JP6530957B2 - レジスト組成物、スルホン酸誘導体、該スルホン酸誘導体の製造方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

レジスト組成物、スルホン酸誘導体、該スルホン酸誘導体の製造方法及びデバイスの製造方法 Download PDF

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本発明のいくつかの態様は、化学増幅型フォトレジスト組成物用光酸発生剤として有用なスルホン酸誘導体に関する。また、本発明のいくつかの態様は、ディープUV、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、Fエキシマレーザ光、電子線、X線又はEUV(極端紫外線)等の活性エネルギー線の照射により容易に分解して酸を発生する光酸発生剤を含有するレジスト組成物に関する。
半導体デバイス、例えば、DRAM等に代表される高集積回路素子では、一層の高密度化、高集積化、あるいは高速化の要望が高い。それに伴い、各種電子デバイス製造分野では、ハーフミクロンオーダーの微細加工技術の確立、例えば、微細パターン形成のためのフォトリソグラフィ技術開発に対する要求がますます厳しくなっている。フォトリソグラフィ技術において微細パターンを形成するためには、解像度を向上させる必要がある。ここで、縮小投影露光装置の解像度(R)は、レイリーの式R=k・λ/NA(ここでλは露光光の波長、NAはレンズの開口数、kはプロセスファクター)で表されるため、レジストのパターン形成の際に用いる活性エネルギー線(露光光)の波長λを短波長化することにより解像度を向上させることができる。
短波長に適したフォトレジストとして、化学増幅型のものが提案されている。化学増幅型フォトレジストの特徴は、露光光の照射により含有成分である光酸発生剤からプロトン酸が発生し、このプロトン酸が露光後の加熱処理によりレジスト化合物等と酸触媒反応を起こすことである。現在開発されているフォトレジストの大半は、化学増幅型である。
この光酸発生剤から露光時に発生する酸は、アルカンスルホン酸や部分又は完全にフッ素化されたアルカンスルホン酸等が用いられている。
アルカンスルホン酸を発生する光酸発生剤は、一般に発生する酸の強度が弱い。そのため、例えば、現像液としてアルカリ現像液を用いる場合のポジ型の化学増幅型レジストに用いられる化合物には、脱保護しやすい保護基を導入して微細化の検討が行われている。脱保護しやすい保護基を用いるために、カンファースルホン酸等の分子が大きく、酸拡散長の小さいスルホン酸が有効なスルホン酸として用いられてきた。しかしながら酸拡散長の小さいスルホン酸を用いることで多くの発生酸量を必要とし、結果として露光量が多くなり、生産性が低下するという問題がある。
完全にフッ素化されたアルカンスルホン酸を発生する光酸発生剤は、脱保護しにくい保護基の脱保護反応に対して十分な酸強度を有し、その多くが実用化されている。しかしながら酸強度が強すぎることで、化合物の溶解コントラストを変換する保護基の脱離反応において予期しない反応が起こってしまい、現像後又はレジストの剥離時において異物が生じてしまう問題がある。また、疎水性、親油性に由来する生体濃縮性等の問題がある。
上記課題を解決するため、アルカンスルホン酸のアルキル基を部分的に電子吸引基であるフッ素原子、ニトロ基等に置き換えた中程度の酸強度を持つ公知のスルホン酸を用いて解決したことが特許文献1、特許文献2で報告されている。また、メタンスルホン酸のα炭素原子にアルキル基類及びパーフルオロアルキル基が導入されたスルホン酸を発生する化合物が特許文献3に報告されている。
特開平10−7650号公報 特開2008−7410号公報 特開2003−327572号公報
光酸発生剤は、酸強度はある程度高い方が好ましいが、一方で、微細なパターニングには酸拡散長が小さい方が好ましい。一般的に酸強度が高いと酸拡散長は大きい傾向があり、両者はトレードオフの関係にあるが、強い酸強度及び適度に小さい酸拡散長の両方を満たすことが求められている。上記特許文献1〜3に記載の光酸発生剤は、適度な酸拡散長という点で課題がある。
本発明のいくつかの態様は、このような事情に鑑み、発生する酸が十分な酸の強度をもち且つ酸拡散長が適度に小さく、光酸発生剤として用いた場合にリソグラフィにおける微細解像性に優れ微細パターンにおけるLWR(Line width roughness)を低減可能なスルホン酸誘導体を含む光酸発生剤と酸により反応する化合物とを含有するレジスト組成物、該スルホン酸誘導体、及び、その製造方法を提供することを課題とする。また、上記レジスト組成物を用いたデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
なお、本発明者等は、本発明に先立ち、異物を生じず且つ発生する酸が十分な酸の強度をもち、レジスト組成物材料に用いられる光酸発生剤及び光発生酸として好適なスルホン酸誘導体を提案している(国際公開WO2011/093139号公報)。本発明は、国際公開WO2011/093139号公報に記載される発明の改良発明であり、リソグラフィにおける解像性に優れ、且つ、微細パターンにおけるLWR(Line width roughness)をさらに低減可能なスルホン酸誘導体を含む光酸発生剤と、酸により反応する化合物と、を含有するレジスト組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の一つの態様は、下記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を含む光酸発生剤と、酸により反応する化合物と、を含有するレジスト組成物である。
(上記式(1)において、Rは炭素数1〜30の1価の有機基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、Xは直接結合又は2価の連結基を示し、Mは対カチオンを示す。)
本発明の他の一つの態様は、上記スルホン酸誘導体である。
本発明の他の一つの態様は、下記一般式(2)で表されるヒドロキシ基含有スルホン酸化合物とクロロスルホニルイソシアナートとを反応させて、下記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体を得る工程と、
(上記式(2)において、Mは上記式(1)中のMと同一の対カチオンである。)
(上記式(3)において、Rは水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基であり、Mは上記式(1)中のMと同一の対カチオンである。)
上記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体と、RZ(該式において、上記式(1)におけるXが直接結合のとき、Rは上記式(1)で表されるRと同一のRを有するカルボアニオンであり且つZは金属陽イオンであり;上記式(1)におけるXが2価の連結基のとき、Rは上記式(1)で表されるRと同一であり且つZはXHである。)で表される化合物と、を反応させて、上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を得る工程と、を有する上記スルホン酸誘導体の製造方法である。
本発明の他の一つの態様は、上記レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、活性エネルギー線を用いて、上記レジスト膜をパターン状に露光するフォトリソグラフィ工程と、露光されたレジスト膜を現像してフォトレジストパターンを得るパターン形成工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明の一つの態様のスルホン酸誘導体を含む光酸発生剤と酸により反応する化合物とを含有するレジスト組成物は、活性エネルギー線の照射により十分な酸強度を有する酸を発生し、且つ、酸拡散長が適度に小さい効果を有する。また、本発明の一つの態様のレジスト組成物は、リソグラフィにおける解像性に優れ、且つ、微細パターンにおけるLWR(Line width roughness)を低減できる効果を有する。
以下、本発明について詳細に説明する。
<1>スルホン酸誘導体
本発明の一つの態様のスルホン酸誘導体は、上記一般式(1)で表される。なお、スルホン酸誘導体とはスルホン酸及びその塩をいう。また、本発明の上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体は、光学活性でも不活性でもよい。
本発明の一つの態様のスルホン酸誘導体は、上記一般式(1)で示されるように、α位の全部とβ位を部分的にフッ素置換した特定の構造を有し、且つ、スルホニル基(−SO−)とカルバメート基(−N(R)−COO−)とを有する化合物である。上記構成により、レジスト組成物の光酸発生剤として用いた場合、活性エネルギー線の照射により十分な酸強度を有する酸を発生するとともに、適度な酸拡散長を有し、リソグラフィにおける解像性に優れ、且つ、微細パターンにおけるLWR(Line width roughness)を低減できる。特に、スルホニル基(−SO−)とカルバメート基(−N(R)−COO−)とを有することで、該スルホン酸誘導体を光酸発生剤として、例えばアクリレート構造又はヒドロキシル基等を有するベースポリマーと共に用いた場合、ベースポリマーとスルホン酸誘導体との水素結合等の相互作用により酸拡散長が小さくなる効果を有する。
上記一般式(1)のRは、炭素数1〜30の1価の有機基を示す。Rの有機基は置換基を有していてもよい。
上記Rは、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素基;炭素数1〜30の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む炭素数1〜30の脂肪族複素環基又は芳香族複素環基;から選ばれるいずれかの1価の基であることが好ましい。
なお、Rが置換基を有している場合、その置換基の炭素数も含めて、炭素数1〜30であることが好ましく、炭素数6〜30であることがより好ましく、炭素数10〜28であることがさらに好ましい。
上記置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルコキシ基(−OR)、アシル基(−COR)、アルコキシカルボニル基(−COOR)、アリール基(−Ar)、アリーロキシ基(−OAr)、アミノ基、アルキルアミノ基(−NHR)、ジアルキルアミノ基(−N(R)、アリールアミノ基(−NHAr)、ジアリールアミノ基(−N(Ar)、N−アルキル−N−アリールアミノ基(−NRAr)ホスフィノ基、シリル基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基(−Si−(R)、該トリアルキルシリル基のアルキル基の少なくとも1つがArで置換されたシリル基、アルキルチオ基(−SR)、アリールチオ基(−SAr)及びチエニル基等を挙げることができるが、これらに制限されない。
上記Rは、炭素数1以上のアルキル基であることが好ましい。炭素数1以上のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基及びn−デシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、2−エチルエキシル基等の分岐状アルキル基;これらの水素の1つがトリメチルシリル基、トリエチルシリル基及びジメチルエチルシリル基等のトリアルキルシリル基で置換されたシリル基置換アルキル基;これらの水素原子の少なくとも1つがシアノ基又はハロゲン基等で置換されたアルキル基;等が好ましく挙げられる。
上記置換基におけるArは、アリール基であることが好ましい。上記Arのアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クアテルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ペンタレニル基、インデニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、ヘプタレニル基、ナフタセニル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基、フラニル基、チエニル基、ピラニル基、チオピラニル基、ピロリル基、イミダゾイル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾイル基、及びピリジル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾフラニル基、イソクロメニル基、クロメニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾイル基、キサンテニル基、アクアジニル基及びカルバゾイル基等が好ましく挙げられる。
上記一般式(1)のRの非置換の直鎖状又は分岐状の1価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、n−オクチル基、i−オクチル基、2−エチルヘキシル基及びn−ドデシル基等のアルキル基;
該アルキル基の炭素−炭素一重結合の少なくとも1つが、炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合に置換されたアルケニル基又はアルキニル基;等を挙げることができる。
上記一般式(1)のRの非置換の環状の1価の脂肪族炭化水素基としては、単環脂肪族炭化水素基、スピロ環脂肪族炭化水素基、橋かけ環脂肪族炭化水素基、縮合多環脂肪族炭化水素基、及び、これらのうち少なくとも2つ以上の基が直接に一重結合で又は二重結合を含む連結基で結合された連結多環脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
上記単環脂肪族炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記スピロ環脂肪族炭化水素基としては、スピロ[3,4]オクタン及びスピロビシクロペンタン等が挙げられる。
上記橋かけ環脂肪族炭化水素基としては、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン及びアダマンタン等の2環以上の単環炭化水素が橋かけとなる骨格を有するもの等が挙げられる。
上記縮合多環脂肪族炭化水素基としては、デカリン及び下記に示すステロイド骨格等を有する基が挙げられる。
上記連結多環脂肪族炭化水素基としては、ビシクロヘキサン骨格等を有する基が挙げられる。
上記1価の環状の脂肪族炭化水素基は、炭素−炭素一重結合の少なくとも1つが炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合に置換された基であってもよい。
上記一般式(1)のRの置換基を有する直鎖状、分岐状又は環状の1価の脂肪族炭化水素基としては、上記例示の非置換の1価の脂肪族炭化水素基が上述の置換基を有したものであり、具体的に例えば、ベンジル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−フルオロプロピル基、トリフルオロアセチルメチル基、トリクロロアセチルメチル基、ペンタフルオロベンゾイルメチル基、アミノメチル基、シクロヘキシルアミノメチル基、ジフェニルホスフィノメチル基、トリメチルシリルメチル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基及び2−アミノエチル基等を挙げることができる。
上記一般式(1)のRの1価の芳香族炭化水素基としては、単環芳香族炭化水素基、該単環芳香族炭化水素が少なくとも2環縮合した縮合多環芳香族炭化水素基、及び、該単環芳香族炭化水素の少なくとも2つが直接に一重結合で又は二重結合を含む連結基で結合された連結多環芳香族炭化水素基等を挙げることができる。これら芳香族炭化水素基は、上記置換基を有していてもよい。
上記単環芳香族炭化水素基としては、シクロペンテン及びベンゼン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記縮合多環芳香族炭化水素基としては、インデン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン及びフルオレン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記連結多環芳香族炭化水素基としては、ビフェニル、ターフェニル及びスチルベン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記一般式(1)のRの1価の脂肪族複素環基としては、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−、−SO−及び−SO−等からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含むものであり、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びキヌクリジン等の骨格を有する基が挙げることができる。またそれ以外に、上記の環状の脂肪族炭化水素基の中の炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子で置換されたものを挙げることができる。これら脂肪族複素環基は、上記置換基を有していてもよい。
また、上記1価の脂肪族複素環基は、炭素−炭素一重結合、又は、炭素と炭素以外の原子(ヘテロ原子)との一重結合の少なくとも1つが、二重結合又は三重結合に置換された基であってもよい。
上記一般式(1)のRの1価の芳香族複素環基としては、単環芳香族複素環基;該単環芳香族複素環の少なくとも1つが上記芳香族炭化水素基又は脂肪族複素環基等と縮合した縮合多環芳香族複素環基;及び該単環芳香族複素環の少なくとも1つと上記芳香族炭化水素基又は脂肪族複素環基等とが直接に一重結合で又は二重結合を含む連結基で結合された連結多環芳香族複素環基等を挙げることができる。これら芳香族複素環基は、上記置換基を有していてもよい。
上記単環芳香族複素環基としては、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラン、ピリジン、ピリミジン及びピラジン等の骨格を有する基が挙げられる。
縮合多環芳香族複素環基としては、インドール、プリン、キノリン、イソキノリン、クロメン、チアントレン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン及びカルバゾール等の骨格を有する基が挙げられる。
上記連結多環芳香族複素環基としては、4−フェニルピリジン、9−フェニルアクリジン、バトフェナントロリン等が挙げられる。
上記一般式(1)中のXは、直接結合又は2価の連結基である。上記Xの2価の連結基としては、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−及び−CO−O−CH−CO−O−等からなる群より選ばれるいずれかの基が挙げられる。上記一般式(1)中のXとして好ましくは、−O−、−NH−及び−S−等が挙げられる。
上記Rとしては、1価の環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの多環基が酸拡散長の低減の点から好ましい。より好ましくは、スピロ環脂肪族炭化水素基、縮合多環脂肪族炭化水素基、連結多環脂肪族炭化水素基、縮合多環芳香族炭化水素基及び連結多環芳香族炭化水素基等である。
上記式(1)中のRの具体例として、例えば、下記に示される構造が例示できる。なお、下記構造式において、「*」は上記式(1)の「−SO−N(R)−COO−CHCHCFHCFSO 」を示している。すわなち、下記構造式は、R−X−の構造を示す。
なお、下記構造中、立体位置は以下に限定されない。
上記式(1)中のRの具体例の中で、アダマンタン骨格を有するもの及び上記ステロイド骨格を有するもの等が、酸拡散長低減の点から好ましい。
上記式(1)中のRとしては、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基が挙げられる。上記Rの炭素数1〜30の1価の有機基としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
の脂肪族炭化水素基は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−及び−CO−O−CH−CO−O−等からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を脂肪族炭化水素基中に有していてもよい。また、Rの脂肪族炭化水素基が有する水素の一部がフッ素原子、塩素原子等のハロゲンで置換されていてもよい。Rの脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては上記Rの置換基と同様のものが挙げられる。
上記式(1)中のRの具体例として、例えば、下記に示される構造が例示できる。下記式中、「**」はカルバメート基のNに結合する部位である。
スルホン酸と塩を形成するカチオンM+としては、具体的には、水素イオン、金属イオン及びオニウムイオン等を挙げることができる。
カチオンM+の金属イオンとして具体的には、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等の第1属元素による一価の陽イオン、マグネシウムイオン(II)、カルシウムイオン(II)等の第2属元素による二価の陽イオン、鉄イオン(II)、鉄イオン(III)、銅イオン(I)、銅イオン(II)、ニッケルイオン(II)、ニッケルイオン(III)等の遷移金属イオン、鉛イオン(II)等の重金属イオンが挙げられ、これら金属イオンが配位子と錯体を形成していてもよい。
また、カチオンMのオニウムイオンとしては、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、リン原子等により構成されるオニウム塩の陽イオンが挙げられる。具体的には、例えば、アンモニウムイオン、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、フェニルアンモニウムイオン、ジフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオン、ジメチルフェニルアンモニウムイオン、トリメチルフェニルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、フルオロピリジニウムイオン、クロロピリジニウムイオン、ブロモピリジニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、キノリニウムイオン等の窒素原子により構成されるオニウム塩の陽イオン、トリメチルスルホニウムイオン、トリブチルスルホニウムイオン、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムイオン、ビス(2−オキソシクロヘキシル)メチルスルホニウムイオン、(10−カンフェノイル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムイオン、(2−ノルボルニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムイオン、トリフェニルスルホニウムイオン、ジフェニルトリルスルホニウムイオン、ジフェニルキシリルスルホニウムイオン、メシチルジフェニルスルホニウムイオン、(t−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(オクチルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(シクロヘキシルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、ビフェニルジフェニルスルホニウムイオン、(ヒドロキシメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(メトキシメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(アセチルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(ベンゾイルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(ヒドロキシカルボニルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(メトキシカルボニルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(トリフルオロメチルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(クロロフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(ブロモフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(ヨードフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、ペンタフルオロフェニルジフェニルスルホニウムイオン、(ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(アセチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(ベンゾイルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(ジメチルカルバモイルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(アセチルアミドフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、フェニルジトリルスルホニウムイオン、フェニルジキシリルスルホニウムイオン、ジメシチルフェニルスルホニウムイオン、ビス(t−ブチルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(オクチルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(シクロヘキシルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ジビフェニルフェニルスルホニウムイオン、ビス(ヒドロキシメチルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(メトキシメチルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(アセチルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(ベンゾイルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(ヒドロキシカルボニルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(メトキシカルボニルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(トリフルオロメチルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(フルオロフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(クロロフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(ブロモフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(ヨードフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ジペンタフルオロフェニルフェニルスルホニウムイオン、ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(メトキシフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(ブトキシフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(アセチルオキシフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(ベンゾイルオキシフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(ジメチルカルバモイルフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(アセチルアミドフェニル)フェニルスルホニウムイオン、トリストリルスルホニウムイオン、トリスキシリルスルホニウムイオン、トリスメシチルフェニルスルホニウムイオン、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(オクチルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(シクロヘキシルフェニル)スルホニウムイオン、トリビフェニルスルホニウムイオン、トリス(ヒドロキシメチルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(メトキシメチルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(アセチルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(ベンゾイルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(ヒドロキシカルボニルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(メトキシカルボニルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(トリフルオロメチルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(フルオロフェニル)スルホニウムイオン、トリス(クロロフェニル)スルホニウムイオン、トリス(ブロモフェニル)スルホニウムイオン、トリス(ヨードフェニル)スルホニウムイオン、ジペンタフルオロフェニルスルホニウムイオン、トリス(ヒドロキシフェニル)スルホニウムイオン、トリス(メトキシフェニル)スルホニウムイオン、トリス(ブトキシフェニル)スルホニウムイオン、トリス(アセチルオキシフェニル)スルホニウムイオン、トリス(ベンゾイルオキシフェニル)スルホニウムイオン、トリス(ジメチルカルバモイルフェニル)スルホニウムイオン、トリス(アセチルアミドフェニル)スルホニウムイオン、メチルジフェニルスルホニウムイオン、エチルジフェニルスルホニウムイオン、ブチルジフェニルスルホニウムイオン、ヘキシルジフェニルスルホニウムイオン、オクチルジフェニルスルホニウムイオン、シクロヘキシルジフェニルスルホニウムイオン、2−オキソシクロヘキシルジフェニルスルホニウムイオン、ノルボルニルジフェニルスルホニウムイオン、カンフェノイルジフェニルスルホニウムイオン、ピナノイルジフェニルスルホニウムイオン、ナフチルジフェニルスルホニウムイオン、アントラニルジフェニルスルホニウムイオン、ベンジルジフェニルスルホニウムイオン、トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムイオン、メトキシカルボニルメチルジフェニルスルホニウムイオン、ブトキシカルボニルメチルジフェニルスルホニウムイオン、ベンゾイルメチルジフェニルスルホニウムイオン、(メチルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(アセチルフェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、ジメチルフェニルスルホニウムイオン、ジエチルフェニルスルホニウムイオン、ジブチルフェニルスルホニウムイオン、ジヘキシルフェニルスルホニウムイオン、ジオクチルフェニルスルホニウムイオン、ジシクロヘキシルフェニルスルホニウムイオン、ビス(2−オキソシクロヘキシル)フェニルスルホニウムイオン、ジノルボルニルフェニルスルホニウムイオン、ジカンフェノイルフェニルスルホニウムイオン、ジピナノイルフェニルスルホニウムイオン、ジナフチルフェニルスルホニウムイオン、ジベンジルフェニルスルホニウムイオン、トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムイオン、ビス(メトキシカルボニルメチル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(ブトキシカルボニルメチル)フェニルスルホニウムイオン、ジベンゾイルメチルフェニルスルホニウムイオン、ビス(メチルチオフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(フェニルチオフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ビス(アセチルフェニルチオフェニル)フェニルスルホニウムイオン、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムイオン、ビス(2−オキソシクロヘキシル)メチルスルホニウムイオン、(10−カンフェノイル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムイオン、(2−ノルボルニル)メチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムイオン、トリメチルスルホニウムイオン、トリエチルスルホニウムイオン、トリブチルスルホニウムイオン、ジヘキシルメチルスルホニウムイオン、トリオクチルスルホニウムイオン、ジシクロヘキシルエチルスルホニウムイオン、メチルテトラヒドロチオフェニウムイオン、メチルテトラヒドロチオフェニウムイオン、トリフェニルオキソスルホニウムイオン、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビスイオン等の硫黄原子により構成されるオニウム塩の陽イオン、テトラフェニルホスホニウムイオン等のりん原子により構成されるオニウム塩の陽イオン等がある。ハロニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムイオン、ビス−(t−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオン、(メトキシフェニル)フェニルヨードニウムイオン、(ブトキシフェニル)フェニルヨードニウムイオン、トリフルオロエチルフェニルヨードニウムイオン、ペンタフルオロフェニルフェニルヨードニウムイオン等が挙げられ、好ましくは、スルホニウムイオン、ヨードニウムイオンである。
上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体は、α位の全部とβ位を部分的にフッ素置換した特定の構造を有する化合物なので、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2エキシマレーザ光、電子線、X線及びEUV等の活性エネルギー線の照射により効率よく分解し十分な酸強度を有する酸を発生する光酸発生剤として有用である。また、上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体はアニオン部にスルホニル基とカーバメート基とを有することにより酸拡散長が低減する効果を有する。そのため、レジスト組成物の光酸発生剤として用いた場合、リソグラフィにおける解像性に優れ、且つ、微細パターンにおけるLWR(Line width roughness)を低減できる効果を有する。
また、レジスト組成物の光酸発生剤として用いた場合、副反応が起こりにくく、アニオン部に極性の高いスルホニル基とカーバメート基とを有することからアルカリ現像液に対する親和性が高いため、現像後又はレジストの剥離時において異物が生じにくいという効果を有する。
ここで、上記特許文献2のスルホン酸誘導体はα位及びβ位の全部をフッ素で置換しフッ素を4つ有する化合物であるため、酸強度が強すぎるためか、酸拡散長が大きい傾向がある。なお、特許文献3においては、α位の全部とβ位を部分的にフッ素置換した本発明の上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体についての思想はない。さらに、特許文献2に記載された製造方法を元にして、例えば原料を変える等しても、本発明の一つの態様のスルホン酸誘導体を製造することはできない。また、α位等にフッ素を2つ有するスルホン酸誘導体では、酸強度が十分ではない。
さらに、一般的には、3つのフッ素原子を有するスルホン酸誘導体では、拡散長が適切でないという問題があるが、本発明の上記一般式(1)で表される特定の構造のスルホン酸誘導体とすることにより、十分な酸強度をもち、且つ、適切な酸拡散長を有するものとすることができる。
本発明においては、アルカリ現像液を用いる水系現像に限定されず、中性現像液を用いる水系現像、又は、有機溶剤現像液を用いる有機溶剤現像等でも適応可能である。
<2>レジスト組成物
本発明の一つの態様は、上記スルホン酸誘導体を含む光酸発生剤と、酸により反応する化合物と、を含有するレジスト組成物である。
本発明における光酸発生剤の一つの態様は、上記活性エネルギー線の照射により酸を放出する特性を有し、酸反応性有機物質に作用して分解や重合を引き起こすことができる。そのため、本発明の一つの態様のスルホン酸誘導体は、ポジ型及びネガ型のレジスト組成物の光酸発生剤として好ましく用いることができる。
上記酸により反応する化合物としては、酸により脱保護する保護基を有する化合物、酸により重合する重合性基を有する化合物、及び、酸により架橋作用を有する架橋剤等が挙げられる。
酸により脱保護する保護基を有する化合物とは、酸によって保護基が脱保護することにより現像液に対する溶解性が変化する化合物である。例えばアルカリ現像液等を用いる水系現像の場合、アルカリ現像液に対して不溶性であるが、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において保護基が脱保護することにより、アルカリ現像液に対して可溶となる化合物である。
本発明においては、アルカリ現像液に限定されず、中性現像液あるいは有機溶剤現像であってもよい。そのため、有機溶剤現像液を用いる場合は、酸により脱保護する保護基を有する化合物は、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において脱保護基が脱保護し、有機溶剤現像液に対して溶解性が低下する化合物である。
酸で脱保護する保護基の具体例としては、エステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニル基、シロキシ基及びベンジロキシ基等が挙げられる。該保護基を有する化合物として、これら保護基がペンダントしたスチレン骨格、メタクリレート又はアクリレート骨格を有する化合物等が好適に用いられる。
酸により重合する重合性基を有する化合物とは、酸によって重合性基が重合することにより現像液に対する溶解性が変化する化合物である。例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶であるが、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において該重合性基が重合して、水系現像液に対し溶解性が低下する化合物である。この場合においても、水系現像液に代えて有機溶剤現像液を用いてもよい。
酸により重合する重合性基としては、エポキシ基、アセタール基及びオキセタニル基等が挙げられる。該重合性基を有する化合物として、これらの重合性基を有するスチレン骨格、メタクリレート又はアクリレート骨格を有する化合物等が好適に用いられる。
酸により架橋作用を有する架橋剤とは、酸によって架橋することにより現像液に対する溶解性を変化させる化合物である。例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶である化合物に対して作用し、架橋後に該化合物を水系現像液に対して溶解性を低下させるものである。具体的には、エポキシ基、アセタール基及びオキセタニル基等を有する架橋剤が挙げられる。このとき、架橋する相手の化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
本発明の一つの態様であるレジスト組成物として、より具体的には下記が例示できる。
上記酸により脱保護する保護基を有する化合物と上記光酸発生剤とを含むレジスト組成物;上記酸により重合する重合性基を有する化合物と上記光酸発生剤とを含むレジスト組成物;酸により架橋作用を有する架橋剤と、該架橋剤と反応して現像液に対する溶解性が変化する化合物と、光酸発生剤と、を含むレジスト組成物;等が挙げられる。
本発明の一つの態様のレジスト組成物中の光酸発生剤の含有量は、該光酸発生剤を除くレジスト組成物成分100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、1〜15質量部であることがさらに好ましい。上記範囲内で光酸発生剤をレジスト組成物中に含有させることで、例えば、表示体等の絶縁膜等の永久膜として使用する場合でも光の透過率を高くすることができる。
本発明の一つの態様のレジスト組成物には、上記成分以外に必要により任意成分としてさらに、通常のレジスト組成物で用いられる有機溶剤、クエンチャ、酸性化合物、溶解阻止剤、安定剤及び色素、更には他の光酸発生剤を組み合わせて含んでいてもよい。
なお、上記光酸発生剤の含有量の算出において、有機溶剤はレジスト組成物成分100質量部中に含まないこととする。
<3>スルホン酸誘導体の製造方法
上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体は、下記一般式(2)で表されるヒドロキシ基含有スルホン酸化合物(以下、「化合物(2)」ともいう)とクロロスルホニルイソシアナートとを反応させて、下記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体(以下、「化合物(3)」ともいう)を得る工程と、
(上記式(2)において、Mは上記式(1)中のMと同一の対カチオンである。)
(上記式(3)において、Rは水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基であり、Mは上記式(1)中のMと同一の対カチオンである。)
上記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体と、RZ(該式において、上記式(1)におけるXが直接結合のとき、Rは、上記式(1)で表されるRと同一のRを有するカルボアニオンであり且つZは金属陽イオンであり;上記式(1)におけるXが2価の連結基のとき、Rは上記式(1)で表されるRと同一であり且つZはXHである。)で表される化合物と、を反応させて、上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を得る工程と、を含む製造方法により製造可能である。
以下、RZで表される化合物を「化合物(4)」ともいう。
また、本発明の一つの態様のスルホン酸誘導体の製造方法は、上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を得る工程が、上記一般式(3)中のRが水素原子であるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体と、上記化合物(4)と、を反応させて、上記式(1)中のRが水素原子であるスルホン酸誘導体を得た後、
上記式(1)中のRが水素原子であるスルホン酸誘導体とRY(式中、Rは炭素数1〜30の1価の有機基であり、Yは脱離基を示す。)で表される化合物(以下、「脱離基含有化合物」ともいう)とを反応させ、上記一般式(1)中のRが炭素数1〜30の1価の有機基であるスルホン酸誘導体を得る工程であることを特徴とするスルホン酸誘導体の製造方法である。
なお、上記RYにおけるRは炭素数1〜30の1価の有機基であり、上記一般式(1)中で表されるRとしての炭素数1〜30の1価の有機基と同じものが挙げられる。
より具体的には、上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体は、例えば次のような反応経路により合成することができる。まず、4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−1−ブテンを出発原料とし、酢酸ナトリウムによるアセチル化と、その後の塩基等による加水分解、更に亜硫酸水素塩を用いたスルホン化により、スルホン酸塩として得る。そして、この塩を上述したM+と常法に基づき塩交換して、上記一般式(2)で表されるヒドロキシ基含有スルホン酸化合物を得る。
その後、上記ヒドロキシ基含有スルホン酸化合物(化合物(2))とクロロスルホニルイソシアナートとをアセトニトリル等の溶媒中、0〜30℃で15分〜24時間程度反応させて、下記一般式(3a)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物を得る。下記一般式(3a)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物は、上記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体のRが水素のものに相当する。次いで、下記一般式(3a)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物と、上記化合物(4)と、の反応を行い、下記一般式(1a)で表されるスルホン酸誘導体を得る。下記一般式(1a)で表されるスルホン酸誘導体は、上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体のRが水素のものに相当する。
上記ヒドロキシ基含有スルホン酸化合物に対して、クロロスルホニルイソシアナートを1〜2当量程度用いて反応させることが好ましい。
上記化合物(4)としてのRZは、上記式(1)におけるXが直接結合のとき、上記式(1)で表されるRと同一のRを有する有機金属化合物であり;上記式(1)におけるXが2価の連結基のとき、上記式(1)で表されるR及びXとそれぞれ同一のR及びXを有するR−XHである。
上記化合物(4)が有機金属化合物であるとき、RZ中のRは1価のカルボアニオン(R1−)であり、ZとしてはLi、MgBr、MgCl、CuLi、ZnCl、ZnBr、K及びNa等の1価の金属陽イオン(Z)が挙げられる。
上記化合物(4)がR−XHのとき、RZは、求核性末端である「−XH」を有する求核性末端含有化合物である。
上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体のRが炭素数1〜30の1価の有機基である下記一般式(1b)で表されるスルホン酸誘導体を得るには、一般式(1a)で表されるスルホン酸誘導体とRY(式中、Rは炭素数1〜30の1価の有機基であり、Yは脱離基を示す。)で表される脱離基含有化合物との反応を行えばよい。
上記RYのYとしては、塩素原子、ブロム原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;トリフルオロメタンスルホニルオキシ基(CFSO−)、メタンスルホニルオキシ基(CHSO−)、p−トルエンスルホニルオキシ基(p−CHSO−)等のスルホン酸エステル基;等の脱離基が挙げられる。上記一般式(1a)で表される化合物に対して、RYを1〜2当量用いて、THF等の溶媒中、0〜40℃で2〜48時間反応させることが好ましい。
スルホン酸誘導体合成の原料となる上記R基を有する化合物(4)、及び、上記R基及びYの脱離基を有する脱離基含有化合物は、入手可能なものを用いるか、又は、対応する原料を準備し、通常の方法により適宜合成したものを用いればよい。
上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体の製造方法を一部改良して、下記一般式(5)で表されるスルホン酸誘導体を得ることも本発明の範囲内とする。なお、下記一般式(5)中のR、R、Mは上記式(1)で表されるR、R、Mとそれぞれ同様である。
具体的には、下記に反応式に示す通りである。つまり、上記化合物(2)とクロロスルホニルイソシアナートとを反応させて化合物(3)を得る工程に代えて、上記化合物(4)とクロロスルホニルイソシアナートとを反応させて下記一般式(6)で表される化合物を得た後、該下記一般式(6)で表される化合物と上記化合物(2)と反応させて、下記一般式(5)で表されるスルホン酸誘導体を得る。
より詳細には下記の通りである。クロロスルホニルイソシアナート7.1gをテトラヒドロフラン22gに溶解し、5℃に冷却する。次に、2−アダマンタノール6.8gを加え、2時間撹拌する。次いでトリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロー4ーヒドロキシブタンスルホネート 28.2gのアセトニトリル溶液84gを15分間かけて滴下した後、トリエチルアミン6.2gを加えて40℃に昇温して2時間撹拌する。反応混合物を氷冷し、5質量%炭酸カリウム水溶液を加えて反応を停止する。ヘキサン47gを用いて水層を5回洗浄した後、希塩酸水溶液を用いて中和する。水層に塩化メチレン235gを加えて30分間撹拌した後、純水80gで5回洗浄する。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、トリフェニルスルホニウム4−[N−(アダマンチルオキシカルボニル)アミノスルホニルオキシ)−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート(7.2g、収率30%)を得ることができる。この物質の1H NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(400 MHz,DMSO−D))δ12.05(bs,1H),8.04−7.35(m,15H),5.12−4.88(m,1H),4.73(t,1H),3.96−3.51(m,2H),2.44−2.27(m,1H),2.12−1.44(m,15H)
<4>デバイスの製造方法
本発明の一つの態様は、上記レジスト組成物を基板上に塗布する等してレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、活性エネルギー線を用いて、上記レジスト膜をパターン状に露光するフォトリソグラフィ工程と、露光されたレジスト膜を現像してフォトレジストパターンを得るパターン形成工程と、を含むデバイスの製造方法である。
フォトリソグラフィ工程において露光に用いる活性エネルギー線としては、本発明のスルホン酸誘導体が活性化して酸を発生させ得る光であればよく、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2エキシマレーザ光、電子線、UV、可視光線、X線、電子線、イオン線、i線、EUV等を意味する。
上記光酸発生剤を含有するレジスト組成物を用いる以外は、通常のデバイスの製造方法に従えばよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[スルホン酸誘導体1の合成]
(実施例1−1)
ナトリウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネートの合成
<第一工程>
4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン36.9g、酢酸ナトリウム65.4gを酢酸156.5gに溶解し、115℃まで昇温する。そして、40時間撹拌し、反応液を90℃に冷却し、蒸留水626gを加える。その後、室温まで冷却し、t−ブチルメチルエーテル128gを用いて2回抽出する。次いで、炭酸ナトリウム水溶液165gを用いて洗浄し、残存する酸を除去する。その後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、4−アセトキシ−1,1,2−トリフルオロ−1−ブテンを得る。クルード状態で25.6gである。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl)δ2.07(s,3H),2.63(d、t、d、d,2H),4.24(t,2H)
<第二工程>
4−アセトキシ−1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン25.0g、炭酸カリウム40.3gをメタノール49g、蒸留水49gに溶解する。そして、室温で15時間撹拌し、濾過により反応で析出した固形分を取り除いた後、ジクロロメタンで目的物を抽出する。その後、蒸留精製することにより、3,4,4−トリフルオロ−3−ブテン−1−オール13.8gを得る。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl)δ2.2(s,1H),2.55(d,t,d,d,2H),3.83(t,2H)
<第三工程>
3,4,4−トリフルオロ−3−ブテン−1−オール11.9g、亜硫酸水素ナトリウム29.5g、亜硫酸ナトリウム14.3gを蒸留水214gに溶解し、その後90℃まで昇温する。そして、15時間撹拌し、反応液を25℃以下に冷却する。次いで、トルエン24gで水層を洗浄する。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することによりナトリウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート18.46gを得る。1H NMR及びイオンクロマトブラフィによる測定結果から、この化合物が目的物であることを確認する。1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl)δ1.9−2.4(m,2H),3.5−3.7(m,2H),4.9−5.2(m,1H)
(実施例1−2)
トリフェニルスルホニウム4−[N−(2−アダマンチルオキシスルホニル)]カルボニルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネートの合成
<第一工程>
ナトリウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート17.6g、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート34.4gを水106g、ジクロロメタン360gに加え、3時間撹拌する。分液後、有機層をロータリーエバポレーターで溶剤を留去することにより、トリフェニルスルホニウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート32.4gを得る。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl)δ1.9−2.4(m,2H),3.5−3.7(m,2H),4.9−5.2(m,1H),7.66−7.80(m,15H)
<第二工程>
クロロスルホニルイソシアナート4.0gをアセトニトリル34.9gに溶解し、5℃に冷却する。次に、トリフェニルスルホニウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート14.2gを含有するアセトニトリル溶液49.1gを30分間かけて滴下し、5℃で撹拌する。攪拌1時間後、この溶液を2−アダマンタノール3.9gを含有するアセトニトリル懸濁物11.7gの中に滴下し、トリエチルアミン3.5gを加えて20℃で18時間撹拌する。反応混合物に塩化メチレン100gを加えて希釈した後、有機層を分取し、純水50gで5回洗浄する。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、トリフェニルスルホニウム4−[N−(2−アダマンチルオキシスルホニル)]カルボニルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート(スルホン酸誘導体1)12.0gを得る(収率77%)。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz, DMSO−D)δ12.13(s,1H),8.04−7.40(m,15H),5.16−4.82(m,1H),4.73(t,1H),4.41−4.06(m,2H),2.45−2.29(m,1H),2.14−1.27(m,15H)
(実施例1−3)
[フォトレジスト組成物の調製と特性評価]

(a=0.4、b=0.4、c=0.2、Mw=9300)
上記で合成したスルホン酸誘導体1を5質量部、上記式(7)で示される構成単位を有するポリマー(上記式中、a=0.4、b=0.4、c=0.2)100質量部、トリエタノールアミン0.2質量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1150質量部に溶解し、PTFEフィルターでろ過し、フォトレジスト組成物溶液を調製する。次いでフォトレジスト組成物溶液をシリコンウエハー上に回転塗布した後、ホットプレート上で110℃で90秒間プレベークし、膜厚300nmのレジスト膜を得る。この膜に、ArFエキシマレーザーステッパー(波長193nm)により露光し、次いで110℃で90秒間ポストベークを行う。その後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液に60秒間現像を行い、30秒間純水でリンスする。
解像性及びLWR(Line width roughness)について下記のようにして評価する。下記比較例3で調製したレジスト組成物を用いて、解像性及びLWRを測定する。それらの値をそれぞれ1とし、上記スルホン酸誘導体1の解像性及びLWRを相対比として算出する。その結果を表1に示す。
[スルホン酸誘導体2の合成]
実施例1において得られた上記スルホン酸誘導体1の6.1gを窒素気流下で脱水THF30gに溶解し、0℃に冷却する。LDA(リチウムジイソプロピルアミド)のTHF溶液(濃度約1.5mol/L:8g)を15分間かけて滴下し、0℃で撹拌する。
15分後、ヨウ化メチル2.1gを含有する脱水THF溶液8gを滴下する。反応溶液を22℃まで昇温し、室温で24時間撹拌する。反応混合物に塩化メチレン80gを加えて希釈した後、1%希塩酸水溶液50gを加えて撹拌する。有機層を分取し、純水50gで1回、10%炭酸ナトリウム水溶液50gで2回、純水50gで7回洗浄する。有機層を減圧下濃縮することにより、下記式で示されるトリフェニルスルホニウム4−[N−(2−アダマンチルオキシスルホニル)−N−メチル]カルボニルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート5.0g(収率79%)を得る。
この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,DMSO−D)δ8.08−7.38(m,15H),5.19−4.84(m,1H),4.74(t,1H),4.45−4.09(m,2H),2.74(s,3H),2.47−2.25(m,1H),2.16−1.25(m,15H)
[フォトレジスト組成物の調製と特性評価]
上記スルホン酸誘導体1を5質量部用いる代わりに、上記で得られたスルホン酸誘導体2を5.1質量部を用いて、実施例1と同様にしてレジスト組成物を調製し、レジスト膜を得て、露光、ポストベーク、現像を行う。実施例1と同様にレジスト組成物の解像性及びLWRについて評価する。その結果を表1に示す。
[スルホン酸誘導体3の合成]
クロロスルホニルイソシアナート4.8gをアセトニトリル22gに溶解し、5℃に冷却する。次に、実施例1の(実施例1−2)の<第一工程>で得られたトリフェニルスルホニウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート17.0gを含有するアセトニトリル溶液55gを30分間かけて滴下し、5℃で撹拌する。攪拌1時間後、この溶液をシクロヘキサノール3.1gを含有するアセトニトリル溶液9gの中に滴下し、トリエチルアミン4.2gを加えて20℃で18時間撹拌する。反応混合物に塩化メチレン120gを加えて希釈した後、有機層を分取し、純水55gで5回洗浄する。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、下記式で示されるトリフェニルスルホニウム4−[N−(シクロヘキシルオキシスルホニル)]カルボニルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート(スルホン酸誘導体3)12.6gを得る(収率55%)。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz, DMSO−D)δ12.11(s,1H),8.04−7.42(m,15H),5.14−4.82(m,1H),4.72(t,1H),4.29−4.06(m,2H),2.45−2.29(m,1H),1.08−1.85(m,11H)
[フォトレジスト組成物の調製と特性評価]
上記スルホン酸誘導体1を5質量部用いる代わりに、上記で得られたスルホン酸誘導体3を4.6質量部を用いて、実施例1と同様にしてレジスト組成物を調製し、レジスト膜を得て、露光、ポストベーク、現像を行う。実施例1と同様にレジスト組成物の解像性及びLWRについて評価する。その結果を表1に示す。
比較例1
上記スルホン酸誘導体1を5質量部用いる代わりに、下記一般式(8)で表されるスルホン酸誘導体4.6質量部を用いて、実施例1と同様にしてレジスト組成物を調製し、レジスト膜を得て、露光、ポストベーク、現像を行う。実施例1と同様にレジスト組成物の解像性及びLWRについて評価する。その結果を表1に示す。
なお、上記一般式(8)で表されるスルホン酸誘導体は、下記のようにして合成する。
<第一工程>
1−ブロモ―3,4,4−トリフルオロ−3−ブテン56.6g、亜硫酸ナトリウム63.0gを純水360gに溶解し、その後90℃まで昇温して18時間撹拌する。次に亜硫酸水素ナトリウム55.5gを加えて21時間撹拌し、その後、反応液を25℃以下に冷却する。次いで、トルエン45gで水層を洗浄する。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することにより1,1,2−トリフルオロブタン−1,4―ジスルホン酸ナトリウムの粗体175gを得る。この化合物はこれ以上の精製をすることなく次の工程へと用いる。
<第二工程>
窒素気流下において1,1,2−トリフルオロブタン−1,4―ジスルホン酸ナトリウムの粗体172gを塩化チオニル345gに加える。30分後、N,N−ジメチルホルムアミド8gをゆっくりと滴下し、室温で6時間撹拌する。次に、反応混合物をロータリーエバポレーターで溶剤を留去した後、テトラヒドロフラン345gを加えてから10℃以下に冷却する。2−アダマンタノール35.5gとトリエチルアミン26.1gとを添加後、室温に昇温して24時間撹拌する。反応混合物に純水305gを加えた後、トルエン100gを用いて洗浄を行う。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することにより4−(アダマンチルオキシスルホニル)―1,1,2―トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムの粗体147gを得る。この化合物はこれ以上の精製をすることなく次の工程へと用いる。
<第三工程>
4−(アダマンチルオキシ)スルホニル―1,1,2―トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムの粗体136gを純水136gに懸濁させる。次に、トリフェニルスルホニウムクロリド80.5g、塩化メチレン272gを加えて1時間撹拌する。有機層を分取後、純水135gで5回洗浄を行う。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することによりトリフェニルスルホニウム4−(アダマンチルオキシスルホニル)―1,1,2―トリフルオロブタンスルホナート19.6g(第一工程〜第三工程までの総収率9.7%)を得る。この物質の1H NMR測定結果を下記に示す。
1H NMR(400MHz, DMSO−D)δ8.06−7.41(m,15H),5.14−4.82(m,1H),4.70(t,1H),3.49−3.27(m,2H),2.47−2.28(m,1H),2.14−1.27(m,15H)
比較例2
上記スルホン酸誘導体1を5質量部用いる代わりに、下記一般式(9)で表されるスルホン酸誘導体4.1質量部を用いて、実施例1と同様にしてレジスト組成物を調製し、レジスト膜を得て、露光、ポストベーク、現像を行う。実施例1と同様にレジスト組成物の解像性及びLWRについて評価する。その結果を表1に示す。
なお、上記一般式(9)で表されるスルホン酸誘導体は、下記のようにして合成する。
イソシアン酸シクロヘキシル3.2gを塩化メチレン10gに溶解し、5℃に冷却する。次に、トリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート12.0gを含有する塩化メチレン溶液46gを20分間かけて滴下し、5℃で1時間撹拌する。反応混合物に純水18gを加えて撹拌した後、有機層を分取する。得られた有機層を純水18gで5回洗浄する。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することにより4−(N−シクロヘキシルカルボニルオキシ)―1,1,2―トリフルオロブタンスルホナート12.0gを収率79%で得る。この物質の1H NMR測定結果を下記に示す。
1H NMR(400MHz,DMSO−D)δ5.07(bs,1H),8.02−7.41(m,15H),5.14−4.82(m,1H),4.12−4.03(m,2H),3.56(m,1H),2.45−2.29(m,1H),1.08−1.85(m,11H)
比較例3
上記スルホン酸誘導体1を5質量部用いる代わりに、下記一般式(10)で表されるスルホン酸誘導体4.3質量部を用いて、実施例1と同様にしてレジスト組成物を調製し、レジスト膜を得て、露光、ポストベーク、現像を行う。実施例1と同様にレジスト組成物の解像性及びLWRについて評価する。その結果を表1に示す。また、レジスト組成物の解像性及びLWRについては比較例3を基準として用いるため数値を1とする。
なお、上記一般式(10)で表されるスルホン酸誘導体は、下記のようにして合成する。
アダマンタンカルボン酸クロリド5.0gを塩化メチレン20gに溶解し、10℃に冷却する。トリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロ-4-ヒドロキシブタンスルホネート10.7gとトリエチルアミン3.1gとを含有するアセトニトリル溶液36gを15分間かけて滴下する。反応混合物を23℃に昇温し、6時間撹拌する。純水30gを加えて反応を停止後、塩化メチレン45gで希釈する。有機層を分取後、純水30gで5回洗浄する。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、トリフェニルスルホニウム4−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート10.6g、収率74%)を得る。この物質の1H NMR測定結果を下記に示す。
1H NMR(400MHz, DMSO−D)δ8.13−7.54(m,15H),5.16−4.85(m,1H),4.43−4.02(m,2H),2.45−2.29(m,1H),2.14−1.57(m,15H)
表1における解像性及びLWRは、数値が小さいほど優れた効果を有することを示す。
以上の結果から、本発明におけるスルホン酸誘導体は、リソグラフィにおける解像性に優れ、且つ、微細パターンにおけるLWRを低減できる効果を有することがわかる。このことから、本発明におけるスルホン酸誘導体は酸拡散長が小さいことが推測される。この効果は、アニオン部のスペーサ基に−OSO−、−NH−及び−CO−の高い極性を有する連結基を有することによるものと考えられる。また、式(1)中のRが水素であるスルホン酸誘導体は、適度な酸性度のプロトンを有するため、高い解像性及びLWRの低減効果を有するものと考えられる。
本発明の一つの態様であるスルホン酸誘導体は、活性エネルギー線の照射により十分な酸強度を有する酸を発生するため、レジスト組成物の光酸発生剤として有用である。また、該光酸発生剤をレジスト組成物に使用すると、リソグラフィにおける解像性に優れ、且つ、微細パターンにおけるLWR(Line width roughness)を低減できる効果を有する。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を含む光酸発生剤と、酸により反応する化合物と、を含有するレジスト組成物。

    (前記式(1)において、Rは炭素数1〜30の1価の有機基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、Xは直接結合又は2価の連結基を示し、Mは対カチオンを示す。)
  2. 前記Rの有機基が、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素基;炭素数1〜30の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む炭素数1〜30の脂肪族複素環基又は芳香族複素環基;から選ばれるいずれかの1価の基である請求項1に記載のレジスト組成物。
  3. 前記M+が、水素イオン、金属イオン又はオニウムイオンである請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  4. 下記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体。

    (前記式(1)において、Rは炭素数1〜30の1価の有機基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、Xは直接結合又は2価の連結基を示し、Mは対カチオンを示す。)
  5. 前記Rの有機基が、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素基;炭素数1〜30の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む炭素数1〜30の脂肪族複素環基又は芳香族複素環基;から選ばれるいずれかの1価の基である請求項4に記載のスルホン酸誘導体。
  6. 前記M+が、水素イオン、金属イオン又はオニウムイオンである請求項4又は5に記載のスルホン酸誘導体。
  7. 下記一般式(2)で表されるヒドロキシ基含有スルホン酸化合物とクロロスルホニルイソシアナートとを反応させて、下記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体を得る工程と、

    (前記式(2)において、Mは前記式(1)中のMと同一の対カチオンである。)

    (前記式(3)において、Rは水素原子であり、Mは前記式(1)中のMと同一の対カチオンである。)
    前記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体と、RZ(該式において、前記式(1)におけるXが直接結合のとき、Rは、前記式(1)で表されるRと同一のRを有するカルボアニオンであり且つZは金属陽イオンであり;前記式(1)におけるXが2価の連結基のとき、Rは前記式(1)で表されるRと同一であり且つZはXHである。)で表される化合物と、を反応させて、前記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を得る工程と、を含む請求項4〜6のいずれか一項に記載のスルホン酸誘導体の製造方法。
  8. 前記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を得る工程が、前記一般式(3)中のRが水素原子であるクロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体と、前記RZで表される化合物と、を反応させて、前記式(1)中のRが水素原子であるスルホン酸誘導体を得た後、
    前記式(1)中のRが水素原子であるスルホン酸誘導体とRY(式中、Rは炭素数1〜30の1価の有機基であり、Yは脱離基を示す。)で表される化合物とを反応させ、前記一般式(1)中のRが炭素数1〜30の1価の有機基であるスルホン酸誘導体を得る工程である請求項7に記載のスルホン酸誘導体の製造方法。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いて基板上レジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
    活性エネルギー線を用いて、前記レジスト膜をパターン状に露光するフォトリソグラフィ工程と、
    露光されたレジスト膜を現像してフォトレジストパターンを得るパターン形成工程と、を含むデバイスの製造方法。
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