JP2020090599A - 重合体製造システム及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能な重合体製造システム及び製造方法を提供する。【解決手段】重合体製造システム1は、重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液A1と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液A2とを原料として重合体を製造し、第1溶液A1を供給する第1供給部15と、第2溶液A2を供給する第2供給部16と、第1溶液A1と第2溶液A2とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液Bを生成し、第1溶液A1及び第2溶液A2の受け入れと第1反応溶液Bの取り出しとを連続的に行う第1流通式撹拌槽型混合部20と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、重合体製造システム及び製造方法に関する。詳細には、本発明は、重合体を連続的に製造可能な重合体製造システム及び製造方法に関する。
従来より、ポリアミック酸等の重合体の製造方法として、撹拌槽を利用するバッチ方式の製造方法が知られている。
また、連続的なポリアミック酸(ポリアミド酸)の製造方法として、例えば、チューブ反応器を用いてポリアミック酸を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−249380号公報
バッチ方式のポリアミック酸等の重合体の製造方法では、著しい粘度上昇があり、粘度によって適した撹拌翼・撹拌条件が異なることから、単一のバッチ式反応器を用いた重合では効果的な撹拌を行うことができないという課題があった。大型の撹拌槽では、反応初期に著しい温度上昇があり、品質が低下することがあった。バッチプロセスで重合を行う場合、反応槽内の残溶液が次のバッチの反応に影響を与え、バッチ間での品質の差が生じやすいことがあった。そのため、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが難しいという課題があった。
一方、密閉状態のチューブ反応器のチューブ内でポリアミック酸等を製造する場合、溶液の粘度上昇が小さく、高精度のモノマー比率の制御を必要としない微粒子生成等の目的は比較的達成しやすい。しかし、密閉状態のチューブ内で粘度が高いポリアミック酸を製造する場合、チューブ内の圧力損失が大きいため、高い供給圧力(高吐出圧力)で原料を供給できる高価なポンプが必要となる。また、第1溶液及び第2溶液を混合させて密閉状態のチューブ内で粘度が高い所望のポリアミック酸を製造する場合、モノマー比率を厳密に制御する必要があるため、第1溶液及び第2溶液を高精度で供給できる高価な各ポンプが必要となる。
低い供給圧力で低精度のポンプを使用した場合には、低吐出圧のため十分な流量(生産量)を確保できず、また、各ポンプの供給圧力を調整して第1溶液及び第2溶液の混合割合を調整することが難しい。そのため、高価なポンプを使用せずに密閉状態のチューブ内で粘度が高いポリアミック酸を製造する場合、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが難しいという課題があった。
本発明は、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能な重合体製造システム及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料として重合体を製造する重合体製造システムであって、
前記第1溶液を供給する第1供給部と、
前記第2溶液を供給する第2供給部と、
前記第1溶液と前記第2溶液とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液を生成し、前記第1溶液及び前記第2溶液の受け入れと前記第1反応溶液の取り出しとを連続的に行う第1流通式撹拌槽型混合部と、を備える重合体製造システム。
<2> 前記第1供給部及び/又は前記第2供給部が定量ポンプを含んで構成される<1>に記載の重合体製造システム。
<3> 前記第1反応溶液を供給する第3供給部と、
前記第1流通式撹拌槽型混合部の下流側に配置され、前記第1反応溶液を気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液を生成し、前記第1反応溶液の受け入れと前記第2反応溶液の取り出しとを連続的に行う第2流通式撹拌槽型混合部と、を更に備える<1>又は<2>に記載の重合体製造システム。
<4> 前記第1流通式撹拌槽型混合部は、前記第1溶液と前記第2溶液とを撹拌して前記第1反応溶液を生成する第1撹拌部材を有し、
前記第2流通式撹拌槽型混合部は、前記第1反応溶液を撹拌して前記第2反応溶液を生成する第2撹拌部材であって前記第1撹拌部材よりも高粘度の溶液を撹拌することに適した第2撹拌部材を有する<3>に記載の重合体製造システム。
<5> 溶液が前記第2流通式撹拌槽型混合部に滞留する滞留時間は、溶液が前記第1流通式撹拌槽型混合部に滞留する滞留時間よりも長い<3>又は<4>に記載の重合体製造システム。
<6> 重付加性の第3重合性化合物を含む第3溶液を前記第2流通式撹拌槽型混合部に供給する第4供給部を更に備え、
前記第2流通式撹拌槽型混合部は、前記第1反応溶液と前記第3溶液とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで前記第2反応溶液を生成する<3>〜<5>のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
<7> 前記第3供給部及び/又は前記第4供給部が定量ポンプを含んで構成される<6>に記載の重合体製造システム。
<8> 前記第1反応溶液における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部と、
前記測定部により取得された反応情報に基づいて、前記第1供給部及び/又は前記第2供給部における供給を制御する制御部と、を更に備える<1>又は<2>に記載の重合体製造システム。
<9> 前記第1反応溶液及び前記第2反応溶液のいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部と、
前記測定部により取得された反応情報に基づいて、前記第1供給部及び/又は前記第2供給部における供給を制御する制御部と、を更に備える<3>〜<7>のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
<10> 前記測定部は、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上を有して構成される<8>又は<9>に記載の重合体製造システム。
<11> 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記重合体としてポリアミック酸を製造する<1>〜<5>のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
(a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
<12> 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記第3重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物又はジアミンであり、前記重合体としてポリアミック酸を製造する<6>又は<7>に記載の重合体製造システム。
(a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
<13> 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記第3重合性化合物が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、前記重合体としてポリアミック酸を製造する<6>又は<7>に記載の重合体製造システム。
(a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
<14> 製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化部を更に備え、前記重合体としてポリイミドを製造する請求項<11>〜<13>のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
<15> 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料として重合体を製造する重合体の製造方法であって、
前記第1溶液を供給する第1供給工程と、
前記第2溶液を供給する第2供給工程と、
第1流通式撹拌槽型混合部において、前記第1溶液と前記第2溶液とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液を生成し、前記第1溶液及び前記第2溶液の受け入れと前記第1反応溶液の取り出しとを連続的に行う第1撹拌槽混合工程と、を含む重合体の製造方法。
<16> 前記第1供給工程及び/又は前記第2供給工程において、前記第1溶液及び/又は前記第2溶液は定量ポンプにより供給される<15>に記載の重合体の製造方法。
<17> 前記第1反応溶液を供給する第3供給工程と、
第2流通式撹拌槽型混合部において、前記第1反応溶液を気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液を生成し、前記第1反応溶液の受け入れと前記第2反応溶液の取り出しとを連続的に行う第2撹拌槽混合工程と、を更に含む<15>又は<16>に記載の重合体の製造方法。
<18> 前記第1撹拌槽混合工程において、第1撹拌部材を用いて前記第1溶液と前記第2溶液との撹拌を行い、
前記第2撹拌槽混合工程において、前記第1撹拌部材よりも高粘度の溶液を撹拌することに適した第2撹拌部材を用いて前記第1反応溶液の撹拌を行う<17>に記載の重合体の製造方法。
<19> 溶液が前記第2撹拌槽混合工程において滞留する滞留時間は、溶液が前記第1撹拌槽混合工程において滞留する滞留時間よりも長い<17>又は<18>に記載の重合体の製造方法。
<20> 重付加性の第3重合性化合物を含む第3溶液を前記第2混合反応工程に供給する第4供給工程を更に含み、
前記第2撹拌槽混合工程では、前記第1反応溶液と前記第3溶液とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで前記第2反応溶液を生成する<17>〜<19>のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
<21> 前記第3供給工程及び/又は前記第4供給工程において、前記第1反応溶液及び/又は前記第3溶液は定量ポンプにより供給される<20>に記載の重合体の製造方法。
<22> 前記第1反応溶液における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定工程と、
前記測定工程により取得された反応情報に基づいて、前記第1供給工程及び/又は前記第2供給工程における供給を制御する制御工程と、を更に含む<15>又は<16>に記載の重合体の製造方法。
<23> 前記第1反応溶液及び前記第2反応溶液のいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定工程と、
前記測定工程により取得された反応情報に基づいて、前記第1供給工程及び/又は前記第2供給工程における供給を制御する制御工程と、を更に含む<17>〜<21>のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
<24> 前記測定工程では、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上により前記反応情報が取得される<22>又は<23>に記載の重合体の製造方法。
<25> 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記重合体としてポリアミック酸を製造する<15>〜<19>のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
(a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
<26> 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記第3重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物又はジアミンであり、前記重合体としてポリアミック酸を製造する<20>又は<21>に記載の重合体の製造方法。
(a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
<27> 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記第3重合性化合物が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、前記重合体としてポリアミック酸を製造する<20>又は<21>に記載の重合体の製造方法。
(a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
<28> 製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化工程を更に含み、前記重合体としてポリイミドを製造する<25>〜<27>のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
本発明によれば、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能な重合体製造システム及び製造方法を提供することができる。
第1実施形態における重合体製造システムを示す図である。 第2実施形態における重合体製造システムを示す図である。 第3実施形態における重合体製造システムを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第1実施形態は、流通式撹拌槽型混合部が1段である場合の重合体製造システムの例である。第2実施形態は、流通式撹拌槽型混合部が2段であって送液ラインLの途中において溶液を追加しない場合の重合体製造システムの例である。第3実施形態は、流通式撹拌槽型混合部が2段であって送液ラインLの途中において溶液を追加する場合の重合体製造システムの例である。
<第1実施形態>
図1により、第1実施形態における重合体製造システムについて説明する。図1は、第1実施形態における重合体製造システムを示す図である。
まず、第1実施形態における重合体製造システム1の概要について説明する。
重合体製造システム1は、重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液A1と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液A2とを原料として重合体を製造する製造システムである。第1実施形態は、流通式撹拌槽型混合部が1段である場合の重合体製造システムの例である。
ここで、「流通式撹拌槽型混合部」とは、溶液の受け入れと溶液の取り出しとを連続的に行いながら混合を行う撹拌槽型の反応器を有する混合部を意味する。
以下では一例として、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物、他方がジアミンであり、重合体としてポリアミック酸を製造する場合について説明する。より具体的には、第1溶液A1に含まれる第1重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物であり、第2溶液A2に含まれる第2重合性化合物がジアミンであり、重合体としてポリアミック酸を製造する場合について説明する。
テトラカルボン酸二無水物としては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸二無水物;チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の複素環族テトラカルボン酸二無水物;などが挙げられる。テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1溶液A1の溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物が溶解するものが用いられる。溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン等が挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
第1溶液A1は、テトラカルボン酸二無水物の溶解性を高め、又はジアミンとの反応性を高めるため、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンを少量含有していてもよい。
ジアミンとしては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。ジアミンの具体例としては、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノビベンジル等の芳香族ジアミン;1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン;1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン;3,4−ジアミノピリジン等の複素環族ジアミン;などが挙げられる。ジアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2溶液A2の溶媒としては、ジアミンが溶解するものが用いられる。溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−プロパノン、3−ペンタノン、テトラヒドロピレン、エピクロロヒドリン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトアニリド、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
図1に示すように、重合体製造システム1は、原料である第1溶液A1及び第2溶液A2を第1流通式撹拌槽型混合部20において気体に接触した状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液Bを生成して、ポリアミック酸(重合体)を製造するよう構成されている。
また、重合体製造システム1は、後述の第1タンク11及び第2タンク12からクッションタンク40までをつなぐ送液ラインLを有する。
続けて、重合体製造システム1の具体的な構成について説明する。
図1に示すように、重合体製造システム1は、第1タンク11と、第1タンク用開閉弁111と、第2タンク12と、第2タンク用開閉弁121と、第1供給ポンプ15(第1供給部)と、第2供給ポンプ16(第2供給部)と、第1流通式撹拌槽型混合部20と、第1撹拌槽用開閉弁21と、第3供給ポンプ22(第3供給部)と、クッションタンク40と、送液ラインLと、制御部200と、を備える。上述の送液ラインLは、第1送液部L1と、第2送液部L2と、第3送液部L3と、を有する。また、重合体製造システム1は、第1流量測定部151と、第2流量測定部161と、第3流量測定部221と、第1粘度測定部222と、を有する。
第1タンク11は、重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液A1を収容する。本実施形態においては、第1タンク11は、テトラカルボン酸二無水物を含む第1溶液A1を収容する。第1タンク11に収容された第1溶液A1は、第1送液部L1を介して、第1流通式撹拌槽型混合部20に供給される。
第1送液部L1は、第1タンク11と第1流通式撹拌槽型混合部20とをつなぐラインである。第1送液部L1における第1タンク11と第1流通式撹拌槽型混合部20との間には、第1タンク用開閉弁111、第1供給ポンプ15、及び第1流量測定部151が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第1タンク用開閉弁111は、第1送液部L1における第1タンク11の下方近傍に配置され、第1供給ポンプ15の上流側において、第1送液部L1を開閉する。
第1供給ポンプ15(第1供給部)は、第1タンク11に収容されている第1溶液A1を第1流通式撹拌槽型混合部20に供給する。第1供給ポンプ15は、第1溶液A1を所定の流量で供給する。例えば、第1供給ポンプ15は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第1溶液A1を供給するよう調整される。
本実施形態においては、第1供給ポンプ15は、定量ポンプで構成される。定量ポンプは、容積式のポンプであり、一定量の溶液を高い精度で繰り返し送り出すポンプである。定量ポンプとしては、例えば、プランジャポンプ等の押し出し式の往復ポンプ;歯車を備えたギアポンプ等の回転ポンプ;などが挙げられる。
第1流量測定部151は、第1送液部L1における第1供給ポンプ15の下流側の第1溶液A1の流量を測定する。本実施形態においては、第1流量測定部151は、第1供給ポンプ15と第1流通式撹拌槽型混合部20との間に配置される。第1流量測定部151は、測定した第1溶液A1の流量を後述する制御部200に出力する。
第2タンク12は、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液A2を収容する。本実施形態においては、第2タンク12は、ジアミンを含む第2溶液A2を収容する。第2タンク12に収容された第2溶液A2は、第2送液部L2を介して、第1流通式撹拌槽型混合部20に供給される。
第2送液部L2は、第2タンク12と第1流通式撹拌槽型混合部20とをつなぐラインである。第2送液部L2における第2タンク12と第1流通式撹拌槽型混合部20との間には、第2タンク用開閉弁121、第2供給ポンプ16、及び第2流量測定部161が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第2タンク用開閉弁121は、第2送液部L2における第2タンク12の下方近傍に配置され、第2供給ポンプ16の上流側において、第2送液部L2を開閉する。
第2供給ポンプ16(第2供給部)は、第2タンク12に収容されている第2溶液A2を第1流通式撹拌槽型混合部20に供給する。第2供給ポンプ16は、第2溶液A2を所定の流量で供給する。例えば、第2供給ポンプ16は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第2溶液A2を供給するよう調整される。
本実施形態では、第2供給ポンプ16は、上述した第1供給ポンプ15と同様に、定量ポンプで構成される。
第2流量測定部161は、第2送液部L2における第2供給ポンプ16の下流側の第2溶液A2の流量を測定する。本実施形態においては、第2流量測定部161は、第2供給ポンプ16と第1流通式撹拌槽型混合部20との間に配置される。第2流量測定部161は、測定した第2溶液A2の流量を後述する制御部200に出力する。
第1流通式撹拌槽型混合部20は、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16の下流側に配置される。第1流通式撹拌槽型混合部20は、第1溶液A1と第2溶液A2とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液Bを生成する。第1流通式撹拌槽型混合部20は、第1溶液A1及び第2溶液A2の受け入れと、第1反応溶液Bの取り出しとを連続的に行う。本実施形態においては、第1重合性化合物と第2重合性化合物とを、第1流通式撹拌槽型混合部20において撹拌して重合反応を進行させることで、高吐出圧力や高精度のポンプを使用せずに、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることができる。
第1流通式撹拌槽型混合部20は、撹拌槽型の反応器201と、複数の第1撹拌翼202(第1撹拌部材)と、を有する。反応器201は、温度調節用のジャケットが設けられた撹拌槽により構成される。第1撹拌翼202は、反応器201に導入された第1溶液A1及び第2溶液A2を撹拌して、第1反応溶液Bを生成する。
第1流通式撹拌槽型混合部20の第1撹拌翼202に用いられる撹拌部材としては、特に制限はないが、反応溶液の上下方向の循環、混合性能が高いものが好ましい。以下に、低粘度領域、中粘度領域、高粘度領域に使用される撹拌部材の一例を示す。しかし、これらの撹拌部材は例示であり、これらに制限されない。
反応溶液の粘度が数センチポアズ程度の比較的低粘度領域においては、撹拌部材として、例えば、傾斜パドル翼、タービン翼などの撹拌翼が用いられる。
また、反応溶液の粘度が数十ポアズ〜数百ポアズ程度の中粘度領域においては、例えば、撹拌部材としては、マックスブレンド翼;フルゾーン翼;サンメラー翼;Hi−Fiミキサー翼;などが挙げられる。
また、反応溶液の粘度が数百ポアズ程度の高粘度領域においては、撹拌部材としては、例えば、アンカー翼;ヘリカルリボン翼;スクリュー翼;広幅パドル翼;ログボーン翼などが挙げられる。
これらの撹拌部材のうち、本実施形態における第1撹拌翼202としては、例えば、低粘度領域用の撹拌部材を使用してもよく、中粘度領域用の撹拌部材を使用してもよい。
以上の第1流通式撹拌槽型混合部20においては、開放状態で、第1溶液A1及び第2溶液A2の受け入れと、第1反応溶液Bの取り出しとを連続的に行いながら、反応器201に供給された第1溶液A1及び第2溶液A2を、第1撹拌翼202により撹拌する。第1溶液A1と第2溶液A2とを撹拌して生成された第1反応溶液Bは、第3送液部L3を介して、クッションタンク40に供給される。
第3送液部L3は、第1流通式撹拌槽型混合部20とクッションタンク40とをつなぐラインである。第3送液部L3における第1流通式撹拌槽型混合部20とクッションタンク40との間には、第1撹拌槽用開閉弁21、第3供給ポンプ22、及び第3流量測定部221が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第1撹拌槽用開閉弁21は、第3送液部L3における第1流通式撹拌槽型混合部20の下方近傍に配置され、第3供給ポンプ22の上流側において、第3送液部L3を開閉する。後述する制御部200は、第3供給ポンプ22の吐出流量を制御することで、溶液が第1流通式撹拌槽型混合部20に滞留する滞留時間を制御する。
第3供給ポンプ22(第3供給部)は、第1流通式撹拌槽型混合部20に収容されている第1反応溶液Bをクッションタンク40に供給する。第3供給ポンプ22は、第1反応溶液Bを所定の流量で吐出する。
本実施形態においては、第3供給ポンプ22は、上述した第1供給ポンプ15と同様に、定量ポンプで構成される。必要に応じて、第3供給ポンプ22の上流にインラインの脱泡装置を設置してもよい。
第3流量測定部221は、第3送液部L3における第3供給ポンプ22の下流側の第1反応溶液Bの流量を測定する。本実施形態においては、第3流量測定部221は、第3供給ポンプ22とクッションタンク40との間に配置される。第3流量測定部221は、測定した第1反応溶液Bの流量を後述する制御部200に出力する。
第1粘度測定部222は、第3送液部L3における第3流量測定部221とクッションタンク40との間において、第1反応溶液Bの粘度情報を取得する。重合反応が進行することで粘度が上昇するため、粘度情報は、反応情報として有効な情報である。第1粘度測定部222は、取得した第1反応溶液Bの粘度情報を後述する制御部200に出力する。
なお、本実施形態の第1粘度測定部222は、第1反応溶液Bにおける物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部の一例である。
測定部は、本実施形態の第1粘度測定部222(物理量及び/又は組成の種類、測定方式)に限定されない。測定部は、例えば、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上を有して構成されてもよい。測定部は、測定対象における物理量及び/又は組成に関する1又は2以上の反応情報を取得するとともに、取得した反応情報を後述する制御部200に出力する。
クッションタンク40は、第1流通式撹拌槽型混合部20からの第1反応溶液Bを収容する。クッションタンク40は、例えば、重合体であるポリアミック酸をイミド化してポリイミドを製造する際においては原料溶液を収容するタンクになる。
本実施形態における重合体製造システム1がポリイミドを製造する場合、重合体製造システム1は、ポリアミック酸をイミド化するイミド化部を更に備える。イミド化部(不図示)は、例えば、熱的に脱水閉環する熱的イミド化方法、脱水剤及びイミド化促進剤を用いる化学的イミド化方法等により、ポリアミック酸をイミド化する。
なお、重合体製造システム1がポリイミドを製造する場合、クッションタンク40を省略し、第1流通式撹拌槽型混合部20からイミド化部に送液されるように構成してもよい。ただし、上記のように、ポリアミック酸を一旦、クッションタンク40に収容しておく方が好ましい。
制御部200について説明する。制御部200には、第1供給ポンプ15、第2供給ポンプ16、第1流量測定部151、第2流量測定部161、第1撹拌槽用開閉弁21、第3供給ポンプ22、第3流量測定部221、及び第1粘度測定部222が電気的に接続されている。なお、本明細書において、制御部200から各ポンプ、各測定部、及び各弁への制御線の図示は省略している。
制御部200は、各流量測定部151,161,221により測定された流量値に基づいて、各供給ポンプ15,16,22を制御する。
制御部200は、例えば、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16を制御することにより、第1溶液A1に含まれる第1重合性化合物と第2溶液A2に含まれる第2重合性化合物とのモル比が所定範囲内になるように制御する。上記のモル比は、例えば、所望の性状のポリアミック酸が得られるように設定される。
制御部200は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16における供給を制御する。
制御部200は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)に基づいて、第3供給ポンプ22の吐出流量を制御することで、第1流通式撹拌槽型混合部20に貯留される溶液の滞留時間を制御する。
次に、第1実施形態におけるポリアミック酸製造システム1の動作を説明する。
まず、ポリアミック酸製造システム1において、動作を開始することで、第1供給ポンプ15が第1溶液A1を供給し(第1供給工程)、第2供給ポンプ16が第2溶液A2を供給する(第2供給工程)。ここで、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16は、第1溶液A1及び第2溶液A2を所望の割合で供給するように、互いの吐出流量が制御部200により制御されている。これにより、第1流通式撹拌槽型混合部20には、第1溶液A1及び第2溶液A2が供給される。
第1流通式撹拌槽型混合部20においては、第1溶液A1と第2溶液A2とを気体に接触した状態で第1撹拌翼202により撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液Bが生成される(第1撹拌槽混合工程)。第1流通式撹拌槽型混合部20においては、第1溶液A1及び第2溶液A2の受け入れと、第1反応溶液Bの取り出しとが連続的に行われている。第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16は、下流側に配置される第1流通式撹拌槽型混合部20において第1溶液A1及び第2溶液A2が気体に接触した状態で撹拌されるため、高い供給圧力を必要とせずに、定量ポンプで構成される。
第1流通式撹拌槽型混合部20において生成された第1反応溶液Bは、第3供給ポンプ22の供給動作により第3送液部L3を送液されて、クッションタンク40に供給される(第3供給工程)。
ここで、上述の重合体製造システム1の動作の途中において、第1粘度測定部222は、粘度情報を取得している(測定工程)。
制御部200は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16における供給を制御する(制御工程)。これにより、所望の性状(粘度)のポリアミック酸を得ることができる。
また、制御部200は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)に基づいて、第3供給ポンプ22の吐出流量を制御することで、第1流通式撹拌槽型混合部に貯留される溶液の滞留時間を制御する。
ここで、例えば、本実施形態におけるポリアミック酸の製造方法がポリイミドの製造方法の一部である場合がある。この場合、ポリイミドの製造方法は、ポリアミック酸をイミド化するイミド化工程を更に含む。
なお、重合体製造システム1がポリイミドを製造する場合、クッションタンク40を省略し、第1流通式撹拌槽型混合部20からイミド化部に送液されるように構成してもよい。ただし、上記のように、ポリアミック酸を一旦、クッションタンク40に収容しておく方が好ましい。
本実施形態の重合体製造システム1によれば、以下の効果を奏する。
重合体製造システム1は、重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液A1と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液A2とを原料として重合体を製造し、第1溶液A1を供給する第1供給ポンプ15と、第2溶液A2を供給する第2供給ポンプ16と、第1溶液A1と第2溶液A2とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液Bを生成し、第1溶液A1及び第2溶液A2の受け入れと第1反応溶液Bの取り出しとを連続的に行う第1流通式撹拌槽型混合部20と、を備える。このように、第1重合性化合物と第2重合性化合物とを、第1流通式撹拌槽型混合部20において撹拌して重合反応を進行させることで、高吐出圧力や高精度の高価なポンプを使用せずに、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16により原料を安定的に供給でき、重合体の粘度及び濃度を安定させることができる。よって、高価なポンプを使用せずに、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能である。
また、重合体製造システム1において、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16が定量ポンプを含んで構成される。本実施形態においては、第1流通式撹拌槽型混合部20により重合反応を進行させるため、高吐出圧力のポンプを使用せずに、定量ポンプ(第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16)を用いることにより、第1溶液A1及び/又は第2溶液A2を容易に供給できる。また、高精度のポンプを使用しなくてよいため、第1溶液A1及び第2溶液A2の混合割合を容易に調整できる。よって、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能である。
また、重合体製造システム1において、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16における供給を制御する。これにより、所望の性状(粘度)の重合体を得ることができる。
なお、本実施形態では、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物、他方がジアミンであり、重合体としてポリアミック酸を製造する場合について説明したが、これに制限されるものではない。
例えば、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方を酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸(プレポリマー)、他方をジアミン又はテトラカルボン酸二無水物とし、重合体としてポリアミック酸を製造するようにしてもよい。この場合、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端のポリアミック酸であると、他方はジアミンである。また、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がアミノ基末端のポリアミック酸であると、他方はテトラカルボン酸二無水物である。
また、例えば、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方を酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸、他方をアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸とし、重合体としてポリアミック酸を製造するようにしてもよい。この場合、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端のポリアミック酸であると、他方はアミノ基末端のポリアミック酸である。
<第2実施形態>
次に、図2により、第2実施形態における重合体製造システムについて説明する。図2は、第2実施形態における重合体製造システムを示す図である。第2実施形態は、第1流通式撹拌槽型混合部20で生成した第1反応溶液Bを第2流通式撹拌槽型混合部30に供給する点において、第1実施形態と主に相違する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図2により、第2実施形態における重合体製造システム1Aについて説明する。
図2に示すように、重合体製造システム1Aは、第1実施形態の重合体製造システム1の構成に加えて、第2流通式撹拌槽型混合部30と、第2撹拌槽用開閉弁31と、第4供給ポンプ32と、第4流量測定部321と、を備える。また、送液ラインLは、第4送液部L4を更に有する。また、重合体製造システム1Aは、第2粘度測定部322を更に有する。
第2流通式撹拌槽型混合部30は、第1流通式撹拌槽型混合部20の下流側であって第3供給ポンプ22の下流側に配置される。第2流通式撹拌槽型混合部30は、第1反応溶液Bを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液Cを生成する。第2流通式撹拌槽型混合部30は、第1反応溶液Bの受け入れと、第2反応溶液Cの取り出しとを連続的に行う。
第2流通式撹拌槽型混合部30において、第1反応溶液Bにおける重合反応が更に進行し、第2反応溶液Cが得られる。第2反応溶液Cの粘度は、第2反応溶液Cが第1反応溶液Bよりも重合反応が進行しているため、第1反応溶液Bの粘度よりも高い。本実施形態においては、第1重合性化合物と第2重合性化合物とを、第1流通式撹拌槽型混合部20及び第2流通式撹拌槽型混合部30で段階的に重合反応を進行させることで、段階的に粘度を上昇させて、高吐出圧力や高精度のポンプを使用せずに、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることができる。
第2流通式撹拌槽型混合部30は、撹拌槽型の反応器301と、複数の第2撹拌翼302(第2撹拌部材)と、を有する。反応器301は、温度調節用のジャケットが設けられた撹拌槽により構成される。第2撹拌翼302は、反応器301に導入された第1反応溶液Bを撹拌して第2反応溶液Cを生成する。第2撹拌翼302は、第1流通式撹拌槽型混合部20の第1撹拌翼202よりも高粘度の溶液を撹拌することに適した撹拌部材である。本実施形態においては、第2流通式撹拌槽型混合部30が2段の流通式撹拌槽型混合部のうちの2段目の混合部であり、粘度が高い状態の溶液であるため、第2撹拌翼302として、第1流通式撹拌槽型混合部20の第1撹拌翼202よりも高粘度用の撹拌部材を用いる。
なお、本実施形態における第1撹拌翼202としては、例えば、低粘度領域用の撹拌部材を使用してもよく、中粘度領域用の撹拌部材を使用してもよい。本実施形態の第1撹拌翼202に低粘度領域用の撹拌部材を使用した場合に、第2撹拌翼302として、例えば、中粘度領域用の撹拌部材を使用してもよく、高粘度領域用の撹拌部材を使用してもよい。また、本実施形態の第1撹拌翼202に中粘度領域用の撹拌部材を使用した場合に、第2撹拌翼302として、例えば、高粘度領域用の撹拌部材を使用してもよい。
以上の第2流通式撹拌槽型混合部30においては、開放状態で、第1反応溶液Bの受け入れと、第2反応溶液Cの取り出しとを連続的に行いながら、反応器301に供給された第1反応溶液Bを、第2撹拌翼302により撹拌する。第1反応溶液Bを撹拌して重合反応を進行させて生成された第2反応溶液Cは、第4送液部L4を介して、クッションタンク40に供給される。
第4送液部L4は、第2流通式撹拌槽型混合部30とクッションタンク40とをつなぐラインである。第4送液部L4における第2流通式撹拌槽型混合部30とクッションタンク40との間には、第2撹拌槽用開閉弁31、第4供給ポンプ32、及び第4流量測定部321が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第2撹拌槽用開閉弁31は、第4送液部L4における第2流通式撹拌槽型混合部30の下方近傍に配置され、第4供給ポンプ32の上流側において、第4送液部L4を開閉する。後述する制御部200Aは、第4供給ポンプ32の吐出流量を制御することで、溶液が第2流通式撹拌槽型混合部30に滞留する滞留時間を制御する。
後述する制御部200Aにより、溶液が第2流通式撹拌槽型混合部30に滞留する滞留時間は、溶液が第1流通式撹拌槽型混合部20に滞留する滞留時間よりも長くなるように制御される。例えば、第2流通式撹拌槽型混合部30の溶液の貯留量を第1流通式撹拌槽型混合部20の溶液の貯留量よりも多くした状態で、第1反応溶液Bの吐出流量と第2反応溶液Cの吐出流量とを同じ量とすることで、溶液が第2流通式撹拌槽型混合部30に滞留する滞留時間を、溶液が第1流通式撹拌槽型混合部20に滞留する滞留時間よりも長くなるように制御することができる。
溶液が第2流通式撹拌槽型混合部30に滞留する滞留時間は、溶液が第1流通式撹拌槽型混合部20に滞留する滞留時間に対して、例えば、1.1〜10倍の範囲内となることが好ましく、2〜5倍の範囲内となることがより好ましい。
第4供給ポンプ32は、第2流通式撹拌槽型混合部30に収容されている第2反応溶液Cをクッションタンク40に供給する。第4供給ポンプ32は、第2反応溶液Cを所定の流量で吐出する。
本実施形態においては、第4供給ポンプ32は、上述した第1供給ポンプ15と同様に、定量ポンプで構成される。必要に応じて、第4供給ポンプ32の上流にインラインの脱泡装置を設置してもよい。
第4流量測定部321は、第4送液部L4における第4供給ポンプ32の下流側の第2反応溶液Cの流量を測定する。本実施形態においては、第4流量測定部321は、第4供給ポンプ32とクッションタンク40との間に配置される。第4流量測定部321は、測定した第2反応溶液Cの流量を後述する制御部200Aに出力する。
第2粘度測定部322は、第4送液部L4における第4流量測定部321とクッションタンク40との間において、第2反応溶液Cの粘度情報を取得する。重合反応が進行することで粘度が上昇するため、粘度情報は、反応情報として有効な情報である。第2粘度測定部322は、取得した第2反応溶液Cの粘度情報を後述する制御部200Aに出力する。
なお、本実施形態の第1粘度測定部222及び第2粘度測定部322は、第1反応溶液B及び第2反応溶液Cのいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部の一例である。
制御部200Aについて説明する。制御部200Aには、第1供給ポンプ15、第2供給ポンプ16、第1流量測定部151、第2流量測定部161、第1撹拌槽用開閉弁21、第3供給ポンプ22、第3流量測定部221、第1粘度測定部222、第2撹拌槽用開閉弁31、第4供給ポンプ32、第4流量測定部321、及び第2粘度測定部322が電気的に接続されている。なお、本明細書において、制御部200Aから各ポンプ、各測定部、及び各弁への制御線の図示は省略している。
制御部200は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16における供給を制御する。
制御部200は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第3供給ポンプ22及び第4供給ポンプ32の吐出流量を制御することで、第1流通式撹拌槽型混合部20及び第2流通式撹拌槽型混合部30に貯留される溶液の滞留時間を制御する。本実施形態においては、制御部200Aは、溶液が第2流通式撹拌槽型混合部30に滞留する滞留時間が、溶液が第1流通式撹拌槽型混合部20に滞留する滞留時間よりも長くなるように、第3供給ポンプ22及び第4供給ポンプ32の吐出流量を制御する。
なお、制御部200Aは、第1実施形態における制御部200の機能も有するが、制御部200と共通する部分については詳細な説明を省略する。
次に、第2実施形態における重合体製造システム1Aの動作を説明する。なお、第1実施形態における重合体製造システム1と同様の動作については説明を省略する。
重合体製造システム1において、動作を開始することで、第1供給ポンプ15が第1溶液A1を供給し(第1供給工程)、第2供給ポンプ16が第2溶液A2を供給する(第2供給工程)。これにより、第1流通式撹拌槽型混合部20には、第1溶液A1及び第2溶液A2が供給される。
第1流通式撹拌槽型混合部20においては、第1溶液A1と第2溶液A2とを気体に接触した状態で第1撹拌翼202により撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液Bが生成される(第1撹拌槽混合工程)。第1流通式撹拌槽型混合部20において生成された第1反応溶液Bは、第3供給ポンプ22の供給動作により第3送液部L3を送液されて、第2流通式撹拌槽型混合部に供給される(第3供給工程)。
第2流通式撹拌槽型混合部30においては、第1反応溶液Bを気体に接触した状態で第2撹拌翼302により撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液Cが生成される(第2撹拌槽混合工程)。第2流通式撹拌槽型混合部30において生成された第2反応溶液Cは、第4供給ポンプ32の供給動作により第4送液部L4を送液されて、クッションタンク40に供給される。
ここで、上述のポリアミック酸製造システム1の動作の途中において、第1粘度測定部222及び第2粘度測定部322は、粘度情報を取得している(測定工程)。
制御部200Aは、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16における供給を制御する(制御工程)。これにより、所望の性状(粘度)のポリアミック酸を得ることができる。
また、制御部200Aは、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第1流通式撹拌槽型混合部20及び第2流通式撹拌槽型混合部30に貯留される溶液の滞留時間を制御する。本実施形態においては、制御部200Aは、溶液が第2流通式撹拌槽型混合部に滞留する滞留時間が、溶液が第1流通式撹拌槽型混合部20に滞留する滞留時間よりも長くなるように制御する。一般的に、第1流通式撹拌槽型混合部20よりも溶液の粘度が高い第2流通式撹拌槽型混合部30に貯留される溶液の重合反応は、第1流通式撹拌槽型混合部20に貯留される溶液の重合反応よりも時間を要する。そのため、粘度が高い第2流通式撹拌槽型混合部において溶液の滞留時間を長くすることで、重合反応を促進させることができる。
本実施形態の重合体製造システム1Aによれば、上述の第1実施形態における効果のほか、以下の効果を奏する。
重合体製造システム1Aは、第1流通式撹拌槽型混合部20の下流側に配置され、第1反応溶液Bを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液Cを生成し、第1反応溶液Bの受け入れと第2反応溶液Cの取り出しとを連続的に行う第2流通式撹拌槽型混合部30を更に備える。このように、段階的に重合反応を進行させることで、重合反応による発熱が定常的になるため、温度コントロールを容易に行うことで、重合体の粘度及び濃度を安定させることができる。よって、高価なポンプを使用せずに、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能である。
また、重合体製造システム1Aにおいて、第1流通式撹拌槽型混合部20は、第1溶液A1と第2溶液A2とを撹拌して第1反応溶液Bを生成する第1撹拌翼202を有し、第2流通式撹拌槽型混合部30は、第1反応溶液Bを撹拌して第2反応溶液Cを生成する第2撹拌翼302であって第1撹拌翼202よりも高粘度の溶液を撹拌することに適した第2撹拌翼302を有する。本実施形態においては、重合反応が進行することで粘度が上昇する。そのため、2段の流通式撹拌槽型混合部のうち、2段目の第2流通式撹拌槽型混合部30において、1段目の第1流通式撹拌槽型混合部20において撹拌される溶液よりも高粘度な溶液を撹拌できるため、第2反応溶液Cを容易に生成することができる。
また、重合体製造システム1Aにおいて、溶液が第2流通式撹拌槽型混合部30に滞留する滞留時間は、溶液が第1流通式撹拌槽型混合部20に滞留する滞留時間よりも長い。これにより、第1反応溶液Bよりも高粘度の溶液である第2反応溶液Cの撹拌時間を長くすることができる。よって、高粘度の溶液の方が低粘度の溶液よりも重合反応に時間を要するところ、第2流通式撹拌槽型混合部30における反応時間を長くすることで、第1反応溶液Bの重合体の進行をより進行させることができる。
また、重合体製造システム1Aにおいて、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16における供給を制御する。これにより、所望の性状(粘度)の重合体を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、図3により、第3実施形態における重合体製造システムについて説明する。図3は、第3実施形態における重合体製造システムを示す図である。第3実施形態は、第2実施形態の送液ラインLの途中の第2流通式撹拌槽型混合部30に第3溶液A3を供給する点において、第2実施形態と主に相違する。なお、第3実施形態において、第2実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
図3により、第3実施形態における重合体製造システム1Bについて説明する。
図3に示すように、重合体製造システム1Bは、第2実施形態の重合体製造システム1Aの構成に加えて、第3タンク13と、第3タンク用開閉弁131と、追加溶液用供給ポンプ17(第4供給部)と、追加溶液用流量測定部171と、を備える。また、送液ラインLは、第5送液部L5を更に有する。
第3タンク13は、重付加性の第3重合性化合物を含む第3溶液A3を収容する。第1重合性化合物及び第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たす場合、第3重合性化合物は、テトラカルボン酸二無水物又はジアミンであってもよく、酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であってもよい。
(a)第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
(b)第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
(c)第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
第3重合性化合物は、所望のポリアミック酸(重合体)が製造されるように適宜選択される。例えば、第1重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物又は酸無水物基末端のポリアミック酸であり、第2重合性化合物がジアミン又はアミノ基末端のポリアミック酸である場合、第1重合性化合物が多いと、第3重合性化合物はジアミン又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、第2重合性化合物が多いと、第3重合性化合物はテトラカルボン酸二無水物又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
第5送液部L5における第3タンク13と第2流通式撹拌槽型混合部30との間には、第3タンク用開閉弁131、追加溶液用供給ポンプ17、及び追加溶液用流量測定部171が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第3タンク用開閉弁131は、第5送液部L5における第3タンク13の下方近傍に配置され、追加溶液用供給ポンプ17の上流側において、第5送液部L5を開閉する。
追加溶液用供給ポンプ17(第4供給部)は、第3タンク13に収容されている第3溶液A3を第2流通式撹拌槽型混合部30に供給する。追加溶液用供給ポンプ17は、第3溶液A3を所定の流量で吐出する。例えば、追加溶液用供給ポンプ17は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第3溶液A3を供給するよう調整される。追加溶液用供給ポンプ17における供給量は、第2反応溶液Cにおける性状や組成に応じて設定できる。
本実施形態では、追加溶液用供給ポンプ17は、上述の第1供給ポンプ15と同様に、定量ポンプで構成される。
追加溶液用流量測定部171は、第5送液部L5における追加溶液用供給ポンプ17の下流側の第3溶液A3の流量を測定する。本実施形態においては、追加溶液用流量測定部171は、第3タンク13と第2流通式撹拌槽型混合部30との間に配置される。追加溶液用流量測定部171は、測定した第3溶液A3の流量を後述する制御部200Bに出力する。
追加溶液用流量測定部171の下流側には、第2実施形態において説明した第2流通式撹拌槽型混合部30が配置される。
第2流通式撹拌槽型混合部30は、第1反応溶液Bと第3溶液A3とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液Cを生成する。
制御部200Bは、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第3供給ポンプ22及び/又は追加溶液用供給ポンプ17(第4供給ポンプ)における供給を制御する。これにより、所望の性状(粘度)のポリアミック酸を得ることができる。
なお、制御部200Bは、第2実施形態における制御部200Aの機能も有するが、制御部200Aと共通する部分については詳細な説明を省略する。
次に、第3実施形態における重合体製造システム1Bの動作を説明する。なお、第2実施形態における重合体製造システム1Aと同様の動作については説明を省略する。
重合体製造システム1Bにおいて、動作を開始することで、第1供給ポンプ15が第1溶液A1を供給し(第1供給工程)、第2供給ポンプ16が第2溶液A2を供給し(第2供給工程)、追加溶液用供給ポンプ17が第3溶液A3を供給する(第4供給工程)。ここで、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16は、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第1溶液A1及び第2溶液A2を所望の割合で供給するように、互いの吐出流量が制御部200Bにより制御されている。追加溶液用供給ポンプ17は、第3溶液A3を所望の割合で供給するように、吐出流量が制御部200Bにより制御されている。
本実施形態の重合体製造システム1Bによれば、上述の第2実施形態における効果のほか、以下の効果を奏する。
重合体製造システム1Bは、重付加性の第3重合性化合物を含む第3溶液A3を第2流通式撹拌槽型混合部30に供給する追加溶液用供給ポンプ17を更に備え、第2流通式撹拌槽型混合部30は、第1反応溶液Bと第3溶液A3とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液Cを生成する。これにより、第2流通式撹拌槽型混合部30において、第3溶液A3を追加供給することにより、所望の性状の重合体を得ることができる。
また、重合体製造システム1Bにおいて、第1粘度測定部222(測定部)により取得された第1粘度情報(第1反応情報)及び/又は第2粘度測定部322(測定部)により取得された第2粘度情報(第2反応情報)に基づいて、第3供給ポンプ22及び/又は追加溶液用供給ポンプ17における供給を制御する。これにより、所望の性状(粘度)の重合体を得ることができる。
<変形例>
以上、3つの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上述の実施形態では、重合体製造システムが1つ又は2つの流通式撹拌槽型混合部を有して構成されるものとしたが、これに限定されず、3つ以上の流通式撹拌槽型混合部を有して構成されていてもよい。すなわち、重合体製造システムは、1段又は2段の反応を行うものに限定されず、3段以上の反応を行うものであってもよい。例えば、重合体製造システムは、第1流通式撹拌槽型混合部20と第2流通式撹拌槽型混合部30との間に、1段又は複数段の第3流通式撹拌槽型混合部を設けてもよいし、第2流通式撹拌槽型混合部30の下流側に、1段又は複数段の第3流通式撹拌槽型混合部を設けてもよい。重合体製造システムは、複数段の流通式撹拌槽型混合部を設けることで、各混合部を経るごとに段階的に重合反応を進行させて、高吐出圧力や高精度の高価なポンプを使用せずに、所望の重合体を連続的に且つ安定的に得ることが可能である。
また、上述の実施形態では、ポリアミック酸又はポリイミドを製造する重合体製造システムについて説明したが、製造する重合体はこれらに限定されない。例えば、重合体製造システムは、ウレタンモノマー、エポキシモノマー等の重付加性モノマーを用いて重合体を製造するものであってもよい。
また、上述の実施形態では、粘度測定部により第1反応溶液B及び/又は第2反応溶液Cの粘度に関する粘度情報を取得して、取得した粘度情報に基づいて、滞留時間の制御や、溶液A1,A2,A3の供給量を制御したが、これに限定されない。例えば、第1反応溶液B及び/又は第2反応溶液Cの吸光度に関する吸光度情報を取得して、取得した吸光度情報に基づいて、滞留時間の制御や、溶液A1,A2,A3の供給量を制御してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、図2に示すような構造の重合体製造システム1Aを用いてポリアミック酸を製造した。第1タンク11には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物との反応により得られた酸無水物基末端のポリアミック酸をN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した第1溶液A1を収容した。また、第2タンク12には、p−フェニレンジアミンをN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した第2溶液A2を収容した。第1流通式撹拌槽型混合部20は温調用のジャケットが付いた撹拌槽で、第1撹拌翼202は傾斜パドルを用いた。第2流通式撹拌槽型混合部30は温調用のジャケットが付いた撹拌槽で、第2撹拌翼302はヘリカルリボン翼を用いた。
まず、第1流通式撹拌槽型混合部20において、第1供給ポンプ15により供給された第1溶液A1と、第2供給ポンプ16により供給された第2溶液A2とを混合・反応させ、第1反応溶液Bを生成した。第1反応溶液Bの粘度は5ポアズであった。次いで、第3供給ポンプ22により供給された第1反応溶液Bを第2流通式撹拌槽型混合部30に連続的に供給し、更に反応を進行させ、第4供給ポンプ32により連続的に抜き出しを行い、1000ポアズの第2反応溶液Cを連続的に取得した。
<実施例2>
実施例2では、図3に示すような構造の重合体製造システム1Bを用いてポリアミック酸を製造した。第1タンク11には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物との反応により得られた酸無水物基末端のポリアミック酸をN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した第1溶液A1を収容した。また、第2タンク12には、p−フェニレンジアミンをN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した第2溶液A2を収容した。また、第3タンク13には、p−フェニレンジアミンをN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した第3溶液A3を収容した。第1流通式撹拌槽型混合部20は温調用のジャケットが付いた撹拌槽で、第1撹拌翼202は傾斜パドルを用いた。第2流通式撹拌槽型混合部30は温調用のジャケットが付いた撹拌槽で、第2撹拌翼302はヘリカルリボン翼を用いた。
まず、第1流通式撹拌槽型混合部20において、第1供給ポンプ15により供給された第1溶液A1と、第2供給ポンプ16により供給された第2溶液A2とを混合・反応させ、第1反応溶液Bを生成した。第1反応溶液Bの粘度は20ポアズであった。次いで、第3供給ポンプ22により供給された第1反応溶液Bと追加溶液用供給ポンプ17により供給された第3溶液A3とを第2流通式撹拌槽型混合部30に連続的に供給し、更に反応を進行させ、第4供給ポンプ32により連続的に抜き出しを行い、3000ポアズの第2反応溶液Cを連続的に取得した。
1、1A、1B 重合体製造システム
15 第1供給ポンプ(第1供給部)
16 第2供給ポンプ(第2供給部)
17 追加溶液用供給ポンプ(第4供給部)
20 第1流通式撹拌槽型混合部
22 第3供給ポンプ(第3供給部)
30 第2流通式撹拌槽型混合部
200、200A、200B 制御部
202 第1撹拌翼(第1撹拌部材)
222 第1粘度測定部
302 第2撹拌翼(第2撹拌部材)
322 第2粘度測定部
A1 第1溶液
A2 第2溶液
A3 第3溶液
B 第1反応溶液
C 第2反応溶液
L 送液ライン

Claims (28)

  1. 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料として重合体を製造する重合体製造システムであって、
    前記第1溶液を供給する第1供給部と、
    前記第2溶液を供給する第2供給部と、
    前記第1溶液と前記第2溶液とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液を生成し、前記第1溶液及び前記第2溶液の受け入れと前記第1反応溶液の取り出しとを連続的に行う第1流通式撹拌槽型混合部と、を備える重合体製造システム。
  2. 前記第1供給部及び/又は前記第2供給部が定量ポンプを含んで構成される請求項1に記載の重合体製造システム。
  3. 前記第1反応溶液を供給する第3供給部と、
    前記第1流通式撹拌槽型混合部の下流側に配置され、前記第1反応溶液を気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液を生成し、前記第1反応溶液の受け入れと前記第2反応溶液の取り出しとを連続的に行う第2流通式撹拌槽型混合部と、を更に備える請求項1又は2に記載の重合体製造システム。
  4. 前記第1流通式撹拌槽型混合部は、前記第1溶液と前記第2溶液とを撹拌して前記第1反応溶液を生成する第1撹拌部材を有し、
    前記第2流通式撹拌槽型混合部は、前記第1反応溶液を撹拌して前記第2反応溶液を生成する第2撹拌部材であって前記第1撹拌部材よりも高粘度の溶液を撹拌することに適した第2撹拌部材を有する請求項3に記載の重合体製造システム。
  5. 溶液が前記第2流通式撹拌槽型混合部に滞留する滞留時間は、溶液が前記第1流通式撹拌槽型混合部に滞留する滞留時間よりも長い請求項3又は4に記載の重合体製造システム。
  6. 重付加性の第3重合性化合物を含む第3溶液を前記第2流通式撹拌槽型混合部に供給する第4供給部を更に備え、
    前記第2流通式撹拌槽型混合部は、前記第1反応溶液と前記第3溶液とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで前記第2反応溶液を生成する請求項3〜5のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
  7. 前記第3供給部及び/又は前記第4供給部が定量ポンプを含んで構成される請求項6に記載の重合体製造システム。
  8. 前記第1反応溶液における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部と、
    前記測定部により取得された反応情報に基づいて、前記第1供給部及び/又は前記第2供給部における供給を制御する制御部と、を更に備える請求項1又は2に記載の重合体製造システム。
  9. 前記第1反応溶液及び前記第2反応溶液のいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定部と、
    前記測定部により取得された反応情報に基づいて、前記第1供給部及び/又は前記第2供給部における供給を制御する制御部と、を更に備える請求項3〜7のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
  10. 前記測定部は、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上を有して構成される請求項8又は9に記載の重合体製造システム。
  11. 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記重合体としてポリアミック酸を製造する請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
    (a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
    (b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
    (c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
  12. 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記第3重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物又はジアミンであり、前記重合体としてポリアミック酸を製造する請求項6又は7に記載の重合体製造システム。
    (a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
    (b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
    (c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
  13. 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記第3重合性化合物が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、前記重合体としてポリアミック酸を製造する請求項6又は7に記載の重合体製造システム。
    (a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
    (b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
    (c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
  14. 製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化部を更に備え、前記重合体としてポリイミドを製造する請求項11〜13のいずれか1項に記載の重合体製造システム。
  15. 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料として重合体を製造する重合体の製造方法であって、
    前記第1溶液を供給する第1供給工程と、
    前記第2溶液を供給する第2供給工程と、
    第1流通式撹拌槽型混合部において、前記第1溶液と前記第2溶液とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を進行させることで第1反応溶液を生成し、前記第1溶液及び前記第2溶液の受け入れと前記第1反応溶液の取り出しとを連続的に行う第1撹拌槽混合工程と、を含む重合体の製造方法。
  16. 前記第1供給工程及び/又は前記第2供給工程において、前記第1溶液及び/又は前記第2溶液は定量ポンプにより供給される請求項15に記載の重合体の製造方法。
  17. 前記第1反応溶液を供給する第3供給工程と、
    第2流通式撹拌槽型混合部において、前記第1反応溶液を気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで第2反応溶液を生成し、前記第1反応溶液の受け入れと前記第2反応溶液の取り出しとを連続的に行う第2撹拌槽混合工程と、を更に含む請求項15又は16に記載の重合体の製造方法。
  18. 前記第1撹拌槽混合工程において、第1撹拌部材を用いて前記第1溶液と前記第2溶液との撹拌を行い、
    前記第2撹拌槽混合工程において、前記第1撹拌部材よりも高粘度の溶液を撹拌することに適した第2撹拌部材を用いて前記第1反応溶液の撹拌を行う請求項17に記載の重合体の製造方法。
  19. 溶液が前記第2撹拌槽混合工程において滞留する滞留時間は、溶液が前記第1撹拌槽混合工程において滞留する滞留時間よりも長い請求項17又は18に記載の重合体の製造方法。
  20. 重付加性の第3重合性化合物を含む第3溶液を前記第2撹拌槽混合工程に供給する第4供給工程を更に含み、
    前記第2撹拌槽混合工程では、前記第1反応溶液と前記第3溶液とを気体に接触した状態で撹拌して重合反応を更に進行させることで前記第2反応溶液を生成する請求項17〜19のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
  21. 前記第3供給工程及び/又は前記第4供給工程において、前記第1反応溶液及び/又は前記第3溶液は定量ポンプにより供給される請求項20に記載の重合体の製造方法。
  22. 前記第1反応溶液における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定工程と、
    前記測定工程により取得された反応情報に基づいて、前記第1供給工程及び/又は前記第2供給工程における供給を制御する制御工程と、を更に含む請求項15又は16に記載の重合体の製造方法。
  23. 前記第1反応溶液及び前記第2反応溶液のいずれか1以上における物理量及び/又は組成に関する反応情報を取得する測定工程と、
    前記測定工程により取得された反応情報に基づいて、前記第1供給工程及び/又は前記第2供給工程における供給を制御する制御工程と、を更に含む請求項17〜21のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
  24. 前記測定工程では、粘度計、圧力計、ポンプ圧計、吸光度計、赤外分光計、近赤外分光計、密度計、色差計、屈折率計、分光光度計、導電率計、濁度計、及び蛍光X線分析装置からなる群より選択される1又は2以上により前記反応情報が取得される請求項22又は23に記載の重合体の製造方法。
  25. 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記重合体としてポリアミック酸を製造する請求項15〜19のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
    (a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
    (b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
    (c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
  26. 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記第3重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物又はジアミンであり、前記重合体としてポリアミック酸を製造する請求項20又は21に記載の重合体の製造方法。
    (a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
    (b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
    (c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
  27. 前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物が下記(a)〜(c)のいずれかを満たし、前記第3重合性化合物が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、前記重合体としてポリアミック酸を製造する請求項20又は21に記載の重合体の製造方法。
    (a)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである。
    (b)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がジアミン又はテトラカルボン酸二無水物である。
    (c)前記第1重合性化合物及び前記第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、他方がアミノ基末端又は酸無水物基末端のポリアミック酸である。
  28. 製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化工程を更に含み、前記重合体としてポリイミドを製造する請求項25〜27のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
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