である。斜面Sp1の終点は、谷線tg1上の点である。この段差Ds1は、あらゆるトウ−ヒール方向位置において測定されうる。
ソールの抜けとソール寸法の制約とのバランスを考慮すると、平面視における斜面Sp1の幅は、2mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、10mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましい。この斜面Sp1の幅は、フェース−バック方向に沿って測定される。
フェース−バック方向断面において、斜面Sp2により形成される段差がDs2(図示されず)とされる。ソールの抜けを良くする観点から、段差Ds2は、2mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、4mm以上がより好ましい。ヘッド重心を下げる観点から、段差Ds2は、10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましく、8mm以下がより好ましい。
斜面Sp2の始点におけるソール高さHsがHf2とされ、斜面Sp2の終点におけるソール高さHsがHb2とされるとき、上記段差Ds2は、差(Hb2−Hf2)である。斜面Sp2の始点とは、ラインEg2上の点である。斜面Sp2の終点は、谷線tg2上の点である。この段差Ds2は、あらゆるトウ−ヒール方向位置において測定されうる。
段差Ds1の最小値は、段差Ds2の最大値よりも大きい。一般に、アベレージゴルファーは、インサイドアウトの軌道よりも、アウトサイドインの軌道で打球する傾向が強いことが知られている。アウトサイドインの軌道では、接地面が段差Ds1を通過しやすい(後述の図10参照)。段差Ds1が比較的大きくされることにより、アウトサイドインの軌道において、インパクトの最終段階でのソール面f8のバック寄りの部分の接地が抑制される。よって、ソールの抜けが良好となる。一方、段差Ds2が比較的小さくされることで、ヘッド重心が過度に高くなることが防止される。なお、段差Ds2が存在しているため、インサイドアウトの軌道においても、ソールの抜けが良好となる効果は確保されている。
ソールの抜けとソール寸法の制約とのバランスを考慮すると、平面視における斜面Sp2の幅は、2mm以上が好ましく、10mm以下が好ましい。この斜面Sp2の幅は、フェース−バック方向に沿って測定される。
第3エッジラインEg3のトウ側には、ソールトウ部Btが設けられている(図3及び図5参照)。このソールトウ部Btは、ソール後部Bcと共に、ソール高さHsが比較的大きな部分を形成している。ソール高さHsが大きいため、このソールトウ部Btは接地しにくい。ソールトウ部Btは、ヒール側に向かうにつれてフェース面f4に近づくように傾斜して延びている。ソールトウ部Btのフェース−バック方向幅は、フェース側に向かうにつれて小さくなっており、最もフェース側の位置ではゼロである。ソールトウ部Btのトウ−ヒール方向幅は、フェース側に向かうにつれて小さくなっており、最もフェース側の位置ではゼロである。図3が示すように、平面視において、ソールトウ部Btは尖った形状を呈している。
エッジラインEg3のトウ側には、斜面Sp3が設けられている。斜面Sp3は、第1ソール領域R1とソールトウ部Btとの間に位置する。この斜面Sp3により、ソールトウ部Btは接地しにくい。トウ−ヒール方向断面において、斜面Sp3により形成される段差がDs3(図示されず)とされる。ソールの抜けを良くする観点から、段差Ds3は、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上がより好ましい。ヘッド重心を下げる観点から、段差Ds3は、10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましく、8mm以下がより好ましい。
斜面Sp3の始点におけるソール高さHsがHf3とされ、斜面Sp3の終点におけるソール高さHsがHb3とされるとき、上記段差Ds3は、差(Hb3−Hf3)である。斜面Sp3の始点とは、ラインEg3上の点である。斜面Sp3の終点は、谷線tg3上の点である。この段差Ds3は、あらゆるフェース−バック方向位置において測定されうる。
第4エッジラインEg4のヒール側には、ソールヒール部Bhが設けられている(図3及び図4参照)。このソールヒール部Bhは、ソール後部Bcと共に、ソール高さHsが比較的大きな部分を形成している。ソール高さHsが大きいため、このソールヒール部Bhは接地しにくい。ソールヒール部Bhは、トウ側に向かうにつれてフェース面f4に近づくように傾斜して延びている。ソールヒール部Bhのフェース−バック方向幅は、フェース側に向かうにつれて小さくなっており、最もフェース側の位置ではゼロである。ソールヒール部Bhのトウ−ヒール方向幅は、フェース側に向かうにつれて小さくなっており、最もフェース側の位置ではゼロである。図3が示すように、平面視において、ソールヒール部Bhは尖った形状を呈している。
エッジラインEg4のヒール側には、斜面Sp4が設けられている。斜面Sp4は、第1ソール領域R1とソールヒール部Bhとの間に位置する。この斜面Sp4により、ソールヒール部Bhは接地しにくい。トウ−ヒール方向断面において、斜面Sp4により形成される段差がDs4(図示されず)とされる。ソールの抜けを良くする観点から、段差Ds4は、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上がより好ましい。ヘッド重心を下げる観点から、段差Ds4は、10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましく、8mm以下がより好ましい。
斜面Sp4の始点におけるソール高さHsがHf4とされ、斜面Sp4の終点におけるソール高さHsがHb4とされるとき、上記段差Ds4は、差(Hb4−Hf4)である。斜面Sp4の始点とは、ラインEg4上の点である。斜面Sp4の終点は、谷線tg4上の点である。この段差Ds4は、あらゆるフェース−バック方向位置において測定されうる。
図7は、ソール面f8における各領域が、異なるハッチングによって区分けされた図である。図7に示される直線Lfは、点Dと点Eとを結ぶ線分である。この直線Lfは、平面視において画定される。第1ソール領域R1は、点Dから点B、A及びCを経由して点Eに至るエッジラインと線分Lfとによって囲まれた部分である。
なお、図面の見やすさを考慮して、図7では、ソール後部Bcに設けられた凹凸の記載が省略されている。
ソール面f8は、第1ソール領域R1に加えて、第2ソール領域R2と、第3ソール領域R3とを有する。更に、ソール面f8は、前方ソール領域R4を有する。
第2ソール領域R2は、上記端点Dよりもトウ側に位置する。第2ソール領域R2は、上記端点Dよりもフェース側に位置する。
第3ソール領域R3は、上記端点Eよりもヒール側に位置する。第3ソール領域R3は、上記端点Eよりもフェース側に位置する。
ソール面f8は、上記端点Dからトウ側に延びる第5エッジラインEg5を有している。ソール面f8は、上記端点Eからヒール側に延びる第6エッジラインEg6を有している。
第2ソール領域R2は、リーディングエッジLeと第5エッジラインEg5との間に位置している。第3ソール領域R3は、リーディングエッジLeと第6エッジラインEg6との間に位置している。
第2ソール領域R2は、リーディングエッジLeからバック側に向かって滑らかに連続している。リーディングエッジLeと第5エッジラインEg5との間を滑らかに繋ぐ連続面が形成されており、第2ソール領域R2はこの連続面の一部である。
第3ソール領域R3は、リーディングエッジLeからバック側に向かって滑らかに連続している。リーディングエッジLeと第6エッジラインEg6との間を滑らかに繋ぐ連続面が形成されており、第3ソール領域R3はこの連続面の一部である。
前方ソール領域R4は、第1ソール領域R1と滑らかに繋がっている。前方ソール領域R4は、リーディングエッジLeと第1ソール領域R1との間を滑らかに繋ぐ連続面を形成している。
前方ソール領域R4は、第2ソール領域R2と第3ソール領域R3との間を滑らかに繋ぐ連続面を形成している。
なお前方ソール領域R4は設けられなくても良い。この場合、第1ソール領域R1が、リーディングエッジLeからバック側に滑らかに延びる連続面を形成しているのが好ましい。
図9は、ヘッド2の正面図である。図9は、上述した基準状態を示している。上述の通り、本願では、ソール高さHsが定義される。ソール高さHsは、ソール面f8のあらゆる点において決定されうる。
ソール面f8において、第1ソール領域R1のソール高さHsは比較的小さい。よって第1ソール領域R1は、接地しやすい。第1ソール領域R1が比較的接地しやすいため、エッジラインEg1からEg4の効果が発揮されやすい。この観点から、第1ソール領域R1のソール高さHsは所定の範囲内に抑制されるのが好ましい。具体的には、次の通りである。フェース−バック方向断面において、リーディングエッジLeのソール高さHsがHLeとされ、第1ソール領域R1におけるソール高さHsの最大値がHm1とされる。好ましくは、あらゆるトウ−ヒール方向位置において、差(HLe−Hm1)の絶対値は、8mm以下とされるのが好ましく、5mm以下とされるのがより好ましい。この絶対値は、0mm以上である。
ソール面f8において、第2ソール領域R2は、リーディングエッジLeから滑らかにバック側に延びる連続面を形成している。よって、インパクトの初期段階において、リーディングエッジLeが地面に刺さりにくくなり、接地抵抗が低減されうる。また、第2ソール領域R2とリーディングエッジLeとの段差は少ない。この第2ソール領域R2の存在により、トウ側におけるフェース面f4の高さが大きくされうる。よって、フェース面f4の撓みが増加し、反発係数が増大しうる。また、高反発エリアがトウ側に拡大され、打点のズレに起因する飛距離の低下が抑制される。これらの観点から、第2ソール領域R2のソール高さHsは所定の範囲内に抑制されるのが好ましい。具体的には、次の通りである。フェース−バック方向断面において、リーディングエッジLeのソール高さHsがHLeとされ、第2ソール領域R2におけるソール高さHsの最大値がHm2とされる。好ましくは、あらゆるトウ−ヒール方向位置において、差(HLe−Hm2)の絶対値は、8mm以下とされるのが好ましく、5mm以下とされるのがより好ましい。この絶対値は、0mm以上である。
ソール面f8において、第3ソール領域R3は、リーディングエッジLeから滑らかにバック側に延びる連続面を形成している。よって、接地の初期段階において、リーディングエッジLeが地面に刺さりにくくなり、接地抵抗が低減されうる。また、第3ソール領域R3とリーディングエッジLeとの段差は少ない。この第3ソール領域R3の存在により、ヒール側におけるフェース面f4の高さが大きくされうる。よって、フェース面f4の撓みが増加し、反発係数が増大しうる。また、高反発エリアがヒール側に拡大され、打点のズレに起因する飛距離の低下が抑制される。これらの観点から、第3ソール領域R3のソール高さHsは所定の範囲内に抑制されるのが好ましい。具体的には、次の通りである。フェース−バック方向断面において、リーディングエッジLeのソール高さHsがHLeとされ、第3ソール領域R3におけるソール高さHsの最大値がHm3とされる。好ましくは、あらゆるトウ−ヒール方向位置において、差(HLe−Hm3)の絶対値は、8mm以下とされるのが好ましく、5mm以下とされるのがより好ましい。この絶対値は、0mm以上である。
ソール面f8において、前方ソール領域R4は、リーディングエッジLeから滑らかにバック側に延びる連続面を形成している。よって、接地の初期段階において、リーディングエッジLeが地面に刺さりにくくなり、接地抵抗が低減されうる。また、前方ソール領域R4とリーディングエッジLeとの段差は少ない。この前方ソール領域R4の存在により、トウ−ヒール方向中央部におけるフェース面f4の高さが大きくされうる。よって、フェース面f4の撓みが増加し、反発係数が増大しうる。これらの観点から、前方ソール領域R4のソール高さHsは所定の範囲内に抑制されるのが好ましい。具体的には、次の通りである。フェース−バック方向断面において、リーディングエッジLeのソール高さHsがHLeとされ、前方ソール領域R4におけるソール高さHsの最大値がHm4とされる。好ましくは、あらゆるトウ−ヒール方向位置において、差(HLe−Hm4)の絶対値は、8mm以下とされるのが好ましく、5mm以下とされるのがより好ましい。この絶対値は、0mm以上である。
第2ソール領域R2、前方ソール領域R4及び第3ソール領域R3は、リーディングエッジLeに沿って延在している。これら3つの領域R2、R3及びR4は、滑らかな連続面を形成している。この連続面により、接地の初期段階において、リーディングエッジLeが地面に刺さりにくくなり、接地抵抗が低減されうる。
前方ソール領域R4及び第1ソール領域R1は、滑らかな連続面を形成している。この連続面により、地面(芝生)をソール面f8が滑りやすくなり、接地抵抗が抑制されうる。また、前方ソール領域R4の存在により、第1ソール領域R1への接地が円滑になされる。よって、第1ソール領域R1の効果が一層高まる。
[第1ソール領域R1の効果]
ラインEg1からEg4及び直線Lfにより、第1ソール領域R1は、略五角形とされている。これらの各ラインEg1からEg4の配向により、リーディングエッジLeから点Aまでのフェース−バック方向距離が長くされている。また、点AとフェースセンターFcとを通る断面において、第1ソール領域R1の外面が凸状の曲がりを有している。よって、フェース−バック方向におけるライの変化への適応性が高い。
上記略五角形の形状により、点Bと点Cとの距離が増大されている。また、点Bと点Cとを通る断面において、第1ソール領域R1の外面が凸状の曲がりを有している。よって、凸状の曲がりにより、トウ−ヒール方向におけるライの変化への適応性が高い。
スイング軌道として、ストレートの他、インサイドアウト及びアウトサイドインが知られている。スイング軌道は、ゴルファーによって相違する。またスイング軌道は、ライ(地面の傾斜等)によっても変化しうる。このライとして、左足下がり、左足上がり、つま先下がり及びつま先上がりが挙げられる。
図10は、スイング軌道と接地エリアとの関係を示す底面図である。スイング軌道がインサイドアウトの場合、トウ側且つフェース側の領域から、ヒール側且つバック側の領域にかけて、接地が起こりやすい(図10の一点鎖線の矢印参照)。一方、スイング軌道がアウトサイドインの場合、ヒール側且つフェース側の領域から、トウ側且つバック側の領域にかけて、接地が起こりやすい(図10の実線の矢印参照)。
[第1エッジラインEg1の傾斜効果a]
スイング軌道がアウトサイドインの場合、第1エッジラインEg1が上述のように傾斜していることで、インパクトの最終段階において第1ソール領域R1が接地しにくい。よって、ソールの抜けが良い。
[第1エッジラインEg1の傾斜効果b]
また、スイング軌道がインサイドアウトの場合、エッジラインEg1が上述のように傾斜していることで、軌道直交方向における第1ソール領域R1の幅が狭くなる(図10参照)。よって接地抵抗が低減されうる。軌道直交方向とは、スイング軌道に対して直角の方向を意味する。
[第2エッジラインEg2の傾斜効果c]
スイング軌道がインサイドアウトの場合、エッジラインEg2が上述のように傾斜していることで、インパクトの最終段階において第2ソール領域R2が接地しにくい。よって、ソールの抜けが良い。
[第2エッジラインEg2の傾斜効果d]
また、スイング軌道がアウトサイドインの場合、エッジラインEg2が上述のように傾斜していることで、軌道直交方向における第1ソール領域R1の幅が狭くなる(図10参照)。よって接地抵抗が低減されうる。
[第3エッジラインEg3の傾斜効果e]
スイング軌道がアウトサイドインの場合、エッジラインEg3が上述のように傾斜していることで、軌道直交方向における第1ソール領域R1の幅が狭くなる(図10参照)。よって接地抵抗が低減されうる。この傾斜効果eは、エッジラインEg2の上記傾斜効果dとの相乗により更に高まる。
ダフリを防止する観点から、つま先下がりのライでは、アウトサイドインのスイング軌道が好ましい。よってこの場合、上記傾斜効果d及び傾斜効果eが一層効果的に発揮される。
[第4エッジラインEg4の傾斜効果f]
スイング軌道がインサイドアウトの場合、エッジラインEg4が上述のように傾斜していることで、軌道直交方向における第1ソール領域R1の幅が狭くなる(図10参照)。よって接地抵抗が低減されうる。この傾斜効果fは、エッジラインEg1の上記傾斜効果bとの相乗により更に高まる。
ダフリを防止する観点から、つま先上がりのライでは、インサイドアウトのスイング軌道が好ましい。よってこの場合、上記傾斜効果b及び傾斜効果fが一層効果的に発揮される。
以上説明された通り、第1ソール領域R1の上記形状により、アドレス時のおけるライの変化への適応性が高く、且つ、スイング軌道の変化への適応性が高い。よって、スイングが容易である。このヘッド2は、ゴルフ場における様々な状況に適応でき、スコアの改善に有効である。
ゴルフ場において、つま先上がりのライ及びつま先下がりのライが存在する場所は、通常、ラフである。本実施形態のクラブは、ラフからのショットにおいて特に有効である。また、接地抵抗の低減効果は、芝の抵抗が強いラフにおいて特に発揮される。この点からも、本実施形態のクラブは、ラフからのショットにおいて特に有効である。
[エッジラインEg1からEg4の傾斜角度]
図8において両矢印θ1で示されるのは、点Aと点Bとを結ぶ直線の傾斜角度である。この角度θ1は、フェース−バック方向に対する角度である。この角度θ1は、平面視において測定される。通常起こりうるスイング軌道を考慮すると、角度θ1は、下限としては20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がより好ましい。角度θ1は、上限としては80°以下が好ましく、70°以下がより好ましく、60°以下がより好ましい。
図8において両矢印θ2で示されるのは、点Aと点Cとを結ぶ直線の傾斜角度である。この角度θ2は、フェース−バック方向に対する角度である。この角度θ2は、平面視において測定される。通常起こりうるスイング軌道を考慮すると、角度θ2は、下限としては20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がより好ましい。角度θ2は、上限としては80°以下が好ましく、70°以下がより好ましく、60°以下がより好ましい。
図8において両矢印θ3で示されるのは、点Bと点Dとを結ぶ直線の傾斜角度である。この角度θ3は、フェース−バック方向に対する角度である。この角度θ3は、平面視において測定される。通常起こりうるスイング軌道を考慮すると、角度θ3は、下限としては5°以上が好ましく、10°以上がより好ましく、20°以上がより好ましい。角度θ3は、上限としては60°以下が好ましく、50°以下がより好ましく、40°以下がより好ましい。
図8において両矢印θ4で示されるのは、点Cと点Eとを結ぶ直線の傾斜角度である。この角度θ4は、フェース−バック方向に対する角度である。この角度θ4は、平面視において測定される。通常起こりうるスイング軌道を考慮すると、角度θ4は、下限としては2°以上が好ましく、5°以上がより好ましく、10°以上がより好ましい。角度θ4は、上限としては50°以下が好ましく、40°以下がより好ましく、30°以下がより好ましい。
本願では、第1エッジラインEg1の傾斜角度θg1が決定されうる。この角度θg1は、フェース−バック方向に対する角度である。この角度θg1は、平面視における角度である。この角度θg1は、ラインEg1の中点において定まる。ラインEg1が曲線である場合、角度θg1は、ラインEg1の中点における接線の角度である(図8参照)。この中点は、第1エッジラインEg1の長さLg1(後述)に基づいて決定される。通常起こりうるスイング軌道を考慮すると、角度θg1は、下限としては20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がより好ましい。角度θg1は、上限としては80°以下が好ましく、70°以下がより好ましく、60°以下がより好ましい。
図示しないが、本願では、第2エッジラインEg2の傾斜角度θg2が決定されうる。この角度θg2は、フェース−バック方向に対する角度である。この角度θg2は、平面視における角度である。この角度θg2は、ラインEg2の中点において定まる。ラインEg2が曲線である場合、角度θg2は、ラインEg2の中点における接線の角度である。この中点は、第2エッジラインEg2の長さLg2(後述)に基づいて決定される。通常起こりうるスイング軌道を考慮すると、角度θg2は、下限としては20°以上が好ましく、30°以上がより好ましく、40°以上がより好ましい。角度θg2は、上限としては80°以下が好ましく、70°以下がより好ましく、60°以下がより好ましい。
図示しないが、本願では、第3エッジラインEg3の傾斜角度θg3が決定されうる。この角度θg3は、フェース−バック方向に対する角度である。この角度θg3は、平面視における角度である。この角度θg3は、ラインEg3の中点において定まる。ラインEg3が曲線である場合、角度θg3は、ラインEg3の中点における接線の角度である。この中点は、第3エッジラインEg3の長さLg3(後述)に基づいて決定される。通常起こりうるスイング軌道を考慮すると、角度θg3は、下限としては5°以上が好ましく、10°以上がより好ましく、20°以上がより好ましい。角度θg3は、上限としては60°以下が好ましく、50°以下がより好ましく、40°以下がより好ましい。
図示しないが、本願では、第4エッジラインEg4の傾斜角度θg4が決定されうる。この角度θg4は、フェース−バック方向に対する角度である。この角度θg4は、平面視における角度である。この角度θg4は、ラインEg4の中点において定まる。ラインEg4が曲線である場合、角度θg4は、ラインEg4の中点における接線の角度である。この中点は、第4エッジラインEg4の長さLg4(後述)に基づいて決定される。通常起こりうるスイング軌道を考慮すると、角度θg4は、下限としては2°以上が好ましく、5°以上がより好ましく、10°以上がより好ましい。角度θg4は、上限としては50°以下が好ましく、40°以下がより好ましく、30°以下がより好ましい。
図2及び図8において両矢印HWで示されるのは、上述したヘッド幅である。図8において両矢印DAで示されるのは、ヘッドの最前方点と接続点Aとのフェース−バック方向距離である。アドレス時の接地面積を増大させ、フェース−バック方向におけるライの変化に対する適応性を高める観点から、比(DA/HW)は、0.3以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、0.5以上がより好ましい。インパクトの最終段階における接地を抑制し、抜けを良くする観点から、比(DA/HW)は、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下がより好ましい。
[エッジラインEg1からEg4の長さ]
ソール面f8の面積には制約がある。よって、4つのエッジラインEg1からEg4の長さにも制約がある。一方、各エッジラインEg1からEg4の効果を高める観点からは、エッジラインEg1からEg4の長さは大きいほうがよい。なお、これらラインEg1からEg4の長さは、当該ラインに沿った長さである。よってラインが曲線であれば、その曲線に沿って長さが測定される。
上述の観点から、第1エッジラインEg1の長さLg1は、30mm以上が好ましく、35mm以上がより好ましく、40mm以上がより好ましい。上述の観点から、第1エッジラインEg1の長さLg1は、70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましく、50mm以下がより好ましい。
上述の観点から、第2エッジラインEg2の長さLg2は、30mm以上が好ましく、35mm以上がより好ましく、40mm以上がより好ましい。上述の観点から、第2エッジラインEg2の長さLg2は、70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましく、50mm以下がより好ましい。
上述の観点から、第3エッジラインEg3の長さLg3は、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上がより好ましい。上述の観点から、第3エッジラインEg3の長さLg3は、50mm以下が好ましく、40mm以下がより好ましく、30mm以下がより好ましい。
上述の観点から、第4エッジラインEg4の長さLg4は、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上がより好ましい。上述の観点から、第4エッジラインEg4の長さLg4は、50mm以下が好ましく、40mm以下がより好ましく、30mm以下がより好ましい。
様々なライへの適応性、及び、様々なスイング軌道への適応性を考慮すると、長さLg1と長さLg2とは同程度であるのが好ましい。具体的には、比(Lg1/Lg2)は、0.8以上が好ましく、1.2以下が好ましい。
様々なライへの適応性、及び、様々なスイング軌道への適応性を考慮すると、長さLg3と長さLg4とは同程度であるのが好ましい。具体的には、比(Lg3/Lg4)は、0.8以上が好ましく、1.2以下が好ましい。
インパクトの最終段階におけるヘッドの抜けを考慮すると、Lg1はLg3より長いのが好ましく、更には、比(Lg1/Lg3)は、1.5以上が好ましく、2以上がより好ましい。Lg3が過小となることを防止する観点から、比(Lg1/Lg3)は、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
インパクトの最終段階におけるヘッドの抜けを考慮すると、Lg2はLg4より長いのが好ましく、更には、比(Lg2/Lg4)は、1.5以上が好ましく、2以上がより好ましい。Lg4が過小となることを防止する観点から、比(Lg2/Lg4)は、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
上記実施形態では、フェース高さHFが29mm以上である。上述の通り、ラフでは、ボールと地面との距離にバラツキが生じやすい。このため、上下方向における打点のバラツキが生じやすい。この打点のバラツキは、飛距離及び弾道のバラツキを生じさせる。フェース高さHFが大きくされることで、飛距離及び弾道のバラツキが抑制される。
フェース高さHFが大きくされることで、上下慣性モーメントMIを大きくすることが可能となる。よって、打点が上下方向でバラついた場合でも、ヘッドの回転が抑制され、飛距離の低下が抑制される。
上述の観点から、フェース高さHF(mm)は、29mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましい。フェース高さHFが過大である場合、フェアウェイからのショットにおいて打点が下側となりすぎる場合がある。この観点から、フェース高さHFは、35mm以下が好ましく、34mm以下がより好ましく、33mm以下がより好ましい。
上記実施形態では、ヘッド幅HWが65mm以下とされている。このため、芝との接触面積が減少し、芝による抵抗力が抑制されうる。この抑制効果は、ラフにおいて特に有効である。
芝による抵抗力を抑制する観点から、ヘッド幅HWは、65mm以下が好ましく、64mm以下がより好ましい。ヘッド幅HWが過小である場合、ソールが芝の上を滑りにくくなる場合がある。この観点から、ヘッド幅HWは、50mm以上が好ましく、55mm以上がより好ましい。
スイング中には、ヘッド重心に遠心力が作用する。この遠心力により、ヘッド2の姿勢は、そのヘッド重心がシャフト軸線Z1に近づくように変化する。ヘッド重心はシャフト軸線Z1のバック側に位置するから、ヘッド2の姿勢は、ソール面f8のバック側が下がるように変化する。この姿勢の変化により、ソール面f8のバック側が接地しやすくなり、接地抵抗が増大しうる。この姿勢の変化により、インパクト前にソール面f8のバック側が接地しうる。この接地は、いわゆるダフリを生じさせ、インパクト時のヘッドスピードを低下させる。また、この姿勢の変化は、フェース面f4の向きを変動させる。よって、実効ロフト角が変化し、飛距離のバラツキが生じうる。実効ロフト角とは、インパクトにおけるヘッドのロフト角であり、鉛直方向に対するロフト角である。
本願では、フェースプログレッションがFP(mm)とされる(図2参照)。FP/HWは、大きくされるのが好ましい。FP/HWが大きくされることで、シャフト軸線Z1とヘッド重心とのフェース−バック方向距離DG(図示されず)が近づく。この距離DGが短くされることで、上述したヘッドの姿勢変化が抑制される。このため、接地抵抗が低減されうる。また、フェース面f4の向きが安定し、飛距離のバラツキが抑制される。
上述した理由より、FP/HWは、0.25以上が好ましく、0.26以上がより好ましい。フェースプログレッションFPが過大である場合、ゴルファーがアドレスにおいて違和感を感じることがある。この観点から、FP/HWは、0.40以下が好ましく、0.38以下がより好ましい。
ヘッド重量がWh(g)とされ、クラブ重量がWc(g)とされるとき、上記実施形態では、Wh/Wcが0.75以上である。ヘッドへの重量配分率を高めることにより、ヘッドの運動エネルギーが増大やすい。よって、芝の抵抗を受けても、ヘッドスピードが低下しにくく、ヘッドの抜けが良好となる。この観点から、Wh/Wcは、0.75以上が好ましく、0.76以上がより好ましく、0.77以上がより好ましい。ヘッド重量Whが過大である場合、ヘッドスピードが低下することがある。また、シャフトの強度を考慮すると、クラブ重量Wcを小さくするのには限界がある。これらの観点から、Wh/Wcは、0.82以下が好ましく、0.81以下がより好ましく、0.80以下がより好ましい。
ロフト角が大きくされることで、フェース面f4とソール面f8との成す角度が小さくなる。よって、リーディングエッジLeが芝を切り裂く効果が高まり、芝の抵抗が低減されやすい。この観点から、ヘッド2のリアルロフト角は、25°以上が好ましく、27°以上がより好ましく、30°以上がより好ましい。過大なリアルロフトは、飛距離性能を低下させうる。この観点から、ヘッド2のリアルロフト角は、38°以下が好ましく、36°以下がより好ましく、34°以下がより好ましい。
本願では、上下慣性モーメントがMI(g・cm2)とされ、ヘッド体積がVh(cm3)とされる。上記実施形態では、MI/Vhが9.0以上である。
ヘッド体積Vhが抑制されることで、芝の抵抗が小さくなり、抜けが良好となる。上下慣性モーメントMIが大きくされることで、フェース面f4の向きが変動しにくい。よって、例えばインパクト前において、芝の抵抗を受けても、実効ロフト角が減少するようなヘッドの回転が生じにくい。また、打点が上下にばらついた場合でも、ヘッド2は回転しにくく、飛距離の低下が抑制される。これらの観点から、MI/Vhは、9.0以上が好ましく、9.1以上がより好ましい。ヘッド体積Vhが過小である場合、アドレスで不安感が生じうる。この観点から、MI/Vhは、10.0以下が好ましく、9.8以下がより好ましい。
ヘッド2では、ソール面f8が、リーディングエッジLeからバック側に向かう滑らかな連続面Cfを有している(図3参照)。ヘッド2において連続面Cfは、第1ソール領域R1と前方ソール領域R4とを合わせた領域である(図7参照)。この連続面Cfにより、ソール面f8が芝の上を滑りやすくなり、接地抵抗が低減されうる。
ソール面f8は、連続面Cfのバック側に位置する段差形成面Dfを有している。ヘッド2において、この段差形成面Dfは、上述の斜面Sp1及び斜面Sp2である。
上述の通り、本願では、側面視段差が定義される。ヘッド2では、段差形成面Dfにより形成される側面視段差が4mm以上である。
上述したように、斜面Sp1により形成される段差がDs1であり、斜面Sp2により形成される段差がDs2である。ヘッド2では、点Aの近傍における差Ds1又は段差Ds2が、側面視段差である。上述のように、段差Ds1及び段差Ds2により、接地面積が減少し、ソールの抜けが良好となる。これらの段差Ds1及びDs2は、それぞれのトウ−ヒール方向位置において決定されうるが、これらのうち、側面視における段差は、最も実効性の高い代表値であると考えられる。この側面視段差が4mm以上とされることで、接地面積が減少し、ソールの抜けが良好となる。スイートスポット高さSHを大きくする観点からも、側面視段差が4mm以上とされるのが好ましい。ヘッド重量Whを確保する観点から、この側面視段差は、8mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましい。
上述したように、スイートスポット高さがSH(mm)とされ、接地平面Hからのフェース最大高さがHX(mm)とされる。図9が示すように、スイートスポット高さSH及びフェース最大高さHXは、いずれも、接地平面Hからの高さである。
上記実施形態では、SH/HXが0.76以上である。ラフにおいては、芝によって、ボールが地面から浮いた状態となりうる。この場合、打点がフェース面f4の上側となる「上打ち」が発生しやすい。SH/HXが大きくされることで、上打ちでの反発性能が向上し、飛距離性能が高まる。この観点から、SH/HXは、0.76以上が好ましく、0.78以上がより好ましく、0.80以上がより好ましく、0.81以上がより好ましい。一般的なラフにおける芝の長さを考慮すると、SH/HXは、0.90以下が好ましく、0.89以下がより好ましく、0.88以下がより好ましい。
ヘッドの運動エネルギーを高めることで、芝の抵抗の影響が低減されうる。この観点から、ヘッド重量Whは、250g以上が好ましい。ヘッド重量Whが過大である場合、ヘッドスピードが低下しうる。この観点から、ヘッド重量Whは、270g以下が好ましく、265g以下がより好ましく、260g以下がより好ましい。
上述したように、ラフからのショットでは、打点のバラツキが生じやすい。また、長いクラブほど打点のバラツキが生じやすい傾向にある。よって、ラフからのショットにおいて長いクラブが使用されると、打点のバラツキが相乗的に増加しやすい。この観点から、クラブ長さは、38.5インチ以下が好ましく、38.25インチ以下がより好ましく、38.0インチ以下がより好ましい。飛距離性能の観点から、クラブ長さは、37.0インチ以上が好ましく、37.25インチ以上がより好ましい。
なお、クラブ長さは、R&A(Royal and Ancient Golf Club of Saint Andrews;全英ゴルフ協会)が定めるゴルフ規則「付属規則II クラブのデザイン」の「1 クラブ」における「1c 長さ」の記載に基づいて測定される。
図11は、ヘッド2の分解斜視図である。フェース部材fp1と他部材とが溶接されて、ヘッド2が形成されている。本実施形態では、他部材がヘッド本体mb1である。本実施形態は、2つの部材が接合された2ピース構造である。接合される部材の数は限定されず、3ピース構造及び4ピース構造が例示される。
フェース部材fp1は、フェース面f4の一部f41を構成している。フェース部材fp1は、フェース面f4の全体を構成していない。
フェース部材fp1は、第1延在部fp11と第2延在部fp12とを有する。第1延在部fp11は、クラウン6の一部を構成している。第2延在部fp12は、ソール8の一部を構成している。
ヘッド本体mb1は、フェース面f4の一部(ヒール部f42)を構成している。
このような構造の結果、ヘッド本体mb1とフェース部材fp1との溶接境界k1は、フェース面上における境界kf1を含む(図1参照)。
図12において符号Pkで示されるのは、フェース部材fp1とヘッド本体mb1との、フェース面f4における溶接位置である。本実施形態において、この溶接位置Pkは、フェース面f4におけるフェース部材fp1のヒール側の端の位置である。図12において両矢印X1で示されるのは、上記溶接位置Pkと上記端点Eとの距離である。境界kf1のうち、トウ−ヒール方向距離が点Eに最も近い位置が、位置Pkである。この距離X1は、トウ−ヒール方向の距離である。
図12において両矢印X2で示されるのは、上記位置PkとフェースセンターFcとの距離である。この距離X2は、トウ−ヒール方向の距離である。
境界k1の近傍では溶接がなされているため、剛性が高い。この理由は、溶接部の肉厚が厚くなるためである。フェース面f4に境界kf1が存在するため、この境界kf1の近傍において、フェース剛性が高い。この高い剛性により、反発性能が低下しうる。
本実施形態では、距離X1が小さい。点Eの近傍では、ソール剛性が低下している。このソール剛性の低下により、点Eの近傍では、ソール8が撓みやすい。このソール8の撓みは、境界kf1に起因する反発性能の低下を補う効果を奏しうる。この反発向上効果を高める観点から、距離X1は、15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、7mm以下がより好ましい。下限としては、距離X1は、0mm以上である。
上記反発向上効果の観点から、境界kf1と点Eとのフェース−バック方向における最短距離は、15mm以下が好ましく、12mm以下がより好ましく、10mm以下がより好ましい。境界kf1における強度の観点から、境界kf1と点Eとのフェース−バック方向における最短距離は、5mm以上が好ましく、7mm以上がより好ましい。
ヘッド体積は限定されない。慣性モーメントの増大及びスイートエリアの拡大の観点から、ヘッド体積は、100cc以上が好ましく、110cc以上がより好ましく、120cc以上がより好ましい。上記実施形態のヘッド2は、ソール面f8の面積が広い場合であっても接地面積を効果的に抑制しうる。この観点からも、上記下限値以上のヘッド体積が好ましい。かかる観点からは、ヘッド体積は大きい方が好ましい。ルールの観点から、ヘッド体積は470cc以下が好ましい。また、様々なライ、特にラフへの適応性の観点からは、ヘッド2は、フェアウェイウッド、ユーティリティ型ヘッド及びハイブリッド型ヘッドが好ましい。この場合、ヘッド体積は、200cc以下が好ましく、180cc以下がより好ましく、160cc以下がより好ましい。
ヘッドの材質は限定されない。ヘッドの材質として、金属、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等が例示される。ヘッドに用いられる上記金属として、純チタン、チタン合金、ステンレス鋼、マレージング鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金及びタングステン−ニッケル合金から選ばれる一種以上の金属が例示される。ステンレス鋼として、SUS630及びSUS304が例示される。ステンレス鋼の具体例として、CUSTOM450(カーペンター社製)が例示される。チタン合金として、6−4チタン(Ti−6Al−4V)、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al等が例示される。
ヘッドの製造方法は限定されない。通常、中空のヘッドは、2個以上の部材が接合されることにより製造される。ヘッドを構成する各部材の製造方法は限定されず、鋳造、鍛造及びプレスフォーミングが例示される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
上述のヘッド2と同様のヘッドが作製された。フェース部材fp1は、鍛造により作製された。ヘッド本体mb1は、鋳造により作製された。これらを溶接し、表面を研磨して、実施例1に係るヘッドを得た。このヘッドのリアルロフト角は30°とされた。このヘッドに、グリップが装着されたシャフトを取り付け、実施例1に係るクラブを得た。このクラブの長さは37.5インチとされた。実施例1の仕様及び評価結果が、下記の表1に示されている。
[実施例2から27及び比較例1から4]
下記の表1から5に示される仕様が変更された他は実施例1と同様にして、実施例2から27及び比較例1から4のクラブを得た。ヘッド形状に係る仕様については、表面研磨、溶接による肉盛り又は金型変更によって、調整された。また、ヘッドの内部に熱可塑性の粘着剤を付着させることで、ヘッド重量Wh及びスイートスポット高さSHが調整された。この粘着剤は、常温ではヘッド内面に固定され、高温では流動する。この粘着剤は、高温状態でヘッド内部に流し込まれ、その後常温に冷却して固定された。クラブ重量Wcは、シャフト重量及びグリップ重量によって調整された。また、これらの調整方法を組み合わせることで、上記慣性モーメントMIが調整された。この慣性モーメントMIの定義は、上述の通りである。なお、以下の表において、この慣性モーメントMIの値は、1の位が四捨五入されている。ヘッド本体の鋳造金型を変更することにより、フェースプログレッションFPが調整された。これらの実施例及び比較例について、仕様及び評価結果が、下記の表1から5に示される。
[評価方法]
[抜けの良さ]
ゴルフコースのラフにボールを置き、このボールをゴルファーが打撃した。ハンディキャップが10以上20以下である5名のテスターにより、評価がなされた。5名のテスターのそれぞれが、各クラブを10球ずつ打球した。各ゴルファーが、抜けの良さについて、官能評価を行った。1点から5点までの5段階で、評価がなされた。点数が高いほど評価が高い。この評価点の平均値が、以下のように分類された。この分類が、上記表1から表5の「抜けの良さ」の欄に示されている。
A : 上記平均値が5.0である。
B+ : 上記平均値が4.5以上5.0未満である。
B : 上記平均値が4.0以上4.5未満である。
C : 上記平均値が3.5以上4.0未満である。
D : 上記平均値が3.0以上3.5未満である。
E : 上記平均値が2.5以上3.0未満である。
F : 上記平均値が2.0以上2.5未満である。
[ラフからの飛距離]
上述の抜けの良さのテストにおいて、打球の飛距離が計測された。この結果、各クラブについて、50の飛距離データを得た。これら50の飛距離データの平均値(小数点以下は四捨五入)が、上記表1から表5の「ラフからの飛距離」の欄に示されている。なお飛距離は、キャリーにランを加えたトータル飛距離である。
[飛距離バラツキ]
上記50の飛距離データを用いて、飛距離のバラツキが分析された。各ゴルファーによる10のデータにおいて、最大飛距離と最小飛距離との差が算出された。この差の平均値(小数点以下は四捨五入)が、上記表1から表5の「飛距離バラツキ」の欄に示されている。
表1から5に示された評価結果が示すように、実施例は比較例と比べて評価が高い。本発明の優位性は明らかである。