JPH0824687A - 縦型破砕機の破砕粒度調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一台の破砕機で粒度の異なる所望粒度の破砕
粒が得られ、かつ、長期使用による破砕機内張りや破砕
ハンマー等の経時摩耗にも対応できると共に、摩耗対処
補修周期の延長ができる縦型破砕機の破砕粒度調整装置
の提供を目的とする。 【構成】 破砕ユニットが内蔵され、供給ユニット、駆
動ユニットを上部に備え、排出ユニットが底部に備えら
れた縦型破砕機であって、上の取付板に垂設した取付軸
と下の取付板に立設した取付軸の間にブレードと破砕子
とを交互に軸支した破砕ユニットを設け、上記の破砕ユ
ニットにおける各取付軸の最下段の破砕子の下方に配設
された砕粒度調整用の調整盤と、上記の各調整盤を進出
後退させる昇降手段を備えたことを特徴とする縦型破砕
機の破砕粒度調整装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、被破砕物の粒度調整
が行える縦型破砕機の破砕粒度調整装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の縦型破砕機として特公昭
５６−１５２９９号公報のスクラップ・クラッシャー装
置がある。上記のスクラップ・クラッシャー装置は、図
３で示すように、機体５１の機内中心を貫通する位置に
回転軸５３を軸設し、該回転軸５３に円板５４を所定間
隔毎に段設し、その上下に隣接する円板間に破砕子取付
枠５５を円周上に立設配置し、それに鋸歯状歯５６を周
設した破砕子５７を遊嵌し、前記機体内面と破砕子５７
との間隔を下方にいくにしたがって狭め、前記円板５４
の最下部円板５４Ａに対応する位置にリング状板体５２
を機体内面に固定してその内周面を円板５４Ａの外周側
面に近接し、該円板５４Ａに切欠孔５８を設けたことを
特徴とするスクラップ・クラッシャー装置にある。そし
て、上記のスクラップ・クラッシャーには、特に、破砕
粒度調整装置がなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】鉄屑や産業廃棄物を破
砕処理する段階で、リサイクル、廃棄処分等の後処理を
考慮すると、一定材質のものは、略一定の粒度であるこ
とが望ましい。また、破砕機の長年の使用によって、破
砕機内張りや破砕ハンマー等の摩耗によって、破砕粒度
が変化し、初期設定の粒度が得られないことがあった。

【０００４】この発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、一台の破砕機で粒度の異なる所望粒度の破砕粒が
得られ、かつ、長期使用による破砕機内張りや破砕ハン
マー等の経時摩耗にも対応できると共に、摩耗対処補修
周期の延長ができる縦型破砕機の破砕粒度調整装置の提
供を目的とする。

【０００５】上記の目的を達成するために、この発明に
おいては、第１の発明として、破砕ユニットが内蔵さ
れ、供給ユニット、駆動ユニットを上部に備え、排出ユ
ニットが底部に備えられた縦型破砕機であって、上の取
付板に垂設した取付軸と下の取付板に立設した取付軸の
間にブレードと破砕子とを交互に軸支した破砕ユニット
を設け、上記の破砕ユニットにおける各取付軸の最下段
の破砕子の下方に配設された破砕粒度調整用の調整盤
と、上記の各調整盤を進出後退させる昇降手段を備えた
縦型破砕機の破砕粒度調整装置とした。

【０００６】次に、第２の発明として、前後往復手段
を、圧力シリンダーとした第１の発明記載の縦型破砕機
の破砕粒度調整装置。

【０００７】続いて、第３の発明として、前後往復手段
を、送りねじとした第１の発明記載の縦型破砕機の破砕
粒度調整装置とした。

【０００８】

【作用】実施例において、調整盤２２ａを上昇させるこ
とにより、最下段の破砕子２０ａの下面と調整盤２２ａ
の上面との距離を縮め、通過する破砕物の粒度を小径化
する。また、調整盤２２ａを下降後退させることによ
り、最下段の破砕子２０ａの下面と調整盤２２ａの上面
との距離を拡げ、通過する被破砕物の粒度を大径化す
る。

【０００９】

【実施例】以下、この発明に係る縦型破砕機の破砕粒度
調整装置の実施例について、図面を参照して詳細に説明
する。図１は、この発明に係る縦型破砕機の破砕粒度調
整装置が組込まれた縦型破砕機を示す断面図である。図
１において、この発明に係る破砕材フィーダが組込まれ
た縦型破砕機は、機台１に載設されて破砕ケースユニッ
トＡと、機台１の下面に付設された排出ユニットＢと、
前記の破砕ケースユニットＡに内蔵された破砕ユニット
Ｃと、主要部がケース本体２に載設された駆動ユニット
Ｄと、ケース本体２の上側方に配設された供給ユニット
Ｅとからその主要部材が構成されている。

【００１０】機台１に載設された破砕ケースユニットＡ
は、上方が逆円錐台状で下方が円筒形状のケース本体２
と、ケース本体２の内円周壁面に所要間隔で上下方向に
配設された突出板３と、ケース本体２の外周面に周設し
た補強リブ４と、ケース本体２の上面を閉塞する天板５
とからなっている。ケース本体２の一側方上部には、供
給ユニットＥと連通させるための穴２ａが開口されてい
る。

【００１１】機台１の下面に付設された排出ユニットＢ
は、駆動ユニットＤの破砕ロータ軸１５の下端部に軸支
された排出ロータ１６と、機台１の下面で排出ロータ１
６を収納する送出ルーム１７と、送出ルーム１７の一側
方から下部に設けられた排出ルーム１８とから構成され
ている。

【００１２】排出ユニットＢの排出ロータ１６は、一方
に送出板１６ａが張出形成され、その回転により破砕片
（図示しない）を送出口１７ａから排出ルーム１８に送
り出す。送出ルーム１７は、ケース本体２の底部から破
砕片を落下させる隙間１７ｂが開口され、下面に排出ル
ーム１８と連通する送出口１７ａが開口されている。排
出ルーム１８は、破砕した破砕片を一時的に収納しうる
室で、下面に蓋体１８ａが開閉自在に設けられている。

【００１３】破砕ユニットＣは、段設されたブレード１
９と、段設されたブレード間に配設された破砕子２０
と、前記のブレード１９および上記の破砕子２０を上下
で軸支する取付板２１と、破砕粒度調整装置２２とから
構成されている。破砕ユニットＣのブレード１９は、破
砕子２０が回転できる所定間隔に段設され、被破砕物の
種類により円板型、隅取り正方形、張出板付円板型等が
採用される。

【００１４】鉄屑や産業廃棄物等を破砕する破砕子２０
は、必要に応じて周面に凹凸が形成され、取付軸２９に
遊挿され、破砕ケースユニットＡの突出板３と共働し、
供給された被破砕物を切断破砕する。段設されたブレー
ド１９およびそのブレード１９間に配設された破砕子２
０を上下で軸支する取付板２１は、上の取付板２１で取
付軸２９を垂設し、下の取付板２１で取付軸２９を立設
する。

【００１５】破砕粒度調整装置２２は、破砕ユニットＣ
における各取付軸２９の最下段の破砕子２０ａの下方に
配設された破砕粒度調整用の調整盤２２ａと、上記の各
調整盤２２ａを進出後退させる昇降手段としての油圧シ
リンダ２２ｂとから構成されている。

【００１６】そして、破砕ユニットＣにおける静止状態
における一方の最下段の破砕子２０ａの下面と、調整盤
２２ａの上面との間には被破砕片の大きさを決定するた
めの図２で示す間隙ｔが形成される。また、調整盤２２
ａは、昇降手段としての油圧シリンダ２２ｂのロッドの
先端に連結されている。

【００１７】昇降手段としての油圧シリンダ２２ｂは、
その調整盤２２ａがケース本体２の内周面側に配置され
るように機台１の下面に複数個（２個乃至６個）固設さ
れる。昇降手段は、油圧シリンダ２２ｂに限定されるも
のではなく、送りねじ方式でもよい。さらに、図２にお
ける左側最下段の破砕子２０ａの送出口１７ａを除く下
面にも調整盤２２ａが配設される。

【００１８】実施例において、調整盤２２ａを上昇させ
ることにより、最下段の破砕子２０ａの下面と調整盤２
２ａの上面との距離を縮め、通過する被破砕物の粒度を
小径化する。また、調整盤２２ａを下降後退させること
により、最下段の破砕子２０ａの下面と調整盤２２ａの
上面との距離を拡げ、通過する被破砕物の粒度を大径化
する。

【００１９】主要部がケース本体２に載設された駆動ユ
ニットＤは、モータ、減速機、回転制御機器等が内蔵さ
れた駆動タワー２３と、駆動タワー２３の出力軸に連結
された破砕ロータ軸１５と、破砕ロータ軸１５の上部に
取り付けたブラケット２４と、破砕ロータ軸１５の下端
を軸承する軸受２５とから構成されている。破砕ロータ
軸１５の上部に取り付けたブラケット２４は、破砕ユニ
ットＣの上の取付板２１と連結され、回転を伝達する。

【００２０】鉄屑や産業廃棄物等を破砕ケースユニット
Ａに供給する供給ユニットＥは、鉄屑や産業廃棄物が投
入される投入ケース２６と、投入された被破砕物を破砕
ケースＡ側に押し出すフィーダ２７と、異物排出口兼点
検口を開閉するスライドドア２８とから構成されてい
る。

【００２１】鉄屑や産業廃棄物等の被破砕物が投入され
る投入ケース２６は、上面に投入口２６ａが全面的に開
口され、破砕ケースユニットＡ側に下向きに傾斜した底
部上部にフィーダケース２６ｂが設けられ、その下部に
異物排出口兼点検口２６ｃが開口されると共に、ケース
本体２の穴２ａと連通する供給口２６ｄが開口されてい
る。

【００２２】前記のフィーダ２７は、投入ケース２６の
下向きに傾斜した底板上部から上方でケース外に突出し
たフィーダケース２６ｂの中間で軸支板２７ｄで揺動自
在に軸支されたフィーダ用シリンダ２７ａのロッド２７
ｂの先端にフィーダブロック２７ｃが連結されている。
フィーダブロック２７ｃの後部上面および後部両側に
は、延伸したロッド２７ｂを投入された破砕材から保護
するブロックケースが連設されている。また、ブロック
ケースの両側に、ローラ２７ｅが２対軸支されている。
そして、投入ケース２６に投入された鉄屑や産業廃棄物
等の被破砕物をケース本体２側へ強制的に押し込み供給
する。このフィーダ２７より破砕機の負荷に応じて供給
を制御することにより過供給による破砕機停止を防止で
き、破砕機動力の定格一杯まで稼動するので効率が良
い。

【００２３】異物排出口兼点検口２６ｃを開閉するスラ
イドドア２８は、投入ケース２６の傾斜底面に摺動自在
な状態で配設され、傾斜延長線上に固定されたスライド
ドア用シリンダ２８ａのロッド２８ｂの先端に連結され
ている。そして、縦型破砕機の破砕中に破砕不能物類の
異物が混入し、これを排出する場合や保守・点検を容易
にするために投入ケース下腹部を開閉する。

【００２４】上記の構成からなる縦型破砕機のフィーダ
において、破砕材がスムーズに流れない場合には、フィ
ーダ２７を作動させ、被破砕材をケース本体２内へ送り
込む。すなわち、フィーダ用シリンダ２７ａのロッド２
７ｂを進出させると、ロッド２７ｂの先端に連結された
フィーダブロック２７ｃが投入ケース２６の底面に沿っ
てケース本体２の穴２ａの方向へ破砕材を強制的に送り
出す。

【００２５】

【発明の効果】以上のように、この発明に係る縦型破砕
機の破砕粒度調整装置は、破砕ユニットにおける取付軸
の最下段の破砕子の下方に配設された破砕粒度調整用の
調整盤が昇降することにより、上記破砕子と調整盤の間
隙が狭くなったり、広くなったりすることにより被破砕
物の粒度が決定される。したがって、一台の破砕機で粒
度の異なる所望粒度の破砕粒が得られ、かつ、長期使用
による破砕機内張りや破砕ハンマー等の経時摩耗にも対
応できると共に、摩耗対処補修周期の延長ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る縦型破砕機の破砕粒度調整装置
が組込まれた縦型破砕機を示す断面図である。

【図２】要部を示す拡大断面図である。

【図３】従来の縦型破砕機の例を示す断面図である。

【符号の説明】

Ａ……破砕ケースユニット Ｂ……排出ユニット Ｃ……破砕ユニット Ｄ……駆動ユニット Ｅ……供給ユニット １……機台 ２……ケース本体 ２ａ……穴 ３……突出板 ４……補強リブ ５……天板 １５……破砕ロータ軸 １６……排出ロータ １６ａ……送出板 １７……送出ルーム １７ａ……送出口 １７ｂ……隙間 １８……排出ルーム １８ａ……蓋体 １９……ブレード ２０……破砕子 ２１……取付板 ２２……破砕粒度調整装置 ２２ａ……調整盤 ２２ｂ……油圧シリンダ ２２ｃ……ロッド ２３……駆動タワー ２４……ブラケット ２５……軸受 ２６……投入ケース ２６ａ……投入口 ２６ｂ……フィーダケース ２６ｃ……異物排出口兼点検口 ２６ｄ……供給口 ２７……フィーダ ２７ａ……フィーダ用シリンダ ２７ｂ……ロッド ２７ｃ……フィーダブロック ２７ｄ……軸支板 ２７ｅ……ローラ ２８……スライドドア ２８ａ……スライドドア用シリンダ ２８ｂ……ロッド ２９……取付軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 破砕ユニットが内蔵され、供給ユニッ
   ト、駆動ユニットを上部に備え、排出ユニットが底部に
   備えられた縦型破砕機であって、 上の取付板に垂設した取付軸と下の取付板に立設した取
   付軸の間にブレードと破砕子とを交互に軸支した破砕ユ
   ニットを設け、 上記の破砕ユニットにおける各取付軸の最下段の破砕子
   の下方に配設された破砕粒度調整用の調整盤と、上記の
   各調整盤を進出後退させる昇降手段を備えたことを特徴
   とする縦型破砕機の破砕粒度調整装置。
2. 【請求項２】 前後往復手段を、圧力シリンダーとした
   ことを特徴とする請求項１記載の縦型破砕機の破砕粒度
   調整装置。
3. 【請求項３】 前後往復手段を、送りねじとしたことを
   特徴とする請求項１記載の縦型破砕機の破砕粒度調整装
   置。