JP2022101169A - ガラス成型用炭素質型材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、原料ガラスを溶融させて成型する際に、得られるガラスの離型性及び外観が良好であり、かつ容易に所望の形状に製造できる、新規な炭素質型材を提供する。【解決手段】本発明のガラス成型用炭素質型材は、ガラス状炭素で構成されている、炭素質型材であって、前記炭素質型材中に分散している、平均細孔径700nm以下の気孔で構成されている連通孔を有する、ガラス成型用炭素質型材である。【選択図】なし

Description

本発明は、原料ガラスを溶融させて成型するためのガラス成型用炭素質型材に関する。
炭素、黒鉛などのカーボン材料は、高温下でも軟化変形を生じない耐熱安定特性を生かして冶金用のルツボ、型枠、治具等を構成する基材として広く用いられている。また、近年では、炭素、黒鉛などのカーボン材料は、ガラスを成型するための治具のための材料として実用されている。
このガラス成型用の治具に用いるカーボン材には、機械的強度が高く、かつ成型したガラス面が良好な仕上がり状態を現出するに十分な組織の緻密性が要求されるため、従来、高密度の黒鉛材料が適用されている。ところが、通常の黒鉛材料は粉体原料をバインダーとともに成形したのち焼成及び黒鉛化処理を施して生産されるので、使用中に治具から微細な黒鉛粉末が離脱して成型ガラスを汚損する欠点がある。このような問題を避けるためには、成型ガラスに煩雑な洗浄処理を施して付着した黒鉛粉末を除去する余分な処理工程が必要となる。
かかる課題を解決するため、特許文献1及び2では、ガラス状炭素で構成されているガラス成型用の炭素質の治具が開示されている。
また、特許文献3では、黒鉛からなり、第1及び第2の領域から外表面が構成されている、ガラス成型用の型が開示されている。第1の領域は、ガラス成型用の型の上面に位置しており、ガラスシートの載置部を構成している。第2の領域は、ガラス成型用の型の外表面のうちの第1の領域を除く領域であり、かつガラス成型用の型内部の載置部の直下まで延びる非貫通のガス排出口を有するとともに、気体不浸透性被膜を有している。載置部には、吸引孔が形成されていない。
特許文献4では、ガラス状カーボン製の成型用の型を用いた、ガラス製マイクロレンズアレイの製造方法が開示されている。
特開平4-219332号公報 特開平7-215724号公報 特許第6670632号公報 特開2006-111491号公報
本発明では、原料ガラスを溶融させて成型する際に、得られるガラスの離型性及び外観が良好であり、かつ容易に所望の形状に製造できる、新規な炭素質型材を提供する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉原料ガラスを溶融させて成型するためのガラス成型用炭素質型材であって、
前記炭素質型材中に分散している、平均細孔径700nm以下の気孔で構成されている連通孔を有する、
ガラス成型用炭素質型材。
〈態様2〉最大内接球直径が5mm以上である、態様1に記載の炭素質型材。
〈態様3〉JIS K 7074に準拠する曲げ強さが50~250MPaである、態様1又は2に記載の炭素質型材。
〈態様4〉JIS K 7074に準拠する曲げ弾性率が10~35GPaである、態様1~3のいずれか一項に記載の炭素質型材。
〈態様5〉前記ガラス状炭素中に分散している、炭素質紛体を更に含有している、態様1~4のいずれか一項に記載の炭素質型材。
〈態様6〉硬化性樹脂、消失性物質、及び溶媒を混合することによりこれらを相溶させて、前駆体組成物を作製すること、並びに
前記前駆体組成物を非酸化雰囲気下で熱処理して、前記硬化性樹脂を炭素化させて前記炭素質型材の本体を形成し、かつ前記消失性物質を消失させて、前記炭素質型材の気孔を形成すること
を含む、原料ガラスを溶融させて成型するためのガラス成型用炭素質型材の製造方法。
本発明によれば、原料ガラスを溶融させて成型する際に、得られるガラスの離型性及び外観が良好であり、かつ容易に所望の形状に製造できる、新規な炭素質型材を提供することができる。
《ガラス成型用炭素質型材》
本発明のガラス成型用炭素質型材は、
原料ガラスを溶融させて成型するためのガラス成型用炭素質型材であって、
前記炭素質型材中に分散している、平均細孔径700nm以下の気孔で構成されている連通孔を有する、
ガラス成型用炭素質型材である。
ここで、本発明において、「原料ガラス」とは、溶融させて成型する前のガラスを意味している。原料ガラスは、種々の形態であってよく、例えば粉末の形態であってよい。
上記の構成を有する本発明の炭素質型材は、原料ガラスを溶融させて成型する際に、得られるガラスの離型性及び外観が良好であり、かつ容易に所望の形状に製造することができる。
炭素質型材の最大内接球直径、例えば炭素質型材の厚さは、5mm以上、7mm以上、10mm以上、13mm以上、15mm以上、18mm以上、又は20mm以上であることができ、また100mm以下、90mm以下、80mm以下、70mm以下、60mm以下、50mm以下、40mm以下、35mm以下、30mm以下、又は25mm以下であることができる。炭素質型材の最大内接球直径が大きいことは、この炭素質型材の寸法が大きいことを意味している。
上記の内接球直径によれば、炭素質型材の形状の高い自由度を得ることができる。
炭素質型材の密度は、1.1g/cm以上、又は1.2g/cm以上であってよく、また1.8g/cm以下、1.7g/cm以下、1.6g/cm以下、1.5g/cm以下、1.4g/cm以下、又は1.3g/cm以下であってよい。この密度は、JIS Z 8807に準拠して測定した密度であってよい。
本発明の炭素質型材の気孔の直径は、0nm超、1nm以上、3nm以上、5nm以上、8nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、30nm以上、40nm以上、50nm以上、60nm以上、70nm以上、80nm以上、又は90nm以上であることが、原料ガラスを溶融させて成型する際に発生するガスを逃がし、その結果、得られるガラスの凹凸を抑制する観点から好ましい。この気孔の直径は、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、220nm以下、200nm以下、180nm以下、150nm以下、130nm以下、又は110nm以下であることが、炭素質型材を用いて得られるガラスの離型性を良好にし、かつ良好な機械的強度を確保する観点から好ましい。この気孔の平均細孔径は、水銀圧入法により測定した平均の直径である。
水銀圧入法による測定は、炭素質型材を100℃で3時間乾燥する前処理を施し、測定機器、例えばAutoPoreIV 9520(Micromeritics社)を用いて、以下の条件で行うことができる:
測定範囲:約4nm~500μm
解析方法:Washburn法
表面張力:480dynes/cm、
接触角:140°。
上記の構成を有する炭素質型材のJIS K 7074に準拠する曲げ強さは、50MPa以上、60MPa以上、70MPa以上、80MPa以上、90MPa以上、100MPa以上、又は110MPa以上であることができる。また、この曲げ強さは、250MPa以下、240MPa以下、230MPa以下、220MPa以下、210MPa以下、200MPa以下、190MPa以下、180MPa以下、160MPa以下、150MPa以下、140MPa以下、又は130MPa以下であることができる。
ここで、曲げ強さは、JIS K 7074に準拠して測定するものである。具体的には、両端を単純支持された試験片の1点に荷重(3点曲げ)を加え、所定の試験速度で試験片をたわませて得られた破壊時加重又は最大荷重を用いて、以下の式で求められる曲げ弾性率σ(MPa)を言うものである。
σ=(3PL)/(2bh
式中、Lは支点間距離(mm)、bは試験片の幅(mm)、hは試験片の厚さ(mm)、Pbは破壊時加重又は最大荷重(N)を意味する。ここで、試験片を任意の大きさに切り分けて測定を行うことができることに留意されたい。
上記の構成を有する炭素質型材のJIS K 7074に準拠する曲げ弾性率は、10GPa以上、11GPa以上、12GPa以上、13GPa以上、14GPa以上、15GPa以上、又は16GPa以上であることができる。また、この曲げ弾性率は、35GPa以下、33GPa以下、30GPa以下、29GPa以下、28GPa以下、26GPa以下、24GPa以下、22GPa以下、又は20GPa以下であることができる。
ここで、曲げ弾性率は、JIS K 7074に準拠して測定するものである。具体的には、両端を単純支持された試験片の1点に荷重(3点曲げ)を加え、所定の試験速度で試験片をたわませて荷重-たわみ曲線を記録し、荷重-たわみ曲線の直線部の初期の勾配を用いて、以下の式で求められる曲げ弾性率Eb(MPa)を言うものである。
=(1/4)×(L/bh)×(P/δ)
式中、Lは支点間距離(mm)、bは試験片の幅(mm)、hは試験片の厚さ(mm)、P/δは、荷重-たわみ曲線の直線部の勾配(N/mm)を意味する。ここで、試験片を任意の大きさに切り分けて測定を行うことができることに留意されたい。
本発明の炭素質型材の、JIS Z 2246:2000に準拠するショア硬さは、75Hs以上、80Hs以上、85Hs以上、90Hs以上、95Hs以上、100Hs以上、又は105Hs以上であることができ、また140Hs以下、130Hs以下、又は125Hs以下であることができる。
本発明の炭素質型材は、炭素質紛体を更に含有していてよい。
本発明の炭素質型材は、例えば硬化性樹脂、消失性物質、及び溶媒を含有している前駆体組成物を炭素化させることにより得ることができる。この炭素質型材は、ガラス状炭素及び/又は黒鉛で、特にガラス状炭素で構成されていてよい。詳細には、炭素質型材の製造方法に関して説明する。
以下では、本発明の各構成要素について説明する。
〈炭素質紛体〉
炭素質紛体は、炭素中に分散している炭素粒子であってよい。
炭素粒子としては、例えば非晶質炭素粉末、グラフェン、カーボンナノチューブ、黒鉛、及びカーボンブラック等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また組み合わせて使用してもよい。
炭素粒子の形状は、特に限定されず、例えば扁平状、アレイ状、球状等の形状であってよい。
炭素粒子の平均粒子径は、10nm以上、20nm以上、30nm以上、50nm以上、70nm以上、100nm以上、200nm以上、300nm以上、500nm以上、700nm以上、1μm以上、2μm以上、又は3μm以上であることができ、また20μm以下、18μm以下、15μm以下、13μm以下、10μm以下、又は7μm以下であることができる。ここで、本明細書において、平均粒子径は、レーザー回折法において体積基準により算出されたメジアン径(D50)を意味するものである。炭素粒子の平均粒子径が10nm以上であることにより、分散を容易とし、かつ増粘を抑制し、その結果、型への充填及び脱泡処理を容易にすることができる。また、炭素粒子の平均粒子径が20μm以下であることにより、炭素粒子の沈降を抑制し、その結果、分散を容易にすることができる。
炭素質型材中の炭素質紛体の含有率は、炭素質型材全体の質量を基準として、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、又は15質量%以下であることができ、また、5質量%以上、7質量%以上、又は10質量%以上であることができる。炭素質紛体の含有量が50質量%以下であることにより、炭素質型材の成形をより容易に行うことができる。また、炭素質紛体の含有量が5質量%以上であることにより、炭素質型材の良好な機械的性質を確保することができる。
《炭素質型材の製造方法》
炭素質型材を製造する本発明の方法は、
硬化性樹脂、消失性物質、及び溶媒を混合することによりこれらを相溶させて、前駆体組成物を作製すること、並びに
前記前駆体組成物を非酸化雰囲気下で熱処理して、前記硬化性樹脂を炭素化させて前記炭素質型材の本体を形成し、かつ前記消失性物質を消失させて、前記炭素質型材の前記気孔を形成すること
を含む。
また、本発明の方法は、前駆体組成物を炭素化させて得た炭素質型材を、所望の形状に切削することを更に含んでもよい。
また、本発明の方法は、前駆体組成物を炭素化させて得た炭素質型材の表面を研磨することを更に含んでもよい。
従来、最大内接球直径が5mm以上である炭素質型材を製造しようとした場合には、硬化の段階や炭素化の初期段階において、大量の低分子量物質が生成することにより、体積が大きく収縮し、かつこの低分子量物質からなるガスが内部に蓄積されるため、クラックが発生しやすいという問題があった。作製しようとする炭素質型材の最大内接球直径が大きくなればなるほど、成形体の表面から遠い(深い)場所で発生するガスが多くなり、それによって、体積の収縮及びガスの発生量が大きくなり、その結果、炭素化の段階において炭素前駆体に加わる応力が大きくなり、クラック等が発生しやすくなる。
これに対し、本発明者らは、上記の方法により、最大内接球直径が5mm以上である炭素質型材を製造できることを見出した。具体的には、硬化性樹脂、消失性物質及び溶媒が相溶していることにより、炭素化の段階において、炭素前駆体の内部からガスを逃がすことができるパスを、炭素前駆体全体に偏りなく形成でき、その結果、ガスの蓄積に伴う応力を良好に抑制することができるため、クラックを生じさせることなく、上記の炭素質型材を製造できる。
〈前駆体組成物の作製〉
前駆体組成物の作製は、硬化性樹脂、消失性物質、及び溶媒を混合することによりこれらを相溶させて行う。
混合は、ディスパー等の公知の攪拌手段で行うことができる。
〈前駆体組成物の成形〉
前駆体組成物の成形は、前駆体組成物を型に投入して硬化させることにより行うことができる。
〈前駆体組成物の熱処理〉
前駆体組成物の熱処理は、前駆体組成物を非酸化雰囲気下で熱処理して、硬化性樹脂を炭素化させて炭素質型材の本体を形成し、かつ消失性物質を消失させて、炭素質型材の前記気孔を形成することである。
熱処理は、例えば800℃以上、850℃以上、又は900℃以上であり、かつ3000℃以下、2800℃以下、2500℃以下、2200℃以下、2000℃以下、1800℃以下、1600℃以下、1500℃以下、1400℃以下、1300℃以下、1200℃以下、1150℃以下、1100℃以下、1050℃以下、又は1000℃以下の温度まで昇温させて行うことができる。
以下では、炭素質型材を製造する本発明の方法において用いる物について説明する。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂は、概して、3次元架橋して硬化する樹脂である。特に、本発明の硬化性樹脂は、非酸化雰囲気下で1000℃まで加熱したときに熱分解することなく炭素化可能であり、かつ炭素化収率(残炭率)が40%以上である硬化性樹脂を用いることが好ましい。
かかる硬化性樹脂としては、例えばフラン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フラン-フェノール系樹脂、フェノール変性フラン共縮合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン-尿素系樹脂などの硬化前駆体を一種又は二種以上用いることができる。
(硬化剤)
例えば、硬化性樹脂として、フラン樹脂、フェノール-フラン系樹脂、フラン-尿素系樹脂を用いる場合においては、硬化剤としては、例えばパラトルエンスルホン酸等の有機スルホン酸系硬化剤を用いることができる。
(消失性物質)
消失性物質は、所与の熱分解温度で、熱分解により消失することができる物質、特に有機物である。
この熱分解温度は、昇温速度10℃/min、窒素雰囲気下でのTG測定により求めることができる。具体的には、各測定温度Tに於ける質量減少率W(%)において、各温度でのdW/dTを求めプロットしたときのdW/dTのピーク温度を物質の熱分解温度とすることができる。
消失性物質の熱分解温度は、上記の硬化性樹脂が炭素化する温度よりも低い温度であることが好ましく、例えば500℃以下、480℃以下、450℃以下、又は420℃以下であることが好ましい。熱分解温度が上記の温度であることにより、硬化性樹脂の炭化温度域において発生する、低分子量物質から成るガスを抜くためのパスを良好に構築することができる。
また、この熱分解温度は、300℃以上、320℃以上、350℃以上、又は380℃以上であることが好ましい。熱分解温度が300℃以上であることにより、炭素化の初期温度において大量の低分子量物質を生じることによる、前駆体組成物の急激な収縮を抑制し、その結果、上記のパスが閉じることを抑制することができる。
消失性物質としては、例えばポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン、及びポリエチレングリコール等を用いることができる。
特に、消失性物質としてポリエチレングリコールを用いる場合には、消失性物質の分子量は、400以上、600以上、800以上、1000以上、3000以上、5000以上、8000以上、10000以上、12000以上、14000以上、又は17000以上であり、かつ100000以下、90000以下、80000以下、70000以下、60000以下、50000以下、45000以下、40000以下、35000以下、30000以下、又は25000以下であることが、熱分解温度を上記の範囲内とする観点から好ましい。なお、分子量が異なる消失性物質を混合させて用いる場合には、各成分の含有率で重みづけした分子量の加重平均が、上記の範囲内にあってよい。
消失性物質の含有率は、前駆体組成物の固形分の質量を基準として、0質量%超、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、又は4質量%以上であることが、上記のパスを良好に形成する観点から好ましく、また10質量%以下、9質量%以下、8質量%以下、7質量%以下、6質量%以下、又は5質量%以下であることが、炭素質型材の機械的強度を良好にする観点から好ましい。ここで、「前駆体組成物の固形分の質量」は、硬化性樹脂及び消失性物質の合計質量を意味するものである。
(溶媒)
本発明の溶媒は、硬化性樹脂及び消失性物質と相溶することができる溶媒である。ここで、本明細書において、「相溶」とは、硬化前の前駆体組成物を光学顕微鏡で100倍以上に拡大して観察したときに、未溶解物が確認できない状態を意味するものである。
溶媒の沸点は、150℃以上であることが、消失性物質との相溶状態を長く維持し、その結果、良好にパスを形成する観点から好ましい。この沸点は、150℃以上、160℃以上、170℃以上、180℃以上、190℃以上、又は200℃以上であってよく、また300℃以下、280℃以下、又は250℃以下であってよい。
溶媒としては、例えばベンジルアルコール等のアルコール、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)等の非プロトン系極性溶媒、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量600以下のポリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(ソルフィット)等のグリコールエーテル等が挙げられる。これらを一種又は二種以上混合して用いても良い。
上記の溶解度パラメータの条件を満足する硬化性樹脂/熱分解性有機物/溶媒の組合せとしては、例えば以下の組合せを採用することができる:
フラン樹脂/ポリエチレングリコール/ベンジルアルコール+テトラエチレングリコール、フラン樹脂/ポリエチレングリコール/ベンジルアルコール+トリエチレングリコール、フラン樹脂/ポリエチレングリコール/ベンジルアルコール+ジエチレングリコール、フラン樹脂/ポリビニルピロリドン/ベンジルアルコール+テトラエチレングリコール、フェノール樹脂/ポリエチレングリコール+PVB/テトラエチレングリコール+ベンジルアルコール、フラン樹脂/ポリエチレングリコール/NMP。
これらは一例で、均一な相溶状態の組合せで有れば採用することができる。
〈炭素質型材の切削〉
炭素質型材の切削は、公知の方法を用いて行うことができる。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《炭素質型材の作製》
〈実施例1〉
硬化性樹脂としてのフラン樹脂(VF303、日立化成社)120質量部、消失性物質としての分子量11000のポリエチレングリコール(PEG)(熱分解温度426℃)14質量部、並びに溶媒としてのベンジルアルコール(BA)(沸点205℃)40質量部及びテトラエチレングリコール(TEG)(沸点328℃)26質量部を配合し、ディスパー等で良く撹拌して均一な溶液を得た。消失性物質の含有率は、前駆体組成物の固形分の質量を基準として、10質量%であった。
得られた溶液に、硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸(PTS)2質量部を添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ25mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1000℃の温度まで熱処理して炭素成形体を得た。
得られた炭素成形体では、連通孔を構成する細孔の、水銀圧入法により測定した平均細孔径は、80nm程度であり、曲げ強さは80MPaであり、曲げ弾性率が19GPaであった。得られた成型体をラップ研磨機で光沢が出るまで研磨し、次いで表面粗さ(Ra)を測定した。表面粗さは、0.03μmであった。
なお、水銀圧入法による測定は、炭素質型材を100℃で3時間乾燥する前処理を施し、測定機器(AutoPoreIV 9520、Micromeritics社)を用いて、以下の条件で行った:
測定範囲:約4nm~500μm
解析方法:Washburn法
表面張力:480dynes/cm、
接触角:140°。
〈実施例2〉
硬化性樹脂として、フラン樹脂(VF303、日立化成社)を126質量部、熱分解性有機物としての分子量20000のポリエチレングリコール(熱分解温度426℃)10質量部、溶媒としてのベンジルアルコール(沸点205℃)30質量部及びテトラエチレングリコール(沸点328℃)20質量部を配合し、ディスパー等で良く撹拌して均一溶液を得た。消失性物質の含有率は、前駆体組成物の固形分の質量を基準として、7質量%であった。
得られた溶液に、炭素質紛体としての黒鉛(鱗片状黒鉛、日本黒鉛社、平均粒子径5μm)を14質量部添加してビーズミル等で均一に分散した。得られた分散液に、硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸1質量部を添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ30mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1400℃の温度まで熱処理して炭素成形体を得た。
得られた炭素成形体では、連通孔を構成する気孔の平均細孔径は100nm程度であり、曲げ強さは100MPaであり、曲げ弾性率は20GPaであった。得られた成型体をラップ研磨機で光沢が出るまで研磨し、次いで表面粗さ(Ra)を測定した。表面粗さは、0.04μmであった。
〈比較例1〉
硬化性樹脂としてのフラン樹脂(VF303、日立化成社)に、硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸1質量部を添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ2mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1400℃の温度まで熱処理して炭素成形体を得た。
得られた炭素成形体は、細孔を有しない緻密質であった。また、この炭素成形体では、曲げ強さは120MPa、曲げ弾性率は28GPaであった。得られた成型体をラップ研磨機で光沢が出るまで研磨し、次いで表面粗さ(Ra)を測定した。表面粗さは、0.03μmであった。
〈比較例2〉
塩素化塩化ビニル樹脂粉体(HA-05K、積水化学工業)90質量部とフラン樹脂(VF303、日立化成)をボールミルで混合し、直径100mm厚さ20mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1000℃の温度まで熱処理して炭素成形体を得た。
得られた炭素成型体の連通孔を構成する気孔の平均細孔径は、15μmであった。
《評価》
得られた炭素成形体上に、原料ガラスとしてのホウケイ酸ガラス原料紛を敷き詰め、同じ炭素成形体をこの上に載置し、次いで窒素ガス中で900℃に加熱してガラス原料紛を溶融し、次いで室温まで冷やして、ガラス成型体を得た。
〈離型性〉
得られたガラス成型体を、炭素成形体から取り外す際に、抵抗を感じることなく離型できたか否か(離型性)を評価した。評価基準は以下のとおりである:
〇:抵抗を感じることなく離型できた。
×:離型の際に抵抗を感じた
〈外観〉
得られたガラス成型体の表面を目視により評価した。評価基準は以下のとおりである:
〇:表面が平滑であった。
×:表面が平滑ではなかった。
実施例及び比較例の構成及び評価結果を表1に示す。
Figure 2022101169000001
表1から、80~100nmの細孔径を有する実施例の炭素質型材によれば、離型性及び外観が良好なガラスが得られることが理解できよう。
また、実施例の炭素質型材は、比較例の炭素質型材よりも厚く成形できることから、所望の形状への成形が容易であることが理解できよう。
一方、連通孔を有していない比較例1の炭素質型材により得たガラスは、外観が良好ではなかった。これは、ガラス成型時に発生したガスが脱離しなかったことに起因すると考えられる。
また、細孔径が15μmであった比較例2の炭素質型材により得たガラスは、離型性及び外観が良好ではなかった。これは、細孔径が大きいことにより、溶融したガラスの一部が細孔に入り込んだことに起因すると考えられる。
以下では、本発明の炭素質型材を構成するガラス状炭素成形体、すなわち多孔質のガラス状炭素を含有している成形体の例を、参考例を参照して示す。
《参考例1》
硬化性樹脂としてのフラン樹脂(VF303、日立化成社)120質量部、消失性物質としての分子量11000のポリエチレングリコール(PEG)(熱分解温度426℃)14質量部、並びに溶媒としてのベンジルアルコール(BA)(沸点205℃)26質量部及びテトラエチレングリコール(TEG)(沸点328℃)40質量部を配合し、ディスパー等で良く撹拌して均一な溶液を得た。消失性物質の含有率は、前駆体組成物の固形分の質量を基準として、10質量%であった。
得られた溶液に、硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸(PTS)2質量部を添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ25mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1000℃の温度まで熱処理して直径80mm厚さ20mmのガラス状炭素成形体を得た。
得られたガラス状炭素成形体は、SEMによる画像解析法により測定した気孔の直径が50nm程度、曲げ強さが80MPa、曲げ弾性率が19GPa、音響インピーダンスが4.5Mraylであるガラス状炭素成形体であった。
《参考例2》
硬化性樹脂として、フラン樹脂(VF303、日立化成社)を126質量部、熱分解性有機物としての分子量20000のポリエチレングリコール(熱分解温度426℃)10質量部、溶媒としてのソルフィット(沸点174℃)20質量部及びトリエチレングリコール(TrEG)(沸点287℃)30質量部を配合し、ディスパー等で良く撹拌して均一溶液を得た。消失性物質の含有率は、前駆体組成物の固形分の質量を基準として、7質量%であった。
得られた溶液に、炭素質紛体としての黒鉛(鱗片状黒鉛、日本黒鉛社、平均粒子径5μm)を14質量部添加してビーズミル等で均一に分散した。得られた分散液に、硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸1質量部を添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ30mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1400℃の温度まで熱処理して、直径80mm厚さ25mmのガラス状炭素成形体を得た。
得られたガラス状炭素成形体は、SEMによる画像解析法により測定した気孔の直径が50nm程度、曲げ強さが96MPa、曲げ弾性率が17.5GPa、音響インピーダンスが4.4Mraylであるガラス状炭素成形体であった。
《参考例3》
硬化性樹脂としてのフラン樹脂(VF303、日立化成社)80質量部、熱分解性有機物としての分子量20000のポリエチレングリコール(熱分解温度426℃)2質量部及び分子量600のポリエチレングリコール(熱分解温度390℃)2質量部、溶媒としてのベンジルアルコール(沸点205℃)10質量部及びジエチレングリコール(DEG)(沸点244℃)10質量部を配合し、ディスパー等で良く撹拌して均一な溶液を得た。
得られた溶液に非晶質炭素粉末(平均粒子径10μm)を80質量部添加して、これをビーズミルやディスパー等で均一に分散させた。得られた分散液に硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸を3質量部添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ30mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1000℃の温度まで熱処理して直径80mm厚さ25mmのガラス状炭素成形体を得た。
得られたガラス状炭素成形体は、SEMによる画像解析法により測定した気孔の直径が50nm程度、曲げ強さが115MPa、曲げ弾性率が24GPa、音響インピーダンスが5.3Mraylだった。
《参考比較例1》
硬化性樹脂としてのフラン樹脂(VF303、日立化成社)120質量部、溶媒としてのベンジルアルコール(沸点205℃)26質量部及びテトラエチレングリコール(沸点328℃)40質量部を配合し、ディスパー等で良く撹拌して均一な溶液を得た。
得られた溶液に、硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸1質量部を添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ30mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1400℃の温度まで熱処理したところ、大きなクラックと内部に細かなクラックが入り、ガラス状炭素成形体が得られなかった。この為、細孔径、曲げ強さ、曲げ弾性率、及び音響インピーダンスの測定はできなかった。
《参考比較例2》
硬化性樹脂としてのフラン樹脂(VF303、日立化成社)70質量部、熱分解性有機物としてのポリメチルメタクリレート(PMMA)(粒子径5μm、熱分解温度400℃)20質量部、及び炭素質紛体としての黒鉛(鱗片状黒鉛、日本黒鉛社、平均粒子径5μm)10質量部を添加してビーズミルやディスパー等で均一に分散させた。
得られた分散液に、硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸を1質量部添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ30mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1000℃の温度まで熱処理したところ、炭化物にクラックが入り、ガラス状炭素成形体は得られなかった。この為、曲げ強さ、曲げ弾性率、及び音響インピーダンスの測定はできなかった。
《参考比較例3》
硬化性樹脂としてのフラン樹脂(VF303、日立化成社)126質量部、溶媒としてのソルフィット(沸点174℃)20質量部及びトリエチレングリコール(沸点287℃)30質量部を配合し、ディスパー等で良く撹拌して均一な溶液を得た。
得られた溶液に、炭素質紛体としての黒鉛(鱗片状黒鉛、日本黒鉛社、平均粒子径5μm)を10質量部添加してビーズミルやディスパーなどで均一に分散させた。得られた分散液に、硬化剤としてのパラトルエンスルホン酸1質量部を添加し、更に撹拌して均一化したものを減圧脱泡処理して、前駆体組成物を得た。この前駆体組成物を、直径100mm厚さ30mmの型に充填して硬化させた。硬化させた前駆体組成物を型から外し、窒素ガス雰囲気下で、1000℃の温度まで熱処理したところ、炭化物にクラックが入り、ガラス状炭素成形体は得られなかった。この為、曲げ強さ、曲げ弾性率、及び音響インピーダンスの測定はできなかった。
参考例及び参考比較例の各構成及び評価結果を表1に示す。なお、表1の「溶液状態」においては、硬化前でかつ炭素質紛体の添加前の前駆体組成物を光学顕微鏡で100倍以上に拡大して観察したときに、未溶解物が確認できない場合には、「相溶」と記載しており、そうではない場合には、「非相溶」と記載している。
Figure 2022101169000002
硬化性樹脂、消失性物質、及び溶媒が相溶している前駆体組成物を用いた参考例1~3では、厚さ20~25mmのガラス状炭素成形体が作製できた。
これに対し、消失性物質を含有していない前駆体組成物を用いた参考比較例1及び3、並びに溶媒を含有していない前駆体組成物を用いた参考比較例2では、厚さ20mm以上のガラス状炭素成形体が作製できなかった。

Claims (6)

  1. 原料ガラスを溶融させて成型するためのガラス成型用炭素質型材であって、
    ガラス状炭素で構成されており、
    前記炭素質型材中に分散している、平均細孔径700nm以下の気孔で構成されている連通孔を有する、
    ガラス成型用炭素質型材。
  2. 最大内接球直径が5mm以上である、請求項1に記載の炭素質型材。
  3. JIS K 7074に準拠する曲げ強さが50~250MPaである、請求項1又は2に記載の炭素質型材。
  4. JIS K 7074に準拠する曲げ弾性率が10~35GPaである、請求項1~3のいずれか一項に記載の炭素質型材。
  5. 前記ガラス状炭素中に分散している、炭素質紛体を更に含有している、請求項1~4のいずれか一項に記載の炭素質型材。
  6. 硬化性樹脂、消失性物質、及び溶媒を混合することによりこれらを相溶させて、前駆体組成物を作製すること、並びに
    前記前駆体組成物を非酸化雰囲気下で熱処理して、前記硬化性樹脂を炭素化させて前記炭素質型材の本体を形成し、かつ前記消失性物質を消失させて、前記炭素質型材の気孔を形成すること
    を含む、原料ガラスを溶融させて成型するためのガラス成型用炭素質型材の製造方法。
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