JP2021031609A - 重合体製造システム及び製造方法 - Google Patents

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倶透 豊田
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Abstract

【課題】所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能な重合体製造システム及び製造方法を提供する。【解決手段】重合体製造システム1は、第1重合性化合物を含む第1溶液A1を供給する第1溶液供給部112と、第2重合性化合物を含む第2溶液A2を供給する第2溶液供給部122と第1溶液A1と第2溶液A2とを合流させて第1合流混合溶液Bを生成する第1合流部J1と、第1合流部J1の下流側に配置され、第1合流混合溶液Bを撹拌して重合反応を進行させることで第1管混合溶液Cを生成する第1管型混合部20と、第1管型混合反応部に接続され第1管混合溶液の一部を連続的に抜き取り、抜き取った位置より上流側に連続的に液を送液し、第1循環混合液Dを得る第1循環部300と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、重合体製造システム及び製造方法に関する。詳細には、本発明は、重合体を連続的に製造可能な重合体製造システム及び製造方法に関する。
従来より、ポリアミック酸(ポリアミド酸)等の重合体の製造方法として、例えば、第1溶液と第2溶液とを混合槽で混合し、混合した混合溶液を管状の管型混合器で更に混合する製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。管型混合器においては、ポンプの駆動により混合溶液が通液されることで、混合溶液は、管の軸方向に移動されながら撹拌される。
特開昭62−214912号公報
管型混合器により混合溶液が管の軸方向に移動されながら撹拌されるポリアミック酸(ポリアミド酸)等の重合体の製造方法では、管の軸方向において混合溶液の粘度ムラがあった場合に、混合溶液が管の軸方向に移動されるため、管の軸方向の混合溶液の粘度ムラを解消することは難しい。そのため、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが難しいという課題があった。
本発明は、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能な重合体製造システム及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料として重合体を製造する重合体製造システムであって、
前記第1溶液を供給する第1溶液供給部と、
前記第2溶液を供給する第2溶液供給部と
前記第1溶液と前記第2溶液とを合流させて第1合流混合溶液を生成する第1合流部と、
前記第1合流部の下流側に配置され、前記第1合流混合溶液を撹拌して重合反応を進行させることで第1管混合溶液を生成する第1管型混合反応部と、
第1管型混合反応部に接続され第1管混合溶液の一部を連続的に抜き取り、抜き取った位置より上流側に連続的に液を送液し、第1循環混合液を得る第1循環部と、を備える重合体製造システム。
<2> 前記第1管混合溶液及び前記第1循環混合液のいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部と、
前記測定部により取得された反応情報に基づいて、前記第1溶液供給部及び/又は前記第2溶液供給部及び/又は第1循環部における供給を制御する制御部と、を更に備える<1>に記載の重合体製造システム。
<3> 前記測定部は、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上を有して構成される<1>または<2>に記載の重合体製造システム。
<4> 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記重合体としてポリアミック酸を製造する<1>〜<3>のいずれかに記載の重合体製造システム。
(a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
<5> 製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化部を更に備え、前記重合体としてポリイミドを製造する<1>〜<4>のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
<6> 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料として重合体を製造する重合体の製造方法であって、
前記第1溶液を供給する第1溶液供給工程と、
前記第2溶液を供給する第2溶液供給工程と、
第1合流部において、前記第1溶液と前記第2溶液とを合流させて第1合流混合溶液を生成する第1合流工程と、
第1管型混合部において、前記第1合流混合溶液を撹拌して重合反応を進行させることで第1管混合溶液を生成する第1管混合工程と、
第1循環部において、前記第1管型混合反応部に接続され第1管混合溶液の一部を連続的に抜き取り、抜き取った位置より上流側に連続的に液を送液し、第1循環混合液を得る第1循環工程と、を含む重合体の製造方法。
<7> 前記第1管混合溶液及び前記第1循環混合液のいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定工程と、
前記測定工程により取得された反応情報に基づいて、前記第1溶液供給工程及び/又は前記第2溶液供給工程及び/又は第1循環工程における供給を制御する制御工程と、を更に含む<6>に記載の重合体の製造方法。
<8> 前記測定工程では、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上により前記反応情報が取得される<6>または<7>に記載の重合体の製造方法。
<9> 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記重合体としてポリアミック酸を製造する<6>〜<8>のいずれかに記載の重合体の製造方法。
(a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
<10> 製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化工程を更に含み、前記重合体としてポリイミドを製造する<6>〜<9>のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
本発明によれば、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能な重合体製造システム及び製造方法を提供することができる。
第1実施形態における重合体製造システムを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第1実施形態は、第1管型混合部と第1循環部とを備え、送液ラインLの途中において溶液を追加しない場合の重合体製造システムの例である。
<第1実施形態>
図1により、第1実施形態における重合体製造システムについて説明する。図1は、第1実施形態における重合体製造システムを示す図である。
まず、第1実施形態における重合体製造システム1の概要について説明する。
重合体製造システム1は、重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液A1と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液A2とを原料として重合体を製造する製造システムである。第1実施形態は、第1管型混合部と第1循環部とが連続して設けられる場合の重合体製造システムの例である。
ここで、「(第1)管型混合部」とは、溶液を流通させながら混合する管状の反応器を有する混合部を意味する。また、「(第1)循環部」とは、(第1)管混合溶液の一部を連続的に抜き取り、抜き取った位置より上流側に連続的に液を送液する機構を有する循環部を意味する。
以下では一例として、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンであり、重合体としてポリアミック酸を製造する場合について説明する。より具体的には、第1溶液A1に含まれる第1重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物であり、第2溶液A2に含まれる第2重合性化合物がジアミンであり、重合体としてポリアミック酸を製造する場合について説明する。
テトラカルボン酸二無水物としては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸二無水物;チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の複素環族テトラカルボン酸二無水物;などが挙げられる。テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1溶液A1の溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物及びポリアミック酸が溶解するものが用いられる。溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトアニリド等のアミド系溶媒;γ−ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒;酢酸エチル等の鎖状エステル系溶媒;2−プロパノン、3−ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミック酸の溶解性が高いアミド系溶媒、環状エステル系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。例えば、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等のポリアミック酸の溶解性が比較的低い溶媒に対して極性の高いアルコ―ル系溶媒を混合することで、ポリアミック酸の溶解性を向上させることも可能である。
第1溶液A1は、テトラカルボン酸二無水物の溶解性を高め、又はジアミンとの反応性を高めるため、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンや酢酸を少量含有していてもよい。
ジアミンとしては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。ジアミンの具体例としては、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノビベンジル等の芳香族ジアミン;1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン;1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン;3,4−ジアミノピリジン等の複素環族ジアミン;などが挙げられる。ジアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2溶液A2の溶媒としては、ジアミン及びポリアミック酸が溶解するものが用いられる。溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトアニリド等のアミド系溶媒;γ−ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒;酢酸エチル等の鎖状エステル系溶媒;2−プロパノン、3−ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミック酸の溶解性が高いアミド系溶媒、環状エステル系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。例えば、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等のポリアミック酸の溶解性が比較的低い溶媒に対して極性の高いアルコ―ル系溶媒を混合することで、ポリアミック酸の溶解性を向上させることも可能である。
図1に示すように、重合体製造システム1は、原料である第1溶液A1及び第2溶液A2を第1合流部J1において合流させて混合して第1合流混合溶液Bを生成し、第1合流混合溶液Bを第1管型混合部20において撹拌して重合反応を進行させることで第1管混合溶液Cを生成し、第1循環部300から流出する第1循環混合液Dを得ることで、ポリアミック酸(重合体)を製造するよう構成されている。第1循環部300においては、分岐部J3において循環部から流出する第1循環混合液Dの一部を連続的に抜き取り(第1循環溶液E)、抜き取った位置より上流側の第2合流部J2に連続的に液を送液し、第1管混合溶液Cと混合させるよう構成されている。
また、重合体製造システム1は、後述の第1タンク11及び第2タンク12からクッションタンクCTまでをつなぐ送液ラインLを有する。
続けて、重合体製造システム1の具体的な構成について説明する。
図1に示すように、重合体製造システム1は、第1タンク11と、第1タンク用開閉弁111と、第2タンク12と、第2タンク用開閉弁121と、第1供給ポンプ112(第1溶液供給部)と、第2供給ポンプ122(第2溶液供給部)と、第1合流部J1と、第1管型混合部20と、第1循環部300と、クッションタンクCTと、送液ラインLと、制御部200と、を備える。上述の送液ラインLは、第1送液部L1と、第2送液部L2と、第3送液部L3と、第4送液部L4と、第5送液部L5と、第6送液部L6と、第7送液部L7と、第8送液部L8と、第9送液部L9と、を有する。また、重合体製造システム1は、第1流量測定部113と、第2流量測定部123と、第3流量測定部312と、第1粘度測定部222と、第2粘度測定部322と、を有する。また、第1循環部300には合流混合流路30と循環ポンプ311と循環流路310と、を有する。
第1タンク11は、重付加性の第1重合性化合物が溶解した第1溶液A1を収容する。本実施形態においては、第1タンク11は、テトラカルボン酸二無水物が溶解した第1溶液A1を収容する。第1タンク11に収容された第1溶液A1は、第1送液部L1を介して、第1合流部J1に供給される。
第1送液部L1は、第1タンク11と第1合流部J1とをつなぐラインである。第1送液部L1における第1タンク11と第1合流部J1との間には、第1タンク用開閉弁111、第1供給ポンプ112、及び第1流量測定部113が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第1タンク用開閉弁111は、第1送液部L1における第1タンク11の下方近傍に配置され、第1供給ポンプ112の上流側において、第1送液部L1を開閉する。
第1供給ポンプ112(第1溶液供給部)は、第1タンク11に収容されている第1溶液A1を第1合流部J1に供給する。第1供給ポンプ112は、第1溶液A1を所定の流量で吐出する。例えば、第1供給ポンプ112は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第1溶液A1を供給するよう調整される。
本実施形態においては、第1供給ポンプ112は、定量ポンプで構成される。
本実施形態においては、第1供給ポンプ112により供給される第1溶液A1と、後述する第2供給ポンプ122により供給される第2溶液A2と、の供給を制御することで、所望の性状のポリアミック酸を得る。そのため、第1溶液A1及び第2溶液A2の供給精度が高いことが好ましく、本実施形態では、第1供給ポンプ112が定量ポンプで構成されるとともに、後述する第2供給ポンプ122も定量ポンプで構成される。
定量ポンプは、容積式のポンプであり、一定量の溶液を高い精度で繰り返し送り出すポンプである。定量ポンプとしては、例えば、プランジャポンプ等の押し出し式の往復ポンプ;歯車を備えたギアポンプ等の回転ポンプ;などが挙げられる。
第1流量測定部113は、第1送液部L1における第1供給ポンプ112の下流側の第1溶液A1の流量を測定する。本実施形態においては、第1流量測定部113は、第1供給ポンプ112と第1合流部J1との間に配置される。第1流量測定部113は、測定した第1溶液A1の流量を後述する制御部200に出力する。
第2タンク12は、第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物が溶解した第2溶液A2を収容する。本実施形態においては、第2タンク12は、ジアミンが溶解した第2溶液A2を収容する。第2タンク12に収容された第2溶液A2は、第2送液部L2を介して、第1合流部J1に供給される。
第2送液部L2は、第2タンク12と第1合流部J1とをつなぐラインである。第2送液部L2における第2タンク12と第1合流部J1との間には、第2タンク用開閉弁121、第2供給ポンプ122、及び第2流量測定部123が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第2タンク用開閉弁121は、第2送液部L2における第2タンク12の下方近傍に配置され、第2供給ポンプ122の上流側において、第2送液部L2を開閉する。
第2供給ポンプ122(第2溶液供給部)は、第2タンク12に収容されている第2溶液A2を第1合流部J1に供給する。第2供給ポンプ122は、第2溶液A2を所定の流量で吐出する。例えば、第2供給ポンプ122は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第2溶液A2を供給するよう調整される。
本実施形態では、第2供給ポンプ122は、上述の第1供給ポンプ112と同様の理由により、定量ポンプで構成される。
第2流量測定部123は、第2送液部L2における第2供給ポンプ122の下流側の第2溶液A2の流量を測定する。本実施形態においては、第2流量測定部123は、第2供給ポンプ122と第1合流部J1との間に配置される。第2流量測定部123は、測定した第2溶液A2の流量を後述する制御部200に出力する。
第1合流部J1は、第1供給ポンプ112及び第2供給ポンプ122の下流側に配置される。第1合流部J1は、第1溶液A1と第2溶液A2とを合流させて混合して第1合流混合溶液Bを生成する。第1合流部J1においては、第1溶液A1と第2溶液A2とを気体に接触しない状態で合流させる。第1合流部J1は、第1供給ポンプ112により供給される第1溶液A1と、第2供給ポンプ122により供給される第2溶液A2とを合流させる合流弁により構成される。
第1管型混合部20は、第1合流部J1の下流側に配置される。第1管型混合部20は、第1合流混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1管混合溶液Cを生成する。
第1管型混合部20は、所定方向に延びる二重管で構成された管型の反応器を含んで構成される。第1管型混合部20は、径方向の内側に配置される第1管型混合撹拌部21と、径方向の外側に配置される第1温度調整部22と、を有する。第1管型混合部20は、第1合流混合溶液Bが所望の滞留時間で流通するように形成されている。
第1管型混合撹拌部21は、第1合流混合溶液Bを撹拌する。本実施形態においては、第1管型混合撹拌部21は、第1温度調整部22により重合反応に適した温度に調整された第1合流混合溶液Bを撹拌する。
第1管型混合撹拌部21は、例えば、スタティックミキサー、ノズル、オリフィス等の静止型混合器や、遠心ポンプ、渦巻きポンプ、撹拌羽を有するインラインミキサー等の駆動型混合器を含んで構成され、好ましくは静止型混合器を含んで構成され、より好ましくはスタティックミキサーを含んで構成される。なお、ツイストテープの内挿された管(特開2003−314982号公報の[図19]等を参照)でもスタティックミキサーと同様に撹拌促進効果が得られるが、スタティックミキサーの方がより撹拌促進効果が得られるため好ましい。
スタティックミキサーとしては、特に限定されず、例えば、Kenics mixer型、Sulzer SMV型、Sulzer SMX型、Tray Hi−mixer型、Komax mixer型、Lightnin mixer型、Ross ISG型、Bran&Lube mixer型等のスタティックミキサーが挙げられる。これらの中でも、Kenics mixer型のスタティックミキサーは、構造が単純であるためデッドスペースがなく、より好ましい。
第1温度調整部22は、第1管型混合撹拌部21の径方向の外側に配置される配管部である。第1温度調整部22は、第1管型混合撹拌部21を流通する第1合流混合溶液Bを、所望の温度条件に温調(例えば、冷却)する。第1温度調整部22において、第1合流混合溶液Bは、重合反応に適した温度に調整され、第1管型混合撹拌部21を流通される。
以上の第1管型混合部20においては、第1合流混合溶液Bの重合反応を進行させることで第1管混合溶液Cを生成する。本実施形態では、第1管型混合部20においては、第1合流混合溶液Bの重合反応を所定以上に進行させた状態で、第1管混合溶液Cを生成することが好ましい。例えば、第1管型混合部20における第1合流混合溶液Bから第1管混合溶液Cを生成する場合の反応率は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。
生成された第1管混合溶液Cは、第4送液部L4を介して、第1循環部300に供給される。
第1粘度測定部222は、第4送液部L4における第1管型混合部20と第1循環部300との間において、第1管混合溶液Cの粘度情報を取得する。重合反応が進行することで粘度が上昇するため、粘度情報は、反応情報として有効な情報である。第1粘度測定部222は、取得した第1管混合溶液Cの粘度情報を後述する制御部200に出力する。
第1循環部300は、第1管型混合部20の下流側に配置される。第1循環部300は、第1管混合溶液Cを連続的に流入させ、第1循環混合液DをクッションタンクCTに連続的に流出させる。分岐部J3において第1管型送液部31(送液ラインL6)から流出する液の一部を連続的に抜き取り(第1循環溶液E)、抜き取った位置より上流側の第2合流部J2に連続的に液を送液し、合流混合流路30において第1管混合溶液Cと混合させることで、流出する第1循環混合液Dの性状を安定化させる。
第1循環部300は、合流混合流路30と、循環ポンプ311と、循環流路310と、を有する。合流混合流路30は、所定方向に延びる二重管で構成された管型の反応器を含んで構成される。合流混合流路30は、径方向の内側に配置される第1管型送液部31と、径方向の外側に配置される第2温度調整部32と、を有する。
循環流路310は、所定方向に延びる二重管で構成された管型の反応器を含んで構成される。循環流路310は、径方向の内側に配置される第2管型送液部314と、径方向の外側に配置される第3温度調整部315と、を有する。
第1管型送液部31は第1管混合溶液Cと第1循環溶液Eを混合し、均一な第1循環混合液Dを得るために、送液中に気体に接触しない状態で撹拌されることが好ましい。
第1管型送液部31は、例えば、スタティックミキサー、ノズル、オリフィス等の静止型混合器や、遠心ポンプ、渦巻きポンプ、撹拌羽を有するインラインミキサー等の駆動型混合器を含んで構成され、好ましくは静止型混合器を含んで構成され、より好ましくはスタティックミキサーを含んで構成される。なお、ツイストテープの内挿された管(特開2003−314982号公報の[図19]等を参照)でもスタティックミキサーと同様に撹拌促進効果が得られるが、スタティックミキサーの方がより撹拌促進効果が得られるため好ましい。
スタティックミキサーとしては、特に限定されず、例えば、Kenics mixer型、Sulzer SMV型、Sulzer SMX型、Tray Hi−mixer型、Komax mixer型、Lightnin mixer型、Ross ISG型、Bran&Lube mixer型等のスタティックミキサーが挙げられる。これらの中でも、Kenics mixer型のスタティックミキサーは、構造が単純であるためデッドスペースがなく、より好ましい。
第2温度調整部32は、第1管型送液部31の径方向の外側に配置される配管部である。第1温度調整部22は、第1管型送液部31を流通する第1循環混合液Dを、所望の温度条件に温調(例えば、冷却)する。
本実施形態では、循環ポンプ311は、定量ポンプでなくてもよい。なお、循環ポンプ311が定量ポンプであることが排除されるものではなく、循環ポンプ311は定量ポンプであってもよい。
循環ポンプ311の循環流量は後述の第2粘度測定部322より得られた情報を元に制御することができる。分岐部J3で循環ポンプ311に流入する流量と第2合流部J2で循環ポンプ311から流出される流量は等しいため、第4送液部L4と第9送液部L9の流量は等しく、循環ポンプ311の流量は第1管混合溶液Cの流量とは独立して設定することができる。循環ポンプ311の流量は第1管混合溶液Cの流量の合計の2〜50倍が好ましい。
第3流量測定部312はL7における循環ポンプ311の下流側の循環溶液Eの流量を測定する。本実施形態においては、第3流量測定部312は、循環ポンプ311と第2合流部J2との間に配置される。第3流量測定部312は、測定した循環溶液Eの流量を後述する制御部200に出力する。
以上の第1管型混合部20及び第1循環部300においては、第1管型混合部20を前段に配置し、第1循環部を後段に配置することで、前段の第1管型混合部20において管の軸方向に粘度ムラがあった場合に、後段の第1循環部300において管の軸方向の粘度ムラを解消できる。
例えば、第1溶液A1と第2溶液A2との比率の変動によって混合溶液に粘度ムラが生じた場合に、第1管型混合部20においては、混合溶液が管の軸方向に移動されるため、管の軸方向の混合溶液の粘度ムラを解消することができない。これに対して、第1管型混合部20を前段に配置し、第1循環300を後段に配置することで、前段の第1管型混合部20で混合溶液の重合反応を進行させた後に、後段の第1循環部300で混合溶液を撹拌することにより、前段の第1管型混合部20では解消することができなかった第1管混合溶液Cの管の軸方向における粘度ムラを、後段の第1循環部300において解消することができる。
第1循環部300より流出する第1循環混合液Dは、第9送液部L9を介して、クッションタンクCTに供給される。第9送液部L9は、第1循環部300とクッションタンクCTとをつなぐラインである。
第2管型送液部314は、特に制限はなく、混合機構のない流路で構成されても良いし、混合機構を有する流路で構成されても良い。混合機構の無い流路は、例えば円管が挙げられる。混合機構を有する流路は例えば、スタティックミキサー、ノズル、オリフィス等の静止型混合器や、遠心ポンプ、渦巻きポンプ、撹拌羽を有するインラインミキサー等の駆動型混合器を含んで構成され、好ましくは静止型混合器を含んで構成され、より好ましくはスタティックミキサーを含んで構成される。なお、ツイストテープの内挿された管(特開2003−314982号公報の[図19]等を参照)でもスタティックミキサーと同様に撹拌促進効果が得られるが、スタティックミキサーの方がより撹拌促進効果が得られるため好ましい。
スタティックミキサーとしては、特に限定されず、例えば、Kenics mixer型、Sulzer SMV型、Sulzer SMX型、Tray Hi−mixer型、Komax mixer型、Lightnin mixer型、Ross ISG型、Bran&Lube mixer型等のスタティックミキサーが挙げられる。これらの中でも、Kenics mixer型のスタティックミキサーは、構造が単純であるためデッドスペースがなく、より好ましい。
第3温度調整部315は、第2管型送液部314の径方向の外側に配置される配管部である。第3温度調整部315は、第2管型送液部314を流通する第1循環溶液Eを、所望の温度条件に温調(例えば、冷却)する。
第2粘度測定部322は、第9送液部L9における第1循環混合液Dの粘度情報を取得する。重合反応が進行することで粘度が上昇するため、粘度情報は、反応情報として有効な情報である。第2粘度測定部322は、取得した第1循環混合液Dの粘度情報を後述する制御部200に出力する。
なお、本実施形態の第1粘度測定部222及び第2粘度測定部322は、第1管混合溶液C及び第1循環混合液Dのいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部の一例である。
測定部は、本実施形態の第1粘度測定部222及び第2粘度測定部322(物理量及び/又は組成の種類、測定方式)に限定されない。測定部は、例えば、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上を有して構成されてもよい。測定部は、測定対象における物理量及び/又は組成に関する1又は2以上の反応情報を取得するとともに、取得した反応情報を後述する制御部200に出力する。
クッションタンクCTは、第1循環部300からの第1循環混合液Dを収容する。クッションタンクCTは、例えば、重合体であるポリアミック酸をイミド化してポリイミドを製造する際においては原料溶液を収容するタンクになる。
本実施形態における重合体製造システム1がポリイミドを製造する場合、重合体製造システム1は、ポリアミック酸をイミド化するイミド化部を更に備える。イミド化部(不図示)は、例えば、熱的に脱水閉環する熱的イミド化方法、脱水剤及びイミド化促進剤を用いる化学的イミド化方法等により、ポリアミック酸をイミド化する。
なお、重合体製造システム1がポリイミドを製造する場合、クッションタンクCTを省略し、第1循環部300からイミド化部に送液されるように構成してもよい。ただし、上記のように、ポリアミック酸を一旦、クッションタンクCTに収容しておく方が好ましい。
制御部200について説明する。制御部200には、第1供給ポンプ112、第2供給ポンプ122、第1流量測定部113、第2流量測定部123、循環ポンプ311、第3流量測定部312、第1粘度測定部222、及び第2粘度測定部322が電気的に接続されている。なお、本明細書において、制御部200から各ポンプ及び各測定部への制御線の図示は省略している。
制御部200は、各流量測定部113,123,312により測定された流量値に基づいて、各供給ポンプ112,122,311を制御する。
制御部200は、例えば、第1供給ポンプ112及び/又は第2供給ポンプ122を制御することにより、第1溶液A1に含まれる第1重合性化合物と第2溶液A2に含まれる第2重合性化合物とのモル比が所定範囲内になるように制御する。上記のモル比は、例えば、所望の性状のポリアミック酸が得られるように設定される。
制御部200は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ112及び/又は第2供給ポンプ122及び/又は循環ポンプ311における供給を制御する。
次に、第1実施形態における重合体製造システム1(ポリアミック酸製造システム)の動作を説明する。
まず、重合体製造システム1において、動作を開始することで、第1供給ポンプ112が第1溶液A1を供給し(第1供給工程)、第2供給ポンプ122が第2溶液A2を供給する(第2供給工程)。ここで、第1供給ポンプ112及び第2供給ポンプ122は、第1溶液A1及び第2溶液A2を所望の割合で供給するように、互いの吐出流量が制御部200により制御されている。これにより、第1合流部J1には、第1溶液A1及び第2溶液A2が供給される。第1合流部J1においては、第1供給ポンプ112により供給された第1溶液A1と、第2供給ポンプ122により供給された第2溶液A2とを合流させて混合され、第1合流混合溶液Bが生成される。
第1合流部J1において生成された第1合流混合溶液Bは、第1供給ポンプ112及び第2供給ポンプ122の供給動作により第3送液部L3を送液されて、第1管型混合部20に供給される。
第1管型混合部20においては、第1合流混合溶液Bの重合反応を進行させることで第1管混合溶液Cが生成される(第1管混合工程)。第1管型混合部20においては、第1合流混合溶液Bを撹拌して、重合反応を進行させる。第1管型混合部20がスタティックミキサー等の静止型混合器である場合、第1合流混合溶液Bは通液されるだけで撹拌される。ここで、第1管型混合部20においては、管の軸方向において第1合流混合溶液Bの粘度ムラがあった場合に、第1合流混合溶液Bが管の軸方向に移動されるため、第1合流混合溶液Bの管の軸方向の粘度ムラを解消することができない。
第1管型混合部20において生成された第1管混合溶液Cは、第4送液部L4を送液されて、第1循環部300に供給される。
第1循環部300においては、第1管混合溶液Cを流入させ、分岐部J3において循環部から流出する第1循環混合液Dの一部を連続的に抜き取り(第1循環溶液E)、抜き取った位置より上流側の第2合流部J2に連続的に液を送液し、合流混合流路30において第1管混合溶液Cと混合させて、第1循環混合液DをクッションタンクCTに連続的に送液する(第1循環工程)。これにより、前段の第1管型混合部20では解消することができない第1管混合溶液Cの管の軸方向における粘度ムラを、後段の第1循環部300において解消することができる。よって、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることができる。
第1循環部300において生成された第1循環混合液Dは、第9送液部L9を送液されて、クッションタンクCTに供給される。
ここで、上述の重合体製造システム1の動作の途中において、第1粘度測定部222及び第2粘度測定部322は、粘度情報を取得している(測定工程)。
制御部200は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ112及び/又は第2供給ポンプ122及び/又は循環ポンプ311における供給を制御する(制御工程)。これにより、所望の性状(粘度)のポリアミック酸を得ることができる。
ここで、例えば、本実施形態におけるポリアミック酸の製造方法がポリイミドの製造方法の一部である場合がある。この場合、ポリイミドの製造方法は、ポリアミック酸をイミド化するイミド化工程を更に含む。
なお、重合体製造システム1がポリイミドを製造する場合、クッションタンクCTを省略し、第1循環部300からイミド化部に送液されるように構成してもよい。ただし、上記のように、ポリアミック酸を一旦、クッションタンクCTに収容しておく方が好ましい。
本実施形態の重合体製造システム1によれば、以下の効果を奏する。
重合体製造システム1は、第1重合性化合物を含む第1溶液A1を供給する第1供給ポンプ112と、第2重合性化合物を含む第2溶液A2を供給する第2供給ポンプ122と第1溶液A1と第2溶液A2とを合流させて第1合流混合溶液Bを生成する第1合流部J1と、第1合流部J1の下流側に配置され、第1合流混合溶液Bを撹拌して重合反応を進行させることで第1管混合溶液Cを生成する第1管型混合部20と、第1管型混合部20の下流側に配置され、分岐部J3において第1管混合溶液Cの一部を連続的に抜き取り、抜き取った位置より上流側の第2合流部J2に連続的に液を送液し、第1循環混合液Dを得る第1循環部300と、を備える。このように、前段に配置される第1管型混合部20において混合された第1管混合溶液Cを、後段に配置される第1循環部300において循環混合するため、前段の第1管型混合部20では解消することができない第1管混合溶液Cの管の軸方向における粘度ムラを、後段の第1循環部300において解消することができる。よって、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることができる。
また、重合体製造システム1において、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16及び/又は循環ポンプ311における供給を制御する。これにより、所望の性状(粘度)の重合体を得ることができる。
なお、本実施形態では、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物、他方がジアミンであり、重合体としてポリアミック酸を製造する場合について説明したが、これに制限されるものではない。
例えば、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方を酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸(プレポリマー)、他方をジアミン又はテトラカルボン酸二無水物とし、重合体としてポリアミック酸を製造するようにしてもよい。この場合、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端のポリアミック酸であると、他方はジアミンである。また、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がアミノ基末端のポリアミック酸であると、他方はテトラカルボン酸二無水物である。
また、例えば、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方を酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸、他方をアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸とし、重合体としてポリアミック酸を製造するようにしてもよい。この場合、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端のポリアミック酸であると、他方はアミノ基末端のポリアミック酸である。
また、本実施形態では、第1管型混合部20が第1管型混合撹拌部21と第1温度調整部22との二重管で構成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1管型混合部20を第1管型混合撹拌部21のみの一重管で構成し、この第1管型混合撹拌部21を温調用の液に浸漬するようにしてもよい。合流混合流路30および循環流路310についても同様に、二重管で構成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。
<変形例>
以上、1つの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上述の実施形態では、重合体製造システムが、第1実施形態では第1管型混合部及び第1循環部において溶液を撹拌して混合を行うように構成した。しかし、これに限定されない。第1実施形態の構成の下流側に、1段又は複数段の循環部又は管型混合部を設けてもよい。また、第1管型混合部及び第1循環部における溶液を撹拌して混合した後に、第2管型混合部及び第2循環部において溶液を撹拌して混合を行うように構成してもよく、さらにその後に1段又は複数段の循環部又は管型混合部を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、ポリアミック酸又はポリイミドを製造する重合体製造システムについて説明したが、製造する重合体はこれらに限定されない。例えば、重合体製造システムは、ウレタンモノマー、エポキシモノマー等の重付加性モノマーを用いて重合体を製造するものであってもよい。
また、上述の実施形態では、粘度測定部により第1管混合溶液C、第1循環混合溶液Dの粘度に関する粘度情報を取得して、取得した粘度情報に基づいて、滞留時間の制御や、溶液A1,A2の供給量及び/又は循環流量を制御したが、これに限定されない。例えば、第1管混合溶液C、第1循環混合溶液Dの吸光度に関する吸光度情報を取得して、取得した吸光度情報に基づいて、滞留時間の制御や、溶液A1,A2の供給量及び/又は循環流量を制御してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、図1に示すような構造の重合体製造システム1を用いてポリアミック酸を製造した。第1タンク11には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物との反応により得られた酸無水物基末端のポリアミック酸をN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した第1溶液A1を収容した。また、第2タンク12には、p−フェニレンジアミンをN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した第2溶液A2を収容した。
まず、第1合流部J1において、第1供給ポンプ112により供給された第1溶液A1と、第2供給ポンプ122により供給された第2溶液A2とを合流させて混合し、第1合流混合溶液Bを生成した。次いで、第1管型混合部20において、第1合流混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌して重合反応を進行させることで、ポリアミック酸が溶解した第1管混合溶液Cを生成し、第1循環部300において循環混合することで、第1循環混合溶液Dを生成した。
より具体的には、第1管型混合部20として、Kenics mixer型のスタティックミキサー(内径8mm、長さ670mm)を用いて、第1合流混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌して、重合反応を進行させた。また、第1循環部として、30にKenics mixer型のスタティックミキサー(内径12.7mm、長さ390mm)を用いて、循環流路310にKenics mixer型のスタティックミキサー(内径12.7mm、長さ260mm)を用いた。
循環ポンプ311にギアポンプを用い、第1供給ポンプ112と第2供給ポンプ122の流量の和の4倍の流量で循環させた。
その際、E型粘度計を用いて、得られた第1撹拌槽混合溶液Dが23℃の場合において、第1粘度測定部222及び第2粘度測定部322により、第1管型混合部20の下流側に配置された第1循環部300に流入する前の第1管混合溶液Cの粘度と、第1管型混合部20の下流側に配置された第1循環部300から流出した後の第1循環混合溶液Dの粘度とを測定した。
第1流通式撹拌槽型混合部30に流入する前の第1管混合溶液Cの粘度は、所定時間間隔で10点測定した場合の値が、1800±300ポアズであった。 また、第1循環部300から流出した後の第1循環混合溶液Dの粘度は、所定時間間隔で10点測定した場合の値が、1700±200ポアズであった。これにより、第1循環部300への溶液の流入の前後により、溶液の粘度値の変化幅が小さくなっており、第1循環部300を設けることで、第1管型混合部20における管の軸方向における溶液の粘度ムラが低減されることが分かった。
1 重合体製造システム
11 第1タンク
12 第2タンク
20 第1管型混合部
21 第1管型混合撹拌部
22 第1温度調整部
30 合流混合流路
31 第1管型送液部
32 第2温度調整部
111 第1タンク用開閉弁
112 第1供給ポンプ(第1溶液供給部)
113 第1流量測定部
121 第2タンク用開閉弁
122 第2供給ポンプ(第2溶液供給部)
123 第2流量測定部
200 制御部
222 第1粘度測定部
300 第1循環部
310 循環流路
311 循環ポンプ
312 第3流量測定部
314 第2管型送液部
315 第3温度調整部
322 第2粘度測定部
331 循環ポンプ吸入側開閉弁
332 循環ポンプ吐出側開閉弁
A1 第1溶液
A2 第2溶液
B 第1合流混合溶液
C 第1管混合溶液
CT クッションタンク
D 第1循環混合溶液
E 第1循環溶液
L 送液ライン
J1 第1合流部
J2 第2合流部
J3 分岐部

Claims (10)

  1. 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料として重合体を製造する重合体製造システムであって、
    前記第1溶液を供給する第1溶液供給部と、
    前記第2溶液を供給する第2溶液供給部と
    前記第1溶液と前記第2溶液とを合流させて第1合流混合溶液を生成する第1合流部と、
    前記第1合流部の下流側に配置され、前記第1合流混合溶液を撹拌して重合反応を進行させることで第1管混合溶液を生成する第1管型混合反応部と、
    第1管型混合反応部に接続され第1管混合溶液の一部を連続的に抜き取り、抜き取った位置より上流側に連続的に液を送液し、第1循環混合液を得る第1循環部と、を備える重合体製造システム。
  2. 前記第1管混合溶液及び前記第1循環混合液のいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部と、
    前記測定部により取得された反応情報に基づいて、前記第1溶液供給部及び/又は前記第2溶液供給部及び/又は第1循環部における供給を制御する制御部と、を更に備える請求項1に記載の重合体製造システム。
  3. 前記測定部は、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上を有して構成される請求項1または2に記載の重合体製造システム。
  4. 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記重合体としてポリアミック酸を製造する請求項1〜3のいずれかに記載の重合体製造システム。
    (a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
    (b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
    (c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
  5. 製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化部を更に備え、前記重合体としてポリイミドを製造する請求項1〜4いずれか1項に記載の重合体製造システム。
  6. 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料として重合体を製造する重合体の製造方法であって、
    前記第1溶液を供給する第1溶液供給工程と、
    前記第2溶液を供給する第2溶液供給工程と、
    第1合流部において、前記第1溶液と前記第2溶液とを合流させて第1合流混合溶液を生成する第1合流工程と、
    第1管型混合部において、前記第1合流混合溶液を撹拌して重合反応を進行させることで第1管混合溶液を生成する第1管混合工程と、
    第1循環部において、前記第1管型混合反応部に接続され第1管混合溶液の一部を連続的に抜き取り、抜き取った位置より上流側に連続的に液を送液し、第1循環混合液を得る第1循環工程と、を含む重合体の製造方法。
  7. 前記第1管混合溶液及び前記第1循環混合液のいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定工程と、
    前記測定工程により取得された反応情報に基づいて、前記第1溶液供給工程及び/又は前記第2溶液供給工程及び/又は第1循環工程における供給を制御する制御工程と、を更に含む請求項6に記載の重合体の製造方法。
  8. 前記測定工程では、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上により前記反応情報が取得される請求項6または7に記載の重合体の製造方法。
  9. 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記重合体としてポリアミック酸を製造する請求項6〜8のいずれかに記載の重合体の製造方法。
    (a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
    (b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
    (c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
  10. 製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化工程を更に含み、前記重合体としてポリイミドを製造する請求項6〜9のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
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WO2022196554A1 (ja) * 2021-03-18 2022-09-22 株式会社カネカ 重合体製造システム及び重合体の製造方法

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