JP2022061944A - フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置 - Google Patents

フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022061944A
JP2022061944A JP2021127256A JP2021127256A JP2022061944A JP 2022061944 A JP2022061944 A JP 2022061944A JP 2021127256 A JP2021127256 A JP 2021127256A JP 2021127256 A JP2021127256 A JP 2021127256A JP 2022061944 A JP2022061944 A JP 2022061944A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
less
endless belt
thickness
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021127256A
Other languages
English (en)
Inventor
信行 佐藤
Nobuyuki Sato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JP2022061944A publication Critical patent/JP2022061944A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

【課題】溶液製膜法においてフィルムを製造する際に、支持体からの振動の影響を少なくし高平滑な溶液製膜フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置を提供すること。【解決手段】光線透過率 70%以上、100%以下で、厚みが15μm超、30μm以下である溶液製膜で得られるフィルムであって、厚み斑Rが5%以下であり、製膜流れ方向の厚みの周波数解析で、周期100mm以下の振幅がいずれも0.5%以下であるフィルムとする。【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置に関する。
芳香族ポリアミドはその高い耐熱性、機械強度から工業材料として有用なポリマーである。特に、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下PPTAと記すことがある)に代表されるようなパラ配向性芳香核からなる芳香族ポリアミドはその剛直性から上記特性に加え強度、弾性率に優れた成形体を与えるのでその利用価値は高く、近年ディスプレイのフレキシブル化に向けたガラス代替として本格的に開発が進んでいる。
ガラス代替としての芳香族ポリアミドには、その強度とハンドリング性を得るため、厚膜である必要がある。
芳香族ポリアミドの製膜方法として、特許文献1および特許文献2に記載のとおり溶液製膜により製造されることが知られている。
しかしながら溶液製膜での厚膜フィルムを得るためには、製膜速度を落とす必要があり、製膜速度を落とすことにより、ポリマー溶液が支持体に着地するまでの時間が長くなり、外乱の影響を受け易くなり、長手方向の厚み斑が顕著となるため、ガラス代替用途への展開は困難であった。
特開2003-94517号公報 特開2015-10149号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、溶液製膜法においてフィルムを製造する際に、支持体からの振動の影響を少なくし高平滑な溶液製膜フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置を提供することを目的とする。
本発明は、波長450nmから700nmの範囲の光線透過率 70%以上、100%以下で、厚みが15μm超、30μm以下である溶液製膜で得られるフィルムであって、厚み斑Rが5%以下であり、製膜流れ方向の厚みの周波数解析で、周期100mm以下の振幅がいずれも0.5%以下であるフィルムである。
本発明は、溶液製膜法においてフィルムを製造する際に、支持体からの振動の影響を少なくし高平滑な溶液製膜フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置を提供することが可能となる。
以下に本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のフィルムは波長450nmから700nmの範囲の光線透過率の平均が70%以上100%以下であることが好ましい。光線透過率の平均が70%未満の場合、折りたたみ式画像表示装置の液晶ディスプレイ用基板などの各種光学部材として利用できないことがある。透明性が向上することから、より好ましくは、75%以上、100%以下である。
また、光線透過率の波長領域は450nmから700nmの範囲であることが好ましい。光線透過率の波長領域が450nmから700nmの範囲より狭い場合、折りたたみ式画像表示装置の液晶ディスプレイ用基板などの各種光学部材として利用できないことがある。
透明性が向上することから、更に好ましくは、波長領域400nmから750nmの範囲の光線透過率の平均が70%以上100%以下である。
本発明のフィルムは、厚みが15μm超、30μm以下であることが好ましい。フィルムの厚みが15μm以下であるとハンドリングが難しいばかりでなく、厚さ方向の硬度が不十分となり、耐傷付性が充分に得られない。また、厚さが30μmを超えると、折り畳んだ場合に、屈曲部分の間隔が充分小さくできず、折りたたみ式画像表示装置の液晶ディスプレイ用基板などの各種光学部材として利用できないことがある。
本発明のフィルムは、厚み斑が5%以下であることが重要である。本発明における厚み斑とは後述する測定方法において求められるフィルムの最大厚みと最小厚みの差を平均厚みで除した値を百分率で表したもの((フィルムの最大厚み-フィルムの最小厚み)/フィルムの平均厚み ×100)である。フィルムの厚み斑が5%を超えると、液晶ディスプレイ用基板などの各種光学部材として利用した場合に縞模様が視認されることがある。好ましくは、厚み斑が3%以下である。
本発明のフィルムは、製膜流れ方向の厚みの周波数解析で、周期100mm以下の振幅がいずれもフィルム厚みに対して0.5%以下であることが重要である。製膜流れ方向の厚みの周波数解析で、周期100mm以下の振幅のいずれかがフィルム厚みの0.5%を超えると、液晶ディスプレイ用基板などの各種光学部材として利用した場合に縞模様が視認されることがある。好ましくは、周期100mm以下の振幅がいずれも0.3%以下である。
本発明のフィルムとしては、例えば芳香族ポリアミドフィルムが好適に用いられる。
本発明のフィルムは、構成するポリマーが芳香族ポリアミドであることが好ましい。ここで、芳香族ポリアミドとしては、例えば、次の化学式(1)及び/又は化学式(2)で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
Figure 2022061944000001
Figure 2022061944000002
ここで、Ar、Ar、Arの基としては、例えば、次の化学式(3)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2022061944000003
また、上記X、Yの基は、-O-、-CH-、-CO-、-CO-、-S-、-SO-、-C(CH-等から選ばれるが、これらに限定されるものではない。更に、これらの芳香環上の水素原子の一部が、フッ素や臭素、塩素等のハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基、メチルやエチル、プロピル等のアルキル基(特にメチル基)、メトキシやエトキシ、プロポキシ等のアルコキシ基等の置換基で置換されているものが、吸湿率を低下させ、湿度変化による寸法変化が小さくなるため好ましい。また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されていてもよい。本発明に用いられる芳香族ポリアミドは、上記の芳香環がパラ配向性を有しているものが、全芳香環の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上を占めていることが好ましい。ここでいうパラ配向性とは、芳香環上主鎖を構成する2価の結合手が互いに同軸又は平行にある状態をいう。このパラ配向性が80モル%未満の場合、フィルムの剛性及び耐熱性が不十分となる場合がある。更に、芳香族ポリアミドが次の化学式(4)で表される繰り返し単位を60モル%以上含有する場合、延伸性及びフィルム物性が特に優れることから好ましい。
Figure 2022061944000004
また、本発明のフィルムは、波長領域400nmから750nmの範囲の光線透過率の平均が70%以上100%以下とすることでフィルムの黄色味が抑えられ、ガラス代替用途として好ましい。
波長領域400nmから750nmの範囲の光線透過率の平均が70%以上100%以下とするため、下記化学式(5)~(9)のいずれかで示される構造単位を有することが好ましい。
Figure 2022061944000005
R1、R2は、-H、炭素数1~5の脂肪族基、-CF3、-CCl3、-OH、-F、-Cl、-Br、-OCH3、シリル基、または芳香環を含む基である。好ましくは、-CF3、-F、-Cl、または芳香環を含む基である。
Figure 2022061944000006
R3は、Siを含む基、Pを含む基、Sを含む基、ハロゲン化炭化水素基、芳香環を含む基、またはエーテル結合を含む基(ただし、分子内において、これらの基を有する構造単位が混在していてもよい)である。好ましくは、Siを含む基、ハロゲン化炭化水素基、芳香環を含む基、またはエーテル結合を含む基である。
Figure 2022061944000007
R4は任意の基である。特に限定されないが、好ましくは、-H、-Cl、-Fである。
Figure 2022061944000008
R5は任意の芳香族基、任意の脂環族基である。特に限定されないが、より好ましくはフェニル、ビフェニル、シクロヘキサン、デカリンである。
また、上記のなかでも、化学式(5)あるいは(6)で示される構造単位を有すると、薄膜でも剛性に優れるフィルムが得られやすく、かつ中間層が形成されやすいため、硬化層を設けた後に優れた表面硬度、耐衝撃性および耐屈曲性を実現しやすい。
上記のなかでも特に好ましくは、下記化学式(9)で示される構造単位を有することである。
Figure 2022061944000009
R6は任意の基である。特に限定されないが、好ましくは、-H、-Cl、-Fである。
上記化学式(9)で示される構造単位が、本発明のフィルムを構成する芳香族含窒素ポリマーの20~100モル%であることが好ましい。より好ましくは50~100モル%、さらに好ましくは80~100モル%である。
本発明のフィルムの製造方法について、以下に芳香族ポリアミドフィルムを例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
芳香族ポリアミドを得る方法は例えば、酸クロリドとジアミンから得る場合には、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒中で溶液重合したり、水系媒体を使用する界面重合などで合成される。ポリマー溶液は、単量体として酸クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。また、イソシアネートとカルボン酸との反応から芳香族ポリアミドを得る場合には、非プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行われる。
これらのポリマー溶液はそのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマーを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製膜原液を調製してもよい。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムを得るためには、ポリマーの固有粘度ηjnh(ポリマー0.5gを98%硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5(dl/g)以上であることが好ましい。
粒子の添加方法は、粒子を予め溶媒中に十分スラリー化した後、重合用溶媒または希釈用溶媒として使用する方法や、製膜原液を調製した後に直接添加する方法などがある。
製膜原液には溶解助剤として無機塩、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硝酸リチウムなどを添加する場合もある。また、製膜原液としては、中和後のポリマー溶液をそのまま用いてもよいし、一旦、ポリマーを単離後、溶剤に再溶解したものを用いてもよい。溶剤としては、取り扱いやすいことからN-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒が好ましいが、濃硫酸、濃硝酸、ポリリン酸等の強酸性溶媒を用いてもかまわない。製膜原液中のポリマー濃度は2~40質量%程度が好ましい。
上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがあり、ポリマー溶液中に無機塩が含まれる場合には、これを抽出するために湿式工程が必要であり乾湿式法を用いる。
乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金から支持体であるエンドレスベルトの上に押し出してシート状とし、次いでかかるシートから溶媒を飛散させシートが自己支持性をもつポリマー濃度(PC)35~60質量%まで乾燥する。乾式工程を終えたシートは冷却された後、支持体から剥離されて次の湿式工程の湿式浴に導入され、脱塩、脱溶媒が行われる。湿式浴組成は、ポリマーに対する貧溶媒であれば特に限定されないが、水、あるいは有機溶媒/水の混合系を用いることができる。この際、シート中の不純物を減少させるために有機溶媒/水混合系の組成比(以下の数値は質量基準)は、有機溶媒/水=70/30~0/100であるが、好ましくは60/40~30/70、浴温度40℃以上であることが好ましい。湿式浴中には無機塩が含まれていてもよいが最終的には多量の水でシート中に含まれる溶媒や無機塩を抽出することが好ましい。
湿式工程を通ったシートは、続いて、テンター内で水分の乾燥と熱処理が行なわれるが、テンター内で熱処理されるまでにシート中の溶媒含有量が5質量%未満になるまで乾燥させることが好ましい。溶媒含有量が5質量%以上の状態で熱処理工程に入ると、熱処理ムラが生じやすく、フィルム幅方向で物性に斑が生じたり、延伸工程中にシートが破断しやすくなる。この溶媒含有量は少ない方がより好ましく、0質量%付近まで完全に乾燥させることが望ましい。
以上のようにして形成されるシートは、湿式工程中、熱処理工程で目的とする機械的性質、寸法安定性向上のため延伸が行なわれる。延伸は、最初にシート長手方向、次いで幅方向に延伸、あるいは最初に幅方向、次いで長手方向に延伸する逐次二軸延伸法や長手方向、幅方向を同時に延伸する同時二軸延伸法などを用いることができる。これらの延伸方法は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのフィルム化で行われている溶融製膜における延伸法としてよく知られているが、本発明のような溶液製膜で得るフィルムの場合には、シート中に溶媒や湿式浴成分が含有されており、またそれらはシート外への移動を含んだプロセスであるため目的とするフィルムを得るためには後述する手法を採ることが好ましい。
延伸方法としては、逐次二軸延伸法が装置上および操作性の点から好ましい。延伸条件としては、ポリマー組成等により適正な条件を選択することが必要であるが、シートの長手方向の延伸倍率は1.0~1.5倍、幅方向の延伸倍率は1.2~2.0倍であることが、目的の寸法安定性を得るうえで好ましい。また、延伸温度は270℃以上の温度で3秒以上行われるのが好ましく、270~320℃の温度で3秒以上行われることがより好ましい。延伸温度が270℃未満であると結晶化不足となり、十分な吸湿率及び抗張力性等の寸法特性が得られないことがある。なお、延伸温度が320℃を超えると結晶化度が上がりすぎるためフィルムが脆くなり、フィルム破れが生じ易くなる。また、延伸の際のシート中の溶媒含有量は5質量%未満であることが好ましい。なお、延伸あるいは熱処理後のフィルムを徐冷することが有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却することが熱収縮率を低減させるのに有効である。
なお、本発明における芳香族ポリアミドフィルムはもちろん単層フィルムでもよいが、積層フィルムであってもよい。例えば2層の場合には、重合した芳香族ポリアミド溶液を二分し、それぞれ異なる粒子を添加した後、積層する方法が一つの例として挙げられる。さらに3層以上の場合も同様である。これら積層の方法としては、たとえば、口金内での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておいて、その上に他の層を形成する方法などがある。
なお、上記のように得られた芳香族ポリアミドフィルムに対し、コロナ放電処理、プラズマ処理、除塵処理、或いは再熱処理などの各種処理を施してもよい。
本発明の一態様として、走行する支持体であるエンドレスベルト上に流延ダイから流延して流延膜を形成する流延工程と、前記流延膜を前記支持体から剥離する剥離工程とを備え、前記エンドレスベルトがステンレス鋼により構成されたエンドレスベルトであって、前記エンドレスベルトの(最大厚み-最小厚み)/平均厚みが5%以下であり、前記エンドレスベルトの走行時の高さ方向変動周期で、周期100mm以下の振幅がいずれも5μm以下であるフィルムの溶液製膜装置が挙げられる。前記エンドレスベルトは、厚さが150nm以上400nm以下の酸化被膜層を有することが好ましい。かかる溶液製膜装置を用いてフィルムを溶液製膜すると、前述のフィルムを得ることが容易となる。前記エンドレスベルトは、ポリマー溶液を流延成形する際に支持体として用いられるものであり、環状に形成されており、製膜の際は長手方向に連続的に周回している。ポリマー溶液は、エンドレスベルト上に吐出されシート状に形成される。
溶液製膜法には、乾式法、乾湿式法、湿式法があるが、本発明のエンドレスベルトは、前記のようなポリマー溶液に乾式法、乾湿式法を採用して製膜する場合に特に有効である。
まず、芳香族ポリアミド溶液などのポリマー溶液は、ドクターナイフ、口金などにより、支持体であるエンドレスベルト上へシート状に流延される。
本発明の溶液製膜装置におけるエンドレスベルトは、酸化被膜層を有するステンレス鋼により構成されることが好ましい。この酸化被膜層にはCrとFeの酸化水和物を含んでいることが好ましい。また、酸化被膜層の側から測定した結晶粒界間距離は3μm以下であることが好ましい。
CrとFeの酸化水和物を含む酸化被膜層を形成する方法としては、ステンレス鋼板の着色法として用いられる 高村久雄著、「ステンレス鋼の着色」、日新製鋼(株)新材料研究所、平成元年6月2日受理、第3項に記載のインコ法が好ましく採用できる。
インコ法は、着色処理と硬膜処理の2工程からなる工法である。
インコ法における着色液の組成は、良好な色調と生産性の観点で、三酸化クロム250g/リットル、硫酸500g/リットルで、着色液の温度は70℃前後であることが好ましい。
表面を清浄にしたステンレス鋼板をこの着色液に浸漬すると、その表面に酸化被膜が形成される。そして、浸漬時間の経過にともなって酸化被膜の厚さが増し、着色が進行して行く。
インコ法では、着色液中に設けた白金の基準電極によりステンレス鋼板の自然電位を測定し、製品の色を管理する方法を採っている。
着色処理の過程では、ステンレス鋼の表面は溶解されながら酸化被膜が形成される。そのため被膜は、ミクロ的にはポーラスであり、耐摩耗性が劣る。この耐摩耗性を改善するため硬膜処理を行う。
硬膜処理は,三酸化クロム250g/リットル,リン酸2.5g/リットルを基本組成とする水溶液中で行う。硬膜処理は、着色したステンレス鋼板を陰極とし、電流密度20~40A/mで、5~10分間、常温で行う電解処理である。陽極には鉛等、この溶液に溶けないものを使用する。
インコ法でのステンレス鋼板酸化被膜処理では、着色工程で、ステンレス鋼板表面の結晶粒と結晶粒の間(以下結晶粒界間という)よりステンレスの溶解が進み、結晶の上に被膜が形成される。このため、結晶粒界間が広がってしまう。
酸化被膜処理されたステンレス鋼板においても、ステンレス鋼板表面の結晶粒界間より腐食が進行する。これは、ステンレス鋼板表面の結晶の上に形成された被膜と結晶粒界間の上に形成された被膜のわずかな成分の違いにより局部電池が形成されるためである。
従って、耐食性向上のためには、酸化被膜層の側から測定した結晶粒界間距離が0.3μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.2μm以下である。
なお、結晶粒界間距離とは、結晶と結晶の間の距離を意味する。測定方法としては、電解放射走査型電子顕微鏡を用い、加速電圧を15kVとして得られた表面画像より、結晶と結晶の間の距離を計測することで得られる。
結晶粒界間距離が0.3μmを超えると、局部電池が形成されやすくなり、耐食性に劣る傾向がある。
結晶粒界間距離を0.3μm以下とする方法としては、三酸化クロム250g/リットル、硫酸500g/リットルの着色液組成において、着色液の温度が60℃超から80℃未満の範囲で着色工程を実施することが好ましい。
結晶粒界間距離を0.3μm以下とする方法として、更に好ましくは、三酸化クロム250g/リットル、硫酸500g/リットルの着色液組成において、着色液の温度を65℃以上75℃以下とすることである。
また、更に好ましくは、着色処理実施後に、硬膜処理を行うまで、常温大気中で40分以上乾燥すること(以下インターバルという)である。更に好ましくはインターバルを60分以上とることである。インターバルにより、着色処理で得られた酸化被膜の酸化が進み、より耐食性が向上する。
本発明の溶液製膜装置におけるエンドレスベルトは、厚さが150nm以上400nm以下の酸化被膜層を有するステンレス鋼により構成されているものであることが好ましい。更に好ましくは、200nm以上350nm以下である。酸化被膜層の厚さが150nm未満の場合、必要な耐食性を得ることが難しい場合がある。酸化被膜層の厚さが400nmを超えた場合、平滑なフィルムを製造することが難しい場合がある。
インコ法でのステンレス鋼板めっき処理では、着色工程での被膜形成で、ある一定以上の厚さになると、被膜自体の溶融が始まり、酸化被膜層表面粗さが大きくなる。酸化被膜層表面粗さが大きくなると、平滑なフィルムを得ることが難しい。また、酸化被膜層表面が平滑すぎると、流延膜を剥ぎ取る力が不均一となり、フィルムの膜厚さ均一性に影響を及ぼす。平滑なフィルムの製造及び流延膜を均一に剥ぎ取るためには、酸化被膜層の厚さは、150nm以上400nm以下であることが好ましい。酸化被膜層の厚さを150nm以上400nm以下とする方法としては、着色液中に設けた白金の基準電極によりステンレス鋼板の自然電位を測定して制御する。
この電位-時間曲線の極小値点が着色開始点とし、ステンレス鋼材を引き上げた際の電位と着色開始点電位の差(以下到達電位という)にて、酸化被膜の厚さが決定される。
到達電位の範囲としては10mV以上25mV以下であることが好ましく、更に好ましくは15mV以上20mV以下である。
本発明の溶液製膜装置におけるエンドレスベルトは、エンドレスベルトの厚み斑((エンドレスベルトの最大厚み-エンドレスベルトの最小厚み)/エンドレスベルトの平均厚み ×100)が5%以下であることが好ましい。エンドレスベルトの厚み斑が5%を超えると、エンドレスベルトの走行時の高さ方向変動周期で、周期100mm以下の周波数で5μmを超える場合がある。より好ましくは、エンドレスベルトの厚み斑が4%以下である。
本発明の溶液製膜装置におけるエンドレスベルトは、エンドレスベルト上に吐出されたポリマー溶液をシート状に流延する工程に設置された状態において、高さ方向の変動周期で、周期100mm以下の振幅がいずれも5μm以下で有ることが好ましい。
高さ方向の変動周期で、周期100mm以下の周波数に5μmを超える振幅があると、製膜した際に、フィルム製膜流れ方向の厚みの周波数解析で、周期100mm以下の周波数に振幅が厚みの0.5%をこえる場合がある。より好ましくは、高さ方向の変動周期で、周期100mm以下の振幅がいずれも3μm以下である。
ここで、エンドレスベルトの走行時の高さ方向変動周期の測定方法について、一例を示す。
高さ方向変動を測定する際は、エンドレスベルトおよびエンドレスベルトを駆動させる機器の振動の影響が無い地面に固定された鉄骨を使用して固定されたアームに、エンドレスベルトに対して鉛直方向に取り付けられた過電流式変位センサで有ることが好ましい。
過電流式変位センサとしては、例えばキーエンス社製EX-500が上げられる。
エンドレスベルトおよびエンドレスベルトを駆動させる機器の振動の影響が無い地面に固定された鉄骨を使用して固定することにより、エンドレスベルトおよびエンドレスベルトを駆動させる機器の振動の影響を受けないため好ましい。
本発明の溶液製膜装置におけるエンドレスベルトの幅は、1500mm以上、2500mm以下であることが好ましい。エンドレスベルトの幅が1500mm未満となると、得られるフィルムの幅が狭くなり生産性が低くなる場合がある。エンドレスベルトの幅が2500mmを超えると、エンドレスベルトの端部に反りが大きくなることがある。より好ましくは、エンドレスベルトの幅は、1800mm以上、2200mm以下である。
本発明の溶液製膜装置におけるエンドレスベルトの厚みは、1.3mm以上、1.7mm以下であることが好ましい。エンドレスベルトの厚みが1.3mm未満となると、エンドレスベルトを駆動させる機器の振動の影響を受け、フィルムの厚み斑が生じることがある。また、エンドレスベルトの厚みが1.7mmを超えると、エンドレスベルトを駆動させる機器の振動の影響を受けにくくなるが、エンドレスベルトの生産性およびハンドリング性の観点で好ましくない場合がある。より好ましくは、エンドレスベルトの厚みは、1.4mm以上、1.6mm以下である。
本発明の溶液製膜装置におけるエンドレスベルトは、エンドレスベルトを2つ以上のロールにセットした状態で、エンドレスベルトのエッジ部にワイヤーを沿わせて、ワイヤーからエッジ部のクリアランスが1mm未満であることが好ましい。上記クリアランスが1mm以上となると、エンドレスベルトの蛇行が大きくなり、ベルトの走行安定性が悪化するばかりで無く、ポリマー原液を口金から支持体であるエンドレスベルトの上に着地するときに、エンドレスベルトが蛇行することにより、フィルムの厚み斑が生じることがある。より好ましくは、上記クリアランスが0.1mm以下である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(エンドレスベルト鋼板のクリアランス)
エンドレスベルト鋼板を2つのロールに75N/mmの張力でセットした状態で、エンドレスベルト鋼板のエッジ部にワイヤーを沿わせて、ワイヤーからエッジ部までのクリアランスを測定した。
測定された値において、+側がワイヤーからエッジ部が吐出していることを意味し、逆に-がワイヤーからエッジ部がへこんでいることを意味する。
(エンドレスベルト鋼板の厚み)
エンドレスベルトの両エッジ部から50mmのそれぞれの位置を、周期1m置きに測定した。
(エンドレスベルト鋼板の酸化被膜層処理)
冷間圧延工法により得られたSUS316製のエンドレスベルト鋼板を、72℃に加熱した着色処理液に浸漬させ、到達電位20mVで着色処理を行い、着色処理したエンドレスベルト鋼板を得た。着色処理を行ったエンドレスベルト鋼板の表面を水洗した。インターバルとして80分の間隔を開けた後、着色処理したエンドレスベルト鋼板を46A/mで10分間硬膜処理を行った。
(エンドレスベルト鋼板の酸化被膜層処理 着色処理時の着色処理液)
組成を三酸化クロム250g/リットル、硫酸500g/リットルとした着色処理液を準備した。
(エンドレスベルト鋼板の酸化被膜層処理 着色処理後の硬膜処理時の硬膜処理液)
組成を三酸化クロム250g/リットル、リン酸2.5g/リットルとした硬膜処理液を準備した。
(エンドレスベルト鋼板の酸化被膜層処理 着色処理時の到達電位)
着色処理工程において、硫酸とクロム酸との混合液中に、液中に設けた白金の基準電極によりステンレス鋼板の自然電位を測定した。この電位-時間曲線の極小値点が着色開始点とし、着色開始点電位の差が20mVとなった時点でステンレス鋼材を引き上げた。
なお、硫酸とクロム酸との混合液の平均温度は72℃である。
(エンドレスベルト鋼板の酸化被膜層処理 硬膜処理 電流密度)
硬膜処理工程において、リン酸とクロム酸との混合溶液中に着色処理したステンレス鋼板を浸漬し、電解によりクロムを着色被膜の多孔部分に埋め込ませることにより着色被膜を硬化させる。
この時の電流密度を46A/mとした。なお、電流密度は、総電流をステンレス鋼板の表面積で割った値である。
(エンドレスベルト鋼板の酸化被膜層の厚さ)
酸化被膜層処理をしたステンレス鋼板の断面を、FEI製Strata400Sにて、加速電圧5kVで倍率50,000倍で処理面に対し水平方向に観測した。得られた断面画像は、金属層の輝度に対し25%以下の酸化被膜層を有し、その厚さを測定した。
(エンドレスベルト鋼板の走行時の高さ位置変動測定)
エンドレスベルトを流延工程に設置し、エンドレスベルトおよびエンドレスベルトを駆動させる機器の振動の影響が無い地面に固定された鉄骨を使用して固定されたアームに取り付けられた過電流式変位センサ(キーエンス社製EX-500)をエンドレスベルトに対して鉛直方向にセットした後、エンドレスベルトを走行し、エンドレスベルトの高さ方向位置を測定した。得られたデータより周波数解析にて周期とその振幅を求めた。
(フィルムの厚み測定)
フィルムを1m(長手方向)×30mm(幅方向)にサンプリングした。次いで、アンリツ株式会社製フィルムシックネステスタ「KG601A」及び電子マイクロメータ「K306C」を用い、二軸配向フィルムを幅方向と平行に搬送させながら、その厚みを連続的に測定した。このとき、二軸配向フィルムの搬送速度は0.5m/分、測定速度は0.1s、測定点数は2,056点とした。測定により得られた厚みデータより、平均値および最大値と最小値との差R、周波数解析にて周期とその振幅を求めた。
(フィルムの平均光線透過率 450~700nm)
スガ試験機株式会社製HGM-2DPを用いて、波長450nmから700nmの平均光線透過率を求めた、結果を表1に記載する。
(フィルムの平均光線透過率 400~750nm)
日立ハイテクサイエンス社製 U3410を用いて波長400nmから750nmの透過率を測定した。波長400nmから750nmの平均光線透過率を表1に記載する。
(フィルムの透過観察)
フィルムを各光源に対し任意の角度から観察した場合に、以下の基準で縞模様の視認性を評価した。
○:偏光透過で縞模様が視認できない。
×:偏光透過で縞模様が視認できる。
(ポリマー溶液)
N-メチル-2-ピロリドン(以下NMP)に、85モル%に相当する2-クロロパラフェニレンジアミン(以下CPA)と15モル%に相当するジフェニルエーテル(以下DPE)を溶解させ、この溶液を濾過精度1.0μmのポリプロピレンからなるフィルターに通して濾過した後、これに濾過精度1.0μmのポリプロピレンからなるフィルターに通した98.5モル%に相当するクロロテレフタル酸クロライド(以下CTPC)を添加して、重合前に平均粒径80nmのシリカ粒子を芳香族ジアミン成分に対して0.02質量%、平均粒径100nmの有機粒子を芳香族ジアミン成分に対して6.0質量%になるように添加して、30℃以下で2時間の撹拌にて重合ポリマーを得た。
次に、重合ポリマー中の塩化水素に対して98.5モル%の炭酸リチウムを添加して4時間の中和を行い、重合ポリマー中の塩化水素に対して10モル%のトリエタノールアミンを添加して1時間の撹拌を行い、濾過精度1.2μmのステンレスからなる金属繊維フィルターに通して、ポリマー濃度10.8質量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。
(実施例1)
冷間圧延工法により得られたSUS316製の平均厚さ1.539mm、最大厚みと最小厚みの差0.046mm、幅2.0m、クリアランス最小値+0.000mm、クリアランス最大値+0.030mmであるSUS316製のエンドレスベルト鋼板を用意した。
エンドレスベルトの着色処理、硬膜処理を実施し、厚さ250nmの酸化被膜層を有するエンドレスベルトを得た。
N-メチル-2-ピロリドン(以下NMP)に、85モル%に相当する2-クロロパラフェニレンジアミン(以下CPA)と15モル%に相当するジフェニルエーテル(以下DPE)を溶解させ、この溶液を濾過精度1.0μmのポリプロピレンからなるフィルターに通して濾過した後、重合槽へ移送し、これに濾過精度1.0μmのポリプロピレンからなるフィルターに通した98.5モル%に相当するクロロテレフタル酸クロライド(以下CTPC)を添加して、重合前に平均粒径80nmのシリカ粒子を芳香族ジアミン成分に対して0.02質量%、平均粒径100nmの有機粒子を芳香族ジアミン成分に対して6.0質量%になるように添加して、30℃以下で2時間の撹拌にて重合ポリマーを得た。
次に、重合ポリマー中の塩化水素に対して98.5モル%の炭酸リチウムを添加して4時間の中和を行い、重合ポリマー中の塩化水素に対して10モル%のトリエタノールアミンを添加して1時間の撹拌を行い、ポリマー濃度10.8質量%の芳香族ポリアミド溶液を得た。
次に、芳香族ポリアミド溶液を濾過精度1.2μmのステンレスからなる金属繊維フィルターに通した後に、ポリマー溶液を口金より前記酸化被膜を有するエンドレスベルト上にキャストし、口金より走行方向下流側の前記酸化被膜を有するエンドレスベルト上において125℃の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得た膜体をベルトから連続的に剥離した。
次に、溶媒抽出処理装置の槽内へ膜体を導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水抽出を行いながらMD方向に1.1倍延伸した。
その後、得られた膜体を横延伸機のクリップに把持させて水分の乾燥と熱処理を行なって、280℃で1.5分間乾燥と熱処理とTD方向に1.3倍の延伸を行なった後、20℃/秒の速度で徐冷し、フィルムエッジを除去し、オシレーション60mmでコア上に巻き取って平均厚みが25.7μmの芳香族ポリアミドフィルムのロールを得た。
得られた芳香族ポリアミドフィルムの測定した物性値を表1に示す。
(実施例2)
酸化被膜層を有するSUS316製のエンドレスベルトとして、平均厚さ1.357mm、最大厚みと最小厚みの差0.055mm、幅2.5m、クリアランス最小値+0.00mm、クリアランス最大値+0.10mm、酸化被膜層の厚さ260nmのものを用意した以外は実施例1と同様にして、平均厚みが25.3μmの芳香族ポリアミドフィルムのロールを得た。
得られた芳香族ポリアミドフィルムの測定した物性値を表1に示す。
(実施例3)
酸化被膜層を有するSUS316製のエンドレスベルトとして、平均厚さ1.619mm、最大厚みと最小厚みの差0.048mm、幅1.5m、クリアランス最小値-0.04mm、クリアランス最大値+0.05mm、酸化被膜層の厚さ240nmのものを用意した以外は実施例1と同様にして、平均厚みが24.8μmの芳香族ポリアミドフィルムのロールを得た。
得られた芳香族ポリアミドフィルムの測定した物性値を表1に示す。
(実施例4)
モノマとして、NMPに、85モル%に相当する2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB、東レ・ファインケミカル社製)と15モル%に相当するDPEを溶解させた以外は実施例1と同様にして、平均厚みが24.8μmの芳香族ポリアミドフィルムのロールを得た。
得られた芳香族ポリアミドフィルムの測定した物性値を表1に示す。
(比較例1)
酸化被膜層を有するSUS316製のエンドレスベルトとして、平均厚さ1.451mm、最大厚みと最小厚みの差0.101mm、幅2.0m、クリアランス最小値-0.04mm、クリアランス最大値+0.09mm、酸化被膜層の厚さ230nmのものを用意した以外は実施例1と同様にして、平均厚みが25.3μmの芳香族ポリアミドフィルムのロールを得た。
得られた芳香族ポリアミドフィルムの測定した物性値を表1に示す。
(比較例2)
酸化被膜層を有するSUS316製のエンドレスベルトとして、平均厚さ1.015mm、最大厚みと最小厚みの差0.090mm、幅2.0m、クリアランス最小値-0.05mm、クリアランス最大値+0.12mm、酸化被膜層の厚さ240nmのものを用意した以外は実施例1と同様にして、平均厚みが24.8μmの芳香族ポリアミドフィルムのロールを得た。
得られた芳香族ポリアミドフィルムの測定した物性値を表1に示す。
(比較例3)
酸化被膜層を有するSUS316製のエンドレスベルトとして、平均厚さ1.555mm、最大厚みと最小厚みの差0.050mm、幅2.0m、クリアランス最小値-0.00mm、クリアランス最大値+4.50mm、酸化被膜層の厚さ250nmのものを用意した以外は実施例1と同様にして、平均厚みが25.2μmの芳香族ポリアミドフィルムのロールを得た。
得られた芳香族ポリアミドフィルムの測定した物性値を表1に示す。
Figure 2022061944000010

Claims (6)

  1. 波長450nmから700nmの範囲の光線透過率の平均が70%以上100%以下で、フィルム厚みが15μm超30μm以下である溶液製膜で得られるフィルムであって、
    前記フィルムの厚み斑が5%以下であり、
    製膜流れ方向の厚みの周波数解析で、周期100mm以下の振幅がいずれもフィルム厚みに対して0.5%以下であるフィルム。
  2. 前記フィルムが芳香族ポリアミドフィルムである請求項1に記載のフィルム。
  3. 波長400nmから750nmの範囲の光線透過率の平均が70%以上100%以下である請求項2に記載のフィルム。
  4. 走行する支持体であるエンドレスベルト上に流延ダイから流延して流延膜を形成する流延工程と、前記流延膜を前記支持体から剥離する剥離工程とを備え、
    前記エンドレスベルトがステンレス鋼により構成されたエンドレスベルトであって、
    前記エンドレスベルトの厚み斑が5%以下であり、
    前記エンドレスベルトの走行時の高さ方向変動周期で、周期100mm以下の振幅がいずれも5μm以下であるフィルムの溶液製膜装置。
  5. 前記エンドレスベルトが厚さが150nm以上400nm以下の酸化被膜層を有する請求項4に記載の溶液製膜装置。
  6. エンドレスベルトの幅が1500mm以上、2500mm以下であり、
    エンドレスベルトの厚みが1.3mm以上、1.7mm以下であり、
    前記エンドレスベルトを2つ以上のロールにセットした状態で、前記エンドレスベルトのエッジ部にワイヤーを沿わせて、ワイヤーからエッジ部のクリアランスが1mm未満である請求項4または5に記載の溶液製膜装置。
JP2021127256A 2020-10-07 2021-08-03 フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置 Pending JP2022061944A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020169630 2020-10-07
JP2020169630 2020-10-07

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022061944A true JP2022061944A (ja) 2022-04-19

Family

ID=81210774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021127256A Pending JP2022061944A (ja) 2020-10-07 2021-08-03 フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022061944A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5309769B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルム
JP2560727B2 (ja) 中間転写体
US20120228797A1 (en) Methods of Continuously Manufacturing Polymide Fibers
US8415024B2 (en) Process for producing polyimide film, and polyimide film
KR20090026284A (ko) 폴리이미드 부직포 및 그 제조 방법
JP2022061944A (ja) フィルムおよびフィルムの溶液製膜装置
CN107614256B (zh) 叠层膜及其制造方法
WO1997044182A1 (fr) Film de polyamide aromatique et/ou de polyimide aromatique et support d'enregistrement magnetique utilisant un tel film
KR100540731B1 (ko) 방향족 폴리아미드 필름 및 그로부터 제조된 자기 기록 매체
JP2003165128A (ja) 多孔質膜の連続製造方法および連続製造装置
JP2555742B2 (ja) 積層フィルム
JP4069725B2 (ja) 多孔性芳香族ポリアミド系フィルムおよびその製造方法
JP2003033932A (ja) 溶液製膜方法
JP2023179006A (ja) 芳香族ポリアミドフィルム
JPH0929852A (ja) フィルムの製造方法
JP2020104514A (ja) 溶液製膜装置、エンドレスベルト、およびフィルム
JPH0971670A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムまたは芳香族ポリイミドフィルム
JP2008266588A (ja) 芳香族ポリアミド多孔質膜
JP2011074106A (ja) 芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリアミドフィルム。
JP5104542B2 (ja) 表面処理ポリイミドフィルムの製法
JPH04298324A (ja) 磁気記録媒体用ベースフィルム
JP2773299B2 (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JP2003094517A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムおよびその製造方法
JPH04139229A (ja) 芳香族ポリアミドフィルム
JP2000084962A (ja) 耐熱性フィルムの製造方法