JP2022126072A - スルホニウム塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トリフェニルスルホニウムカチオン部分にフッ素原子、フッ素化アルキル基を導入したスルホニム塩の高収率、高純度の製造法を提供する。【解決手段】本発明は、一般式(1)で表されるフッ素含有スルホキシド化合物(A)と芳香族化合物(B)を、塩素系溶剤(C)及びフッ素化アルキルスルホン酸(D)の存在下で、脱水剤(E)を反応させることを特徴とする、一般式(2)で表されるスルホニウム塩(S)の製造方法である。【選択図】なし
Description
本発明は、スルホニウム塩の製造方法に関する。さらに詳しくは、極紫外線(EUV)レジストに好適な光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩の製造方法に関する。
従来より、半導体の製造に代表される微細加工の分野では、露光光として波長248nmのKrF、及び波長193nmのArFを用いたフォトリソグラフィー工程が広く用いられている。また半導体の更なる微細化に対応するため、次世代の微細加工技術として波長13.5nmの極端紫外線(EUV)等の電離放射線を用いたリソグラフィ技術が注目されている。
極端紫外線(EUV)は、KrF、ArFに比べて光源の出力が十分に高くないことから、低エネルギーでパターン形成可能な高感度レジスト材料の開発が必要である。レジスト材料の高感度化には、光酸発生剤のEUV光の吸収効率を上げ、限られたエネルギーを有効活用することが求められている。
光酸発生剤のEUV光の吸収効率を上ける方策として、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムカチオンに電子吸引性の高いフッ素原子、フッ素化アルキル基を導入したスルホニウム塩を用いる方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載のスルホニウム塩の製造方法は、スルホニウム化反応の反応性が低く、副反応が多くなり収率が著しく低下する問題あり、また副生成物が多いため精製工程が煩雑である。このためフッ素原子、フッ素化アルキル基を導入したスルホニム塩でありながら、高収率、高純度の製造方法の開発が望まれていた。
光酸発生剤のEUV光の吸収効率を上ける方策として、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムカチオンに電子吸引性の高いフッ素原子、フッ素化アルキル基を導入したスルホニウム塩を用いる方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載のスルホニウム塩の製造方法は、スルホニウム化反応の反応性が低く、副反応が多くなり収率が著しく低下する問題あり、また副生成物が多いため精製工程が煩雑である。このためフッ素原子、フッ素化アルキル基を導入したスルホニム塩でありながら、高収率、高純度の製造方法の開発が望まれていた。
本発明は上記従来技術における問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、トリフェニルスルホニウムカチオン部分にフッ素原子、フッ素化アルキル基を導入したスルホニム塩の高収率、高純度の製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
一般式(1)で表されるフッ素含有スルホキシド化合物(A)と芳香族化合物(B)を、塩素系溶剤(C)及びフッ素化アルキルスルホン酸(D)の存在下で、脱水剤(E)を反応させることを特徴とする、一般式(2)で表されるスルホニウム塩(S)の製造方法である。
一般式(1)で表されるフッ素含有スルホキシド化合物(A)と芳香族化合物(B)を、塩素系溶剤(C)及びフッ素化アルキルスルホン酸(D)の存在下で、脱水剤(E)を反応させることを特徴とする、一般式(2)で表されるスルホニウム塩(S)の製造方法である。
[式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素原子、又はフッ素化アルキル基を表し;p、qはそれぞれ独立に1~3の整数を表す。]
[式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素原子、又はフッ素化アルキル基を表し;p、qはそれぞれ独立に1~3の整数を表し;R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、水酸基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を表し;rは0~5の整数を表し;X-はフッ素原子含有スルホン酸アニオンを表す。]
本発明のスルホニウム塩(S)の製造方法は、フッ素含有スルホキシド化合物(A)と芳香族化合物(B)に脱水剤(E)を作用させることでスルホニウム化が進行する。この反応の際に、フッ素化アルキルスルホン酸(D)を含むため、副反応のフッ素含有スルホキシド化合物(A)の還元反応(スルフィド化)が抑制できる。これにより、還元されたスルフィド化合物とフッ素含有スルホキシド化合物(A)との目的物でないスルホニウム化の副反応物の生成も抑制される。また塩素系溶剤(C)を併用するため均一系で反応が進むため、十分な反応速度も得ら、かつフッ素化アルキルスルホン酸(D)の効果も十分に発揮される。これにより高収率、及び高純度でスルホニウム塩(S)を容易に製造することができる。
本発明は一般式(2)で表されるスルホニウム塩(S)の製造方法であって、一般式(1)で表されるフッ素含有スルホキシド化合物(A)と芳香族化合物(B)を、塩素系溶剤(C)及びフッ素化アルキルスルホン酸(D)の存在下で、脱水剤(E)を反応させることを特徴とする。
[式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素原子、又はフッ素化アルキル基を表し;p、qはそれぞれ独立に1~3の整数を表す。]
[式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素原子、又はフッ素化アルキル基を表し;p、qはそれぞれ独立に1~3の整数を表し;R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、水酸基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を表し;rは0~5の整数を表し;X-はフッ素原子含有スルホン酸アニオンを表す。]
副反応のフッ素含有スルホキシド化合物(A)の還元反応(スルフィド化)を抑制するために、フッ素化アルキルスルホン酸(D)の存在下に脱水剤(E)を反応させることが必須である。また、反応系を均一にして反応速度を向上させ、かつフッ素化アルキルスルホン酸(D)の効果を十分に発揮させるために、塩素系溶剤(C)を併用することが必須である。
フッ素含有スルホキシド化合物(A)の式(1)中のR1及びR2は、それぞれ独立にフッ素原子、又はフッ素化アルキル基を表す。フッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、及びノナフルオロブチル基等が挙げられる。
R1及びR2のうち、スルホニウム化の反応速度の観点から、好ましくはフッ素原子、及びトリフルオロメチル基である。
R1及びR2のうち、スルホニウム化の反応速度の観点から、好ましくはフッ素原子、及びトリフルオロメチル基である。
フッ素含有スルホキシド化合物(A)の式(1)中のp、qはそれぞれ独立に1~3の整数を表す。p、qの値が小さいほど、スルホニウム塩(S)の合成が容易になり、一方、p、qの値が大きいほど、EUV光の吸収効率が上がる傾向がある。
フッ素含有スルホキシド化合物(A)の合成方法は目的物を合成できれば特に限定はされないが、例えば、フッ素含有フェニルグリニアと塩化チオニルの反応(I)、及びフッ素含有ジフェニルスルフィドの酸化反応(II)等によって合成できる。
フッ素含有フェニルグリニアと塩化チオニルの反応(I)に用いるフッ素含有フェニルグリニアは、例えば、フッ素含有フェニルブロミドとマグネシウムをグリニャール反応させることで得ることができる。フッ素含有フェニルブロミドとしては、例えば、2-フルオロフェニルブロミド、3-フルオロフェニルブロミド、4-フルオロフェニルブロミド、2,4-ジフルオロフェニルブロミド、3,5-ジフルオロフェニルブロミド、2-トリフルオロメチルフェニルブロミド、3-トリフルオロメチルフェニルブロミド、4-トリフルオロメチルフェニルブロミド、3-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルブロミド、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルブロミド、1,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルブロミド等が挙げられる。グリニャール反応の条件としては、温度0℃~100℃にて、1~50時間で行われる。反応溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、及びシクロペンチルメチルエーテル等が好ましい。
フッ素含有フェニルグリニアの等量(モル比)は塩化チオニルに対して、通常、2.0等量以上用いる。反応条件としては、温度-100℃~30℃にて、1~50時間で行われる。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、及びシクロペンチルメチルエーテル等が好ましい。
フッ素含有フェニルグリニアの等量(モル比)は塩化チオニルに対して、通常、2.0等量以上用いる。反応条件としては、温度-100℃~30℃にて、1~50時間で行われる。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、及びシクロペンチルメチルエーテル等が好ましい。
フッ素含有ジフェニルスルフィドの酸化反応(II)に用いられるフッ素含有ジフェニルスルフィドは、フッ素含有フェニルチオールとフッ素含有フェニルブロミドを、塩基触媒存在下で反応することで得られる。
フッ素含有フェニルチオールとしては、例えば、3-フルオロフェニルチオール、3,5-ジフルオロフェニルチオール、2-トリフルオロメチルフェニルチオール、3-トリフルオロメチルフェニルチオール、4-トリフルオロメチルフェニルチオール、3-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルチオール、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルチオール、1,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルチオール等が挙げられる。
フッ素含有フェニルブロミドとしては、上記と同様のものが挙げられる。塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、DBU等が挙げられる。
フッ素含有ジフェニルスルフィドの合成において、フッ素含有フェニルチオールはフッ素含有フェニルブロミドに対して、通常、0.7~1.5等量用いる。反応条件としては、温度0℃~180℃にて、1~50時間で行われる。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、DMSO等が好ましい。
フッ素含有ジフェニルスルフィドを酸化させるための酸化剤としては、例えば、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、及び過ヨウ素酸ナトリウム等が挙げられる。
酸化剤はフッ素含有ジフェニルスルフィドに対して、通常、0.7~1.5等量用いる。反応条件としては、温度-50℃~100℃にて、1~50時間で行われる。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、及び水等が好ましい。
フッ素含有フェニルチオールとしては、例えば、3-フルオロフェニルチオール、3,5-ジフルオロフェニルチオール、2-トリフルオロメチルフェニルチオール、3-トリフルオロメチルフェニルチオール、4-トリフルオロメチルフェニルチオール、3-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニルチオール、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルチオール、1,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニルチオール等が挙げられる。
フッ素含有フェニルブロミドとしては、上記と同様のものが挙げられる。塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、DBU等が挙げられる。
フッ素含有ジフェニルスルフィドの合成において、フッ素含有フェニルチオールはフッ素含有フェニルブロミドに対して、通常、0.7~1.5等量用いる。反応条件としては、温度0℃~180℃にて、1~50時間で行われる。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、DMSO等が好ましい。
フッ素含有ジフェニルスルフィドを酸化させるための酸化剤としては、例えば、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、及び過ヨウ素酸ナトリウム等が挙げられる。
酸化剤はフッ素含有ジフェニルスルフィドに対して、通常、0.7~1.5等量用いる。反応条件としては、温度-50℃~100℃にて、1~50時間で行われる。反応溶媒としては特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、及び水等が好ましい。
芳香族化合物(B)としては、スルホニウム塩(S)を構成する構造で、一般式(3)で表される。
[式(3)中、R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、水酸基、ハロゲン原子、又はアルコキシ基を表し;rは0~5の整数を表す。]
芳香族化合物(B)を構成するR3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ヘキシロキシ基、2-エチルヘキロキシ基等が挙げられる。
芳香族化合物(B)としては、例えば、ベンゼン、トルエン、p-キシレン、m-キシレン、エチルベンゼン、フェノール、フルオロベンゼン、1,4-ジフルオロベンゼン、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、アニソール、及び2,5-ジメチルアニソール等が挙げられる。
これらの芳香族化合物(B)のうち、目的の構造のスルニウム塩(S)の合成の容易さの観点から、好ましくはベンゼン、ベンゼンの1、4位に同じ置換基を有する化合物、及び電子供与性基を有する化合物、さらに好ましくはベンゼン、キシレン、フェノール、アニソール、2,5-ジメチルアニソール、及び2,5-ジメチルフェノール、特に好ましくはベンゼン、p-キシレン、3,5-ジメチルアニソールである。
芳香族化合物(B)のフッ素含有スルホキシド化合物(A)に対する割合は、フッ素含有スルホキシド化合物(A)を100mol%とした場合、副反応の抑制の観点から、100~100,000mol%が好ましく、200~50,000mol%がさらに好ましく、300~10,000mol%が特に好ましい。
塩素系溶剤(C)は、反応系を均一にすることで反応速度を向上させ、かつフッ素化アルキルスルホン酸(D)の効果を十分に発揮させるための必須成分である。塩素系溶剤(C)としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタン、1-クロロプロパン、2-クロロ-2-メチルプロパン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン、1,1,2,2-テトラクロロエタン等が挙げられる。
これらの塩素系溶剤(C)の内、入手のし易さ、及び除去のし易さの観点から、ジクロロメタン、及びクロロホルムが好ましい。
これらの塩素系溶剤(C)の内、入手のし易さ、及び除去のし易さの観点から、ジクロロメタン、及びクロロホルムが好ましい。
塩素系溶剤(C)の芳香族化合物(B)に対する割合は、芳香族化合物(B)を100重量%とした場合、反応速度の観点から、5~500重量%が好ましく、10~300重量%がさらに好ましく、20~200重量%が特に好ましい。
フッ素化アルキルスルホン酸(D)は、副反応のフッ素含有スルホキシド化合物(A)の還元反応(スルフィド化)を抑制するための必須成分である。これにより還元されたスルフィド化合物とフッ素含有スルホキシド化合物(A)との目的物でないスルホニウム化の副反応物の生成も抑制される。
フッ素化アルキルスルホン酸(D)としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエチルスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、及びペルフルオロオクタンスルホン酸等が挙げられる。
フッ素化アルキルスルホン酸(D)は、水を意図的に調整した反応液{(A)、(B)、及び(C)の混合液}にフッ素化アルキルスルホン酸無水物を反応させることで調整しても良い。フッ素化アルキルスルホン酸無水物としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ペンタフルオロエチルスルホン酸無水物、ノナフルオロブタンスルホン酸無水物、及びペルフルオロオクタンスルホン酸無水物等が挙げられる。
フッ素化アルキルスルホン酸(D)は、水を意図的に調整した反応液{(A)、(B)、及び(C)の混合液}にフッ素化アルキルスルホン酸無水物を反応させることで調整しても良い。フッ素化アルキルスルホン酸無水物としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ペンタフルオロエチルスルホン酸無水物、ノナフルオロブタンスルホン酸無水物、及びペルフルオロオクタンスルホン酸無水物等が挙げられる。
これらフッ素化アルキルスルホン酸(D)のうち、入手のし易さの観点から、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエチルスルホン酸、ヘプタフルオロプロピルスルホン酸、及びノナフルオロブタンスルホン酸、さらに好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸、及びノナフルオロブタンスルホン酸である。
フッ素化アルキルスルホン酸(D)は、副反応の抑制とスルホニウム化の反応性の観点から、フッ素含有スルホキシド化合物(A)に対し、0.1~5.0等量使用することが好ましく、0.3~2.0等量使用することがさらに好ましく、0.5~1.5等量使用することが特に好ましい。
脱水剤(E)は、フッ素含有スルホキシド化合物(A)と芳香族化合物(B)とを反応させ、トリフェニルスルホニウムカチオンにするための必須成分である。脱水剤(E)としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ペンタフルオロエチルスルホン酸無水物、ノナフルオロブタンスルホン酸無水物、ペルフルオロオクタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、ベンゼンスルホン酸無水物、p-トルエンスルホン酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、ヘプタフルオロ酪酸無水物、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、五酸化二リン(P2O5)、及び塩化アルミニウム(AlCl3)等が挙げられる。
これら脱水剤(E)のうち、反応性の観点、入手性の観点から、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物、ペンタフルオロエチルスルホン酸無水物、ノナフルオロブタンスルホン酸無水物、五酸化二リン、及び塩化アルミニウム、さらに好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物、五酸化二リンである。
脱水剤(E)のフッ素含有スルホキシド化合物(A)に対する割合は、フッ素含有スルホキシド化合物(A)を100mol%とした時、30~1000mol%が好ましく、50~500mol%がさらに好ましく、70~300mol%が特に好ましい。
スルホニウム塩(S)の製造は、例えば、フッ素含有スルホキシド化合物(A)を芳香族化合物(B)と塩素系溶剤(C)に溶解し、次いでフッ素化アルキルスルホン酸(D)を投入した後に、脱水剤(E)を滴下投入することで行う。反応させる温度は、副反応抑制の観点、及び反応性の観点から、-50℃~50℃が好ましく、-30~40℃がさらに好ましく、-20~30℃が特に好ましい。
製造されるスルホニウム塩(S)中のR1、R2、p、qはフッ素含有スルホキシド化合物(A)と同様で、R1及びR2はそれぞれ独立にフッ素原子、又はフッ素化アルキル基を表し、p、qはそれぞれ独立に1~3の整数を表す。またR3、rは芳香族化合物(B)の構成する官能基からなり、R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、水酸基、ハロゲン原子、又はアルコキシ基を表し、rは0~5の整数を表す。
スルホニウム塩(S)中のX-はフッ素原子含有スルホン酸アニオンを表し、フッ素化アルキルスルホン酸(D)のアニオン、又は脱水剤(E)にフッ素含有アルキルスルホン酸無水物を使用した場合はその分解物アニオンになる。X-としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエチルスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、及びペルフルオロオクタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。
スルホニウム塩(S)は、そのまま光酸発生剤(P)として使用することができる。また、アニオン(X-)を塩交換により別のアニオンに変更して光酸発生剤(P)として使用しても良い。別のアニオンとしては、SbF6
-、PF6
-、BF4
-、(CF3CF2)3PF3
-、(CF3CF2)2PF4
-、(CF3CF2)PF5
-、(C6F5)4B-、{(CF3)2C6H3}4B-、(C6F5)4Ga-、{(CF3)2C6H3}4Ga-、(CF3SO2)3C-、(CF3SO2)2N-、(C4F9SO2)2N- 、及び別のスルホン酸アニオン等が挙げられる。
別のスルホン酸アニオンとしてはp-トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン,エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン及び下記一般式(4)で表されるスルホン酸アニオンなどが挙げられる。
別のスルホン酸アニオンとしてはp-トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン,エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン及び下記一般式(4)で表されるスルホン酸アニオンなどが挙げられる。
[式(4)中、Raは炭素数1~18の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であり(その水素の一部又は全部がフッ素で置換されていてもよく、そのメチレン鎖の一部が-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-S-、-SO-、-SO2-基で置換されていてもよく、ビシクロ構造又はスピロ構造を形成していてもよい)、Rb及びRcはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子又は炭素数1~4のフルオロアルキル基であり、Zは単結合又は、炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である(その水素の一部又は全部がフッ素で置換されていてもよく、そのメチレン鎖の一部が-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-S-、-SO-、-SO2-基で置換されていてもよい)。]
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)の合成
1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5g(0.50モル)、マグネシウム13.4g(0.55モル)、テトラヒドロフラン500gを用いて常法により調整した3,5-ジフルオロフェニルマグネシウムブロマイドのテトラヒドロフラン溶液を、塩化チオニル28.6g(0.24モル)をテトラヒドロフラン50gに希釈した溶液に、系内温度が-5℃を超えない範囲で滴下した。滴下終了後室温で1時間反応を継続し反応を完結させた。
この反応溶液をイオン交換水800gに15℃を超えないように加え、1時間攪拌した。その後、酢酸エチル400gを投入し1時間攪拌した後、静置分液し水層を除去した。次いで有機層をイオン交換水300gで3回洗浄した後、有機層を脱溶剤した。得られた茶色の残渣をシクロヘキサンで再結晶することで、ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)30.0gを得た。
ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)の合成
1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5g(0.50モル)、マグネシウム13.4g(0.55モル)、テトラヒドロフラン500gを用いて常法により調整した3,5-ジフルオロフェニルマグネシウムブロマイドのテトラヒドロフラン溶液を、塩化チオニル28.6g(0.24モル)をテトラヒドロフラン50gに希釈した溶液に、系内温度が-5℃を超えない範囲で滴下した。滴下終了後室温で1時間反応を継続し反応を完結させた。
この反応溶液をイオン交換水800gに15℃を超えないように加え、1時間攪拌した。その後、酢酸エチル400gを投入し1時間攪拌した後、静置分液し水層を除去した。次いで有機層をイオン交換水300gで3回洗浄した後、有機層を脱溶剤した。得られた茶色の残渣をシクロヘキサンで再結晶することで、ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)30.0gを得た。
製造例2
ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-2)の合成
製造例1の1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5gを1-ブロモ-3-トリフルオロメチルベンゼン112.5g(0.50モル)に変更した以外は、製造例1と同様の方法で、ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-2)38.6gを得た。
ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-2)の合成
製造例1の1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5gを1-ブロモ-3-トリフルオロメチルベンゼン112.5g(0.50モル)に変更した以外は、製造例1と同様の方法で、ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-2)38.6gを得た。
製造例3
ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-3)の合成
製造例1の1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5gを1-ブロモ-2-トリフルオロメチルベンゼン112.5g(0.5モル)に変更した以外は、製造例1と同様の方法で、ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-3)36.0gを得た。
ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-3)の合成
製造例1の1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン96.5gを1-ブロモ-2-トリフルオロメチルベンゼン112.5g(0.5モル)に変更した以外は、製造例1と同様の方法で、ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-3)36.0gを得た。
実施例1
製造例1で合成したビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)6.86g(0.025モル)をベンゼン100g、及びジクロロメタン10gに溶解させ、5℃以下に冷却後、トリフルオロメタンスルホン酸3.75g(0.025モル)を投入した。ついで5℃以下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物8.46g(0.030モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後室温で12時間反応を継続し反応を完結させた。ついでイオン交換水10gを加え1時間撹拌した後、メタノール100gを加え均一化し、本発明の製造法で作成したスルホニウム塩(S-1)の反応液(S1-1)を得た。この時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は97 % であった。
ついでイオン交換水100gを加え、1時間攪拌した後、有機層を除去した。残った水層を液量が半分になるまで濃縮後、ジクロロメタン100gを加え抽出し、水層を除去した。さらにジクロロメタン層をイオン交換水50gで3回洗浄した。このジクロロメタン層を脱溶剤し、結晶が析出してきたところで、メチル-tert-ブチルエーテル150gを加え、白色の結晶を析出させた。この結晶をろ過して分取し、減圧乾燥することにより、[ビス(3,5-ジフルオロフェニル)]フェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート(S-1)を得た。
製造例1で合成したビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)6.86g(0.025モル)をベンゼン100g、及びジクロロメタン10gに溶解させ、5℃以下に冷却後、トリフルオロメタンスルホン酸3.75g(0.025モル)を投入した。ついで5℃以下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物8.46g(0.030モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後室温で12時間反応を継続し反応を完結させた。ついでイオン交換水10gを加え1時間撹拌した後、メタノール100gを加え均一化し、本発明の製造法で作成したスルホニウム塩(S-1)の反応液(S1-1)を得た。この時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は97 % であった。
ついでイオン交換水100gを加え、1時間攪拌した後、有機層を除去した。残った水層を液量が半分になるまで濃縮後、ジクロロメタン100gを加え抽出し、水層を除去した。さらにジクロロメタン層をイオン交換水50gで3回洗浄した。このジクロロメタン層を脱溶剤し、結晶が析出してきたところで、メチル-tert-ブチルエーテル150gを加え、白色の結晶を析出させた。この結晶をろ過して分取し、減圧乾燥することにより、[ビス(3,5-ジフルオロフェニル)]フェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート(S-1)を得た。
実施例2
実施例1において、トリフルオロメタンスルホン酸3.75g(0.025モル)をノナフルオロブタンスルホン酸8.46g(0.025モル)に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-1)の反応液(S1-2)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は96 %であった。
実施例1において、トリフルオロメタンスルホン酸3.75g(0.025モル)をノナフルオロブタンスルホン酸8.46g(0.025モル)に変更した以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-1)の反応液(S1-2)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は96 %であった。
実施例3
実施例1において、ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)6.86gを製造例2で製造したビス(3-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-2)8.46gに、ベンゼンをp-キシレンに、ジクロロメタンをクロロホルムとした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-1)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は93 %であった。また[ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)](1,4-ジメチルフェニル)スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート(S-2)を得た。
実施例1において、ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)6.86gを製造例2で製造したビス(3-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-2)8.46gに、ベンゼンをp-キシレンに、ジクロロメタンをクロロホルムとした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-1)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は93 %であった。また[ビス(3-トリフルオロメチルフェニル)](1,4-ジメチルフェニル)スルホニウム トリフルオロメタンスルホネート(S-2)を得た。
実施例4
実施例2において、トリフルオロメタンスルホン酸無水物8.46g(0.025モル)を五酸化二リン7.60g(0.050モル)に変更以外は、実施例2と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-2)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は98 %であった。
実施例2において、トリフルオロメタンスルホン酸無水物8.46g(0.025モル)を五酸化二リン7.60g(0.050モル)に変更以外は、実施例2と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-2)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は98 %であった。
実施例5
実施例1において、ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)6.86gを製造例3で製造したビス(2-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-3)8.46gとした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-1)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-3)への転化率は90%であった。また、[ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)]フェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート(S-3)を得た。
実施例1において、ビス(3,5-ジフルオロフェニル)スルホキシド(A-1)6.86gを製造例3で製造したビス(2-トリフルオロメチルフェニル)スルホキシド(A-3)8.46gとした以外は、実施例1と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-1)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-3)への転化率は90%であった。また、[ビス(2-トリフルオロメチルフェニル)]フェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート(S-3)を得た。
実施例6
実施例4において、トリフルオロメタンスルホン酸無水物8.46g(0.025モル)を五酸化二リン7.60g(0.050モル)に変更以外は、実施例4と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-2)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-3)への転化率は92%であった。
実施例4において、トリフルオロメタンスルホン酸無水物8.46g(0.025モル)を五酸化二リン7.60g(0.050モル)に変更以外は、実施例4と同様な操作を行い、本発明の製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-2)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-3)への転化率は92%であった。
比較例1
実施例1において、ジクロロメタン、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-1)の反応液(S1-1’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は82%であった。
実施例1において、ジクロロメタン、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-1)の反応液(S1-1’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は82%であった。
比較例2
実施例1において、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-1)の反応液(S1-2’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は78%であった。
実施例1において、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-1)の反応液(S1-2’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は78%であった。
比較例3
実施例1において、ジクロロメタンを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-1)の反応液(P1-3’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は10%であった。
実施例1において、ジクロロメタンを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-1)の反応液(P1-3’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-1)への転化率は10%であった。
比較例4
実施例2において、クロロホルム、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-1’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は77%であった。
実施例2において、クロロホルム、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-1’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は77%であった。
比較例5
実施例2において、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-2’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は72%であった。
実施例2において、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-2’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は72%であった。
比較例6
実施例2において、クロロホルムを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-3’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は7%であった。
実施例2において、クロロホルムを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-2)の反応液(S2-3’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-2)への転化率は7%であった。
比較例7
実施例3において、ジクロロメタン、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-1’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(P-3)への転化率は54%であった。
実施例3において、ジクロロメタン、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-1’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(P-3)への転化率は54%であった。
比較例8
実施例3において、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-2’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-3)への転化率は48%であった。
実施例3において、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-2’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-3)への転化率は48%であった。
比較例9
実施例3において、ジクロロメタンを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-3’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-3)への転化率は2%であった。
実施例3において、ジクロロメタンを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較製造法で製造したスルホニウム塩(S-3)の反応液(S3-3’)を得た。反応後の時点で目的のスルホニウム塩(S-3)への転化率は2%であった。
以下に示す方法で、目的PAG率(目的物のスルホニウム塩(S)への転化率)、副生PAG率(副反応で生じたスルホニウム塩の生成割合)、残存スルホキシド率(未反応のフッ素含有スルホキシド化合物(A)の割合)、副生スルフィド率(副反応で生じたフッ素含有スルホキシド化合物(A)の還元されたスルフィドの生成割合)を測定・評価した。
スルホニウム塩(S)の反応液をメタノールで10倍に希釈した後、液体クロマトグラフィー(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、254nmの波長の面積比から、より、光酸発生剤の目的PAG率、副生PAG率、残存スルホキシド率、副生スルフィド率を算出した。
目的PAG率(%)= S0/(S0+S1+S2+S3)×100
副生PAG率(%)= S1/(S0+S1+S2+S3)×100
残存スルホキシド率(%)= S2/(S0+S1+S2+S3)×100
副生スルフィド率(%)= S3/(S0+S1+S2+S3)×100
S0: 目的物のスルホニウム塩(S)のLCピーク面積
S1: 副生成したスルホニウム塩のLCピーク面積
S2: 未反応のフッ素含有スルホキシド化合物(A)のLCピーク面積
S3: 副反応で生じたフッ素含有スルホキシド化合物(A)の還元されたスルフィドのLCピーク面積
目的PAG率(%)= S0/(S0+S1+S2+S3)×100
副生PAG率(%)= S1/(S0+S1+S2+S3)×100
残存スルホキシド率(%)= S2/(S0+S1+S2+S3)×100
副生スルフィド率(%)= S3/(S0+S1+S2+S3)×100
S0: 目的物のスルホニウム塩(S)のLCピーク面積
S1: 副生成したスルホニウム塩のLCピーク面積
S2: 未反応のフッ素含有スルホキシド化合物(A)のLCピーク面積
S3: 副反応で生じたフッ素含有スルホキシド化合物(A)の還元されたスルフィドのLCピーク面積
実施例1~5で作成した本発明の製造法で製造した反応液(S1-1)~(S3-2)、及び比較例1~9で作成した比較のための製造法で製造した反応液(S1-1’)~(S3-3’)の、目的PAG率、副生PAG率、残存スルホキシド率、副生スルフィド率を前述した方法で測定した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、塩素系溶剤(C)、フッ素化アルキルスルホン酸(D)の存在下、脱水剤(E)を反応させる本発明の製造法で製造した反応液(S1-1)~(S1-2)、(S2-1)~(S2-2)、及び(S3-1)~(S3-2)では、副生PAG率、及び副生スルフィドの比率が低く、かつ残存スルホキシド率が低いため目的物のスルホニウム塩(S)への転化率(目的PAG率)が高いことがわかる。
一方、フッ素化アルキルスルホン酸(D)を含まない製造法で作成した反応液(S1-2’)、(S2-2’)、及び(S3-2’)では、副生PAG率、副生スルフィド率が高く、かつ残存スルホキシド率が高いため、目的物のスルホニウム塩(S)への転化率が低いことがわかる。また、塩素系溶媒(C)を含まない製造法で作成した反応液(S1-3’)、(S2-3’)、及び(S3-3’)では、反応液が不均一系となるため、残存スルホキシド率が非常に高く反応が進んでいないことがわかる。塩素系溶剤(C)、フッ素化アルキルスルホン酸(D)のいずれも含まない製造法で作成した反応液(P1-1’)、(P2-1’)、及び(P3-1’)では、副生PAG率、残存スルホキシド率が高くなるため、目的物のスルホニウム塩(S)への転化率が低いことがわかる。
一方、フッ素化アルキルスルホン酸(D)を含まない製造法で作成した反応液(S1-2’)、(S2-2’)、及び(S3-2’)では、副生PAG率、副生スルフィド率が高く、かつ残存スルホキシド率が高いため、目的物のスルホニウム塩(S)への転化率が低いことがわかる。また、塩素系溶媒(C)を含まない製造法で作成した反応液(S1-3’)、(S2-3’)、及び(S3-3’)では、反応液が不均一系となるため、残存スルホキシド率が非常に高く反応が進んでいないことがわかる。塩素系溶剤(C)、フッ素化アルキルスルホン酸(D)のいずれも含まない製造法で作成した反応液(P1-1’)、(P2-1’)、及び(P3-1’)では、副生PAG率、残存スルホキシド率が高くなるため、目的物のスルホニウム塩(S)への転化率が低いことがわかる。
本発明の製造法は、副反応が少なく、反応率を高くできるため目的のスルホニウム塩(S)の生成収率が優れており、トリフェニルスルホニウムカチオン部分にフッ素原子、フッ素化アルキル基を導入した光酸発生剤(P)の製造方法として有用である。
Claims (5)
- 一般式(1)で表されるフッ素含有スルホキシド化合物(A)と芳香族化合物(B)を、塩素系溶剤(C)及びフッ素化アルキルスルホン酸(D)の存在下で、脱水剤(E)を反応させることを特徴とする、一般式(2)で表されるスルホニウム塩(S)の製造方法。
- 脱水剤(E)が、フッ素化アルキルスルホン酸無水物又は五酸化二リンである請求項1に記載の製造方法。
- フッ素化アルキルスルホン酸(D)が、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエチルスルホン酸、ヘプタフルオロプロピルスルホン酸、及びノナフルオロブタンスルホン酸である請求項1又は2に記載の製造方法。
- フッ素化アルキルスルホン酸(D)が、スルホキシド化合物(A)に対し、0.3等量以上、2.0等量以下である請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
- スルホニウム塩(S)が光酸発生剤(P)として用いられる請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
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CN115784953A (zh) * | 2023-01-29 | 2023-03-14 | 天津市科莱博瑞科技有限公司 | 一种用于制备正型抗蚀剂的化合物及其制备方法 |
-
2021
- 2021-02-18 JP JP2021023929A patent/JP2022126072A/ja active Pending
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