JP2022084944A - 帽子 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラウン表地における接合箇所が少ない帽子を提供する。【解決手段】左前被覆部11a1と右前被覆部11a2と左横被覆部11b1と右横被覆部11b2と左後被覆部11b3と右後被覆部11b4とを有する略半球状のクラウン表地11が互いに接合された複数枚の接合用生地によって構成された帽子において、クラウン表地11における前側被覆部16a(左横被覆部11b1の前側略半分、左前被覆部11a1、右前被覆部11a2、及び、右横被覆部11b2の前側略半分)と、クラウン表地11における後側被覆部16b(左横被覆部11b1の後側略半分、左後被覆部11b3、右後被覆部11b4、及び、右横被覆部11b2の後側略半分)とを別の接合用生地によって構成し、クラウン表地11における前側被覆部16aを連続する1枚の接合用生地によって構成して、クラウン表地における後側被覆部16bを連続する1枚の接合用生地によって構成した。【選択図】図12

Description

本発明は、クラウン表地が複数枚の接合用生地を接合することによって略半球状に形成される帽子と、この帽子の製造方法とに関する。
野球帽等の帽子におけるクラウンは、通常、「レンゲ」と呼ばれる略二等辺三角形状に裁断された複数枚の縫合用生地の側縁同士を縫合することにより、略半球状に形成される。略半球状に形成されたクラウンには、鍔やビン皮等、帽子の種類に応じて必要な部材を取り付けた後、仕上げ工程として「型入れ」という作業が行われることになる。
この種の帽子におけるクラウン表地は、例えば特許文献1の図1に示されるように、着用者頭部の左前部を覆う左前被覆部(同図の「左前部21」)と、着用者頭部の右前部を覆う右前被覆部(同図の「右前部22」)と、着用者頭部の左横部を覆う左横被覆部(同図の「左中部23」)と、着用者頭部の右横部を覆う右横被覆部(同図の「右中部24」)と、着用者頭部の左後部を覆う左後被覆部(同図の「左後部25」)と、着用者頭部の右後部を覆う右後被覆部(同図の「右後部26」)とが、それぞれ別の縫合用生地(レンゲ)によって形成されたものが一般的となっていた。
特開2010-106400号公報
ところが、特許文献1の帽子のように、左前被覆部と右前被覆部と左横被覆部と右横被覆部と左後被覆部と右後被覆部とに分かれた縫合用生地を縫合してクラウン表地を形成する場合には、1つのクラウン表地を半球状に仕上げるために、6枚もの縫合用生地を要するという欠点があった。特に、縫合用生地の縫合は、通常、人がミシンを操作することによって行われるため、かなりの手間を要する。縫合用生地の縫合作業は、帽子の製造コストの上昇を招く一因にもなっていた。
また、クラウン表地を構成する縫合用生地の端縁(他の縫合用生地に縫合される端縁)には、解れを防止するために、裏打ち用帯片(例えば特許文献1の図1における「裏打ち用帯片30」を参照。)が縫い付けられることが一般的であり、縫合用生地の縫合部分は、その周辺と比べて硬い部分となりやすかった。このため、クラウン表地の多数箇所に縫合部分が存在すると、その帽子の着用者が頭部に違和感を覚えやすくなるという問題もあった。特に、野球帽等の運動帽の着用者は、短髪であることが多く、帽子の感触が頭部に伝わりやすいため、野球帽等の運動帽におけるクラウン表地に多数の縫合部分を設けることは好ましくなかった。
さらに、クラウン表地の外面には、刺繍やワッペン等によって意匠部が施されることもあるところ、クラウン表地の縫合部分は、縫合糸によってシワがよりやすく平坦になりにくいことに加えて、上記のように硬くなりやすくもあるため、意匠部を施す箇所としては適していなかった。このため、クラウン表地の多数箇所に縫合部分が存在する帽子は、意匠部の寸法や配置が制限されやすいという欠点も有していた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、クラウン表地における接合箇所(縫合箇所や溶着箇所等)が少なく、製造コストを抑えることができる帽子を提供するものである。また、被り心地が良好な帽子を提供することも本発明の目的である。さらに、クラウン表地の外面に設ける意匠部の寸法や配置の自由度が高い帽子を提供することも本発明の目的である。そして、この帽子の製造方法を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
着用者頭部の左前部を覆う略三角状の左前被覆部と、
着用者頭部の右前部を覆う略三角状の右前被覆部と、
着用者頭部の左横部を覆う略三角状の左横被覆部と、
着用者頭部の右横部を覆う略三角状の右横被覆部と、
着用者頭部の左後部を覆う略三角状の左後被覆部と、
着用者頭部の右後部を覆う略三角状の右後被覆部と、
を有する略半球状のクラウン表地が、互いに接合される複数枚の接合用生地によって構成された帽子であって、
少なくとも、クラウン表地における、
左前被覆部及び右前被覆部で構成される前方被覆部と、
左横被覆部、右横被覆部、左後被覆部及び右後被覆部で構成される後方被覆部とが、
別の接合用生地によって構成されるとともに、
クラウン表地における後方被覆部が、2枚以下の接合用生地によって構成された
ことを特徴とする帽子
を提供することによって解決される。
ここで、「接合」とは、「縫合」だけでなく、「溶着」等をも含む概念である。帽子のクラウン表地等は、複数枚の縫合用生地(接合用生地)をミシン等で縫合することによって形成されるものが一般的であるが、本発明の帽子の技術的範囲は、縫合用生地(接合用生地)を縫合したものに限定されない。すなわち、複数枚の接合用生地を超音波ミシン等で溶着することによってクラウン表地等を形成する構成等も、本発明の帽子の技術的範囲に含まれるものとする。クラウン表地等を構成する接合用生地を超音波ミシンによって溶着すると、シームレスとすることができ、帽子の外観や被り心地を向上することが可能になる。
従来の帽子では、そのクラウン表地における後方被覆部が、左横被覆部と右横被覆部と左後被覆部と右後被覆部とに分かれた4枚の接合用生地で形成されるところ、本発明の帽子のように、この後方被覆部を構成する接合用生地を2枚以下に抑えることによって、クラウン表地の接合箇所を減らすことが可能になる。このため、接合用生地を接合する手間を軽減し、帽子の製造コストを抑えることが可能になる。また、帽子の着用者が違和感を覚えやすい接合箇所がクラウン表地に少なく、被り心地が良好な帽子を提供することも可能になる。さらに、刺繍やワッペン等による意匠部を施すのに障害となる接合箇所がクラウン表地に少なく、意匠部の寸法や配置の自由度が高い帽子を提供することも可能になる。
本発明の帽子では、クラウン表地における後方被覆部が、2枚以下の接合用生地によって構成される。このため、本発明の帽子のタイプとしては、クラウン表地における後方被覆部が1枚の接合用生地によって構成された「後方1枚タイプ」のものと、2枚の接合用生地によって構成された「後方2枚タイプ」のものとがある。
まず、後方1枚タイプの帽子としては、クラウン表地における後方被覆部が、その左横被覆部から、左後被覆部と右後被覆部とを経て、右横被覆部に至る部分までにおいて連続する1枚の接合用生地によって構成されたものが挙げられる。
この後方1枚タイプの帽子は、クラウン表地の後方被覆部が1枚の接合用生地によって形成されているため、クラウン表地における、左横被覆部と左後被覆部との境界部分や、右横被覆部と右後被覆部との境界部分や、左後被覆部と右後被覆部との境界部分等を接合する必要のないものとなっている。このため、クラウン表地の接合に要する手間を大幅に軽減するだけでなく、帽子を被った際の違和感を大幅に軽減することができる。また、クラウン表地の後方被覆部の広い範囲において、刺繍やワッペンによる意匠部を好適に施すこともできる。
また、後方2枚タイプの帽子としては、
クラウン表地における後方被覆部が、
その左横被覆部から左後被覆部に至る部分までにおいて連続する接合用生地と、
その右横被覆部から右後被覆部に至る部分までにおいて連続する接合用生地と、
からなる計2枚の接合用生地によって構成されたものが挙げられる。
この後方2枚タイプの帽子は、クラウン表地を、左後被覆部と右後被覆部との境界部分では接合する必要があり、上記の後方1枚タイプの帽子と比較して、接合箇所が1箇所増えるものの、それでも、クラウン表地における、左横被覆部と左後被覆部との境界部分や、右横被覆部と右後被覆部との境界部分は、接合する必要のないものとなっている。このため、後方2枚タイプの帽子でもなお、クラウン表地の接合に要する手間を大幅に軽減するだけでなく、帽子を被った際の違和感を大幅に軽減することができる。また、クラウン表地の後方被覆部の広い範囲において、刺繍やワッペンによる意匠部を好適に施すこともできる。
ところで、本発明の帽子において、クラウン表地における前方被覆部(左前被覆部及び右前被覆部)と、クラウン表地における後方被覆部(左横被覆部、右横被覆部、左後被覆部及び右後被覆部)とは、別の接合用生地によって形成されることについては、既に述べた通りである。クラウン表地は、6枚もの接合用生地を使用しなくても、少なくとも2枚の接合用生地を使用すれば、略半球状に形成することができる。ただし、クラウン表地における前方被覆部を形成する接合用生地と、クラウン表地における後方被覆部を形成する接合用生地とを、いずれも厚手のもの(芯地を含むような硬質のもの)とした場合には、それらを接合して形成されるクラウン表地が、綺麗な半球状にならず、歪な形になりやすくなる。一方、クラウン表地における前方被覆部を形成する接合用生地と、クラウン表地における後方被覆部を形成する接合用生地とを、いずれも薄手のもの(芯地を含まない柔軟のもの)とした場合には、それらを接合して形成されるクラウン表地に保形性を付与しにくくなる。
このため、本発明の帽子においては、
クラウン表地における前方被覆部を、芯地を含む硬質生地によって構成し、
クラウン表地における後方被覆部を、芯地を含まない柔軟生地によって構成する
と好ましい。
これにより、クラウン表地の形態を綺麗な半球状に形成するだけでなく、クラウン表地に保形性を付与することも可能になる。
また、本発明の帽子において、クラウンは、クラウン表地のみで形成してもよいが、クラウン表地の内面側に裏地(クラウン裏地)を配置することもできる。これにより、帽子のクラウンにおける着用者の頭部に接触する側の面を肌触りのよい素材で形成して、帽子の被り心地をさらに向上させることや、クラウン表地とクラウン裏地との間に通気空間を持たせてクラウンにベンチレーション機能を付与すること等が可能になる。ただし、この場合、クラウン表地の接合箇所を減らしたにもかかわらず、クラウン裏地の接合箇所が多いのでは、本発明の帽子が意図する効果を十分に奏することができなくなる虞がある。
このため、本発明の帽子においては、
クラウン表地における後方被覆部を構成する生地と同じ枚数で略同一形状を為すクラウン裏地を、クラウン表地における後方被覆部の内面側に配し、
そのクラウン裏地が、その周縁部以外の部分ではクラウン表地に対して接合されない構造を採用すると好ましい。
これにより、クラウン裏地における接合箇所を、クラウン表地における接合箇所と一致させることができ、クラウン裏地を設けたことによる接合箇所の増大を防ぐことが可能になる。
さらに、本発明の帽子においては、クラウン表地における後方被覆部の外面に、刺繍又はワッペンによる意匠部を施すことも好ましい。
既に述べたように、クラウン表地に接合箇所が多いと、刺繍やワッペンによる意匠部の寸法や配置が制限されやすいところ、本発明の帽子では、クラウン表地における接合箇所が少なく、意匠部の寸法や配置の自由度が高いからである。本発明の帽子では、クラウン表地の後方(後方被覆部)に、大きな意匠部を大胆に施すことも可能である。
このように、クラウン表地に意匠部を施す場合には、
意匠部を、クラウン表地における、
左横被覆部と左後被覆部との境界部分、
右横被覆部と右後被覆部との境界部分、又は、
左後被覆部と右後被覆部との境界部分
の中から選ばれる少なくとも1つの境界部分に跨った状態で施す
ことも可能である。
また、上記課題は、
着用者頭部の左前部を覆う略三角状の左前被覆部と、
着用者頭部の右前部を覆う略三角状の右前被覆部と、
着用者頭部の左横部を覆う略三角状の左横被覆部と、
着用者頭部の右横部を覆う略三角状の右横被覆部と、
着用者頭部の左後部を覆う略三角状の左後被覆部と、
着用者頭部の右後部を覆う略三角状の右後被覆部と、
を有する略半球状のクラウン表地が、互いに接合される複数枚の接合用生地によって構成された帽子であって、
クラウン表地における、
左前被覆部、左横被覆部及び左後被覆部で構成される左側被覆部と、
右前被覆部、右横被覆部及び右後被覆部で構成される右側被覆部とが、
別の接合用生地によって構成されるとともに、
クラウン表地における左側被覆部が、連続する1枚の接合用生地によって構成されて、
クラウン表地における右側被覆部が、連続する1枚の接合用生地によって構成された
ことを特徴とする帽子
を提供することによっても解決される。
これにより、クラウン表地における、着用者頭部の左半球部を覆う部分(左側被覆部)と、着用者頭部の右半球部を覆う部分(右側被覆部)とを、それぞれ1枚の接合用生地によって形成すること、言い換えると、クラウン表地をたった2枚の接合用生地で構成することが可能になる。すなわち、クラウン表地の接合箇所を減らすことが可能になる。このため、接合用生地を接合する手間を軽減し、帽子の製造コストを抑えることが可能になる。また、帽子の着用者が違和感を覚えやすい接合箇所がクラウン表地に少なく、被り心地が良好な帽子を提供することも可能になる。さらに、刺繍やワッペン等による意匠部を施すのに障害となる接合箇所がクラウン表地に少なく、意匠部の寸法や配置の自由度が高い帽子を提供することも可能になる。以下においては、この態様の帽子を「左右二分割タイプの帽子」と呼ぶことがある。
左右二分割タイプの帽子においては、
クラウン表地における左側被覆部の内面側に配されるクラウン裏地を、左側被覆部のクラウン表地と略同一形状をなす1枚の生地によって構成して、
左側被覆部のクラウン表地とクラウン裏地とを、その周縁部以外の部分では接合されない構造とし、
クラウン表地における右側被覆部の内面側に配されるクラウン裏地を、右側被覆部のクラウン表地と略同一形状をなす1枚の生地によって構成して、
右側被覆部のクラウン表地とクラウン裏地とを、その周縁部以外の部分では接合されない構造とすることが好ましい。
これにより、クラウン裏地における接合箇所を、クラウン表地における接合箇所と一致させることができ、クラウン裏地を設けたことによる接合箇所の増大を防ぐことが可能になる。加えて、左右二分割タイプの帽子においては、クラウン表地における左側被覆部又は右側被覆部の外面に、刺繍又はワッペンによる意匠部が施すことも好ましい。また、左右二分割タイプの帽子において、このように、クラウン表地に意匠部を施す場合には、
意匠部を、クラウン表地における、
左前被覆部と左横被覆部との境界部分、
左横被覆部と左後被覆部との境界部分、
右前被覆部と右横被覆部との境界部分、又は、
右横被覆部と右後被覆部との境界部分
の中から選ばれる少なくとも1つの境界部分に跨った状態で施すことも可能である。
さらに、上記課題は、
着用者頭部の左前部を覆う略三角状の左前被覆部と、
着用者頭部の右前部を覆う略三角状の右前被覆部と、
着用者頭部の左横部を覆う略三角状の左横被覆部と、
着用者頭部の右横部を覆う略三角状の右横被覆部と、
着用者頭部の左後部を覆う略三角状の左後被覆部と、
着用者頭部の右後部を覆う略三角状の右後被覆部と、
を有する略半球状のクラウン表地が、互いに接合される複数枚の接合用生地によって構成された帽子であって、
クラウン表地における、
左横被覆部の前側略半分と、左前被覆部と、右前被覆部と、右横被覆部の前側略半分とで構成される前側被覆部と、
左横被覆部の後側略半分と、左後被覆部と、右後被覆部と、右横被覆部の後側略半分とで構成される後側被覆部とが、
別の接合用生地によって構成されるとともに、
クラウン表地における前側被覆部が、連続する1枚の接合用生地によって構成されて、
クラウン表地における後側被覆部が、連続する1枚の接合用生地によって構成された
ことを特徴とする帽子
を提供することによっても解決される。
これにより、クラウン表地における、着用者頭部の前半球部を覆う部分(前側被覆部)と、着用者頭部の後半球部を覆う部分(後側被覆部)とを、それぞれ1枚の接合用生地によって形成すること、言い換えると、クラウン表地をたった2枚の接合用生地で構成することが可能になる。すなわち、クラウン表地の接合箇所を減らすことが可能になる。このため、接合用生地を接合する手間を軽減し、帽子の製造コストを抑えることが可能になる。また、帽子の着用者が違和感を覚えやすい接合箇所がクラウン表地に少なく、被り心地が良好な帽子を提供することも可能になる。さらに、刺繍やワッペン等による意匠部を施すのに障害となる接合箇所がクラウン表地に少なく、意匠部の寸法や配置の自由度が高い帽子を提供することも可能になる。以下においては、この態様の帽子を「前後二分割タイプの帽子」と呼ぶことがある。
前後二分割タイプの帽子においては、
クラウン表地における前側被覆部の内面側に配されるクラウン裏地を、前側被覆部のクラウン表地と略同一形状をなす1枚の生地によって構成して、
前側被覆部のクラウン表地とクラウン裏地とを、その周縁部以外の部分では接合されない構造とし、
クラウン表地における後側被覆部の内面側に配されるクラウン裏地を、後側被覆部のクラウン表地と略同一形状をなす1枚の生地によって構成して、
後側被覆部のクラウン表地とクラウン裏地とを、その周縁部以外の部分では接合されない構造とする
ことが好ましい。
これにより、クラウン裏地における接合箇所を、クラウン表地における接合箇所と一致させることができ、クラウン裏地を設けたことによる接合箇所の増大を防ぐことが可能になる。加えて、前後二分割タイプの帽子においては、クラウン表地における前側被覆部又は後側被覆部の外面に、刺繍又はワッペンによる意匠部が施すことも好ましい。また、前後二分割タイプの帽子において、このように、クラウン表地に意匠部を施す場合には、
意匠部を、クラウン表地における、
左横被覆部と左前被覆部との境界部分、
左前被覆部と右前被覆部との境界部分、
右前被覆部と右横被覆部との境界部分、
左横被覆部と左後被覆部との境界部分、
左後被覆部と右後被覆部との境界部分、又は、
右後被覆部と右横被覆部との境界部分
の中から選ばれる少なくとも1つの境界部分に跨った状態で施すことも可能である。
以上のように、本発明によって、クラウン表地における接合箇所(縫合箇所や溶着箇所等)が少なく、製造コストを抑えることができる帽子を提供することが可能になる。また、被り心地が良好な帽子を提供することも可能になる。さらに、クラウン表地の外面に設ける意匠部の寸法や配置の自由度が高い帽子を提供することも可能になる。そして、この帽子の製造方法を提供することも可能になる。
第一実施態様の帽子を前方斜め上から見た図である。 第一実施態様の帽子を上方から見た図である。 第一実施態様の帽子を下方から見た図である。 第一実施態様の帽子を分解した状態を示した斜視図である。 第二実施態様の帽子を前方斜め上から見た図である。 第三実施態様の帽子を前方斜め上から見た図である。 第三実施態様の帽子を上方から見た図である。 第三実施態様の帽子を下方から見た図である。 第三実施態様の帽子を分解した状態を示した斜視図である。 第四実施態様の帽子を前方斜め上から見た図である。 第五実施態様の帽子を上方から見た図である。 第六実施態様の帽子を上方から見た図である。
0. 本発明の帽子
本発明に係る帽子の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、主に、第一実施態様から第六実施態様までの6つの実施態様を例に挙げて、本発明の帽子を説明する。しかし、本発明の帽子の技術的範囲は、これらの実施態様に限定されることなく、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
また、以下においては、説明の便宜上、クラウン表地等を構成する縫合用生地を縫合する場合を例に挙げて本発明の帽子を説明する。しかし、既に述べたように、本発明の帽子の技術的範囲には、クラウン表地等を形成する接合用生地を超音波ミシンで溶着等して形成する構成をも含まれる。以下における説明文中における「縫合」という語句を「溶着」や「接合」で置き換えた構成も、好適に採用することができる。
1. 第一実施態様の帽子
まず、第一実施態様の帽子について説明する。第一実施態様の帽子は、上述した「後方1枚タイプの帽子」に該当するものとなっている。図1は、第一実施態様の帽子を前方斜め上から見た図である。図2は、第一実施態様の帽子を上方から見た図である。図3は、第一実施態様の帽子を下方から見た図である。図4は、第一実施態様の帽子を分解した状態を示した斜視図である。
第一実施態様の帽子は、着用者の頭部を覆うクラウン10(図1)と、クラウン10から前方に突出して設けられた鍔20(図1)と、クラウン10の下縁部内側に沿って帯状に設けられたビン皮30(図3)と、クラウン10における縫合部分をクラウン10の内側から補強するための裏打ち用帯片40(図3)とを備えたものとなっている。クラウン10は、図4に示すように、クラウン10の外面を形成するクラウン表地11と、クラウン表地11の内面に沿って配されるクラウン裏地12とで構成されている。
クラウン表地11は、図1及び図2に示すように、着用者頭部の左前部を覆う略三角状の左前被覆部11a(図2において点C,P,Pで囲まれた略扇状の部分)と、着用者頭部の右前部を覆う略三角状の右前被覆部11a(図2において点C,P,Pで囲まれた略扇状の部分)と、着用者頭部の左横部を覆う略三角状の左横被覆部11b(図2において点C,P,Pで囲まれた略扇状の部分)と、着用者頭部の右横部を覆う略三角状の右横被覆部11b(図2において点C,P,Pで囲まれた略扇状の部分)と、着用者頭部の左後部を覆う略三角状の左後被覆部11b(図2において点C,P,Pで囲まれた略扇状の部分)と、着用者頭部の右後部を覆う略三角状の右後被覆部11b(図2において点C,P,Pで囲まれた略扇状の部分)とを有する略半球状の部材となっている。
このクラウン表地11は、図4に示すように、左前被覆部11a及び右前被覆部11aで構成される前方被覆部11aと、左横被覆部11b、右横被覆部11b、左後被覆部11b及び右後被覆部11bで構成される後方被覆部11bとが、別の縫合用生地によって構成されている。具体的には、前方被覆部11aが、2枚の縫合用生地13a,13bを縫合することによって構成されており、後方被覆部11bが、1枚の縫合用生地14によって構成されている。これらの縫合用生地13a,13b,14は、その側縁同士を互いに縫合することによって互いに繋げられ、図1に示すような半球状となるようになっている。
既に述べたように、従来の帽子では、クラウン表地11における後方被覆部11bに相当する部分が4枚程度の縫合用生地によって構成されるところ、第一実施態様の帽子では、1枚の縫合用生地14によって構成されている。換言すると、クラウン表地11の後方被覆部11bが、その左横被覆部11bから、左後被覆部11bと右後被覆部11bとを経て、右横被覆部11bに至る部分までにおいて、連続する1枚の縫合用生地14によって構成されている。
このため、第一実施態様の帽子は、図2に示すように、クラウン表地11における左前被覆部11aを形成する縫合用生地13aと、クラウン表地11における右前被覆部11aを形成する縫合用生地13bとを縫合部分αで縫合し、クラウン表地11における後方被覆部11bを形成する縫合用生地14の側縁を、縫合用生地13及び縫合用生地14に対して縫合部分α及び縫合部分αでそれぞれ縫合するというように、3箇所を縫合するだけで、略半球状のクラウン表地11を得ることができるものとなっている。
したがって、第一実施態様の帽子では、縫合用生地13a,13b,14を縫合する手間を軽減し、帽子の製造コストを大幅に抑えることが可能となっている。また、帽子の着用者が違和感を覚えやすい縫合部分α,α,αを少なくし、帽子の被り心地を良好にすることも可能となっている。さらに、刺繍やワッペン等による意匠部を施すのに障害となる縫合部分α,α,αも少なくし、帽子を、意匠部の寸法や配置の自由度が高いものとすることも可能となっている。特に、後方被覆部11bが1枚の縫合用生地14によって構成された第一実施態様の帽子では、クラウン表地11の外面における、左横被覆部11bと左後被覆部11bとの境界部分(図2における点Cと点Pとを結ぶ線上の部分)や、右横被覆部11bと右後被覆部11bとの境界部分(図2における点Cと点Pとを結ぶ線上の部分)や、左後被覆部11bと右後被覆部11bとの境界部分(図2における点Cと点Pとを結ぶ線上の部分)に、意匠部を綺麗に施すことが可能となっている。
クラウン表地11における後方被覆部11bを構成する縫合用生地14は、図2における、点Cと点Pと点Pとで囲まれる扇形状の全体部分(左後被覆部11b及び右後被覆部11b)を含み、且つ、点Cと点Pと点Pとで囲まれる扇形状の部分(左横被覆部11b)のうち、後側(左後被覆部11b側)の少なくとも一部と、点Cと点Pと点Pとで囲まれる扇形状の部分(右横被覆部11b)のうち、後側(右後被覆部11b側)の少なくとも一部を含むのであれば、その大きさは、特に限定されない。換言すると、縫合用生地14の中心角θが、角P(約120°)よりも大きくなるのであれば、縫合用生地14の大きさは、特に限定されない。
しかし、後方被覆部11bを構成する縫合用生地14の中心角θを小さくしすぎると、必然的に、前方被覆部11aを構成する縫合用生地13a,13bの面積が大きくなる。縫合用生地13a,13bは、後述するように、クラウン10の保形性を保つために、厚手の生地によって形成することが好ましいところ、このように厚手の生地からなる縫合用生地13a,13bの面積が大きくなると、縫合用生地13a,13bが球面状に綺麗に湾曲しにくくなる虞がある。また、この問題を解消するために、クラウン表地11における前方被覆部11aを3枚以上の縫合用生地に分割すると、その分、クラウン表地11の縫合部分が増加することになる。このため、縫合用生地14の中心角θは、180°以上とすると好ましい。縫合用生地14の中心角θは、200°以上とするとより好ましく、220°以上とするとさらに好ましい。
一方、後方被覆部11bを構成する縫合用生地14の中心角θを大きくしすぎると、必然的に、前方被覆部11aを構成する縫合用生地13a,13bの面積が小さくなる。このため、クラウン10の保形性を保ちにくくなる虞がある。また、縫合用生地14は、後述するように、薄手の生地によって形成することが好ましいところ、その面積を大きくしすぎると、縫合用生地14を薄手の生地によって形成したとしても、縫合用生地14を球面状に綺麗に湾曲させることが難しくなる虞もある。このため、縫合用生地14の中心角θは、300°以下とすると好ましい。縫合用生地14の中心角θは、280°以下とするとより好ましく、260°以下とするとさらに好ましい。第一実施態様の帽子において、縫合用生地14の中心角θは、約240°となっている。
ところで、第一実施態様の帽子においては、クラウン表地11のうち、前方被覆部11aを形成する縫合用生地13a,13bには、芯地を含む硬質生地(厚手の生地)を用いている。具体的には、片面(外面)に接着剤(ホットメルト接着剤)が塗布された生地(接着芯地)における接着剤が塗布された側の面(外面)に別の生地(表皮)を重ねたものに加熱圧縮処理を施した後、上記の接着剤を硬化させたものを、縫合用生地13a,13bとして用いている。縫合用生地13a,13bの表皮は、通常、合成繊維若しくは天然繊維又はこれらを組み合わせた繊維からなる織地又は編地とされる。
縫合用生地13a,13bの加熱圧縮処理は、プレス面が球面状に湾曲されたプレス装置を用い、加熱圧縮処理を行う際に、縫合用生地13a,13bを球面状に湾曲させると好ましい。これにより、縫合用生地13a,13bを、硬質ながらも綺麗な球面状に湾曲させることが可能になる。これにより、後述するように、クラウン表地11の後方被覆部11bを薄手の生地で形成したとしても、クラウン10の保形性を良好に保つことが可能になる。
これに対し、クラウン表地11の後方被覆部11bを形成する縫合用生地14には、芯地を含まない柔軟生地(薄手の生地)を用いている。具体的には、上記の縫合用生地13a,13bにおける表皮に相当する部分のみを、縫合用生地14として用いている。このため、クラウン表地11の後方被覆部11bを形成する縫合用生地14は、通常、クラウン表地11の前方被覆部11aを形成する縫合用生地13a,13bよりも薄く柔軟に形成される。
第一実施態様の帽子では、クラウン表地11における後方被覆部11bを構成する縫合用生地14の面積(1枚当たりの面積)が、従来の帽子における後方被覆部11bに相当する部分を構成する縫合用生地の1枚当たりの面積よりも大きい。このため、第一実施態様の帽子では、縫合用生地14を綺麗な球面状に湾曲させることが難しいところ、この縫合用生地14を薄手の生地で形成することによって、縫合用生地14を綺麗な球面状に湾曲させやすくすることが可能になる。また、クラウン表地11における後方被覆部11bを、その内部に風が入った際に外側に膨らみやすいものとし、クラウン10におけるベンチレーション作用を高めることも可能になる。縫合用生地14は、防シワ加工を施したものを用いるとより好ましい。
ところで、上記の縫合用生地14のように、面積が大きな生地は、内面が略球面状に形成された凹部を有する雌型と、外面が略球面状に形成された凸部を有する雄型との間に生地を配して、雌型の凹部や雌型の凸部に設けた蒸気孔から生地に蒸気を吹き付けながら、雌型と雄型とを型締めし、雌型の凹部と雄型の凸部との間で生地を挟持して加圧することで、その生地を綺麗な球面状に仕上げることができる。本明細書においては、この加工を「ファーミング加工」と呼ぶことがある。第一実施態様の帽子でも、上記の縫合用生地14にはファーミング加工を施している。ファーミング加工は、縫合用生地14だけでなく、縫合用生地11a等に施すこともできる。また、後述する第二実施態様から第六実施態様までの帽子のクラウン10を構成する各縫合用生地(接合用生地)にも、ファーミング加工を施すことができる。
既に述べたように、第一実施態様の帽子では、クラウン表地11の内面側にクラウン裏地12を設けている。クラウン裏地12は、通気孔等の開口部を有さない連続面状(閉塞面状)の生地としてもよいが、第一実施態様の帽子において、クラウン裏地12は、メッシュ生地としており、通気性に優れたものとなっている。また、べたつきにくく肌触りも良好なものとなっている。このクラウン裏地12は、通気性を向上させたり、肌触りを良好にしたりするほか、上記のように薄手の生地によって形成された縫合用生地14を内面側から支持する機能をも有している。
クラウン裏地12を設ける場合、クラウン裏地12は、クラウン表地11の内面側における全体に配してもよいが、第一実施態様の帽子においては、図3及び図4に示すように、クラウン表地11の後方被覆部11bにおける内面側にのみ、クラウン裏地12を配している。このクラウン裏地12は、クラウン表地11における後方被覆部11bを構成する縫合用生地14と同じ枚数(1枚)で略同一形状(中心角が180°を超える扇形状)となっている。
クラウン裏地12は、クラウン表地11に対して縫着されるところ、クラウン裏地12をクラウン表地11と同じ枚数の略同一形状とすることにより、クラウン表地11に対するクラウン裏地12の縫着部分を、クラウン表地11の縫合部分に重ねることが可能になる。第一実施態様の帽子においては、図2における縫着部分αと縫着部分αとでクラウン表地11に対してクラウン裏地12を縫着するようにしている。これにより、クラウン10に、縫合部分の箇所数が増大しないようにすることが可能になる。
クラウン10の内面側には、図3に示すように、裏打ち用帯片40が配されている。裏打ち用帯片40のうち、裏打ち用帯片42は、縫合部分α(図2)に沿った状態に配され、縫合用生地13a、縫合用生地14及びクラウン裏地12とともに縫合される。また、裏打ち用帯片43は、縫合部分α(図2)に沿った状態に配され、縫合用生地13b及び縫合用生地14とクラウン裏地12とともに縫合される。さらに、裏打ち用帯片41は、縫合部分αに沿った状態に配され、縫合用生地13a及び縫合用生地13bとともに縫合される。このため、縫合部分α,α,αは、それぞれ裏打ち用帯片41,42,43によって補強された状態となっている。
クラウン裏地12の下縁(図2における円弧Pに沿う部分)は、クラウン表地11の下縁に対して縫着しても、縫着しなくてもよい。後者の場合には、クラウン表地11とクラウン裏地12との隙間に、クラウン10の下側から外気が入り込みやすくして、ベンチレーション効果を高めることも可能である。クラウン裏地12は、その外面側の略全体をクラウン裏地に対して接着してもよい。ただし、この場合には、上記のベンチレーション機能は犠牲になる。
2. 第二実施態様の帽子
続いて、第二実施態様の帽子について説明する。図5は、第二実施態様の帽子を前方斜め上から見た図である。図5に示すように、第二実施態様の帽子も、上記の第一実施態様の帽子と同様、クラウン表地11における後方被覆部11bが1枚の縫合用生地14によって構成されており、「後方1枚タイプの帽子」に該当するものとなっている。以下においては、主に、第二実施態様の帽子における、第一実施態様の帽子と異なる部分について説明し、第一実施態様の帽子と同様の部分については、説明を割愛する。
第一実施態様の帽子では、図1に示すように、クラウン表地11における前方被覆部11aが、2枚の縫合用生地13a,13bによって構成されていた。これに対し、第二実施態様の帽子では、図5に示すように、クラウン表地11における前方被覆部11aが、1枚の縫合用生地13によって構成されている。すなわち、第二実施態様の帽子では、クラウン表地11を構成する縫合用生地13,14の枚数が、第一実施態様の帽子よりもさらに1枚少なくなっており、合計2枚となっている。このため、第一実施態様の帽子では存在していた縫合部分α(図2)を、第二実施態様の帽子では省略することができる。
したがって、第二実施態様の帽子では、クラウン表地11を縫合する手間やコストをさらに軽減できるだけでなく、被り心地をさらによくすることも可能となっている。また、第二実施態様の帽子では、クラウン表地11の前側に、縫合部分αが存在しない分、左前被覆部11aと右前被覆部11aとの境界部分に、刺繍やワッペンによる意匠部を設けやすくすることも可能となっている。縫合用生地13は、その中心角が120°程度のものであれば、上述した加熱圧縮処理によって、綺麗な曲面状に湾曲させることも可能である。
3. 第三実施態様の帽子
続いて、第三実施態様の帽子について説明する。第三実施態様の帽子は、上述した「後方2枚タイプの帽子」に該当するものとなっている。図6は、第三実施態様の帽子を前方斜め上から見た図である。図7は、第三実施態様の帽子を上方から見た図である。図8は、第三実施態様の帽子を下方から見た図である。図9は、第三実施態様の帽子を分解した状態を示した斜視図である。以下においては、主に、第三実施態様の帽子における、第一実施態様の帽子と異なる部分について説明し、第一実施態様の帽子と同様の部分については、説明を割愛する。
第一実施態様の帽子では、図4に示すように、クラウン表地11における後方被覆部11bが1枚の縫合用生地14によって構成されていたが、第二実施態様の帽子では、図9に示すように、クラウン表地11における後方被覆部11bが2枚の縫合用生地14a,14bによって構成されている。図7に示すように、縫合用生地14aは、クラウン表地11の左横被覆部11bから左後被覆部11bに至る部分までにおいて連続しており、縫合用生地14bは、クラウン表地11の右横被覆部11bから右後被覆部11bに至る部分までにおいて連続している。
第三実施態様の帽子では、クラウン表地11の後方被覆部11bを構成する縫合用生地14aと縫合用生地14bとを、図7に示す縫合部分αで縫合する必要がある。クラウン10の内面側における縫合部分αの内面側には、図8に示すように、裏打ち用帯片44を配して縫合している。第三実施態様の帽子は、この縫合部分αで縫合する必要がある分、上記の第一実施態様の帽子と比較して、縫合部分が1箇所多くなる。しかし、それでもなお、クラウン表地11の後方被覆部11bにおける、左横被覆部11bと左後被覆部11bとの境界部分や、右横被覆部11bと右後被覆部11bとの境界部分を縫合する必要がない。このため、第三実施態様の帽子でも、クラウン表地11の縫合に要する手間を大幅に軽減するだけでなく、帽子を被った際の違和感を大幅に軽減することが可能である。また、クラウン表地11の後方被覆部11bの広い範囲において、刺繍やワッペンによる意匠部を好適に施すこともできる。
第三実施態様の帽子のように、クラウン表地11の後方被覆部11bを2枚の縫合用生地14a,14bで構成する場合、これら2枚の縫合用生地14a,14bを合わせた部分の形状や寸法等は、上記の第一実施態様の帽子における縫合用生地14(図2)と同様とされる。すなわち、縫合用生地14aの中心角θ(図7)と縫合用生地14bの中心角θ(図7)との和θ+θは、縫合用生地14の中心角θ(図2)と同程度とされる。縫合用生地14aの中心角θと縫合用生地14bの中心角θは、異なる角度に設定してもよいが、通常、等しい値に設定される。換言すると、縫合用生地14aと縫合用生地14bは、通常、左右対称とされる。
4. 第四実施態様の帽子
続いて、第四実施態様の帽子について説明する。図10は、第四実施態様の帽子を前方斜め上から見た図である。図10に示すように、第四実施態様の帽子も、上記の第三実施態様の帽子と同様、クラウン表地11における後方被覆部11bが2枚の縫合用生地14a,14bによって構成されており、「後方2枚タイプの帽子」に該当するものとなっている。以下においては、主に、第四実施態様の帽子における、第三実施態様の帽子と異なる部分について説明し、第三実施態様の帽子と同様の部分については、説明を割愛する。
第三実施態様の帽子では、図6に示すように、クラウン表地11における前方被覆部11aが、2枚の縫合用生地13a,13bによって構成されていた。これに対し、第四実施態様の帽子では、図10に示すように、クラウン表地11における前方被覆部11aが、1枚の縫合用生地13によって構成されている。すなわち、第四実施態様の帽子では、クラウン表地11を構成する縫合用生地13,14a,14bの枚数が、第三実施態様の帽子よりもさらに1枚少なくなっており、合計3枚となっている。このため、第三実施態様の帽子では存在していた縫合部分α(図7)を、第四実施態様の帽子では省略することができる。
したがって、第四実施態様の帽子では、クラウン表地11を縫合する手間やコストをさらに軽減できるだけでなく、被り心地をさらによくすることも可能となっている。また、第四実施態様の帽子では、クラウン表地11の前側に、縫合部分αが存在しない分、左前被覆部11aと右前被覆部11aとの境界部分に、刺繍やワッペンによる意匠部を設けやすくすることも可能となっている。縫合用生地13は、その中心角が120°程度のものであれば、上述した加熱圧縮処理によって、綺麗な曲面状に湾曲させることも可能である。
5. 第五実施態様の帽子
続いて、第五実施態様の帽子について説明する。図11は、第五実施態様の帽子を上方から見た図である。以下においては、主に、第五実施態様の帽子における、第三実施態様の帽子と異なる部分について説明し、第三実施態様の帽子と同様の部分については、説明を割愛する。
上述した第三実施態様の帽子では、図7に示すように、クラウン10の前方における点Pから中心点Cを経て後方における点Pに至る前後方向の縫合部分α,αに沿ってクラウン表地11が縫合(接合)されていることに加えて、クラウン10の左前における点Pから中心点Cに至る縫合部分αと、クラウン10の右前における点Pから中心点Cに至る縫合部分αとでもクラウン表地11が縫合(接合)されていた。
これに対し、第五実施態様の帽子では、図11に示すように、クラウン10の前方における点Pから中心点Cを経て後方における点Pに至る前後方向の縫合部分α,αに沿ってのみクラウン表地11が縫合(接合)されており、クラウン10の左前における点Pから中心点Cに至る縫合部分αと、クラウン10の右前における点Pから中心点Cに至る縫合部分αとでは、クラウン表地11が縫合(接合)されていない。
すなわち、第五実施態様の帽子は、クラウン表地11における、着用者頭部の左半球部を覆う部分(左前被覆部11a、左横被覆部11b及び右後被覆部11bからなる左側被覆部)と、着用者頭部の右半球部を覆う部分(右前被覆部11a、右横被覆部11b及び右後被覆部11bからなる右側被覆部)とを、それぞれ1枚の接合用生地15a,15bによって形成するこことが可能になる。この第五実施態様の帽子は、上述した左右二分割タイプの帽子に該当するものとなっている。第五実施態様の帽子における縫合用生地15a,15bも、面積が大きいが、薄手の生地を用い、当該生地にファーミング加工を施すことで、縫合用生地15a,15bを綺麗な球面状に仕上げることが可能である。
6. 第六実施態様の帽子
最後に、第六実施態様の帽子について説明する。図12は、第六実施態様の帽子を上方から見た図である。以下においては、主に、第六実施態様の帽子における、第五実施態様の帽子と異なる部分について説明し、第五実施態様の帽子と同様の部分については、説明を割愛する。
上述した第五実施態様の帽子では、図11に示すように、クラウン表地11が、前後方向の縫合部分α,αに沿ってのみ縫合(接合)されていた。これに対し、第六実施態様の帽子では、図12に示すように、クラウン表地11が、前後方向ではなく、それに垂直な左右方向の縫合部分α,αに沿ってのみ縫合(接合)されている。すなわち、第六実施態様の帽子は、クラウン表地11における、着用者頭部の前半球部を覆う部分(左横被覆部11bの前側略半分と、左前被覆部11aと、右前被覆部11aと、右横被覆部11bの前側略半分とで構成される前側被覆部)と、着用者頭部の後半球部を覆う部分(左横被覆部11bの後側略半分と、左後被覆部11aと、右後被覆部11bと、右横被覆部11bの後側略半分とで構成される後側被覆部)とを、それぞれ1枚の接合用生地16a,16bによって形成するこことが可能になる。
この第六実施態様の帽子は、上述した前後二分割タイプの帽子に該当するものとなっている。第六実施態様の帽子における縫合用生地16a,16bも、面積が大きいが、薄手の生地を用い、当該生地にファーミング加工を施すことで、縫合用生地16a,16bを綺麗な球面状に仕上げることが可能である。
7.用途
本発明の帽子は、その用途を特に限定されるものではなく、半球状のクラウンを備えた各種の帽子として採用することができる。なかでも、野球帽などの運動帽や、通学帽や、作業帽等として好適に採用することができる。
10 クラウン
11 クラウン表地
11a 前方被覆部
11a 左前被覆部
11a 右前被覆部
11b 後方被覆部
11b 左横被覆部
11b 右横被覆部
11b 左後被覆部
11b 右後被覆部
12 クラウン裏地
13 縫合用生地
13a 縫合用生地
13b 縫合用生地
14 縫合用生地
14a 縫合用生地
14b 縫合用生地
15a 縫合用生地
15b 縫合用生地
16a 縫合用生地
16b 縫合用生地
20 鍔
30 ビン皮
40 裏打ち用帯片
41 裏打ち用帯片
42 裏打ち用帯片
43 裏打ち用帯片
44 裏打ち用帯片
α 縫合部分
α 縫合部分
α 縫合部分
α 縫合部分
α 縫合部分
α 縫合部分
θ クラウン表地における後方被覆部を構成する縫合用生地の中心角
θ クラウン表地における後方被覆部の左側を構成する縫合用生地の中心角
θ クラウン表地における後方被覆部の右側を構成する縫合用生地の中心角

Claims (4)

  1. 着用者頭部の左前部を覆う略三角状の左前被覆部と、
    着用者頭部の右前部を覆う略三角状の右前被覆部と、
    着用者頭部の左横部を覆う略三角状の左横被覆部と、
    着用者頭部の右横部を覆う略三角状の右横被覆部と、
    着用者頭部の左後部を覆う略三角状の左後被覆部と、
    着用者頭部の右後部を覆う略三角状の右後被覆部と、
    を有する略半球状のクラウン表地が、互いに接合される複数枚の接合用生地によって構成された帽子であって、
    クラウン表地における、
    左横被覆部の前側略半分と、左前被覆部と、右前被覆部と、右横被覆部の前側略半分とで構成される前側被覆部と、
    左横被覆部の後側略半分と、左後被覆部と、右後被覆部と、右横被覆部の後側略半分とで構成される後側被覆部とが、
    別の接合用生地によって構成されるとともに、
    クラウン表地における前側被覆部が、連続する1枚の接合用生地によって構成されて、
    クラウン表地における後側被覆部が、連続する1枚の接合用生地によって構成された
    ことを特徴とする帽子。
  2. クラウン表地における前側被覆部の内面側に配されるクラウン裏地が、前側被覆部のクラウン表地と略同一形状をなす1枚の生地によって構成されて、
    前側被覆部のクラウン表地とクラウン裏地とが、その周縁部以外の部分では接合されない構造とされ、
    クラウン表地における後側被覆部の内面側に配されるクラウン裏地が、後側被覆部のクラウン表地と略同一形状をなす1枚の生地によって構成されて、
    後側被覆部のクラウン表地とクラウン裏地とが、その周縁部以外の部分では接合されない構造とされた
    請求項1記載の帽子。
  3. クラウン表地における前側被覆部又は後側被覆部の外面に、刺繍又はワッペンによる意匠部が施された請求項2記載の帽子。
  4. 意匠部が、クラウン表地における、
    左横被覆部と左前被覆部との境界部分、
    左前被覆部と右前被覆部との境界部分、
    右前被覆部と右横被覆部との境界部分、
    左横被覆部と左後被覆部との境界部分、
    左後被覆部と右後被覆部との境界部分、又は、
    右後被覆部と右横被覆部との境界部分
    の中から選ばれる少なくとも1つの境界部分に跨った状態で施された
    請求項3記載の帽子。
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