JP2017130622A - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

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雅弘 滝澤
響 市川
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響 市川
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Abstract

【課題】プリント配線板上において微細なパターン形成が可能で、電気絶縁性、はんだ耐熱性に優れ、かつ、シールド特性、密着性、耐折性にも優れる樹脂構造体を用いたプリント配線板および該プリント配線板をこれまでよりも低工数で簡便に製造する方法を提供する。【解決手段】グランド回路を含む導体回路および前記導体回路を絶縁する絶縁層(A)が形成されたプリント配線基材上に、電磁波シールド層として機能する導電層(B)と、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)とを順次形成してなる、実装部と電磁波シールド部とを有するプリント配線板であって、前記アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)が、電磁波シールド部の保護膜および実装部のソルダーレジストとして構成されているプリント配線板である。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板およびその製造方法に関する。
近年、電子機器のさらなる小型化、高機能化、高密度化、大容量・高速化に伴い、フレキシブルプリント配線板(以下、FPCと略称する)などのプリント配線板の配線回路の伝送信号は高周波帯が要求されている。しかし、伝送信号が高周波帯となると、回路より発せられた電磁波が漏えいしやすくなり、これが他の回路駆動に対し、誤作動の要因となる。
これに対し、従来のFPCでは、電磁波の漏えいを防止するために、絶縁膜上に電磁波シールド部材として電磁波シールドフィルムを張り合わせる構成が採用されている(例えば、特許文献1)。
また、FPCへのチップ実装化も進行しており、チップ実装部には感光性樹脂組成物(ソルダーレジスト)を用い、シールド部には電磁波シールドフィルムを張り合わせる構成が広く採用されている。
かかるFPCへのチップ実装化に伴い、微細な配線への接続のための微細加工性を実現するために、微細配線が必要となるチップ実装部には、フォトリソグラフィーによる加工ができるアルカリ現像型の感光性樹脂組成物(ソルダーレジスト)を併用する必要があった。
特許第4295794号公報
従来のFPCの製造工程では、チップ実装部における感光性樹脂組成物(ソルダーレジスト)を形成する工程と、シールド部における電磁波シールドフィルムを張り合わせる工程の混載プロセスが採用されているが、このような製造工程では総工程の工数が多く、また、電磁波シールドフィルムはFPCに応じて金型による成型が必要で、切り出した端材などは廃棄となり製造ロスとなるなど、作業性とコスト性に劣るという問題があった。
このような混載プロセスに対し、感光性樹脂組成物を、FPCのソルダーレジストおよび電磁波シールド部材をなす導電層に対する保護層の双方に適用することが検討されており、ソルダーレジストの特性である微細加工性、電気絶縁性、はんだ耐熱性等に加えて、電磁波シールド部材の特性であるシールド特性、密着性、折り曲げに対する耐久性(耐折性)等にも優れる材料の実現が求められているが、未だこれら特性を全て満足するものは実現されていないのが実情である。
そこで本発明の目的は、プリント配線基材上において微細なパターン形成が可能で、電気絶縁性、はんだ耐熱性に優れ、かつ、シールド特性、密着性、耐折性にも優れる樹脂構造体を用いたプリント配線板および該プリント配線板をこれまでよりも低工数で簡便に製造する方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、プリント配線板を構成する樹脂構造体を、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを併せ持つアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜を有する所定の層構造とすることによって、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のプリント配線板は、グランド回路を含む導体回路および前記導体回路を絶縁する絶縁層(A)が形成されたプリント配線基材上に、電磁波シールド層として機能する導電層(B)と、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)とを順次形成してなる、実装部と電磁波シールド部とを有するプリント配線板であって、前記アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)が、電磁波シールド部の保護膜および実装部のソルダーレジストとして構成されていることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板の製造方法は、プリント配線基材上に前記の絶縁層(A)と、導電層(B)と、絶縁保護膜(C)とを順次形成してなる樹脂構造体を形成する工程、前記樹脂構造体にパターン状に光を照射する工程、および、前記光照射された樹脂構造体をアルカリ現像して、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する前記絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して形成する工程、を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、プリント配線板上において微細なパターン形成が可能で、電気絶縁性、はんだ耐熱性に優れ、かつ、シールド特性、密着性、耐折性にも優れる樹脂構造体を用いたプリント配線板および該プリント配線板をこれまでよりも低工数で簡便に製造する方法を提供することができる。
図1は、本発明のプリント配線板の製造方法の一例を示す工程図である。 図2は、本発明の他のプリント配線板の製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<プリント配線板>
本発明のプリント配線板は、グランド回路を含む導体回路および前記導体回路を絶縁する絶縁層(A)(以下、絶縁層(A)とも称する)が形成されたプリント配線基材上に、電磁波シールド層として機能する導電層(B)(以下、導電層(B)とも称する)と、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)(以下、絶縁保護膜(C)とも称する)とを順次形成してなる、実装部と電磁波シールド部とを有するプリント配線板であって、前記アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)が、電磁波シールド部の保護膜および実装部のソルダーレジストとして構成されているものである。
本発明では、上記プリント配線板を用いることによって、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有するアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜の硬化物を一括して形成することが可能となり、これまでに比べてFPCなどのプリント配線板の製造工程における工数を減らすことができ、作業性およびコスト性の向上を図ることが可能となる。
即ち、従来のプリント配線板、特に、FPCでは、絶縁膜上に金型成型した電磁波シールドフィルムを熱圧着していたが、本発明では、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有するアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して形成することによって、プリント配線板の製造工程において時間や手間がかかっていた電磁波シールドフィルムの熱圧着工程を省くことができ、製造工数を大幅に削減することができる。また、電磁波シールドフィルムを切り出した端材等の廃棄物を減らすことができ、製造ロスを削減することができる。
本発明のプリント配線板は、特に、フレキシブルプリント配線板として有用である。
本発明のプリント配線板を図1に基づき説明する。
本発明のプリント配線板を構成する図1中の樹脂構造体3は、グランド回路5を含む導体回路2が形成された基材1上に設けられ、導体回路2を絶縁する絶縁層(A)と、導電層(B)と、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)とからなり、絶縁保護膜(C)が、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有するものである。
上記絶縁層(A)は、基材1上に形成された導体回路2のうち、グランド回路5を露出させるように形成されていればよく、実装部において当該絶縁層は形成されていてもされていなくともよい。
上記導電層(B)は、基材1上に形成された導体回路2のうち、グランド回路5と確実に導通接続するように形成されていればよく、実装部において当該導電層(B)は形成されていてもされていなくともよい。
本発明にかかる樹脂構造体の全膜厚は、35〜125μmの範囲であることが好ましく、40〜70μmの範囲であることがより好ましい。このような厚みとすることにより、プリント配線板として、必要とされる可撓性と耐熱性を両立することができる。
[絶縁層(A)]
本発明の絶縁層(A)は、図1に示すように、基材1上に設けられた導体回路2を被覆するように絶縁層(A)を形成してなるものである。絶縁層(A)は、導体回路2のうちグランド回路5を露出させるように形成されていればよい。
本発明の絶縁層(A)は、感光性または非感光性の樹脂組成物(A1)からなるものとすることができる。また、感光性または非感光性の樹脂組成物(A1)としては、液状、フィルム状のいずれも使用することができる。
感光性の樹脂組成物(A1)は、後述するアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)に用いられるアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)と同じであってもよく、異なっていてもよい。
非感光性の樹脂組成物(A1)も特に制限されるべきものではなく、既知のものを使用することができる。例えば、ポリイミドなどのフィルムに非感光性樹脂組成物を塗布して樹脂組成物層を構成する場合、かかる非感光性樹脂組成物層をパターン加工してフレキシブル基材上に形成する方法としては、非感光性樹脂組成物を塗布することにより形成された樹脂組成物層を有するフィルムをパンチングによる孔空け加工後、フレキシブル基材上に熱圧着する方法を採用することができる。
感光性または非感光性の樹脂組成物(A1)は、主に、樹脂組成物(A1)の硬化物に屈曲性を付与し得る材料から適宜選定されるが、微細なパターンの形成のためには、樹脂組成物(A1)は感光性であることが好ましい。感光性樹脂組成物とすることにより、光照射によりパターニングが可能となる。絶縁層(A)に用いることができる感光性樹脂組成物は、ポジ型でもネガ型でもよい。
感光性樹脂組成物(A1)用の樹脂成分としては、公知慣用の樹脂を用いることができるが、カルボキシル基含有樹脂を用いることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂は、カルボキシル基の存在により、組成物をアルカリ現像型とすることができる。
本発明の絶縁層(A)の膜厚は、25〜55μmの範囲であることが好ましく、25〜40μmの範囲であることがより好ましい。このような厚みとすることにより、プリント配線板として、必要とされる可撓性が得られる。
[導電層(B)]
本発明の導電層(B)は、電磁波シールド層として機能する層である。図1に示すように、導電層(B)は、基材1上に形成された導体回路2のうちグランド回路5と確実に導通接続するように形成されていればよい。
本発明の導電層(B)に用いられる導電性組成物としては、熱硬化性の導電性組成物でも、感光性の導電性組成物でもよい。また、導電性組成物としては、液状、ペースト状、シート状、フィルム状のいずれも使用できるが、製造ロスの削減や、基材への追従性の観点から、液状が好ましい。
本発明の導電層(B)に用いられる導電性組成物は、電磁波シールド層としての機能を発揮できるものであれば特に限定されず、導電性組成物に用いることができる公知慣用の成分を含むことができる。
導電性組成物用の樹脂成分としては、公知慣用の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱乾燥性樹脂、光硬化性樹脂のうちの少なくともいずれか1種を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル共重合樹脂等の光硬化性樹脂等が挙げられる。
導電性組成物用の導電粉末としては、公知慣用の導電粉末を用いることができ、例えば、銀、銅、金、ニッケル、アルミ、合金粉、めっき粉等の金属粉末等が挙げられる。導電性組成物用の導電粉末の形状としては、例えば、フレーク状、球状、針状、針葉樹状等が挙げられる。
導電性組成物用の成分として、潜在性硬化剤を加えることができる。潜在性硬化剤としては公知慣用のものを用いることができ、例えば、アダクト系、マイクロカプセル系を挙げることができる。これらは単独で、または組合せて用いることができる。
また、導電性組成物用の成分として、安定剤を加えることができる。安定剤としては公知慣用のものを用いることができ、例えば、ホウ酸エステルなどのホウ素化合物等が挙げられる。
さらに、導電性組成物用の成分として溶剤を用いる場合は、用いる溶剤については特に制限されるべきものではなく、既知のものを使用することができる。印刷等の工法を用いる場合には、高沸点溶剤であるエチルカルビトールアセテートやブチルカルビトールアセテート、ターピネオール等を用いることが好ましい。
導電性組成物用のその他の成分としては、塗布性、形成性などの観点から、各種添加剤を適宜使用してもよい。
本発明の導電層(B)の膜厚は、2〜20μmの範囲であることが好ましく、4〜10μmの範囲であることがより好ましい。このような厚みとすることにより、塗膜の均一性が保持され、かつ基材への密着性、耐熱性が得られる。
[絶縁保護膜(C)]
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)は、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)からなる層である。アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)からなることにより、光照射によりパターニングが可能であり、かつ、現像によりパターンを形成することが可能となる。
本発明においては、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)がソルダーレジストの特性と電磁波シールド部材の特性とを有することによって、プリント配線板の電磁波シールド部の保護膜と実装部のソルダーレジストとの双方に適用することができる。このことによって、本発明は、プリント配線板上において微細なパターン形成が可能で、電気絶縁性、はんだ耐熱性に優れ、かつ、シールド特性、密着性、耐折性にも優れるプリント配線板を得ることができる。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)に用いられるアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)は、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを発揮できるものであれば特に限定されず、アルカリ現像型感光性樹脂組成物に用いることができる公知慣用の成分、例えば、既知のソルダーレジスト組成物に用いられている成分等を含むことができる。また、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)としては、液状、フィルム状のいずれも使用することができる。さらに、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)としては、ポジ型でも、ネガ型でもよい。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の樹脂成分としては、公知慣用の樹脂を用いることができるが、カルボキシル基含有樹脂を用いることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂は、カルボキシル基の存在により、組成物をアルカリ現像型とすることができる。
上記カルボキシル基含有樹脂としては、分子中にカルボキシル基を含有している公知慣用の樹脂化合物が使用できる。さらに、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂を用いると、光硬化性が付与でき、アルカリ現像性の組成物になるため好ましい。そして、その不飽和二重結合は、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸誘導体由来のものが好ましい。尚、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物を光硬化性とするためには、後述する分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマーを併用する必要がある。
上記のようなカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲にあることが望ましい。カルボキシル基含有樹脂の酸価が20mgKOH/g以上であるとアルカリ現像が容易となり、一方、200mgKOH/g以下であると、現像液による露光部の溶解を抑制できるため、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離したりすることを抑制して、良好にレジストパターンを描画することができる。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が2,000以上の場合、塗膜のタックフリー性能が良好であり、露光後の塗膜の耐湿性が良好で、現像時の膜減りを抑制し、解像度の低下を抑制できる。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合、現像性が良好で、貯蔵安定性にも優れる。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の光重合開始剤としては、公知慣用の光重合開始剤を用いることができ、例えば、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の光で画像を形成するために配合される光重合性モノマーとしては、公知慣用の(メタ)アクリレートモノマーを使用することができる。公知慣用の(メタ)アクリレートモノマーとしては、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物もしくはカプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;及び上記ポリアルコール類のウレタンアクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;及びメラミンアクリレート、及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類のいずれか少なくとも1種などが挙げられる。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の、耐熱性を付与するために配合される熱硬化性成分としての熱硬化性樹脂は、公知慣用の熱硬化性樹脂を使用するができる。特に好ましいのは分子中に2個以上の環状エーテル基及び環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)のいずれか少なくとも1種を有する熱硬化性成分である。これらの中でも2官能性のエポキシ樹脂が好ましく、他にはジイソシアネートやその多官能性ブロックイソシアネートも使用することができる。
このような分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、分子中に3、4又は5員環の環状エーテル基、又は環状チオエーテル基のいずれか一方又は2種類の基を2個以上有する化合物であり、例えば、分子内に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物、分子内に少なくとも2つ以上のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂などが挙げられる。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の熱硬化性成分として上記分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分を使用する場合、熱硬化触媒を含有することが好ましい。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド;ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。また、メラミンを用いることもできる。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の成分として、着色剤を配合することができる。着色剤としては、赤、青、緑、黄、黒などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の成分として、塗膜の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、フィラーを配合することができる。このようなフィラーとしては、公知慣用の無機フィラー及び有機フィラーよりなる群から選ばれた少なくとも1種が使用できるが、無機フィラー、特に硫酸バリウム、球状シリカ及びタルクが好ましく用いられる。
さらに、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の成分として、上記カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調製のため、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などである。このような有機溶剤は、単独で又は2種以上の混合物として用いられる。
アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)用の成分として、さらに必要に応じて、公知慣用の熱重合禁止剤、増粘剤、添加剤類を配合することができる。
本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)の膜厚は、10〜50μmの範囲であることが好ましく、10〜25μmの範囲であることがより好ましい。このような厚みとすることにより、ソルダーレジストとしての耐熱性、めっき耐性を保ちながら、シールド材としての密着性、耐折性をも得られ、両特性を維持できる。
<プリント配線板の製造方法>
本発明の一実施形態におけるプリント配線板の製造方法は、プリント配線基材上に、上記絶縁層(A)と、導電層(B)と、絶縁保護膜(C)とを順次形成して樹脂構造体を形成する工程、前記樹脂構造体にパターン状に光を照射する工程、および、前記光照射された樹脂構造体をアルカリ現像して、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する前記絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して形成する工程、を含むものである。
また、本発明の他の実施形態におけるプリント配線板の製造方法は、プリント配線基材上に、上記絶縁層(A)と、導電層(B)と、絶縁保護膜(C)とを順次形成して樹脂構造体を形成する工程、前記樹脂構造体にパターン状に光を照射する工程、および、光照射された樹脂構造体をアルカリ現像して、上記導電層(B)の硬化物と、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する上記絶縁保護膜(C)の硬化物と、を一括して形成する工程、を含むものである。
本発明の上記いずれの製造方法でも、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して形成することが可能となる。また、感光性の導電性組成物を用いた場合には、感光性導電性組成物層の硬化物と、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する絶縁保護膜(C)の硬化物と、をも一括して形成することが可能となる。
このことによって、従来のプリント配線板、特に、FPCの製造工程において、時間や手間がかかっていた電磁波シールドフィルムの熱圧着工程を省くことができ、製造工数を大幅に削減することができる。また、電磁波シールドフィルムを切り出した端材等の廃棄物を減らすことができ、製造ロスを削減することができる。
本発明のプリント配線板の製造方法の一例を図1に基づき説明する。
[絶縁層(A)の形成工程]
この工程では、基材1上に設けられた導体回路2を被覆するように樹脂組成物(A1)からなる絶縁層(A)を形成し、グランド回路5を含む導体回路2および前記導体回路2を絶縁する絶縁層(A)とする。図1に示すように、絶縁層(A)は、導体回路2のうちグランド回路5を露出させるように形成されていればよい。絶縁層(A)は、感光性または非感光性の樹脂組成物(A1)からなるものとすることができる。また、絶縁層(A)を積層することにより回路追従性と基板との密着性を向上させることができる。
樹脂組成物(A1)が感光性の場合は、感光性樹脂組成物(A1)を塗布することにより形成された絶縁層(A)を光照射することによりパターン形成が可能となる。
また、樹脂組成物(A1)が非感光性の場合は、例えば、非感光性樹脂組成物(A1)を塗布することにより形成された絶縁層(A)を有するフィルムを、パンチングによる孔空け加工後、フレキシブル基材上に熱圧着することによりパターン形成が可能となる。
絶縁層(A)の形成方法としては、塗布法と、ラミネート法が挙げられる。
塗布法の場合、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により、樹脂組成物(A1)を導体回路2が設けられた基材1上に塗布し、50〜200℃程度の温度で15〜90分間程度加熱することにより絶縁層(A)を形成する。
ラミネート法の場合、まずは、樹脂組成物(A1)を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、キャリアフィルム上に塗布、乾燥して絶縁層(A)を有するドライフィルムを作製する。次に、ラミネーター等により絶縁層(A)が、基材1と接触するように貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥離する。
[導電層(B)の形成工程]
この工程では、グランド回路5を含む導体回路2および前記導体回路2を絶縁する絶縁層(A)上のシールド部に、導電性組成物からなる導電層(B)を形成する。図1に示すように、導電層(B)は、基材1上に形成された導体回路2のうちグランド回路5と確実に導通接続するように形成されていればよい。導電層(B)に用いられる導電性組成物としては、液状、ペースト状、シート状、フィルム状のいずれも使用できるが、製造ロスの削減や、基材への追従性の観点から、液状が好ましい。さらに、導電層(B)を積層することにより回路追従性と絶縁層(A)との密着性を向上させることができる。
導電層(B)の形成方法としては、塗布法と、ラミネート法が挙げられる。
塗布法の場合、スクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ディップコート法等の方法により、絶縁層(A)上のシールド部に塗布し、50〜200℃程度の温度で15〜90分間程度加熱することにより導電層(B)を形成する。
ラミネート法の場合、まずは、導電性組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、キャリアフィルム上に塗布、乾燥して導電層(B)を有するドライフィルムを作製する。次に、ラミネーター等により導電層(B)が、基材1と接触するように貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥離する。
[絶縁保護膜(C)の形成工程]
この工程では、絶縁層(A)および導電層(B)上に、アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)からなる絶縁保護膜(C)を形成する。アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)としては、液状、フィルム状のいずれも使用することができる。アルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)を塗布することにより形成された絶縁保護膜(C)を光照射し、現像することにより、パターン形成が可能となる。また、絶縁保護膜(C)を積層することにより回路追従性と絶縁層(A)および導電層(B)との密着性を向上させることができる。
絶縁保護膜(C)は、導体回路2のうちグランド回路5と確実に導通接続すること以外は導電層(B)の形成方法と同様の方法で形成することができる。
本発明にかかる樹脂構造体3を形成する工程は、上記の絶縁層(A)の形成工程、導電層(B)の形成工程、絶縁保護膜(C)の形成工程をこの順で行うものである。
[光照射工程]
この工程では、樹脂構造体3に対して、ネガ型のパターン状に光照射する。この工程により、光照射部を硬化できる。図1中の光照射工程は、光照射された樹脂構造体3のうちの絶縁保護膜(C)を硬化する工程を示す。
光照射機としては、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ、超高圧水銀ランプまたはレーザー光などを光源とした写真ネガ接触方式、写真ネガ非接触式、プロジェクション式または直接描画方式の装置を用いることができる。
光照射に用いる活性エネルギー線としては、最大波長が350〜450nmの範囲にあるレーザーまたは散乱光を用いることが好ましい。また、その光照射量は膜厚等によって異なるが、一般には20〜1500mJ/cm、好ましくは50〜1000mJ/cm、より好ましくは100〜600mJ/cmの範囲内とすることができる。
[現像工程]
この工程では、光照射された樹脂構造体3を現像してパターンを形成する。図1中の現像工程は、光照射された樹脂構造体3のうちの絶縁保護膜(C)をアルカリ現像することにより、未照射部が除去され、ネガ型のパターンを形成する工程を示す。この現像工程により、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する前記絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して得ることができる。
現像方法としては、アルカリ現像であり、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等公知の方法によることができる。
アルカリ現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エタノールアミン、イミダゾールなどのアミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液またはこれらの混合液を用いることができる。
本発明では、必要に応じて以下の工程を追加してもよい。
(熱硬化工程)
現像工程の後に、さらに、加熱により樹脂構造体3を熱硬化(ポストキュア)してもよい。熱硬化することにより、樹脂構造体3を十分に熱硬化させることができる。加熱温度は、例えば、130〜200℃以上である。
本発明のプリント配線板の製造方法の他の例を図2に基づき説明する。
図2における他のプリント配線板の製造方法は、感光性の導電性組成物からなる導電層(B)を用いること以外は、上記図1の製造方法と同様の方法とすることができる。図2の製造方法により、感光性導電性組成物層の硬化物と、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する絶縁保護膜(C)の硬化物と、をも一括して形成することができる。
また、図2に示すように、絶縁層(A)および感光性の導電性組成物からなる導電層(B)は、実装部において形成されていてもよい。
以下、本発明の実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるべきものではない。
(実施例1〜3の導電層(B)を形成する導電性組成物の調製)
電磁波シールド層として機能する導電層(B)を形成する導電性組成物として、銀を用いた導電ペーストを使用した。導電粉末の銀としては、フレーク状銀粉および球状銀粉のものを使用した。導電性組成物の樹脂成分としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を使用した。各導電性組成物(実施例1〜3)の配合内容を下記の表1に示す。
実施例1および2における硬化剤組成物の調製は、下記の表1に示す配合内容に従い、容器に液状エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製、商品名:jER828)を入れ、この液状エポキシ樹脂に対し、安定剤(ホウ酸エステル化合物、四国化成工業(株)製、商品名:キュアダクトL−07N)を配合し、容器を密栓して、80℃で1時間加熱後、室温に戻した。これに潜在性硬化剤(イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の反応物、四国化成工業(株)製、商品名:キュアダクトP−0505)を配合し、混合して硬化剤組成物を調製した。また、実施例3では樹脂成分として熱可塑性樹脂を用いた。
下記表1に記載の配合内容に従って、実施例1および2では上記で調製して得られた硬化剤組成物に対し、硬化剤組成物以外の成分を配合し、実施例3では下記表1に記載の各成分を配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、導電層(B)を形成する導電性組成物を調製した。表1中の値は、特に断りが無い限り、質量部である。
Figure 2017130622
*1:フレーク状銀粉末、平均粒径1〜4μm
*2:球状銀粉末、平均粒径0.5〜3μm
*3:フェノキシ樹脂(YP−50、東都化成(株)製)
*4:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER828、三菱化学(株)製)
*5:室温ではエポキシ樹脂とは反応せず、加熱など所定の条件下で反応、硬化する硬化剤、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂の反応物(キュアダクトP−0505、四国化成工業(株)製)
*6:ホウ酸エステル化合物(キュアダクトL−07N、四国化成工業(株)製)
*7:ポリエステル樹脂(バイロン290、東洋紡(株)製)
*8:エチルカルビトールアセテート
(絶縁保護膜(C)を形成するアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)の調製)
電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する絶縁保護膜(C)を形成するアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)としては、下記表2に記載の配合内容に従って、各成分をそれぞれ配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、絶縁保護膜(C)を形成するアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)を調製した。表2中の値は、特に断りが無い限り、質量部である。
(合成例1:カルボキシル基含有樹脂溶液1:カルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂溶液)
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、2つ以上のアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物として1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導されるポリカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ社製T5650J、数平均分子量800)を2400g(3.0モル)、ジメチロールブタン酸を603g(4.5モル)、およびモノヒドロキシル化合物として2−ヒドロキシエチルアクリレートを238g(2.6モル)投入した。次に、芳香族系でないイソシアネート基を有する化合物としてイソホロンジイソシアネート1887g(8.5モル)を投入し、撹拌しながら60℃まで加熱して停止し、反応容器内の温度が低下し始めた時点で再度加熱して80℃で撹拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm−1)が消失したことを確認して反応を終了した。次いで、固形分が50質量%となるようにカルビトールアセテートを添加し、カルボキシル基含有樹脂溶液1を得た。得られた樹脂溶液の固形分の酸価は51.0mgKOH/gであった。
(合成例2:カルボキシル基含有樹脂溶液2:ビスフェノール構造の多官能エポキシ化合物を使用したカルボキシル基含有感光性樹脂溶液)
ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬社製NC−3000、エポキシ当量286、軟化点67℃、nは、2.24である。)2860g(10当量)、アクリル酸720.6g(10当量)、メチルハイドロキノン5.5g、カルビトールアセテート1349.6gおよびソルベントナフサ578.4gを仕込み、90℃に加熱攪拌し、反応混合物を溶解した。次いで反応液を60℃まで冷却し、トリフェニルフォスフィン16.5gを仕込み、98℃に加熱し、約32時間反応し、酸価(mgKOH/g)が3.0以下になったら、冷却し、エポキシアクリレート樹脂を得た。得られたエポキシアクリレート樹脂5530.6g、テトラヒドロ無水フタル酸1338.5g、カルビトールアセテート504.5gおよびソルベントナフサ216.2gを仕込み、95℃で10時間反応を行ない、カルボキシル基含有樹脂溶液2を得た。生成物の固形分濃度は65.0%、固形分酸価(mgKOH/g)は100であり、粘度(25℃、dPa・s)は375であった。
Figure 2017130622
*9:カルボキシル基含有樹脂溶液1、合成例1
*10:カルボキシル基含有樹脂溶液2、合成例2
*11:光重合開始剤1(イルガキュアTPO、BASFジャパン社製)
*12:光重合開始剤2(イルガキュアOXE02、BASFジャパン社製)
*13:光重合性モノマー(DPCA−60、日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールのラクトン変性ヘキサアクリレート
*14:熱硬化性樹脂(NC−3100、日本化薬(株)製)、ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂
*15:熱硬化触媒、メラミン
*16:フィラー、硫酸バリウム
*17:溶剤、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
*18:顔料1(C.I.Pigment Blue15:3)
*19:顔料2(C.I.Pigment Yellow147)
(試験サンプル作製工程)
絶縁層(A)を構成し得るポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトン200H、基材厚50μm、または、カプトン100H、基材厚25μm)上のシールド部に、導電層(B)の膜厚が乾燥後4〜10μmとなるように、上記表1の配合に従って調製した実施例1〜3の導電性組成物を夫々スクリーン印刷法にて塗布し120℃で30分間乾燥した。
ポリイミドフィルムおよび形成した上記導電層(B)の上に、絶縁保護膜(C)の膜厚が乾燥後10〜20μmとなるように、上記表2の配合に従って調製したアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)を夫々スクリーン印刷法にて塗布し80℃で30分間乾燥した。
形成した上記絶縁保護膜(C)の上に、露光装置(HMW−680GW、オーク社製)にて、400mJ/cmの紫外線をベタまたはパターンネガマスクを介し照射した。照射後、30℃、1質量%炭酸ナトリウム水溶液にてスプレー圧0.1MPaで60秒間現像を行い、ネガパターンにて未照射部分は溶解することで、パターンを得た。現像後、150℃、60分にて、絶縁保護膜(C)を熱硬化させることで、絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して得た。
(電磁波シールド特性(周波数1GHz))
作製した上記試験サンプルを130×130mm角に裁断し、周波数1GHzにおける上記試験サンプルのシールド特性について、KEC法に基づく電磁波シールド効果測定装置を用い、測定した。ここで、KEC法とは、一般社団法人KEC関西電子工業振興センターで考案、開発された電磁波シールド特性の評価装置による測定方法である。
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
(耐折性(180°荷重折曲))
作製した上記試験サンプルに対し、導電層(B)が形成されたシールド部側を180°山折りした後、荷重5kgで10秒間負荷をかけ、その後、折り目を元に戻し、再び荷重5kgで10秒間負荷をかけた。山折りし、元に戻すまでを1回として、計3回実施した後、絶縁保護膜(C)の硬化物の外観を光学顕微鏡にて確認した。
○:折り曲げ部の外観にクラックが発生しない。
×:折り曲げ部の外観にクラックが発生した。
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
(密着性)
作製した上記試験サンプルを固定した後、JISC5016に準拠し、クロスカッターにて1mm角の碁盤目100個(10×10個)を作り、碁盤目状にセロハンテープを密着させた後、セロハンテープを引きはがし、テープピール後の剥がれ(1mm角100個中の剥がれのない数)を確認した。
○:基材からすべて剥がれなし。(100個中100個剥がれなし)
×:基材から一部またはすべて剥がれあり。(100個中1個以上剥がれあり)
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
(はんだ耐熱性)
作製した上記試験サンプルを固定し、ロジン系フラックスを塗布した後、260℃のはんだ槽に10秒浸漬した後、JISC5016に準拠し、クロスカッターにて1mm角の碁盤目100個(10×10個)を作り、碁盤目状にセロハンテープを密着させた後、セロハンテープを引きはがし、テープピール後の剥がれ(1mm角100個中の剥がれのない数)を確認した。
○:基材からすべて剥がれなし。(100個中100個剥がれなし)
×:基材から一部またはすべて剥がれあり。(100個中1個以上剥がれあり)
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
(無電解金めっき耐性)
作製した上記試験サンプルを固定した後、市販の無電解ニッケルめっき浴および無電解金めっき浴を用いて、ニッケル層0.5μm、金層0.03μmとなる条件にてめっき処理した後、JISC5016に準拠し、クロスカッターにて1mm角の碁盤目100個(10×10個)を作り、碁盤目状にセロハンテープを密着させた後、セロハンテープを引きはがし、テープピール後の剥がれ(1mm角100個中の剥がれのない数)を確認した。
○:基材からすべて剥がれなし。(100個中100個剥がれなし)
×:基材から一部またはすべて剥がれあり。(100個中1個以上剥がれあり)
得られた試験結果を、下記の表3に示す。
(解像性)
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製カプトン200H、基材厚50μm、または、カプトン100H、基材厚25μm)の上に、絶縁保護膜(C)の膜厚が乾燥後10〜20μmとなるように、上記表2の配合に従って調製したアルカリ現像型感光性樹脂組成物(C1)を夫々スクリーン印刷法にて塗布し80℃で30分間乾燥した。
形成した上記絶縁保護膜(C)の上に、露光装置(HMW−680GW、オーク社製)にて、ライン幅および遮光幅(ラインアンドスペース;L/S)が10μmから100μmまで、10μm毎に配されたパターンネガマスクを介し、400mJ/cmの紫外線を照射した。照射後、30℃、1質量%炭酸ナトリウム水溶液にてスプレー圧0.1MPaで60秒間現像を行い、ネガパターンにて未照射部分は溶解することで、パターンを得た。現像後、残存するライン(L)パターンおよび完全に溶解したスペース(S)パターンの幅を確認した。
Figure 2017130622
表3に示す評価結果から明らかなように、いずれの実施例もソルダーレジストの特性および電磁波シールド部材の特性が良好であった。
A 絶縁層
B 導電層
C 絶縁保護膜
1 基材
2 導体回路
3 樹脂構造体
4 ネガマスク
5 グランド回路

Claims (2)

  1. グランド回路を含む導体回路および前記導体回路を絶縁する絶縁層(A)が形成されたプリント配線基材上に、電磁波シールド層として機能する導電層(B)と、アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)とを順次形成してなる、実装部と電磁波シールド部とを有するプリント配線板であって、
    前記アルカリ現像型感光性樹脂組成物からなる絶縁保護膜(C)が、電磁波シールド部の保護膜および実装部のソルダーレジストとして構成されていることを特徴とするプリント配線板。
  2. プリント配線基材上に請求項1記載の絶縁層(A)と、導電層(B)と、絶縁保護膜(C)とを順次形成してなる樹脂構造体を形成する工程、
    前記樹脂構造体にパターン状に光を照射する工程、および、
    前記光照射された樹脂構造体をアルカリ現像して、電磁波シールド部の保護膜としての機能と実装部のソルダーレジストとしての機能とを有する前記絶縁保護膜(C)の硬化物を一括して形成する工程、
    を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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