本発明は、廃棄された家電製品・粗大・不燃ごみや金属スクラップなどを破砕する竪型破砕機に関する。
廃棄された冷蔵庫などの家電製品が回収され、再利用などのために破砕処理する装置として竪型破砕機が用いられている。
竪型破砕機は、筒状のシェルの下部に筒状のディスチャージリングを設置し、シェルの中心に設けた回転軸に取付けた破砕機構とシェルとの間で被破砕物を破砕するように構成されている。
そして、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に設置した可動チョークリングと可動チョークリングに対向する破砕機構との間に形成される間隙から破砕物をディスチャージリングに落下させるように構成されている。破砕機構は、回転軸周りに回転するロータと、ロータの上部に備えたブレーカとで構成され、ロータは上下三段に設置された円盤と、円盤の外周部で遊転自在に軸支された複数の破砕グラインダを備えている。
特許文献1には、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に可動チョークリングより肉厚の部材を介在して、分割された各可動チョークリングをそれぞれシェルの半径方向に進退自在とし、かつ、各可動チョークリングの外端を両フランジから外側に突出させ、その各可動チョークリングの前記突出端とシェルの外側とをねじ式あるいはシリンダ式のジャッキにより連結して、そのジャッキにより各可動チョークリングを前記半径方向に進退し得るようにした破砕機の粒度調整装置が開示されている。
特許文献2には、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に半径方向へ進退動自在な可動チョークリングを複数箇所設け、この可動チョークリングの内周縁を複数の切欠きを有する櫛歯縁として形成し、各可動チョークリングにはこれを半径方向に進退動させる移動手段と、可動チョークリングを所定位置で上記下部フランジ及び上部フランジ間に一体に固定する固定手段を備え、上記可動チョークリングを櫛歯縁を有する上チョークリング板と円弧状の周縁を有する下チョークリング板の2枚のリング板から形成し、下チョークリング板の円弧状周縁を上チョークリング板の櫛歯縁の切欠きと任意の位置で重なるように下チョークリング板を上チョークリング板に対して移動自在に重ねて設け、ロータと櫛歯縁内周端との間を設定粒度以下の所定隙間に設定し、かつ粒度の微調整ができるように構成した破砕機の粒度調整機構が開示されている。
実開平5-74641号公報
特開2003-117414号公報
何れもチョークリングを径方向に出退させることで、破砕機構とチョークリングの内側先端縁との間に形成される空隙のサイズを調節して、空隙からディスチャージリングに落下する破砕物の粒度を調整することができる。
そして、チョークリングが摩耗すると、ディスチャージリングの上部フランジからシェルの下部フランジをジャッキアップして、両フランジ間に僅かな間隙を形成して、チョークリングを径方向外側に引き抜き、新たなチョークリングと交換していた。
しかし、シェルライナと破砕機構との間で破砕された破砕物がディスチャージリングに落下する際に、チョークリングの内側先端領域に破砕物が落下衝突することにより、経時的にチョークリングに内側先端が下方に傾斜する歪が生じるという現象がみられる場合があった。
このような場合に、歪の生じたチョークリングを径方向外側に引き抜こうとしても、チョークリングに生じた歪領域が両フランジ間に形成された僅かな間隙に引っ掛かって径方向外側に引き抜くとことができない、という問題が生じる場合があった。
竪型破砕機の上部には投入フードが設置され、下部は基礎により拘束されているため、ジャッキアップしても両フランジ間の間隙が十分に確保できないためである。
そのような場合、例えばシェルの内部に設置した重量の破砕機構を、ホイストを用いて引き上げてシェルから取り除いた後に、作業者がシェルの内部に進入して、両フランジ間に形成された僅かな間隙からチョークリングを径方向内側に引き抜き、新たなチョークリングと交換し、さらにその後に破砕機構をシェルの内部に設置する、という非常に煩雑な作業が要求されていた。
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に形成される間隙が僅かであっても、チョークリングを径方向外側に引き抜くことができる竪型破砕機を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による竪型破砕機の第一の特徴構成は、筒状のシェルの下部に筒状のディスチャージリングを設置し、前記シェルの中心に設けた回転軸に取付けた破砕機構と前記シェルとの間で被破砕物を破砕し、前記シェルの下部フランジと前記ディスチャージリングの上部フランジとの間に設置したチョークリングと前記破砕機構との間隙から破砕物を前記ディスチャージリングに落下させる破砕機であって、前記上部フランジと前記チョークリングの下面および/または前記下部フランジと前記チョークリングの上面の間にスペーサを備えている点にある。
上部フランジとチョークリングの下面および/または下部フランジとチョークリングの上面の間に、チョークリングに加えてスペーサを設置することで、チョークリングを交換する際に、下部フランジから上部フランジを例えばジャッキアップしてできる間隙からスペーサを取り除けば、スペーサの厚みだけ間隙が広がることになり、径方向内側先端部に歪が生じたチョークリングであっても、径方向外側に引き抜くことができるようになる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記チョークリングは位置調節機構により前記上部フランジと前記下部フランジとの間で径方向に出退可能に構成され、前記スペーサは前記チョークリングに重畳して配置されるとともに前記上部フランジと前記下部フランジとの間で位置決め固定されている点にある。
位置調節機構によりチョークリングと破砕機構との間に形成される間隙を調節することで破砕物の粒度を調節することができる。そして、チョークリングに重畳して配置されるスペーサは位置調節機構の操作にかかわらず、上部フランジと下部フランジとの間で位置決め固定されるので、ディスチャージリングに落下する破砕物が不用意にスペーサを打撃するような事態が回避される。
同第三の特徴構成は、上述した第一または第二の特徴構成に加えて、前記スペーサの外側端縁に前記上部フランジの外側端縁または前記下部フランジの外側端縁より外側に突出する突出片部を備えている点にある。
通常の使用状態ではスペーサがチョークリングや上下何れかのフランジと圧接した状態であるので、チョークリングの交換時に下部フランジから上部フランジをジャッキアップしても、スペーサがチョークリングや上下何れかのフランジに固着して容易に離脱できない虞があるが、スペーサの外側端縁に上部フランジの外側端縁または下部フランジの外側端縁より外側に突出する突出片部を備えていれば、当該突出片部に打撃などの機械的力を加えることで、スペーサを容易に離脱させることができる。
同第四の特徴構成は、上述した第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記チョークリングおよび前記スペーサは、前記上部フランジと前記下部フランジの間で、周方向に分割して配置されている点にある。
上部フランジと下部フランジの間で、チョークリングおよびスペーサが周方向に分割して配置されているため、交換の必要があるチョークリングに対応するスペーサを取り外しさえすれば交換でき、交換作業が容易になる。
以上説明した通り、本発明によれば、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に形成される間隙が僅かであっても、チョークリングを径方向外側に引き抜くことができる竪型破砕機を提供することができるようになった。
竪型破砕機の一部切欠き説明図
竪型破砕機の要部の縦断面を示す説明図
破砕処理部の要部の横断面を示す説明図
(a)は図3に示すスペーサをハッチングした要部の横断面を示す説明図、(b)はスペーサの平面図
(a)はシェルの下部フランジとチョークリングとの間にスペーサが配置された状態を示す要部断面図、(b)はスペーサを配置する前の状態を示す要部断面図
(a)~(c)は態様が異なるチョークリングとスペーサの設置状態を示す要部説明図
以下に本発明による竪型破砕機の例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、竪型破砕機1は、大型の家電製品などの被破砕物を破砕処理する装置で、コンクリート製の床に固定された装置フレーム2に電動モータ3および電動モータ3と駆動連結された回転軸4を備えた破砕処理部5などを備えて構成されている。
破砕処理部5は、装置フレーム2に固定された筒状のディスチャージリング6と、ディスチャージリング6の上部に配置された筒状のシェル7と、シェル7の中心部に配置された回転軸4に取付けた破砕機構8などを備えている。
シェル7の上部には投入フード10が設けられ、コンベア機構(図示せず)により搬送された被破砕物が投入フード10の側壁に形成された投入口11からシェル7に落下投入される。なお、投入フード10の天面には爆風排除ダクト12が設けられ、投入フード10の背面には後述の破砕機構8を吊り上げるホイストなどのクレーン機構を持ち込む開閉扉を備えている。
図2には、破砕処理部5の縦断面が示されている。シェル7は下方から上方にかけて次第に拡径する円筒状に形成され、内側には複数のシェルライナ13が所定の間隔で配置されている。シェルはSSで構成され、シェルライナ13は耐摩耗鋳物で構成されている。つまり、本発明では、シェル7はシェルライナ13を含む概念で使用している。
破砕機構8は回転軸4周りに回転するロータ17と、ロータ17の上部に備えたブレーカ14とで構成されている。ブレーカ14は径方向に延出形成された一対のブレーカアーム15,16を備えている。ロータ17は上下三段に設置された円盤18を備え、円盤18の外周部で複数の破砕グラインダ19が遊転自在に軸支されている。
ブレーカ14およびロータ17が回転軸4と一体に回転することで、シェル7の内部に投入された被破砕物が先ずブレーカ14で打撃されて粗破砕され、続いて粗破砕物がロータ17に備えた破砕グラインダ19とシェルライナ13との間で細破砕される。なお、シェルライナ13は、シェル7の内側に配され、破砕機構との間で被破砕物を破砕する構造物であれば、シェル7の内側を被覆するように配した構造物に限らず、シェル7の内側から突出するような突起物であってもよい。
シェル7の下部フランジ7Aとディスチャージリング6の上部フランジ6Aとの間にチョークリング20が設置され、破砕物CMはロータ17の最下段の円盤18とその外周に配置されたチョークリング20との間に形成される空隙Sからディスチャージリング6に落下し、ディスチャージリング6に設置され回転軸4と一体に回転するスイーパ6Sによってディスチャージリング50の内部で掃引されて、装置フレーム2に形成された排出口60から排出される。
図3には、破砕処理部5の横断面の要部が示されている。図3では、シェル7の内部に備えた破砕機構8が省略されている。また、図4は、図3に示すスペーサ21をハッチングした横断面の要部が示されている。
図2から図4に示すように、シェル7の下部フランジ7Aとディスチャージリング6の上部フランジ6Aとの間に、平面視で略三角形のチョークリングガイド22が60°の間隔で6箇所に設けられ、各チョークリングガイド22の間に平面視が略矩形の6枚のチョークリング20およびスペーサ21が重畳配置されている。なお、チョークリングガイド22およびチョークリング20の数は特に6枚に限定されるものではない。
チョークリングガイド22は、チョークリング20の抜き差し方向をガイドするとともに、シェル7の下部フランジ7Aとディスチャージリング6の上部フランジ6Aとの間を一定距離に保持するディスタンスピースの役目をする部材であり、ボルトによりフランジ7Aに締付固定されている。チョークリングガイド22の厚みはチョークリング20およびスペーサ21を合わせた厚みと同じ厚みに設定されている。
チョークリング20は平面視で略矩形形状の平板でなり、両側辺は互いに平行に形成されている。さらに、チョークリング20の径方向内縁部はロータ17に備えた円盤18の外周との間に僅かな隙間が形成されるように弧状に形成されるとともに弧状部に櫛歯状の多数の切欠き20Cが形成されている。
チョークリング20は、位置調節機構30により上部フランジ6Aと下部フランジ7Aとの間でチョークリングガイド22の左右側部に沿って径方向に出退可能に取り付けられ、チョークリング20の径方向内縁に形成された櫛歯とロータ17に備えた最下段の円盤18の外縁との間隙Sが調整され、間隙Sから落下する程度に破砕物CMの破砕粒径が調節可能に構成されている。
各チョークリング20には、両側辺と平行に左右一対の長孔20Aが穿設されるとともに、一対の長孔20Aの間に長孔20Aより大径の長孔20Bが穿設されている。一対の長孔20Aは、破砕時の衝撃でチョークリング20が移動しないようにボルト23とナット24を介して両フランジ6A,7Aの間で締付固定するためのボルト挿通孔となる(図2参照。)。
長孔20Bは、シェル7を持上げるためのジャッキボルト25を挿通するための挿通孔となる。シェル7の下部フランジ7Aに穿設されたねじ孔にジャッキボルト25を螺合させ、ジャッキボルト25の下端が長孔20Bを挿通してディスチャージリング6の上部フランジ6Aに当接させ、さらにジャッキボルト25を回転させることにより上部フランジ6Aから下部フランジ7A、つまりシェル1が持上げられる(図2参照。)。このようにしてチョークリング20に掛る荷重を無くした状態で、チョークリング20の半径方向位置を調整できるように、長孔20Aおよび長孔20Bが形成されている。
位置調節機構30は、下部フランジ7Aに溶着された基部31に回転自在に保持されたねじボルト32と、ねじボルト32に螺合された移動コマ33を備え、移動コマ33が取付部34を介してチョークリング20に固定されている。ねじボルト32は基部31に対して回転自在であるが、水平方向への移動はできないように保持されている。ねじボルト32の頭部をレンチのような工具で回転させるとねじボルト32に螺合する移動コマ33が水平方向に移動し、これによって移動コマ33が取り付けられているチョークリング20が半径方向に移動するように構成されている。
上部フランジ6Aと下部フランジ7Aとの間には、チョークリング20に加えてチョークリング20の引抜代を確保するスペーサ21が設けられている。上述したように、チョークリング20は位置調節機構30により上部フランジ6Aと下部フランジ7Aとの間で径方向に出退可能に構成され、スペーサ21はチョークリング20に重畳して配置されるとともに上部フランジ6Aと下部フランジ7Aとの間で位置決め固定されている。
図4(a),(b)に示すように、本実施形態では、チョークリング20の上面にスペーサ21が配置され,スペーサ21は径方向内側および外側が弧状に形成され、左右端部がチョークリング20の左右端部と合致するように平行に形成されている。スペーサ21の径方向外側には、下部フランジ7Aの外側端縁より外側に突出する二つの突出片部26が形成されている。さらに、上述したボルト23およびジャッキボルト25が挿通可能な開孔27,28が形成されている。
チョークリング20に形成された長孔20A,20Bと異なり、開孔27,28は丸孔であり、チョークリング20とは異なり径方向への移動は阻止され、下部フランジ7Aと上部フランジ6Aとの間の所定位置に位置決め固定されている。この例では、スペーサ21の径方向の内側縁部21Aは下部フランジ7Aの内縁と面一またはやや突出した位置に固定され、スペーサ21の径方向の外側縁部21Bは下部フランジ7Aの外側縁と面一になるように固定され、突出片部26が下部フランジ7Aの外側縁から突出するように配置されている。なお、スペーサ21の径方向の内側縁部21Aは下部フランジ7Aの内縁より径方向外側に引退していてもよい。この場合、スペーサ21の径方向に沿う幅は、下部フランジ7Aおよび上部フランジ6Aの径方向の幅の半分程度までの幅に構成しておけばよい。
図5(a),(b)に示すように、破砕物CMが空隙Sからディスチャージリング6に落下する際に、チョークリング20の内側縁部に衝突するため、チョークリング20の内側縁部は次第に摩耗するとともに下方に歪むようになる。そのような場合に、上述したジャッキボルト25を用いてシェル1を持上げることで、下部フランジ7Aと上部フランジ6Aとの間に隙間を形成して、チョークリング20を径方向外側に引き抜き、新たなチョークリング20と交換する作業が必要になる。
しかし、下部フランジ7Aと上部フランジ6Aとの間に形成される隙間は1mmから2mm程度に過ぎないため、歪んだ部位が引っ掛かって引抜が困難となる場合が生じる。そのような場合でも、スペーサ21を介在させることで、スペーサ21を取り除いた場合にスペーサ21の厚みだけ間隙が広くなり、良好にチョークリング20を引き抜くことができるようになる。
本実施形態では、チョークリング20は耐摩耗鋼板で構成され、その厚みは25mmに設定されている。また、スペーサ21はSUSで構成され、その厚みは5mmに設定されている。少なくとも、スペーサ21の厚みはチョークリング20の歪による変形代より厚く構成することが好ましい。なお、上述したチョークリング20やスペーサ21の厚みは例示であり、この値に限るものではない。
チョークリング20の交換時には、6枚のチョークリング20の其々にジャッキボルト25を挿通してシェル7を均等に持ち上げ、交換対象となるチョークリング20に備えた位置調節機構30を取り外す。その後、ジャッキボルト25を引き抜き、スペーサ21を取り外して隙間を広げた後にチョークリング20の交換作業を行なう。スペーサ21が下部フランジ7Aやチョークリング20に密着している場合には、突出片部26に形成された孔部に治具を挿通し、或いは突出片部26に機械的衝撃を与えることで容易に密着状態が解消できる。
スペーサ21の交換時には、再度スペーサ21を挿入するとともに位置調節機構30を組み付けて、スペーサ21を位置決めした後に、ジャッキボルト25を挿通した後に、他のスペーサ21に対しても、同様の作業を繰り返す。
なお、ジャッキボルト25に代えて、小型の油圧ジャッキを用いてシェル7を均等に持ち上げることも可能である。この場合、中心角が略120度となる3か所に油圧ジャッキを設置することができる。
なお、スペーサ21は上部フランジ6Aとチョークリング20の下面および/または下部フランジ7とチョークリング20の上面の間に配置していればよい。
上述した実施形態では、図6(a)に示すように、一枚で構成され、径方向内縁部に櫛歯状の切欠き20Cが形成された一枚物のチョークリング20を説明したが、チョークリング20の構成はこの例に限るものではない。
例えば、図6(b)に示すように、櫛歯状の切欠き20Cを備えず、径方向内縁部に単に弧状に形成されたチョークリング20であっても、同様にスペーサ21を重畳することができる。また、図6(c)に示すように、上下に二枚のチョークリング20を備え、上側チョークリングが図6(a)に示したチョークリング20と同様の構成のチョークリングで構成し、下側に備えたチョークリングが図6(b)に示したチョークリング20と同様の構成の、径方向内縁部に単に弧状に形成されたチョークリングで構成し、下側に備えたチョークリングにより櫛歯状の切欠き20Cの深さを調整するように構成することもできる。
尚、上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各部の具体的な構造、形状、サイズ等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:竪型破砕機
2:装置フレーム
3:電動モータ
4:回転軸4
5:破砕処理部
6:ディスチャージリング
6A:上部フランジ
60:排出口
7:シェル
7A:下部フランジ
8:破砕機構
13:シェルライナ
14:ブレーカ
15,16:ブレーカアーム
17:ロータ
18:円盤
19:破砕グラインダ
20:チョークリング
21:スペーサ
本発明は、廃棄された家電製品・粗大・不燃ごみや金属スクラップなどを破砕する竪型破砕機に関する。
廃棄された冷蔵庫などの家電製品が回収され、再利用などのために破砕処理する装置として竪型破砕機が用いられている。
竪型破砕機は、筒状のシェルの下部に筒状のディスチャージリングを設置し、シェルの中心に設けた回転軸に取付けた破砕機構とシェルとの間で被破砕物を破砕するように構成されている。
そして、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に設置した可動チョークリングと可動チョークリングに対向する破砕機構との間に形成される間隙から破砕物をディスチャージリングに落下させるように構成されている。破砕機構は、回転軸周りに回転するロータと、ロータの上部に備えたブレーカとで構成され、ロータは上下三段に設置された円盤と、円盤の外周部で遊転自在に軸支された複数の破砕グラインダを備えている。
特許文献1には、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に可動チョークリングより肉厚の部材を介在して、分割された各可動チョークリングをそれぞれシェルの半径方向に進退自在とし、かつ、各可動チョークリングの外端を両フランジから外側に突出させ、その各可動チョークリングの前記突出端とシェルの外側とをねじ式あるいはシリンダ式のジャッキにより連結して、そのジャッキにより各可動チョークリングを前記半径方向に進退し得るようにした破砕機の粒度調整装置が開示されている。
特許文献2には、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に半径方向へ進退動自在な可動チョークリングを複数箇所設け、この可動チョークリングの内周縁を複数の切欠きを有する櫛歯縁として形成し、各可動チョークリングにはこれを半径方向に進退動させる移動手段と、可動チョークリングを所定位置で上記下部フランジ及び上部フランジ間に一体に固定する固定手段を備え、上記可動チョークリングを櫛歯縁を有する上チョークリング板と円弧状の周縁を有する下チョークリング板の2枚のリング板から形成し、下チョークリング板の円弧状周縁を上チョークリング板の櫛歯縁の切欠きと任意の位置で重なるように下チョークリング板を上チョークリング板に対して移動自在に重ねて設け、ロータと櫛歯縁内周端との間を設定粒度以下の所定隙間に設定し、かつ粒度の微調整ができるように構成した破砕機の粒度調整機構が開示されている。
実開平5-74641号公報
特開2003-117414号公報
何れもチョークリングを径方向に出退させることで、破砕機構とチョークリングの内側先端縁との間に形成される空隙のサイズを調節して、空隙からディスチャージリングに落下する破砕物の粒度を調整することができる。
そして、チョークリングが摩耗すると、ディスチャージリングの上部フランジからシェルの下部フランジをジャッキアップして、両フランジ間に僅かな間隙を形成して、チョークリングを径方向外側に引き抜き、新たなチョークリングと交換していた。
しかし、シェルライナと破砕機構との間で破砕された破砕物がディスチャージリングに落下する際に、チョークリングの内側先端領域に破砕物が落下衝突することにより、経時的にチョークリングに内側先端が下方に傾斜する歪が生じるという現象がみられる場合があった。
このような場合に、歪の生じたチョークリングを径方向外側に引き抜こうとしても、チョークリングに生じた歪領域が両フランジ間に形成された僅かな間隙に引っ掛かって径方向外側に引き抜くとことができない、という問題が生じる場合があった。
竪型破砕機の上部には投入フードが設置され、下部は基礎により拘束されているため、ジャッキアップしても両フランジ間の間隙が十分に確保できないためである。
そのような場合、例えばシェルの内部に設置した重量の破砕機構を、ホイストを用いて引き上げてシェルから取り除いた後に、作業者がシェルの内部に進入して、両フランジ間に形成された僅かな間隙からチョークリングを径方向内側に引き抜き、新たなチョークリングと交換し、さらにその後に破砕機構をシェルの内部に設置する、という非常に煩雑な作業が要求されていた。
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に形成される間隙が僅かであっても、チョークリングを径方向外側に引き抜くことができる竪型破砕機を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による竪型破砕機の第一の特徴構成は、筒状のシェルの下部に筒状のディスチャージリングを設置し、前記シェルの中心に設けた回転軸に取付けた破砕機構と前記シェルとの間で被破砕物を破砕し、前記シェルの下部フランジと前記ディスチャージリングの上部フランジとの間に設置したチョークリングと前記破砕機構との間隙から破砕物を前記ディスチャージリングに落下させる竪型破砕機であって、前記上部フランジと前記チョークリングの下面および/または前記下部フランジと前記チョークリングの上面の間にスペーサを備え、前記スペーサは前記上部フランジと前記下部フランジとの間に配置され、前記ディスチャージリングに落下する破砕物の衝突による打撃を受けない位置に位置決め固定されている点にある。
上部フランジとチョークリングの下面および/または下部フランジとチョークリングの上面の間に、チョークリングに加えて、ディスチャージリングに落下する破砕物の衝突による打撃を受けない位置にスペーサを設置することで、チョークリングを交換する際に、下部フランジから上部フランジを例えばジャッキアップしてできる僅かな間隙からスペーサを取り除けば、スペーサの厚みだけ間隙が広がることになり、径方向内側先端部に歪が生じたチョークリングであっても、径方向外側に引き抜くことができるようになる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記チョークリングは位置調節機構により前記上部フランジと前記下部フランジとの間で径方向に出退可能に構成され、前記スペーサは前記チョークリングに重畳して配置されるとともに前記上部フランジと前記下部フランジとの間で径方向への移動が阻止された状態に位置決め固定されている点にある。
位置調節機構によりチョークリングと破砕機構との間に形成される間隙を調節することで破砕物の粒度を調節することができる。そして、チョークリングに重畳して配置されるスペーサは位置調節機構の操作にかかわらず、上部フランジと下部フランジとの間で位置決め固定されるので、ディスチャージリングに落下する破砕物が不用意にスペーサを打撃するような事態が回避される。
同第三の特徴構成は、上述した第一または第二の特徴構成に加えて、前記スペーサの外側端縁に前記上部フランジの外側端縁または前記下部フランジの外側端縁より外側に突出する突出片部を備えている点にある。
通常の使用状態ではスペーサがチョークリングや上下何れかのフランジと圧接した状態であるので、チョークリングの交換時に下部フランジから上部フランジをジャッキアップしても、スペーサがチョークリングや上下何れかのフランジに固着して容易に離脱できない虞があるが、スペーサの外側端縁に上部フランジの外側端縁または下部フランジの外側端縁より外側に突出する突出片部を備えていれば、当該突出片部に打撃などの機械的力を加えることで、スペーサを容易に離脱させることができる。
同第四の特徴構成は、上述した第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記チョークリングおよび前記スペーサは、前記上部フランジと前記下部フランジの間で、周方向に分割して配置され、前記スペーサの厚みは少なくとも破砕物の衝撃により先端側に生じた前記チョークリングの歪の変形代より厚く構成されている点にある。
上部フランジと下部フランジの間で、チョークリングおよびスペーサが周方向に分割して配置されているため、交換の必要があるチョークリングに対応するスペーサを取り外しさえすれば、歪が生じたチョークリングであっても径方向外方に引き抜くことができ、交換作業が容易になる。
以上説明した通り、本発明によれば、シェルの下部フランジとディスチャージリングの上部フランジとの間に形成される間隙が僅かであっても、チョークリングを径方向外側に引き抜くことができる竪型破砕機を提供することができるようになった。
竪型破砕機の一部切欠き説明図
竪型破砕機の要部の縦断面を示す説明図
破砕処理部の要部の横断面を示す説明図
(a)は図3に示すスペーサをハッチングした要部の横断面を示す説明図、(b)はスペーサの平面図
(a)はシェルの下部フランジとチョークリングとの間にスペーサが配置された状態を示す要部断面図、(b)はスペーサを配置する前の状態を示す要部断面図
(a)~(c)は態様が異なるチョークリングとスペーサの設置状態を示す要部説明図
以下に本発明による竪型破砕機の例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、竪型破砕機1は、大型の家電製品などの被破砕物を破砕処理する装置で、コンクリート製の床に固定された装置フレーム2に電動モータ3および電動モータ3と駆動連結された回転軸4を備えた破砕処理部5などを備えて構成されている。
破砕処理部5は、装置フレーム2に固定された筒状のディスチャージリング6と、ディスチャージリング6の上部に配置された筒状のシェル7と、シェル7の中心部に配置された回転軸4に取付けた破砕機構8などを備えている。
シェル7の上部には投入フード10が設けられ、コンベア機構(図示せず)により搬送された被破砕物が投入フード10の側壁に形成された投入口11からシェル7に落下投入される。なお、投入フード10の天面には爆風排除ダクト12が設けられ、投入フード10の背面には後述の破砕機構8を吊り上げるホイストなどのクレーン機構を持ち込む開閉扉を備えている。
図2には、破砕処理部5の縦断面が示されている。シェル7は下方から上方にかけて次第に拡径する円筒状に形成され、内側には複数のシェルライナ13が所定の間隔で配置されている。シェルはSSで構成され、シェルライナ13は耐摩耗鋳物で構成されている。つまり、本発明では、シェル7はシェルライナ13を含む概念で使用している。
破砕機構8は回転軸4周りに回転するロータ17と、ロータ17の上部に備えたブレーカ14とで構成されている。ブレーカ14は径方向に延出形成された一対のブレーカアーム15,16を備えている。ロータ17は上下三段に設置された円盤18を備え、円盤18の外周部で複数の破砕グラインダ19が遊転自在に軸支されている。
ブレーカ14およびロータ17が回転軸4と一体に回転することで、シェル7の内部に投入された被破砕物が先ずブレーカ14で打撃されて粗破砕され、続いて粗破砕物がロータ17に備えた破砕グラインダ19とシェルライナ13との間で細破砕される。なお、シェルライナ13は、シェル7の内側に配され、破砕機構との間で被破砕物を破砕する構造物であれば、シェル7の内側を被覆するように配した構造物に限らず、シェル7の内側から突出するような突起物であってもよい。
シェル7の下部フランジ7Aとディスチャージリング6の上部フランジ6Aとの間にチョークリング20が設置され、破砕物CMはロータ17の最下段の円盤18とその外周に配置されたチョークリング20との間に形成される空隙Sからディスチャージリング6に落下し、ディスチャージリング6に設置され回転軸4と一体に回転するスイーパ6Sによってディスチャージリング50の内部で掃引されて、装置フレーム2に形成された排出口60から排出される。
図3には、破砕処理部5の横断面の要部が示されている。図3では、シェル7の内部に備えた破砕機構8が省略されている。また、図4は、図3に示すスペーサ21をハッチングした横断面の要部が示されている。
図2から図4に示すように、シェル7の下部フランジ7Aとディスチャージリング6の上部フランジ6Aとの間に、平面視で略三角形のチョークリングガイド22が60°の間隔で6箇所に設けられ、各チョークリングガイド22の間に平面視が略矩形の6枚のチョークリング20およびスペーサ21が重畳配置されている。なお、チョークリングガイド22およびチョークリング20の数は特に6枚に限定されるものではない。
チョークリングガイド22は、チョークリング20の抜き差し方向をガイドするとともに、シェル7の下部フランジ7Aとディスチャージリング6の上部フランジ6Aとの間を一定距離に保持するディスタンスピースの役目をする部材であり、ボルトによりフランジ7Aに締付固定されている。チョークリングガイド22の厚みはチョークリング20およびスペーサ21を合わせた厚みと同じ厚みに設定されている。
チョークリング20は平面視で略矩形形状の平板でなり、両側辺は互いに平行に形成されている。さらに、チョークリング20の径方向内縁部はロータ17に備えた円盤18の外周との間に僅かな隙間が形成されるように弧状に形成されるとともに弧状部に櫛歯状の多数の切欠き20Cが形成されている。
チョークリング20は、位置調節機構30により上部フランジ6Aと下部フランジ7Aとの間でチョークリングガイド22の左右側部に沿って径方向に出退可能に取り付けられ、チョークリング20の径方向内縁に形成された櫛歯とロータ17に備えた最下段の円盤18の外縁との間隙Sが調整され、間隙Sから落下する程度に破砕物CMの破砕粒径が調節可能に構成されている。
各チョークリング20には、両側辺と平行に左右一対の長孔20Aが穿設されるとともに、一対の長孔20Aの間に長孔20Aより大径の長孔20Bが穿設されている。一対の長孔20Aは、破砕時の衝撃でチョークリング20が移動しないようにボルト23とナット24を介して両フランジ6A,7Aの間で締付固定するためのボルト挿通孔となる(図2参照。)。
長孔20Bは、シェル7を持上げるためのジャッキボルト25を挿通するための挿通孔となる。シェル7の下部フランジ7Aに穿設されたねじ孔にジャッキボルト25を螺合させ、ジャッキボルト25の下端が長孔20Bを挿通してディスチャージリング6の上部フランジ6Aに当接させ、さらにジャッキボルト25を回転させることにより上部フランジ6Aから下部フランジ7A、つまりシェル1が持上げられる(図2参照。)。このようにしてチョークリング20に掛る荷重を無くした状態で、チョークリング20の半径方向位置を調整できるように、長孔20Aおよび長孔20Bが形成されている。
位置調節機構30は、下部フランジ7Aに溶着された基部31に回転自在に保持されたねじボルト32と、ねじボルト32に螺合された移動コマ33を備え、移動コマ33が取付部34を介してチョークリング20に固定されている。ねじボルト32は基部31に対して回転自在であるが、水平方向への移動はできないように保持されている。ねじボルト32の頭部をレンチのような工具で回転させるとねじボルト32に螺合する移動コマ33が水平方向に移動し、これによって移動コマ33が取り付けられているチョークリング20が半径方向に移動するように構成されている。
上部フランジ6Aと下部フランジ7Aとの間には、チョークリング20に加えてチョークリング20の引抜代を確保するスペーサ21が設けられている。上述したように、チョークリング20は位置調節機構30により上部フランジ6Aと下部フランジ7Aとの間で径方向に出退可能に構成され、スペーサ21はチョークリング20に重畳して配置されるとともに上部フランジ6Aと下部フランジ7Aとの間で位置決め固定されている。
図4(a),(b)に示すように、本実施形態では、チョークリング20の上面にスペーサ21が配置され,スペーサ21は径方向内側および外側が弧状に形成され、左右端部がチョークリング20の左右端部と合致するように平行に形成されている。スペーサ21の径方向外側には、下部フランジ7Aの外側端縁より外側に突出する二つの突出片部26が形成されている。さらに、上述したボルト23およびジャッキボルト25が挿通可能な開孔27,28が形成されている。
チョークリング20に形成された長孔20A,20Bと異なり、開孔27,28は丸孔であり、チョークリング20とは異なり径方向への移動は阻止され、下部フランジ7Aと上部フランジ6Aとの間の所定位置に位置決め固定されている。この例では、スペーサ21の径方向の内側縁部21Aは下部フランジ7Aの内縁と面一またはやや突出した位置に固定され、スペーサ21の径方向の外側縁部21Bは下部フランジ7Aの外側縁と面一になるように固定され、突出片部26が下部フランジ7Aの外側縁から突出するように配置されている。なお、スペーサ21の径方向の内側縁部21Aは下部フランジ7Aの内縁より径方向外側に引退していてもよい。この場合、スペーサ21の径方向に沿う幅は、下部フランジ7Aおよび上部フランジ6Aの径方向の幅の半分程度までの幅に構成しておけばよい。
図5(a),(b)に示すように、破砕物CMが空隙Sからディスチャージリング6に落下する際に、チョークリング20の内側縁部に衝突するため、チョークリング20の内側縁部は次第に摩耗するとともに下方に歪むようになる。そのような場合に、上述したジャッキボルト25を用いてシェル1を持上げることで、下部フランジ7Aと上部フランジ6Aとの間に隙間を形成して、チョークリング20を径方向外側に引き抜き、新たなチョークリング20と交換する作業が必要になる。
しかし、下部フランジ7Aと上部フランジ6Aとの間に形成される隙間は1mmから2mm程度に過ぎないため、歪んだ部位が引っ掛かって引抜が困難となる場合が生じる。そのような場合でも、スペーサ21を介在させることで、スペーサ21を取り除いた場合にスペーサ21の厚みだけ間隙が広くなり、良好にチョークリング20を引き抜くことができるようになる。
本実施形態では、チョークリング20は耐摩耗鋼板で構成され、その厚みは25mmに設定されている。また、スペーサ21はSUSで構成され、その厚みは5mmに設定されている。少なくとも、スペーサ21の厚みはチョークリング20の歪による変形代より厚く構成することが好ましい。なお、上述したチョークリング20やスペーサ21の厚みは例示であり、この値に限るものではない。
チョークリング20の交換時には、6枚のチョークリング20の其々にジャッキボルト25を挿通してシェル7を均等に持ち上げ、交換対象となるチョークリング20に備えた位置調節機構30を取り外す。その後、ジャッキボルト25を引き抜き、スペーサ21を取り外して隙間を広げた後にチョークリング20の交換作業を行なう。スペーサ21が下部フランジ7Aやチョークリング20に密着している場合には、突出片部26に形成された孔部に治具を挿通し、或いは突出片部26に機械的衝撃を与えることで容易に密着状態が解消できる。
スペーサ21の交換時には、再度スペーサ21を挿入するとともに位置調節機構30を組み付けて、スペーサ21を位置決めした後に、ジャッキボルト25を挿通した後に、他のスペーサ21に対しても、同様の作業を繰り返す。
なお、ジャッキボルト25に代えて、小型の油圧ジャッキを用いてシェル7を均等に持ち上げることも可能である。この場合、中心角が略120度となる3か所に油圧ジャッキを設置することができる。
なお、スペーサ21は上部フランジ6Aとチョークリング20の下面および/または下部フランジ7とチョークリング20の上面の間に配置していればよい。
上述した実施形態では、図6(a)に示すように、一枚で構成され、径方向内縁部に櫛歯状の切欠き20Cが形成された一枚物のチョークリング20を説明したが、チョークリング20の構成はこの例に限るものではない。
例えば、図6(b)に示すように、櫛歯状の切欠き20Cを備えず、径方向内縁部に単に弧状に形成されたチョークリング20であっても、同様にスペーサ21を重畳することができる。また、図6(c)に示すように、上下に二枚のチョークリング20を備え、上側チョークリングが図6(a)に示したチョークリング20と同様の構成のチョークリングで構成し、下側に備えたチョークリングが図6(b)に示したチョークリング20と同様の構成の、径方向内縁部に単に弧状に形成されたチョークリングで構成し、下側に備えたチョークリングにより櫛歯状の切欠き20Cの深さを調整するように構成することもできる。
尚、上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各部の具体的な構造、形状、サイズ等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:竪型破砕機
2:装置フレーム
3:電動モータ
4:回転軸4
5:破砕処理部
6:ディスチャージリング
6A:上部フランジ
60:排出口
7:シェル
7A:下部フランジ
8:破砕機構
13:シェルライナ
14:ブレーカ
15,16:ブレーカアーム
17:ロータ
18:円盤
19:破砕グラインダ
20:チョークリング
21:スペーサ