JP7249801B2 - ポリアミック酸製造システム及び製造方法、並びにポリイミド製造システム及び製造方法 - Google Patents

ポリアミック酸製造システム及び製造方法、並びにポリイミド製造システム及び製造方法 Download PDF

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本発明は、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を製造するポリアミック酸製造システム及び製造方法、並びにポリイミドを製造するポリイミド製造システム及び製造方法に関する。詳細には、本発明は、ポリアミック酸を連続的に製造可能なポリアミック酸製造システム及び製造方法、並びにポリイミドを連続的に製造可能なポリイミド製造システム及び製造方法に関する。
従来より、連続的なポリアミック酸の合成方法として、例えば、次の2つが知られている。特許文献1には、チューブ反応器を用いてポリアミック酸(ポリアミド酸)及びポリイミドを作製する方法が記載されており、混合溶液の反応を進行させるために超音波照射による撹拌を行うことが記載されている。また、特許文献2には、特殊な微細構造のインラインミキサーを用いてポリアミック酸(ポリアミド酸)を作製する方法が記載されている。
特開2006-249380号公報 特開2005-105079号公報
しかし、特許文献1に記載の技術においては、超音波照射を行うために、特殊な装置形状の反応器を構築する必要があり、設備が高コストになるという課題があった。
また、特許文献2に記載の技術においては、微細流路を使うために圧力損失が大きく、ポンプ等の付帯設備が高コストになる、あるいは、工業規模で必要なポリアミック酸の生産能力を得るのが難しいという課題があった。
本発明は、高価な設備を用いることなく、所望のポリアミック酸を連続的且つ安定的に得ることが可能なポリアミック酸製造システム及び製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、所望のポリイミドを連続的且つ安定的に得ることが可能なポリイミド製造システム及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、前記第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料としてポリアミック酸を製造するポリアミック酸製造システムであって、
前記第1溶液を供給する第1供給部と、
前記第2溶液を供給する第2供給部と、
前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合部と、
前記第1溶液の流量を測定する第1流量測定部と、
前記第1溶液の流量を調整可能な第1流量調整部と、
前記第2溶液の流量を測定する第2流量測定部と、
前記第2溶液の流量を調整可能な第2流量調整部と、
前記第1混合部の下流側に連続して配置され、前記第1混合溶液に含まれる前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させてポリアミック酸を含む第1重合溶液を生成する第1反応部と、
前記第1溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第1流量調整部により流量を調整すると共に前記第1供給部により供給する溶液の供給圧力を調整し、前記第2溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第2流量調整部により流量を調整すると共に前記第2供給部により供給する溶液の供給圧力を調整する第1制御部と、を備えるポリアミック酸製造システム。
> 前記第1制御部は、前記第1溶液に含まれる前記第1重合性化合物と前記第2溶液に含まれる前記第2重合性化合物とのモル比が所定範囲内になるように、前記第1供給部及び/又は前記第2供給部を制御する<1>に記載のポリアミック酸製造システム。
> 前記第1制御部は、前記第1溶液の流量変動率と前記第2溶液の流量変動率との差が1%以下になるように、前記第1溶液及び/又は前記第2溶液の流量変動率を制御する<1>又は<2>に記載のポリアミック酸製造システム。
> 前記第1反応部が、前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌する第1反応撹拌部を有する<1>~<>のいずれか1項に記載のポリアミック酸製造システム。
> 前記第1重合溶液に含まれるポリアミック酸が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、
前記第1重合溶液に含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸に重付加するジアミン又はテトラカルボン酸二無水物を含む第3溶液を供給する第3供給部と、
前記第1重合溶液と前記第3溶液とを混合して第2混合溶液を生成する第2混合部と、
前記第1重合溶液の流量を測定する重合溶液流量測定部と、
前記第3溶液の流量を測定する第3流量測定部と、
前記第3溶液の流量を調整可能な第3流量調整部と、
前記第2混合部の下流側に連続して配置され、前記第2混合溶液に含まれる前記第1重合溶液からの酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸と、前記第3溶液からのジアミン又はテトラカルボン酸二無水物との重合反応を進行させてポリアミック酸を含む第2重合溶液を生成する第2反応部と、
前記第3溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第3流量調整部により流量を調整すると共に前記第3供給部により供給する溶液の供給圧力を調整する第2制御部と、を更に備える<1>~<>のいずれか1項に記載のポリアミック酸製造システム。
> 前記第2制御部は、前記第1重合溶液に含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸と、前記第3溶液に含まれるジアミン又はテトラカルボン酸二無水物とのモル比が所定範囲内になるように、前記第3供給部を制御する<5>に記載のポリアミック酸製造システム。
> 前記第2制御部は、前記第1重合溶液の流量変動率と前記第3溶液の流量変動率との差が1%以下になるように、前記第3溶液の流量変動率を制御する<又は<6>に記載のポリアミック酸製造システム。
> 前記第2反応部が、前記第2混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌する第2反応撹拌部を有する<>~<>のいずれか1項に記載のポリアミック酸製造システム。
> <1>~<>のいずれか1項に記載のポリアミック酸製造システムと、
前記ポリアミック酸製造システムにより製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化部と、を備えるポリイミド製造システム。
10> 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、前記第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料としてポリアミック酸を製造するポリアミック酸の製造方法であって、
前記第1溶液を供給する第1供給工程と、
前記第2溶液を供給する第2供給工程と、
前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合工程と、
前記第1溶液の流量を測定する第1測定工程と、
前記第1溶液の流量を調整可能な第1流量調整工程と、
前記第2溶液の流量を測定する第2測定工程と、
前記第2溶液の流量を調整可能な第2流量調整工程と、
前記第1混合溶液に含まれる前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させてポリアミック酸を含む第1重合溶液を生成する第1反応工程と、
前記第1溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第1流量調整工程により流量を調整すると共に前記第1供給工程により供給する溶液の供給圧力を調整し、前記第2溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第2流量調整工程により流量を調整すると共に前記第2供給工程により供給する溶液の供給圧力を調整する第1制御工程と、を含むポリアミック酸の製造方法。
11> 前記第1制御工程では、前記第1溶液に含まれる前記第1重合性化合物と前記第2溶液に含まれる前記第2重合性化合物とのモル比が所定範囲内になるように、前記第1供給工程及び/又は前記第2供給工程を制御する<10>に記載のポリアミック酸の製造方法。
12> 前記第1制御工程では、前記第1溶液の流量変動率と前記第2溶液の流量変動率との差が1%以下になるように、前記第1溶液及び/又は前記第2溶液の流量変動率を制御する<10又は<11>に記載のポリアミック酸の製造方法。
13> 前記第1反応工程が、前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌する第1反応撹拌工程を含む<10>~<12>のいずれか1項に記載のポリアミック酸の製造方法。
14> 前記第1重合溶液に含まれるポリアミック酸が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、
前記第1重合溶液に含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸に重付加するジアミン又はテトラカルボン酸二無水物を含む第3溶液を供給する第3供給工程と、
前記第1重合溶液と前記第3溶液とを混合して第2混合溶液を生成する第2混合工程と、
前記第1重合溶液の流量を測定する重合溶液流量測定工程と、
前記第3溶液の流量を測定する第3流量測定工程と、
前記第3溶液の流量を調整可能な第3流量調整工程と、
前記第2混合溶液に含まれる前記第1重合溶液からの酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸と、前記第3溶液からのジアミン又はテトラカルボン酸二無水物との重合反応を進行させてポリアミック酸を含む第2重合溶液を生成する第2反応工程と、
前記第3溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第3流量調整工程により流量を調整すると共に前記第3供給工程により供給する溶液の供給圧力を調整する第2制御工程と、を更に含む<10>~<13>のいずれか1項に記載のポリアミック酸の製造方法。
15> 前記第2制御工程では、前記第1重合溶液に含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸と、前記第3溶液に含まれるジアミン又はテトラカルボン酸二無水物とのモル比が所定範囲内になるように、前記第3供給工程を制御する<14>に記載のポリアミック酸の製造方法。
16> 前記第2制御工程では、前記第1重合溶液の流量変動率と前記第3溶液の流量変動率との差が1%以下になるように、前記第3溶液の流量変動率を制御する<14又は<15>に記載のポリアミック酸の製造方法。
17> 前記第2反応工程が、前記第2混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌する第2反応撹拌工程を含む<14>~<16>のいずれか1項に記載のポリアミック酸の製造方法。
18> <10>~<17>のいずれか1項に記載の製造方法によりポリアミック酸を製造するポリアミック酸製造工程と、
前記ポリアミック酸製造工程において製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化工程と、を含むポリイミドの製造方法。
本発明によれば、所望のポリアミック酸を連続的且つ安定的に得ることが可能なポリアミック酸製造システム及び製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、所望のポリイミドを連続的且つ安定的に得ることが可能なポリイミド製造システム及び製造方法を提供することができる。
第1実施形態におけるポリアミック酸製造システムを示す図である。 第1流量変動率及び第2流量変動率を制御した流量波形を示す図である。 第1実施形態におけるポリアミック酸製造システムの動作を説明するフロー図である。 第2実施形態におけるポリアミック酸製造システムを示す図である。 第2実施形態におけるポリアミック酸製造システムの動作を説明するフロー図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
第1実施形態は、反応部が1段であるポリアミック酸製造システムの例である。第2実施形態は、反応部が2段であるポリアミック酸製造システムの例である。
<第1実施形態>
図1~図3により、第1実施形態におけるポリアミック酸製造システムについて説明する。図1は、第1実施形態におけるポリアミック酸製造システムを示す図である。図2は、第1流量変動率及び第2流量変動率を制御した流量波形を示す図である。図3は、第1実施形態におけるポリアミック酸製造システムの動作を説明するフロー図である。
まず、第1実施形態におけるポリアミック酸製造システム1の概要について説明する。
ポリアミック酸製造システム1は、重付加性の第1重合性化合物が溶解した第1溶液A1と、第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物が溶解した第2溶液A2とを原料としてポリアミック酸を製造する製造システムである。第1実施形態は、反応部が1段であるポリアミック酸製造システムの例である。
以下では一例として、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物であり、他方がジアミンである場合について説明する。より具体的には、第1溶液A1に含まれる第1重合性化合物がテトラカルボン酸二無水物であり、第2溶液A2に含まれる第2重合性化合物がジアミンである場合について説明する。
テトラカルボン酸二無水物としては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,3-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',6,6'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、アントラセン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,8,9,10-テトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物等の脂環族テトラカルボン酸二無水物;チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ピリジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等の複素環族テトラカルボン酸二無水物;などが挙げられる。テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1溶液A1の溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物及びポリアミック酸が溶解するものが用いられる。溶媒の具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、アセトアニリド等のアミド系溶媒;γ-ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒;酢酸エチル等の鎖状エステル系溶媒;2-プロパノン、3-ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミック酸の溶解性が高いアミド系溶媒、環状エステル系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。例えば、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等のポリアミック酸の溶解性が比較的低い溶媒に対して極性の高いアルコ―ル系溶媒を混合することで、ポリアミック酸の溶解性を向上させることも可能である。
第1溶液A1は、テトラカルボン酸二無水物の溶解性を高め、又はジアミンとの反応性を高めるため、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンを少量含有していてもよい。
ジアミンとしては、特に制限されず、従来のポリイミド合成で用いられているものと同様のものを用いることができる。ジアミンの具体例としては、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3'-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、2,6-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノクロロベンゼン、1,2-ジアミノアントラキノン、1,4-ジアミノアントラキノン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノビベンジル等の芳香族ジアミン;1,2-ジアミノエタン、1,4-ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、1,10-ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン;1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン;3,4-ジアミノピリジン等の複素環族ジアミン;などが挙げられる。ジアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2溶液A2の溶媒としては、ジアミン及びポリアミック酸が溶解するものが用いられる。溶媒の具体例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、アセトアニリド等のアミド系溶媒;γ-ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒;酢酸エチル等の鎖状エステル系溶媒;2-プロパノン、3-ペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミック酸の溶解性が高いアミド系溶媒、環状エステル系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。例えば、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等のポリアミック酸の溶解性が比較的低い溶媒に対して極性の高いアルコ―ル系溶媒を混合することで、ポリアミック酸の溶解性を向上させることも可能である。
図1に示すように、ポリアミック酸製造システム1は、原料である第1溶液A1及び第2溶液A2を第1混合部20において混合して第1混合溶液Bを生成し、第1反応部30において重合反応を進行させて第1重合溶液Cを生成することで、ポリアミック酸を製造するよう構成されている。
ここで、ポリアミック酸製造システム1は、後述の第1タンク11及び第2タンク12から第1クッションタンク40までを密閉した状態でつなぐ管状の送液ラインLを有する。これにより、ポリアミック酸製造システム1は、第1混合溶液Bや第1重合溶液Cに気泡を発生させない状態で連続的にポリアミック酸を製造することができる。
続けて、ポリアミック酸製造システム1の具体的な構成について説明する。
図1に示すように、ポリアミック酸製造システム1は、第1タンク11と、第2タンク12と、第1供給ポンプ15(第1供給部)と、第2供給ポンプ16(第2供給部)と、第1混合部20と、第1反応部30と、第1クッションタンク40と、送液ラインLと、第1制御部200と、を備える。上述の送液ラインLは、第1送液部L1と、第2送液部L2と、第3送液部L3と、を有する。また、ポリアミック酸製造システム1は、第1流量調整弁151(第1流量調整部)と、第1流量測定部152と、第2流量調整弁161(第2流量調整部)と、第2流量測定部162と、を有する。
第1タンク11は、重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液A1を収容する。本実施形態においては、第1タンク11は、テトラカルボン酸二無水物を含む第1溶液A1を収容する。第1タンク11に収容された第1溶液A1は、第1送液部L1を介して、第1混合部20に供給される。
第1送液部L1における第1タンク11と第1混合部20との間には、第1供給ポンプ15、第1流量調整弁151、及び第1流量測定部152が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第1供給ポンプ15(第1供給部)は、第1タンク11に収容されている第1溶液A1を第1混合部20に供給する。第1供給ポンプ15は、第1溶液A1を所定の送液量で供給するように、第1溶液A1を吐出する。例えば、第1供給ポンプ15は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第1溶液A1を供給するよう調整される。
本実施形態においては、第1供給ポンプ15は、定量ポンプで構成される。定量ポンプは、容積式のポンプであり、一定量の溶液を高い精度で繰り返し送り出すポンプである。定量ポンプとしては、例えば、プランジャポンプ等の押し出し式の往復ポンプ;歯車を備えたギアポンプ等の回転ポンプ;などが挙げられる。
第1供給ポンプ15としては、固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択することが好ましい。第1供給ポンプ15の固有の脈動率(流量変動率)は、例えば、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。なお、第1供給ポンプ15の固有の脈動率(流量変動率)は、後述する第1流量変動率Ha等と同様に、流量変動の振幅の中心の流量値に対する流量変動の振幅の半分の流量の割合と定義する。
なお、第1供給ポンプ15として固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択する代わりに、あるいは、第1供給ポンプ15として固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択することに加えて、送液ラインLに流量変動の緩衝装置(例えば、アキュムレータ)を配置することも好ましい。アキュムレータ等の緩衝装置を配置することで、流量変動率をより低減することができる。
第1流量調整弁151は、第1供給ポンプ15と第1混合部20との間に配置される。第1流量調整弁151は、第1供給ポンプ15により供給された第1溶液A1の流量を調整可能な弁である。本実施形態においては、第1流量調整弁151の弁開度を調整することで、第1溶液A1の流量が調整される。第1流量調整弁151の弁開度は、後述する第1制御部200により制御される。
第1流量測定部152は、第1送液部L1における第1供給ポンプ15の下流側の第1溶液A1の流量を測定する。本実施形態においては、第1流量測定部152は、第1流量調整弁151と第1混合部20との間に配置される。なお、第1流量測定部152を、第1流量調整弁151の上流側であって第1供給ポンプ15の下流側に配置してもよい。第1流量測定部152は、測定した第1溶液A1の流量を後述する第1制御部200に出力する。
第2タンク12は、第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液A2を収容する。本実施形態においては、第2タンク12は、ジアミンを含む第2溶液A2を収容する。第2タンク12に収容された第2溶液A2は、第2送液部L2を介して、第1混合部20に供給される。
第2送液部L2における第2タンク12と第1混合部20との間には、第2供給ポンプ16、第2流量調整弁161、及び第2流量測定部162が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第2供給ポンプ16(第2供給部)は、第2タンク12に収容されている第2溶液A2を第1混合部20に供給する。第2供給ポンプ16は、第2溶液A2を所定の送液量で供給するように、第2溶液A2を吐出する。例えば、第2供給ポンプ16は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第2溶液A2を供給するよう調整される。
本実施形態においては、第2供給ポンプ16は、上述した第1供給ポンプ15と同様に、定量ポンプで構成される。
第2供給ポンプ16としては、固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択することが好ましい。第2供給ポンプ16の固有の脈動率(流量変動率)は、例えば、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。なお、第2供給ポンプ16の固有の脈動率(流量変動率)は、第1供給ポンプ15と同様に、流量変動の振幅の中心の流量値に対する流量変動の振幅の半分の流量の割合と定義する。
なお、第2供給ポンプ16として固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択する代わりに、あるいは、第2供給ポンプ16として固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択することに加えて、送液ラインLに流量変動の緩衝装置(例えば、アキュムレータ)を配置することも好ましい。アキュムレータ等の緩衝装置を配置することで、流量変動率をより低減することができる。
第2流量調整弁161は、第2供給ポンプ16と第1混合部20との間に配置される。第2流量調整弁161は、第2供給ポンプ16により供給された第2溶液A2の流量を調整可能な弁である。本実施形態においては、第2流量調整弁161の弁開度を調整することで、第2溶液A2の流量が調整される。第2流量調整弁161の弁開度は、後述する第1制御部200により制御される。
第2流量測定部162は、第2送液部L2における第2供給ポンプ16の下流側の第2溶液A2の流量を測定する。本実施形態においては、第2流量測定部162は、第2流量調整弁161と第1混合部20との間に配置される。なお、第2流量測定部162を、第2流量調整弁161の上流側であって第2供給ポンプ16の下流側に配置してもよい。第2流量測定部162は、測定した第2溶液A2の流量を後述する第1制御部200に出力する。
第1混合部20は、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16の下流側に配置される。第1混合部20は、第1溶液A1と第2溶液A2とを混合して第1混合溶液Bを生成する。第1混合部20は、第1供給ポンプ15により供給される第1溶液A1と、第2供給ポンプ16により供給される第2溶液A2とを合流させる合流弁により構成される。
後述する第1制御部200は、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16を制御することにより、第1溶液A1に含まれる第1重合性化合物と第2溶液A2に含まれる第2重合性化合物とのモル比が所定範囲内になるように制御する。上記のモル比は、例えば、所望の性状のポリアミック酸が得られるように設定される。
本実施形態においては、例えば、テトラカルボン酸二無水物(第1重合性化合物)のモル数に対して当量比となるときのジアミン(第2重合性化合物)のモル数を100とした場合に、ジアミン(第2重合性化合物)のモル数が95~105の範囲内となることが好ましく、97.5~102.5の範囲内となることがより好ましい。
ここで、本実施形態においては、テトラカルボン酸二無水物(第1重合性化合物)とジアミン(第2重合性化合物)とのモル比が当量比であるときに、ポリアミック酸の分子量が最大となり、第1重合溶液Cの粘度も最大となる。また、テトラカルボン酸二無水物(第1重合性化合物)とジアミン(第2重合性化合物)とのモル比が当量比からずれるに従って、ポリアミック酸の分子量が大幅に低下し、第1重合溶液Cの粘度も大幅に低下する。このため、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16の固有の脈動等に起因し、テトラカルボン酸二無水物(第1重合性化合物)とジアミン(第2重合性化合物)とのモル比が変動すると、ポリアミック酸の分子量が大きく変化し、第1重合溶液Cの粘度も大きく変化する。このように、第1重合溶液Cに粘度のムラが生じると、第1重合溶液Cに流量変動(脈動)が生じ、それに伴い、第1溶液A1及び第2溶液A2にも流量変動(脈動)が生じる。この流量変動(脈動)は、粘度が高いときほど影響が顕著になる。
このとき、送液ラインLを流通する溶液に掛かる背圧が十分に高いと、粘度のムラに起因する第1重合溶液Cの流量変動(脈動)が小さくなり、それに伴う第1溶液A1及び第2溶液A2の流量変動(脈動)も小さくなる。しかし、第1溶液A1及び第2溶液A2の流量変動(脈動)には、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16の固有の脈動が重畳されるため、第1溶液A1及び第2溶液A2の流量は複雑に変動することになる。本実施形態では、このような状況においても所望のポリアミック酸を連続的且つ安定的に得るため、後述する第1制御部200において各種の制御を実行する。
第1反応部30は、第1混合部20の下流側に連続して配置される。第1反応部30は、第1混合溶液Bに含まれる第1重合性化合物と第2重合性化合物との重合反応を進行させる部分である。第1反応部30において、第1混合溶液Bに含まれる第1重合性化合物と第2重合性化合物との重合反応が徐々に進行し、第1重合溶液Cが得られる。
第1反応部30は、所定方向に延びる二重管で構成され、径方向の内側に配置される第1反応撹拌部31と、径方向の外側に配置される第1反応温度調整部32と、を有する。第1反応部30は、第1混合溶液Bが所望の滞留時間で流通するように形成されている。
第1反応撹拌部31は、第1溶液A1及び第2溶液A2が混合された第1混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌する。本実施形態においては、第1反応撹拌部31は、第1反応温度調整部32により重合反応に適した温度に調整された第1混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌する。
第1反応撹拌部31は、例えば、スタティックミキサー、ノズル、オリフィス等の静止型混合器や、遠心ポンプ、渦巻きポンプ、撹拌羽を有するインラインミキサー等の駆動型混合器を含んで構成され、好ましくは静止型混合器を含んで構成され、より好ましくはスタティックミキサーを含んで構成される。なお、ツイストテープの内挿された管(特開2003-314982号公報の[図19]等を参照)でもスタティックミキサーと同様に撹拌促進効果が得られるが、スタティックミキサーの方がより撹拌促進効果が得られるため好ましい。
スタティックミキサーとしては、特に限定されず、例えば、Kenics mixer型、Sulzer SMV型、Sulzer SMX型、Tray Hi-mixer型、Komax mixer型、Lightnin mixer型、Ross ISG型、Bran&Lube mixer型等のスタティックミキサーが挙げられる。これらの中でも、Kenics mixer型のスタティックミキサーは、構造が単純であるためデッドスペースがなく、より好ましい。
第1反応温度調整部32は、第1反応撹拌部31の径方向の外側に配置される配管部である。第1反応温度調整部32は、第1反応撹拌部31を流通する第1混合溶液Bを、所望の温度条件に温調(例えば、冷却)する。第1反応温度調整部32において、第1混合溶液Bは、重合反応に適した温度に調整され、第1反応撹拌部31を流通される。
第1クッションタンク40は、第1反応部30からの第1重合溶液Cを収容する。第1クッションタンク40は、例えば、ポリアミック酸をイミド化してポリイミドを製造する際においては原料溶液を収容するタンクになる。
本実施形態におけるポリアミック酸製造システム1がポリイミドを製造するポリイミド製造システムの一部である場合がある。この場合、ポリイミド製造システムは、ポリアミック酸をイミド化するイミド化部を更に備える。イミド化部(不図示)は、例えば、熱的に脱水閉環する熱的イミド化方法、脱水剤及びイミド化促進剤を用いる化学的イミド化方法等により、ポリアミック酸をイミド化する。
なお、本実施形態におけるポリアミック酸製造システム1がポリイミドを製造するポリイミド製造システムの一部である場合、第1クッションタンク40を省略し、第1反応部30からイミド化部に送液されるように構成してもよい。ただし、上記のように、ポリアミック酸を一旦、第1クッションタンク40に収容しておく方が好ましい。
第1制御部200について説明する。第1制御部200には、第1供給ポンプ15、第2供給ポンプ16、第1流量調整弁151、第1流量測定部152、第2流量調整弁161、及び第2流量測定部162が電気的に接続されている。
第1制御部200は、第1溶液A1の流量変動率(以下、「第1流量変動率」ともいう。)が第1閾値以下になるように制御し、第2溶液A2の流量変動率(以下、「第2流量変動率」ともいう。)が第2閾値以下になるように制御する。本実施形態においては、第1流量変動率及び/又は第2流量変動率は、例えば、3%以下であることが好ましく、2.5%以下であることがより好ましい。第1流量変動率及び/又は第2流量変動率の下限値は特に制限されないが、例えば、0.01%であってもよい。
本実施形態においては、例えば、図2の制御前の流量波形に示すように、第1流量変動率Haを、流量変動の振幅の中心の流量値Kaに対する流量変動の振幅の半分の流量Saの割合と定義する(Ha=(Sa/Ka)×100[%])。また、例えば、第2流量変動率Hbを、流量変動の振幅の中心の流量値Kbに対する流量変動の振幅の半分の流量Sbの割合と定義する(Hb=(Sb/Kb)×100[%])。
第1制御部200は、例えば、図2の制御前の流量波形に示すように、第1流量変動率Haが第1閾値TH1よりも大きい場合に、第1流量変動率Haを第1閾値TH1以下にするため、第1流量調整弁151の弁開度を小さくするように調整すると共に、第1溶液A1の供給量が第1流量調整弁151の弁開度を調整する前の供給量と同じ供給量になるように、第1供給ポンプ15により供給する溶液の供給圧力を大きくするように変更する。また、第1制御部200は、第2流量変動率Hbが第2閾値TH2よりも大きい場合に、第2流量変動率Hbを第2閾値TH2以下にするため、第2流量調整弁161の弁開度を小さくするように調整すると共に、第2溶液A2の供給量が第2流量調整弁161の弁開度を調整する前の供給量と同じ供給量になるように、第2供給ポンプ16により供給する溶液の供給圧力を大きくするように変更する。これにより、図2の制御後の流量波形に示すように、第1流量変動率Haは、第1閾値TH1以下(Ha≦TH1)に調整され、第2流量変動率Hbは、第2閾値TH2以下(Hb≦TH2)に調整される。本実施形態においては、第1流量変動率Haの第1閾値TH1及び第2流量変動率Hbの第2閾値TH2は、例えば、3%であることが好ましく、2.5%であることがより好ましい。
このように、第1流量調整弁151及び/又は第2流量調整弁161の弁開度を調整するのに応じて、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16により供給する溶液の供給圧力を調整することにより、第1溶液A1に含まれる第1重合性化合物と第2溶液A2に含まれる第2重合性化合物との比を変化させることなく、第1溶液A1と第2溶液A2とを混合することができる。
また、第1制御部200は、第1流量変動率を第1閾値以下に制御し、第2流量変動率を第2閾値以下に制御する際に、第1流量変動率と第2流量変動率との差が小さくなるように、第1流量変動率及び/又は第2流量変動率を制御してもよい。具体的には、第1制御部200は、第1流量変動率と第2流量変動率との差が小さくなるように、第1流量調整弁151及び/又は第2流量調整弁161により流量を調整すると共に、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16により供給する溶液の供給圧力を調整してもよい。本実施形態においては、第1流量変動率と第2流量変動率との差は、例えば、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
また、第1制御部200は、第1流量変動率と第2流量変動率との差を小さくなるように制御しながら、第1流量変動率と第2流量変動率との差が所定の下限値よりも小さくならないように、第1流量変動率及び/又は第2流量変動率を制御してもよい。本実施形態においては、第1流量変動率と第2流量変動率との差の下限値は、例えば、0.001%であることが好ましい。このように、第1流量変動率と第2流量変動率との差に下限値を設け、第1溶液A1と第2溶液A2との混合の割合を僅かにずらすことで、第1溶液A1と第2溶液A2とを良好に混合することができる傾向にある。
次に、図3により、第1実施形態におけるポリアミック酸製造システム1の動作を説明する。
まず、ポリアミック酸製造システム1において、動作を開始することで、第1供給ポンプ15が第1溶液A1を供給し(第1供給工程)、第2供給ポンプ16が第2溶液A2を供給する(第2供給工程)。ここで、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16は、第1溶液A1及び第2溶液A2を所望の割合で供給するように、互いの供給圧力(吐出圧力)が第1制御部200により制御されている。
次いで、図3に示すように、ステップST11において、第1流量測定部152は、第1溶液A1の流量を測定して取得する(第1測定工程)。また、第2流量測定部162は、第2溶液A2の流量を測定して取得する(第2測定工程)。
次いで、ステップST12において、第1制御部200は、第1流量変動率が第1閾値よりも大きいか否か、第2流量変動率が第2閾値よりも大きいか否かを判定する。図2に示す制御前の状態では、第1流量変動率Haは、第1閾値TH1よりも大きい(Ha>TH1)。また、第2流量変動率Hbは、第2閾値TH2よりも大きい(Hb>TH2)。本実施形態においては、第1閾値及び第2閾値は、例えば、3%に設定される。第1流量変動率及び第2流量変動率が3%以下である場合に、所望のポリアミック酸を安定して得ることが可能であるためである。
そして、第1制御部200は、第1流量変動率が第1閾値よりも大きい、又は、第2流量変動率が第2閾値よりも大きいと判定した場合(YES)、処理をステップST13に進める。また、第1制御部200は、第1流量変動率が第1閾値以下であり、且つ、第2流量変動率が第2閾値以下であると判定した場合(NO)、処理をステップST11に戻す。
次いで、ステップST13において、第1制御部200は、第1流量変動率及び/又は第2流量変動率を制御する。第1流量変動率が第1閾値よりも大きい場合、第1制御部200は、第1流量変動率を第1閾値以下にするため、第1流量調整弁151の弁開度を小さくするように調整すると共に、第1溶液A1の供給量が第1流量調整弁151の弁開度を調整する前の供給量と同じ供給量になるように、第1供給ポンプ15により供給する溶液の供給圧力を大きくするように変更する(第1制御工程)。また、第2流量変動率が第2閾値よりも大きい場合、第1制御部200は、第2流量変動率を第2閾値以下にするため、第2流量調整弁161の弁開度を小さくするように調整すると共に、第2溶液A2の供給量が第2流量調整弁161の弁開度を調整する前の供給量と同じ供給量になるように、第2供給ポンプ16により供給する溶液の供給圧力を大きくするように変更する(第1制御工程)。これにより、図2に示すように、制御後の第1流量変動率Haは、第1閾値TH1以下(Ha≦TH1)となり、制御後の第2流量変動率Hbは、第2閾値TH2以下(Hb≦TH2)となる。
第1制御部200は、第1流量変動率を第1閾値以下に制御し、第2流量変動率を第2閾値以下に制御する際に、第1流量変動率と第2流量変動率との差が小さくなるように、第1流量変動率及び/又は第2流量変動率を制御してもよい。具体的には、第1制御部200は、第1流量変動率と第2流量変動率との差が小さくなるように、第1流量調整弁151及び/又は第2流量調整弁161により流量を調整すると共に、第1供給ポンプ15及び/又は第2供給ポンプ16により供給する溶液の供給圧力を調整してもよい。本実施形態においては、第1流量変動率と第2流量変動率との差は、例えば、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
また、第1制御部200は、第1流量変動率と第2流量変動率との差を小さくなるように制御しながら、第1流量変動率と第2流量変動率との差が所定の下限値よりも小さくならないように、第1流量変動率及び/又は第2流量変動率を制御してもよい。本実施形態においては、第1流量変動率と第2流量変動率との差の下限値は、例えば、0.001%であることが好ましい。
次いで、第1制御部200の制御は、待機状態となる(ステップST14)。その後、処理は、ステップST11に戻される。
ここで、例えば、本実施形態におけるポリアミック酸の製造方法がポリイミドの製造方法の一部である場合がある。この場合、ポリイミドの製造方法は、ポリアミック酸をイミド化するイミド化工程を更に含む。
本実施形態のポリアミック酸製造システム1によれば、以下の効果を奏する。
ポリアミック酸製造システム1は、第1溶液A1を供給する第1供給ポンプ15と、第2溶液A2を供給する第2供給ポンプ16と、を備えるポリアミック酸製造システムにおいて、第1流量変動率が第1閾値以下になるように制御し、第2流量変動率が第2閾値以下になるように制御する第1制御部200を備える。このようなポリアミック酸製造システム1によれば、第1流量変動率及び第2流量変動率を小さくできるため、所望のポリアミック酸を連続的且つ安定的に得ることが可能である。
また、ポリアミック酸製造システム1において、第1制御部200は、第1流量変動率が第1閾値以下になるように、第1流量調整弁151により流量を調整すると共に第1供給ポンプ15により供給する溶液の供給圧力を調整する。また、第1制御部200は、第2流量変動率が第2閾値以下になるように、第2流量調整弁161により流量を調整すると共に第2供給ポンプ16により供給する溶液の供給圧力を調整する。これにより、ポリアミック酸製造システム1は、第1流量変動率と第2流量変動率を小さくでき且つ流量を変化させずに第1溶液A1及び第2溶液A2を流通させることができるため、所望のポリアミック酸を連続的且つより安定的に得ることが可能である。
また、ポリアミック酸製造システム1において、第1制御部200は、第1流量変動率と第2流量変動率との差が小さくなるように、第1流量変動率及び/又は第2流量変動率を制御することができる。第1流量変動率と第2流量変動率との差を小さくすることにより、所望のポリアミック酸を連続的且つより安定的に得ることが可能である。
なお、本実施形態では、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がテトラカルボン酸二無水物、他方がジアミンであり、ポリアミック酸を製造する場合について説明したが、これに制限されるものではない。例えば、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方を酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸(プレポリマー)、他方をジアミン又はテトラカルボン酸二無水物とし、ポリアミック酸を製造するようにしてもよい。この場合、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方が酸無水物基末端のポリアミック酸であると、他方はジアミンである。また、第1重合性化合物及び第2重合性化合物のうち、一方がアミノ基末端のポリアミック酸であると、他方はテトラカルボン酸二無水物である。
また、本実施形態では、第1反応部30が第1反応撹拌部31と第1反応温度調整部32との二重管で構成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1反応部30を第1反応撹拌部31のみの一重管で構成し、この第1反応撹拌部31を温調用の液に浸漬するようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、図4及び図5により、第2実施形態におけるポリアミック酸製造システムについて説明する。図4は、第2実施形態におけるポリアミック酸製造システムを示す図である。図5は、第2実施形態におけるポリアミック酸製造システムの動作を説明するフロー図である。第2実施形態は、処理部(反応部)が2段であるポリアミック酸製造システムの例である。
まず、図5により、第2実施形態におけるポリアミック酸製造システム1Aについて説明する。
図5に示すように、ポリアミック酸製造システム1Aは、第1処理部K1と、第2処理部K2と、を有する。
第1処理部K1は、第1実施形態におけるポリアミック酸製造システム1と同様の構成であるため、本実施形態での詳細な説明を省略する。第1処理部K1における構成要件や動作等については、第1実施形態における説明を援用できる。ただし、第1処理部K1で製造される第1重合溶液Cは、酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸(プレポリマー)を含むものとする。
第2処理部K2は、第1処理部K1(第1実施形態におけるポリアミック酸製造システム1)により製造された第1重合溶液Cと、第3溶液A3とを原料として重合反応を更に進行させ、より分子量の大きいポリアミック酸を製造する。第2処理部K2は、基本的な構成は第1処理部K1と同様であるが、第1処理部K1により製造された第1重合溶液Cを原料としてポリアミック酸を製造する点で第1処理部K1と相違する。
第2処理部K2は、第3タンク13と、第3供給ポンプ17(第3供給部)と、第2混合部50と、第2反応部60と、第2クッションタンク70と、送液ラインLの一部と、を備える。上述の送液ラインLの一部は、第4送液部L4と、第5送液部L5と、を有する。また、第2処理部K2は、第3流量調整弁171(第3流量調整部)と、第3流量測定部172と、第4流量測定部182(重合溶液流量測定部)と、を有する。
第4流量測定部182は、第3送液部L3における第1反応部30の下流側において、第1重合溶液Cの流量を測定する。第4流量測定部182は、測定した第1重合溶液Cの流量を後述する第2制御部200Aに出力する。
第3タンク13は、第1重合溶液Cに含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸に重付加するジアミン又はテトラカルボン酸二無水物が溶解した第3溶液A3を収容する。第3タンク13に収容された第3溶液A3は、第4送液部L4を介して、第2混合部50に供給される。
以下では一例として、第1重合溶液Cが酸無水物基末端のポリアミック酸を含み、第3溶液A3がジアミンを含む場合について説明する。
第4送液部L4における第3タンク13と第2混合部50との間には、第3供給ポンプ17、第3流量調整弁171、及び第3流量測定部172が、上流側から下流側に向かってこの順で配置される。
第3供給ポンプ17(第3供給部)は、第3タンク13に収容されている第3溶液A3を第2混合部50に供給する。第3供給ポンプ17は、第3溶液A3を所定の送液量で供給するように、第3溶液A3を吐出する。例えば、第3供給ポンプ17は、所望の性状のポリアミック酸が得られる条件で第3溶液A3を供給するよう調整される。第3供給ポンプ17における供給量は、第1重合溶液Cにおける性状や組成に応じて設定できる。また、第3供給ポンプ17における供給量は、第1重合溶液Cにおける反応率等に応じて設定できる。言い換えると、第3供給ポンプ17における供給量は、目標とする性状、組成や反応率になるような供給量に調整できる。
本実施形態においては、第3供給ポンプ17は、上述した第1供給ポンプ15と同様に、定量ポンプで構成される。
第3供給ポンプ17としては、固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択することが好ましい。第3供給ポンプ17の固有の脈動率(流量変動率)は、例えば、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。なお、第3供給ポンプ17の固有の脈動率(流量変動率)は、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16と同様に、流量変動の振幅の中心の流量値に対する流量変動の振幅の半分の流量の割合と定義する。
なお、第3供給ポンプ17として固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択する代わりに、あるいは、第3供給ポンプ17として固有の脈動率(流量変動率)が小さいものを選択することに加えて、送液ラインLに流量変動の緩衝装置(例えば、アキュムレータ)を配置することも好ましい。アキュムレータ等の緩衝装置を配置することで、流量変動率をより低減することができる。
第3流量調整弁171は、第3供給ポンプ17と第2混合部50との間に配置される。第3流量調整弁171は、第3供給ポンプ17により供給された第3溶液A3の流量を調整可能な弁である。本実施形態においては、第3流量調整弁171の弁開度を調整することで、第3溶液A3の流量が調整される。第3流量調整弁171の弁開度は、後述する第2制御部200Aにより制御される。
第3流量測定部172は、第4送液部L4における第3供給ポンプ17の下流側の第3溶液A3の流量を測定する。本実施形態においては、第3流量測定部172は、第3流量調整弁171と第2混合部50との間に配置される。なお、第3流量測定部172を、第3流量調整弁171の上流側であって第3供給ポンプ17の下流側に配置してもよい。第3流量測定部172は、測定した第3溶液A3の流量を後述する第2制御部200Aに出力する。
第2混合部50は、第1処理部K1の第1反応部30及び第3供給ポンプ17の下流側に配置される。第2混合部50は、第1反応部30からの第1重合溶液Cと、第3供給ポンプ17からの第3溶液A3とを混合して第2混合溶液Dを生成する。第2混合部50は、第1反応部30からの第1重合溶液Cと、第3供給ポンプ17からの第3溶液A3とを合流させる合流弁により構成される。
後述する第2制御部200Aは、第3供給ポンプ17を制御することにより、第1重合溶液Cに含まれる酸無水物基末端のポリアミック酸と第3溶液A3に含まれるジアミンとのモル比が所定範囲内になるように制御する。上記のモル比は、例えば、所望の性状のポリアミック酸が得られるように設定される。
本実施形態においては、酸無水物基末端のポリアミック酸のモル数に対して当量比となるときのジアミンのモル数を100と仮定した場合に、ジアミンのモル数が95~105の範囲内となることが好ましく、97.5~102.5の範囲内となることがより好ましい。
ここで、本実施形態においては、酸無水物基末端のポリアミック酸とジアミンとのモル比が当量比であるときに、ポリアミック酸の分子量が最大となり、第2重合溶液Eの粘度も最大となる。また、酸無水物基末端のポリアミック酸とジアミンとのモル比が当量比からずれるに従って、ポリアミック酸の分子量が大幅に低下し、第2重合溶液Eの粘度も大幅に低下する。このため、第3供給ポンプ17の固有の脈動等に起因し、酸無水物基末端のポリアミック酸とジアミンとのモル比が変動すると、ポリアミック酸の分子量が大きく変化し、第2重合溶液Eの粘度も大きく変化する。このように、第2重合溶液Eに粘度のムラが生じると、第2重合溶液Eに流量変動(脈動)が生じ、それに伴い、第3溶液A3にも流量変動(脈動)が生じる。この流量変動(脈動)は、粘度が高いときほど影響が顕著になる。
このとき、送液ラインLを流通する溶液に掛かる背圧が十分に高いと、粘度のムラに起因する第2重合溶液Eの流量変動(脈動)が小さくなり、それに伴う第3溶液A3の流量変動(脈動)も小さくなる。しかし、第3溶液A3の流量変動(脈動)には、第3供給ポンプ17の固有の脈動が重畳されるため、第3溶液A3の流量は複雑に変動することになる。本実施形態では、このような状況においても所望のポリアミック酸を連続的且つ安定的に得るため、後述する第2制御部200Aにおいて各種の制御を実行する。
第2反応部60は、第2混合部50の下流側に連続して配置される。第2反応部60は、第2混合溶液Dに含まれる第1重合溶液Cからの酸無水物基末端のポリアミック酸と、第3溶液A3からのジアミンとの重合反応を進行させる部分である。第2反応部60において、第2混合溶液Dに含まれる第1重合溶液Cからの酸無水物基末端のポリアミック酸と、第3溶液A3からのジアミンとの重合反応が徐々に進行し、第2重合溶液Eが得られる。
第2反応部60は、所定方向に延びる二重管で構成され、径方向の内側に配置される第2反応撹拌部61と、径方向の外側に配置される第2反応温度調整部62と、を有する。第2反応部60は、第2混合溶液Dが所望の滞留時間で流通するように形成されている。
第2反応撹拌部61は、第1重合溶液C及び第3溶液A3が混合された第2混合溶液Dを気体に接触しない状態で撹拌する。本実施形態においては、第2反応撹拌部61は、第2反応温度調整部62により重合反応に適した温度に調整された第2混合溶液Dを気体に接触しない状態で撹拌する。
第2反応撹拌部61は、例えば、スタティックミキサー、ノズル、オリフィス等の静止型混合器や、遠心ポンプ、渦巻きポンプ、撹拌羽を有するインラインミキサー等の駆動型混合器を含んで構成され、好ましくは静止型混合器を含んで構成され、より好ましくはスタティックミキサーを含んで構成される。なお、上述の通り、ツイストテープの内挿された管でもスタティックミキサーと同様に撹拌促進効果が得られるが、スタティックミキサーの方がより撹拌促進効果が得られるため好ましい。
スタティックミキサーとしては、特に限定されず、例えば、Kenics mixer型、Sulzer SMV型、Sulzer SMX型、Tray Hi-mixer型、Komax mixer型、Lightnin mixer型、Ross ISG型、Bran&Lube mixer型等のスタティックミキサーが挙げられる。これらの中でも、Kenics mixer型のスタティックミキサーは、構造が単純であるためデッドスペースがなく、より好ましい。
第2反応温度調整部62は、第2反応撹拌部61の径方向の外側に配置される配管部である。第2反応温度調整部62は、第2反応撹拌部61を流通する第2混合溶液Dを、所望の温度条件に温調(例えば、冷却)する。第2反応温度調整部62において、第2混合溶液Dは、重合反応に適した温度に調整され、第2反応撹拌部61を流通される。
第2クッションタンク70は、第2反応部60からの第2重合溶液Eを収容する。第2クッションタンク70は、例えば、ポリアミック酸をイミド化してポリイミドを製造する際においては原料溶液を収容するタンクになる。
本実施形態におけるポリアミック酸製造システム1Aがポリイミドを製造するポリイミド製造システムの一部である場合がある。この場合、ポリイミド製造システムは、ポリアミック酸をイミド化するイミド化部を更に備える。イミド化部(不図示)は、例えば、熱的に脱水閉環する熱的イミド化方法、脱水剤及びイミド化促進剤を用いる化学的イミド化方法等により、ポリアミック酸をイミド化する。
なお、本実施形態におけるポリアミック酸製造システム1Aがポリイミドを製造するポリイミド製造システムの一部である場合、第2クッションタンク70を省略し、第2反応部60からイミド化部に送液されるように構成してもよい。ただし、上記のように、ポリアミック酸を一旦、第2クッションタンク70に収容しておく方が好ましい。
第2制御部200Aについて説明する。第2制御部200Aには、第1供給ポンプ15、第2供給ポンプ16、第1流量調整弁151、第1流量測定部152、第2流量調整弁161、第2流量測定部162、第3流量調整弁171、第3流量測定部172、及び第4流量測定部182が電気的に接続されている。
なお、第2制御部200Aは、第1実施形態における第1制御部200の機能も有するが、以下では第1制御部200と共通する部分については詳細な説明を省略する。
第2制御部200Aは、第3溶液A3の流量変動率(以下、「第3流量変動率」ともいう。)が第3閾値以下になるように制御する。本実施形態においては、第3流量変動率は、例えば、3%以下であることが好ましく、2.5%以下であることがより好ましい。第3流量変動率の下限値は特に制限されないが、例えば、0.01%であってもよい。
本実施形態においては、第1実施形態の第1流量変動率Ha及び第2流量変動率Hbと同様の考え方により、第3流量変動率Hdを、流量変動の振幅の中心の流量値Kdに対する流量変動の振幅の半分の流量Sdの割合と定義する(Hd=(Sd/Kd)×100[%])。
第2制御部200Aは、例えば、第3流量変動率が第3閾値よりも大きい場合に、第3流量変動率を第3閾値以下にするため、第3流量調整弁171の弁開度を小さくするように調整すると共に、第3溶液A3の供給量が第3流量調整弁171の弁開度を調整する前の供給量と同じ供給量になるように、第3供給ポンプ17により供給する溶液の供給圧力を大きくするように変更する。本実施形態においては、第3流量変動率の第3閾値は、例えば、3%であることが好ましく、2.5%であることがより好ましい。
このように、第3流量調整弁171の弁開度を調整するのに応じて、第3供給ポンプ17により供給する溶液の供給圧力を調整することにより、第1重合溶液Cに含まれる酸無水物基末端のポリアミック酸と、第3溶液A3に含まれるジアミンとの比を変化させることなく、第1重合溶液Cと第3溶液A3とを混合することができる。
また、第2制御部200Aは、第3流量変動率を第3閾値以下に制御する際に、第1重合溶液Cの流量変動率(以下、「重合溶液流量変動率」ともいう。)と、第3流量変動率との差が小さくなるように、第3流量変動率を制御してもよい。具体的には、第2制御部200Aは、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差が小さくなるように、第3流量調整弁171により第3溶液A3の流量を調整すると共に、第3供給ポンプ17により供給する溶液の供給圧力を調整してもよい。本実施形態においては、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差は、例えば、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
また、第2制御部200Aは、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差を小さくなるように制御しながら、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差が所定の下限値よりも小さくならないように、第3流量変動率を制御してもよい。本実施形態においては、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差の下限値は、例えば、0.001%であることが好ましい。このように、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差に下限値を設け、第1重合溶液Cと第3溶液A3との混合の割合を僅かにずらすことで、第1重合溶液Cと第3溶液A3とを良好に混合することができる傾向にある。
次に、図5により、第2実施形態におけるポリアミック酸製造システム1Aの動作を説明する。
まず、ポリアミック酸製造システム1Aにおいて、動作を開始することで、第1供給ポンプ15が第1溶液A1を供給し(第1供給工程)、第2供給ポンプ16が第2溶液A2を供給し(第2供給工程)、第3供給ポンプ17が第3溶液A3を供給する(第3供給工程)。ここで、第1供給ポンプ15及び第2供給ポンプ16は、第1溶液A1及び第2溶液A2を所望の割合で供給するように、互いの供給圧力(吐出圧力)が第2制御部200Aにより制御されている。第3供給ポンプ17は、第3溶液A3を所望の割合で供給するように、供給圧力(吐出圧力)が第2制御部200Aにより制御されている。
次いで、図5に示すように、ステップST21において、第4流量測定部182は、第1重合溶液Cの流量を測定して取得する(重合溶液流量測定工程)。また、第3流量測定部172は、第3溶液A3の流量を測定して取得する(第3測定工程)。
次いで、ステップST22において、第2制御部200Aは、第3流量変動率が第3閾値よりも大きいか否かを判定する。本実施形態においては、第3閾値は、例えば、3%に設定される。第3流量変動率が3%以下である場合に、所望のポリアミック酸を安定して得ることが可能であるためである。
そして、第2制御部200Aは、第3流量変動率が第3閾値よりも大きいと判定した場合(YES)、処理をステップST23に進める。また、第2制御部200Aは、第3流量変動率が第3閾値以下であると判定した場合(NO)、処理をステップST21に戻す。
次いで、ステップST23において、第2制御部200Aは、第3流量変動率を第3閾値以下にするため、第3流量調整弁171の弁開度を小さくするように調整すると共に、第3溶液A3の供給量が第3流量調整弁171の弁開度を調整する前の供給量と同じ供給量になるように、第3供給ポンプ17により供給する溶液の供給圧力を大きくするように変更する(第2制御工程)。これにより、制御後の第3流量変動率は、第3閾値以下となる。
第2制御部200Aは、第3流量変動率を第3閾値以下に制御する際に、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差が小さくなるように、第3流量変動率を制御してもよい。具体的には、第2制御部200Aは、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差が小さくなるように、第3流量調整弁171により第3溶液A3の流量を調整すると共に、第3供給ポンプ17により供給する溶液の供給圧力を調整してもよい。本実施形態においては、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差は、例えば、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
また、第2制御部200Aは、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差を小さくなるように制御しながら、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差が所定の下限値よりも小さくならないように、第3流量変動率を制御してもよい。本実施形態においては、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差の下限値は、例えば、0.001%であることが好ましい。
次いで、第2制御部200Aの制御は、待機状態となる(ステップST24)。その後、処理は、ステップST21に戻される。
ここで、例えば、本実施形態におけるポリアミック酸の製造方法がポリイミドの製造方法の一部である場合がある。この場合、ポリイミドの製造方法は、ポリアミック酸をイミド化するイミド化工程を更に含む。
本実施形態のポリアミック酸製造システム1Aによれば、上述の第1実施形態における効果のほか、以下の効果を奏する。
ポリアミック酸製造システム1Aは、第3溶液A3を供給する第3供給ポンプ17を備えるポリアミック酸製造システムにおいて、第3流量変動率が第3閾値以下になるように制御する第2制御部200Aを備える。このようなポリアミック酸製造システム1Aによれば、第3流量変動率を小さくできるため、所望のポリアミック酸を連続的且つ安定的に得ることが可能である。
また、ポリアミック酸製造システム1Aにおいて、第2制御部200Aは、第3流量変動率が第3閾値以下になるように、第3流量調整弁171により流量を調整すると共に第3供給ポンプ17により供給する溶液の供給圧力を調整する。これにより、ポリアミック酸製造システム1Aは、第3流量変動率を小さくでき且つ流量を変化させずに第3溶液A3を流通させることができるため、所望のポリアミック酸を連続的且つより安定的に得ることが可能である。
また、ポリアミック酸製造システム1Aにおいて、第2制御部200Aは、重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差が小さくなるように、第3流量変動率を制御することができる。重合溶液流量変動率と第3流量変動率との差を小さくすることにより、所望のポリアミック酸を連続的且つより安定的に得ることが可能である。
なお、本実施形態では、第2反応部60が第2反応撹拌部61と第2反応温度調整部62との二重管で構成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2反応部60を第2反応撹拌部61のみの一重管で構成し、この第2反応撹拌部61を温調用の液に浸漬するようにしてもよい。
<変形例>
以上、2つの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上述の実施形態では、ポリアミック酸製造システムが1つ又は2つの反応部(処理部)を有して構成されるものとしたが、これに限定されず、3つ以上の反応部(処理部)を有して構成されていてもよい。すなわち、ポリアミック酸製造システムは、1段又は2段の反応を行うものに限定されず、3段以上の反応を行うものであってもよい。例えば、ポリアミック酸製造システムは、混合部と反応部とのセットを3セット以上有するように構成されていてもよい。ポリアミック酸製造システムは、各反応部(処理部)を経るごとに目標とする反応率や品質に近づくように多段的に供給量等を調整可能である。
また、ポリアミック酸製造システムは、第1溶液A1及び/又は第2溶液A2がフィラーを含有するものであってもよい。第1溶液A1及び/又は第2溶液A2にフィラーを添加することにより、製造されるポリアミック酸に簡便にフィラーを導入することが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、図1に示すような構造のポリアミック酸製造システム1を用いてポリアミック酸を製造した。第1タンク11には、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物との反応により得られた酸無水物基末端のポリアミック酸をN,N-ジメチルホルムアミド中に溶解した第1溶液A1を収容した。また、第2タンク12には、p-フェニレンジアミンをN,N-ジメチルホルムアミド中に溶解した第2溶液A2を収容した。
まず、第1混合部20において、第1供給ポンプ15により供給された第1溶液A1と、第2供給ポンプ16により供給された第2溶液A2とを合流させて混合し、第1混合溶液Bを生成した。次いで、Kenics mixer型のスタティックミキサー(内径8mm、長さ520mm)により、第1混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌した。第1流量変動率が0.25%、第2流量変動率が0.50%となるように制御した結果、粘度ムラのない2410Poiseの第1重合溶液Cを得た。
<実施例2>
実施例2では、図1に示すような構造のポリアミック酸製造システム1を用いてポリアミック酸を製造した。第1タンク11には、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物との反応により得られた酸無水物基末端のポリアミック酸をN,N-ジメチルホルムアミド中に溶解した第1溶液A1を収容した。また、第2タンク12には、p-フェニレンジアミンをN,N-ジメチルホルムアミド中に溶解した第2溶液A2を収容した。
まず、第1混合部20において、第1供給ポンプ15により供給された第1溶液A1と、第2供給ポンプ16により供給された第2溶液A2とを合流させて混合し、第1混合溶液Bを生成した。次いで、Kenics mixer型のスタティックミキサー(内径8mm、長さ520mm)により、第1混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌した。第1流量変動率が0.32%、第2流量変動率が0.40%となるように制御した結果、粘度ムラのない5700Poiseの第1重合溶液Cを得た。
<比較例1>
比較例1では、図1に示すような構造のポリアミック酸製造システム1を用いてポリアミック酸を製造した。第1タンク11には、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物との反応により得られた酸無水物基末端のポリアミック酸をN,N-ジメチルホルムアミド中に溶解した第1溶液A1を収容した。また、第2タンク12には、p-フェニレンジアミンをN,N-ジメチルホルムアミド中に溶解した第2溶液A2を収容した。
まず、第1混合部20において、第1供給ポンプ15により供給された第1溶液A1と、第2供給ポンプ16により供給された第2溶液A2とを合流させて混合し、第1混合溶液Bを生成した。次いで、Kenics mixer型のスタティックミキサー(内径8mm、長さ930mm)により、第1混合溶液Bを気体に接触しない状態で撹拌した。第1流量変動率0.44%、第2流量変動率8.8%にて送液を続けた結果、50~630Poiseの粘度ムラの大きい第1重合溶液Cを得た。
1、1A ポリアミック酸製造システム
15 第1供給ポンプ(第1供給部)
16 第2供給ポンプ(第2供給部)
17 第3供給ポンプ(第3供給部)
20 第1混合部
30 第1反応部
50 第2混合部
60 第2反応部
151 第1流量調整弁(第1流量調整部)
152 第1流量測定部
161 第2流量調整弁(第2流量調整部)
162 第2流量測定部
171 第3流量調整弁(第3流量調整部)
172 第3流量測定部
182 第4流量測定部(重合溶液流量測定部)
200 第1制御部
200A 第2制御部
A1 第1溶液
A2 第2溶液
A3 第3溶液
B 第1混合溶液
C 第1重合溶液
D 第2混合溶液
E 第2重合溶液
L 送液ライン

Claims (18)

  1. 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、前記第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料としてポリアミック酸を製造するポリアミック酸製造システムであって、
    前記第1溶液を供給する第1供給部と、
    前記第2溶液を供給する第2供給部と、
    前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合部と、
    前記第1溶液の流量を測定する第1流量測定部と、
    前記第1溶液の流量を調整可能な第1流量調整部と、
    前記第2溶液の流量を測定する第2流量測定部と、
    前記第2溶液の流量を調整可能な第2流量調整部と、
    前記第1混合部の下流側に連続して配置され、前記第1混合溶液に含まれる前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させてポリアミック酸を含む第1重合溶液を生成する第1反応部と、
    前記第1溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第1流量調整部により流量を調整すると共に前記第1供給部により供給する溶液の供給圧力を調整し、前記第2溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第2流量調整部により流量を調整すると共に前記第2供給部により供給する溶液の供給圧力を調整する第1制御部と、を備えるポリアミック酸製造システム。
  2. 前記第1制御部は、前記第1溶液に含まれる前記第1重合性化合物と前記第2溶液に含まれる前記第2重合性化合物とのモル比が所定範囲内になるように、前記第1供給部及び/又は前記第2供給部を制御する請求項1に記載のポリアミック酸製造システム。
  3. 前記第1制御部は、前記第1溶液の流量変動率と前記第2溶液の流量変動率との差が1%以下になるように、前記第1溶液及び/又は前記第2溶液の流量変動率を制御する請求項1又は2に記載のポリアミック酸製造システム。
  4. 前記第1反応部が、前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌する第1反応撹拌部を有する請求項1~のいずれか1項に記載のポリアミック酸製造システム。
  5. 前記第1重合溶液に含まれるポリアミック酸が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、
    前記第1重合溶液に含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸に重付加するジアミン又はテトラカルボン酸二無水物を含む第3溶液を供給する第3供給部と、
    前記第1重合溶液と前記第3溶液とを混合して第2混合溶液を生成する第2混合部と、
    前記第1重合溶液の流量を測定する重合溶液流量測定部と、
    前記第3溶液の流量を測定する第3流量測定部と、
    前記第3溶液の流量を調整可能な第3流量調整部と、
    前記第2混合部の下流側に連続して配置され、前記第2混合溶液に含まれる前記第1重合溶液からの酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸と、前記第3溶液からのジアミン又はテトラカルボン酸二無水物との重合反応を進行させてポリアミック酸を含む第2重合溶液を生成する第2反応部と、
    前記第3溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第3流量調整部により流量を調整すると共に前記第3供給部により供給する溶液の供給圧力を調整する第2制御部と、を更に備える請求項1~のいずれか1項に記載のポリアミック酸製造システム。
  6. 前記第2制御部は、前記第1重合溶液に含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸と、前記第3溶液に含まれるジアミン又はテトラカルボン酸二無水物とのモル比が所定範囲内になるように、前記第3供給部を制御する請求項5に記載のポリアミック酸製造システム。
  7. 前記第2制御部は、前記第1重合溶液の流量変動率と前記第3溶液の流量変動率との差が1%以下になるように、前記第3溶液の流量変動率を制御する請求項5又は6に記載のポリアミック酸製造システム。
  8. 前記第2反応部が、前記第2混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌する第2反応撹拌部を有する請求項5~7のいずれか1項に記載のポリアミック酸製造システム。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載のポリアミック酸製造システムと、
    前記ポリアミック酸製造システムにより製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化部と、を備えるポリイミド製造システム。
  10. 重付加性の第1重合性化合物を含む第1溶液と、前記第1重合性化合物と重付加する重付加性の第2重合性化合物を含む第2溶液とを原料としてポリアミック酸を製造するポリアミック酸の製造方法であって、
    前記第1溶液を供給する第1供給工程と、
    前記第2溶液を供給する第2供給工程と、
    前記第1溶液と前記第2溶液とを混合して第1混合溶液を生成する第1混合工程と、
    前記第1溶液の流量を測定する第1測定工程と、
    前記第1溶液の流量を調整可能な第1流量調整工程と、
    前記第2溶液の流量を測定する第2測定工程と、
    前記第2溶液の流量を調整可能な第2流量調整工程と、
    前記第1混合溶液に含まれる前記第1重合性化合物と前記第2重合性化合物との重合反応を進行させてポリアミック酸を含む第1重合溶液を生成する第1反応工程と、
    前記第1溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第1流量調整工程により流量を調整すると共に前記第1供給工程により供給する溶液の供給圧力を調整し、前記第2溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第2流量調整工程により流量を調整すると共に前記第2供給工程により供給する溶液の供給圧力を調整する第1制御工程と、を含むポリアミック酸の製造方法。
  11. 前記第1制御工程では、前記第1溶液に含まれる前記第1重合性化合物と前記第2溶液に含まれる前記第2重合性化合物とのモル比が所定範囲内になるように、前記第1供給工程及び/又は前記第2供給工程を制御する請求項10に記載のポリアミック酸の製造方法。
  12. 前記第1制御工程では、前記第1溶液の流量変動率と前記第2溶液の流量変動率との差が1%以下になるように、前記第1溶液及び/又は前記第2溶液の流量変動率を制御する請求項10又は11に記載のポリアミック酸の製造方法。
  13. 前記第1反応工程が、前記第1混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌する第1反応撹拌工程を含む請求項10~12のいずれか1項に記載のポリアミック酸の製造方法。
  14. 前記第1重合溶液に含まれるポリアミック酸が酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸であり、
    前記第1重合溶液に含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸に重付加するジアミン又はテトラカルボン酸二無水物を含む第3溶液を供給する第3供給工程と、
    前記第1重合溶液と前記第3溶液とを混合して第2混合溶液を生成する第2混合工程と、
    前記第1重合溶液の流量を測定する重合溶液流量測定工程と、
    前記第3溶液の流量を測定する第3流量測定工程と、
    前記第3溶液の流量を調整可能な第3流量調整工程と、
    前記第2混合溶液に含まれる前記第1重合溶液からの酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸と、前記第3溶液からのジアミン又はテトラカルボン酸二無水物との重合反応を進行させてポリアミック酸を含む第2重合溶液を生成する第2反応工程と、
    前記第3溶液の流量変動率が3%以下になるように、前記第3流量調整工程により流量を調整すると共に前記第3供給工程により供給する溶液の供給圧力を調整する第2制御工程と、を更に含む請求項10~13のいずれか1項に記載のポリアミック酸の製造方法。
  15. 前記第2制御工程では、前記第1重合溶液に含まれる酸無水物基末端又はアミノ基末端のポリアミック酸と、前記第3溶液に含まれるジアミン又はテトラカルボン酸二無水物とのモル比が所定範囲内になるように、前記第3供給工程を制御する請求項14に記載のポリアミック酸の製造方法。
  16. 前記第2制御工程では、前記第1重合溶液の流量変動率と前記第3溶液の流量変動率との差が1%以下になるように、前記第3溶液の流量変動率を制御する請求項14又は15に記載のポリアミック酸の製造方法。
  17. 前記第2反応工程が、前記第2混合溶液を気体に接触しない状態で撹拌する第2反応撹拌工程を含む請求項14~16のいずれか1項に記載のポリアミック酸の製造方法。
  18. 請求項10~17のいずれか1項に記載の製造方法によりポリアミック酸を製造するポリアミック酸製造工程と、
    前記ポリアミック酸製造工程において製造されたポリアミック酸をイミド化するイミド化工程と、を含むポリイミドの製造方法。
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