JP6530957B2 - レジスト組成物、スルホン酸誘導体、該スルホン酸誘導体の製造方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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<1>スルホン酸誘導体
本発明の一つの態様のスルホン酸誘導体は、上記一般式(1)で表される。なお、スルホン酸誘導体とはスルホン酸及びその塩をいう。また、本発明の上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体は、光学活性でも不活性でもよい。
上記R1は、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素基;炭素数1〜30の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む炭素数1〜30の脂肪族複素環基又は芳香族複素環基;から選ばれるいずれかの1価の基であることが好ましい。
該アルキル基の炭素−炭素一重結合の少なくとも1つが、炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合に置換されたアルケニル基又はアルキニル基;等を挙げることができる。
上記単環脂肪族炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記橋かけ環脂肪族炭化水素基としては、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン及びアダマンタン等の2環以上の単環炭化水素が橋かけとなる骨格を有するもの等が挙げられる。
上記単環芳香族炭化水素基としては、シクロペンテン及びベンゼン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記縮合多環芳香族炭化水素基としては、インデン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン及びフルオレン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記連結多環芳香族炭化水素基としては、ビフェニル、ターフェニル及びスチルベン等の骨格を有する基が挙げられる。
また、上記1価の脂肪族複素環基は、炭素−炭素一重結合、又は、炭素と炭素以外の原子(ヘテロ原子)との一重結合の少なくとも1つが、二重結合又は三重結合に置換された基であってもよい。
縮合多環芳香族複素環基としては、インドール、プリン、キノリン、イソキノリン、クロメン、チアントレン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン及びカルバゾール等の骨格を有する基が挙げられる。
上記連結多環芳香族複素環基としては、4−フェニルピリジン、9−フェニルアクリジン、バトフェナントロリン等が挙げられる。
なお、下記構造中、立体位置は以下に限定されない。
R2の脂肪族炭化水素基は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−及び−CO−O−CH2−CO−O−等からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を脂肪族炭化水素基中に有していてもよい。また、R2の脂肪族炭化水素基が有する水素の一部がフッ素原子、塩素原子等のハロゲンで置換されていてもよい。R2の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては上記R1の置換基と同様のものが挙げられる。
本発明においては、アルカリ現像液を用いる水系現像に限定されず、中性現像液を用いる水系現像、又は、有機溶剤現像液を用いる有機溶剤現像等でも適応可能である。
本発明の一つの態様は、上記スルホン酸誘導体を含む光酸発生剤と、酸により反応する化合物と、を含有するレジスト組成物である。
本発明における光酸発生剤の一つの態様は、上記活性エネルギー線の照射により酸を放出する特性を有し、酸反応性有機物質に作用して分解や重合を引き起こすことができる。そのため、本発明の一つの態様のスルホン酸誘導体は、ポジ型及びネガ型のレジスト組成物の光酸発生剤として好ましく用いることができる。
本発明においては、アルカリ現像液に限定されず、中性現像液あるいは有機溶剤現像であってもよい。そのため、有機溶剤現像液を用いる場合は、酸により脱保護する保護基を有する化合物は、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において脱保護基が脱保護し、有機溶剤現像液に対して溶解性が低下する化合物である。
酸により重合する重合性基としては、エポキシ基、アセタール基及びオキセタニル基等が挙げられる。該重合性基を有する化合物として、これらの重合性基を有するスチレン骨格、メタクリレート又はアクリレート骨格を有する化合物等が好適に用いられる。
上記酸により脱保護する保護基を有する化合物と上記光酸発生剤とを含むレジスト組成物;上記酸により重合する重合性基を有する化合物と上記光酸発生剤とを含むレジスト組成物;酸により架橋作用を有する架橋剤と、該架橋剤と反応して現像液に対する溶解性が変化する化合物と、光酸発生剤と、を含むレジスト組成物;等が挙げられる。
本発明の一つの態様のレジスト組成物には、上記成分以外に必要により任意成分としてさらに、通常のレジスト組成物で用いられる有機溶剤、クエンチャ、酸性化合物、溶解阻止剤、安定剤及び色素、更には他の光酸発生剤を組み合わせて含んでいてもよい。
なお、上記光酸発生剤の含有量の算出において、有機溶剤はレジスト組成物成分100質量部中に含まないこととする。
上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体は、下記一般式(2)で表されるヒドロキシ基含有スルホン酸化合物(以下、「化合物(2)」ともいう)とクロロスルホニルイソシアナートとを反応させて、下記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体(以下、「化合物(3)」ともいう)を得る工程と、
上記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体と、R1Z(該式において、上記式(1)におけるXが直接結合のとき、R1は、上記式(1)で表されるR1と同一のR1を有するカルボアニオンであり且つZは金属陽イオンであり;上記式(1)におけるXが2価の連結基のとき、R1は上記式(1)で表されるR1と同一であり且つZはXHである。)で表される化合物と、を反応させて、上記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を得る工程と、を含む製造方法により製造可能である。
以下、R1Zで表される化合物を「化合物(4)」ともいう。
上記式(1)中のR2が水素原子であるスルホン酸誘導体とR2Y(式中、R2は炭素数1〜30の1価の有機基であり、Yは脱離基を示す。)で表される化合物(以下、「脱離基含有化合物」ともいう)とを反応させ、上記一般式(1)中のR2が炭素数1〜30の1価の有機基であるスルホン酸誘導体を得る工程であることを特徴とするスルホン酸誘導体の製造方法である。
なお、上記R2YにおけるR2は炭素数1〜30の1価の有機基であり、上記一般式(1)中で表されるR2としての炭素数1〜30の1価の有機基と同じものが挙げられる。
上記ヒドロキシ基含有スルホン酸化合物に対して、クロロスルホニルイソシアナートを1〜2当量程度用いて反応させることが好ましい。
上記化合物(4)が有機金属化合物であるとき、R1Z中のR1は1価のカルボアニオン(R1−)であり、ZとしてはLi+、MgBr+、MgCl+、CuLi+、ZnCl+、ZnBr+、K+及びNa+等の1価の金属陽イオン(Z+)が挙げられる。
上記化合物(4)がR1−XHのとき、R1Zは、求核性末端である「−XH」を有する求核性末端含有化合物である。
1H−NMR(400 MHz,DMSO−D6))δ12.05(bs,1H),8.04−7.35(m,15H),5.12−4.88(m,1H),4.73(t,1H),3.96−3.51(m,2H),2.44−2.27(m,1H),2.12−1.44(m,15H)
本発明の一つの態様は、上記レジスト組成物を基板上に塗布する等してレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、活性エネルギー線を用いて、上記レジスト膜をパターン状に露光するフォトリソグラフィ工程と、露光されたレジスト膜を現像してフォトレジストパターンを得るパターン形成工程と、を含むデバイスの製造方法である。
上記光酸発生剤を含有するレジスト組成物を用いる以外は、通常のデバイスの製造方法に従えばよい。
(実施例1−1)
ナトリウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネートの合成
4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン36.9g、酢酸ナトリウム65.4gを酢酸156.5gに溶解し、115℃まで昇温する。そして、40時間撹拌し、反応液を90℃に冷却し、蒸留水626gを加える。その後、室温まで冷却し、t−ブチルメチルエーテル128gを用いて2回抽出する。次いで、炭酸ナトリウム水溶液165gを用いて洗浄し、残存する酸を除去する。その後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、4−アセトキシ−1,1,2−トリフルオロ−1−ブテンを得る。クルード状態で25.6gである。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.07(s,3H),2.63(d、t、d、d,2H),4.24(t,2H)
4−アセトキシ−1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン25.0g、炭酸カリウム40.3gをメタノール49g、蒸留水49gに溶解する。そして、室温で15時間撹拌し、濾過により反応で析出した固形分を取り除いた後、ジクロロメタンで目的物を抽出する。その後、蒸留精製することにより、3,4,4−トリフルオロ−3−ブテン−1−オール13.8gを得る。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.2(s,1H),2.55(d,t,d,d,2H),3.83(t,2H)
3,4,4−トリフルオロ−3−ブテン−1−オール11.9g、亜硫酸水素ナトリウム29.5g、亜硫酸ナトリウム14.3gを蒸留水214gに溶解し、その後90℃まで昇温する。そして、15時間撹拌し、反応液を25℃以下に冷却する。次いで、トルエン24gで水層を洗浄する。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することによりナトリウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート18.46gを得る。1H NMR及びイオンクロマトブラフィによる測定結果から、この化合物が目的物であることを確認する。1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.9−2.4(m,2H),3.5−3.7(m,2H),4.9−5.2(m,1H)
トリフェニルスルホニウム4−[N−(2−アダマンチルオキシスルホニル)]カルボニルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネートの合成
ナトリウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート17.6g、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネート34.4gを水106g、ジクロロメタン360gに加え、3時間撹拌する。分液後、有機層をロータリーエバポレーターで溶剤を留去することにより、トリフェニルスルホニウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート32.4gを得る。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.9−2.4(m,2H),3.5−3.7(m,2H),4.9−5.2(m,1H),7.66−7.80(m,15H)
クロロスルホニルイソシアナート4.0gをアセトニトリル34.9gに溶解し、5℃に冷却する。次に、トリフェニルスルホニウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート14.2gを含有するアセトニトリル溶液49.1gを30分間かけて滴下し、5℃で撹拌する。攪拌1時間後、この溶液を2−アダマンタノール3.9gを含有するアセトニトリル懸濁物11.7gの中に滴下し、トリエチルアミン3.5gを加えて20℃で18時間撹拌する。反応混合物に塩化メチレン100gを加えて希釈した後、有機層を分取し、純水50gで5回洗浄する。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、トリフェニルスルホニウム4−[N−(2−アダマンチルオキシスルホニル)]カルボニルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート(スルホン酸誘導体1)12.0gを得る(収率77%)。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz, DMSO−D6)δ12.13(s,1H),8.04−7.40(m,15H),5.16−4.82(m,1H),4.73(t,1H),4.41−4.06(m,2H),2.45−2.29(m,1H),2.14−1.27(m,15H)
[フォトレジスト組成物の調製と特性評価]
(a=0.4、b=0.4、c=0.2、Mw=9300)
実施例1において得られた上記スルホン酸誘導体1の6.1gを窒素気流下で脱水THF30gに溶解し、0℃に冷却する。LDA(リチウムジイソプロピルアミド)のTHF溶液(濃度約1.5mol/L:8g)を15分間かけて滴下し、0℃で撹拌する。
15分後、ヨウ化メチル2.1gを含有する脱水THF溶液8gを滴下する。反応溶液を22℃まで昇温し、室温で24時間撹拌する。反応混合物に塩化メチレン80gを加えて希釈した後、1%希塩酸水溶液50gを加えて撹拌する。有機層を分取し、純水50gで1回、10%炭酸ナトリウム水溶液50gで2回、純水50gで7回洗浄する。有機層を減圧下濃縮することにより、下記式で示されるトリフェニルスルホニウム4−[N−(2−アダマンチルオキシスルホニル)−N−メチル]カルボニルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート5.0g(収率79%)を得る。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ8.08−7.38(m,15H),5.19−4.84(m,1H),4.74(t,1H),4.45−4.09(m,2H),2.74(s,3H),2.47−2.25(m,1H),2.16−1.25(m,15H)
上記スルホン酸誘導体1を5質量部用いる代わりに、上記で得られたスルホン酸誘導体2を5.1質量部を用いて、実施例1と同様にしてレジスト組成物を調製し、レジスト膜を得て、露光、ポストベーク、現像を行う。実施例1と同様にレジスト組成物の解像性及びLWRについて評価する。その結果を表1に示す。
クロロスルホニルイソシアナート4.8gをアセトニトリル22gに溶解し、5℃に冷却する。次に、実施例1の(実施例1−2)の<第一工程>で得られたトリフェニルスルホニウム1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート17.0gを含有するアセトニトリル溶液55gを30分間かけて滴下し、5℃で撹拌する。攪拌1時間後、この溶液をシクロヘキサノール3.1gを含有するアセトニトリル溶液9gの中に滴下し、トリエチルアミン4.2gを加えて20℃で18時間撹拌する。反応混合物に塩化メチレン120gを加えて希釈した後、有機層を分取し、純水55gで5回洗浄する。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、下記式で示されるトリフェニルスルホニウム4−[N−(シクロヘキシルオキシスルホニル)]カルボニルオキシ−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート(スルホン酸誘導体3)12.6gを得る(収率55%)。この物質の1H NMR測定結果を以下に示す。
1H NMR(400MHz, DMSO−D6)δ12.11(s,1H),8.04−7.42(m,15H),5.14−4.82(m,1H),4.72(t,1H),4.29−4.06(m,2H),2.45−2.29(m,1H),1.08−1.85(m,11H)
上記スルホン酸誘導体1を5質量部用いる代わりに、上記で得られたスルホン酸誘導体3を4.6質量部を用いて、実施例1と同様にしてレジスト組成物を調製し、レジスト膜を得て、露光、ポストベーク、現像を行う。実施例1と同様にレジスト組成物の解像性及びLWRについて評価する。その結果を表1に示す。
<第一工程>
1−ブロモ―3,4,4−トリフルオロ−3−ブテン56.6g、亜硫酸ナトリウム63.0gを純水360gに溶解し、その後90℃まで昇温して18時間撹拌する。次に亜硫酸水素ナトリウム55.5gを加えて21時間撹拌し、その後、反応液を25℃以下に冷却する。次いで、トルエン45gで水層を洗浄する。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することにより1,1,2−トリフルオロブタン−1,4―ジスルホン酸ナトリウムの粗体175gを得る。この化合物はこれ以上の精製をすることなく次の工程へと用いる。
窒素気流下において1,1,2−トリフルオロブタン−1,4―ジスルホン酸ナトリウムの粗体172gを塩化チオニル345gに加える。30分後、N,N−ジメチルホルムアミド8gをゆっくりと滴下し、室温で6時間撹拌する。次に、反応混合物をロータリーエバポレーターで溶剤を留去した後、テトラヒドロフラン345gを加えてから10℃以下に冷却する。2−アダマンタノール35.5gとトリエチルアミン26.1gとを添加後、室温に昇温して24時間撹拌する。反応混合物に純水305gを加えた後、トルエン100gを用いて洗浄を行う。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することにより4−(アダマンチルオキシスルホニル)―1,1,2―トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムの粗体147gを得る。この化合物はこれ以上の精製をすることなく次の工程へと用いる。
4−(アダマンチルオキシ)スルホニル―1,1,2―トリフルオロブタンスルホン酸ナトリウムの粗体136gを純水136gに懸濁させる。次に、トリフェニルスルホニウムクロリド80.5g、塩化メチレン272gを加えて1時間撹拌する。有機層を分取後、純水135gで5回洗浄を行う。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することによりトリフェニルスルホニウム4−(アダマンチルオキシスルホニル)―1,1,2―トリフルオロブタンスルホナート19.6g(第一工程〜第三工程までの総収率9.7%)を得る。この物質の1H NMR測定結果を下記に示す。
1H NMR(400MHz, DMSO−D6)δ8.06−7.41(m,15H),5.14−4.82(m,1H),4.70(t,1H),3.49−3.27(m,2H),2.47−2.28(m,1H),2.14−1.27(m,15H)
イソシアン酸シクロヘキシル3.2gを塩化メチレン10gに溶解し、5℃に冷却する。次に、トリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロ−4−ヒドロキシブタンスルホネート12.0gを含有する塩化メチレン溶液46gを20分間かけて滴下し、5℃で1時間撹拌する。反応混合物に純水18gを加えて撹拌した後、有機層を分取する。得られた有機層を純水18gで5回洗浄する。その後、ロータリーエバポレーターで溶剤を留去することにより4−(N−シクロヘキシルカルボニルオキシ)―1,1,2―トリフルオロブタンスルホナート12.0gを収率79%で得る。この物質の1H NMR測定結果を下記に示す。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ5.07(bs,1H),8.02−7.41(m,15H),5.14−4.82(m,1H),4.12−4.03(m,2H),3.56(m,1H),2.45−2.29(m,1H),1.08−1.85(m,11H)
アダマンタンカルボン酸クロリド5.0gを塩化メチレン20gに溶解し、10℃に冷却する。トリフェニルスルホニウム−1,1,2−トリフルオロ-4-ヒドロキシブタンスルホネート10.7gとトリエチルアミン3.1gとを含有するアセトニトリル溶液36gを15分間かけて滴下する。反応混合物を23℃に昇温し、6時間撹拌する。純水30gを加えて反応を停止後、塩化メチレン45gで希釈する。有機層を分取後、純水30gで5回洗浄する。得られた有機層を減圧下濃縮することにより、トリフェニルスルホニウム4−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,2−トリフルオロブタンスルホネート10.6g、収率74%)を得る。この物質の1H NMR測定結果を下記に示す。
1H NMR(400MHz, DMSO−D6)δ8.13−7.54(m,15H),5.16−4.85(m,1H),4.43−4.02(m,2H),2.45−2.29(m,1H),2.14−1.57(m,15H)
以上の結果から、本発明におけるスルホン酸誘導体は、リソグラフィにおける解像性に優れ、且つ、微細パターンにおけるLWRを低減できる効果を有することがわかる。このことから、本発明におけるスルホン酸誘導体は酸拡散長が小さいことが推測される。この効果は、アニオン部のスペーサ基に−OSO2−、−NH−及び−CO2−の高い極性を有する連結基を有することによるものと考えられる。また、式(1)中のR2が水素であるスルホン酸誘導体は、適度な酸性度のプロトンを有するため、高い解像性及びLWRの低減効果を有するものと考えられる。
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を含む光酸発生剤と、酸により反応する化合物と、を含有するレジスト組成物。
(前記式(1)において、R1は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、Xは直接結合又は2価の連結基を示し、M+は対カチオンを示す。) - 前記R1の有機基が、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素基;炭素数1〜30の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む炭素数1〜30の脂肪族複素環基又は芳香族複素環基;から選ばれるいずれかの1価の基である請求項1に記載のレジスト組成物。
- 前記M+が、水素イオン、金属イオン又はオニウムイオンである請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
- 下記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体。
(前記式(1)において、R1は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基を示し、Xは直接結合又は2価の連結基を示し、M+は対カチオンを示す。) - 前記R1の有機基が、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族炭化水素基;炭素数1〜30の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む炭素数1〜30の脂肪族複素環基又は芳香族複素環基;から選ばれるいずれかの1価の基である請求項4に記載のスルホン酸誘導体。
- 前記M+が、水素イオン、金属イオン又はオニウムイオンである請求項4又は5に記載のスルホン酸誘導体。
- 下記一般式(2)で表されるヒドロキシ基含有スルホン酸化合物とクロロスルホニルイソシアナートとを反応させて、下記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体を得る工程と、
(前記式(2)において、M+は前記式(1)中のM+と同一の対カチオンである。)
(前記式(3)において、R2は水素原子であり、M+は前記式(1)中のM+と同一の対カチオンである。)
前記一般式(3)で表されるN−クロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体と、R1Z(該式において、前記式(1)におけるXが直接結合のとき、R1は、前記式(1)で表されるR1と同一のR1を有するカルボアニオンであり且つZは金属陽イオンであり;前記式(1)におけるXが2価の連結基のとき、R1は前記式(1)で表されるR1と同一であり且つZはXHである。)で表される化合物と、を反応させて、前記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を得る工程と、を含む請求項4〜6のいずれか一項に記載のスルホン酸誘導体の製造方法。 - 前記一般式(1)で表されるスルホン酸誘導体を得る工程が、前記一般式(3)中のR2が水素原子であるクロロスルホニルカルバモイル基含有スルホン酸化合物誘導体と、前記R1Zで表される化合物と、を反応させて、前記式(1)中のR2が水素原子であるスルホン酸誘導体を得た後、
前記式(1)中のR2が水素原子であるスルホン酸誘導体とR2Y(式中、R2は炭素数1〜30の1価の有機基であり、Yは脱離基を示す。)で表される化合物とを反応させ、前記一般式(1)中のR2が炭素数1〜30の1価の有機基であるスルホン酸誘導体を得る工程である請求項7に記載のスルホン酸誘導体の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いて基板上レジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
活性エネルギー線を用いて、前記レジスト膜をパターン状に露光するフォトリソグラフィ工程と、
露光されたレジスト膜を現像してフォトレジストパターンを得るパターン形成工程と、を含むデバイスの製造方法。
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