JP2022069276A - トナー - Google Patents

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麻理子 山下
Mariko Yamashita
英芳 冨永
Hideyoshi Tominaga
祐 吉田
Yu Yoshida
崇 松井
Takashi Matsui
健二 青木
Kenji Aoki
昇平 芝原
Shohei Shibahara
侑奈 山本
Yuna Yamamoto
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Abstract

【課題】高速で長時間の印字においても、チャージアップによる印字濃度の低下が抑えられるトナー。【解決手段】トナーコア粒子および該トナーコア粒子の表面のシェルを有するトナー粒子を有するトナーであって、シェルは樹脂Aを含有し、トナーコア粒子は樹脂Bを含有し、樹脂Aは所定の構造を有し、樹脂Bは炭素数18~30のアルキル基を含有する樹脂であることを特徴とするトナー。【選択図】図1

Description

本開示は、電子写真法、静電記録法に用いられるトナーに関するものである。
近年プリンターや複写機の長寿命化と高速化が進められており、それに伴いトナーには、帯電安定性や帯電立ち上がり性が一段と厳しく求められている。
例えば特許文献1では、トナーの母体粒子の表面にシラノール基を有する樹脂を含有させ、外添剤の付着状態の変化に伴う帯電性の変化を減らし、耐久時の帯電量の安定化を図る提案がなされている。
特開2007-279712号公報
しかし、特許文献1に記されたトナーを検討した結果、高速印刷時にトナー表面の局所的なチャージアップ現象が起きる場合があることがわかった。また、特に低温低湿環境ではトナー担持体にトナーが静電引力により強固に付着し、現像ローラー上へのトナー層の形成が阻害され、印字濃度の低下などの課題を生じる場合があることがわかった。
以上の理由から、高速で長時間の印字においても、チャージアップによる印字濃度の低下が抑えられるトナーの開発が望まれていた。
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、高速で長時間の印字においても、チャージアップによる印字濃度の低下が抑えられるトナーを提供するものである。
上記課題を解決するための本開示は、以下のとおりである。
トナーコア粒子および該トナーコア粒子の表面のシェルを有するトナー粒子を有するトナーであって、
該シェルは樹脂Aを含有し、
該トナーコア粒子は樹脂Bを含有し、
該樹脂Aは下記式(1)で示される構造を有し、
該樹脂Bは、炭素数18~30のアルキル基を含有する樹脂である
ことを特徴とするトナー。
Figure 2022069276000002
式(1)中、R~Rは各々独立して炭素数1~3のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表す。
本開示によれば、高速で長時間の印字においても、チャージアップによる印字濃度の低下が抑えられるトナーを提供できる。
帯電量測定装置の一例の模式図
以下、実施態様を詳細に説明するが、本開示は以下の説明に限定されるわけではない。
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本開示より得られるトナーにこれらの効果が表れる理由を、本発明者らは次のように考えている。
本開示のトナー粒子は、トナーコア粒子および該トナーコア粒子の表面のシェルを有する。すなわち本開示のトナー粒子はコアシェル構造を有する。また、該シェルは樹脂Aを含有し、該樹脂Aは下記式(1)で示される構造を有する。さらに、トナーコア粒子は樹脂Bを含有し、該樹脂Bは炭素数18~30のアルキル基を含有する樹脂である。
Figure 2022069276000003
式(1)中、R~Rは各々独立して炭素数1~3のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表す。
トナーコア粒子中に存在する樹脂Bの炭素数18~30のアルキル基は、複数集まり微小な結晶ドメインを形成し、電気的に低抵抗な領域を部分的に生じさせる。樹脂Aを含むシェル部で急速に発生した電荷は、一時的に式(1)中のベンゼン核中に蓄えられるが、過剰な電荷は、前述のトナーコア粒子の表面付近に存在する低抵抗領域を介してシェル部に拡散する。これによりトナー表面の局所的なチャージアップを抑制し、本開示の効果を発揮していると考えている。
樹脂Aについて、詳細に説明する。
シェルは樹脂Aを含有し、該樹脂Aは、下記式(1)で示される構造を有する。
Figure 2022069276000004
式(1)中のR~Rは各々独立して炭素数1~3のアルコキシ基またはヒドロキシ基である。アルコキシ基の炭素数は、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。
式(1)中のR~Rの一つ以上をヒドロキシ基とするためには、R~Rの一つ以上がアルコキシ基である樹脂Aを加水分解し、アルコキシ基をヒドロキシ基に変換して
もよい。
加水分解の方法は、どのような方法でも構わないが、例えば以下の手法がある。
前記式(1)中のR~Rの一つ以上がアルコキシ基である樹脂Aを適当な溶媒(重合性単量体でも構わない)に溶解または懸濁し、酸やアルカリを用いてpHを酸性に調整し混合し、加水分解させる。
また、トナー粒子製造中に加水分解を起こさせても構わない。
式(1)で示される構造を樹脂Aに導入するための方法としては、例えば、ビニル系単量体またはエチレン性不飽和結合を含有する樹脂と、スチリル系のシランカップリング剤を重合させる方法がある。スチリル系のシランカップリング剤としては、例えば、p-スチリルトリメトキシシラン、p-スチリルトリエトキシシラン、p-スチリルトリプロポキシシランなどが挙げられる。また、シランカップリング剤は2種類以上を複合して用いていてもよい。
トナー粒子中の、該樹脂Aの含有量は、0.1質量%~20.0質量%であることが好ましい。0.1質量%以上であると適切な帯電量が得られやすく、20.0質量%以下であればチャージアップをより抑制しやすい。より好ましくは1.0質量%~10.0質量%である。
トナー粒子中の、該樹脂Aの含有量は、トナーコア粒子の表面にシェルを形成する工程における、樹脂A又は樹脂Aを形成し得る重合性単量体中の添加量を変更することなどにより制御することができる。
また、樹脂A中の、該式(1)で示される構造の含有量は、0.5質量%~5.0質量%であることが好ましく、1.0質量%~2.5質量%であることがより好ましい。
さらに、シェル中の樹脂Aの含有量は、50質量%~100質量%であることが好ましく、80質量%~100質量%であることがより好ましい。
なお、該シェルは、該トナーコア粒子の表面を完全に覆っていてもよく、トナーコア粒子の表面が一部露出していてもよい。
樹脂Bについて詳細に説明する。
トナーコア粒子は樹脂Bを含有し、該樹脂Bは、炭素数18~30のアルキル基を含有する樹脂である。該アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐アルキル基でもよいが、好ましくは直鎖アルキル基である。
上述の通り、炭素数18~30のアルキル基が電荷を受け渡す通り道となり、また炭素数18~30であることによりトナーコア粒子とシェルとの間で電荷を受け渡すのに適当な長さとなる。
炭素数が18より小さいと、アルキル基による結晶ドメインが生成しにくくなり、トナーコア粒子の低抵抗領域が得られにくいので本開示の効果が得られない。また、炭素数が30を超える場合は、ほかの高分子鎖との絡まりにより結晶ドメイン形成が阻害されやすく、本開示の効果が得られない。上記の効果を高めるために炭素数は、好ましくは20以上25以下である。
樹脂Bは、下記式(2)で示される構造を有することが好ましい。
Figure 2022069276000005
式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは17~29の整数を表し、Xは-COO-*または-OCO-*であり、*は-(CHCHとの結合部を表す。nは、好ましくは19~24の整数を表す。
樹脂Bが上記式(2)で示される構造を有する場合、炭素数18~30のアルキル基が樹脂Bの側鎖に存在するため、該アルキル基の自由度が増し、摩擦帯電時に適度に微小な結晶ドメインを形成しやすく、チャージアップをより抑制しやすい。
式(2)中のXは、―COO-*(*は-(CHCHとの結合部を表す)で示されることがより好ましい。Xが―COO-*で示されることで、炭素数18~30のアルキル基が直接酸素原子に結合しているため、該アルキル基の自由度がさらに増し、適度に回転するために結晶ドメインを形成しやすく、チャージアップをさらに抑制しやすい。
樹脂B中の上記式(2)中で示される構造の含有量は、5質量%以上80質量%以下であることが好ましい。5質量%以上であれば電荷の受け渡しがよりスムーズとなってチャージアップ抑制効果がより得られやすく、80質量%以下であれば適切な帯電量が得られやすい。より好ましくは40質量%以上65質量%以下である。
式(2)で示される構造を樹脂Bに導入するための方法としては、例えば、ビニル系単量体またはエチレン性不飽和結合を含有する樹脂と、以下のようなモノマーを重合させる方法がある。
式(2)で示される構造を樹脂Bに導入するためのモノマーとしては例えば、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセリル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸オクタコシル、(メタ)アクリル酸ミリシル、(メタ)アクリル酸ドトリアコンチル及び1,18-オクタデカン二酸などが挙げられる。
樹脂B中の上記式(2)中で示される構造の含有量は、樹脂Bを形成し得る重合性単量体中の、上記式(2)で示される構造を樹脂Bに導入するためのモノマーの割合を変更することなどにより制御することができる。
樹脂Bは、下記式(3)で示される構造をさらに有することが好ましい。樹脂Bが式(3)で示される構造をさらに有する場合、トナーコア粒子とシェルの間で芳香環同士の相互作用が働き、密着性が高まるため、チャージアップをより抑制しやすい。樹脂B中の式(3)で示される構造の含有量は、5質量%~65質量%であることが好ましく、5質量%~10質量%であることがより好ましい。
Figure 2022069276000006
式(3)で示される構造を樹脂Bに導入するための方法としては、ビニル系単量体またはエチレン性不飽和結合を含有する樹脂と、スチレンを重合させる方法がある。
樹脂B中の上記式(3)中で示される構造の含有量は、樹脂Bを形成し得る重合性単量体中のスチレンの割合を変更することなどにより制御することができる。
樹脂Bの重量平均分子量MwBは、15000以上250000以下であることが好ましい。MwBがこの範囲であると、樹脂B中に存在する炭素数18~30のアルキル基が集まりやすくなり、低抵抗領域ができやすくなるため、電荷の受け渡しがしやすくなり、
チャージアップをより抑制しやすい。MwBのより好ましい範囲は、20000以上80000以下である。MwBは樹脂を製造する際の反応温度、反応時間、単量体の仕込み比、開始剤量などを変更することにより制御できる。
トナーコア粒子中の、該樹脂Bの含有量は、50.0質量%~95.0質量%であることが好ましく、より好ましくは70.0質量%~90.0質量%である。当該範囲内であると、本開示の効果が得られやすい。
トナーコア粒子中の、該樹脂Bの含有量は、トナーコア粒子を形成する工程における、樹脂B又は樹脂Bを形成し得る重合性単量体中の添加量を変更することなどにより制御することができる。
樹脂Bは、炭素数18~30のアルキル基を含有する樹脂であれば特に制限されず、ビニル樹脂、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂など公知の樹脂を用いることができる。この中でも樹脂Bは、ビニル樹脂であることが好ましい。ビニル樹脂は、例えば、エチレン性不飽和結合を含むモノマーの重合体が挙げられる。
以下にトナー粒子のより好ましい態様について詳細に説明する。
トナー粒子を、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いて測定した際に得られる、質量数0.5~1850におけるトータルイオンカウントに対するケイ素イオンの強度比は、0.00100以上0.00500以下であることが好ましく、0.00150~0.00300であることがより好ましい。
該強度比が0.00100以上であると、適切な帯電量が得られやすく、0.00500以下であれば電荷の受け渡しがしやすくなるためチャージアップ抑制効果が得られやすい。該強度比を制御する方法としては、樹脂Aの組成、添加量を変更する他、前述の樹脂Aを導入するためのトナー粒子の製造方法を変更することで制御できる。
樹脂AのSP値をSPA(J/cm1/2とし、樹脂BのSP値をSPB(J/cm1/2としたとき、│SPA-SPB│≦1.00(J/cm1/2であることが好ましい。│SPA-SPB│≦1.00(J/cm1/2である場合、トナーコア粒子とシェルが密着するため、チャージアップをより抑制しやすい。より好ましくは│SPA-SPB│≦0.80(J/cm1/2である。│SPA-SPB│の下限値は特に制限されないが、例えば0.00以上である。
また、SPAは、15.0(J/cm1/2~25.0(J/cm1/2であることが好ましく、17.0(J/cm1/2~22.0(J/cm1/2であることがより好ましい。
さらに、SPBは、14.0(J/cm1/2~24.0(J/cm1/2であることが好ましく、16.0(J/cm1/2~21.0(J/cm1/2であることがより好ましい。
SPAおよびSPBは、樹脂A,Bの組成を変更することによって制御することができる。
SP値は、溶解度パラメータともいい、ある物質がある物質にどのくらい溶解するかを示す溶解性や親和性の指標として用いられる数値である。SP値が近いもの同士は溶解性や親和性が高く、SP値が離れているものは溶解性や親和性が低い。モノマーのSP値は、溶解度パラメータ計算ソフトウェア(Hansen Solubility Parameters in Practice 4th Edition 4.1.03)により算出することができる。SP値の計算方法はハンセンの溶解度パラメータの理論に基づいて算出する。ハンセンの溶解度パラメータの理論では分子の蒸発のエネルギーを分散力によるエネルギー(分散項D)、双極子の相互作用によるエネルギー(分極項P)、水素結合によるエネルギー(水素結合項H)の3つに分け、それを3次元ベクトルとして扱う

SP値は、まず溶解度パラメータ計算ソフトウェアで分散項D、分極項P、水素結合項Hを算出し、その後各項を2乗した値の総和の平方根を取り、前記3次元ベクトルのスカラー量としたものである。
トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。離型剤としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物、脂肪酸エステルを主成分とするワックス、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物、フィッシャートロプシュワックスが挙げられる。トナー粒子中の離型剤の含有量は、1.50質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
トナー粒子の製造方法について説明する。
トナー粒子は公知の方法によって製造することができる。例えば、樹脂Bを得るための重合性単量体、樹脂A、必要に応じて離型剤などを含む重合性単量体組成物を水系媒体に懸濁・造粒し、重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合する懸濁重合法;樹脂B、樹脂A及び必要に応じて離型剤などの各種トナー構成材料を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;樹脂Bと樹脂Aを乳化して分散した分散と必要に応じて離型剤などの分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;樹脂Bを構成する重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、樹脂Aを乳化、分散させた分散液と、必要に応じて離型剤などの分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;有機溶媒中に樹脂B、樹脂A、及び必要に応じて離型剤などを含む有機溶媒分散液を水系媒体に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;などが使用できる。
樹脂Aは、樹脂Bを含有するトナーコア粒子の表面に均一に、かつ緻密に形成されていることが好ましいが、該トナーコア粒子の表面を被覆していればその限りではない。
樹脂Aを含むシェルを形成する方法は、何ら制限を受けるものではない。例えば、前記トナーコア粒子の形成後に前記シェルを設ける場合には、前記トナーコア粒子及び前記シェルを形成する樹脂微粒子を水系媒体中に分散させ、その後前記トナーコア粒子の表面に樹脂微粒子を凝集、吸着させる方法がある。また、前記トナーコア粒子の形成後に前記シェルを構成する重合性単量体を加えることによりシード重合を行い、トナーコア粒子の表面を均一に覆うことも可能である。
トナー粒子はそのままトナーとして用いてもよいが、トナーの画質向上のために、外添剤がトナー粒子に外部添加されていてもよい。外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、または酸化アルミニウム微粒子のような無機微粒子が好適に用いられる。これら無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイルまたはそれらの混合物の疎水化剤で疎水化処理された疎水性無機微粒子であることが好ましい。さらに、必要に応じて、上記無機微粒子または疎水性無機微粒子以外の外添剤をトナー粒子に外部添加してもよい。
外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子は着色剤を含有してもよい。該着色剤は特段限定されず、例えば以下に示す公知のものを使用することができる。
イエロー顔料としては、例えば、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯
体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180。
マゼンダ顔料としては、例えば、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキなどの縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
シアン顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBGなどの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
ブラック顔料としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記イエロー系着色剤、マゼンダ系着色剤及びシアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。トナー粒子中の着色剤の含有量は、3.0質量%~15.0質量%であることが好ましい。
以下、トナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
<トナーと外添剤の分離>
まず、外添剤などでトナー粒子の表面が処理されている場合は、下記方法によって外添剤を除去し、トナー粒子を得る。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブ(容量50mL)に上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブをシェイカーにて350spm(strokes per min)、20分間振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(容量50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H-9R 株式会社コクサン製)にて3500rpm、30分間の条件で分離する。この操作により、トナー粒子と外れた外添剤が分離する。
トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラなどで採取する。採取したトナーを減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥し、トナー粒子を得る。この操作を複数回実施して、必要量を確保する。
<トナー粒子から樹脂A、樹脂Bを取り出す方法>
トナー粒子中の樹脂Aの取り出しはテトラヒドロフラン(THF)を用いた抽出物を溶
媒グラジエント溶出法により分離することで行う。調製方法を以下に示す。
トナー粒子10.0gを秤量し、円筒濾紙(東洋濾紙製No.84)に入れてソックスレー抽出器にかける。溶媒としてTHF200mLを用いて20時間抽出し、抽出液を脱溶剤して得られた固体がTHF可溶分である。THF可溶分には樹脂Aまたは樹脂Bが含まれる。これを複数回行い、必要な量のTHF可溶分を得る。
溶媒グラジエント溶出法には、グラジエント分取HPLC(島津製作所製LC-20AP高圧グラジエント分取システム、Waters社製SunFire分取カラム50mmφ250mm)を用いる。カラム温度は30℃、流量は50mL/分、移動相には貧溶媒としてアセトニトリル、良溶媒としてTHFを用いる。抽出により得られたTHF可溶分0.02gをTHF1.5mLに溶解させたものを分離のための試料とする。移動相はアセトニトリル100%の組成から開始し、試料注入後5分経過した時点で毎分4%ずつTHFの比率を増加させ、25分かけて移動相の組成をTHF100%とする。得られた分画を乾固させることで成分を分離することができる。これにより樹脂Aまたは樹脂Bを得ることができる。どの分画成分が樹脂Aまたは樹脂Bであるかは13C-NMR測定により判別することができる。
<トナー粒子中の樹脂A,樹脂Bの含有量の測定>
トナー粒子から樹脂A、樹脂Bを取り出す方法により得られた各分画から樹脂Aを特定して取り出すことで、ソックスレー抽出器にかけたトナー粒子に対して樹脂Aの含有量を算出することができる。
また、樹脂Bの取り出しに用いたトナー粒子の質量から樹脂Aの質量を差し引いた値と、得られた樹脂Bの質量から、トナーコア粒子中の樹脂Bの含有量を求めることができる。
<樹脂Aおよび樹脂Bの構造の確認方法>
樹脂Aにおける式(1)中のR~R部位、および、樹脂Bにおける式(2)、式(3)で示される構造の確認は、13C-NMR分析、29Si-NMRを用いて行う。
測定サンプルは樹脂Aまたは樹脂Bそのものを用いるか、前記取り出し方法によりトナー粒子から取り出した樹脂Aまたは樹脂Bを用いる。
式(1)中のR~R中のアルコキシ基、又はヒドロキシ基は、後述する「29Si-NMR(固体)の測定条件」に示す方法によりアルコキシ基、又はヒドロキシ基のケイ素原子に対する価数を決定することが可能である。
29Si-NMR(固体)の測定条件)
装置:JEOL RESONANCE製 JNM-ECX500II
試料管:3.2mmφ
試料量:150mg
測定温度:室温
パルスモード:CP/MAS
測定核周波数:97.38MHz(29Si)
基準物質:DSS(外部標準:1.534ppm)
試料回転数:10kHz
コンタクト時間:10ms
遅延時間:2s
積算回数:2000~8000回
上記測定により、Siに結合した酸素原子の数に応じた複数のシラン成分をカーブフィッティングにてピーク分離・積分することで存在比を求めることができる。このようにして、式(1)中のR~Rのアルコキシ基又はヒドロキシ基のケイ素原子に対する価数を確認できる。
式(1)中のR~R、式(2)、式(3)で示される構造は13C-NMR(固体
)測定により確認できる。測定条件は以下の通りである。
13C-NMR(固体)の測定条件)
装置:JEOL RESONANCE製 JNM-ECX500II
試料管:3.2mmφ
試料量:150mg
測定温度:室温
パルスモード:CP/MAS
測定核周波数:123.25MHz(13C)
基準物質:アダマンタン(外部標準:29.5ppm)
試料回転数:20kHz
コンタクト時間:2ms
遅延時間:2s
積算回数:1024回
式(1)、式(1)中のR~R、式(2)及び式(3)で示される樹脂B中のモノマーユニットの種類により各種ピークに分離し、それぞれを同定してR~R、式(2)及び式(3)の構造を決定する。また、得られたピークの積分値から、樹脂B中の式(2)で示される構造の含有量を決定する。
<重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重合体、樹脂又はトナー粒子の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調製する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソ-社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<TOF-SIMS測定における質量数0.5~1850におけるトータルイオンカウントに対するケイ素イオンの強度比の測定方法>
トナー粒子を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)を用いて測定し、質量数0.5~1850におけるトータルイオンカウントに対するケイ素イオンの強度比を確認する。使用装置及び測定条件を以下に示す。
測定装置: TOFSIMS TRIFT IV(アルバック・ファイ社製)
一次イオン種:金イオン(Au
一次イオン加速電圧:30keV
一次イオン電流値:2pA
分析面積:300×300μm
画素数:256×256pixel
分析時間:3min
繰返し周波数:8.2kHz
帯電中和:on
二次イオン極性:Positive二次イオン質量範囲(m/z):0.5~1850
アルバック・ファイ社標準ソフト(Win Cadense)を用いて解析する。ケイ素イオンの強度比は、質量数0.5~1850におけるトータルイオンカウントに対する質量数28のケイ素に由来するイオンカウントの強度比で算出する。
<トナー粒子及びトナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子及びトナーの重量平均粒径(D4)は、精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いて測定する。測定は下記条件で行う。
実効測定チャンネル数:2万5千チャンネル
コントロールモーター総個数:50000個
アパチャー:100μm
カレント:1600μA
ゲイン;2
Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値で測定する。測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、前述の専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下に、実施例を挙げて本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中及び比較例中の各材料の「部」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<樹脂V1の製造>
下記の手順により、樹脂V1を製造した。
プロピレングリコールモノメチルエーテル100.0部を窒素置換しながら加熱し、液温120℃以上で還流させた。そこへ、重合性単量体として、スチレン100部、及び、重合開始剤として、tert-ブチルパーオキシベンゾエート[日油(株)製、商品名:パーブチルZ]0.50部を混合したものを3時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温を170℃まで昇温しながら常圧蒸留した。液温が170℃に到達した後、1hPaに減圧し、1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。前記樹脂固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n-ヘキサンで再沈殿させて析出した固体を濾別することで樹脂V1を得た。得られた樹脂V1の重量平均分子量(Mw)は24500であった。
<樹脂V2の製造>
表1に示すように、重合性単量体を変更した以外は樹脂V1の製造と同様にして、樹脂V2の製造を行った。
Figure 2022069276000007

BA:n-ブチルアクリレート
<樹脂A1の製造例>
下記の手順により樹脂A1を製造した。
N,N-ジメチルアセトアミド400.00部に、樹脂V1を98.4部溶解し、シラン化合物としてp-スチリルトリメトキシシラン1.6部、トリエチルアミン3.0部、縮合剤としてDMT-MM〔4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド〕を3.20部添加し、常温で5時間撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し再沈殿して濾過することで、樹脂A1を得た。樹脂A1の重量平均分子量Mwは20000であった。得られた樹脂A1の物性を表3に示す。
<樹脂A2の製造例>
樹脂A1の製造例において、ベース樹脂を樹脂V2に変更した以外は同様にして、樹脂A2を得た。得られた樹脂A2の構造および物性を表3に示す。
Figure 2022069276000008
Figure 2022069276000009
<トナー粒子1の製造例>
スチレン 98.4部、p-スチリルトリメトキシシラン1.6部をスターラーを用いて均一相になるまで混合し、モノマー溶解液1を得た。次に、イオン交換水50部を計り取り、50部のモノマー溶解液1を投入して固形分濃度を50質量%に調整した後、超音波ホモジナイザー(SONICS&MATERIAL社製)を用いて、強度97%、25℃で1分間分散処理を行い、モノマー懸濁液1を得た。
続いて、反応容器に、イオン交換水390.0部、及びリン酸ナトリウム(12水和物)〔ラサ工業(株)製〕14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。次に、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、該水系媒体に塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体1を得た。
次に、下記材料を混合した。
・ベヘニルアクリレート 54.0部
・アクリロニトリル 27.0部
・スチレン 9.0部
・ワックス(フィッシャートロプシュワックス、融点:78℃) 4.0部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4.00部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサーを用いて、500rpmにて均一に溶解、分散させることで、重合性単量体組成物1を調製した。
前記水系媒体1の温度を70℃、撹拌装置の回転数を12,000rpmに保ちながら、前記水系媒体1中に前記重合性単量体組成物1を投入し、重合開始剤として、t-ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま前記撹拌装置にて12,000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
前記撹拌装置からプロペラ撹拌羽根を備えた撹拌機に変更し、150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、さらに85℃に昇温して2.0時間加熱保持を行った後、室温まで冷却し、イオン交換水の添加やデカンテーション、濾過を行い、固形分濃度を20.0質量%に調製し、トナーコア粒子分散液1を得た。
98.0部の、得られたトナーコア粒子分散液1を攪拌機つきの反応容器に入れ、攪拌しながら70℃に加温し、窒素パージを1時間行った。
反応容器に、2.0部のモノマー懸濁液1と0.1部の過硫酸カリウム(KPS)を投入し、70℃で3時間反応を行い、トナーコア粒子表面に樹脂A3を形成した。室温まで冷却した後、塩酸を加えてpHを1.4以下に調製し、1時間攪拌を行った。前記分散安定剤を溶解し、ろ過、洗浄、乾燥を行うことによって、トナー粒子1を得た。表5にトナー粒子1の樹脂B1の物性を示す。表6にトナー粒子1の物性を示す。
<トナー粒子2、5~28、比較用トナー粒子1、3、4の製造例>
トナー粒子1の製造例において、表3-1に示すように樹重合性単量体組成物の組成を変更し、表3-2に示すようにモノマー溶解液の組成および部数を変更したこと以外は同様にして、トナー粒子2、5~28、比較用トナー粒子1、3、4を製造した。得られたトナー粒子2、5~28、比較用トナー粒子1、3、4の樹脂B1、3~18の物性を表5に示す。得られたトナー粒子2、5~28、比較用トナー粒子1、3、4の物性を表6に示す。
Figure 2022069276000010

BHA:ベヘニルアクリレート
AN:アクリロニトリル
BA:n-ブチルアクリレート
Figure 2022069276000011

BA:n-ブチルアクリレート
<比較用トナー粒子2の製造例>
トナー粒子1の製造例において、モノマー懸濁液1の製造工程を除いたこと、ワックス、顔料の部数を変更した以外は同様にして、比較用トナー粒子2を得た。得られた比較用トナー粒子2の物性を表6を示す。
<トナー粒子3の製造例>
(樹脂B2の製造)
・ベヘニルアクリレート 54.0部
・アクリロニトリル 27.0部
・スチレン 9.0部
・トルエン 100.0部
上記材料を混合し、70℃に加温した後、撹拌しながら重合開始剤として、t-ブチルパーオキシピバレート1.0部を添加した。その後70℃を保持して、5.0時間重合を行い、さらに85℃に昇温して2.0時間加熱保持を行った。冷却後、メタノール中に再
沈殿し、濾過、乾燥を行い、樹脂B2を得た。得られた樹脂B2の物性を表4に示す。
(樹脂B2微粒子の分散液の製造)
トルエン(和光純薬製)200部に樹脂B2を60部加え、90℃まで加熱した後、3時間攪拌して溶解させた。樹脂B2が溶解したトルエン溶液に、アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK)6部およびアニオン界面活性剤(日本油脂製:ノンサールLN1)3部が溶解したイオン交換水180部を添加した。それから、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて4000rpmで十分攪拌した。その後、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散した後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、樹脂B2微粒子の分散液を得た。得られた樹脂B2の物性を表5に示す。
(樹脂A1の分散液の製造)
上記樹脂B2微粒子の分散液の製造において、樹脂B2を樹脂A1に変更する以外は同様にして、樹脂A1の分散液を得た。
(離型剤微粒子の分散液の製造)
・離型剤(フィッシャートロプシュワックス、融点:78℃) 4.0部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0部
・イオン交換水 79.0部
上記処方を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環しながらローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断攪拌部位にて、ローター回転数19000r/min、スクリーン回転数19000r/minの条件にて攪拌し、60分間分散処理した後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の分散液を得た。
(顔料分散液の製造)
・C.I.ピグメントブルー15:3 4.0部
・イオン交換水 78.0部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 2.0部
上記材料を混合した。その後、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて1時間分散し、顔料分散液を調整した。
・樹脂B2微粒子の分散液(固形分28%) 360.0部
・顔料分散液(固形分7%) 40.0部
・離型剤微粒子の分散液(固形分6%) 20.0部
・樹脂A1の分散液(固形分28%) 8.0部
まず先に、樹脂A1の分散液以外の上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入し、混合した。ここに、98部のイオン交換水に対して硫酸マグネシウム8部を溶解させた水溶液を添加し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで5分間分散した。続いて、樹脂A1の分散液を添加し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで5分間分散した。
その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで50℃まで加熱した。50℃で1時間保持した後、形成された凝集粒子の重量平均粒径を測定した。その結果、重量平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
得られた凝集粒子の分散液に、360部のイオン交換水に対してエチレンジアミン四酢
酸ナトリウム40部を溶解させた水溶液を加え、更に、イオン交換水2800部を添加した。攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、2時間密閉した状態で保持し、十分に融合した粒子を得た。その後、ろ過・固液分離した後、ろ物をイオン交換水で十分に洗浄し、真空乾燥機を用いて乾燥することにより、重量平均粒径が6.2μmのトナー粒子3を得た。得られたトナー粒子3の物性を表6に示す。
<トナー粒子4の製造例>
上記トナー粒子3の製造において、樹脂A1を樹脂A2に変更する以外は同様にして、トナー粒子4を得た。得られたトナー粒子4の物性を表6に示す。
Figure 2022069276000012
Figure 2022069276000013

※:飛行時間型二次イオン質量分析法を用いて測定した際に得られる、質量数0.5~1850におけるトータルイオンカウントに対するケイ素イオンの強度比
<トナー1~28、比較用トナー1~4の製造例>
得られたトナー粒子1~28、比較用トナー粒子1~4のそれぞれ100.0部に対して、BET値が200m/gであり、一次粒子の個数平均粒径が8nmの疎水性シリカ
微粒子0.6部をヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で混合した。
前記混合処理後、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1~28、比較用トナー1~4を得た。
<実施例1~28>
実施例1~28にはそれぞれ、トナー1~28を用いて評価を行った。下記にその評価方法と結果を示す。
<比較例1~4>
比較例1~4にはそれぞれ、比較用トナー1~4を用いて評価を行った。評価は実施例1~28と同様にして行った。
<トナーの評価方法>
<現像性の評価>
カラーレーザープリンターとしてLBP712Ci(キヤノン社製)の改造機を用いて、低温低湿環境下(15℃/10%)にて耐久性の評価を行った。なお、改造内容は以下の通り。
評価機本体のギア及びソフトウェアを変更することにより、プロセススピードが350mm/secとなるようにした。
評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。すなわち、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナー1を100g充填した。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、及びブラックカートリッジを挿入した。
上記の条件で、メディア(XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m)を使用し、印字率が1%の画像を連続して出力した。50枚目に、べた画像を出力した。その後、印字率が1%の画像を計10000枚印字した。10000枚印字後、再度べた画像を出力した。10000枚目のべた画像の50枚目に対する濃度低下率を耐久性の評価とした。
画像濃度はカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X-Rite 404A:製造元 X-Rite社製)で測定した。評価結果を表7に示す。
[評価基準]
A:濃度低下率が5.0%未満
B:濃度低下率が5.0%以上7.0%未満
C:濃度低下率が7.0%以上10.0%未満
D:濃度低下率が10.0%以上
<帯電量の評価>
高温高湿環境下(30℃/80%RH)で帯電量の評価を行った。
トナーの帯電量は、トナー1.0gに対し、磁性キャリア(日本画像学会社製、Standard Carrier For q/m Measurement N-01)19.0gを混合したものを、30℃80%環境下で24時間放置後、YAYOI社製YS-8D型により150rpmの条件で1分間振とうし、下記の要領で測定する。図1に、帯電量測定装置の例を示す。
まず、底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に、帯電量を測定しようとする顔料とキャリアの混合物約0.4gを入れ、金属製のフタ4をする。このときの測定容器2全体の重量を秤り、その値をW1(g)とする。
次に、吸引機1(測定容器102と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口から吸引し、風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状態
で充分、好ましくは1分間吸引を行ってトナーを吸引除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8は、コンデンサーであり、容量をC(μF)とする。
次に、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。このトナーの帯電量(mC/kg)は、上記で測定した値を用いて下式の如く計算される。
トナーの帯電量(mC/kg)=―(C×V)/(W1-W2)
評価基準は以下の通りである。
A:帯電量が-50mC/kg以下
B:帯電量が-40mC/kg以下-50mC/kg超
C:帯電量が-30mC/kg以下-40mC/kg超
D:帯電量が-20mC/kg以下-30mC/kg超
E:帯電量が-20mC/kg超
Figure 2022069276000014

Claims (11)

  1. トナーコア粒子および該トナーコア粒子の表面のシェルを有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該シェルは樹脂Aを含有し、
    該トナーコア粒子は樹脂Bを含有し、
    該樹脂Aは下記式(1)で示される構造を有し、
    該樹脂Bは、炭素数18~30のアルキル基を含有する樹脂である
    ことを特徴とするトナー。
    Figure 2022069276000015

    [式(1)中、R~Rは各々独立して炭素数1~3のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表す。]
  2. 前記アルキル基が、直鎖アルキル基である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記樹脂Bが、下記式(2)で示される構造を有する、請求項1又は2に記載のトナー。
    Figure 2022069276000016

    [式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは17~29の整数を表し、Xは-COO-*または-OCO-*であり、*は-(CHCHとの結合部を表す。]
  4. 前記Xが、-COO-*で示される、請求項3に記載のトナー。
  5. 前記樹脂B中の、前記式(2)で示される構造の含有量が、5質量%以上80質量%以下である、請求項3又は4に記載のトナー。
  6. 前記樹脂Bが、下記式(3)で示される構造をさらに有する、請求項3~5のいずれか1項に記載のトナー。
    Figure 2022069276000017
  7. 前記樹脂Bの重量平均分子量MwBが、15000以上250000以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 前記トナー粒子中の、前記樹脂Aの含有量が、0.1質量%~20.0質量%である、請求項1~7のいずれか1項に記載のトナー。
  9. 前記トナーコア粒子中の、前記樹脂Bの含有量が、50.0質量%~95.0質量%である、請求項1~8のいずれか1項に記載のトナー。
  10. 前記トナー粒子を、飛行時間型二次イオン質量分析法を用いて測定した際に得られる、質量数0.5~1850におけるトータルイオンカウントに対するケイ素イオンの強度比が、0.00100以上0.00500以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載のトナー。
  11. 前記樹脂AのSP値をSPA(J/cm1/2とし、前記樹脂BのSP値をSPB(J/cm1/2としたとき、│SPA-SPB│≦1.00(J/cm1/2である、請求項1~10のいずれか1項に記載のトナー。
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