JP7331461B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブヘッドに関する。
ウッド型のゴルフクラブヘッドは、従来から、多くの改良がなされてきており、飛距離を延ばすために種々の提案がなされている。例えば、特許文献1に示すように、いわゆるカップフェース構造と呼ばれるフェース部材を採用しているものがある。具体的には、ゴルフクラブヘッドを、開口が形成されたヘッド本体と、ヘッド本体の開口を塞ぐフェース部材とで構成し、フェース部材を、板状のフェース部と、その周縁から延びる周縁部とを有するカップ状に形成している。そして、フェース部材の周縁部と、ヘッド本体の開口周縁とを溶接によって接合することで、ゴルフクラブヘッドが形成される。このようなカップフェース構造では、フェース部材とヘッド本体との溶接部が、フェース部の周縁からヘッドの後方側に離れることになる。このため、フェース部材が板状であるゴルフクラブヘッドと比べ、フェース部の低剛性化が可能であり、ひいては高い反発性能が得られるという利点がある。
特開2007-54198号公報
ところで、カップフェース構造においては、フェース部材の周縁部の肉厚が大きいと、剛性が高くなり反発性能が低下するため、肉厚は薄い方が好ましい。しかしながら、周縁部の肉厚を薄くすると、溶接時に溶接不良が生じ、周縁部に穴があいたり、あるいは大きい変形が生じるおそれがある。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、反発性能を向上させつつ溶接不良を防止することができる、ゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
本発明に係るゴルフクラブヘッドは、クラウン部及びソール部を有するとともに、前記クラウン部及びソール部で囲まれた開口を有する、ヘッド本体と、前記ヘッド本体の開口を塞ぐフェース部材と、を備え、前記フェース部材は、板状に形成されたフェース部と、前記フェース部の周縁から延びる周縁部と、を有するカップ状に形成され、前記周縁部は、前記ヘッド本体の開口の端面と接合される厚肉部と、前記厚肉部と前記フェース部とを連結する連結部と、を有し、前記連結部は、前記厚肉部よりも肉厚の薄い薄肉部を備えている。
上記ゴルフクラブヘッドにおいて、前記連結部の少なくとも一部は、前記薄肉部と前記フェース部とを連結する基端部を有し、前記基端部の肉厚が、前記厚肉部の肉厚よりも小さいものとすることができる。
上記ゴルフクラブヘッドにおいて、前記連結部の少なくとも一部は、前記薄肉部と前記フェース部とを連結する基端部を有し、前記基端部の肉厚が、前記厚肉部の肉厚よりも大きいものとすることができる。
上記ゴルフクラブヘッドにおいて、前記基端部の肉厚が、前記薄肉部の肉厚よりも大きいものとすることができる。
上記ゴルフクラブヘッドにおいて、前記基端部は、フェースセンターからトゥ-ヒール方向に20mm以内の範囲に形成することができる。
上記ゴルフクラブヘッドにおいて、前記連結部は、前記厚肉部と前記薄肉部との間に、前記厚肉部から前記薄肉部に向かって肉厚が漸進的に薄くなる移行部をさらに備えることができる。
上記ゴルフクラブヘッドにおいては、前記連結部のフェース-バック方向の長さを、前記厚肉部のフェース-バック方向の長さよりも長くすることができる。
上記ゴルフクラブヘッドにおいては、前記周縁部のフェース-バック方向の長さを、18mm以上とすることができる。
本発明に係るゴルフクラブヘッドによれば、溶接不良を防止することができる。
本実施形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図である。 図1のゴルフクラブヘッドの基準状態での平面図である。 図2のA-A線断面図である。 フェース部の境界を説明する図である。 フェース部の境界を説明する図である。 ヘッドの分解斜視図である。 図3の一部拡大図である。 図6の他の例を示す断面図である。 図6の他の例を示す断面図である。 図6の他の例を示す断面図である。 中央範囲を説明するための図1のゴルフクラブヘッドの基準状態での平面図である。
以下、本発明に係るゴルフクラブヘッドの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.ゴルフクラブヘッドの概要>
図1は、このゴルフクラブヘッドの斜視図、図2は、ヘッドの基準状態での平面図、図3は、図2のA-A線断面図である。図1~図3に示すように、このゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある)100は、内部空間を有する中空構造であり、フェース部1、クラウン部2、ソール部3、及びホーゼル部4によって壁面が形成されたウッド型のゴルフクラブヘッドである。具体的には、ドライバー、ユーティリティ(ハイブリッド)、フェアウェイウッドといったゴルフクラブヘッドに適用することができる。
フェース部1は、ボールを打球する面であるフェース面を有しており、クラウン部2はフェース部1と隣接し、ヘッド100の上面を構成する。ソール部3は、主としてヘッド100の底面を構成し、フェース部1とクラウン部2以外のヘッド100の外周面を構成する。すなわち、ヘッド100の底面のほか、フェース部1のトウ側からヘッドのバック側を通りフェース部1のヒール側へと延びる部位もソール部3の一部である。図3に示すように、本実施形態においては、ソール部3に、ウエイト部材(図示省略)を取り付けるための凹部31を形成している。さらに、ホーゼル部4は、クラウン部2のヒール側に隣接して設けられる部位であり、ゴルフクラブのシャフト(図示省略)が挿入される挿入孔41を有し、ヘッドの内部まで延びる筒状に形成されている。そして、この挿入孔41の中心軸線Zは、シャフトの軸線に一致している。
ここで、ゴルフクラブヘッド100を地面に設置するときの基準状態について説明する。まず、図2に示すように、上記中心軸線Zが地面に対して垂直な平面P1に含まれ、且つ所定のライ角及びリアルロフト角で地面上にヘッドが載置された状態を基準状態と規定する。そして、上記平面P1を基準垂直面と称する。また、図2に示すように、上記基準垂直面P1と地面との交線の方向をトゥ-ヒール方向と称し、このトゥ-ヒール方向に対して垂直であり且つ地面に対して平行な方向をフェース-バック方向と称することとする。また、トゥ-ヒール方向及びフェース-バック方向に直交する方向を上下方向と称することがある。
本実施形態において、フェース部1とクラウン部2、及びフェース部1とソール部3との境界は、次のように定義することができる。すなわち、両者の間に稜線が形成されている場合には、これが境界となる。一方、明確な稜線が形成されていない場合には、図4Aに示されるように、ヘッド重心GとスイートスポットSSとを結ぶ直線Nを含む各断面E1、E2、E3…において、図4Bに示されるように、フェース外面輪郭線Lfの曲率半径rがスイートスポット側からフェース外側に向かって初めて200mmとなる位置Peがフェース部1の周縁となり、これがクラウン部2またはソール部3との境界として定義される。なお、スイートスポットSSとは、ヘッド重心Gを通るフェース面の法線(直線N)とこのフェース面との交点である。
また、本実施形態において、クラウン部2とソール部3との境界は次のように定義することができる。すなわち、クラウン部2とソール部3との間に稜線が形成されている場合には、これが境界となる。一方、これらの間に明確な稜線が形成されていない場合には、ヘッドを基準状態に設置し、これをヘッド100の重心の真上から見たときの輪郭が境界となる。
ヘッド100は、例えば、比重がほぼ4.3~4.5程度のチタン合金(Ti-6Al-4V、Ti-8Al-1Mo-1V等)で形成することができる。また、チタン合金以外にも、例えばステンレス鋼、マレージング鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金、またはアモルファス合金などの中から1種または2種以上を用いて形成することもできる。
このゴルフクラブヘッド100の体積は、例えば、90cm3以上、470cm3以下が望ましい。
<2.ゴルフクラブヘッドの組立構造>
本実施形態に係るゴルフクラブヘッド100は、図5に示すように、クラウン部2及びソール部3を有するヘッド本体101と、フェース部1及びその周縁から延びる周縁部15を有するカップ状に形成されたフェース部材102と、を組み立てることで構成される。このヘッド本体101は、クラウン部2及びソール部3で囲まれた開口18を有し、この開口18を塞ぐようにフェース部材102が取り付けられる。すなわち、フェース部材102の周縁部15の端面が、ヘッド本体101の開口18の端面と突き合わされ、これらが、溶接によって接合される(いわゆるカップフェース構造)。そして、フェース部材102は、ヘッド本体101の開口18の縁部に取付けられることで、ヘッド本体101と一体化され、これによって、フェース部材102の周縁部15は、ヘッド100のクラウン部2及びソール部3の一部として機能する。
したがって、フェース部材102の周縁部15がヘッド本体101に取付けられることで一体的に形成される面が、ヘッド100のクラウン部2及びソール部3を構成する。そのため、厳密には、ヘッド本体101のクラウン部2及びソール部3は、ヘッド100のクラウン部2及びソール部3の一部ではあるが、本明細書では、これらを区別することなく、ヘッド本体101の各部も、単にクラウン部2、ソール部3と称することがある。
なお、図3の断面は、フェースセンターを通るフェース-バック方向の断面である。以下、この断面を規定する面を中央基準面と称することとする。フェースセンターとは、以下のように定義することができる。まず、フェース部1(フェース面)上において、トゥ-ヒール方向および上下方向の概ね中央付近で任意の点Poを決定する。この点Poを通りトゥ-ヒール方向に延びる線xを引き、この線xの中点Pxを決定する。続いて、フェース部1上において、点Pxを通り上下方向に延びる線yを引き、この線の中点Pyを決定する。そして、こうして決定された点Pyを通りトゥ-ヒール方向に延びる線を線xとして引き直し、その後上記と同様にして点Pyを決定し直す工程を繰り返す。この工程の繰り返しの中で、前回の点Pyと新たな点Pyとの間の距離が0.5mm以下となったときの当該新たな点Pyが、フェースセンターと定義される。なお、より詳細には、上記の点Poを通る線xは、この点Poを通るフェース面の法線を含みかつトゥ-ヒール方向に平行な平面と、フェース面(フェース部1の表面)との交線である。また、より詳細には、上記の点Pxを通る線yは、この点Pxを通るフェース面の法線を含みかつ上下方向に平行な平面と、フェース面との交線である。また、より詳細には、上記の点Pyを通る線xは、この点Pyを通るフェース面の法線を含みかつトゥ-ヒール方向に平行な平面と、フェース面との交線である。なお、上記線xおよび線yの長さの測定は、フェース面に沿って測定される。
<3.フェース部材の周縁部付近の構造>
次に、フェース部材102の周縁部15の構造について、図6も参照しつつ説明する。図6は、図3における、クラウン部付近のフェース部材の一部拡大図である。同図に示すように、周縁部15のバック側の端部、つまりクラウン部2と接合される端部には、厚肉部151が形成されている。そして、この厚肉部151のフェース側の端部には、フェース側にいくにしたがって肉厚が漸進的に薄くなる移行部152を有しており、この移行部152のフェース側の端部とフェース部1とは、薄肉部153によって連結されている。薄肉部153の肉厚は、概ね全体に亘って、移行部152のフェース側の端部の肉厚と同じである。
厚肉部151の厚みt1は、例えば0.8~1.5mmとすることができ、1.0~1.4mmであることが好ましい。また、薄肉部153の肉厚t2は、厚肉部151よりも薄ければよく、例えば、0.4~1.4mmとすることができ、0.6~1.0mmであることが好ましい。例えば、厚肉部151の肉厚t1を1.2mm、薄肉部153の肉厚を0.7mmとすることができる。
厚肉部151のフェース-バック方向の長さd1は、例えば、1~5mmとすることができる。この長さd1は、基準状態にあるヘッド100において、上述した中央基準面上で規定される長さであり、厚肉部151の内壁面側の長さとする。なお、厚肉部151のフェース-バック方向の長さd1は、移行部152及び薄肉部153のフェース-バック方向の合計長さよりも短い。これにより、周縁部15の重量が増大するのを抑制することができる。なお、厚肉部151の厚みt1について、複数の点で測定した場合には、測定されたうちの最も小さい測定値を厚みt1とする。この測定方法は、厚みt2についても
概ね同じであり、複数の点で測定した場合には、測定されたうちの最も小さい測定値を厚みt2とする。
また、周縁部15のフェース-バック方向の長さd2は、例えば、5mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがさらに好ましく、18mm以上であることが特に好ましく、22mm以上であることがより好ましい。一方、長さd2の上限は、特には限定されないが、例えば、28mm以下が好ましく、26mm以下がさらに好ましい。ここで、長さd2は、基準状態にあるヘッド100において、中央基準面上で規定される長さであり、フェース部1と周縁部15との境界(例えば、稜線)から厚肉部151の外面の端部までの長さとする。
なお、この厚肉部151、移行部152、及び薄肉部153は、クラウン部2側のみならず、ソール部3側も含む周縁部15の全周に亘って形成されている。
また、図6に示すように、厚肉部151と接合されるヘッド本体101側の端部、つまり開口18の周縁にも厚肉部51が形成されている。この厚肉部51の厚み、及びフェース-バック方向の長さd3は、測定方法を含め、周縁部15の厚肉部151と同じにすることができる。なお、周縁部15の厚肉部151のバック側の端面159、及びヘッド本体101の厚肉部51のフェース側の端面52は、基準状態にあるフェース部1と概ね平行に延びている。
<4.ゴルフクラブヘッドの製造方法>
次に、上記のゴルフクラブヘッドの製造方法の一例について説明する。まず、上述したヘッド本体101とフェース部材102とを準備する。このようなヘッド本体101及びフェース部材102は、種々の方法で作製することができる。例えば、ヘッド本体101は、公知のロストワックス精密鋳造法などの鋳造によって製造することができる。また、フェース部材102は、例えば、鍛造製法や、平板のプレス加工、鋳造等により製造することができる。また、圧延材料を用いてフェース部材102を形成する場合、フェース部材102の加工前の平板は、圧延方向が、フェース部1のトゥ側の上部からヒール側の下部に向かう方向とほぼ一致するように加工される。
そして、これらを、例えば、溶接(TIG(タングステン-不活性ガス)溶接、プラズマ溶接、レーザー溶接、ロウ付けなど)により接合した後、所定の塗装を施すと、ゴルフクラブヘッド100が完成する。
<5.特徴>
以上の実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(1) 上記のようなカップフェース構造では、ヘッドの反発性能が高くなるという利点あるが、周縁部15の肉厚が大きいと、その剛性が高くなり、かえって反発性能が向上し難いおそれがある。しかしながら、周縁部15の肉厚を小さくすると、周縁部15をヘッド本体101の開口18の端面に溶接する際に、溶接不良が生じ、周縁部15に穴があいたり大きく変形するおそれがある。そこで、本実施形態では、周縁部15のバック側の端部に肉厚の大きい厚肉部151を形成し、熱容量を大きくしている。そのため、溶接不良が生じるのを防止することができる。また、厚肉部151とフェース部1との間の薄肉部153の肉厚は、厚肉部151よりも薄いため、周縁部15の剛性が高くなることを抑制することができる。これにより、ヘッドの反発性能を向上させることができる。
(2) 厚肉部151と薄肉部153との間には、厚みが漸進的に薄くなる移行部152が設けられている。例えば、移行部152を設けずに、厚肉部151と薄肉部153とを直接連結すると、これらの間に鋭利な段差が形成される。このような段差が形成されると、ボールの打撃時に応力が集中し、割れ等の損傷が生じるおそれがある。そこで、本実施形態では、移行部152を設けることで、応力の集中を抑制している。
(3) ボールの打撃時には、クラブの種類にもよるが、フェース部1から所定距離離れたクラウン部の箇所(例えば、15mm程度)が最も撓みやすくなることが本願発明者の鋭意研究により判明した。この箇所の近傍にヘッド本体101と周縁部15との接合部分が位置すると、接合部分の肉厚が大きいため、反発性能に影響を与えるおそれがある。そこで、周縁部15の長さd2を、例えば、上記のように、5mm以上12mm未満、または18mm以上22mm未満とすると、接合箇所が最も撓みやすい箇所を避けて設けられることになり、反発性能の低下を抑制することができる。特に、長さd2を、18mm以上とすると、周縁部の長さがより長くなり、反発性能がさらに高くなる。この場合、本実施形態のような厚肉部151と薄肉部153とを有すると特に有利である。
なお、本実施形態においては、本発明の連結部を、移行部152と薄肉部153とで構成している。
<6.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。また、以下の変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、以下の変更が可能である。
<6-1>
周縁部15の態様は、上記実施形態に限定されるものではなく、少なくとも厚肉部151を有し、厚肉部151とフェース部1との間に、厚肉部151よりも肉厚の小さい薄肉部153が設けられていればよい。例えば、図7に示す例では、周縁部15において、フェース部1と厚肉部151の間の部分を、フェース-バック方向に並ぶ、基端部154、薄肉部153、及び移行部152によって構成している。ここで、基端部154の肉厚t4は、薄肉部153の肉厚t3よりも厚く、厚肉部151の肉厚t1よりも薄くなっている。基端部154の肉厚t4は、図7に示すように、上述した境界Peからフェース-バック方向にバック側へ約3mmの位置を測定するものとする。例えば、厚肉部151、薄肉部153、基端部154の肉厚を、それぞれ1.2mm,0.7mm,0.9mmとすることができる。なお、この態様では、本発明の連結部を、基端部154、薄肉部153、及び移行部152によって構成している。
また、図8に示すように、基端部154の肉厚を厚肉部151よりも大きくすることができる。例えば、厚肉部151、薄肉部153、基端部154の肉厚を、それぞれ1.2mm,0.7mm,1.4mmとすることができる。
あるいは、図9に示すように、フェース部1と周縁部15との連結部分、つまり基端部154の断面が三角形状になるように、肉厚を大きくすることもできる。
上記の例では、本発明に係る連結部の一部に肉厚の大きい部分(例えば、上記基端部154)を設けているが、その箇所、及び位置は特には限定されない。また、本発明の連結部においては、薄肉部153以外の部位の少なくとも一部の肉厚が漸進的に増したり、薄くなったりするように形成することもできる。すなわち、本発明に係る連結部の構成は、種々の態様が可能であり、周縁部15の全周の少なくとも一部に薄肉部153が形成されていればよい。
移行部152は必ずしも必要ではなく、例えば、厚肉部151と薄肉部153とを直接連結することもできる。あるいは、厚肉部151と薄肉部153との間に、薄肉部153よりも肉厚が大きく、フェース-バック方向において肉厚がほぼ一定の部位を設けることもできる。但し、上述したような応力集中を抑制するには、移行部152を設けることが好ましい。また、移行部152を、周縁部の全周のうちの一部に設けることもできる。
<6-2>
上述した周縁部15の態様は、組み合わせることもできる。例えば、トゥ-ヒール方向におけるフェースセンター付近で反発性能が高くなりすぎないように、例えば、トゥ-ヒール方向のフェースセンター付近で、周縁部15の断面形状を図7~図9のように構成することができる。つまり、薄肉部153を周縁部15の全周に亘って設けるのではなく、一部の肉厚を厚くし(例えば、厚肉部151と同等の肉厚の部分、あるいは基端部154のような部分)、これによって反発性能を低下させることができる。このような断面形状にする範囲としては、例えば、図10に示すように、フェースセンターからトゥ側へ20mmの箇所と、ヒール側へ20mmの箇所との間の範囲(以下、中央範囲という)とすることができる。一方、これ以外の範囲、つまり中央範囲からトゥ側及びヒール側の範囲は、図6のような薄肉部153を有する断面形状にすることができる。これにより、中央範囲以外で反発性能を向上することができる。
なお、肉厚を大きくする中央範囲は、周縁部15の内、クラウン部2側及びソール部3側の少なくとも一方に設けることができる。また、厚肉部151のフェース-バック方向の長さは、特には限定されず、上記実施形態のように、厚肉部151のフェース-バック方向の長さを連結部(152,153,154の少なくも153)よりも短くするほか、連結部よりも長くしたり、同等にすることもできる。
<6-3>
クラウン部2、ソール部3の形状は特には限定されず、デザイン上、構造上の観点から、種々の凹凸を設けることができる。例えば、上記実施形態では、ウエイト部材を取り付ける凹部31を設けているが、これはソール部3の形状の一例であり、凹部31を設けなくてもよい。
1 フェース部
15 周縁部
151 厚肉部
152 移行部
153 薄肉部(厚肉部と連結される部分)
154 基端部
2 クラウン部
3 ソール部
4 ホーゼル部
101 ヘッド本体
102 フェース部材

Claims (8)

  1. クラウン部及びソール部を有するとともに、前記クラウン部及びソール部で囲まれた開口を有する、ヘッド本体と、
    前記ヘッド本体の開口を塞ぐフェース部材と、
    を備え、
    前記フェース部材は、板状に形成されたフェース部と、前記フェース部の周縁から延びる周縁部と、を有するカップ状に形成され、
    前記周縁部は、
    前記ヘッド本体の開口の端面と接合される厚肉部と、
    前記厚肉部と前記フェース部とを連結する連結部と、
    を有し、
    前記連結部は、前記厚肉部よりも肉厚の薄い薄肉部を備え、
    前記薄肉部の肉厚は、0.4~1.4mmであり、
    前記厚肉部の肉厚は、0.8~1.5mmであり、
    前記厚肉部の端面は平坦状に形成され、
    前記ヘッド本体の開口の端面は平坦状に形成され、
    前記厚肉部の端面と前記ヘッド本体の開口の端面とが溶接によって接合される、ゴルフクラブヘッド。
  2. 前記連結部の少なくとも一部は、前記薄肉部と前記フェース部とを連結する基端部を有し、
    前記基端部の肉厚が、前記厚肉部の肉厚よりも小さい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  3. クラウン部及びソール部を有するとともに、前記クラウン部及びソール部で囲まれた開口を有する、ヘッド本体と、
    前記ヘッド本体の開口を塞ぐフェース部材と、
    を備え、
    前記フェース部材は、板状に形成されたフェース部と、前記フェース部の周縁から延びる周縁部と、を有するカップ状に形成され、
    前記周縁部は、
    前記ヘッド本体の開口の端面と接合される厚肉部と、
    前記厚肉部と前記フェース部とを連結する連結部と、
    を有し、
    前記連結部は、前記厚肉部よりも肉厚の薄い薄肉部を備え、
    前記薄肉部の肉厚は、0.4~1.4mmであり、
    前記厚肉部の肉厚は、0.8~1.5mmであり、
    前記連結部の少なくとも一部は、前記薄肉部と前記フェース部とを連結する基端部を有し、
    前記基端部の肉厚が、前記厚肉部の肉厚よりも大きい、ゴルフクラブヘッド。
  4. 前記基端部の肉厚が、前記薄肉部の肉厚よりも大きい、請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
  5. トゥ-ヒール方向の中央範囲として、フェースセンターからトゥ-ヒール方向に20mm以内の範囲を規定し、
    前記周縁部において、前記基端部は前記中央範囲内に形成されている、請求項2から4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記連結部は、前記厚肉部と前記薄肉部との間に、前記厚肉部から前記薄肉部に向かって肉厚が漸進的に薄くなる移行部をさらに備えている、請求項1から5のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記連結部のフェース-バック方向の長さが、前記厚肉部のフェース-バック方向の長さよりも長い、請求項1から6のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  8. 前記周縁部のフェース-バック方向の長さが、18mm以上である、請求項1から7のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
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