JP2022107532A - ソルダーレジスト組成物、その硬化物および立体回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー開口性に優れ、且つ基板との密着性にも優れるソルダーレジスト組成物を提供する。【手段】本発明のソルダーレジスト組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂、(C)フィラー、(D)イミダゾール系硬化触媒、および(E)黒色着色剤を少なくとも含んでなることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、立体回路基板のソルダーレジスト層として好適に使用できるソルダーレジスト組成物に関し、より詳細には、レーザー開口性に優れ、且つ基板との密着性に優れるソルダーレジスト組成物、その硬化物および立体回路基板に関する。
携帯電話や複写機等のような電子機器の小型化、多機能化に伴い、筐体の内面や外面に、回路基板をコンパクトに収容することが求められている。立体回路基板は三次元構造を有する筐体や電子部品の内面や外面に、平面ではなく立体的に導電配線を形成するもので、スペース効率、デザインの向上、部品と回路の統合による部品点数の削減等の点で優れている。
立体基板に直接回路を形成する方法として、例えば、樹脂成形品の表面に物理的なマスキングを行い、導電性塗料を用いて印刷を行うことにより回路形成する方法(特許文献1)、蒸着法等により成形品の表面に金属薄膜を形成しておき、不要な金属薄膜を除去して回路形成する方法(特許文献2)、ホットスタンピング法により成形物に金属箔を貼着して回路形成する方法(特許文献3)、非導電性金属錯体を含有させた樹脂を射出成型して成形品を得た後に、レーザー照射等により金属核を生じさせて、金属核が生じた箇所にめっきを施して回路形成する方法(特許文献4)、無電解鍍金用触媒等を含有させた樹脂からなる成形品の表面に樹脂被膜を形成しておき、レーザー照射等により樹脂被膜を除去しつつ同時に成型品表面を切削及び粗面化した後、樹脂被膜が除去された開口部分に無電解鍍金を施すことにより、成型品の表面に配線パターンを形成する方法(特許文献5)等が提案されている。
ところで、上記したような立体基板上に直接回路が形成された立体回路基板であっても、めっき箇所等の導電部には受動部品である電子部品が実装される場合がある。その場合であっても、通常の平面回路基板と同様に、はんだペースト等を接続箇所に設置してから電子部品を基板に搭載し、リフロー処理を行うことで回路と電子部品との接続が行う必要がある。しかしながら、立体回路基板においては、必ずしも重力方向に対して基板が垂直ではないため、リフロー処理時に液化したはんだペーストが基板から流れ落ちたりし、予定していない箇所にはんだが付着してしまう等、実装不良が発生する場合があった。そのため、電子部品が実装される電極以外の箇所にはんだペーストが付着しないよう、予めソルダーレジスト等の硬化性樹脂組成物でマスクしておくことが必要である。
特開昭63-234603号公報 特開2008-53465号公報 特開2001-15874号公報 特表2004-534408号公報 特開平11-6073号公報
上記したようなソルダーレジスト層は従来の平板状の回路基板においても設けられていたものの、立体回路基板においては、平板状の回路基板でのソルダーレジスト層形成のように、基板垂直方向から光照射を行う露光を行うことが困難である。そのため、特許文献5の立体回路基板のように、硬化性樹脂で成形品をディッピングして樹脂被膜を形成しておき、配線回路形成をしたい部分にレーザー照射を行って樹脂被膜の一部に開口部を形成することが考えられる。しかしながら、三次元的に照射が可能なレーザー照射装置を用いたとしても、任意の複雑な三次元表面を有する成形品の表面にレーザー照射を行うと、照射表面にレーザー光が垂直方向から照射されるとは限らず、斜めからレーザー光が入射した部分が存在し、樹脂被膜に吸収される光エネルギーが均一ではないため、均一で微細な開口部を設けることが困難であった。
また、上記のような方法により樹脂被膜に開口部を形成する場合、樹脂として光硬化性樹脂を使用するよりはエポキシ等の熱硬化性樹脂の方が好ましいと言える。一方で、熱硬化性樹脂を使用して樹脂被膜を形成する場合は、成形品を高温環境下に置く必要があるため、成形品も耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチック等を使用することが好ましいと言える。
しかしながら、エンジニアリングプラスチックからなる成形品では、従来から樹脂被膜として用いられてきたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の密着性が乏しく、樹脂被膜が基板(成形品)から剥離することも考えられる。
本発明はこのような課題のもとになされたものであり、本発明の目的は、レーザー開口性に優れ、且つ基板との密着性にも優れるソルダーレジスト組成物を提供することである。また、本発明の別の目的は、該ソルダーレジスト組成物を用いた硬化物および立体回路基板を提供することである。
本発明者らは、熱硬化性樹脂として特定の2種の樹脂に特定の硬化性触媒とを組み合わせることにより、レーザー開口性および基板との密着性の両方に優れるソルダーレジスト組成物を実現できるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] (A)エポキシ樹脂、
(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂、
(C)フィラー、
(D)イミダゾール系硬化触媒、および
(E)黒色着色剤
を少なくとも含んでなることを特徴とする、ソルダーレジスト組成物。
[2] 前記(E)黒色着色剤がカーボンブラックである、[1]に記載のソルダーレジスト組成物。
[3] 前記(E)黒色着色剤が、前記(A)エポキシ樹脂および(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂の固形分合計量に対して0.3~10質量%含まれる、[1]または[2]に記載のソルダーレジスト組成物。
[4] 前記(A)エポキシ樹脂が、ノボラック型エポキシ樹脂を含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
[5] 立体回路基板のソルダーレジスト層形成に使用される、[1]~[4]のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
[6] 前記立体回路基板が、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアミド、およびポリアセタールからなる群より選択されるエンジニアリングプラスチックを含む基板を備える、[5]に記載のソルダーレジスト組成物。
[7] 前記基板が、光照射により金属を析出し得る非導電性金属錯体を含む、[6]に記載のソルダーレジスト組成物。
[8] [1]~[7]のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物の硬化物。
[9] [8]に記載の硬化物からなるソルダーレジスト層を備える立体回路基板。
本発明によれば、レーザー開口性に優れ、且つ基板との密着性にも優れるソルダーレジスト組成物を実現することができる。
[ソルダーレジスト組成物]
本発明によるソルダーレジスト組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂、(C)フィラー、(D)イミダゾール系硬化触媒、および(E)黒色着色剤を必須成分として含む。本発明のソルダーレジスト組成物は、特に用途が限定されるものではないが、立体回路基板のソルダーレジスト層の形成に好適に使用できる。本発明によれば、立体回路基板のソルダーレジスト層として上記ソルダーレジスト組成物を使用することにより、優れたレーザー開口性と、基板との優れた密着性とを両立させることができる。この理由は明らかではないが、以下のように推察できる。
上記したような立体回路基板は、その特徴が活かせるよう成形品に近い形状とする場合が多く、射出成型、3Dプリント成形、切削加工等によって立体回路基板を作製する。そのため、従来の平板状の配線回路基板に使用していたようなエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができず、耐熱性の高い(すなわち、素子実装時のリフロー処理に耐えうるような)熱可塑性樹脂が基板材料として使用される。また、立体回路基板では、レーザー照射により樹脂被膜の一部に開口部を形成することにより回路形成が行われるため、基板がレーザー照射の熱により変形したり炭化しないように耐熱性の高い樹脂材料が使用される。このような樹脂材料としては、エンジニアリングプラスチックと呼ばれる耐熱性の高い樹脂が挙げられるが、エンジニアリングプラスチックからなる基板表面にソルダーレジスト層を形成する場合、ソルダーレジスト組成物の熱硬化性成分として通常使用されているエポキシ樹脂では基板との密着性が不十分である。そのため、本発明においては、硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂に加えてエポキシ化ポリブタジエン樹脂を含有することにより、基板との密着性が改善するものと考えられる。一方、エポキシ化ポリブタジエン樹脂を含有するとレーザー開口性が悪化する傾向にあるが、ソルダーレジスト組成物に黒色着色剤が含まれていることにより、基板との密着性を改善しながら良好なレーザー開口性を実現できるものと考えられる。以下、本発明のソルダーレジスト組成物を構成する各成分について説明する。
<(A)エポキシ樹脂>
本発明のソルダーレジスト組成物は(A)エポキシ樹脂を必須成分として含む。エポキシ樹脂は1個以上のエポキシ基を有する公知慣用の化合物を使用することができ、なかでも2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのモノエポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル-1,3-ジグリシジルエーテル、ビフェニル-4,4’-ジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、上記したエポキシ樹脂のなかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂を好ましく使用することができる。後記するように本発明のソルダーレジスト組成物は(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂を必須成分として含むものであるが、(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂と、(A)エポキシ樹脂として上記したようなエポキシ樹脂とを併用することにより、レーザー開口性と基板との密着性とをよりいっそう改善することができる。また、上記したエポキシ樹脂のなかでも、硬化被膜の耐溶剤性を考慮すると、ノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール、アルキルフェノール、ビスフェノールAなどのフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応させて得られるノボラック類に、エピクロルヒドリン、メチルエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンを反応させて得られるものが挙げられる。
ノボラック型エポキシ樹脂として市販品を使用してもよく、例えば、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製のYDCN-704、YDPN-638、ダウケミカル日本株式会社製のD.E.N.431、D.E.N.439、ハンツマン社製のAraldite EPN-1138、ECN-1299、DIC株式会社製のEPICLON N-730、N-770、N-865、N-665、N-673、N-695、日本化薬株式会社製のEOCN-104、EOCN-1020等が挙げられる。これらは要求特性に合わせて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)エポキシ樹脂は、エポキシ化ポリブタジエン樹脂との相溶性を考慮すると、ソルダーレジスト組成物中、固形分換算において10~35質量%含まれることが好ましく、15~30質量%含まれることがより好ましい。
<(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂>
本発明のソルダーレジスト組成物は、樹脂成分として上記した(A)エポキシ樹脂とともに(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂を必須成分として含む。(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂としては、ポリブタジエン骨格とエポキシ基の両方を併せ持つものであれば、特に制限されずに用いることができる。(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂は、(A)エポキシ樹脂の硬化時にエポキシ基が反応することで、基板との密着性を向上させることができる。
(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂は、ポリブタジエンを過酸化水素水または過酸類によりエポキシ化することによって得ることができる。原料として使用されるポリブタジエンは、直鎖状であっても分岐状であってもよい。ポリブタジエンの数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、2000~7000の範囲であることが好ましく、このようなポリブタジエンを原料としてエポキシ化したポリブタジエン樹脂(エポキシ化ポリブタジエン樹脂)は、2000~7000の範囲の数平均分子量を有する。なお、本明細書において、数平均分子量の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC)法(ポリスチレン標準)により測定された値を意味する。
(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂は、基板との密着性とレーザー開口性とを両立する観点から、ソルダーレジスト組成物中、固形分換算において7~30質量%含まれることが好ましく、10~25質量%含まれることがより好ましい。
(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂として市販品を使用してもよく、例えば、株式会社ダイセルのエポリード PB3600、同PB4700、エポフレンド CT310、同AT501、日本曹達株式会社製のJP-100、JP-200、クレイバレー社製のRicon 657等が挙げられる。これらは要求特性に合わせて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<(C)フィラー>
本発明のソルダーレジスト組成物は、(C)フィラーを必須成分として含む。ソルダーレジスト組成物にフィラーが含まれることにより、樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の機械的強度を向上させることができる。フィラーとしては、公知の無機または有機フィラーが使用できるが、特に硫酸バリウム、シリカ、ノイブルグ珪土粒子、およびタルク等の無機フィラーを好適に使用することができる。また、難燃性を得るために金属酸化物や水酸化アルミ等の金属水酸化物を併用してもよい。
上記した(C)フィラーは、ソルダーレジスト組成物中での分散性を高めるために、フィラーは表面処理されたものであってもよい。表面処理がされているフィラーを使用することで、凝集を抑制することができる。表面処理方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いればよいが、硬化性反応基を有する表面処理剤、例えば、硬化性反応基を有機基として有するカップリング剤等で無機フィラーの表面を処理することが好ましい。
カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等のカップリング剤が使用できる。これらのなかでも、シラン系カップリング剤が好ましい。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N-(2-アミノメチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アニリノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ソルダーレジスト組成物中の(C)フィラーの含有量は、(A)エポキシ樹脂および(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂の固形分合計量に対して50~250質量%の範囲であることが好ましく、立体回路基板を製造する際のソルダーレジスト組成物の液ダレ抑制の観点からは150~250質量%の範囲であることがより好ましく、160~220質量%の範囲であることがさらに好ましい。
<(D)イミダゾール系硬化触媒>
本発明のソルダーレジスト組成物は、上記した(A)エポキシ樹脂を硬化させるとともに、(A)エポキシ樹脂と(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂との反応を促進させるための硬化触媒を必須成分として含む。硬化触媒として、本発明においては(D)イミダゾール系硬化触媒を含む。(D)イミダゾール系硬化触媒は、(A)エポキシ樹脂の硬化促進剤として機能するとともに、硬化したエポキシ樹脂を低弾性化させるため、基板との密着性が改善されるものと考えられる。
(D)イミダゾール系硬化触媒としては、周知慣用のものを制限なく使用することができ、例えば、2-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、4(5)-エチル-2-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾール、4,5-ジメチル-2-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾール、4-エチル-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチルイミダゾール、(2-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、4-ブチル-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)イミダゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、4(5)-エチル-2-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)イミダゾール、4,5-ジメチル-2-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)イミダゾール、4-エチル-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-5-メチルイミダゾール、(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、4-ブチル-(2-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)イミダゾール、2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、4(5)-エチル-2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)イミダゾール、4,5-ジメチル-2-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)イミダゾール、4-エチル-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-5-メチルイミダゾール、(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、4-ブチル-(2-ヒドロキシ-4-メチルフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)イミダゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、4(5)-エチル-2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)イミダゾール、4,5-ジメチル-2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)イミダゾール、4-エチル-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-メチルイミダゾール、(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、4-ブチル-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-エチルイミダゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-4-エチル-5-メチルイミダゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、4-ブチル-2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、2-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-エチルイミダゾール、2-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾール、4-エチル-2-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、4-ブチル-2-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2-(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、2-(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-エチルイミダゾール、2-(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾール、2-(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-エチル-5-メチルイミダゾール、2-(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、4-ブチル-2-(4-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-エチルイミダゾール、2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾール、2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-4-エチル-5-メチルイミダゾール、2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、2-(4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-4-ブチル-5-メチルイミダゾール等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記したなかでも、2-(2-ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4(5)-メチルイミダゾール、4-エチル-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチルイミダゾール、(2-ヒドロキシフェニル)-4-イソプロピル-5-メチルイミダゾール、4-ブチル-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。
(D)イミダゾール系硬化触媒の含有量は、固形分換算で、(A)エポキシ樹脂100質量部に対し、好適には0.05~10質量部、より好適には0.1~7質量部である。硬化触媒が0.05質量部以上であると、良好な硬化状態となり、一方、硬化触媒が10質量部以下であると、適度な密着性が得られる。
<(E)黒色着色剤>
本発明のソルダーレジスト組成物は、(E)黒色着色剤を必須成分として含む。(E)黒色着色剤は、ソルダーレジスト組成物を硬化させた硬化被膜にレーザー照射して開口を形成する際に、レーザー光の吸収性を向上させ、吸収した光エネルギーを熱エネルギーに変換することで硬化した樹脂を分解除去して、硬化被膜に開口を形成することができる。(E)黒色着色剤の種類は特に制限されるものではないが、後記するようにソルダーレジスト組成物を適用する基板が光照射により金属を析出し得る非導電性金属錯体を含む場合には、当該光照射の光を吸収し得るものであることが好ましい。
黒色着色剤としては、C.I.ピグメントブラック6、7、9および18等で示されるに示されるカーボンブラック系の顔料、C.I.ピグメントブラック8、10等に示される黒鉛系の顔料、C.I.ピグメントブラック11、12および27等で示される酸化鉄系の顔料(例えば、戸田工業株式会社製のKN-370の酸化鉄、三菱マテリアル電子化成株式会社製の13Mのチタンブラック)、C.I.ピグメントブラック20等で示されるアンスラキノン系の顔料、C.I.ピグメントブラック13、25および29等で示される酸化コバルト系の顔料、C.I.ピグメントブラック15および28等で示される酸化銅系の顔料、C.I.ピグメントブラック14および26等で示されるマンガン系の顔料、C.I.ピグメントブラック23等で示される酸化アンチモン系の顔料、C.I.ピグメントブラック30等で示される酸化ニッケル系の顔料、C.I.ピグメントブラック31、32で示されるペリレン系の顔料、および硫化モリブデンや硫化ビスマスも好適な顔料として例示できる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記した(E)黒色着色剤のなかでも、レーザー開口性の観点からはカーボンブラックを好適に使用することができる。カーボンブラックとしては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のカーボンブラック、#40、#45、MA8、MA100、また、ペリレン系の顔料は有機顔料のなかでも低ハロゲン化に有効である。
ソルダーレジスト組成物中の(E)黒色着色剤の含有量は、開口性と樹脂の硬化性とを両立する観点から、(A)エポキシ樹脂および(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂の固形分合計量に対して0.3~10質量%の範囲であることが好ましく、0.4~7質量%の範囲であることがより好ましく、0.4~5質量%であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明のソルダーレジスト組成物は、上記した成分に加えて他の成分を含んでいてもよい。例えば、組成物の調製や、基板やキャリアフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤が含まれていてもよい。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明によるソルダーレジスト組成物は、光硬化性樹脂が含まれていてもよい。光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線によってラジカル性の付加重合反応により硬化し得る硬化性樹脂が挙げられる。このような硬化性樹脂としては分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有するラジカル性の付加重合反応性成分が挙げられる。本発明において好適に使用できる光硬化性樹脂の具体例としては、例えば、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げることができる。具体的には、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコールのジアクリレート類;N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアクリルアミド類;N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレート等のアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス-ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε-カプロラクトン付加物等の多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物等の多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルエーテルの多価アクリレート類;前記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオール等のポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および前記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか一種等が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。上記した光硬化性樹脂は、液状であることが好ましい。
また、本発明のソルダーレジスト組成物においてエポキシ樹脂との熱硬化反応を促進させる場合や、本発明のソルダーレジスト組成物をアルカリ現像型のソルダーレジスト組成物とする場合は、光硬化性樹脂として、カルボキシル基含有樹脂を用いることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂は、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有感光性樹脂であってもよい。また、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有感光性樹脂は芳香環を有していても有していなくてもよい。
本発明のソルダーレジスト組成物が光硬化性樹脂を含む場合には、併せて光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ-テル、ベンゾインエチルエ-テル、ベンゾインイソプロピルエ-テル、ベンゾインイソブチルエ-テル、ベンジルメチルケタ-ルなどのベンゾイン化合物とそのアルキルエ-テル類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ターシャリ-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサントン、2、4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタ-ル、ベンジルジメチルケタ-ルなどのケタ-ル類;ベンゾフェノン、4,4-ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類などが挙げられる。これらは単独または2種類以上を混合して使用することが可能であり、さらにトリエタノ-ルアミン、メチルジエタノ-ルアミン等の第3級アミン;2-ジメチルアミノエチル安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体などの光重合開始助剤等と組み合わせて使用することができる。
本発明のソルダーレジスト組成物は、電子材料の分野において公知慣用の他の添加剤を含有してもよい。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、他の着色剤、増感剤、硬化促進剤、離型剤、表面処理剤、分散剤、湿潤分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
本発明のソルダーレジスト組成物は、25℃で液状であることが好ましい。なお、液状とは、流動性を有する液体の状態にあることをいうものとする。
本発明のソルダーレジスト組成物は、液状してそのまま用いてもよく、またドライフィルム化して用いてもよい。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよい。
本発明のソルダーレジスト組成物をドライフィルム化する方法としては、周知慣用の技術を適用でき、例えば第一のフィルム上に、上記したソルダーレジスト組成物を塗布、乾燥することで樹脂層を形成することが挙げられる。また、上記のようにして得られたドライフィルムには、樹脂層表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、樹脂層の表面に剥離可能な第二のフィルムが設けられていてもよい。ここで、「第一のフィルム」とは、基板等の基材上に、ドライフィルム上に形成された樹脂層側が接するように加熱等によりラミネートして一体成形する際に少なくとも樹脂層に接着しているものをいう。第一のフィルムはラミネート後の工程において、樹脂層から剥離しても良い。特に本発明においては硬化後の工程(但し、露光の工程を実施する場合は露光後の工程)において、樹脂層から剥離することが好ましい。また、「第二のフィルム」とは、基板等の基材上に感光性フィルム積層体の樹脂層側が接するように加熱等によりラミネートして一体成形する際、ラミネート前に硬化性樹脂層から剥離するものをいう。
ドライフィルムを形成する際には、まず、本発明のソルダーレジスト組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整した上で、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等により、キャリアフィルム上に均一な厚さに塗布する。その後、塗布された組成物を、通常、40~130℃の温度で1~30分間乾燥することで、樹脂層を形成することができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、3~150μm、好ましくは5~60μmの範囲で適宜選択される。
第一のフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等を用いることができる。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10~150μmの範囲で適宜選択される。より好ましくは15~130μmの範囲である。
第二のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルムやポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができる。第二のフィルムとしては、第二のフィルムを剥離するときに、樹脂層と第一のフィルムとの接着力よりも小さいものであればよい。第二のフィルム上に本発明のソルダーレジスト組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、樹脂層の表面に第一フィルムを積層するものであってもよい。すなわち、本発明においてドライフィルムを製造する際に本発明のソルダーレジスト組成物を塗布するフィルムとしては、第一のフィルムおよび第二のフィルムのいずれを用いてもよい。
[硬化物およびその硬化物からなるソルダーレジスト層を備える立体回路基板]
本実施形態に係る硬化物は、上記本発明のソルダーレジスト組成物、または上記本発明のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られるものである。上記した本発明のソルダーレジスト組成物は、従来公知の平板状のプリント配線基板におけるソルダーレジスト層等にも使用することはいうまでもないが、平面板のような被塗布体だけでなく、塗布表面が3次元構造を有する3次元構造体にも好適に使用することができる。3次元構造体には多面体も球面体も含まれる。このような被塗布体としては、フレキシブルプリント配線板、立体回路基板等が挙げられ、なかでも立体回路基板に好適に使用することができる。立体回路基板とは、機械的機能と電気的機能とを併せ持つ3次元的に電気回路配線が形成されたプラスチック成型品をいい、例えば上記した特許文献1~5に記載されているような立体基板に直接回路形成された3次元回路基板が挙げられる。立体基板の成型材料としては、公知のものが用いられ、例えば、樹脂を用いた有機系材料に無機系材料を混合したもの等が挙げられる。
立体回路基板においては、立体基板は樹脂成型品からなり、樹脂成型品に回路が形成されてなるものが好ましく、質量が軽く成型が容易な熱可塑性樹脂を用いることが望ましく、特に、立体回路基板は電子部品をはんだで実装するので、エンジニアリングプラスチックとよばれる耐熱性に優れたフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、非晶ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマーが好適である。また、本発明のソルダーレジスト組成物を立体回路基板に適用した場合に、(A)エポキシ樹脂を硬化させる際の熱に耐え得る観点からは、上記のなかでもポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタールを好適に使用することができる。
立体回路基板においては、立体基板表面に回路を形成する方法は既知の手法を用いることができ、目的に応じて適宜選択すればよい。特に、立体基板回路においては、立体基板の材料である成形用樹脂に非導電性金属錯体を分散させ、この成形用樹脂を用いて立体基板を成形した後に、レーザー光線を回路パターンに合わせて照射して金属核を生じさせ、その後、めっきを施して回路を形成することもできる。
立体回路基板の形成に用いる非導電性金属錯体としては、特に制限はないが、光照射により金属を析出し得る非導電性金属錯体を好ましく使用することができる。このような非導電性金属錯体の中心金属としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)等を挙げることができる。また、非導電性金属錯体の配位子としては、例えば、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等のβ-ジケトン類、アセト酢酸エチル等のβ-ケトカルボン酸エステル等の有機カルボニル化合物:-N=N-結合を有する有機窒素化合物、-C=N-とOH結合とを有する有機窒素化合物、-N<と-OH結合とを有する有機窒素化合物のような有機窒素化合物:>C=S結合を有する有機硫黄化合物、-C-SH結合を有する有機硫黄化合物のような有機硫黄化合物等を挙げることができる。
上記した非導電性金属錯体から金属を析出させる際の光照射としては、レーザー光であることが好ましい。レーザー光は、上記非導電性金属錯体に照射することにより、金属を析出させることができるものであれば、特に制限はない。レーザー光の波長としては、例えば、248nm、308nm、355nm、532nm、1064nmおよび10600nmを用いることができる。
本発明のソルダーレジスト組成物または当該ソルダーレジスト組成物をドライフィルム化したものは、熱を加えることで硬化し、硬化物を得ることができる。例えば、ソルダーレジスト組成物を、上記有機溶剤を用いて塗布方法に適した粘度に調整して、基板上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法、インクジェット塗布法、ディスペンス法等の各種方法により塗布する。塗布後、熱風循環式乾燥炉を用いて、例えば、60~220℃で20~120分間の加熱硬化で本硬化させることにより、基板との密着性に優れた硬化被膜を形成することができる。
なお、ドライフィルムの場合、ラミネーター等により樹脂層が基板と接触するようにドライフィルムを基板上に貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、基板上に樹脂層を形成してから、上記条件により本硬化させる。本発明のソルダーレジスト組成物を塗布した後(ドライフィルムの場合は、樹脂層の形成した後)に行う本硬化は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
[ソルダーレジスト組成物の調製]
下記表1に示す各成分を表に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて分散を行い、実施例1~8および比較例1~2の各ソルダーレジスト組成物を調製した。なお、表1中に示す数値は、固形分含有量(質量部)を意味する。
なお、表1中の*1~*17は、以下の成分を表す。
*1 DIC株式会社製 EPICLON N-695、ノボラック型エポキシ樹脂
*2 日本化薬株式会社製 EOCN-104S、ノボラック型エポキシ樹脂
*3 三菱ケミカル株式会社 jER 1001、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
*4 株式会社ダイセル製 PB4700、エポキシ化ポリブタジエン、Mn:2000~3500
*5 日本曹達株式会社製 JP-200、エポキシ化ポリブタジエン、Mn:2200
*6 堺化学工業株式会社製 BARIACE B-30、硫酸バリウム(フィラー)
*7 株式会社龍森製 CRS-1103WX、溶融シリカ(フィラー)
*8 日本アエロジル株式会社製 アエロジルR974、合成非晶質シリカ(フィラー)
*9 富士タルク工業株式会社製 FH105、タルク(フィラー)
*10 四国化成工業株式会社製 キュアゾール2PHZ-PW、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(硬化触媒)
*11 三菱ケミカル株式会社製 MA-100、カーボンブラック(黒色着色剤)
*12 アサヒ化成工業株式会社製 銅クロムマンガンブラック、Pigment Black 28(黒色着色剤)
*13 日弘ビックス株式会社製 CZ-309D、C.I.ピグメントイエロー(着色剤)
*14 日弘ビックス株式会社製 CZ-601D、銅フタロシアニンブルー(着色剤)
*15 信越化学工業株式会社製 KS-66、シリコーン消泡剤
*16 BYK社製 DISPERBYK-111、湿潤分散剤
*17 明和化成株式会社製 HF-1M、フェノール樹脂
Figure 2022107532000001
[評価]
上記のようにして得られた各ソルダーレジスト組成物を、基板として用意したポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムの表面にスクリーン印刷により、乾燥後の膜厚が25μmになるように全面塗布し、80℃で30分乾燥した後、150℃で30分間加熱して樹脂組成物を硬化させて基板上に硬化被膜を形成した。得られた硬化被膜について下記評価方法により評価を行った。
<密着性評価>
上記のようにして得られた硬化被膜の表面にカッターナイフで100個の碁盤目を形成し、セロハンテープ(25mmの幅当たり10±1Nの付着強さ)による引き剥がしにより、基板と硬化被膜との密着性の評価を行った。評価基準は以下のとおりとした。
〇:残存碁盤目数80以上
×:残存碁盤目数80未満
評価結果は下記表2に示されるとおりであった。
<レーザー開口性評価>
基板上に形成した硬化被膜の表面に、近赤外レーザーを、速度:4mm/s、出力:4W、周波数:60kHzの条件にて照射し、レーザー照射した部分の硬化被膜の膜厚について表面粗さ測定器(株式会社小坂研究所製、SE700)を用いて測定し、レーザー照射前の膜厚(25μm)との差を開口膜厚とし、レーザー開口性の評価を行った。評価基準は以下のとおりとした。
◎:開口膜厚15μm以上
〇:開口膜厚5μm以上15μm未満
×:開口膜厚5μm未満
評価結果は下記表2に示されるとおりであった。
<液ダレ性評価>
矩形上のPPSフィルムに評線を描き、評線部分に、実施例1~8の各ソルダーレジスト組成物を0.05ml滴下し、PPSフィルムをラックに立て掛けてフィルム面が重力方向に対してほぼ水平になるように載置し、150℃で30分間加熱して当該組成物を乾燥ないし硬化させた後、標線からの液ダレの長さを測定し、液ダレ長さから液ダレ性評価を行った。評価結果は下記表2に示されるとおりであった。なお、比較例1および2のソルダーレジスト組成物については評価を行わなかった。
Figure 2022107532000002
表2に示された評価結果からも明らかなように、エポキシ樹脂とエポキシ化ポリブタジエン樹脂とを併用したソルダーレジスト組成物(実施例1~8)は、基板との密着性が優れており、レーザー開口性も良好であることがわかる。一方、エポキシ化ポリブタジエン樹脂を含まないソルダーレジスト組成物(比較例1)は基板との密着性が不十分である。また、黒色着色剤を含まないソルダーレジスト組成物(比較例2)はレーザー開口性が不十分であることがわかる。
また、実施例1~8のうち、フィラーを樹脂成分に対して150質量%以上の割合で含むソルダーレジスト組成物(実施例1~4および6~8)は、フィラー含有量が比較的少ないソルダーレジスト組成物(実施例5)と比べて液ダレ長さが短く、液ダレ性が良好であることがわかる。

Claims (9)

  1. (A)エポキシ樹脂、
    (B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂、
    (C)フィラー、
    (D)イミダゾール系硬化触媒、および
    (E)黒色着色剤
    を少なくとも含んでなることを特徴とする、ソルダーレジスト組成物。
  2. 前記(E)黒色着色剤がカーボンブラックである、請求項1に記載のソルダーレジスト組成物。
  3. 前記(E)黒色着色剤が、前記(A)エポキシ樹脂および(B)エポキシ化ポリブタジエン樹脂の固形分合計量に対して0.3~10質量%含まれる、請求項1または2に記載のソルダーレジスト組成物。
  4. 前記(A)エポキシ樹脂が、ノボラック型エポキシ樹脂を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  5. 立体回路基板のソルダーレジスト層形成に使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物。
  6. 前記立体回路基板が、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアミド、およびポリアセタールからなる群より選択されるエンジニアリングプラスチックを含む基板を備える、請求項5に記載のソルダーレジスト組成物。
  7. 前記基板が、光照射により金属を析出し得る非導電性金属錯体を含む、請求項6に記載のソルダーレジスト組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のソルダーレジスト組成物の硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物からなるソルダーレジスト層を備える立体回路基板。
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