JP2022099128A - 床材 - Google Patents

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Tadahiro Fujisawa
祐 新井
Yu Arai
俊也 田中
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Abstract

【課題】抗菌剤および抗ウイルス剤の含有量が比較的少量でも抗菌性および抗ウイルス性を有し、かつこれらの効果を持続可能であり、さらに消臭性を有する多機能な床材を提供する。【解決手段】下層側から上層側に向かって、発泡層、透明樹脂層、および表面硬化層をこの順に有する床材であって、前記表面硬化層は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、抗ウイルス剤:0.1~5質量部、抗菌剤:0.1~2質量部、および消臭剤:5~15質量部をそれぞれ含み、前記表面硬化層の厚さは0.01~0.03mmである、床材。【選択図】図1

Description

本発明は、抗ウイルス性、抗菌性および消臭性等を有する多機能な床材に関する。
これまで、建築物等に用いられる床材として、例えば特許文献1に記載の床材のように、抗菌性を有する床材が開発されている。このような床材によれば、細菌の増殖を抑制し、細菌に起因する感染症を抑制することができる。
感染症には、細菌に起因するものだけでなく、ウイルスに起因するものもあり、昨今のウイルス性感染症の流行から、床材には抗菌性だけでなく、抗ウイルス性、すなわちウイルスを不活性化する性能も求められている。
抗ウイルス性を有する建材として、例えば特許文献2には、ポリ塩化ビニル系樹脂と、可塑剤と、スルホン酸系界面活性剤と、無機系抗ウイルス剤と、を含有する抗ウイルス性ポリ塩化ビニル系樹脂組成物を用いて成形され、壁紙や床材に使用可能な内装シートが開示されている。
また、特許文献3には、抗ウイルス剤(ウイルス感染阻止化合物)と合成樹脂を含有する樹脂組成物を、基材上に積層一体化した床材等が開示されている。
特開2019-60119号公報 特開2018-188571号公報 特開2013-193966号公報
しかし、細菌とウイルスとは構造や増殖方法が全く異なるため、特許文献1に記載の床材のように抗菌性を有する床材であっても、抗ウイルス性を発揮することはできず、一方、特許文献2に記載の内装シートおよび特許文献3に記載の床材では、抗菌性を発揮することはできなかった。
さらに、特許文献2に記載の内装シートで使用されている抗ウイルス性ポリ塩化ビニル系樹脂組成物は、可塑剤によるブリードが生じて抗ウイルス性の耐久性、持続性が低下するおそれがあった。特許文献3に記載の実施例によると、抗ウイルス性(ウイルス感染阻止効果)を得るには、抗ウイルス剤を5重量%以上と大量に樹脂組成物に含有させることが必要であった。
また、抗ウイルス性と抗菌性とを兼ね備える床材についてはこれまでに十分な検討が行われていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、抗菌剤および抗ウイルス剤の含有量が比較的少量でも抗菌性および抗ウイルス性を有し、かつこれらの効果を持続可能であり、さらに消臭性を有する多機能な床材を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討した結果、上記目的は、以下の発明により達成されることを見出した。
本発明の一局面に係る床材は、下層側から上層側に向かって、発泡層、透明樹脂層、および表面硬化層をこの順に有する床材であって、前記表面硬化層は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、抗ウイルス剤:0.1~5質量部、抗菌剤:0.1~2質量部、および消臭剤:5~15質量部をそれぞれ含み、前記表面硬化層の厚さは0.01~0.03mmである。
本発明によれば、抗菌剤および抗ウイルス剤の含有量が比較的少量でも抗菌性および抗ウイルス性を有し、かつこれらの効果を持続可能であり、さらに消臭性を有する多機能な床材を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る床材の断面概略図である。
以下、本発明の一実施形態に係る床材について説明する。
本実施形態に係る床材は、下層側から上層側に向かって、発泡層、透明樹脂層、および表面硬化層をこの順に有し、表面硬化層は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、抗ウイルス剤:0.1~5質量部、抗菌剤:0.1~2質量部、および消臭剤:5~15質量部をそれぞれ含み、表面硬化層の厚さは0.01~0.03mmである。そのため、本実施形態にかかる床材は、抗菌剤および抗ウイルス剤の含有量が比較的少量でも抗菌性および抗ウイルス性を有し、かつこれらの効果を持続可能であり、さらに消臭性を有する。
以下では、床材を構成する各層について、表面硬化層、透明樹脂層、発泡層の順に説明する。
(表面硬化層)
表面硬化層は、床材に抗ウイルス性、抗菌性および消臭性を付与するために設けられる。本実施形態に係る表面硬化層は、ウレタンアクリレートとアクリレートを主成分とし、抗ウイルス剤、抗菌剤および消臭剤を含む。
表面硬化層の主成分の一つであるウレタンアクリレートは、適度な柔軟性を有し、クラックが生じにくい樹脂であり、良好な耐クラック性を有する。ウレタンアクリレートの柔軟性は、官能基の数によっても影響される。官能基の数が多いほど表面硬化層が硬く、脆くなり、耐クラック性が低下する。表面硬化層に適度な柔軟性を付与して耐クラック性を良好にするには、ウレタンアクリレートの官能基数は1~4であることが好ましい。
表面硬化層のもう一つの主成分であるアクリレートは、表面硬化層に艶消し性を付与する樹脂である。アクリレートによる艶消し性付与効果は、官能基の数によっても影響される。官能基の数が多いほどアクリレートが硬くなり、艶消し性が低下する。表面硬化層に適度な艶消し性を付与するには、アクリレートの官能基数は1または2であることが好ましい。
表面硬化層に耐クラック性および艶消し性を付与するには、ウレタンアクリレートの樹脂量とアクリレートの樹脂量の質量割合(ウレタンアクリレートの樹脂量:アクリレートの樹脂量)を40:60~70:30とすることが好ましく、50:50~65:35がより好ましい。
表面硬化層に含まれる抗ウイルス剤の量は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して0.1~5質量部とし、0.3質量部以上が好ましく、0.6質量部以上がより好ましく、3質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましい。
抗ウイルス剤は、例えばエーテル系化合物または有機酸誘導体を使用することができ、これらの両方を使用してもよい。エーテル系化合物は、例えばフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ビニルアルキルエーテル等を使用することができる。有機酸誘導体は、例えばスチレンポリマー誘導体、不飽和カルボン酸誘導体、スチレンスルホン酸誘導体等を使用することができる。
表面硬化層に含まれる抗菌剤の量は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して0.1~2質量部とし、0.2質量部以上が好ましく、1.2質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がより好ましい。
抗菌剤は、例えば、ニトリル系化合物、ピリジン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、有機ヨード系化合物、チアゾール系化合物、ベンズイミダゾール化合物、わさび成分(アリルイソチオシアネート)、銀(Ag)・亜鉛(Zn)・銅(Cu)などの無機系の化合物等を使用することができ、酸化銀-リン酸亜鉛カルシウム系化合物が好ましい。
また、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して抗ウイルス剤および抗菌剤を合計で1.0質量部以上含むことが好ましく、1.2質量部以上含むことがより好ましく、3.5質量部以下が好ましい。これにより、抗ウイルス剤または抗菌剤のうち一方の含有量が上記範囲のうちで比較的少なくても、良好な抗ウイルス性および抗菌性を共に発揮させることができる。
表面硬化層に含まれる消臭剤の量は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して5~15質量部とし、6質量部以上が好ましく、12質量部以下が好ましい。
消臭剤は、無機系化合物および有機系化合物のいずれも使用することができる。無機系化合物では、銀イオンや亜鉛イオンを有するケイ酸塩化合物、銀イオンや亜鉛イオンを有するリン酸塩化合物、銀イオンや亜鉛イオンを有するリン酸カルシウム化合物、活性炭、ホタテ貝殻を焼成した水酸化カルシウム等を消臭剤として使用することができる。
抗菌性、抗ウイルス性および消臭性をいずれも発揮させるため、表面硬化層の厚さは0.01~0.03mmとする。表面硬化層の厚さが0.01mmよりも薄くなると、抗菌性、抗ウイルス性および消臭性のいずれかが十分に得られないおそれがあり、また、十分な防汚性が得られないおそれもある。一方、表面硬化層の厚さが0.03mmよりも厚くなると、表面硬化層の靱性が低下して耐クラック性が劣化し、また、防炎性も劣化するおそれがある。
本実施形態に係る表面硬化層は、可塑剤を含有しない構成であり、可塑剤によるブリードが発生しないため、長期間にわたって抗ウイルス性を持続することができる。
表面硬化層には、その一部に(例えば、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して40質量%程度まで)ウレタンアクリレートとアクリレート以外の樹脂を含有させてもよい。このような樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を挙げることができる。また、表面硬化層中には、所定量の無機粒子、樹脂ビーズ、表面調整剤および光重合開始剤を含有させてもよい。
無機粒子を含有させることにより、床材に艶消し性を付与することができる。無機粒子の代表的なものとして、シリカ粒子が挙げられるが、酸化アルミニウム粒子や酸化チタン粒子等であってもよく、その1種または2種以上を用いることができる。無機粒子の平均粒径は、1~5μm程度であることが好ましい。
無機粒子の含有量は、例えばウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。また、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
表面硬化層に樹脂ビーズを含有させることにより、床材の耐摩耗性を向上させることができる。樹脂ビーズの種類としては、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂からなるものであってもよい。また、マトリックスの一部をなすウレタンアクリレートとの馴染み性が良好であることを考慮すると、ウレタンからなる樹脂ビーズであることが好ましい。樹脂ビーズは、ウレタンアクリレートに比べて硬いものであり、このような樹脂ビーズをウレタンアクリレート内に分散させることによって、表面硬化層の耐摩耗性を向上させることができる。
樹脂ビーズは基本的には球状であるが、必ずしも真球状である必要はなく、多少いびつな形状であっても良い。また、樹脂ビーズの平均粒径(いびつな形状の場合は、長径と短径の平均)は、特に限定されないが、床材の耐摩耗性を向上させるためには、5~15μm程度であることが好ましく、より好ましくは5~10μm程度である。
樹脂ビーズの含有量は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、1質量部以上とすることが好ましく、5質量部以上がより好ましい。しかしながら、樹脂ビーズの含有量が過剰になると、表面硬化層の硬度が高くなって脆くなり、表面硬化層にクラックが発生しやすくなる。したがって、樹脂ビーズの含有量は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、15質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましい。
表面硬化層に表面調整剤を含有させることにより、床材の防汚性を向上させることができる。すなわち、表面調整剤は、表面硬化層を形成する際に、コーティング剤に低い表面張力を与えるように作用し、コーティング剤に優れた均一塗布性を実現し、表面硬化層表面の平滑度を高めるため、床材の防汚性が優れたものとなる。
例えば、表面硬化層に微細な凹凸が存在したり、微細な疵が存在したりすると、キャスターなどの黒色ゴムが表面硬化層に付着しやすくなる。床材の防汚性とは、このような汚れがつきにくく、拭き掃除等の簡単なメンテナンスで汚れが落ちやすい特性を意味する。
防汚性を発揮させるためには、表面調整剤の含有量は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、1質量部以上とすることが好ましく、3質量部以上がより好ましい。しかしながら、表面調整剤の含有量が過剰になっても、表面硬化層の強度が低下して耐摩耗性が劣化するので、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、20質量部以下とすることが好ましく、12質量部以下がより好ましい。表面調整剤としては、代表的には、フッ素系紫外線硬化樹脂が挙げられる。
本実施形態に係る表面硬化層は、光重合開始剤を含有してもよい。光重合開始剤は、溶融状態にあるコーティング剤に対して、紫外線を照射することによってウレタンアクリレートの硬化を開始させ、ウレタンアクリレートを表面硬化層として形成する効果を発揮する。
こうした効果を発揮させるためには、光重合開始剤の含有量は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、0.5質量部以上とすることが好ましく、1質量部以上がより好ましい。しかしながら、光重合開始剤の含有量が過剰になっても、その効果が飽和するので、8質量部以下とすることが好ましく、7質量部以下がより好ましい。
本実施形態で用いる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、キサントン、3-メチルアセトフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4′-ジメトキシベゾフェノン、N,N,N′,N′-テトラメチル-4,4′-ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。
(透明樹脂層)
透明樹脂層は、表面硬化層を支持して表面硬化層における疵等の発生を抑制するために設けられる。透明樹脂層を設けず、表面硬化層だけで疵等の発生を抑制しようとすると、表面硬化層の厚さが厚くなり過ぎ、表面硬化層が硬くなり過ぎるとともに、コストアップを招くこととなる。
透明樹脂層の具体的な構成としては、例えば重合度が1000~1500程度のペーストPVCを主体とし、これにブレンドPVCを配合し、さらに可塑剤(例えば、フタル酸ジオクチル)を配合することによって構成される。透明樹脂層にPVCを使用することにより、床材に防炎性を付与することができる。
表面硬化層における疵等の発生を抑制するとともに、床材に防炎性を付与する効果を透明樹脂層に発揮させるため、透明樹脂層の厚さは例えば0.1mm以上が好ましく、0.12mm以上がより好ましい。また、透明樹脂層の厚さは例えば1.5mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましく、0.5mm以下がさらに好ましい。
(発泡層)
発泡層は床材に衝撃吸収性を付与するために設けられる。発泡層は、例えば重合度が1000~1500程度のペーストポリ塩化ビニル(以下「ペーストPVC」ともいう。)を主体とし、これにブレンドポリ塩化ビニル(以下「ブレンドPVC」ともいう。)を配合し、さらに可塑剤(例えば、フタル酸ジオクチル)、充填剤(重質炭酸カルシウム)および発泡剤を配合することによって構成される。発泡層にPVCを使用することにより、床材に防炎性を付与することができる。「ペーストPVCを主体とする」とは、発泡層(以下の各層についても同様)を構成する原料のうち、ペーストポリ塩化ビニルの質量比率が最も大きいことを意味する。
発泡剤をペーストPVC等に配合することによって、発泡層内に多数の独立気泡が形成され、床材の衝撃吸収性を高めることができる。発泡剤には、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルホドラジド、p-トルエンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等の熱分解型有機発泡剤を使用することができる。
発泡層によって床材に良好な衝撃吸収性を発揮させるには、発泡層における発泡倍率は3~5程度であることが好ましい。また、床材に良好な衝撃吸収性を発揮させ、床材に防炎性を付与する効果を発揮させるため、発泡層の厚さは、例えば0.5mm以上が好ましく、0.8mm以上がより好ましい。また、発泡層の厚さは、例えば5mm以下が好ましく、4mm以下がより好ましい。
衝撃吸収性とは、床材のクッション性に関する特性である。衝撃吸収性は、例えば、JIS A 6519で規定される「床の硬さ試験」に準じて測定した最大加速度(G値)で評価される。
また、本実施形態に係る床材において、表面硬化層の厚さを発泡層の厚さと透明樹脂層の厚さの合計で除した値は、0.05未満が好ましく、0.04以下がより好ましい。これにより、表面硬化層の厚さに対する発泡層と透明樹脂層の厚さの割合を高くし、床材におけるPVCを含む層の割合を高めることができ、床材の防炎性を向上させることができる。
本実施形態に係る床材は、発泡層、透明樹脂層、および表面硬化層の構成を規定するものであって、これら以外の構成(すなわち、他の積層構成)については何ら限定するものではないが、例えば下記のような構成を例示できる。
具体的には、例えば図1に示すように、床材1は、表面硬化層2の裏面に、透明樹脂層3、印刷層4、非発泡層5、補強層6、発泡層7、および不織布層8を備える。表面硬化層2、透明樹脂層3、および発泡層7の構成については上述の通りである。そのため、以下では印刷層4、非発泡層5、補強層6、および不織布層8について説明する。
(印刷層)
印刷層4は床材1に色彩や装飾を付与するために設けられる。印刷層4は、例えば、熱可塑性樹脂シートの表面に、木目調等の装飾を印刷して構成される。
(非発泡層)
非発泡層5は床材1に耐キャスター性を付与するために設けられる。非発泡層5は、例えば重合度が1000~1500程度のペーストPVCを主体とし、これにブレンドPVCを配合し、さらに可塑剤(例えば、フタル酸ジオクチル)と共に、充填剤(強化剤)としての重質炭酸カルシウムを配合することによって構成される。
非発泡層5によって床材1に耐キャスター性を発揮させるには、非発泡層5の厚さは、例えば0.1~1.5mm程度であることが好ましく、0.12~1.0mm程度がより好ましい。
耐キャスター性とは、キャスター付き機器の移動がある場所で使用される床材に要求される特性であり、キャスターによるねじり力に対する床材表面の耐性を意味する。耐キャスター性は、JIS A 1455に規定される「耐キャスター性試験A法」によって評価される。
(補強層)
補強層6は、床材1における反りの発生を抑制し、床材1の寸法安定性を高めるために設けられる。補強層6は、例えば重合度が1000~1500程度のペーストPVCを、補強材としてのガラス繊維製不織布に含浸することによって構成される。
補強層6に使用されるガラス繊維製不織布の目付量は30~80g/m程度が好ましく、32~60g/m程度がより好ましい。床材1の寸法安定性をより高めるには、ペーストPVCの含浸量は、200~500g/m程度が好ましく、250~450g/m程度がより好ましい。本実施形態に係る床材1は、補強層6および非発泡層5の少なくとも一方を有することが好ましい。
(不織布層)
不織布層8は、図1に示すように、床材1を床下地に接着剤9を用いて接着する際に、床材1と床下地材との接着強度を高めるために設けられる。不織布層8は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)繊維からなる不織布によって構成される。PET繊維からなる不織布の目付量は10~50g/m程度が好ましい。また、不織布層8は、ガラス繊維製の不織布(以下「ガラスペーパー」ともいう。)によって構成してもよい。ガラスペーパーの厚さは例えば0.2mmとすることができ、0.1~0.5mm程度が好ましい。
(製造方法)
本実施形態に係る床材1は、図1に示すように接着剤9によって床下地の表面に接着され、少なくとも抗ウイルス性、抗菌性および消臭性に優れた床構造を形成する。本実施形態に係る床材は、図1に示した構成に限らず、要求される特性に応じて、各層の積層順や積層数を変更することも可能である。また、図1に示したような積層構造を実現する方法には、特に限定はなく、通常用いられている方法によって積層することができる。
本実施形態に係る表面硬化層は、最終的に積層構造の最表面に形成される。この表面硬化層は、抗ウイルス剤、抗菌剤および消臭剤を含むことや、塗布性を考慮すると、ウレタンアクリレートおよびアクリレートを無溶媒型のコーティング剤として用いて形成することが好ましい。無溶媒型のコーティング剤を用いることによって、コーティング剤の相分離を招くことなく、コーティング剤中の抗ウイルス剤、抗菌剤および消臭剤を均一に分散させることができる。
ウレタンアクリレートおよびアクリレートを主成分として含むコーティング剤は、溶融させた状態で床材の最表面に塗布される。このコーティング剤は、光重合開始剤を含有しており、紫外線を照射することによって、ウレタンアクリレートが重合硬化し、本実施形態に係る床材1の表面硬化層2となる。
本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下にまとめる。
上述したように、本発明の一局面に係る床材は、下層側から上層側に向かって、発泡層、透明樹脂層、および表面硬化層をこの順に有する床材であって、前記表面硬化層は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、抗ウイルス剤:0.1~5質量部、抗菌剤:0.1~2質量部、および消臭剤:5~15質量部をそれぞれ含み、前記表面硬化層の厚さは0.01~0.03mmである。
この構成によれば、抗菌性および抗ウイルス性を有し、かつこれらの効果を持続可能であり、さらに消臭性を有する多機能な床材を得ることができる。
上記構成の床材において、前記抗ウイルス剤をエーテル系化合物または有機酸誘導体としてもよい。
この構成によれば、より抗ウイルス性に優れた床材を得ることができる。
上記構成の床材において、前記抗菌剤を酸化銀-リン酸亜鉛カルシウム系化合物としてもよい。
この構成によれば、より抗菌性に優れた床材を得ることかできる。
上記構成の床材において、前記表面硬化層が、前記抗ウイルス剤および前記抗菌剤を合計で1質量部以上含んでもよい。
この構成によれば、抗ウイルス性および抗菌性の両方により優れた床材を得ることができる。
上記構成の床材において、前記透明樹脂層の厚さを0.1~1.5mmとしてもよい。
この構成によれば、表面硬化層における疵等の発生をより抑制することができる。
上記構成の床材において、前記発泡層の厚さを0.5~5mmとしてもよい。
この構成によれば、床材に良好な衝撃吸収性を付与することができる。
上記構成の床材において、前記表面硬化層の厚さを、前記発泡層の厚さおよび前記透明樹脂層の厚さの合計で除した値が0.05未満としてもよい。
この構成によれば、床材に良好な防炎性を付与することができる。
上記構成の床材において、前記発泡層と前記透明樹脂層との間に、補強層および非発泡層の少なくとも一方を有するものとしてもよい。
この構成によれば、寸法安定性および耐キャスター性の少なくとも一方を有する床材を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含有される。
各層の成分組成および厚さを様々に変化させて図1に示す構成の床材1を作成し、その特性について評価を行った。
本実施例で使用した表面硬化層を構成する各成分の詳細は以下の通りである。
・ウレタンアクリレート:3官能脂肪族ウレタンアクリレート
・アクリレート:単官能(1官能)アクリレート(2-ヒドロキシエチルアクリレート)
・抗ウイルス剤:エーテル系化合物および有機酸誘導体
・抗菌剤:酸化銀-リン酸亜鉛カルシウム系化合物
・消臭剤:亜鉛イオンを有する珪酸塩化合物
・無機粒子:シリカ粒子(平均粒径5μm)
・樹脂ビーズ:ウレタンビーズ(平均粒径6μm)
・光重合開始剤:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
・表面調整剤:フッ素系紫外線硬化樹脂
上各記成分を用い、以下に示す方法により図1に示す表面硬化層2を形成した。
表1、2に示す成分割合(表中の成分の数値はすべて質量部を示す)で、各成分を混合し、無溶媒型で均一なコーティング剤を調製し、このコーティング剤を、図1に示す透明樹脂層3上に塗布して、表面硬化層2を、表1、2に示す厚さで形成した。
図1に示した積層構造を形成する他の層(表面硬化層2以外の層)の構成は、下記の通りである。
(透明樹脂層3)
(1)重合度が1000~1500のペーストPVC、60質量部
(2)ブレンドPVC、40質量部
(3)可塑剤:DOP(フタル酸ジオクチル)、50質量部
(4)厚さ:0.1~0.8mm(表1、2参照)
(印刷層4)
熱可塑性樹脂シートに、印刷したものを用いた。
(非発泡層5)
(1)重合度が1000~1500のペーストPVC、60質量部
(2)ブレンドPVC、40質量部
(3)可塑剤:DOP(フタル酸ジオクチル)、40質量部
(4)充填剤:重質炭酸カルシウム、60質量部
(5)厚さ:0.3mm
非発泡層5は、実施例10にのみ設けた。
(補強層6)
(1)重合度が1000~1500のペーストPVC、50質量部
(2)可塑剤:DOP(フタル酸ジオクチル)、30質量部
(3)補強材:ガラス繊維製不織布、目付量30/m、30質量部
(4)厚さ:0.3mm
補強層6は、実施例10にのみ設けた。
(発泡層7)
(1)重合度が1000~1500のペーストPVC、70質量部
(2)ブレンドPVC、30質量部
(3)可塑剤:DOP(フタル酸ジオクチル)、50質量部
(4)充填剤:重質炭酸カルシウム、30質量部
(5)発泡剤:ADCA(アゾジカルボンアミド)、0.4~1.5質量部(表1、2参照)
(6)発泡倍率:3.7倍
(7)厚さ:0.4~2.0mm(表1、2参照)
(不織布層8)
(1)PET繊維からなる不織布
(2)目付量:20g/m
Figure 2022099128000002
Figure 2022099128000003
上述のようにして得られた実施例1~14および比較例1~4の床材(試料)の特性について、以下の評価試験を行った。
[抗ウイルス性]
ISO21702「プラスチック及び非多孔質表面の抗ウイルス活性の測定」に準拠してウイルス感染価を測定した。測定したウイルス感染価に基づいて算出したウイルス減少量について下記の基準で抗ウイルス性を評価し、◎および○を合格、×を不合格とした。
◎:99.9%以上の減少
○:99%以上99.9%未満の減少
×:99%未満の減少
[抗菌性]
JIS Z 2801「抗菌加工製品-抗菌性試験方法」に準拠して生菌数を測定した。試料に接する前後での生菌数の変化量に基づき、下記の基準で抗菌性を評価し、◎および○を合格、×を不合格とした。
◎:99.9%以上の減少
○:99%以上99.9%未満の減少
×:99%未満の減少
[消臭性]
サンプリングバッグに試料と測定対象ガス(アンモニア)を入れ、24時間経過後のガス濃度を検知管で測定した。消臭性の評価は、24時間経過後のガス濃度の減少量が85%以上である場合を合格、85%未満である場合を不合格とした。
[防炎性]
作成した床材から切り出した長さ30cmの試料の一端を火にかざし、所定時間経過後に炭化した部分の長さ(炭化長)を測定した。測定した炭化長に基づき、下記の基準で防炎性を評価し、○を合格、×を不合格とした。
○:炭化長10cm以下
×:炭化長10cm超
[衝撃吸収性]
JIS A 6519で規定される「床の硬さ試験」に準じて最大加速度(G値)を測定した。衝撃吸収性の評価は、測定したG値が130G以下の場合を良好(合格)、130G超の場合を不良(不合格)とした。
[防汚性]
JIS K 3920で規定される「耐ヒールマーク性」に準拠し、試験ドラム内に6個の標準ゴムブロックを入れ、試験ドラムを5000回転させた後の汚れ状態を目視で確認した。確認した汚れ状態に基づき、下記の基準で防汚性を評価し、○を合格、×を不合格とした。
○:汚れの付着なし、または微量の汚れの付着あり
×:汚れの付着あり
以上の評価結果を表3、4に示す。
Figure 2022099128000004
Figure 2022099128000005
表3、4からわかるように、本発明で規定する要件を満足する床材(実施例1~14)は、抗ウイルス性、抗菌性、消臭性および防炎性において評価が合格であった。特に、実施例1~11は、衝撃吸収性および防汚性についても評価が合格であった。
ここで、実施例のうち実施例1と実施例11とを対比すると、実施例1の方が抗ウイルス剤の含有量が少ないにも関わらず、実施例11よりも良好な抗ウイルス性を有していた。これは、実施例1では抗ウイルス剤および抗菌剤の合計含有量がウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して1質量部以上であったのに対して、実施例11では1質量部未満であったためと考えられる。
また、表4に示すように、本発明で規定する要件を一つでも満足しない床材(比較例1~4)では、抗ウイルス性、抗菌性、消臭性のいずれかの特性で劣っていた。
具体的には、比較例1は表面硬化層が抗ウイルス剤を含まなかった例であり、抗ウイルス性の評価が不合格であった。比較例2は、表面硬化層が抗菌剤を含まなかった例であり、抗菌性の評価が不合格であった。
比較例3は、消臭剤の含有量がウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して5質量部未満であった例であり、24時間経過後のガス濃度の減少量が85%未満であったため消臭性の評価が不合格であった。
比較例4は、表面硬化層の厚さが0.01mm未満であった例である。比較例4は、消臭性および防汚性の評価がいずれも不合格であった。
比較例5は、抗ウイルス性、抗菌性、消臭性において評価が合格であったが、表面硬化層の厚さが0.03mmを超え、表面硬化層の厚さを発泡層と透明樹脂層の合計厚さで除した値が0.05以上であったため、防炎性の評価が不合格であった。
1 床材
2 表面硬化層
3 透明樹脂層
5 非発泡層
6 補強層
7 発泡層

Claims (8)

  1. 下層側から上層側に向かって、発泡層、透明樹脂層、および表面硬化層をこの順に有する床材であって、
    前記表面硬化層は、ウレタンアクリレートとアクリレートの合計100質量部に対して、抗ウイルス剤:0.1~5質量部、抗菌剤:0.1~2質量部、および消臭剤:5~15質量部をそれぞれ含み、
    前記表面硬化層の厚さは0.01~0.03mmである、床材。
  2. 前記抗ウイルス剤がエーテル系化合物または有機酸誘導体である、請求項1に記載の床材。
  3. 前記抗菌剤が酸化銀-リン酸亜鉛カルシウム系化合物である、請求項1または請求項2に記載の床材。
  4. 前記表面硬化層が、前記抗ウイルス剤および前記抗菌剤を合計で1質量部以上含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の床材。
  5. 前記透明樹脂層の厚さが0.1~1.5mmである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の床材。
  6. 前記発泡層の厚さが0.5~5mmである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の床材。
  7. 前記表面硬化層の厚さを、前記発泡層の厚さおよび前記透明樹脂層の厚さの合計で除した値が0.05未満である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の床材。
  8. 前記発泡層と前記透明樹脂層との間に、補強層および非発泡層の少なくとも一方を有する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の床材。
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