JP2017130622A - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のプリント配線板は、グランド回路を含む導体回路および前記導体回路を絶縁する絶縁層(A)(以下、絶縁層(A)とも称する)が形成されたプリント配線基材上に、電磁波シールド層として機能する導電層(B)(以下、導電層(B)とも称する)と、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)(以下、絶縁保護膜(C)とも称する)とを順次形成してなる、実装部と電磁波シールド部とを有するプリント配線板であって、前記アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)が、電磁波シールド部の保護膜および実装部のソルダーレジストとして構成されているものである。
本発明では、上記プリント配線板を用いることによって、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有するアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜の硬化物を一括して形成することが可能となり、これまでに比べてFPCなどのプリント配線板の製造工程における工数を減らすことができ、作業性およびコスト性の向上を図ることが可能となる。
即ち、従来のプリント配線板、特に、FPCでは、絶縁膜上に金型成型した電磁波シールドフィルムを熱圧着していたが、本発明では、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有するアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して形成することによって、プリント配線板の製造工程において時間や手間がかかっていた電磁波シールドフィルムの熱圧着工程を省くことができ、製造工数を大幅に削減することができる。また、電磁波シールドフィルムを切り出した端材等の廃棄物を減らすことができ、製造ロスを削減することができる。
本発明のプリント配線板は、特に、フレキシブルプリント配線板として有用である。
本発明のプリント配線板を構成する図1中の樹脂構造体3は、グランド回路5を含む導体回路2が形成された基材1上に設けられ、導体回路2を絶縁する絶縁層(A)と、導電層(B)と、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)とからなり、絶縁保護膜(C)が、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有するものである。
上記絶縁層(A)は、基材1上に形成された導体回路2のうち、グランド回路5を露出させるように形成されていればよく、実装部において当該絶縁層は形成されていてもされていなくともよい。
上記導電層(B)は、基材1上に形成された導体回路2のうち、グランド回路5と確実に導通接続するように形成されていればよく、実装部において当該導電層(B)は形成されていてもされていなくともよい。
本発明の絶縁層(A)は、図1に示すように、基材1上に設けられた導体回路2を被覆するように絶縁層(A)を形成してなるものである。絶縁層(A)は、導体回路2のうちグランド回路5を露出させるように形成されていればよい。
感光性の樹脂組成物(A1)は、後述するアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)に用いられるアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)と同じであってもよく、異なっていてもよい。
非感光性の樹脂組成物(A1)も特に制限されるべきものではなく、既知のものを使用することができる。例えば、ポリイミドなどのフィルムに非感光性樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を構成する場合、かかる非感光性樹脂組成物層をパターン加工してフレキシブル基材上に形成する方法としては、非感光性樹脂組成物を塗布することにより形成された樹脂組成物層を有するフィルムをパンチングによる孔空け加工後、フレキシブル基材上に熱圧着する方法を採用することができる。
本発明の導電層(B)は、電磁波シールド層として機能する層である。図1に示すように、導電層(B)は、基材1上に形成された導体回路2のうちグランド回路5と確実に導通接続するように形成されていればよい。
本発明の導電層(B)に用いられる導電性組成物としては、熱硬化性の導電性組成物でも、感光性の導電性組成物でもよい。また、導電性組成物としては、液状、ペースト状、シート状、フィルム状のいずれも使用できるが、製造ロスの削減や、基材への追従性の観点から、液状が好ましい。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)は、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)からなる層である。アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)からなることにより、光照射によりパターニングが可能であり、かつ、現像によりパターンを形成することが可能となる。
本発明においては、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)がソルダーレジストの特性と電磁波シールド部材の特性とを有することによって、プリント配線板の電磁波シールド部の保護膜と実装部のソルダーレジストとの双方に適用することができる。このことによって、本発明は、プリント配線板上において微細なパターン形成が可能で、電気絶縁性、はんだ耐熱性に優れ、かつ、シールド特性、密着性、耐折性にも優れるプリント配線板を得ることができる。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲にあることが望ましい。カルボキシル基含有樹脂の酸価が20mgKOH/g以上であるとアルカリ現像が容易となり、一方、200mgKOH/g以下であると、現像液による露光部の溶解を抑制できるため、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離したりすることを抑制して、良好にレジストパターンを描画することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などである。このような有機溶剤は、単独で又は2種以上の混合物として用いられる。
本発明の一実施形態におけるプリント配線板の製造方法は、プリント配線基材上に、上記絶縁層(A)と、導電層(B)と、絶縁保護膜(C)とを順次形成して樹脂構造体を形成する工程、前記樹脂構造体にパターン状に光を照射する工程、および、前記光照射された樹脂構造体をアルカリ現像して、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する前記絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して形成する工程、を含むものである。
このことによって、従来のプリント配線板、特に、FPCの製造工程において、時間や手間がかかっていた電磁波シールドフィルムの熱圧着工程を省くことができ、製造工数を大幅に削減することができる。また、電磁波シールドフィルムを切り出した端材等の廃棄物を減らすことができ、製造ロスを削減することができる。
[絶縁層(A)の形成工程]
この工程では、基材1上に設けられた導体回路2を被覆するように樹脂組成物(A1)からなる絶縁層(A)を形成し、グランド回路5を含む導体回路2および前記導体回路2を絶縁する絶縁層(A)とする。図1に示すように、絶縁層(A)は、導体回路2のうちグランド回路5を露出させるように形成されていればよい。絶縁層(A)は、感光性または非感光性の樹脂組成物(A1)からなるものとすることができる。また、絶縁層(A)を積層することにより回路追従性と基板との密着性を向上させることができる。
塗布法の場合、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により、樹脂組成物(A1)を導体回路2が設けられた基材1上に塗布し、50〜200℃程度の温度で15〜90分間程度加熱することにより絶縁層(A)を形成する。
ラミネート法の場合、まずは、樹脂組成物(A1)を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、キャリアフィルム上に塗布、乾燥して絶縁層(A)を有するドライフィルムを作製する。次に、ラミネーター等により絶縁層(A)が、基材1と接触するように貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥離する。
この工程では、グランド回路5を含む導体回路2および前記導体回路2を絶縁する絶縁層(A)上のシールド部に、導電性組成物からなる導電層(B)を形成する。図1に示すように、導電層(B)は、基材1上に形成された導体回路2のうちグランド回路5と確実に導通接続するように形成されていればよい。導電層(B)に用いられる導電性組成物としては、液状、ペースト状、シート状、フィルム状のいずれも使用できるが、製造ロスの削減や、基材への追従性の観点から、液状が好ましい。さらに、導電層(B)を積層することにより回路追従性と絶縁層(A)との密着性を向上させることができる。
塗布法の場合、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ディップコート法等の方法により、絶縁層(A)上のシールド部に塗布し、50〜200℃程度の温度で15〜90分間程度加熱することにより導電層(B)を形成する。
ラミネート法の場合、まずは、導電性組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、キャリアフィルム上に塗布、乾燥して導電層(B)を有するドライフィルムを作製する。次に、ラミネーター等により導電層(B)が、基材1と接触するように貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥離する。
この工程では、絶縁層(A)および導電層(B)上に、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)からなる絶縁保護膜(C)を形成する。アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)としては、液状、フィルム状のいずれも使用することができる。アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)を塗布することにより形成された絶縁保護膜(C)を光照射し、現像することにより、パターン形成が可能となる。また、絶縁保護膜(C)を積層することにより回路追従性と絶縁層(A)および導電層(B)との密着性を向上させることができる。
絶縁保護膜(C)は、導体回路2のうちグランド回路5と確実に導通接続すること以外は導電層(B)の形成方法と同様の方法で形成することができる。
この工程では、樹脂構造体3に対して、ネガ型のパターン状に光照射する。この工程により、光照射部を硬化できる。図1中の光照射工程は、光照射された樹脂構造体3のうちの絶縁保護膜(C)を硬化する工程を示す。
光照射機としては、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ、超高圧水銀ランプまたはレーザー光などを光源とした写真ネガ接触方式、写真ネガ非接触式、プロジェクション式または直接描画方式の装置を用いることができる。
この工程では、光照射された樹脂構造体3を現像してパターンを形成する。図1中の現像工程は、光照射された樹脂構造体3のうちの絶縁保護膜(C)をアルカリ現像することにより、未照射部が除去され、ネガ型のパターンを形成する工程を示す。この現像工程により、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する前記絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して得ることができる。
現像方法としては、アルカリ現像であり、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等公知の方法によることができる。
アルカリ現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エタノールアミン、イミダゾールなどのアミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液またはこれらの混合液を用いることができる。
(熱硬化工程)
現像工程の後に、さらに、加熱により樹脂構造体3を熱硬化(ポストキュア)してもよい。熱硬化することにより、樹脂構造体3を十分に熱硬化させることができる。加熱温度は、例えば、130〜200℃以上である。
図2における他のプリント配線板の製造方法は、感光性の導電性組成物からなる導電層(B)を用いること以外は、上記図1の製造方法と同様の方法とすることができる。図2の製造方法により、感光性導電性組成物層の硬化物と、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する絶縁保護膜(C)の硬化物と、をも一括して形成することができる。
また、図2に示すように、絶縁層(A)および感光性の導電性組成物からなる導電層(B)は、実装部において形成されていてもよい。
電磁波シールド層として機能する導電層(B)を形成する導電性組成物として、銀を用いた導電ペーストを使用した。導電粉末の銀としては、フレーク状銀粉および球状銀粉のものを使用した。導電性組成物の樹脂成分としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を使用した。各導電性組成物(実施例1〜3)の配合内容を下記の表1に示す。
*2:球状銀粉末、平均粒径0.5〜3μm
*3:フェノキシ樹脂(YP−50、東都化成(株)製)
*4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER828、三菱化学(株)製)
*5:室温ではエポキシ樹脂とは反応せず、加熱など所定の条件下で反応、硬化する硬化剤、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の反応物(キュアダクトP−0505、四国化成工業(株)製)
*6:ホウ酸エステル化合物(キュアダクトL−07N、四国化成工業(株)製)
*7:ポリエステル樹脂(バイロン290、東洋紡(株)製)
*8:エチルカルビトールアセテート
電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する絶縁保護膜(C)を形成するアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)としては、下記表2に記載の配合内容に従って、各成分をそれぞれ配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、絶縁保護膜(C)を形成するアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)を調製した。表2中の値は、特に断りが無い限り、質量部である。
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製T5650J、数平均分子量800)を2400g(3.0モル)、ジメチロールブタン酸を603g(4.5モル)、およびモノヒドロキシル化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレートを238g(2.6モル)投入した。次に、芳香族系でないイソシアネート基を有する化合物としてイソホロンジイソシアネート1887g(8.5モル)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、固形分が50質量%となるようにカルビトールアセテートを添加し、カルボキシル基含有樹脂溶液1を得た。得られた樹脂溶液の固形分の酸価は51.0mgKOH/gであった。
ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬社製NC−3000、エポキシ当量286、軟化点67℃、nは、2.24である。)2860g(10当量)、アクリル酸720.6g(10当量)、メチルハイドロキノン5.5g、カルビトールアセテート1349.6gおよびソルベントナフサ578.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで反応液を60℃まで冷却し、トリフェニルフォスフィン16.5gを仕込み、98℃に加熱し、約32時間反応し、酸価(mgKOH/g)が3.0以下になったら、冷却し、エポキシアクリレート樹脂を得た。得られたエポキシアクリレート樹脂5530.6g、テトラヒドロ無水フタル酸1338.5g、カルビトールアセテート504.5gおよびソルベントナフサ216.2gを仕込み、95℃で10時間反応を行ない、カルボキシル基含有樹脂溶液2を得た。生成物の固形分濃度は65.0%、固形分酸価(mgKOH/g)は100であり、粘度(25℃、dPa・s)は375であった。
*10:カルボキシル基含有樹脂溶液2、合成例2
*11:光重合開始剤1(イルガキュアTPO、BASFジャパン社製)
*12:光重合開始剤2(イルガキュアOXE02、BASFジャパン社製)
*13:光重合性モノマー(DPCA−60、日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールのラクトン変性ヘキサアクリレート
*14:熱硬化性樹脂(NC−3100、日本化薬(株)製)、ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂
*15:熱硬化触媒、メラミン
*16:フィラー、硫酸バリウム
*17:溶剤、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
*18:顔料1(C.I.Pigment Blue15:3)
*19:顔料2(C.I.Pigment Yellow147)
絶縁層(A)を構成し得るポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトン200H、基材厚50μm、または、カプトン100H、基材厚25μm)上のシールド部に、導電層(B)の膜厚が乾燥後4〜10μmとなるように、上記表1の配合に従って調製した実施例1〜3の導電性組成物を夫々スクリーン印刷法にて塗布し120℃で30分間乾燥した。
ポリイミドフィルムおよび形成した上記導電層(B)の上に、絶縁保護膜(C)の膜厚が乾燥後10〜20μmとなるように、上記表2の配合に従って調製したアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)を夫々スクリーン印刷法にて塗布し80℃で30分間乾燥した。
形成した上記絶縁保護膜(C)の上に、露光装置(HMW−680GW、オーク社製)にて、400mJ/cm2の紫外線をベタまたはパターンネガマスクを介し照射した。照射後、30℃、1質量%炭酸ナトリウム水溶液にてスプレー圧0.1MPaで60秒間現像を行い、ネガパターンにて未照射部分は溶解することで、パターンを得た。現像後、150℃、60分にて、絶縁保護膜(C)を熱硬化させることで、絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して得た。
作製した上記試験サンプルを130×130mm角に裁断し、周波数1GHzにおける上記試験サンプルのシールド特性について、KEC法に基づく電磁波シールド効果測定装置を用い、測定した。ここで、KEC法とは、一般社団法人KEC関西電子工業振興センターで考案、開発された電磁波シールド特性の評価装置による測定方法である。
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
作製した上記試験サンプルに対し、導電層(B)が形成されたシールド部側を180°山折りした後、荷重5kgで10秒間負荷をかけ、その後、折り目を元に戻し、再び荷重5kgで10秒間負荷をかけた。山折りし、元に戻すまでを1回として、計3回実施した後、絶縁保護膜(C)の硬化物の外観を光学顕微鏡にて確認した。
○:折り曲げ部の外観にクラックが発生しない。
×:折り曲げ部の外観にクラックが発生した。
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
作製した上記試験サンプルを固定した後、JISC5016に準拠し、クロスカッターにて1mm角の碁盤目100個(10×10個)を作り、碁盤目状にセロハンテープを密着させた後、セロハンテープを引きはがし、テープピール後の剥がれ(1mm角100個中の剥がれのない数)を確認した。
○:基材からすべて剥がれなし。(100個中100個剥がれなし)
×:基材から一部またはすべて剥がれあり。(100個中1個以上剥がれあり)
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
作製した上記試験サンプルを固定し、ロジン系フラックスを塗布した後、260℃のはんだ槽に10秒浸漬した後、JISC5016に準拠し、クロスカッターにて1mm角の碁盤目100個(10×10個)を作り、碁盤目状にセロハンテープを密着させた後、セロハンテープを引きはがし、テープピール後の剥がれ(1mm角100個中の剥がれのない数)を確認した。
○:基材からすべて剥がれなし。(100個中100個剥がれなし)
×:基材から一部またはすべて剥がれあり。(100個中1個以上剥がれあり)
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
作製した上記試験サンプルを固定した後、市販の無電解ニッケルめっき浴および無電解金めっき浴を用いて、ニッケル層0.5μm、金層0.03μmとなる条件にてめっき処理した後、JISC5016に準拠し、クロスカッターにて1mm角の碁盤目100個(10×10個)を作り、碁盤目状にセロハンテープを密着させた後、セロハンテープを引きはがし、テープピール後の剥がれ(1mm角100個中の剥がれのない数)を確認した。
○:基材からすべて剥がれなし。(100個中100個剥がれなし)
×:基材から一部またはすべて剥がれあり。(100個中1個以上剥がれあり)
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトン200H、基材厚50μm、または、カプトン100H、基材厚25μm)の上に、絶縁保護膜(C)の膜厚が乾燥後10〜20μmとなるように、上記表2の配合に従って調製したアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)を夫々スクリーン印刷法にて塗布し80℃で30分間乾燥した。
形成した上記絶縁保護膜(C)の上に、露光装置(HMW−680GW、オーク社製)にて、ライン幅および遮光幅(ラインアンドスペース;L/S)が10μmから100μmまで、10μm毎に配されたパターンネガマスクを介し、400mJ/cm2の紫外線を照射した。照射後、30℃、1質量%炭酸ナトリウム水溶液にてスプレー圧0.1MPaで60秒間現像を行い、ネガパターンにて未照射部分は溶解することで、パターンを得た。現像後、残存するライン(L)パターンおよび完全に溶解したスペース(S)パターンの幅を確認した。
B 導電層
C 絶縁保護膜
1 基材
2 導体回路
3 樹脂構造体
4 ネガマスク
5 グランド回路
Claims (2)
- グランド回路を含む導体回路および前記導体回路を絶縁する絶縁層(A)が形成されたプリント配線基材上に、電磁波シールド層として機能する導電層(B)と、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)とを順次形成してなる、実装部と電磁波シールド部とを有するプリント配線板であって、
前記アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)が、電磁波シールド部の保護膜および実装部のソルダーレジストとして構成されていることを特徴とするプリント配線板。 - プリント配線基材上に請求項1記載の絶縁層(A)と、導電層(B)と、絶縁保護膜(C)とを順次形成してなる樹脂構造体を形成する工程、
前記樹脂構造体にパターン状に光を照射する工程、および、
前記光照射された樹脂構造体をアルカリ現像して、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する前記絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して形成する工程、
を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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2016
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