JP2022094084A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022094084A
JP2022094084A JP2020206901A JP2020206901A JP2022094084A JP 2022094084 A JP2022094084 A JP 2022094084A JP 2020206901 A JP2020206901 A JP 2020206901A JP 2020206901 A JP2020206901 A JP 2020206901A JP 2022094084 A JP2022094084 A JP 2022094084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
compressor
valve
flow path
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020206901A
Other languages
English (en)
Inventor
卓登 ▲瀬▼戸山
Takuto Setoyama
浩史 平野
Hiroshi Hirano
将弘 近藤
Masahiro Kondo
亮 高岡
Akira Takaoka
昇平 仲田
Shohei Nakada
和樹 須田
Kazuki Suda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu General Ltd
Original Assignee
Fujitsu General Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu General Ltd filed Critical Fujitsu General Ltd
Priority to JP2020206901A priority Critical patent/JP2022094084A/ja
Publication of JP2022094084A publication Critical patent/JP2022094084A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】油戻し流路にフィルタが設けられた場合であっても、フィルタにおいて潤滑油の流動性が低下することを抑える。【解決手段】冷凍サイクル装置は、潤滑油が貯留され、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒が流れる冷媒回路と、冷媒回路に設けられ、冷媒に含まれる潤滑油を冷媒から分離する油分離器と、油分離器によって分離された潤滑油を圧縮機の吸入側に送る油戻し流路に設けられ、油戻し流路を流れる潤滑油に含まれる酸を捕捉するフィルタと、油戻し流路の潤滑油の流れ方向に対するフィルタの上流側に一端が接続され、潤滑油の流れ方向に対するフィルタの下流側に他端が接続された迂回流路と、迂回流路を開閉する開閉弁と、開閉弁の開閉動作を制御する制御部と、を備える。制御部は、圧縮機において冷媒の分解に伴う酸が発生していると判断したとき、開閉弁を閉じるように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置では、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低い冷媒として、R466A冷媒を用いることが提案されている(特許文献1)。R466A冷媒は、R32冷媒、R125冷媒、トリフルオロヨードメタン(CFI)の3種混合冷媒であり、圧縮機の内部における高温環境下で分解して酸が発生するため、酸によって冷媒回路を構成する配管等の金属部品が腐食して冷凍サイクル装置が損傷するおそれがある。また、高温環境下で分解するトリフルオロヨードメタンを含む混合冷媒は、酸素や水分によって分解し、ヨウ化水素、フッ酸、フッ化カルボニルの分解物を発生し、特に、ヨウ化水素及びフッ酸が、圧縮機の潤滑油として用いられるポリビニルエーテル油や有機材料を劣化させるおそれがある。このため、関連技術としては、R466A冷媒により発生する酸を捕捉する酸捕捉フィルタが冷媒回路に設けられるものがある(特許文献2)。
特開2020-34261号公報 特開2018-96571号公報
圧縮機の摺動部分を潤滑する潤滑油が圧縮機の内部に貯留されており、冷凍サイクル装置としては、圧縮機から吐出された冷媒に含まれる潤滑油を分離する油分離器と、油分離器によって冷媒から分離された潤滑油を圧縮機に戻すための油戻し流路と、を備えるものがある。上述した冷媒の分解物は、圧縮機の内部で発生するので、圧縮機近傍の下流側に配置された油分離器から潤滑油が圧縮機に戻される油戻し流路に酸捕捉フィルタを配置することが考えられる。これにより、酸によって劣化する構成部材を備える圧縮機に送られる酸を効果的に捕捉することが可能になる。
しかし、油戻し流路に酸捕捉フィルタが配置された場合には、油戻し流路において流動抵抗が大きくなる酸捕捉フィルタの内部に潤滑油が滞留して、圧縮機に戻される潤滑油が減ることで、圧縮機の内部の潤滑油が不足するおそれがある。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、油戻し流路にフィルタが設けられた場合であっても、フィルタでの潤滑油の滞留を抑えることができる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本願の開示する冷凍サイクル装置の一態様は、潤滑油が貯留され、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒が流れる冷媒回路と、冷媒回路に設けられ、冷媒に含まれる潤滑油を前記冷媒から分離する油分離器と、油分離器によって分離された潤滑油を圧縮機の吸入側に送る油戻し流路に設けられ、油戻し流路を流れる潤滑油に含まれる酸を捕捉するフィルタと、油戻し流路の潤滑油の流れ方向に対するフィルタの上流側に一端が接続され、潤滑油の流れ方向に対するフィルタの下流側に他端が接続された迂回流路と、迂回流路を開閉する開閉弁と、開閉弁の開閉動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、圧縮機において冷媒の分解に伴う酸が発生していると判断したとき、開閉弁を閉じるように制御する。
本願の開示する冷凍サイクル装置の一態様によれば、油戻し流路にフィルタが設けられた場合であっても、フィルタでの潤滑油の滞留を抑えることができる。
図1は、実施例1の冷凍サイクル装置全体を示す模式図である。 図2は、実施例1の冷凍サイクル装置における酸捕捉器を示す模式図である。 図3は、実施例1の冷凍サイクル装置におけるバイパス弁及びフィルタ弁の制御を説明するためのフローチャートである。 図4は、実施例2の冷凍サイクル装置の要部を示す模式図である。 図5は、実施例3の冷凍サイクル装置の要部を示す模式図である。
以下に、本願の開示する冷凍サイクル装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する冷凍サイクル装置が限定されるものではない。
実施例の冷凍サイクル装置としては、空気調和装置を一例として、1台の室外機に1台の室内機が接続され、室内機が冷房運転または暖房運転を行うことが可能に構成されたものを説明する。図1は、実施例の冷凍サイクル装置全体を示す模式図である。
(冷媒)
まず、実施例の冷凍サイクル装置1で使用される冷媒について説明する。実施例の冷凍サイクル装置1では、冷媒として、R466A冷媒が用いられる。R466A冷媒は、R32冷媒、R125冷媒、トリフルオロヨードメタン(CFI)の3成分混合冷媒である。R466A冷媒は、圧縮機の圧縮部で圧縮された後、高温環境下で分解されて酸を発生することがあり、酸によって冷媒回路が腐食して冷凍サイクル装置が損傷するおそれがある。このため、実施例の冷凍サイクル装置1では、後述する酸捕捉器34の酸捕捉フィルタ35によって冷媒に含まれる酸を捕捉し、冷媒から酸を除去することで、冷凍サイクル装置1の損傷、特に圧縮機10の損傷を抑えている。
なお、冷媒としては、R466A冷媒に限定されず、酸を発生するおそれがある冷媒であれば、他の冷媒が用いられてもよい。例えば、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)を含む冷媒では、冷媒の蒸気圧[kPa]が低く、冷媒回路において運転中に大気圧よりも負圧になる領域が発生し易いため、高圧の冷媒が減圧される区間で冷媒回路内に外気を吸い込んで冷媒に酸素が入り込みやすい傾向があるので、冷媒が酸化分解されて酸を発生しやすい。このような冷媒を用いる場合にも、本実施例が適用されてもよく、本実施例と同様に後述する効果が得られる。
(冷凍サイクル装置の構成)
図1に示すように、冷凍サイクル装置1は、冷媒が循環する冷媒回路2と、冷媒回路2に設けられた室外機3及び室内機4と、を備える。図1には、室内機4を冷房運転する際の冷媒の流れを矢印で示す。冷媒回路2は、室外機3と室内機4とを接続する液管6及びガス管7を有する。液管6は、一端が室外機3の閉鎖弁(液二方弁)16に接続され、他端が室内機4に接続されている。ガス管7は、一端が室外機3の閉鎖弁(ガス三方弁)17に接続され、他端が室内機4に接続されている。
(室外機の構成)
まず、室外機3について説明する。室外機3は、圧縮機10及び圧縮機用アキュムレータ11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、室外ファン14と、室外膨張弁15と、液管6の一端が接続された閉鎖弁16と、ガス管7の一端が接続された閉鎖弁17と、冷媒貯留器であるアキュムレータ18と、を備える。
圧縮機10は、インバータにより回転数が制御されるモータ8によって駆動されることで、運転容量を可変できる能力可変型のロータリ圧縮機である。圧縮機10の内部には、摺動部分(図示せず)を潤滑する潤滑油としての冷凍機油9が貯留されている。圧縮機10の冷媒吐出側は、圧縮機10から吐出された冷媒に含まれる冷凍機油9を冷媒から分離する油分離器22と吐出管21aを介して接続されている。また、油分離器22は、後述する四方弁12のポートaと冷媒配管21bを介して接続されており、冷凍機油9から分離された冷媒が四方弁12へ送られる。さらに、油分離器22は、アキュムレータ18の冷媒流入側と接続された冷媒配管である油戻し流路21cに接続されており、油分離器22によって冷媒から分離された冷凍機油9が、アキュムレータ18から送られるガス冷媒と共に圧縮機用アキュムレータ11へ送られる。圧縮機10の冷媒吸入側は、アキュムレータ18の冷媒流出側及び油戻し流路21cと吸入管24を介して接続されている。このように圧縮機10は、冷媒が充填された冷媒回路2に接続されている。
冷凍機油9としては、例えば、ポリオールエステル(POE)及びポリビニルエーテル(PVE)のうち、いずれかを主成分とするものである。圧縮機10に充填された冷凍機油9の一部は、冷媒と共に冷媒回路2内を循環する。POE及びPVEは、いずれも、分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に対して溶解しやすい相溶性を有する冷凍機油9である。この冷凍機油9とR466A冷媒を混合したときに、R466A冷媒が冷凍機油9に、ある程度溶解する。なお、冷凍機油9は、冷媒と相溶性を示すものであればよく、上述に限定されずに他の冷凍機油が用いられてもよい。
四方弁12は、冷媒の流れる方向を切り換えるための切換弁であり、4つのポートa、b、c、dを有している。ポートaは、上述したように冷媒配管21bで接続された油分離器22を介して、圧縮機10の冷媒吐出側に吐出管21aで接続されている。ポートbは、室外熱交換器13の一方の冷媒出入口に冷媒配管26で接続されている。室外熱交換器13の他方の冷媒出入口は、液管6と室外機液管29で接続されている。ポートcは、アキュムレータ18の冷媒流入側に冷媒配管27を介して接続されている。そして、ポートdは、閉鎖弁17に室外機ガス管28によって接続されている。
室外熱交換器13は、室外ファン14によって室外機3の内部に取り込まれた外気と、冷媒とを熱交換する。室外熱交換器13の一方の冷媒出入口は、上述のように四方弁12のポートbに冷媒配管26で接続されており、他方の冷媒出入口が室外機液管29を介して閉鎖弁16に接続されている。
室外膨張弁15は、室外機液管29に設けられている。室外膨張弁15は、電子膨張弁であり、その開度が調整されることにより、室外熱交換器13に流入する冷媒量、または、室外熱交換器13から流出する冷媒量を調整する。室外膨張弁15の開度は、冷凍サイクル装置1が冷房運転を行っている場合に全開とされる。また、冷凍サイクル装置1が暖房運転を行っている場合は、圧縮機10からの冷媒の吐出温度に応じて、室外膨張弁15の開度を制御することにより、冷媒の吐出温度が、圧縮機10の使用上の上限値を超えないように調整される。
アキュムレータ18の冷媒流入側は四方弁12のポートcに冷媒配管27を介して接続されると共に、アキュムレータ18の冷媒流出側が圧縮機10の冷媒吸入側に吸入管24を介して接続されている。このようにアキュムレータ18は、冷媒回路2と圧縮機10とに接続されている。アキュムレータ18は、冷媒配管27からアキュムレータ18の内部に流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する。分離されたガス冷媒は圧縮機用アキュムレータ11を介して圧縮機10に吸入される。
また、室外機3は、制御部としての室外機制御回路30を備える。室外機制御回路30は、図示しないが、室外機3の電装品箱(図示せず)に格納された制御基板に搭載されている。室外機制御回路30は、室外機3の各種センサが検出した検出結果及び制御信号に基づいて、圧縮機10及び室外ファン14の駆動を制御する。また、室外機制御回路30は、室外機3の各種センサが検出した検出結果及び制御信号に基づいて、四方弁12の切り換え制御を行うと共に、室外膨張弁15の開度を調整する。
(実施例の要部)
そして、図1に示すように、冷媒回路2には、油分離器22によって冷媒から分離された冷凍機油9が圧縮機10に送られる油戻し流路21cに、油戻し流路21cを流れる冷凍機油9に含まれる酸を捕捉する酸捕捉フィルタ35(請求項に記載のフィルタ)を有する酸捕捉器34が設けられている。酸捕捉フィルタ35を通過した潤滑油は酸捕捉器34から吸入管24に送られる。
図2は、実施例の冷凍サイクル装置1における酸捕捉器34を示す模式図である。図2に示すように、酸捕捉器34は、冷媒が一方向に流れる容器36を有しており、容器36内に酸捕捉フィルタ35が設けられている。酸捕捉フィルタ35は、例えば、活性アルミナ粒子を成形した多孔質体であり、多孔質体の吸着作用によって酸を捕捉する。これにより、冷凍サイクル装置1は、冷媒が高温環境下で分解して発生する酸による損傷を受けにくくなり、特に圧縮機10の損傷が抑えられる。
酸捕捉器34の酸捕捉フィルタ35は、流動抵抗が大きいので、酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9が滞留することがある。酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9が滞留した場合、圧縮機10に戻される冷凍機油9が減少し、圧縮機10の内部の冷凍機油9が不足するおそれがある。
そこで、冷媒回路2は、図1に示すように、油戻し流路21cを流れる冷凍機油9を、酸捕捉フィルタ35を有する酸捕捉器34を迂回して吸入管24に送る迂回流路としてのバイパス流路33を備える。バイパス流路33は、油戻し流路21cの冷凍機油9の流れ方向に対する酸捕捉フィルタ35の上流側に一端33aが接続されており、冷凍機油9の流れ方向に対する酸捕捉フィルタ35の下流側に他端33bが接続されている。バイパス流路33の他端33bは、油戻し流路21cに接続されたが、吸入管24に接続されてもよい。
油分離器22から油戻し流路21cに送られた冷凍機油9は、酸捕捉フィルタ35を通過して吸入管24に送られると共に、バイパス流路33を通って酸捕捉フィルタ35を迂回して吸入管24に送られることにより、酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9が滞留することを抑制できる。また、油分離器22から油戻し流路21cに送られる冷凍機油9が増えた場合にも、バイパス流路33を通って冷凍機油9が流れるので、酸捕捉フィルタ35へ流れる冷凍機油9の流量が急激に増えることが抑えられると共に、バイパス流路33を通して冷凍機油9を圧縮機10にスムーズに戻すことができる。したがって、冷凍サイクル装置1では、油戻し流路21cを流れる冷凍機油9に含まれる酸を酸捕捉フィルタ35によって捕捉して圧縮機10に送られる酸の量を低減すると共に、圧縮機10内で冷凍機油9の不足が生じることを抑えられる。
また、バイパス流路33には、バイパス流路33を開閉する開閉弁としてのバイパス弁38が設けられており、室外機制御回路30によってバイパス弁38の開閉動作が制御される。室外機制御回路30は、圧縮機10において冷媒の分解に伴う酸が発生していると判断したときに、バイパス弁38を閉じてバイパス流路33による冷凍機油9の流れを止め、冷凍機油9が酸捕捉フィルタ35のみに流れるように制御する。これにより、圧縮機10において酸が発生しているときに、冷凍機油9に含まれる酸が酸捕捉フィルタ35によって捕捉されることにより、冷凍機油9から酸が除去される。詳細について後述するが、室外機制御回路30は、圧縮機10における酸の発生を判断する際、圧縮機10から吐出された冷媒の吐出温度Tによって判断しており、吐出温度Tに基づいてバイパス弁38の開閉動作を制御する。
また、油戻し流路21cには、バイパス流路33の一端33aと酸捕捉フィルタ35との間に、油戻し流路21cを開閉する他の開閉弁としてのフィルタ弁39が設けられており、室外機制御回路30によってフィルタ弁39の開閉動作が制御される。室外機制御回路30は、圧縮機10から吐出される冷媒に含まれる冷凍機油9の量(以下、吐油量と称する。)に基づいて、バイパス弁38及びフィルタ弁39の開閉動作を制御する。詳細について後述するが、室外機制御回路30は、圧縮機10からの吐油量を判断する際、圧縮機10から吐出された冷媒の吐出温度T、吐出圧力P1から算出される吐出過熱度SHによって判断しており、吐出過熱度SHに基づいてバイパス弁38及びフィルタ弁39の開閉動作を制御する。
室外機制御回路30は、圧縮機10から吐出される吐油量が多いと判断したときに、バイパス弁38及びフィルタ弁39を開いて、冷凍機油9がバイパス流路33と酸捕捉フィルタ35にそれぞれ流れるように制御する。これにより、吐油量が多いときに冷凍機油9がバイパス流路33にも流れることで、酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9の滞留が生じることを防ぐと共に、バイパス流路33を通して冷凍機油9を圧縮機10にスムーズに戻すことによって圧縮機10の内部で冷凍機油9が不足することを抑えられる。
冷凍サイクル装置1では、室外機制御回路30が圧縮機10において酸が発生しておらず、圧縮機10からの吐油量が少ないと判断したとき、すなわち通常時、バイパス弁38を閉じると共に、フィルタ弁39を開くことで、酸捕捉フィルタ35を通過した冷凍機油9が圧縮機10に戻される。
そして、冷凍サイクル装置1は、室外機制御回路30が圧縮機10において酸が発生していると判断したときに、バイパス弁38を閉じると共に、フィルタ弁39を開くことで、冷凍機油9をバイパス流路33に送らずに酸捕捉フィルタ35のみに送り、酸捕捉フィルタ35によって冷凍機油9から酸を除去する。
また、冷凍サイクル装置1は、圧縮機10からの吐油量が多いと判断したときに、バイパス弁38を開くと共に、フィルタ弁39が開くことで、バイパス流路33を流れる冷凍機油9と、酸捕捉フィルタ35を通過した冷凍機油9が圧縮機10に戻される。なお、実施例1における室外機制御回路30は、吐出温度Tや圧縮機10からの吐油量に応じてフィルタ弁39の開閉動作を制御するが、フィルタ弁39が常に開くように制御してもよい。
(酸の発生の判断)
室外機制御回路30が圧縮機10において酸が発生しているか否かを判断するために、冷媒回路2の吐出管21aには、図1に示すように、圧縮機10から吐出された冷媒の吐出温度Tを検出する吐出温度検出器としての吐出温度センサ41が設けられている。吐出温度センサ41は、室外機制御回路30と電気的に接続されており、検出信号を室外機制御回路30に送る。
室外機制御回路30は、吐出温度センサ41の検出結果に基づいてバイパス弁38を閉じるように制御する。具体的には、室外機制御回路30は、吐出温度センサ41が検出した吐出温度Tが閾値である所定温度以上になったとき、圧縮機10において酸が発生していると判断し、バイパス弁38を閉じてフィルタ弁39を開くように制御する。これにより、油分離器22から送られる冷凍機油9に含まれる酸が酸捕捉フィルタ35によって捕捉され、酸捕捉フィルタ35を通過した冷凍機油9が圧縮機10に戻される。上述の所定温度は、例えば、100[℃]程度に設定されている。この所定温度は、圧縮機10を保護するために圧縮機10を停止させるための保護停止温度未満である。
なお、室外機制御回路30は、吐出温度センサ41が検出した吐出温度Tが所定温度以上になったとき圧縮機10において酸が発生していると判断してバイパス弁38を閉じるが、バイパス弁38を閉じたときから所定時間が経過したときに、再度、吐出温度Tを検出し吐出温度Tが所定温度以上であるとき、依然として圧縮機10において酸が発生していると判断してもよい。これにより、発生した酸をフィルタに流入させることができる。
また、室外機制御回路30は、タイマー回路としても機能し、バイパス弁38を閉じたときから所定時間が経過したときにバイパス弁38を開くように制御する。つまり、室外機制御回路30は、圧縮機10において酸が発生したと判断した場合、所定時間が経過するまでは酸捕捉器34の酸捕捉フィルタ35に冷凍機油9を送られるようにバイパス弁38を閉じている状態を維持する。所定時間は、圧縮機10で発生した酸が酸捕捉フィルタ35に流入するまでに必要な時間が予め実験等により定められている。これにより、発生した酸を酸捕捉フィルタ35に確実に流入させることができる。
(冷凍機油の滞留の判断)
また、冷凍サイクル装置1では、圧縮機10において酸が発生しているときにバイパス弁38を閉じることで、冷凍機油9を酸捕捉フィルタ35に送った場合、酸捕捉フィルタ35の内部で冷凍機油9の滞留が生じているか否かを判断する。室外機制御回路30が冷凍機油9の滞留を判断するために、図1に示すように、油戻し流路21cにおける酸捕捉フィルタ35の下流側流路21eには、この下流側流路21e内の下流側圧力P2を検出する下流側圧力検出器としての下流側圧力センサ43が設けられている。下流側圧力センサ43は、室外機制御回路30と電気的に接続されており、検出信号を室外機制御回路30に送る。
室外機制御回路30は、吐出圧力センサ42と下流側圧力センサ43の各検出結果に基づいて、圧縮機10のモータ8の回転数を制御する。具体的には、室外機制御回路30は、吐出圧力センサ42が検出した吐出圧力P1と、下流側圧力センサ43が検出した下流側圧力P2の差(P1-P2)が、予め設定された閾値よりも大きいときに、酸捕捉フィルタ35に滞留した冷凍機油9の量が許容量を超えたと判断し、モータ8の回転数を下げるように制御する。
この制御は、酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9が滞留した場合に、酸捕捉フィルタ35の流動抵抗が大きくなって冷凍機油9が流れにくくなり、酸捕捉フィルタ35によって圧力損失が生じることで、油戻し流路21cにおける酸捕捉フィルタ35の下流側流路21e内の下流側圧力P2が小さくなる現象に基づいている。このため、酸捕捉フィルタ35の内部で冷凍機油9の滞留が生じた場合には、酸捕捉フィルタ35の下流側流路21e内の下流側圧力P2が低下することで、吐出圧力P1と下流側圧力P2の差(P1-P2)が大きくなる。閾値は、酸捕捉フィルタ35の内部に滞留する冷凍機油9が許容できる量の最大値となった場合の差を予め実験により検証した値である。
上述のように室外機制御回路30が酸捕捉フィルタ35の内部で冷凍機油9の滞留が生じていると判断したとき、圧縮機10のモータ8の回転数を下げることで、圧縮機10から吐出される冷媒の吐出温度Tを低下させて、圧縮機10において発生している酸の生成を抑制することができる。
なお、室外機制御回路30は、モータ8の回転数を下げる代わりに、例えば、圧縮機10の圧縮室での冷媒の圧縮中に圧縮室内へ冷媒を噴射する、いわゆるインジェクションを行うように制御してもよい。この場合、室外機液管29を流れる液相冷媒を圧縮機10に送るインジェクション配管により圧縮室10内へ冷媒を噴射する。この場合には、インジェクションによって圧縮機10から吐出される冷媒の吐出温度Tを下げることで、圧縮機10で発生している酸の生成が抑制される。
(吐油量の判断)
室外機制御回路30が圧縮機10からの吐油量が多いか否かを判断するために、冷媒回路2の吐出管21aには、図1に示すように、圧縮機10から吐出された冷媒の吐出圧力P1を検出する吐出圧力検出器としての吐出圧力センサ42が設けられている。吐出圧力センサ42は、室外機制御回路30と電気的に接続されており、検出信号を室外機制御回路30に送る。
室外機制御回路30は、吐出温度センサ41と吐出圧力センサ42の各検出結果に基づいてバイパス弁38及びフィルタ弁39をそれぞれ開くように制御する。具体的には、室外機制御回路30は、吐出圧力センサ42が検出した吐出圧力P1における冷媒の飽和温度(高圧飽和温度と称する。)を求め、吐出温度センサ41が検出した吐出温度Tから高圧飽和温度Uを減算し(T-U)、吐出過熱度SHを算出する。そして、室外機制御回路30は、吐出温度Tが所定温度、例えば100[℃]よりも小さく、且つ、吐出過熱度SHが閾値よりも小さいとき、酸が発生している可能性が低く、且つ、圧縮機10からの吐油量が多いと判断し、バイパス弁38を開くと共にフィルタ弁39を開くように制御する。
これにより、圧縮機10からの吐油量が多いことに伴い、油分離器22から送られる冷凍機油9が多いときに、冷凍機油9をバイパス流路33に流しながら酸捕捉フィルタ35に送ることで、酸捕捉フィルタ35に冷凍機油9が滞留することを防げる。上述の閾値としては、例えば、10[℃]程度に設定されている。
この制御は、吐出過熱度SHが10[℃]よりも小さい場合に、圧縮機10において冷凍機油9に冷媒が溶け込みやすくなるので、圧縮機10からの吐油量が増える現象に基づいている。吐出過熱度SHが10[℃]以上になった場合には、冷凍機油9と冷媒が分離しやすくなる傾向があるので、圧縮機10からの吐油量が減る。
(バイパス弁及びフィルタ弁の制御)
図3は、実施例1の冷凍サイクル装置1におけるバイパス弁38及びフィルタ弁39の制御を説明するためのフローチャートである。なお、制御開始時点において、バイパス弁38及びフィルタ弁39は開いている。
図3に示すように、室外機制御回路30は、吐出温度センサ41によって吐出管21a内の吐出温度Tを検出し(ステップS1)、吐出圧力センサ42によって油戻し流路21c内の吐出圧力P1を検出する(ステップS2)。続いて、ステップS3に示すように、室外機制御回路30は、吐出温度Tが所定温度よりも小さいか否かを判断する。
ステップS3において、室外機制御回路30は、吐出温度Tが所定温度よりも小さいとき(ステップS3のNo)、圧縮機10において酸が発生していると判断して油戻し流路21cのフィルタ弁39を開き(ステップS5)、バイパス流路33のバイパス弁38を閉じる(ステップS6)。これにより、油分離器22から送られる冷凍機油9は、バイパス流路33に流れずに、酸捕捉フィルタ35に送られ、冷凍機油9に含まれる酸が酸捕捉フィルタ35によって捕捉される。酸捕捉フィルタ35を通過した冷凍機油9は、吸入管24を通って圧縮機10に戻される。
また、室外機制御回路30は、圧縮機10で酸が発生していると判断し(ステップS3のNo)、冷凍機油9を酸捕捉フィルタ35に送った場合、下流側圧力センサ43によって酸捕捉フィルタ35の下流側の下流側圧力P2を検出する(ステップS7)。次に、室外機制御回路30は、ステップS8に示すように、ステップS2で検出した吐出圧力P1と下流側圧力P2の差(P1-P2)を算出し、この差が閾値よりも大きいか否かを判断する。
ステップS8において、室外機制御回路30は、吐出圧力P1と下流側圧力P2の差(P1-P2)が閾値よりも大きいことに基づいて、酸捕捉フィルタ35での圧力損失が生じており、酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9が滞留していると判断した場合(ステップS8のYes)、圧縮機10のモータ8の回転数を下げる(ステップS9)。これにより、圧縮機10から吐出される吐出温度Tが下げられるので、圧縮機10での酸の発生が抑えられる。
また、ステップS8において、室外機制御回路30は、吐出圧力P1と下流側圧力P2の差分(P1-P2)が閾値以下である判断した場合(ステップS8のNo)、室外機制御回路30は、ステップS9の処理に続いて、ステップS14に示すようにバイパス弁38が閉じた状態、且つ、バイパス弁38を閉じたときから所定時間が経過したか否かを判断する。
一方、上述したステップS3において、室外機制御回路30は、吐出温度Tが所定温度以上である場合(ステップS3のYes)、圧縮機10において酸が発生していないと判断し、室外機制御回路30は、吐出温度Tと吐出圧力P1によって吐出過熱度SHを算出し、当該吐出過熱度SHが閾値よりも小さいか否かを判断する(ステップS4)。
ステップS4において、室外機制御回路30は、吐出過熱度SHが閾値よりも小さいことに基づいて圧縮機10からの吐油量が多いと判断した場合(ステップS4のYes)、フィルタ弁39を開く(ステップS10)。このとき、バイパス弁38は開いている。これにより、油分離器22から送られる冷凍機油9は、酸捕捉フィルタ35に送られると共に、バイパス流路33に送られて、圧縮機10へ戻される。
ステップS4において、室外機制御回路30は、吐出過熱度SHが閾値以上である場合(ステップS4のNo)、圧縮機10からの吐油量が少ないと判断して、ステップS11に示すように、バイパス弁38が開いているか否かを判断する。ステップS11において、室外機制御回路30は、バイパス弁38が開いている場合(ステップS11のYes)、フィルタ弁39を閉じる(ステップS12)。ステップS11において、室外機制御回路30は、バイパス弁38が開いていない(バイパス弁38が閉じている)場合(ステップS11のNo)、フィルタ弁39を開く(ステップS13)。
ステップS14において、室外機制御回路30は、バイパス弁38を閉じたときから所定時間が経過したと判断した場合(ステップS14のYes)、圧縮機10で発生した酸を含む冷凍機油9が酸捕捉フィルタ35を所定時間通過し、酸捕捉フィルタ35によって冷凍機油9に含まれる酸が除去されたので、バイパス弁38を開き(ステップS15)、バイパス流路33に冷凍機油9を流す。また、ステップS14において、室外機制御回路30は、バイパス弁38が閉じられていない場合や、バイパス弁38を閉じたときから所定時間が経過していないと判断した場合(ステップS14のNo)、制御フローを終了する。所定時間は、予め実験等により定められたものであり、圧縮機10から吐出される吐出温度Tが下げられるので、圧縮機10での酸の発生が抑えられると共に、既に圧縮機10で発生した酸を酸捕捉フィルタ35に到達させるのに必要な時間である。
(室内機の構成)
次に、室内機4について説明する。室内機4は、室内熱交換器51と、室内膨張弁52と、室内ファン53と、を備える。室内機4は、室内熱交換器51の一方の冷媒出入口と液管6とが室内機液管54で接続されており、室内熱交換器51の他方の冷媒出入口とガス管7とが室内機ガス管55で接続されている。
室内熱交換器51は、室内ファン53によって吸込口(図示せず)から室内機4の内部に取り込まれた室内空気と冷媒とを熱交換する。室内熱交換器51は、冷凍サイクル装置1が冷房運転を行う場合に蒸発器として機能し、室内機4が暖房運転を行う場合に凝縮器として機能する。
室内膨張弁52は、室内機液管54に設けられている。室内膨張弁52は、電子膨張弁であり、室内熱交換器51が蒸発器として機能する場合、すなわち室内機4が冷房運転を行う場合、室内熱交換器51の冷媒出口での冷媒過熱度が目標冷媒過熱度となるように調整される。ここで、目標冷媒過熱度とは、室内機4で十分な冷房能力が発揮されるための冷媒過熱度である。また、室内膨張弁52は、室内熱交換器51が凝縮器として機能する場合、すなわち室内機4が暖房運転を行う場合、室内熱交換器51の冷媒出口での冷媒過の冷却度が予め定められた目標値となるように調整される。
また、室内機4は、室内機制御回路60を備える。室内機制御回路60は、室内機4の電装品箱(図示せず)に格納された制御基板に搭載されている。室内機制御回路60は、室内機4の各種センサ(図示せず)が検出した検出結果やリモートコントローラ(不図示)及び室外機3から送信された信号に基づいて、室内膨張弁52の開度調整や室内ファン53の駆動を制御する。なお、冷凍サイクル装置1の制御回路は、上述した室外機制御回路30と室内機制御回路60によって構成される。
(冷凍サイクル装置の動作)
次に、本実施形態における冷凍サイクル装置1の空調運転時の冷媒回路2における冷媒の流れや各部の動作について、図1を用いて説明する。以下、室内機4が冷房/除湿運転を行う場合について説明し、暖房運転を行う場合については詳細な説明を省略する。図1における冷媒の流れ方向F1に沿う矢印は、冷房運転時の冷媒の流れを示している。また、図1における冷媒の流れ方向F2に沿う矢印は、暖房運転時の冷媒の流れを示している。
図1に示すように、室内機4が冷房運転を行う場合、室外機制御回路30は、四方弁12を図1中に実線で示す状態、すなわち、四方弁12のポートaとポートbを連通させ、ポートcとポートdを連通させるように切り換える。これにより、冷媒回路2が、室外熱交換器13が凝縮器として機能するとともに室内熱交換器51が蒸発器として機能する冷房サイクルとなる。
圧縮機10から吐出された高圧の冷媒は、吐出管21a、冷媒配管21bを流れて四方弁12に流入し、四方弁12から冷媒配管26、室外熱交換器13、室外膨張弁15、閉鎖弁16、液管6の順に流れて室内機4に流入する。室内機4に流入した冷媒は、室内機液管54を流れて室内熱交換器51に流入し、室内ファン53の回転によって室内機4の内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って蒸発する。このように、室内熱交換器51が蒸発器として機能し、室内熱交換器51で冷媒と熱交換を行って冷却された室内空気が吹出口(図示せず)から室内に吹き出されることによって、室内機4が設置された室内の冷房が行われる。
室内熱交換器51から流出した冷媒は室内機ガス管55を流れ、ガス管7に流入する。ガス管7を流れる冷媒は、閉鎖弁17を介して室外機3に流入する。室外機3に流入した冷媒は、室外機ガス管28、四方弁12、冷媒配管27、アキュムレータ18、吸入管24、圧縮機用アキュムレータ11の順に流れ、圧縮機10に吸入されて再び圧縮される。
なお、室内機4が暖房を行う場合、四方弁12を図1中に破線で示す状態、すなわち、四方弁12のポートaとポートdとを連結させ、ポートbとポートdとを連結させるように切り換える。これにより、冷媒回路2は、室外熱交換器13が蒸発器として機能すると共に室内熱交換器51が凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
(膨張弁の制御)
ここで、実施例の冷凍サイクル装置1における室外膨張弁15及び室内膨張弁52の制御について説明する。以下、冷媒の温度に関して、例えば、高温が90[℃]程度、中温が40[℃]程度、低温が10[℃]程度である。冷媒の圧力に関して、例えば、高圧が3.0[MPa]程度、中圧が2.8[MPa]程度、低圧が0.9[MPa]程度である。
冷房運転時、室外膨張弁15の入口に中温、高圧の冷媒が流入し、室外膨張弁15の出口から中温、高圧の冷媒が流出する。このとき、室内膨張弁52の入口まで過冷却状態を確保しながら冷媒を送るために、冷凍サイクル装置1の室外機制御回路30は、室外膨張弁15の開度が全開となるように制御する。即ち、室外膨張弁15は冷房運転時に冷媒の減圧を行わない。
また、冷房運転時、室内膨張弁52の入口に中温、中圧の冷媒が流入し、室内膨張弁52の出口から低温、低圧の冷媒が流出する。このとき、冷凍サイクル装置1の室内機制御回路60は、室内熱交換器51で適正な蒸発能力が得られる蒸発温度まで冷媒を減圧し、冷媒の流量を制御する。また、室内機制御回路60は、室内熱交換器51の出口における冷媒過熱度(室内熱交換器51(蒸発器)の出口における冷媒の温度から、室内熱交換器51の入口における冷媒の温度を減算した値)を所定の目標値に保つように制御する。
暖房運転時、室内膨張弁52の入口に中温、高圧の冷媒が流入し、室内膨張弁52の出口から中温、高圧の冷媒が流出し、閉鎖弁16から冷媒の流れ方向F2に沿って流れる。また、室内機制御回路60は、冷媒過冷却度(高圧飽和温度から、室内熱交換器51(凝縮器)の出口における冷媒の温度を減算した値)を所定の目標値に保つように制御する。
また、暖房運転時、室外膨張弁15の入口に中温、中圧の冷媒が流入し、室外膨張弁15の出口から低温、低圧の冷媒が流出する。このとき、冷凍サイクル装置1の室外機制御回路30は、室外膨張弁15の開度を調節することによって室外熱交換器13で適正な蒸発能力が得られる蒸発温度まで冷媒を減圧し、冷媒の流量を制御する。
(実施例1の効果)
上述したように実施例1の冷凍サイクル装置1は、油戻し流路21cを流れる冷凍機油9に含まれる酸を捕捉する酸捕捉フィルタ35と、油戻し流路21cの冷凍機油9の流れ方向に対する酸捕捉フィルタ35の上流側に一端33aが接続され、酸捕捉フィルタ35の下流側に他端33bが接続されたバイパス流路33と、バイパス流路33を開閉するバイパス弁38と、バイパス弁38の開閉動作を制御する室外機制御回路30と、を備える。室外機制御回路30は、圧縮機10において酸が発生していると判断したとき、バイパス弁38を閉じるように制御する。これにより、圧縮機10で酸が発生したときに冷凍機油9に含まれる酸を除去し、油戻し流路21cに酸捕捉フィルタ35が設けられた場合であっても、油分離器22から送られる冷凍機油9をバイパス流路33によって圧縮機10に戻すことが可能になる。このため、酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9が滞留することが抑えられる。したがって、バイパス流路33を用いて冷凍機油9を圧縮機10にスムーズに戻すことが可能になり、圧縮機10の内部の冷凍機油9が不足することが防げる。
また、実施例1の冷凍サイクル装置1の室外機制御回路30は、バイパス弁38を閉じたときから所定時間の経過後にバイパス弁38を開くように制御する。これにより、酸捕捉フィルタ35によって、圧縮機10で発生した酸が冷凍機油9から除去されるのに要する所定時間が経過した後、冷凍機油9をバイパス流路33に送ることが可能になり、酸捕捉フィルタ35で冷凍機油9の滞留が生じることが抑えられる。
また、実施例1の冷凍サイクル装置1は、油戻し流路21cにおける、バイパス流路33の一端33aと酸捕捉フィルタ35との間に設けられ、油戻し流路21cを開閉するフィルタ弁39を備えており、室外機制御回路30が、圧縮機10から吐出される冷媒に含まれる冷凍機油9の吐油量に基づいて、バイパス弁38とフィルタ弁39の各開閉動作を制御する。これにより、圧縮機10からの吐油量が多いときに、油分離器22から送られる冷凍機油9を、バイパス弁38を開いてバイパス流路33に送ると共に、フィルタ弁39を開いて酸捕捉フィルタ35に送ることが可能になる。このため、吐油量が多いときに酸捕捉フィルタ35に冷凍機油9が滞留することを抑えられる。
また、実施例1の冷凍サイクル装置1は、圧縮機10から吐出された冷媒の吐出圧力P1を検出する吐出圧力センサ42と、油戻し流路21cにおける酸捕捉フィルタ35の下流側流路21e内の下流側圧力P2を検出する下流側圧力センサ43を備えており、室外機制御回路30が、吐出圧力P1と下流側圧力P2の差分(P1-P2)が閾値よりも大きいときに、圧縮機10のモータ8の回転数を下げる。このように圧縮機10のモータ8の回転数を下げることで、圧縮機10から吐出される冷媒の吐出温度Tを低下させて、圧縮機10で発生している酸の生成を抑制することができる。また、モータ8の回転数を下げることで、油戻し流路21cにおける冷凍機油9の流速が小さくなるので、酸捕捉フィルタ35での冷凍機油9の滞留を改善できる。
以下、実施例2、3について図面を参照して説明する。実施例2、3において、実施例1と同一の構成部材には、実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。実施例2、3は、上述したバイパス弁38とフィルタ弁39を用いる代わりに、1つの開閉弁を用いる点が、実施例1と異なる。
図4は、実施例2の冷凍サイクル装置の要部を示す模式図である。図4に示すように、実施例2では、実施例1で用いられた二方弁であるバイパス弁38、フィルタ弁39の代わりに、三方弁40を備える。本願の開示において、バイパス流路33に設けられる開閉弁には、バイパス流路33の一端33aと油戻し流路21cとの接続部に設けられる三方弁40が含まれる。
三方弁40は、バイパス流路33の一端33aと油戻し流路21cとの接続部に設けられており、室外機制御回路30によって開閉動作が制御されることで、冷凍機油9を酸捕捉フィルタ35に送る状態と、冷凍機油9をバイパス流路33に送る状態とに切り替えられる。
図示しないが、実施例2における三方弁40の制御フローは、図3におけるステップS5、S10~S13を削除したフローチャートに相当する。実施例2では、図3におけるステップS6で酸捕捉フィルタ35に冷凍機油9を送るように三方弁40を制御し、ステップS14で酸捕捉フィルタ35に冷凍機油9を送ってから所定時間が経過したかを判断し、ステップS15でバイパス流路33に冷凍機油9が流れるように三方弁40を制御する。
(実施例2の効果)
実施例2の冷凍サイクル装置は、実施例1におけるバイパス弁38とフィルタ弁39を兼ねる1つの三方弁40を用いることにより、冷媒回路2の構造を簡素化し、製造コストの低減を図れる。また、実施例2においても、実施例1と同様に、冷凍機油9をバイパス流路33によって圧縮機10に戻すことが可能になるので、酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9が滞留することが抑えられる。したがって、バイパス流路33を用いて冷凍機油9を圧縮機10にスムーズに戻すことが可能になり、圧縮機10の内部の冷凍機油9が不足することが防げる。
図5は、実施例3の冷凍サイクル装置の要部を示す模式図である。図5に示すように、実施例3では、実施例1で用いられたバイパス弁38、フィルタ弁39の代わりに、バイパス弁38のみを備える。実施例3は、フィルタ弁39を備えていない点を除いて、実施例1と同様である。
図示しないが、実施例3におけるバイパス弁38の制御フローは、図3におけるステップS5、S10~S13を削除したフローチャートに相当する。
(実施例3の効果)
実施例3の冷凍サイクル装置は、フィルタ弁39を用いずに1つのバイパス弁38を用いることにより、冷媒回路2の構造を簡素化し、製造コストの低減を図れる。また、実施例3においても、実施例1と同様に、冷凍機油9をバイパス流路33によって圧縮機10に戻すことが可能になるので、酸捕捉フィルタ35の内部に冷凍機油9が滞留することが抑えられる。したがって、バイパス流路33を用いて冷凍機油9を圧縮機10にスムーズに戻すことが可能になり、圧縮機10の内部の冷凍機油9が不足することが防げる。
1 冷凍サイクル装置
2 冷媒回路
8 モータ
9 冷凍機油(潤滑油)
10 圧縮機
21a 吐出管(吐出流路)
21c 油戻し流路
21e 下流側流路
22 油分離器
30 室外機制御回路(制御部)
33 バイパス流路(迂回流路)
33a 一端
33b 他端
34 酸捕捉器
35 酸捕捉フィルタ(フィルタ)
38 バイパス弁(開閉弁)
39 フィルタ弁(他の開閉弁)
40 三方弁(開閉弁)
41 吐出温度センサ(吐出温度検出器)
42 吐出圧力センサ
43 下流側圧力センサ
T 吐出温度
U 高圧飽和温度
SH 吐出過熱度
P1 吐出圧力
P2 下流側圧力

Claims (7)

  1. 潤滑油が貯留され、冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒が流れる冷媒回路と、
    前記冷媒回路に設けられ、前記冷媒に含まれる前記潤滑油を前記冷媒から分離する油分離器と、
    前記油分離器によって分離された前記潤滑油を前記圧縮機の吸入側に送る油戻し流路に設けられ、前記油戻し流路を流れる前記潤滑油に含まれる酸を捕捉するフィルタと、
    前記油戻し流路の前記潤滑油の流れ方向に対する前記フィルタの上流側に一端が接続され、前記流れ方向に対する前記フィルタの下流側に他端が接続された迂回流路と、
    前記迂回流路を開閉する開閉弁と、
    前記開閉弁の開閉動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記圧縮機において前記冷媒の分解に伴い酸が発生していると判断したとき、前記開閉弁を閉じるように制御する、冷凍サイクル装置。
  2. 前記圧縮機から吐出された前記冷媒の吐出温度を検出する吐出温度検出器を更に備え、
    前記制御部は、前記吐出温度に基づいて前記酸が発生していると判断する、
    請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記制御部は、前記開閉弁を閉じたときから所定時間の経過後に前記開閉弁を開くように制御する、
    請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記油戻し流路における、前記迂回流路の前記一端と前記フィルタとの間に設けられ、前記油戻し流路を開閉する他の開閉弁を更に備え、
    前記制御部は、前記圧縮機から吐出される冷媒に含まれる前記潤滑油の量に基づいて前記開閉弁と前記他の開閉弁の開閉動作を制御する、
    請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記圧縮機から吐出された前記冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力検出器を更に備え、
    前記制御部は、前記吐出温度が所定温度よりも小さく、且つ、前記吐出圧力における前記冷媒の高圧飽和温度を、前記吐出温度から減算した吐出過熱度が閾値よりも小さいとき、前記開閉弁と前記他の開閉弁を開くように制御する、
    請求項4に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記圧縮機から吐出された冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧力検出器と、
    前記油戻し流路における前記フィルタの下流側流路内の下流側圧力を検出する下流側圧力検出器を更に備え、
    前記制御部は、前記吐出圧力と前記下流側圧力の差が閾値よりも大きいときに、前記圧縮機のモータの回転数を下げる、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記冷媒は、R466A冷媒である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
JP2020206901A 2020-12-14 2020-12-14 冷凍サイクル装置 Pending JP2022094084A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020206901A JP2022094084A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 冷凍サイクル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020206901A JP2022094084A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 冷凍サイクル装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022094084A true JP2022094084A (ja) 2022-06-24

Family

ID=82088465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020206901A Pending JP2022094084A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 冷凍サイクル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022094084A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5500240B2 (ja) 冷凍装置
JP6935720B2 (ja) 冷凍装置
JP6304330B2 (ja) 冷凍装置
JP3109500B2 (ja) 冷凍装置
JP5842733B2 (ja) 冷凍装置
JP2014119221A (ja) 冷凍装置
JP2010175190A (ja) 空気調和機
JP5014271B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP3199054B2 (ja) 冷凍装置
JP2006220342A (ja) 空気調和装置
JP2022094084A (ja) 冷凍サイクル装置
CN102192574A (zh) 螺杆式压缩多联中央空调制冷模式启动控制方法
WO2022044728A1 (ja) 冷凍サイクル装置
JP3714348B2 (ja) 冷凍装置
JP2022086844A (ja) 冷凍サイクル装置
JP5765325B2 (ja) 冷凍装置
KR100792458B1 (ko) 압축기의 오일분리장치
WO2013088734A1 (ja) 空気調和機
JP2008232564A (ja) 冷凍装置及び冷凍装置の制御方法
JPH09236363A (ja) 空気調和機
JPH08226716A (ja) 冷凍装置
JP6003616B2 (ja) 冷凍装置
JP2004085029A (ja) 空気調和機
JP5644920B2 (ja) 空気調和装置
JP4655906B2 (ja) 冷凍装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240424