JP2022102341A - ポリアミック酸製造システムの洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】連続的なポリアミック酸製造システムにおいて、駆動部の無い配管やスタティックミキサーの洗浄に対して作業効率を向上させ得る洗浄方法を提供する。【解決手段】連続的なポリアミック酸製造システムにおいて、ポリアミック酸製造システムで製造される所望のポリアミック酸を高粘度重合溶液とした場合、高粘度重合溶液を得た際の第1重合性化合物と第2重合性化合物の反応比よりも、第1重合性化合物と第2重合性化合物の反応比が1:1から遠ざけるように、第1重合性化合物と第2重合性化合物の反応比を変えることにより重合溶液の粘度を下げて低粘度重合溶液を得、高粘度重合溶液を低粘度重合溶液で置換することを特徴とするポリアミック酸製造システムの洗浄方法である。【選択図】なし
Description
ポリアミック酸の製造方法に関する。
液状樹脂や樹脂溶液などの樹脂組成物が高粘度で溶剤との混和性が低い場合、高流量で多量の溶剤を流さなければ壁面に付着した樹脂組成物を除去できず、多量の廃棄物が発生するなどの問題があった。一旦溶剤を流通させたのち、静置することで樹脂組成物と溶剤を混和させ、低粘度にすることで除去しやすくなるが、この場合には作業効率が低くなるという問題があった。
上記問題を解決するために洗浄用の循環ラインを別途敷設する場合があるが、装置構成が複雑になったり、多量の洗浄溶液が必要になったりする場合がある。
また、スクリューなどの駆動部を有する混錬装置であれば、粘度の異なる樹脂組成物を別途用意し、順次洗浄していく方法もあるが、製品となる後続の樹脂組成物と装置内に残留した洗浄用樹脂組成物とが混合され、製品樹脂組成物の質の低下を引き起こす可能性がある。(特許文献1)
また、スクリューなどの駆動部を有する混錬装置であれば、粘度の異なる樹脂組成物を別途用意し、順次洗浄していく方法もあるが、製品となる後続の樹脂組成物と装置内に残留した洗浄用樹脂組成物とが混合され、製品樹脂組成物の質の低下を引き起こす可能性がある。(特許文献1)
高粘度ポリアミック酸の製造プロセスにおいては、高粘度ポリアミック酸溶液と溶剤との粘度差が大きいことから、高流量で多量の溶剤を流さなければ壁面に付着した樹脂組成物を除去できないという上記技術背景と同様の問題があり、特にプロセス中に静止型混合器が設置されている場合、静止型混合器内部のエレメントが駆動しないために特に洗浄が難しいという課題があった。
本発明では、連続的なポリアミック酸製造システムにおいて、流路内部に駆動部の無い配管やスタティックミキサーの洗浄に対して作業効率を向上させる洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述の課題解決のために鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記構成をなす。
[1].重付加性の第1重合性化合物が溶解した第1溶液と、前記第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物が溶解した第2溶液とを原料としてポリアミック酸を製造するポリアミック酸製造システムの洗浄方法であって、
前記システムは
前記第1溶液を供給する第1供給部と、
前記第2溶液を供給する第2供給部と、
前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合部と、
前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌し、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させ、ポリアミック酸が溶解した重合溶液を生成する反応部と、を備えるポリアミック酸製造システムであり、
ポリアミック酸製造システムで製造される所望のポリアミック酸を高粘度重合溶液とした場合、高粘度重合溶液を得た際の前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比よりも、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比が1:1から遠ざけるように、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比を変えることにより重合溶液の粘度を下げて低粘度重合溶液を得、高粘度重合溶液を低粘度重合溶液で置換することを特徴とするポリアミック酸製造システムの洗浄方法。
前記システムは
前記第1溶液を供給する第1供給部と、
前記第2溶液を供給する第2供給部と、
前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合部と、
前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌し、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させ、ポリアミック酸が溶解した重合溶液を生成する反応部と、を備えるポリアミック酸製造システムであり、
ポリアミック酸製造システムで製造される所望のポリアミック酸を高粘度重合溶液とした場合、高粘度重合溶液を得た際の前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比よりも、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比が1:1から遠ざけるように、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比を変えることにより重合溶液の粘度を下げて低粘度重合溶液を得、高粘度重合溶液を低粘度重合溶液で置換することを特徴とするポリアミック酸製造システムの洗浄方法。
[2].更に、最終的に溶媒のみで配管内を置換する[1]記載のポリアミック酸製造システムの洗浄方法。
本発明では、連続的なポリアミック酸製造システムにおいて、駆動部の無い配管やスタティックミキサーの洗浄に対して作業効率を向上させることが可能である。
本発明は、重付加性の第1重合性化合物が溶解した第1溶液と、前記第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物が溶解した第2溶液とを原料としてポリアミック酸を製造するポリアミック酸製造システムの洗浄方法であって、前記システムは
前記第1溶液を供給する第1供給部と、
前記第2溶液を供給する第2供給部と、
前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合部と、
前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌し、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させ、ポリアミック酸が溶解した重合溶液を生成する反応部と、を備えるポリアミック酸製造システムであり、
ポリアミック酸製造システムで製造される所望のポリアミック酸を高粘度重合溶液とした場合、高粘度重合溶液を得た際の前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比よりも、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比が1:1から遠ざけるように、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比を変えることにより重合溶液の粘度を下げて低粘度重合溶液を得、高粘度重合溶液を低粘度重合溶液で置換することを特徴とするポリアミック酸製造システムの洗浄方法である。
前記第1溶液を供給する第1供給部と、
前記第2溶液を供給する第2供給部と、
前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合部と、
前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌し、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させ、ポリアミック酸が溶解した重合溶液を生成する反応部と、を備えるポリアミック酸製造システムであり、
ポリアミック酸製造システムで製造される所望のポリアミック酸を高粘度重合溶液とした場合、高粘度重合溶液を得た際の前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比よりも、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比が1:1から遠ざけるように、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比を変えることにより重合溶液の粘度を下げて低粘度重合溶液を得、高粘度重合溶液を低粘度重合溶液で置換することを特徴とするポリアミック酸製造システムの洗浄方法である。
図1により、連続的なポリアミック酸の製造システムの概要について説明する。ポリアミック酸製造システムは、重付加性の第1重合性化合物が溶解した第1溶液A1と、第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物が溶解した第2溶液A2とを原料としてポリアミック酸を製造するシステムである。
以下では一例として、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである場合について説明する。より具体的には、第1溶液A1に含まれる第1重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物であり、第2溶液A2に含まれる第2重合性化合物がジアミンである場合について説明する。
テトラカルボン酸二無水物としては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、アントラセン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,8,9,10-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸二無水物;チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ピリジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等の複素環族テトラカルボン酸二無水物;などが挙げられる。テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1溶液A1の溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物及びポリアミック酸が溶解するものが用いられる。溶媒の具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、アセトアニリド等のアミド系溶媒;γ-ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒;酢酸エチル等の鎖状エステル系溶媒;2-プロパノン、3-ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミック酸の溶解性が高いアミド系溶媒、環状エステル系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。例えば、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等のポリアミック酸の溶解性が比較的低い溶媒に対して極性の高いアルコ―ル系溶媒を混合することで、ポリアミック酸の溶解性を向上させることも可能である。
第1溶液A1は、テトラカルボン酸二無水物の溶解性を高め、又はジアミンとの反応性を高めるため、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンを少量含有していてもよい。
ジアミンとしては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。ジアミンの具体例としては、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3'-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、2,6-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノクロロベンゼン、1,2-ジアミノアントラキノン、1,4-ジアミノアントラキノン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノビベンジル等の芳香族ジアミン;1,2-ジアミノエタン、1,4-ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10-ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン;1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン;3,4-ジアミノピリジン等の複素環族ジアミン;などが挙げられる。ジアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ジアミンとしては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。ジアミンの具体例としては、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3'-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、2,6-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノクロロベンゼン、1,2-ジアミノアントラキノン、1,4-ジアミノアントラキノン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノビベンジル等の芳香族ジアミン;1,2-ジアミノエタン、1,4-ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10-ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン;1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン;3,4-ジアミノピリジン等の複素環族ジアミン;などが挙げられる。ジアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2溶液A2の溶媒としては、ジアミン及びポリアミック酸が溶解するものが用いられる。溶媒の具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、アセトアニリド等のアミド系溶媒;γ-ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒;酢酸エチル等の鎖状エステル系溶媒;2-プロパノン、3-ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミック酸の溶解性が高いアミド系溶媒、環状エステル系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。例えば、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等のポリアミック酸の溶解性が比較的低い溶媒に対して極性の高いアルコ―ル系溶媒を混合することで、ポリアミック酸の溶解性を向上させることも可能である。
図1に示すように、ポリアミック酸製造システムは、原料である第1溶液A1及び第2溶液A2を第1混合部20において混合して第1混合溶液Bを生成し、反応部30において重合反応を進行させて重合溶液Cを生成することで、ポリアミック酸を製造するよう構成されている。
続けて、ポリアミック酸製造システムの具体的な構成について説明する。
図1に示すように、ポリアミック酸製造システムは、第1タンク11と、第2タンク12と、第1供給ポンプ15(第1供給部)と、第2供給ポンプ16(第2供給部)と、混合部20と、反応部30と、送液ラインLと、を備える。上述の送液ラインLは、第1送液部L1と、第2送液部L2と、第3送液部L3と、を有する。
図1に示すように、ポリアミック酸製造システムは、第1タンク11と、第2タンク12と、第1供給ポンプ15(第1供給部)と、第2供給ポンプ16(第2供給部)と、混合部20と、反応部30と、送液ラインLと、を備える。上述の送液ラインLは、第1送液部L1と、第2送液部L2と、第3送液部L3と、を有する。
第1タンク11は、重付加性の第1重合性化合物が溶解した第1溶液A1を収容する。本実施形態においては、第1タンク11は、テトラカルボン酸二無水物が溶解した第1溶液A1を収容する。第1タンク11に収容された第1溶液A1は、第1送液部L1を介して、第1混合部20に供給される。
第2タンク12は、第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物が溶解した第2溶液A2を収容する。本実施形態においては、第2タンク12は、ジアミンが溶解した第2溶液A2を収容する。第2タンク12に収容された第2溶液A2は、第2送液部L2を介して、第1混合部20に供給される。
第1供給ポンプ15(第1供給部)は、第1タンク11に収容されている第1溶液A1を第1混合部20に供給する。第1供給ポンプ15は、第1溶液A1を所定の送液量で供給する。例えば、第1供給ポンプ15は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第1溶液A1を供給するよう調整される。
第2供給ポンプ16(第2供給部)は、第2タンク12に収容されている第2溶液A2を第1混合部20に供給する。第2供給ポンプ16は、第2溶液A2を所定の送液量で供給する。例えば、第2供給ポンプ16は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第2溶液A2を供給するよう調整される。
第1混合部20は、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16の下流側に配置される。第1混合部20は、第1溶液A1と第2溶液A2とを混合して第1混合溶液Bを生成する。第1混合部20は、第1供給ポンプ15により供給される第1溶液A1と、第2供給ポンプ16により供給される第2溶液A2とを合流させる合流弁により構成される。
第1反応部30は、第1混合溶液Bに含まれる第1重合性化合物と第2重合性化合物との重合反応を進行させる部分である。反応部30において、混合溶液Bに含まれる第1重合性化合物と第2重合性化合物との重合反応が徐々に進行し、重合溶液Cが得られる。
反応部30は、所定方向に延びる二重管で構成され、径方向の内側に配置される反応撹拌部31と、径方向の外側に配置される反応温度調整部32と、を有する。反応部30は、混合溶液Bが所望の滞留時間で流通するように形成されている。
反応撹拌部31は、第1溶液A1及び第2溶液A2が混合された混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌する。本実施形態において、反応撹拌部31は、反応温度調整部32により重合反応に適した温度に調整された混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌する。
反応撹拌部31は、例えば、スタティックミキサー、ノズル、オリフィス等の静止型混合器や、遠心ポンプ、渦巻きポンプ、撹拌羽を有するインラインミキサー等の駆動型混合器を含んで構成され、好ましくは静止型混合器を含んで構成され、より好ましくはスタティックミキサーを含んで構成される。
スタティックミキサーとしては、特に限定されず、例えば、Kenics mixer型、Sulzer SMV型、Sulzer SMX型、Tray Hi-mixer型、Komax mixer型、Lightnin mixer型、Ross ISG型、Bran&Lube mixer型等のスタティックミキサーが挙げられる。これらの中でも、Kenics mixer型のスタティックミキサーは、構造が単純であるためデッドスペースがなく、より好ましい。
上述の通り、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸(プレポリマー)であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物であってもよい。この場合、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端のポリアミック酸であると、他方はジアミンである。また、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がアミノ基末端のポリアミック酸であると、他方はテトラカルボン酸二無水物である。
図1のポリアミック酸製造システムにおいて、ポリアミック酸溶液の重合反応実施後には反応部30および送液ラインL3に高粘度のポリアミック酸溶液が存在する。高粘度のポリアミック酸溶液を反応部および送液ラインL3から除去するにあたり、それよりも低粘度のポリアミック酸溶液を反応部で重合し送液することで反応部および送液ラインL3内の高粘度のポリアミック酸を置換することにより効率よく洗浄することができる。
ポリアミック酸は、前述の通り第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応により得られ、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比(当量比)が、1:1に近いほど高分子量の物が得られる。ポリアミック酸製造システムで製造される所望のポリアミック酸を高粘度重合溶液とした場合、高粘度重合溶液を得た際の前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比よりも、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比が1:1から遠ざけるように、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比を変えることにより重合溶液の粘度を下げて低粘度重合溶液を得、高粘度重合溶液を低粘度重合溶液で置換することにより、簡便に効率よく洗浄することができる。
以下、高粘度重合溶液を置換するための低粘度ポリアミック酸溶液を低粘度重合溶液と表現する。また、本明細書でいう「粘度」は、E型粘度計を用いて温度23℃、せん断速度0.38s-1の条件で測定した値である。
以下、高粘度重合溶液を置換するための低粘度ポリアミック酸溶液を低粘度重合溶液と表現する。また、本明細書でいう「粘度」は、E型粘度計を用いて温度23℃、せん断速度0.38s-1の条件で測定した値である。
低粘度重合溶液は高粘度重合溶液よりも粘度の低いものであり、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比が1:1から遠ざけるように、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比を変えることにより、簡便に重合溶液の粘度を下げて低粘度重合溶液を得ることができる。例えば、高粘度重合溶液の反応比が、第1重合性化合物:前記第2重合性化合物=1:1であった場合、1:0.95、1:0.9、1:0.8、1:0.5、1:0と段階的に反応比を変えること(1:1から遠ざける)により、低粘度重合溶液の粘度を段階的に下げてもいいし、1:1~1:0まで連続的に変化させてもいい。第2重合性化合物の量を下げる方法を例示したが、第1重合性化合物を減らせても同様である。通常、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比は、1:1でない場合もあり、反応比が少ない方の化合物を減らす方が、安定的に低粘度重合溶液を合成できる傾向にあり好ましい。
段階的に粘度を下げる場合には、低粘度重合溶液は、粘度を200~1000poise下げながら送液することが好ましい。
低粘度重合溶液は、第1または第2重合性化合物の供給量を減らすことで、それまで重合していた高粘度重合溶液または低粘度重合溶液よりも粘度の低いポリアミック酸溶液を重合し粘度を調整する。
反応部および送液ラインL3内の高粘度ポリアミック酸を低粘度重合溶液で置換後、第2重合性化合物の供給を停止し、第1重合性化合物のみを送液することで第1反応部および送液ラインL内の洗浄用ポリアミック酸を第1重合性化合物で置換し除去する。第1重合性化合物で置換後、第1タンク11及び第2タンク12内に第1溶液A1および第2溶液A2に用いた溶媒を投入し、反応部および送液ラインL1~L3に溶媒を送液することで第1重合性化合物および第2重合性化合物を溶媒で置換し除去することができる。また、混合部から反応部に向けて溶媒を投入すれば、反応部以降を洗浄することができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
連続的なポリアミック酸製造システムにて、モル比でピロメリット酸:ジアミノジフェニルエーテル3:4でN, N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略する)溶液中で反応させて、酸末端のポリアミド酸溶液(第1溶液A1)を用意した。この酸末端のポリアミド酸溶液の粘度は15poiseであった。また、p-フェニレンジアミンのDMF溶液を準備し、第2溶液A2とした。第1溶液A1と第2溶液A2を反応部に送液し、Kenics mixer型スタティックミキサー(内径8mm、長さ335mm)で反応させることにより、1870poiseのポリアミック酸溶液を得た。(尚、粘度は、E型粘度計で測定した23℃の粘度であり、ポリアミック酸溶液の粘度は、スタティックミキサーから出てきたところでの粘度である。)
尚、図1のL1~L3に相当する配管径は、8mmの円筒管を用いた。
連続的なポリアミック酸製造システムにて、モル比でピロメリット酸:ジアミノジフェニルエーテル3:4でN, N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略する)溶液中で反応させて、酸末端のポリアミド酸溶液(第1溶液A1)を用意した。この酸末端のポリアミド酸溶液の粘度は15poiseであった。また、p-フェニレンジアミンのDMF溶液を準備し、第2溶液A2とした。第1溶液A1と第2溶液A2を反応部に送液し、Kenics mixer型スタティックミキサー(内径8mm、長さ335mm)で反応させることにより、1870poiseのポリアミック酸溶液を得た。(尚、粘度は、E型粘度計で測定した23℃の粘度であり、ポリアミック酸溶液の粘度は、スタティックミキサーから出てきたところでの粘度である。)
尚、図1のL1~L3に相当する配管径は、8mmの円筒管を用いた。
スタティックミキサー及び配管内に1870poiseのポリアミック酸溶液で満たされている状態から、第2溶液の供給量を順次下げ、1030poiseの洗浄用ポリアミック酸溶液を約25ml送液し、705poise洗浄用ポリアミック酸溶液を約25ml送液し、280poise洗浄用ポリアミック酸溶液を約25ml送液し、第2溶液の供給量を止め15poiseの第1溶液A1(酸末端のポリアミド酸溶液)のみを約25ml送液し、最後にDMFを約125ml送液した。
スタティックミキサー内部を観察した結果、すべてDMFで置換されており、ポリアミック酸溶液は残っていなかった。
スタティックミキサー内部を観察した結果、すべてDMFで置換されており、ポリアミック酸溶液は残っていなかった。
(比較例1)
実施例と同様の方法で、スタティックミキサー及び配管内が1870poiseのポリアミック酸溶液で満たされている状態にした。混合部からスタティックミキサーに向かって、DMFを250ml送液し洗浄した。スタティックミキサー内部を観察した結果、スタティックミキサー内部にポリアミック酸溶液が残留していることが観察された。高粘度ポリアミック酸とDMFとの粘度差が大きい条件では、スタティックミキサー内の高粘度ポリアミック酸を除去しきれなかった。
実施例と同様の方法で、スタティックミキサー及び配管内が1870poiseのポリアミック酸溶液で満たされている状態にした。混合部からスタティックミキサーに向かって、DMFを250ml送液し洗浄した。スタティックミキサー内部を観察した結果、スタティックミキサー内部にポリアミック酸溶液が残留していることが観察された。高粘度ポリアミック酸とDMFとの粘度差が大きい条件では、スタティックミキサー内の高粘度ポリアミック酸を除去しきれなかった。
1 ポリアミック酸製造システム
11 第1タンク
12 第2タンク
15 第1供給ポンプ(第1供給部)
16 第2供給ポンプ(第2供給部)
20 混合部
30 反応部
A1 第1溶液
A2 第2溶液
B 混合溶液
C 重合溶液
L 送液ライン
11 第1タンク
12 第2タンク
15 第1供給ポンプ(第1供給部)
16 第2供給ポンプ(第2供給部)
20 混合部
30 反応部
A1 第1溶液
A2 第2溶液
B 混合溶液
C 重合溶液
L 送液ライン
Claims (2)
- 重付加性の第1重合性化合物が溶解した第1溶液と、前記第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物が溶解した第2溶液とを原料としてポリアミック酸を製造するポリアミック酸製造システムの洗浄方法であって、
前記システムは
前記第1溶液を供給する第1供給部と、
前記第2溶液を供給する第2供給部と、
前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合部と、
前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌し、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させ、ポリアミック酸が溶解した第1重合溶液を生成する第1反応部と、を備えるポリアミック酸製造システムであり、
ポリアミック酸製造システムで製造される所望のポリアミック酸を高粘度重合溶液とした場合、高粘度重合溶液を得た際の前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比よりも、第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比が1:1から遠ざけるように、前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物の反応比を変えることにより重合溶液の粘度を下げて低粘度重合溶液を得、高粘度重合溶液を低粘度重合溶液で置換することを特徴とするポリアミック酸製造システムの洗浄方法。
- 更に、前記第2重合性化合物の供給を停止し、第1重合性化合物のみで配管内を置換し、最終的に溶媒のみで配管内を置換する請求項1記載のポリアミック酸製造システムの洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020217020A JP2022102341A (ja) | 2020-12-25 | 2020-12-25 | ポリアミック酸製造システムの洗浄方法 |
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2020
- 2020-12-25 JP JP2020217020A patent/JP2022102341A/ja active Pending
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