以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
以下では、図1を参照して、本発明の作業機の一実施形態に係る歩行型管理機1について説明する。
歩行型管理機1は、機体フレーム2、車輪3、エンジン4、燃料タンク5、ボンネット6、カバー7、ミッションケース8、ロータリ耕耘装置9、クラッチ機構10、ハンドルフレーム11、ハンドル連結部12及び操縦ハンドル13等を具備する。
機体フレーム2は、板材を適宜折り曲げて形成される部材である。機体フレーム2は、左右一対の車輪3に支持される。歩行型管理機1が前進する際には、車輪3は、左側面視において反時計回りに回転する。エンジン4は、機体フレーム2に載置される。燃料タンク5は、エンジン4の後方に配置される。当該エンジン4及び燃料タンク5は、ボンネット6によって覆われる。エンジン4の左側方には、エンジン4の動力をミッションケース8に伝達するクラッチ機構10を覆うカバー7が設けられる。
ミッションケース8は、エンジン4からの動力を、車輪3や後述する耕耘軸100に伝達する動力伝達機構(不図示)を収容するケースである。ミッションケース8の後部には、ロータリ耕耘装置9が設けられる。ロータリ耕耘装置9は、耕耘軸100、正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300等を具備する。耕耘軸100は、ミッションケース8に回転可能となるように支持され、エンジン4からの動力が伝達されることで回転することができる。耕耘軸100には、正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300が固定される。正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300の上部は、耕耘カバー9aで覆われる。なお、耕耘軸100、正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300の詳細な説明は後述する。
クラッチ機構10は、正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300の回転及び回転の停止を切り替えるためのものである。本実施形態のクラッチ機構10としては、プーリに巻回されたベルトに張力(テンション)を付与することで動力を伝達可能とする、いわゆるベルトテンションクラッチを想定している。
耕耘カバー9aの上方には、ハンドルフレーム11が配置される。ハンドルフレーム11は、操縦ハンドル13を支持するためのフレームである。ハンドルフレーム11は、後上方へ延びるように形成される。ハンドルフレーム11の後上端部には、ハンドル連結部12を介して操縦ハンドル13が取り付けられる。
操縦ハンドル13は、作業者が操縦するためのものである。操縦ハンドル13は、操作可能なレバー13aを具備し、当該レバー13aがケーブル(不図示)を介してクラッチ機構10と接続される。
上述の如く構成された歩行型管理機1は、操縦ハンドル13のレバー13aが操作されることで、前記ベルトに張力が付与されてクラッチ機構10が作動される。これにより、エンジン4からの動力が伝達され、正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300が回転する。これによって、歩行型管理機1は、圃場を耕耘することができる。
また、歩行型管理機1は、レバー13aの操作が解除されることで、前記ベルトへの張力の付与が停止され、クラッチ機構10の作動が停止される。これにより、正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300の回転が停止される。
上述の如き歩行型管理機1は、耕耘軸100回りに、正転耕耘爪200を正転(左側面視において反時計回りに回転)させると共に、逆転耕耘爪300を逆転(左側面視において時計回りに回転)させる動作(一軸正逆転)を行うことができる(図9を参照)。
以下では、図2から図9までを用いて、耕耘軸100、正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300の詳細について説明する。
耕耘軸100は、ミッションケース8に回転可能に支持されると共に、正転耕耘爪200及び逆転耕耘爪300が固定されるものである。耕耘軸100は、ミッションケース8内の動力伝達機構を介して伝達されたエンジン4からの動力により回転する。耕耘軸100は、軸本体110、正転耕耘軸120及び逆転耕耘軸130を具備する。
図3及び図5に示す軸本体110は、ミッションケース8に回転可能に支持される軸状の部材である。軸本体110は、軸線方向を左右方向に向けて、ミッションケース8の後部を左右に貫通するように配置される。軸本体110は、ミッションケース8内の動力伝達機構を介して伝達された動力により、正転方向(左側面視において反時計回り)に回転する。軸本体110は、貫通孔部111を具備する。
貫通孔部111は、軸本体110を径方向(耕耘軸100の軸線方向に対して垂直な方向)に貫通するものである。貫通孔部111は、軸本体110の左右両端部にそれぞれ形成される。図5では、軸本体110の左端部に形成された貫通孔部111を示している。なお、軸本体110の右端部に形成される貫通孔部111は図示を省略している。
図2から図5まで、図9(a)に示す正転耕耘軸120は、正転耕耘爪200が固定されて、軸本体110と共に正転方向に回転するものである(図9(a)を参照)。正転耕耘軸120は、軸本体110の左右両端部にそれぞれ取り付けられる。すなわち、正転耕耘軸120は、ミッションケース8を挟んで左右両側に位置するように軸本体110に取り付けられる。なお、両側の正転耕耘軸120は、互いに概ね左右方向に対称な形状に形成される。従って、以下では、主として図5及び図6に示す左側の正転耕耘軸120の構成について説明し、右側の正転耕耘軸120については適宜説明を省略する。正転耕耘軸120は、正転取付部121、正転爪固定部122及び固定プレート123を具備する。
図5及び図6に示す正転取付部121は、軸本体110に取り付けられる部分である。正転取付部121は、左右方向に長尺な略円筒形状に形成される。正転取付部121には、軸本体110の端部が挿通される。正転取付部121は、挿通部121a及び貫通孔部121bを具備する。
挿通部121aは、正転取付部121を軸線方向に貫通する孔である。挿通部121aには、軸本体110の端部が挿通される。挿通部121aの内径は、軸本体110の外径よりも大きく形成される。
貫通孔部121bは、正転取付部121を径方向に貫通するものである。貫通孔部121bは、挿通部121aに軸本体110の端部が挿通された状態で、軸本体110の貫通孔部111と重複するように形成される。
正転取付部121の貫通孔部121b及び軸本体110の貫通孔部111同士が重複した状態で、貫通孔部121b及び貫通孔部111に適宜のロックピンが挿通されることで、正転取付部121は、軸本体110に取り付けられる(図3を参照)。この状態では、正転取付部121と軸本体110との相対的な回転が規制されるので、軸本体110が正転方向に回転した際には、軸本体110と共に正転耕耘軸120も正転方向に回転する。
図5及び図6に示す正転爪固定部122は、正転耕耘爪200が固定される部分である。正転爪固定部122は、正転取付部121の側面(径方向外側を向く面)から径方向に突出するように形成される。本実施形態では、四つの正転爪固定部122を設けた例を示している。上記四つの正転爪固定部122は、左右方向に間隔を空けて、それぞれ異なる向きに突出するように設けられる。
なお以下では、四つの正転爪固定部122を区別して説明する場合には、四つの正転爪固定部122のうち最も左右方向内側(ミッションケース8側)に位置するものから外側(反ミッションケース8側)に向かって順番に、第一正転爪固定部122A、第二正転爪固定部122B、第三正転爪固定部122C及び第四正転爪固定部122Dと称して説明する。四つの正転爪固定部122は、向きが異なることを除いて、互いに略同一な構成に形成される。
図6に示す正転爪固定部122は、板面を左右方向(軸本体110の軸線方向)に向けた板材の周方向(軸本体110の周方向)両端部を、適宜折り曲げた形状に形成される。正転爪固定部122は、側面視(左右方向視)において、略矩形状に形成される。正転爪固定部122は、径方向(突出方向)視において、左右方向一方側(第一正転爪固定部122Aでは左右方向内側)へ向けて凹む略コ字形状に形成される。正転爪固定部122は、凹部122a及び孔部122bを具備する。
凹部122aは、左右方向一方側(第一正転爪固定部122Aでは左右方向内側)へ向けて凹む部分である。換言すれば、凹部122aは、左右方向他方側(第一正転爪固定部122Aでは左右方向外側)へ向けて開口する。凹部122aは、後述する正転耕耘爪200の被固定部211を受け入れる。
孔部122bは、正転爪固定部122を左右方向に貫通するものである。孔部122bは、正転爪固定部122の突出方向に沿って長尺な長孔形状に形成される。孔部122bには、後述するボルト14が挿通される。
四つの正転爪固定部122のうちの第一正転爪固定部122Aは、最も左右方向内側に配置される。第一正転爪固定部122Aは、凹部122aが左右方向外側へ向けて開口するように配置される。
第二正転爪固定部122Bは、第一正転爪固定部122Aよりも左右方向外側に配置される。第二正転爪固定部122Bは、第一正転爪固定部122Aに対して、耕耘軸100の軸回りに180度変位した位置に配置される。第二正転爪固定部122Bは、凹部122aが左右方向内側へ向けて開口するように配置される。すなわち、第二正転爪固定部122Bは、左右方向の向きが第一正転爪固定部122Aとは逆になるように配置される。
第三正転爪固定部122Cは、第二正転爪固定部122Bよりも左右方向外側に配置される。第三正転爪固定部122Cは、第二正転爪固定部122Bに対して、耕耘軸100の軸回りに、左側面視において反時計回りに90度変位した位置に配置される。第三正転爪固定部122Cは、凹部122aが左右方向内側へ向けて開口するように配置される。
第四正転爪固定部122Dは、第三正転爪固定部122Cよりも左右方向外側に配置される。第四正転爪固定部122Dは、第三正転爪固定部122Cに対して、耕耘軸100の軸回りに180度変位した位置に配置される。第四正転爪固定部122Dは、凹部122aが左右方向内側へ向けて開口するように配置される。
図6に示す固定プレート123は、正転爪固定部122の凹部122aの左右方向に向く開口を覆うものである。固定プレート123は、側面視(左右方向視)において、略矩形状に形成される。固定プレート123は、板面を左右方向に向けた略板形状に形成される。固定プレート123は、正転爪固定部122の凹部122aが形成される側に、例えば溶接等により固定される。固定プレート123は、孔部123aを具備する。
孔部123aは、固定プレート123を左右方向に貫通するものである。孔部123aの内径は、後述するナット15の外径よりも大きく形成される。
本実施形態では、四つの正転爪固定部122のうち、第一正転爪固定部122Aのみに固定プレート123を設けた例を示している。なお、固定プレート123を設ける態様としては、上記態様に限られず、他の正転爪固定部122(第二正転爪固定部122B、第三正転爪固定部122C及び第四正転爪固定部122D)にも、固定プレート123を設けてもよい。
図3から図8まで、図9(b)に示す逆転耕耘軸130は、逆転耕耘爪300が固定されて、軸本体110の軸回りに逆転方向に回転するものである(図9(b)を参照)。逆転耕耘軸130は、ミッションケース8を挟んで左右両側に位置するように軸本体110に取り付けられる。より詳細には、逆転耕耘軸130は、ミッションケース8の左右両側面と、左右の正転耕耘軸120と、の間にそれぞれ位置するように、軸本体110に取り付けられる。なお、両側の逆転耕耘軸130は、互いに左右方向に対称な形状に形成される。従って、以下では、主として図7及び図8に示す左側の逆転耕耘軸130の構成について説明し、右側の逆転耕耘軸130については適宜説明を省略する。逆転耕耘軸130は、逆転取付部131、逆転爪固定部132及び固定プレート133を具備する。
図5、図7及び図8に示す逆転取付部131は、軸本体110に、逆転方向に回転可能に設けられる部分である。逆転取付部131は、左右方向に長尺な略円筒形状に形成される。逆転取付部131は、左右方向に間隔を空けて二箇所(左右方向外側部及び左右方向中途部)が、他の部分に対して拡径した形状に形成されている。逆転取付部131には、軸本体110が挿通される。逆転取付部131は、軸本体110に対して相対回転可能となるように支持される。逆転取付部131は、ミッションケース8内の動力伝達機構を介して伝達された動力により、逆転方向に回転する。逆転取付部131は、挿通部131aを具備する。
挿通部131aは、逆転取付部131を軸線方向に貫通する孔である。挿通部131aには、軸本体110が挿通される。挿通部131aの内径は、軸本体110の外径よりも大きく形成される。
逆転取付部131は、軸本体110に挿通された状態で、ミッションケース8内の動力伝達機構を介して伝達された動力により、逆転方向(左側面視において時計回り)に回転する(図9(b)を参照)。すなわち、軸本体110(正転取付部121)と、逆転取付部131と、は互いに逆方向に回転する。
逆転爪固定部132は、逆転耕耘爪300が固定される部分である。逆転爪固定部132は、逆転取付部131の側面(径方向外側を向く面)から径方向に突出するように形成される。逆転爪固定部132は、逆転取付部131の二つの拡径した部分(左右方向外側部及び左右方向中途部)の間に設けられる。
本実施形態では、二つの(一対の)逆転爪固定部132を設けた例を示している。上記二つの逆転爪固定部132は、それぞれ異なる向きに突出するように設けられる。二つの逆転爪固定部132は、向きが異なることを除いて、互いに略同一な構成に形成される。
逆転爪固定部132は、正転爪固定部122(第一正転爪固定部122A)と概ね同様な形状に形成される。具体的には、逆転爪固定部132は、径方向(突出方向)の寸法が正転爪固定部122の径方向の寸法よりも大きく形成されることを除いて、正転爪固定部122(第一正転爪固定部122A)と略同一な構成に形成される。すなわち、逆転爪固定部132は、側面視(軸左右方向視)において略矩形状に形成され、径方向(突出方向)視において左右方向内側へ向けて凹む略コ字形状に形成される。逆転爪固定部132は、凹部132a及び孔部132bを具備する。
凹部132aは、左右方向内側へ向けて凹む部分である。換言すれば、凹部132aは、左右方向外側へ向けて開口する。凹部132aは、後述する逆転耕耘爪300の被固定部311a、321aを受け入れる。
孔部132bは、逆転爪固定部132を左右方向に貫通するものである。孔部132bは、逆転爪固定部132の突出方向に沿って長尺な長孔形状に形成される。孔部132bには、後述するボルト14が挿通される。
図7及び図8に示すように、二つの逆転爪固定部132は、耕耘軸100の軸回りに、互いに180度変位した位置に配置される。二つの逆転爪固定部132の左右方向の位置は概ね同一である。
図7及び図8に示す固定プレート133は、逆転爪固定部132の凹部132aの左右方向に向く開口を覆うものである。固定プレート133は、径方向(突出方向)の寸法が、固定プレート123よりも大きく形成されることを除いて、固定プレート123と略同一な構成に形成される。固定プレート133は、逆転爪固定部132の凹部132aが形成される側に固定される。固定プレート133は、孔部133aを具備する。
孔部133aは、固定プレート133を左右方向に貫通するものである。孔部133aの内径は、後述するナット15の外径よりも大きく形成される。
本実施形態では、二つの逆転爪固定部132のそれぞれに固定プレート133を設けた例を示している。
図2から図5まで、図9(a)に示す正転耕耘爪200は、正転耕耘軸120(正転爪固定部122)に取り付けられ、耕耘軸100の軸回りに正転するものである。正転耕耘爪200は、主として地面の土を耕す用途に使用される。正転耕耘爪200は、側面視において略円弧形状に湾曲する形状に形成される。正転耕耘爪200は、略円弧形状の板材を適宜折り曲げて形成される。
正転耕耘爪200は、正転耕耘軸120の正転爪固定部122にそれぞれ取り付けられる。すなわち、本実施形態では、左右両側の正転耕耘軸120にそれぞれ四つ(合計八つ)の正転耕耘爪200が取り付けられる。なお、両側の正転耕耘爪200は、互いに左右方向に対称な形状に形成される。従って、以下では、主として図5及び図6に示す左側の正転耕耘爪200の構成について説明し、右側の正転耕耘爪200については適宜説明を省略する。正転耕耘爪200は、第一部分210、第二部分220及び第三部分230を具備する。
図6に示す第一部分210は、耕耘軸100の径方向に直線状に延びる部分である。第一部分210の幅寸法(耕耘軸100の周方向の寸法)は、凹部122aの幅寸法よりも小さく形成される。第一部分210は、板面を左右方向に向けて配置される。第一部分210は、被固定部211を有する。
被固定部211は、正転爪固定部122に固定される部分である。被固定部211は、第一部分210の延出方向基端側部分(径方向中心側部分)を構成する。被固定部211は、正転爪固定部122の凹部122aに受け入れられる。被固定部211は、孔部211aを具備する。
孔部211aは、被固定部211を左右方向に貫通するものである。孔部211aには、後述するボルト14が挿通される。
第二部分220は、第一部分210の延出方向先端部から、側面視において、概ね円弧形状に湾曲するように延びる部分である。第二部分220は、左側面視において、径方向外方側に向かって時計回りの向きに湾曲するように形成される。第二部分220は、円弧の外周側(径方向外側)が正転方向を向くように配置される。第二部分220は、板面を左右方向に向けて配置される。
第三部分230は、第二部分220の延出方向先端部から、左右方向内側に向かって延びる部分である。第三部分230は、板面を概ね径方向に向けて配置される。
なお、正転耕耘爪200の形状としては、上述した例に限られない。正転耕耘爪200の形状としては、土に打ち込み易いように湾曲した種々の形状(一般的にナタ爪と呼ばれる耕耘爪の形状等)を採用可能である。
図6に示すように、上述の如き正転耕耘爪200は、適宜のボルト14及びナット15を用いて正転爪固定部122に固定される。具体的には、正転耕耘爪200の被固定部211を正転爪固定部122の凹部122aに受け入れさせた状態で、正転爪固定部122の孔部122b及び被固定部211の孔部211aにボルト14を挿通する。そして、ボルト14に、ワッシャ16を介してナット15を螺合する。これにより、正転耕耘爪200は、正転爪固定部122に固定される。なお、正転耕耘爪200を第一正転爪固定部122Aに固定した場合、ナット15及びワッシャ16は、第一正転爪固定部122Aに設けられた固定プレート123の孔部123aの内側に位置する。
図7、図8及び図9(b)に示す逆転耕耘爪300は、逆転耕耘軸130(逆転爪固定部132)に取り付けられ、耕耘軸100の軸回りに逆転するものである。逆転耕耘爪300は、土を耕すと共に、ミッションケース8に付着した付着物を除去することができる。逆転耕耘爪300は、第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320を含む。
第一耕耘爪310は、主として土を耕す用途に使用される。第一耕耘爪310は、左右両側の逆転耕耘軸130にそれぞれ一つずつ(合計二つ)取り付けられる。すなわち、第一耕耘爪310は、逆転耕耘軸130に設けられた二つの逆転爪固定部132のうちの一方に取り付けられる。
両側の第一耕耘爪310は、互いに左右方向に対称な形状に形成される。従って、以下では、主として図7及び図8に示す左側の第一耕耘爪310の構成について説明し、右側の第一耕耘爪310については適宜説明を省略する。第一耕耘爪310は、第一部分311、第二部分312及び第三部分313を具備する。
図8に示す第一部分311は、耕耘軸100の径方向に直線状に延びる部分である。第一部分311の幅寸法(耕耘軸100の周方向の寸法)は、凹部132aの幅寸法よりも小さく形成される。第一部分311は、板面を左右方向に向けて配置される。第一部分311は、被固定部311aを有する。
被固定部311aは、逆転爪固定部132に固定される部分である。被固定部311aは、第一部分311の延出方向基端側部分(径方向中心側部分)を構成する。被固定部311aは、逆転爪固定部132の凹部132aに受け入れられる。被固定部311aは、孔部311bを具備する。
孔部311bは、被固定部311aを左右方向に貫通するものである。孔部311bには、後述するボルト14が挿通される。
第二部分312は、第一部分311の延出方向先端部から、側面視において、概ね円弧形状に湾曲するように延びる部分である。第二部分312は、左側面視において、径方向外方側に向かって反時計回りの向きに湾曲するように形成される。第二部分312は、円弧の外周側(径方向外側)が逆転方向を向くように配置される。第二部分312は、板面を左右方向に向けて配置される。
第三部分313は、第二部分312の延出方向先端部から、左右方向内側に向かって延びる部分である。第三部分313は、第三部分230は、板面を概ね径方向に向けて配置される。
上述の如き第一耕耘爪310は、ミッションケース8を挟んで異なる側に配置された正転耕耘爪200と概ね同一形状に形成される。すなわち、左側に配置された第一耕耘爪310は、右側に配置された正転耕耘爪200と概ね同一形状に形成される。
図8に示すように、上述の如き第一耕耘爪310は、正転爪固定部122(第一正転爪固定部122A)に対する正転耕耘爪200の固定と概ね同様、適宜のボルト14、ナット15及びワッシャ16を用いて逆転爪固定部132に固定される。
図3、図7及び図8に示す第二耕耘爪320は、第一耕耘爪310とは異なる形状であって、ミッションケース8に付着した付着物を除去可能な形状に形成されるものである。第二耕耘爪320は、側面視において耕耘軸100の径方向に直線状に延びる形状に形成される。第二耕耘爪320は、略矩形状の板材を適宜折り曲げて形成される。
第二耕耘爪320は、耕耘軸100の周方向に対称な形状に形成されている。より詳細には、第二耕耘爪320は、図7に示すように、耕耘軸100の径方向に沿う一点鎖線Aを対称軸として対称な形状に形成されている。
第二耕耘爪320は、左右両側の逆転耕耘軸130にそれぞれ一つずつ(合計二つ)取り付けられる。すなわち、第二耕耘爪320は、逆転耕耘軸130に設けられた二つの逆転爪固定部132のうちの一方に取り付けられる。
両側の第二耕耘爪320は、互いに同一な形状に形成される。従って、以下では、主として図7及び図8に示す左側の第二耕耘爪320の構成について説明し、右側の第二耕耘爪320については適宜説明を省略する。第二耕耘爪320は、第一部分321、第二部分322及び第三部分323を具備する。
図8に示す第一部分321は、耕耘軸100の径方向に直線状に延びる部分である。第一部分321の幅寸法(耕耘軸100の周方向の寸法)は、凹部132aの幅寸法よりも小さく形成される。第一部分321は、板面を左右方向に向けて配置される。第一部分321は、被固定部321aを有する。
被固定部321aは、逆転爪固定部132に固定される部分である。被固定部321aは、第一部分321の延出方向基端側部分(径方向中心側部分)を構成する。被固定部321aは、逆転爪固定部132の凹部132aに受け入れられる。被固定部321aは、第一耕耘爪310の被固定部311aと同一形状に形成される。被固定部321aは、孔部321bを具備する。
孔部321bは、被固定部321aを左右方向に貫通するものである。孔部321bには、後述するボルト14が挿通される。
第二部分322は、第一部分321の延出方向先端部から、耕耘軸100の径方向外側に向かって左右方向内側(ミッションケース8側)に接近するように延びる部分である。第二部分322は、延出方向先端側に向かうに従い、左右方向内側に接近するように傾斜する。また、第二部分322は、延出方向先端側に向かうに従い、幅寸法が徐々に大きくなるように形成される。
第三部分323は、第二部分322の延出方向先端部から、耕耘軸100の径方向(耕耘軸100の軸線方向に対して垂直な方向)に延びるように形成される。第三部分323は、延出方向先端側に向かうに従い、幅寸法が徐々に小さくなるように形成される。第三部分323は、板面を左右方向に向けて配置される。図3に示すように、第三部分323は、ミッションケース8の側面(左右方向に向く面)に接近した位置に配置されると共に、ミッションケース8の側面に対して略平行に延びる。
上述の如く構成された第二耕耘爪320は、ミッションケース8側に接近する第二部分322及びミッションケース8の側面に対して略平行状に延びる第三部分323により、回転に伴いミッションケース8に付着した付着物(例えば土や砂利、草、作物等)を効果的に除去することができる。
図8に示すように、上述の如き第二耕耘爪320は、第一耕耘爪310に対する逆転爪固定部132の固定と概ね同様、適宜のボルト14、ナット15及びワッシャ16を用いて逆転爪固定部132に固定される。
このように、逆転耕耘軸130の一対の逆転爪固定部132に、第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320をそれぞれ固定した状態では、第一耕耘爪310は、第二耕耘爪320に対して耕耘軸100の軸回りに180度変位した位置に配置される。
以下では、図9を用いて、両側の正転耕耘軸120及び正転耕耘爪200の位置関係及び両側の逆転耕耘軸130及び逆転耕耘爪300の位置関係を説明する。
図9(a)に示すように、左右両側の正転耕耘軸120は、互いに耕耘軸100の軸回りにずれた位置に配置される。本実施形態では、一側(例えば左側)の正転耕耘爪200が、他側(例えば右側)の正転耕耘爪200に対して軸回りに45度変位した位置となるように、左右の正転耕耘軸120をそれぞれ配置している。これにより、左右両側の正転耕耘爪200が同時に地面に打ち込まれることを抑制することで、歩行型管理機1の操作性を向上させることができる。
図9(b)に示すように、左右両側の逆転耕耘軸130は、互いに耕耘軸100の軸回りにずれた位置に配置される。本実施形態では、一側(例えば左側)の逆転耕耘爪300(第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320)が、他側(例えば右側)の逆転耕耘爪300に対して軸回りに90度変位した位置となるように、左右の逆転耕耘軸130をそれぞれ配置している。これにより、左右両側の逆転耕耘爪300が同時に地面に打ち込まれることを抑制することで、歩行型管理機1の操作性を向上させることができる。
上述の如く構成される歩行型管理機1によれば、耕耘作業を好適に行うことを可能としながらも、ミッションケース8に付着した付着物(例えば土や砂利、草、作物等)を除去することができる。
すなわち、逆転耕耘軸130に取り付けられる耕耘爪としては、土に打ち込み易いように湾曲した形状の耕耘爪(ナタ爪等)や、ミッションケース8に付着した土等の付着物を除去可能な耕耘爪がある。
ここで、逆転耕耘軸130に、湾曲した形状の耕耘爪のみを取り付けた場合には、耕耘作業を好適に行うことができる一方、ミッションケース8に付着した付着物を除去し難くなることが考えられる。また、逆転耕耘軸130に、付着物を除去可能な耕耘爪のみを取り付けた場合には、ミッションケース8に付着した付着物を除去し易くなる一方、耕耘作業を好適に行い難くなることが考えられる。
上述した例に対して、本実施形態に係る歩行型管理機1は、土に打ち込み易いように湾曲した形状に形成された第一耕耘爪310と、ミッションケース8に付着した土等の付着物を除去可能な形状に形成された第二耕耘爪320と、を組み合わせて逆転耕耘爪300を構成している。これにより、耕耘作業を好適に行うことを可能としながらも、ミッションケース8に付着した付着物を除去することができる。また、これにより、ミッションケース8に付着した付着物の重さで歩行型管理機1が動かし難くなることを抑制することができ、歩行型管理機1の操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、ミッションケース8に対して同じ側に設けられる第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320を、互いに軸回りに180度変位した位置に一つずつ配置している。これにより、最低限の数の第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320をバランスよく配置することができ、逆転耕耘爪300を簡易な構成とすることができる。
また、本実施形態では、第一耕耘爪310の被固定部311aと、第二耕耘爪320の被固定部321aと、を同一形状に形成している。これにより、第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320を共通化された形状の一対の逆転爪固定部132に固定することができる。従って、一対の逆転爪固定部132のうちのいずれにも第一耕耘爪310又は第二耕耘爪320を固定することができるので、作業者は、一対の逆転爪固定部132を区別することなく各耕耘爪を固定することができ、各耕耘爪の組み付け作業が容易になる。
また、本実施形態では、両側の第二耕耘爪320を、互いに同一な形状に形成している。これにより、第二耕耘爪320を、両側の逆転耕耘爪300に兼用可能なものとすることができる。
以上の如く、本実施形態に係る歩行型管理機1(作業機)は、ミッションケース8に支持された耕耘軸100回りに正転する正転耕耘爪200と、前記耕耘軸100回りに逆転する逆転耕耘爪300と、を具備し、前記逆転耕耘爪300は、前記耕耘軸100の軸線方向視で湾曲する形状に形成された第一耕耘爪310と、前記第一耕耘爪310とは異なる形状であって、前記ミッションケース8に付着した付着物を除去可能な形状に形成された第二耕耘爪320と、を含むものである。
このように構成することにより、耕耘作業を好適に行うことを可能としながらも、ミッションケース8に付着した付着物を除去することができる。すなわち、土に打ち込み易いように湾曲した形状に形成された第一耕耘爪310と、ミッションケースに付着した付着物を除去可能な形状に形成された第二耕耘爪320と、を組み合わせて逆転耕耘爪300を構成したことで、耕耘作業を好適に行うことを可能としながらも、ミッションケース8に付着した付着物を除去することができる。これにより、ミッションケース8に付着した付着物の重さで歩行型管理機1(作業機)が動かし難くなることを抑制することができる。
また、前記第一耕耘爪310及び前記第二耕耘爪320は、それぞれ前記ミッションケース8を挟んで両側に1つずつ配置されているものである。
このように構成することにより最低限の数の第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320を、ミッションケース8の両側にそれぞれ配置することができる。
また、前記第一耕耘爪310は、前記ミッションケース8に対して同じ側に配置された前記第二耕耘爪320に対して、前記耕耘軸100回りに180度変位した位置に配置されているものである。
このように構成することにより、最低限の数の第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320をバランスよく配置することができる。これにより、逆転耕耘爪300を簡易な構成とすることができる。
また、前記ミッションケース8の一側に配置された前記第一耕耘爪310及び前記第二耕耘爪320は、前記ミッションケース8の他側に配置された前記第一耕耘爪310及び前記第二耕耘爪320に対して、前記耕耘軸100回りに90度変位した位置に配置されているものである。
このように構成することにより、ミッションケース8の両側の逆転耕耘爪300が同時に地面に打ち込まれることを抑制することで、歩行型管理機1(作業機)の操作性を向上させることができる。
また、前記第一耕耘爪310は、前記耕耘軸100に対して固定される被固定部311a(第一被固定部)を具備し、前記第二耕耘爪320は、前記被固定部311a(第一被固定部)と同一形状に形成され、前記耕耘軸100に対して固定される被固定部321a(第二被固定部)を具備するものである。
このように構成することにより、第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320の組み付け作業を容易に行うことができる。すなわち、第一耕耘爪310の被固定部311a(第一被固定部)及び第二耕耘爪320の被固定部321a(第二被固定部)を同一形状としたことで、上記各耕耘爪を、共通化された形状の固定部(逆転爪固定部132)を介して耕耘軸100に固定することができる。これにより、一対の逆転爪固定部132うちのいずれにも第一耕耘爪310又は第二耕耘爪320を固定することができるので、作業者は、一対の逆転爪固定部132を区別することなく各耕耘爪を固定することができ、各耕耘爪の組み付け作業が容易になる。
また、前記第二耕耘爪320は、前記耕耘軸100の周方向に対称な形状に形成されているものである。
このように構成することにより、第二耕耘爪320を、両側の逆転耕耘爪300に兼用可能なものとすることができる。
また、前記第二耕耘爪320は、前記耕耘軸100から当該耕耘軸100に対して垂直な方向に延びる第一部分321と、前記第一部分321から前記耕耘軸100の径方向外側に向かって前記ミッションケース8側に接近するように延びる第二部分322と、前記第二部分322から前記耕耘軸100に対して垂直な方向に延びる第三部分323と、を具備するものである。
このように構成することにより、ミッションケース8に付着した付着物の重さで歩行型管理機1(作業機)が動かし難くなることをより効果的に抑制することができる。すなわち、ミッションケース8側に接近する第二部分322及び当該第二部分322から耕耘軸100に対して垂直な方向に延びる第三部分323により、ミッションケース8に付着した付着物をより効果的に除去することができる。
なお、本実施形態に係る歩行型管理機1は、本発明に係る作業機の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る被固定部311aは、本発明に係る第一被固定部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る被固定部321aは、本発明に係る第二被固定部の実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態では、ミッションケース8に対して同じ側に、四つの正転耕耘爪200を配置した例を示したが、このような態様に限られない。正転耕耘爪200の数は、耕耘作業を好適に行う観点から適宜設定可能である。また、本実施形態では、全ての正転耕耘爪200を、側面視において湾曲する形状(ナタ爪の形状)とした例を示したが、このような態様に限られず、他の種類の耕耘爪(例えば木の葉爪等)を含む構成を採用可能である。
また、本実施形態では、ミッションケース8に対して同じ側に配置される逆転耕耘爪300を、第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320を一つずつ含む構成としたが、このような態様に限られない。逆転耕耘爪300としては、第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320の一方又は両方を複数含む構成を採用可能である。また、逆転耕耘爪300としては、第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320に加えて、他の種類の耕耘爪(例えば木の葉爪等)を含む構成を採用可能である。
また、本実施形態では、ミッションケース8の両側に配置される逆転耕耘爪300(第一耕耘爪310及び第二耕耘爪320)を、互いに耕耘軸100回りに90度変位した位置に配置した例を示したが、このような態様に限られない。両側に配置される逆転耕耘爪300同士の耕耘軸100回りの位置関係は、歩行型管理機1の操作性の観点から適宜設定可能である。
また、本実施形態では、第一耕耘爪310の被固定部311aと、第二耕耘爪320の被固定部321aと、を同一形状に形成した例を示したが、このような態様に限られない。上記被固定部311a及び被固定部321aは、互いに異なる形状であってもよい。この場合、例えば第二耕耘爪320の被固定部321aを、第一耕耘爪310の被固定部311aよりも幅広に形成してもよい。
また、本実施形態では、第二耕耘爪320を、耕耘軸100の周方向に対称な形状に形成した例を示したが、このような態様に限られない。例えば、第二耕耘爪320を、耕耘軸100の周方向に非対称な形状に形成してもよい。
また、第二耕耘爪320の形状としては、本実施形態に示す形状に限られない。第二耕耘爪320の形状としては、ミッションケース8に付着した付着物を除去可能な種々の形状を採用可能である。
また、本実施形態では、作業機は、歩行型管理機1であったが、作業機の種類はこれに限定されるものではなく、例えば、トラクタ等の乗用型の作業機であってもよい。