JP2022058194A - 内壁設置方法および内壁設置構造 - Google Patents

内壁設置方法および内壁設置構造 Download PDF

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昌紀 堀田
Masanori Hotta
和樹 元女
Kazuki Motome
勇輝 仁科
Yuki Nishina
幸光 長
Yukimitsu Cho
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Abstract

Figure 2022058194000001
【課題】外壁が設置されている状態であっても、フレームおよび石膏ボードをユニット建物に取り付ける工数を大幅に省略することができる内壁設置方法および内壁設置構造を提供する。
【解決手段】外壁が取り付けられた建物ユニット10に対して、外壁の室内側に内壁を設置する。建物ユニット10、又は、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30に対して、内壁パネル30の室内側からの設置を補助する取付補助部を設ける補助部形成工程と、取付補助部が設けられた建物ユニット10に対して、内壁パネル30を室内側から設置するか、又は、建物ユニット10に対して、前記取付補助部が設けられた内壁パネル30を室内側から設置する、内壁設置工程と、内壁パネル30を前記建物ユニット10に、取付補助部を介して室内側から締結する締結工程とを含んでいる。
【選択図】図3

Description

本発明は、建物ユニットに内壁を設置する内壁設置方法および内壁設置構造に関する。
従来、建物ユニットに石膏ボードなどの内壁面材を取り付けて内壁を構成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、石膏ボードなどの内壁面材が、ビスなどの締結固定具によって、建物ユニットに設置された内壁用のフレームの室内側に取り付けられる構成が開示されている。
特開2017-89196号公報
ところで、建物ユニットに内壁を設置する場合、内壁は、建物ユニットの側面に取り付けられた下地となる木桟(又はフレーム)に対して、石膏ボードをビスなどの締結固定具によって取り付けて形成することが一般的である。しかしながら、この場合、建物ユニットに木桟を取り付けた後で、木桟に石膏ボードを多数のビスなどを用いて取り付けるのは、作業者による手作業となるので、多くの工数が発生する、という問題がある。また、建物ユニットに対する木桟や石膏ボードの取り付けは、建物ユニットに外壁が設置された後で行われているため、外壁が妨げとなって室外側からの作業ができないという制約も存在している。
そこで、本発明は、外壁が設置されている状態であっても、フレームおよび石膏ボードを建物ユニットに取り付ける工数を大幅に省略することができる内壁設置方法および内壁設置構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は、外壁が取り付けられた建物ユニットに対し、前記外壁の室内側に内壁を設置する内壁設置方法であって、前記建物ユニット、又は、フレームに石膏ボードを取り付けて一体化した内壁パネルに対して、該内壁パネルの室内側からの設置を補助する取付補助部を設ける補助部形成工程と、前記取付補助部が設けられた前記建物ユニットに対して、前記内壁パネルを室内側から設置するか、又は、前記建物ユニットに対して、前記取付補助部が設けられた前記内壁パネルを室内側から設置する、内壁設置工程と、前記内壁パネルを前記建物ユニットに、前記取付補助部を介して室内側から締結する締結工程とを含むことを特徴とする。
本発明は、上記構成により、予めフレームに石膏ボードを取り付けて一体化した内壁パネルを、取付補助部を介して建物ユニットに室内側から取り付けることができる。その結果、例えば、建物ユニットに下地となる木桟(又はフレーム)を取り付けた後に、作業者によって、木桟に石膏ボードを多数のビスやネジなどの締結固定具で取り付けたり、また例えば、フレームと石膏ボードとを建物ユニットに対して別々に取り付けたりする必要をなくすことができる。そのため、建物ユニット(の側面)に外壁が設置されている状態であっても、外壁の室内側に内壁パネルを一度に取り付けるようにしながら建物ユニット(の側面)に内壁を形成して行くことができ、フレームおよび石膏ボードをユニット建物に対してそれぞれ別々に取り付けて行く場合と比べて工数を大幅に省略することができる。
ユニット建物の構成を示す斜視図である。 図1のユニット建物に使われる建物ユニットの構成を示す斜視図である。 建物ユニットの側面に間柱およびコーナー間柱を取付ける様子を示す部分拡大斜視図である。 外壁パネルを間柱に取り付ける様子を示す平面図である。 複数枚の外壁パネルを間柱に取り付けて大判化する様子を示す斜視図である。 大判化した外壁パネルを建物ユニットの側面に取り付ける様子を示す斜視図である。 実施例1の内壁設置方法を説明するための建物ユニットの側面の分解斜視図である。 実施例1の内壁設置方法を説明するための断面図である。 実施例1の内壁設置方法の内壁連結工程を説明するための断面図である。 実施例1の内壁設置方法の変形例1を示す断面図である。 実施例1の内壁設置方法の変形例2を示す断面図である。 実施例2の内壁設置方法を説明するための断面図である。 実施例3の内壁設置方法を説明するための断面図である。 実施例3の内壁設置方法の変形例を示す断面図である。 実施例4の内壁設置構造および方法を説明するための建物ユニットの側面の分解斜視図である。 内壁パネルを取り付けた図11の建物ユニットの側面の縦断面図である。 図12の下部の拡大図である。 図11の建物ユニットに対する固定部分(建物固定部)の水平断面図である。 実施例4の内壁設置方法の工程図である。 釘打ちによって製造された内壁パネルを示す概略平面図である。 内壁設置方法の内壁連結工程の、他の実施例を示す断面図である。 内壁設置方法の内壁連結工程の、別の実施例を示す断面図である。 内壁設置方法の内壁連結工程の、に別の実施例を示す断面図である。 内壁設置方法の内壁連結工程の、さらにまた別の実施例を示す図5と同様の断面図である。 先端側と基端側のネジ部の間に、ストレート部を有する締結固定具で、横張出部に隣接する内壁パネルを取付けた状態を示す断面図である。 一般的なネジで、横張出部に、隣接する内壁パネルの側縁部を取付けた状態を示す断面図である。このうち、(a)は取り付け初期の状態、(b)は取り付け後の状態である。 先端側と基端側のネジ部の間に、ストレート部を有する締結固定具の効果を示す断面図である。 (a)は先端側にネジ部を有し基端側にストレート部を有する締結固定具の側面図、(b)は(a)の締結固定具を深く打ち込み過ぎた状態を示す断面図である。 先端側と基端側のネジ部の間に、ストレート部を有する締結固定具を深く打ち込み過ぎた状態を示す断面図である。 先端側と基端側のネジ部の間にストレート部を有する締結固定具の、他の部分への適用例を示す図6と同様の断面図である。
以下、本発明の内壁設置方法および内壁設置構造の実施形態およびその具体的な実施例1~実施例4、および、変形例を、図面を用いて説明する。
本実施形態にかかる内壁設置方法は、予め工場で製造された建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で建物ユニットを複数並べて組み立てることによって構築するユニット建物に適用される。なお、上記は、各実施例において同様である。
[ユニット建物の構成]
図1は、ユニット建物1の構成を示す全体斜視図である。以下、このユニット建物1の構成を説明する。
例えば、図のユニット建物1は、基礎2の上に、1階部分を構成する複数の建物ユニット10と、2階部分を構成する複数の建物ユニット10とを並べて積層配置し、2階部分の建物ユニット10の上に屋根パネル5を設置した2階建ての構成となっている。ただし、ユニット建物1の形状や構成は上記に限るものではない。
[建物ユニット10の構成]
図2は、上記ユニット建物1に使われる建物ユニット10の基本的な構成を示す全体斜視図である。以下、この建物ユニット10の構成を説明する。
図の建物ユニット10は、直方体状をしており、その骨格部分に、箱枠状の骨組体(ユニットフレーム)を有してしている。この骨組体は、建物ユニット10の隅角部に配置される4本の柱11と、4本の柱11の下端間に架け渡されて連結される4本の床大梁12と、4本の柱11の上端間に架け渡されて連結される4本の天井大梁13と、を有している。
4本の床大梁12および天井大梁13は、それぞれ矩形状の床枠および天井枠を構成する大梁となっている。床枠および天井枠によって、建物ユニット10の下面と上面とがそれぞれ形成される。また、隣接する2本の柱11と、2本の柱11の上端間および下端間にそれぞれ架け渡された床大梁12と天井大梁13とによって建物ユニット10の4つの側面が形成される。
建物ユニット10は、主な構成要素として、上記したボックスラーメン構造の骨組体に加えて、床小梁14と、天井小梁15と、床面材16と、天井面材17と、を備えている。床小梁14および天井小梁15は、それぞれ床枠および天井枠の内部に水平に設置される小梁となっている。床面材16および天井面材17は、それぞれ床枠および天井枠の内側に、床枠および天井枠を覆うように水平に設置されている。
柱11は、例えば、上下方向に延びる四角筒状の角形鋼管によって形成される。床大梁12および天井大梁13は、例えば、ウェブ部と上フランジ部と下フランジ部とを有するC字状の断面を有して内向きに設置された水平な溝形鋼によって形成される。
床小梁14は、床枠の短辺を構成する一対の短い床大梁12とほぼ同じ長さに形成される。床小梁14は、床枠の長辺を構成する一対の長い床大梁12間に、床大梁12に沿い所要の間隔を有して複数本平行に架け渡されて連結されている。床小梁14は、例えば、水平な四角筒状の角形鋼管によって形成される。
天井小梁15は、天井枠の短辺を構成する一対の短い天井大梁13とほぼ同じ長さに形成される。天井小梁15は、天井枠の長辺を構成する一対の長い天井大梁13間に、天井大梁13に沿い所要の間隔を有して複数本平行に架け渡されて連結されている。天井小梁15は、例えば、水平な四角筒状の角形鋼管によって形成される。
床面材16は、床小梁14の上に設置されている。床小梁14は、床面材16を下から支持する。天井面材17は、天井小梁15の下に取り付けられている。天井小梁15は、天井面材17を上から保持する。
[外壁について]
そして、ユニット建物1の外周には外壁が取り付けられる。外壁は、ユニット建物1の外周を形成する建物ユニット10の側面に設けられる。外壁を取り付ける建物ユニット10の側面には、図2Aに示すように、隣接する2本の柱11の間に架け渡された天井大梁13と床大梁12との間に、単数又は複数本の間柱18が設置される。柱11の位置については、柱11に沿って間柱18とほぼ同様の機能を有するコーナー間柱19が設置される。
間柱18は、天井大梁13と床大梁12との間隔とほぼ等しい長さを有して上下方向に延びる。間柱18は、天井大梁13および床大梁12の長手方向に沿い所要の間隔を有して互いに平行に架け渡される。間柱18は、例えば、C字状の断面を有して内向きに設置された溝形鋼によって形成される。コーナー間柱19は、例えば、間柱18とほぼ同様の長さで上下方向に延びる、L字状の断面の部材などによって形成される。
そして、外壁は、図2Bに示すように、建物ユニット10の側面に予め取り付けた間柱18やコーナー間柱19に対して、複数枚の外壁パネル20を取り付けることで構成される。外壁パネル20は、両側部が、間柱18やコーナー間柱19に取り付けられる。又は、外壁は、図2Cに示すように、複数の外壁パネル20を、間柱18を介して連結することで大判化し、図2Dに示すように、大判化した状態で建物ユニット10の側面に間柱18ごと取り付けてもよい。複数の外壁パネル20を連結して予め大判化しておくことで、外壁を建物ユニット10の側面に一度に設置することができる。
外壁パネル20は、隣接する間柱18の間隔とほぼ等しい幅寸法に形成され、隣接する間柱18の間に跨るように取り付けられる。建物ユニット10の側面の両側に位置する外壁パネル20は、間柱18とコーナー間柱19との間隔とほぼ等しい幅寸法に形成され、間柱18とコーナー間柱19との間に跨るように取り付けられる。
外壁パネル20は、建物ユニット10の側面に対しては、室外側(又は屋外側)から設置される。また、外壁パネル20は、間柱18に対しては、室内側(又は屋内側)からリベット120(図2B)などのカシメ固定具で固定される。
リベット120は、例えば、先端に玉状などに膨らんだ頭部の付いた軸を筒状の本体に嵌め込み、軸を引っ張ることで筒状の本体の先端部を頭部によって裂き広げて、広げられた筒状の本体の先端部で係止を行わせるようにしたものとすることができる。筒状の本体の中間部又は後端部などには、フランジ部が一体に設けられている。筒状の本体および軸は、間柱18と外壁パネル20(の側縁部などに設けられた取付枠20a)との間に、室内側から室外側へ向けてほぼ面直に貫通配置される。この際、フランジ部は、間柱18の室内側の面に係止される。広げられた筒状の本体の先端部は、外壁パネル20(の取付枠20aの内部)に係止される。フランジ部と広げられた筒状の本体の先端部とで、間柱18および外壁パネル20(の取付枠20a)を挟むようにして外壁パネル20を固定する。外壁パネル20をリベット120で室内側から固定することにより、外壁パネル20には外面に開口する取付穴などがなくなるので、外壁パネル20は雨漏れを起こし難くなる。
そして、外壁パネル20および間柱18が先に取り付けられている建物ユニット10の(外壁パネル20が取り付けられた)側面に対し、図3に示すようにして、内壁が、建物ユニット10の室内側から設置される。
なお、建物ユニット10の側面に外壁を先に設置するのは、外壁の重量が重い(内壁の重量よりも重い)ため、外壁の設置によって建物ユニット10に比較的大きな狂い(ユニットフレームの変形や変位)が生じ、内壁の建ち精度が変わってしまうので、狂いの調整が必要になるからである。よって、内壁は、外壁を先に設置した建物ユニット10の調整後に取り付けるようにしている。これにより、内壁の設置による建物ユニット10の狂いも小さくなるので、内壁の設置後の狂いの調整を不要化又は容易化できる。これに対し、内壁を先に設置し、外壁を後から設置すると、内壁の設置後と、外壁の設置後との二度に亘って建物ユニット10の狂いの調整が必要になる。よって、外壁を先に設置し、内壁を後から設置する方が、調整作業が少なくて済むため、施工上有利となる。
そして、この実施の形態は、要するに、外壁が取り付けられた建物ユニット10における、外壁の室内側に内壁を設置する内壁設置方法であって、
建物ユニット10、又は、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30に対して、内壁パネル30の室内側からの設置を補助する取付補助部(例えば、水平受材21,22など)を設ける補助部形成工程と、
取付補助部が設けられた建物ユニット10に対して、内壁パネル30を室内側から設置するか、又は、建物ユニット10に対して、前記取付補助部が設けられた内壁パネル30を室内側から設置する、内壁設置工程と、
内壁パネル30を前記建物ユニット10に、取付補助部を介して室内側から締結する締結工程とを含んでいる。
取付補助部は、建物ユニット10に設けても良いし、内壁パネル30に設けても良いし、建物ユニット10と内壁パネル30との両方に設けても良い。
上記構成により、建物ユニット10に外壁が先に設置されている状態(即ち、内壁パネル30に対して室外側からの作業ができなくなっている状態)であっても、内壁パネル30を建物ユニット10に、取付補助部を介して室内側から一度に取り付けること、および、内壁パネル30を複数枚取り付けて行くことで内壁を形成することができ、工数を大幅に省略することができる。
以下に、上記の具体的な各実施例について説明する。
以下、この実施例の内壁設置方法について説明する。
[内壁設置方法]
図3は、実施例1の内壁設置方法を説明するための分解斜視図である。図4は、実施例1の内壁設置方法の水平受材取付工程、内壁設置工程、締結工程を説明するための部分拡大縦断面図である。図5は、実施例1の内壁設置方法の内壁連結工程を説明するための部分拡大横断面図である。以下、実施例1の内壁設置方法を説明する。なお、内壁の上部と下部は、同様の取付構造とすることができるため、実施例1では、上部の取付構造についてのみ説明する。下部の取付構造については、必要な読み替えを行うものとする。
(水平受材取付工程)
図3および図4(主に、図4)に示すように、水平受材取付工程では、天井小梁15に対して、水平受材22を、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S1によって取り付ける。この場合、水平受材22が建物ユニット10に取り付ける取付補助部となる。また、水平受材取付工程が補助部形成工程となる。
なお、天井小梁15は、両端部の下面側が、段差形状になっている。この段差形状は、端部側から順に段上部15a、段差部15b、段下部15cとなっている。
そして、一段高くなった段上部15aが、天井大梁13の内側(上フランジ部と下フランジ部との間)へ挿入されて、天井大梁13(の下フランジ部の上)に載置保持されている。また、一段低くなった段下部15cにはほぼ全域に亘って天井面材17が取り付けられている。段下部15cは、天井大梁13(の下フランジ部)よりも低くなっている。段差部15bは、天井面材17の端部の位置に形成される。そして、段差部15bは、天井大梁13の外に所要量だけ出た室内側の位置に形成される。この段差形状により、天井大梁13の下面と天井面材17との間の高さの違いを1つの部材(天井小梁15)だけで形成することができる。
水平受材22は、例えば、上下に細長い矩形状断面の木材で形成されている。水平受材22は、長手方向(紙面と垂直な方向)については、隣接する2本の柱11間に延在するように水平に設置されている。水平受材22は、少なくとも、内壁全体の幅寸法とほぼ同じかそれよりも若干広い範囲に亘って設置される。言い換えると、水平受材22は、隣接する2本の柱11間に途切れることなく通して形成されている。ただし、水平受材22は、一本物としてもよいし、複数の部材に分けて設置してもよい。水平受材22は、例えば、後述する内壁パネル30の幅寸法とほぼ同じ長さの複数の部材を並べて延在させてもよい。
水平受材22は、天井面材17の下面よりも下方へ突出するようにして、締結固定具S1によって、天井小梁15の端部に対して取り付けられている。すなわち、水平受材22は、(天井面材17ではなく)天井小梁15に取り付けられた状態で、下部が天井面材17の下面よりも下方に突出している。
より具体的には、水平受材22は、天井小梁15の下面における、(天井大梁13から室内側へ出た)段上部15aと段差部15bとのコーナー部分に、上面と側面上部が当接係止された状態で設置される。天井面材17の端部は、水平受材22の側面にほぼ突き当てられる。水平受材22は、天井面材17の端部の位置から天井面材17の下面よりも下方に突出している。天井小梁15の下面における、段上部15aと段差部15bとのコーナー部分を利用して水平受材22を取り付けることで、水平受材22は、容易に正しい位置に精度良く設置される。なお、上記したコーナー部分と水平受材22との間にスペーサを設置することで、水平受材22の位置を調整することもできる。
締結固定具S1は、水平受材22に対し、下側から上へ向かって取り付けられる。そして、締結固定具S1が、水平受材22を貫通して、天井小梁15の内部へ所要量以上に入り込むことで、水平受材22が天井小梁15に固定される。すなわち、水平受材22は、締結固定具S1によって、鉛直方向に締結される。なお、水平受材22は、状況により、締結固定具S1によって、水平方向に締結されてもよいし、斜め方向に締結されてもよい。
(内壁設置工程)
図3および図4に示すように、内壁設置工程では、内壁パネル30を縦向きにして、室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、内壁パネル30の上部を水平受材22に(室内側から)当接させて設置する。これにより、水平受材22は、内壁パネル30の上部によって室内側からは見えないように隠される。
内壁パネル30は、内壁を幅方向に所定の大きさに分けてパネル化したものである。内壁は、複数の内壁パネル30を横に並べて設置することで構成される。内壁パネル30は、木製のフレーム32(内壁フレーム)と、フレーム32の室内側の面に取り付けられた石膏ボード31とで一体に構成されている。内壁パネル30は、床面材16の上面と天井面材17の下面との間隔とほぼ等しい高さに形成される。
フレーム32は、上部横フレーム32aと、下部横フレーム32bと、左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとから矩形枠状に形成されている。左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとの間には、複数の横桟32eが架け渡されている。例えば、図3では、横桟32eは、上下方向に間隔を有して3本、ほぼ水平に設置されている。ただし、横桟32eの本数は、上記に限るのもではない。
このように、フレーム32と石膏ボード31とを一体化して内壁パネル30にすると、フレーム32と石膏ボード31の取り扱いが容易になる反面、外壁が先に設置された状態では、外壁が妨げになって室外側からの作業ができなくなるため、外壁の内側への内壁パネル30の取付作業は、全て室内側からしか行えないという制約が生じる。しかも、内壁パネル30にした場合、石膏ボード31が妨げになるため、フレーム32には、室外側からも室内側からも直接アクセスすることができなくなるので、内壁パネル30を室内側から取り付けるためには、取付補助部を設けるなどの工夫が必要になる。
この実施例では、石膏ボード31は、フレーム32の上端(上部横フレーム32a)よりも上方に突出する突出部31aを形成するように、フレーム32に取り付けられる。
突出部31aは、水平受材22における天井面材17の下面より下方への突出量とほぼ同じ突出量とされる。この際、内壁パネル30の高さは決まっているので、フレーム32は、突出部31aの分だけ上端(上部横フレーム32a)の位置が低くなるように形成する。また、水平受材22と、フレーム32とは、ほぼ同じ厚みに形成するのが好ましい。石膏ボード31は、ビスやネジなどの複数の締結固定具S2によって、フレーム32にほぼ面直に取り付けられている。
なお、フレーム32への石膏ボード31の固定にビスやネジなどの締結固定具S2を用いているのは、ビスやネジなどのネジ込量を調整すること(例えば、締めたり緩めたりするなど)によってフレーム32に対する石膏ボード31の面直方向への取り付け位置の調整ができるからである。
内壁設置工程では、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30を、縦向きにして室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、突出部31aを水平受材22に(室内側から)当接させて設置する。この際、突出部31aの室外側の面は水平受材22の室内側の側面に当接され、フレーム32の上端は、水平受材22の下面にほぼ当接状態で対向し、石膏ボード31の上端は、天井面材17の端部に下からほぼ突き合わされる。
なお、内壁パネル30を水平受材22に当接させて設置する前に、外壁パネル20と内壁パネル30と間柱18との間には、グラスウールなどの断熱材41を設置してもよい。
(締結工程)
図4に示すように、締結工程では、突出部31aを水平受材22の側面に室内側から当接させた状態で、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S3によって、内壁パネル30を水平受材22に取り付ける。締結固定具S3は、内壁パネル30に対し、室内側から室外側に向かってほぼ面直に取り付けられる。そして、締結固定具S3が、内壁パネル30を貫通して、水平受材22の内部へ所要量以上に入り込むことで、内壁パネル30の上部が水平受材22に固定される。すなわち、内壁パネル30は、締結固定具S3によって、水平方向に締結される。このようにして、内壁パネル30の上部(又は下部)が、建物ユニット10に取り付けられる。
(内壁連結工程)
内壁連結工程は、外壁が取り付けられた建物ユニット10に対し、外壁の室内側に内壁パネル30を隣接させて設置した状態で、室内側から互いに連結するものであり、図5に示すように、隣り合う内壁パネル30どうしの連結部分については、一方(右側)の内壁パネル30の左縦フレーム32cに対し、他方(左側)の内壁パネル30の右縦フレーム32dに向かって幅方向に張出す横張出部36が備えられる。横張出部36も、内壁パネル30に取り付ける取付補助部となる。
この実施例では、横張出部36は、左縦フレーム32cとは別部材で構成された連結部とされる。横張出部36は、左縦フレーム32cよりも側方(左側)へ突出するように左縦フレーム32cの室外側の面に設置されている。横張出部36は、主に、建物ユニット10の側面に対して、先に設置される側の内壁パネル30(この実施例では右側の内壁パネル30)の、隣接する内壁パネル30と近接する側縁部に設けられる。なお、横張出部36は、内壁パネル30の設置の順番によっては、右縦フレーム32dの側に、右側へ張出すように設けることもできる。
横張出部36は、例えば、内壁パネル30を室内側から室外側へほぼ水平に見てほぼ矩形状の面を有する小型の木片(分割横張出部)とすることができる。横張出部36は、左縦フレーム32cと右縦フレーム32dとを合わせた幅寸法とほぼ同じ幅寸法に形成される。横張出部36は、左縦フレーム32cの、石膏ボード31が取り付けられた側とは反対側(室外側)の面に対し、上下方向に間隔を有して複数(図3では4個)設置される。各横張出部36は、左縦フレーム32cに、ビスやネジなどの締結固定具S4によって、室外側から室内側へ向けてほぼ面直に取り付けられる。例えば、図3では、横張出部36は、上部横フレーム32aと横桟32eとの間や、横桟32eどうしの間や、横桟32eと下部横フレーム32bとの間などの位置に設けられている。フレーム32に横張出部36を取り付ける補助部形成工程は、内壁パネル30を製造する内壁パネル製造工程の際に行われる。
横張出部36は、内壁設置工程で設置され(締結工程で建物ユニット10に固定され)た隣り合う2枚の内壁パネル30において、一方の内壁パネル30の左縦フレーム32cと、他方の内壁パネル30の右縦フレーム32dとの間の室外側の面間に亘って配置される。すなわち、横張出部36は、内壁設置工程において設置された隣り合う2枚の内壁パネル30間に幅方向に跨るように配置される。なお、この実施例では、横張出部36は、間柱18からは離して設置され、間柱18には直接取り付けられない。
内壁連結工程では、建物ユニット10の側面に一方の内壁パネル30を取り付け、次に、一方の内壁パネル30の隣に他方の内壁パネル30を設置する。このとき、一方の内壁パネル30に予め取り付けられた横張出部36に、他方の内壁パネル30の側縁部を、室内側から当接係止させた状態にする。そして、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S5によって、一方の内壁パネル30の横張出部36に、他方の内壁パネル30の側縁部を固定する。
より具体的には、締結固定具S5は、他方の内壁パネル30の側縁部に対し、室内側から室外側に向けてほぼ面直に取り付けられる。そして、締結固定具S5が、石膏ボード31と側縁部に設置された右縦フレーム32dとを貫通して、横張出部36の内部へ所要量以上に入り込むことで、一方の内壁パネル30に他方の内壁パネル30が取り付けられ、同時に他方の内壁パネル30が一方の内壁パネル30に幅方向に連結される。
なお、隣り合う2枚の内壁パネル30は、締結固定具S5に代えて又は加えて、例えば、室内側から、タッカーなどの工具を用いて、ステープルTで連結してもよい。ステープルTは、水平方向に平行な姿勢で打ち込まれてもよいし、斜めに傾いた姿勢で打ち込まれてもよいし、互いに斜めに傾いた姿勢でクロスするように打ち込まれてもよい。ステープルTは、横張出部36に達する長さとされる。
このようにして、内壁パネル30の側縁部間が幅方向に連結される。そして、複数枚の内壁パネル30が、建物ユニット10の側面に隣接して取り付けられることで、内壁が構築される。なお、内壁パネル30を隣接するとは、隣接する石膏ボード31の側縁部どうしが互いに面直方向の位置を揃えて(ズレることなく)突き合わされた状態に設置されることである。
[実施例1の変形例1]
図6は、実施例1の内壁設置方法の変形例1を示す部分拡大縦断面図である。以下、実施例1の内壁設置方法の変形例1を説明する。なお、内壁連結工程は、実施例1と同様の構成であるので、説明を省略する。
(水平受材取付工程)
図6に示すように、水平受材取付工程では、天井小梁15に対して、水平受材122を、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S1によって取り付ける。この場合、水平受材122が建物ユニット10に取り付ける取付補助部となる。また、水平受材取付工程が補助部形成工程となる。
なお、天井小梁15は、両端部の下面側が、段差形状になっている。この段差形状は、端部側から順に段上部15a、段差部15b、段下部15cとなっている。
そして、一段高くなった段上部15aが、天井大梁13の内側(上フランジ部と下フランジ部との間)へ挿入されて、天井大梁13(の下フランジ部の上)に載置保持されている。また、一段低くなった段下部15cにはほぼ全域に亘って天井面材17が取り付けられている。段下部15cは、天井大梁13(の下フランジ部)よりも低くなっている。段差部15bは、天井面材17の端部の位置に形成される。そして、段差部15bは、天井大梁13の外に所要量だけ出た室内側の位置に形成される。この段差形状により、天井大梁13の下面と天井面材17との間の高さの違いを1つの部材(天井小梁15)だけで形成することができる。
水平受材122は、例えば、木材で形成されている。水平受材122は、第1水平受材122aと第2水平受材122bとの2つの部材によって、断面L字状に形成されている。第1水平受材122aと第2水平受材122bとは、ビスやネジなどの締結固定具S6によって、締結して一体化されている。
水平受材122は、長手方向(紙面と垂直な方向)については、隣接する2本の柱11間に延在するように水平に設置されている。水平受材122は、内壁全体の幅寸法とほぼ同じかそれよりも若干広い範囲に亘って設置される。言い換えると、水平受材122は、隣接する2本の柱11間に途切れることなく通して形成されている。ただし、水平受材122は、一本物としてもよいし、複数の部材に分けて設置してもよい。水平受材122は、例えば、内壁パネル30の幅寸法とほぼ同じ長さの複数の部材を並べて延在させてもよい。
水平受材122は、第1水平受材122aと第2水平受材122bとによって構成されている。水平受材122は、第1水平受材122aの下面が天井面材17の下面とほぼ同じ高さになるようにして、かつ、第2水平受材122bが天井面材17の下面よりも下方に突出するようにして、締結固定具S1によって、天井小梁15に取り付けられている。すなわち、水平受材122は、(天井面材17ではなく)天井小梁15に(第1水平受材122aが)取り付けられた状態で、(第2水平受材122bが)天井面材17の下面よりも下方に突出している。
より具体的には、水平受材122は、第1水平受材122aが、天井小梁15の下面における、(天井大梁13から室内側へ出た)段上部15aと段差部15bとのコーナー部分に、上面と側面全体が当接係止された状態で設置される。そして、第1水平受材122aは、下面が天井面材17の下面とほぼ面一になる。天井面材17の端部は、第1水平受材122aの側面下部にほぼ突き当てられる。第1水平受材122aは、上部横フレーム32aと同じ厚みに形成するのが好ましい。
第2水平受材122bは、天井小梁15の下面における、(天井大梁13から室内側へ出た)段上部15aの位置に、上面が当接係止された状態で設置される。第2水平受材122bは、第1水平受材122aおよび上部横フレーム32aの厚み分だけ天井面材17の端部から室外側へ離れた位置で、天井面材17の下面よりも下方に突出している。天井小梁15の下面における、段上部15aと段差部15bとのコーナー部分を利用して水平受材122を取り付けることにより、水平受材122は、容易に正しい位置に精度良く設置される。なお、上記したコーナー部分と水平受材122との間にスペーサを設置することで、水平受材122の位置を調整することもできる。
締結固定具S1は、水平受材122に対し、下側から上へ向かって取り付けられる。そして、締結固定具S1が、第1水平受材122aを貫通して、天井小梁15の内部へ所要量以上に入り込むことで、第1水平受材122aが天井小梁15に固定される。すなわち、水平受材122は、締結固定具S1によって、鉛直方向に締結される。なお、水平受材122は、状況により、締結固定具S1によって、水平方向に締結されてもよいし、斜め方向に締結されてもよい。
(内壁設置工程)
図6に示すように、内壁設置工程では、内壁パネル30を縦向きにして、室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、内壁パネル30の上部を水平受材122に(室内側から)当接させて設置する。これにより、水平受材122は、内壁パネル30の上部によって室内側からは見えないように隠される。
内壁パネル30は、内壁を幅方向に所定の大きさに分けてパネル化したものである。内壁は、複数の内壁パネル30を横に並べて設置することで構成される。内壁パネル30は、木製のフレーム32(内壁フレーム)と、フレーム32の室内側の面に取り付けられた石膏ボード31とで一体に構成されている。内壁パネル30は、床面材16の上面と天井面材17の下面との間隔とほぼ等しい高さに形成される。
フレーム32は、上部横フレーム32aと、下部横フレーム32bと、左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとから矩形枠状に形成されている。左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとの間には、複数の横桟32eが架け渡されている。
このように、フレーム32と石膏ボード31とを一体化して内壁パネル30にすると、フレーム32と石膏ボード31の取り扱いが容易になる反面、外壁が先に設置された状態では、外壁が妨げになって室外側からの作業ができなくなるため、外壁の内側への内壁パネル30の取付作業は、全て室内側からしか行えないという制約が生じる。しかも、内壁パネル30にした場合、石膏ボード31が妨げになるため、フレーム32には、室外側からも室内側からも直接アクセスすることができなくなるので、内壁パネル30を室内側から取り付けるためには、取付補助部を設けるなどの工夫が必要になる。
この実施例では、石膏ボード31は、フレーム32の上端(上部横フレーム32a)とほぼ同じ高さとなるように揃えて、フレーム32に取り付けられている。石膏ボード31は、ビスやネジなどの複数の締結固定具S2によって、フレーム32にほぼ面直に取り付けられている。
なお、フレーム32への石膏ボード31の固定にビスやネジなどの締結固定具S2を用いているのは、ビスやネジなどのネジ込量を調整すること(例えば、締めたり緩めたりするなど)によってフレーム32に対する石膏ボード31の面直方向への取り付け位置の調整ができるからである。
内壁設置工程では、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30を、縦向きにして室内側から室外側へほぼ水平方向に移動させて、フレーム32の上端の室外側の面を第2水平受材122bの室内側の面に当接させて設置する。この際、フレーム32の上端は、水平受材122の第1水平受材122aの下面にほぼ当接状態で対向し、石膏ボード31の上端は、天井面材17の端部に下からほぼ突き合わされる。
なお、内壁パネル30を水平受材122に当接させて設置する前に、外壁パネル20と内壁パネル30と間柱18との間には、グラスウールなどの断熱材41を設置してもよい。
(締結工程)
図6に示すように、締結工程では、フレーム32の上端を第2水平受材122bの側面に室内側から当接させた状態で、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S3によって、内壁パネル30を水平受材122に取り付ける。締結固定具S3は、内壁パネル30に対し、室内側から室外側に向かってほぼ面直に取り付けられる。そして、締結固定具S3が石膏ボード31とフレーム32とを貫通して、第2水平受材122bの内部へ所要量以上に入り込む(又は貫通する)ことで、内壁パネル30の上部が水平受材122に固定される。すなわち、内壁パネル30は、締結固定具S3によって、水平方向に締結される。
このようにして、内壁パネル30の上部(又は下部)が、建物ユニット10に取り付けられる。
[実施例1の変形例2]
図7は、実施例1の内壁設置方法の変形例2を示す部分拡大縦断面図である。以下、実施例1の内壁設置方法の変形例2を説明する。なお、内壁連結工程は、実施例1と同様の構成であるので、説明を省略する。
(水平受材取付工程)
図7に示すように、水平受材取付工程では、天井小梁15に対して、水平受材222を、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S1によって取り付ける。この場合、水平受材222が建物ユニット10に取り付ける取付補助部となる。また、水平受材取付工程が補助部形成工程となる。
なお、天井小梁15は、両端部の下面側が、段差形状になっている。この段差形状は、端部側から順に段上部15a、段差部15b、段下部15cとなっている。
そして、一段高くなった段上部15aが、天井大梁13の内側(上フランジ部と下フランジ部との間)へ挿入されて、天井大梁13(の下フランジ部の上)に載置保持されている。また、一段低くなった段下部15cにはほぼ全域に亘って天井面材17が取り付けられている。段下部15cは、天井大梁13(の下フランジ部)よりも低くなっている。段差部15bは、天井面材17の端部の位置に形成される。そして、段差部15bは、天井大梁13の外に所要量だけ出た室内側の位置に形成される。この段差形状により、天井大梁13の下面と天井面材17との間の高さの違いを1つの部材(天井小梁15)だけで形成することができる。
水平受材222は、例えば、断面L字状をしたL字金具(又はアングル材)で形成されている。水平受材222は、長手方向(紙面と垂直な方向)については、隣接する2本の柱11間に延在するように水平に設置されている。水平受材222は、内壁全体の幅寸法とほぼ同じかそれよりも若干広い範囲に亘って設置される。言い換えると、水平受材222は、隣接する2本の柱11間に途切れることなく通して形成されている。ただし、水平受材222は、一本物としてもよいし、複数の部材に分けて設置してもよい。水平受材222は、例えば、内壁パネル30の幅寸法とほぼ同じ長さの複数の部材を並べて延在させてもよい。
水平受材222は、天井面材17の下面よりも下方に突出するようにして、締結固定具S1によって、天井小梁15に取り付けられている。すなわち、水平受材222は、(天井面材17ではなく)天井小梁15に取り付けられた状態で、天井面材17の下面よりも下方に突出している。
より具体的には、断面L字状の水平受材222(L字金具)は、横面部222aと縦面部222bとを有している。水平受材222は、天井小梁15の下面における、(天井大梁13から室内側へ出た)段上部15aと段差部15bとのコーナー部分に沿って横面部222aと縦面部222bがそれぞれ当接係止された状態で設置される。
天井面材17の端部は、水平受材222の縦面部222bにほぼ突き当てられる。縦面部222bは、天井面材17の端部の位置から天井面材17の下面よりも下方に突出している。天井小梁15の下面における、段上部15aと段差部15bとのコーナー部分を利用して水平受材222を取り付けることにより、水平受材222は、容易に正しい位置に精度良く設置される。なお、上記したコーナー部分と水平受材222との間にスペーサを設置することで、水平受材222の位置を調整することもできる。
締結固定具S1は、水平受材222の下方から上方に向かって取り付けられる。そして、締結固定具S1が、水平受材222の横面部222aを貫通して、天井小梁15の内部へ所要量以上に入り込むことで、水平受材222が天井小梁15に固定される。すなわち、水平受材222は、締結固定具S1によって、鉛直方向に締結される。なお、水平受材222は、状況により、締結固定具S1によって、水平方向に締結されてもよいし、斜め方向に締結されてもよい。
(内壁設置工程)
図7に示すように、内壁設置工程では、内壁パネル30を縦向きにして、室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、内壁パネル30の上部を水平受材222に(室内側から)当接させて設置する。これにより、水平受材222は、内壁パネル30の上部によって室内側からは見えないように隠される。
内壁パネル30は、内壁を幅方向に所定の大きさに分けてパネル化したものである。内壁は、複数の内壁パネル30を横に並べて設置することで構成される。内壁パネル30は、木製のフレーム32(内壁フレーム)と、フレーム32の室内側の面に取り付けられた石膏ボード31とで一体に構成されている。内壁パネル30は、床面材16の上面と天井面材17の下面との間隔とほぼ等しい高さに形成される。
フレーム32は、上部横フレーム32aと、下部横フレーム32bと、左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとから矩形枠状に形成されている。左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとの間には、複数の横桟32eが架け渡されている。
このように、フレーム32と石膏ボード31とを一体化して内壁パネル30にすると、フレーム32と石膏ボード31の取り扱いが容易になる反面、外壁が先に設置された状態では、外壁が妨げになって室外側からの作業ができなくなるため、外壁の内側への内壁パネル30の取付作業は、全て室内側からしか行えないという制約が生じる。しかも、内壁パネル30にした場合、石膏ボード31が妨げになるため、フレーム32には、室外側からも室内側からも直接アクセスすることができなくなるので、内壁パネル30を室内側から取り付けるためには、取付補助部を設けるなどの工夫が必要になる。
この実施例では、石膏ボード31は、フレーム32の上端(上部横フレーム32a)よりも上方に突出する突出部31aを形成するように、フレーム32に取り付けられる。突出部31aは、水平受材222の縦面部222bにおける天井面材17の下面より下方への突出量とほぼ同じ突出量とされる。この際、内壁パネル30の高さは決まっているので、フレーム32は、突出部31aの分だけ上端(上部横フレーム32a)の位置が低くなるように形成する。石膏ボード31は、ビスやネジなどの複数の締結固定具S2によって、フレーム32にほぼ面直に取り付けられている。
なお、フレーム32への石膏ボード31の固定にビスやネジなどの締結固定具S2を用いているのは、ビスやネジなどのネジ込量を調整すること(例えば、締めたり緩めたりするなど)によってフレーム32に対する石膏ボード31の面直方向への取り付け位置の調整ができるからである。
内壁設置工程では、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30を、縦向きにして室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、突出部31aを水平受材222に(室内側から)当接させて設置する。この際、突出部31aの室外側の面は水平受材222の縦面部222bの室内側の面に当接される。フレーム32の上端は、大部分が水平受材222の縦面部222bよりも室外側に位置される。石膏ボード31の上端は、天井面材17の端部に下からほぼ突き合わされる。
なお、内壁パネル30を水平受材222に当接させて設置する前に、外壁パネル20と内壁パネル30と間柱18との間には、グラスウールなどの断熱材41を設置してもよい。
(締結工程)
図7に示すように、締結工程では、突出部31aを水平受材222の縦面部222bに室内側から当接させた状態で、例えば、ネジやビスなどの締結固定具S3によって、内壁パネル30を水平受材222に取り付ける。締結固定具S3は、内壁パネル30に対し、室内側から室外側に向かってほぼ面直に取り付けられる。そして、締結固定具S3が、石膏ボード31を貫通し、さらに、水平受材222の縦面部222bを貫通することで、内壁パネル30の上部が水平受材222に固定される。すなわち、内壁パネル30は、締結固定具S3によって、水平方向に締結される。
このようにして、内壁パネル30の上部(又は下部)が、建物ユニット10に取り付けられる。
[内壁設置構造]
そして、実施例1の内壁設置方法によって作成された内壁設置構造は、例えば、以下のようなものになる(例えば、上下を同じ構造にした場合)。
梁(天井小梁15)に(対し)、天井面材17よりも下方に突出して、柱11間に延在する水平受材22,122,222が取り付けられる。
梁(床小梁14)に(対し)、床面材16よりも上方に突出して、柱11間に延在する水平受材22,122,222が取り付けられる。
また、内壁パネル30の側縁部に、隣接する内壁パネル30(の室外側の面)に向かって幅方向に張出す横張出部36が、高さ方向に間隔を有して複数取り付けられる。
そして、内壁パネル30の上端部および下端部が、それぞれ水平受材22,122,222に対し締結固定具S3によって室内側からほぼ面直に当接固定される。また、一方の内壁パネル30の側縁部の横張出部36に、他方の内壁パネル30の側縁部が、締結固定具S5によって室内側からほぼ面直に当接固定されることで、隣接する内壁パネル30の側縁部間が複数の横張出部36を介して幅方向に数箇所で連結される。
[内壁設置方法の作用、効果]
以下、実施例1の内壁設置方法の作用、効果を説明する。実施例1の内壁設置方法では、梁(天井小梁15,床小梁14)と柱11とを備えた建物ユニット10に取り付けられた外壁の室内側に内壁を設置する。この内壁設置方法は、梁(天井小梁15,床小梁14)に対し、天井面材17よりも下方に、又は、床面材16よりも上方に突出して、柱11間に延在する水平受材22,122,222を取り付ける水平受材取付工程と、フレーム32に石膏ボード31を取り付けた内壁パネル30を、(室内側から)水平受材22,122,222に当接させて設置する内壁設置工程と、内壁パネル30と水平受材22,122,222とを(室内側から室外側へ向けて)締結する締結工程と、を含む(図3)。
この場合、取付補助部は、建物ユニット10の上面又は下面に設けられた梁(天井小梁15、床小梁14)に設置された天井面材17よりも下方に、又は、床面材16よりも上方に突出して、建物ユニット10に設けられた隣接する柱11間に延在する水平受材22,122,222とされ、補助部形成工程は、梁(天井小梁15、床小梁14)に対して水平受材22,122,222を取り付ける水平受材取付工程とされ、内壁設置工程では、内壁パネル30を、水平受材22,122,222に室内側から当接させて設置し、締結工程では、内壁パネル30と水平受材22,122,222とを室内側から締結する。
これにより、予めフレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30を、梁(天井小梁15,床小梁14)に設置した水平受材22,122,222に対し、一度に取り付けるようにしながら内壁を形成して行くことができる。そのため、例えば、工場で建物ユニット10の側面に下地となる木桟(又はフレーム)を取り付けた後に、作業者が、木桟に石膏ボード31を多数のビスやネジなどの締結固定具S3で取り付けて行ったり、また例えば、工場で建物ユニット10に対してフレーム32と石膏ボード31とを別々に取り付けて行ったりする必要がなくなる。その分、建物ユニット10に石膏ボード31を取り付ける工数を大幅に省略することができる。
また、予めフレーム32に石膏ボード31を取り付けて内壁パネル30にしているので、内壁パネル30の製造を、例えば機械などによって自動化することができる。また、フレーム32に石膏ボード31取り付けて一体化した内壁パネル30を建物ユニット10に取り付ける作業も自動化することができる。そのため、作業効率が向上する。また、自動化によって、フレーム32の所望の位置に石膏ボード31を正確に取り付けることができる。その結果、作業の効率化と品質の安定化を図ることができる。
また、内壁パネル30を梁(天井小梁15,床小梁14)に取り付けられた水平受材22,122,222に当接させて設置する。そのため、水平受材22,122,222によって、内壁パネル30を位置決めすることができる。その結果、内壁パネル30を所望の位置に設置することができる。この際、建物ユニット10に対して水平受材22,122,222を正確に位置決めして取り付けておけば、水平受材22,122,222に取り付けるだけで内壁パネル30の正確な位置が出せる。よって、建物ユニット10に対する内壁パネル30の位置決めが不要になる。そして、建物ユニット10に対して部材(フレーム32や石膏ボード31)をいちいち位置決めしながら取り付けて行く必要がなくなり、全体としての位置決め回数を削減できる。
また、石膏ボード31をフレーム32に予め取り付けて一体化することで、石膏ボード31をフレーム32によって保護することができる。そのため、搬送時の石膏ボード31の破損を防止することができる。
そして、内壁パネル30を水平受材22,122,222に対して室内側から取り付ける。そのため、建物ユニット10に外壁が取り付けられている状態であっても、外壁に妨げられることなく、内壁パネル30を取り付けることができる。
ところで、既存のユニット建物1では、内壁(内壁パネル30)は、間柱18に取り付けた木レンガを介して、複数の箇所で外壁と一体化されていた。このような構成では、外壁と内壁とが互いに影響し合うため、外壁の面段差調整等を行うと、内壁面の通りが出なくなってしまう。言い換えると、既存のユニット建物1では、外壁の面段差調整等によって、内壁面に段差が生じてしまう、という問題があった。
実施例1では、内壁パネル30は、その上部(又は下部)を、梁(天井小梁15,床小梁14)に取り付けられた水平受材22,122,222に対して締結している。そのため、上記した木レンガを介して内壁と外壁とを一体化しなくて済む。よって、外壁と内壁とが互いに影響し合わなくなるので、外壁の面段差調整等を行っても、内壁面に段差が生じることがない。そして、内壁と外壁を分離して、それぞれ独立して調整することができる。
実施例1の内壁設置方法において、内壁設置工程で設置された隣り合う2枚の内壁パネル30間を室内側から幅方向に連結する内壁連結工程を含む(図5)。
これにより、隣り合う2枚の内壁パネル30間の段差を抑えることができる。そのため、段差のない滑らかな内壁パネル30を構築することができる。この際、隣接する内壁パネル30間の段差調整は、各内壁パネル30においてフレーム32に石膏ボード31を取り付ける締結固定具S2のネジ込量を室内側から調整することによって行うことができる。また、内壁パネル30の上部又は下部の建物ユニット10に対する取り付け位置の調整は、締結固定具S3のネジ込量を室内側から調整することによって行うことができる。
実施例1の内壁設置方法において、内壁連結工程では、隣り合う2枚の内壁パネル30において、一方の内壁パネル30から他方の内壁パネル30に向かって突出する横張出部36を設けて、横張出部36を他方の内壁パネル30に連結する(図5)。
これにより、一方の内壁パネル30から幅方向に突出された横張出部36と他方の内壁パネル30の側縁部とを、内壁パネル30の面直方向にオーバーラップさせて、室内側から、ビスやネジなどの締結固定具S5によって、隣り合う2枚の内壁パネル30間を簡単に幅方向に連結固定することができる。この際、内壁パネル30の側縁部間の段差調整は、上下方向に複数箇所設けられた横張出部36に対して他方の内壁パネル30の側縁部を取り付ける締結固定具S5のネジ込量を室内側から調整することによっても行うことができる。
実施例2の内壁設置方法は、水平受材22などの代わりに縁端部材35を用いることで水平受材取付工程を有しない点で、実施例1の内壁設置方法と相違する。この場合、縁端部材35が内壁パネル30に取り付ける取付補助部となる。
[内壁設置方法]
図8は、実施例2の内壁設置方法を説明するための部分拡大縦断面図である。以下、実施例2の内壁設置方法を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一の符号を用いて説明する。また、内壁パネル30の上部と下部は、同様の取付構造とすることができるため、実施例2では、上部の取付構造について説明する。下部の取付構造については、必要な読み替えを行うものとする。
(内壁設置工程)
図8に示すように、内壁設置工程では、内壁パネル30を縦向きにして、室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、内壁パネル30の上部を天井小梁15に(室内側から)当接させて設置する。
内壁パネル30は、内壁を幅方向に所定の大きさに分けてパネル化したものである。内壁は、複数の内壁パネル30を横に並べて設置することで構成される。内壁パネル30は、木製のフレーム32(内壁フレーム)と、フレーム32の室内側の面に取り付けられた石膏ボード31とで一体に構成されている。そして、フレーム32には、さらに、縁端部材35が取り付けられている。フレーム32に縁端部材35を取り付ける補助部形成工程は、内壁パネル30を製造する際に(又は内壁パネル製造工程で)行われる。内壁パネル30は、実施例1と比べて、少なくとも天井面材17(又は床面材16)の厚み分だけ上下方向に大きくなって、天井面材17の上面(又は天井小梁15の段下部15c)の位置に達する高さを有している。
フレーム32は、上部横フレーム32aと、下部横フレーム32bと、左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとから矩形枠状に形成されている。左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとの間には、複数の横桟32eが架け渡されている。
このように、フレーム32と石膏ボード31とを一体化して内壁パネル30にすると、フレーム32と石膏ボード31の取り扱いが容易になる反面、外壁が先に設置された状態では、外壁が妨げになって室外側からの作業ができなくなるため、外壁の内側への内壁パネル30の取付作業は、全て室内側からしか行えないという制約が生じる。しかも、内壁パネル30にした場合、石膏ボード31が妨げになるため、フレーム32には、室外側からも室内側からも直接アクセスすることができなくなるので、内壁パネル30を室内側から取り付けるためには、取付補助部を設けるなどの工夫が必要になる。
この実施例では、石膏ボード31は、フレーム32の上端(上部横フレーム32a)とほぼ同じ高さとなるように揃えて、フレーム32に取り付けられている。石膏ボード31は、ビスやネジなどの複数の締結固定具S2によって、フレーム32にほぼ面直に取り付けられている。
なお、フレーム32への石膏ボード31の固定にビスやネジなどの締結固定具S2を用いているのは、ビスやネジなどのネジ込量を調整すること(例えば、締めたり緩めたりするなど)によってフレーム32に対する石膏ボード31の面直方向への取り付け位置の調整ができるからである。
縁端部材35は、長手方向(紙面と垂直な方向)については、内壁パネル30の幅寸法と略同じ長さを有する細長い水平な帯板状の部材とされている。縁端部材35は、石膏ボード31およびフレーム32の上端部に(上側へ突出するように)載置されて、ビスやネジなどの締結固定具S7によってフレーム32の上端(上部横フレーム32a)に上側から下へ向かって取り付けられている。
縁端部材35は、室外側の縁部がフレーム32の室外側の面とほぼ面一となり、室内側の縁部が石膏ボード31の室内側の面よりも室内側へ水平に突出した状態で、石膏ボード31およびフレーム32の上端に載置固定されている。縁端部材35は、天井小梁15の段差部15bの高さとほぼ同じ厚みに形成される。
内壁設置工程では、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化し、さらに、縁端部材35を備えた内壁パネル30を、縦向きにして室内側からほぼ水平方向に移動させて、縁端部材35を天井小梁15に下側から当接させて設置する。
この際、縁端部材35の上面は、天井小梁15の下面の段上部15aにおける、天井大梁13よりも室内側に出ている部分に下側から当接される。なお、縁端部材35の上面と段上部15aとの間には、必要に応じて、スペーサを設置して位置調整を行ってもよい。
縁端部材35の室内側の縁部は、天井小梁15の下面の段上部15aと段差部15bとのコーナー部分に対し、当接係止されてもよいし、若干の隙間を有して離間されてもよい。なお、この隙間には、必要に応じて、スペーサを設置して位置調整を行ってもよい。
これにより、縁端部材35は、天井小梁15の段上部15aへ入り込み、天井面材17と内壁パネル30の上部とによって、室内側への突出部分以外は、室内側からほぼ見えないように隠される。また、縁端部材35の室内側への突出部分については、継ぎ足し天井面材117を取り付けることで、室内側から見えないように隠される。
縁端部材35を設置できるようにするために、天井小梁15の下面の段上部15aは、実施例1よりも広い範囲に形成される。段差部15bは、縁端部材35の室内側への突出部分の分だけ、実施例1よりも室内側に変位される。同時に、天井面材17の端部の位置も実施例1よりも室内側とされる。
これに対し、石膏ボード31の上端は、内壁パネル30の厚み方向に対しては、実施例1の場合とほぼ同じ位置に設置される。そのため、石膏ボード31の上端と、天井面材17の端部とは、ほぼ縁端部材35の突出部分の分だけ(天井小梁15の長手方向に)離間される。そこで、この石膏ボード31の上端と、天井面材17の端部との間に、上記した継ぎ足し天井面材117が、下側から設置される。
継ぎ足し天井面材117は、石膏ボード31の上端と、天井面材17の端部との間隔と同じ幅、および、天井面材17と同じ厚みを有して、内壁パネル30の幅寸法と同じ長さを有する細長い水平な帯状の部材とされる。継ぎ足し天井面材117には、天井面材17と同様の部材を用いるのが好ましい。そして、継ぎ足し天井面材117によって、天井面材17と石膏ボード31とが連続される。
なお、内壁パネル30を天井小梁15に当接させて設置する前に、外壁パネル20と内壁パネル30と間柱18との間には、グラスウールなどの断熱材41を設置してもよい。
(締結工程)
図8に示すように、締結工程では、縁端部材35を天井小梁15の下面に下側から当接させた状態で、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S8によって、継ぎ足し天井面材117を介して、内壁パネル30を天井小梁15に取り付ける。継ぎ足し天井面材117は、縁端部材35と共に、締結固定具S8によって室内側から天井小梁15に取り付けられる。締結固定具S8は、継ぎ足し天井面材117および縁端部材35に対し、下側から上へ向かって取り付けられる。そして、締結固定具S8が、継ぎ足し天井面材117と縁端部材35とを貫通して、天井小梁15の内部へ所要量以上に入り込むことで、内壁パネル30の上部が天井小梁15に固定される。
すなわち、内壁パネル30は、締結固定具S8によって、縁端部材35を鉛直方向(上下方向)に締結される。なお、内壁パネル30は、状況によっては、締結固定具S8によって、斜め方向に締結されてもよい。
[内壁設置構造]
そして、実施例2の内壁設置方法によって作成された内壁設置構造は、例えば、以下のようなものになる(例えば、上下を同じ構造にした場合)。
内壁パネル30の上端部に対し、室内側に突出する縁端部材35が取り付けられる。
内壁パネル30の下端部に対し、室内側に突出する縁端部材35が取り付けられる。
また、内壁パネル30の側縁部に、隣接する内壁パネル30(の室外側の面)に向かって幅方向に張出す横張出部36が、高さ方向に間隔を有して複数取り付けられる。
そして、内壁パネル30の上端部および下端部の縁端部材35が、それぞれ梁(天井小梁15、床小梁14)に対し締結固定具S8によって室内側からほぼ上下方向に当接固定される。また、一方の内壁パネル30の側縁部の横張出部36に、他方の内壁パネル30の側縁部が、締結固定具S5によって室内側からほぼ面直に当接固定されることで、隣接する内壁パネル30の側縁部間が複数の横張出部36を介して幅方向に数箇所連結される。
[内壁設置方法の作用、効果]
以下、実施例2の内壁設置方法の作用、効果を説明する。実施例2の内壁設置方法では、梁(天井小梁15,床小梁14)と柱11とを備えた建物ユニット10に取り付けられた外壁の室内側に内壁を設置する。この内壁設置方法は、フレーム32に石膏ボード31を取り付けると共に、石膏ボード31の上端又は下端に、石膏ボード31より室内側に突出する縁端部材35を備えた内壁パネル30を、縁端部材35が梁(天井小梁15,床小梁14)に(下側又は上側から)当接した状態で設置する内壁設置工程と、梁(天井小梁15,床小梁14)と縁端部材35とを(室内側から上下方向に)締結する締結工程と、を含む(図8)。
この場合、取付補助部は、内壁パネル30から室内側へ突出する縁端部材35とされ、補助部形成工程で、内壁パネル30の製造時(内壁パネル製造工程)に、内壁パネル30の上端又は下端に、縁端部材35を取り付け、内壁設置工程では、内壁パネル30を、縁端部材35が建物ユニット10の上面又は下面に設けられた梁(天井小梁15、床小梁14)に下側又は上側から当接した状態で室内側から設置し、締結工程では、梁(天井小梁15、床小梁14)と縁端部材35とを室内側から上又は下へ向けて締結する。
これにより、予めフレーム32に石膏ボード31が取り付けられ、さらに縁端部材35が取り付けられている内壁パネル30を、梁(天井小梁15,床小梁14)に対し、一度に取り付けるようにしながら内壁を形成して行くことができる。そのため、例えば、工場で建物ユニット10の側面に下地となる木桟(又はフレーム)を取り付けた後に、作業者が、木桟に石膏ボード31を多数のビスやネジなどの締結固定具S3で取り付けて行ったり、また例えば、工場で建物ユニット10に対してフレーム32と石膏ボード31とを別々に取り付けて行ったりする必要がなくなる。その分、建物ユニット10に石膏ボード31を取り付ける工数を大幅に省略することができる。
また、予めフレーム32に石膏ボード31を取り付けて内壁パネル30にしているので、内壁パネル30の製造を、例えば機械などによって自動化することができる。内壁パネル30への縁端部材35の取り付けも容易にできる。また、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30を建物ユニット10に取り付ける作業も自動化することができる。そのため、作業効率が向上する。また、自動化によって、フレーム32の所望の位置に石膏ボード31を正確に取り付けることができる。その結果、作業の効率化と品質の安定化を図ることができる。
そして、内壁パネル30を、縁端部材35を介して梁(天井小梁15,床小梁14)に室内側から上下方向に向けて取り付ける。そのため、建物ユニット10に外壁が取り付けられている状態であっても、外壁に妨げられることなく、内壁パネル30を取り付けることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
実施例3の内壁設置方法は、水平受材21,121の取付位置が異なる点で、実施例1の内壁設置方法と相違する。
[内壁設置方法]
図9は、実施例3の内壁設置方法を説明するための部分拡大縦断面図である。以下、実施例3の内壁設置方法を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一の符号を用いて説明する。また、内壁の上部と下部は、同様の取付構造とすることができるため、実施例3では、下部の取付構造についてのみ説明する。上部の取付構造については、必要な読み替えを行うものとする。
(水平受材取付工程)
図9に示すように、水平受材取付工程では、(床小梁14ではなく)床面材16に対して、水平受材21を、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S1によって取り付ける。この場合、水平受材21が建物ユニット10に取り付ける取付補助部となる。また、水平受材取付工程が補助部形成工程となる。なお、床小梁14は、上面が全域に亘って直線状の平坦な面になっており、床面材16は、床小梁14の端部近傍(床大梁12の近傍)の位置まで設置されている。床小梁14は、スチフナ14aを介して床大梁12に取り付けられている。
水平受材21は、例えば、断面矩形状の木材で形成されている。水平受材21は、長手方向(紙面と垂直な方向)については、隣接する2本の柱11間に延在するように水平に設置されている。水平受材21は、少なくとも、内壁全体の幅寸法とほぼ同じかそれよりも若干広い範囲に亘って設置される。言い換えると、水平受材21は、隣接する2本の柱11間に途切れることなく通して形成されている。ただし、水平受材21は、一本物としてもよいし、複数の部材に分けて設置してもよい。水平受材21は、例えば、内壁パネル30の幅寸法とほぼ同じ長さの複数の部材を並べて延在させてもよい。
水平受材21は、床面材16の上面よりも上方へ突出するように、締結固定具S1によって、床面材16を介して、床小梁14の端部上面に取り付けられている。すなわち、水平受材21は、床面材16の上面に対して取り付けられることで、床面材16の上面よりも上方に突出している。
締結固定具S1は、水平受材21に対し、上側から下へ向かって取り付けられる。そして、締結固定具S1が、水平受材21と床面材16を貫通して、床小梁14の内部へ所要量以上に入り込むことで、水平受材21が床面材16を介して床小梁14に固定される。すなわち、水平受材21は、締結固定具S1によって、鉛直方向に締結される。なお、水平受材21は、状況により、締結固定具S1によって、鉛直方向に対して傾斜した斜め方向に締結されてもよい。
(内壁設置工程)
図9に示すように、内壁設置工程では、内壁パネル30を縦向きにして、室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、内壁パネル30の下部を水平受材21に(室内側から)当接させて設置する。これにより、水平受材21は、内壁パネル30の下部によって室内側からは見えないように隠される。
内壁パネル30は、内壁を幅方向に所定の大きさに分けてパネル化したものである。内壁は、複数の内壁パネル30を横に並べて設置することで構成される。内壁パネル30は、木製のフレーム32(内壁フレーム)と、フレーム32の室内側の面に取り付けられた石膏ボード31とで一体に構成されている。内壁パネル30は、床面材16の上面と天井面材17の下面との間隔とほぼ等しい高さに形成される。
フレーム32は、上部横フレーム32aと、下部横フレーム32bと、左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとから矩形枠状に形成されている。左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとの間には、複数の横桟32eが架け渡されている。
このように、フレーム32と石膏ボード31とを一体化して内壁パネル30にすると、フレーム32と石膏ボード31の取り扱いが容易になる反面、外壁が先に設置された状態では、外壁が妨げになって室外側からの作業ができなくなるため、外壁の内側への内壁パネル30の取付作業は、全て室内側からしか行えないという制約が生じる。しかも、内壁パネル30にした場合、石膏ボード31が妨げになるため、フレーム32には、室外側からも室内側からも直接アクセスすることができなくなるので、内壁パネル30を室内側から取り付けるためには、取付補助部を設けるなどの工夫が必要になる。
この実施例では、石膏ボード31は、フレーム32の下端(下部横フレーム32b)よりも下方に突出する突出部31aを形成するように、フレーム32に取り付けられる。
突出部31aは、水平受材21における床面材16の上面より上方への突出量とほぼ同じ突出量とされる。この際、内壁パネル30の高さは決まっているので、フレーム32は、突出部31aの分だけ下端(下部横フレーム32b)が高くなるように形成する。石膏ボード31は、ビスやネジなどの複数の締結固定具S2によって、フレーム32にほぼ面直に取り付けられている。
なお、フレーム32への石膏ボード31の固定にビスやネジなどの締結固定具S2を用いているのは、ビスやネジなどのネジ込量を調整すること(例えば、締めたり緩めたりするなど)によってフレーム32に対する石膏ボード31の面直方向への取り付け位置の調整ができるからである。
突出部31aには、室外側の面を覆うように、緩衝材33を設けることができる。すなわち、緩衝材33は、突出部31aのフレーム32が取り付けられた側に取り付けられている。なお、緩衝材33は、上記した実施例の突出部31aに設けてもよい。
緩衝材33は、例えば、木材とすることができる。緩衝材33は、突出部31aとほぼ同じ高さで、フレーム32(の下部横フレーム32b)よりも厚みの小さい部材とされる。緩衝材33は、例えば、ビスやネジなどの締結固定具(不図示)によって、突出部31aに取り付けられる。緩衝材33は、接着剤などで、突出部31aに取り付けられてもよい。なお、突出部31aには、緩衝材33は設けなくてもよい。
内壁設置工程では、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30を、縦向きにして室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、緩衝材33又は突出部31aを水平受材21に(室内側から)当接させて設置する。この際、緩衝材33又は突出部31aの室外側の面は水平受材21の室内側の面に(室内側から)当接される。フレーム32の下端の少なくとも一部は、水平受材21の上面にほぼ当接状態で対向する。石膏ボード31の下端は、床面材16の端部近傍に上からほぼ突き合わされる。
なお、内壁パネル30を水平受材21に当接させて設置する前に、外壁パネル20と内壁パネル30と間柱18との間には、グラスウールなどの断熱材41を設置してもよい。
(締結工程)
図9に示すように、締結工程では、緩衝材33を水平受材21の側面に室内側から当接させた状態で、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S3によって、内壁パネル30を水平受材21に取り付ける。締結固定具S3は、内壁パネル30の室内側から室外側に向かってほぼ面直に取り付けられる。そして、締結固定具S3が、石膏ボード31と緩衝材33を貫通して、水平受材21の内部に所要量以上に入り込むことで、内壁パネル30の下部が水平受材21に固定される。すなわち、内壁パネル30は、締結固定具S3によって、水平方向に締結される。なお、内壁パネル30は、状況により、締結固定具S3によって、水平方向に対して傾斜した斜め方向に締結されてもよい。
[実施例3の変形例]
図10は、実施例3の内壁設置方法の変形例を示す部分拡大縦断面図である。以下、実施例3の内壁設置方法の変形例を説明する。なお、内壁連結工程は、上記実施例と同様の構成であるので、説明を省略する。
(水平受材取付工程)
図10に示すように、水平受材取付工程では、床面材16に対して、水平受材121を、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S1によって、取り付ける。この場合、水平受材121が建物ユニット10に取り付ける取付補助部となる。また、水平受材取付工程が補助部形成工程となる。なお、床小梁14は、上面が全域に亘って直線状の平坦な面になっており、床面材16は、床小梁14の端部近傍(床大梁12の近傍)の位置まで設置されている。床小梁14は、スチフナ14aを介して床大梁12に取り付けられている。
水平受材121は、例えば、断面L字状をしたL字金具(又はアングル材)で形成されている。水平受材121は、長手方向(紙面と垂直な方向)については、隣接する2本の柱11間に延在するように水平に設置されている。水平受材121は、少なくとも、内壁全体の幅寸法とほぼ同じかそれよりも若干広い範囲に亘って設置される。言い換えると、水平受材121は、隣接する2本の柱11間に途切れることなく通して形成されている。ただし、水平受材121は、一本物としてもよいし、複数の部材に分けて設置してもよい。水平受材121は、例えば、内壁パネル30の幅寸法とほぼ同じ長さの複数の部材を並べて延在させてもよい。
水平受材121は、床面材16の上面より上方へ突出するようにして、締結固定具S1によって、床面材16を介して、床小梁14の端部上面に取り付けられている。すなわち、水平受材121は、床面材16の上面に取り付けられることで、床面材16の上面よりも上方に突出している。なお、床小梁14の端部は、水平受材121を取り付ける部分を、他の部分とは別部材で形成してもよい。
より具体的には、断面L字状の水平受材121(L字金具)は、横面部121aと縦面部121bとを有している。縦面部121bは、床面材16の端部近傍の位置に設置される。横面部121aは、縦面部121bの下端より室内側へ延びて、床面材16の端部近傍の上面に当接した状態で載置固定される。縦面部121bは、床面材16の端部近傍の位置で、床面材16の上面よりも上方に突出している。横面部121aは、フレーム32の下部横フレーム32bの厚みとほぼ同じ幅寸法を有している。
締結固定具S1は、水平受材121に対し、上側から下へ向かって取り付けられる。そして、締結固定具S1が、水平受材121(の横面部121a)と床面材16とを貫通して、床小梁14の内部へ所要量以上に入り込むことで、水平受材121が床面材16を介して床小梁14に固定される。すなわち、水平受材121は、締結固定具S1によって、鉛直方向に締結される。なお、水平受材121は、状況により、締結固定具S1によって、鉛直方向に対して傾斜した斜め方向に締結されてもよい。
(内壁設置工程)
図10に示すように、内壁設置工程では、内壁パネル30を縦向きにして、室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、内壁パネル30の下部を水平受材121(の縦面部121b)に(室内側から)当接させて設置する。これにより、水平受材121は、内壁パネル30の下部によって室内側からは見えないように隠される。
内壁パネル30は、内壁を幅方向に所定の大きさに分けてパネル化したものである。内壁は、複数の内壁パネル30を横に並べて設置することで構成される。内壁パネル30は、木製のフレーム32(内壁フレーム)と、フレーム32の室内側の面に取り付けられた石膏ボード31とで一体に構成されている。内壁パネル30は、床面材16の上面と天井面材17の下面との間隔とほぼ等しい高さに形成される。
フレーム32は、上部横フレーム32aと、下部横フレーム32bと、左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとから矩形枠状に形成されている。左縦フレーム32cと、右縦フレーム32dとの間には、複数の横桟32eが架け渡されている。
このように、フレーム32と石膏ボード31とを一体化して内壁パネル30にすると、フレーム32と石膏ボード31の取り扱いが容易になる反面、外壁が先に設置された状態では、外壁が妨げになって室外側からの作業ができなくなるため、外壁の内側への内壁パネル30の取付作業は、全て室内側からしか行えないという制約が生じる。しかも、内壁パネル30にした場合、石膏ボード31が妨げになるため、フレーム32には、室外側からも室内側からも直接アクセスすることができなくなるので、内壁パネル30を室内側から取り付けるためには、取付補助部を設けるなどの工夫が必要になる。
この実施例では、石膏ボード31の下端は、フレーム32の下端(下部横フレーム32b)とほぼ同じ高さとなるように揃えて、フレーム32に取り付けられる。石膏ボード31は、ビスやネジなどの複数の締結固定具S2によって、フレーム32にほぼ面直に取り付けられている。
なお、フレーム32への石膏ボード31の固定にビスやネジなどの締結固定具S2を用いているのは、ビスやネジなどのネジ込量を調整すること(例えば、締めたり緩めたりするなど)によってフレーム32に対する石膏ボード31の面直方向への取り付け位置の調整ができるからである。
内壁設置工程では、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30を、縦向きにして室内側から室外側に向けてほぼ水平方向に移動させて、フレーム32を水平受材121に(室内側から)当接させて設置する。この際、フレーム32の下部の室外側の面は水平受材121の縦面部121bに当接され、フレーム32の下端は、水平受材121の横面部121aにほぼ当接状態で対向し、石膏ボード31の下端は、床面材16の端部近傍に上からほぼ突き合わされる。
なお、内壁パネル30を水平受材121に当接させて設置する前に、外壁パネル20と内壁パネル30と間柱18との間には、グラスウールなどの断熱材41を設置してもよい。
(締結工程)
図10に示すように、締結工程では、フレーム32を水平受材121の縦面部121bに室内側から当接させた状態で、例えば、ビスやネジなどの締結固定具S3によって、内壁パネル30を水平受材121に取り付ける。締結固定具S3は、内壁パネル30により室内側から室外側に向かってほぼ面直に取り付けられる。そして、締結固定具S3が、石膏ボード31とフレーム32を貫通し、さらに、水平受材121の縦面部121bを貫通することで、内壁パネル30の下部が水平受材121に固定される。すなわち、内壁パネル30は、締結固定具S3によって、水平方向に締結される。
なお、内壁パネル30は、状況により、締結固定具S3によって、水平方向に対して傾斜した斜め方向に締結されてもよい。
[内壁設置構造]
そして、実施例3の内壁設置方法によって作成された内壁設置構造は、例えば、以下のようなものになる(例えば、上下を同じ構造にした場合)。
天井面材17に対し、天井面材17より下方に突出して、柱11間に延在する水平受材21,121が取り付けられる。
床面材16に対し、床面材16よりも上方に突出して、柱11間に延在する水平受材21,121が取り付けられる。
また、内壁パネル30の側縁部に、隣接する内壁パネル30(の室外側の面)に向かって幅方向に張出す横張出部36が、高さ方向に間隔を有して複数取り付けられる。
そして、内壁パネル30の上端部および下端部が、それぞれ水平受材21,121に対し締結固定具S3によって室内側からほぼ面直に当接固定される。また、一方の内壁パネル30の側縁部の横張出部36に、他方の内壁パネル30の側縁部が、締結固定具S5によって室内側からほぼ面直に当接固定されることで、隣接する内壁パネル30の側縁部間が複数の横張出部36を介して幅方向に数箇所連結される。
なお、上記は、内壁パネル30の上端側と下端側とを同じにした内壁設置構造であるが、上端側と下端側とは必ずしも同じ構造にする必要はない。例えば、図3の内壁設置構造は、内壁パネル30の上端側が、実施例1の水平受材22(図3)となり、内壁パネル30の下端側が、実施例3の水平受材21(図9)となっている。すなわち、図3の内壁設置構造は、実施例1と実施例3とを組み合わせた構成になっている。各実施例の構造は、適宜組み合わせることができる。
[内壁設置方法の作用、効果]
以下、実施例3の内壁設置方法の作用、効果を説明する。実施例3の内壁設置方法では、梁(床小梁14又は天井小梁15)と柱11とを備えた建物ユニット10に取り付けられた外壁の室内側に内壁を構築する。この内壁設置方法は、梁(床小梁14又は天井小梁15)に取り付けられた床面材16又は天井面材17に対し、床面材16よりも上方又は天井面材17よりも下方に突出するように、柱11間に延在する水平受材21,121を取り付ける水平受材取付工程と、フレーム32に石膏ボード31を取り付けた内壁パネル30を、水平受材21,121に室内側から当接させて設置する内壁設置工程と、を含む(図9)。
この場合、取付補助部は、建物ユニット10の上面又は下面に設けられた梁(天井小梁15、床小梁14)に設置された床面材16よりも上方又は天井面材17よりも下方に突出するように、建物ユニット10に設けられた隣接する柱11間に延在する水平受材21,121とされ、補助部形成工程は、床面材16又は天井面材17に対して、水平受材21,121を取り付ける水平受材取付工程とされ、内壁設置工程では、内壁パネル30を、水平受材21,121に室内側から当接させて設置し、締結工程では、内壁パネル30と水平受材21,121とを室内側から締結する。
これにより、予めフレーム32に石膏ボード31が取り付けられた内壁パネル30を、床面材16又は天井面材17に設置した水平受材21,121に対し、一度に取り付けるようにしながら内壁を形成して行くことができる。そのため、例えば、工場で建物ユニット10の側面に下地となる木桟(又はフレーム)を取り付けた後に、作業者が、木桟に石膏ボード31を多数のビスやネジなどの締結固定具S3で取り付けて行ったり、また例えば、工場で建物ユニット10に対してフレーム32と石膏ボード31とを別々に取り付けて行ったりする必要がなくなる。その分、建物ユニット10に石膏ボード31を取り付ける工数を大幅に省略することができる。
また、予めフレーム32に石膏ボード31を取り付ける作業や、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて一体化した内壁パネル30を建物ユニット10に取り付ける作業を、例えば機械などによって自動化することができる。そのため、作業の効率化と品質の安定化を図ることができる。
そして、内壁パネル30を水平受材21,121に対して室内側から取り付ける。そのため、建物ユニット10に外壁が取り付けられている状態であっても、外壁に妨げられることなく、内壁パネル30を取り付けることができる。
実施例3の内壁設置方法において、石膏ボード31は、フレーム32の上端又は下端から突出する突出部31aを有し、突出部31aのフレーム32が取り付けられた側には、緩衝材33が取り付けられている(図9)。
これにより、石膏ボード31の突出部31aを緩衝材33で保護することができる。そのため、内壁パネル30を搬送したりする際に、緩衝材33によって石膏ボード31の破損を防止することができる。
また、内壁パネル30を水平受材21,121に当接した際に、緩衝材33によって内壁パネル30を保護することができる。そのため、内壁パネル30を水平受材21,121に当接させた状態で、滑らせることができる。その結果、内壁パネル30を保護しつつ、内壁パネル30の位置を微調整することができる。
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、上記実施例の構成を用いた好適な内壁設置構造および内壁設置方法について具体的に説明する。図11は内壁設置構造を説明するための、建物ユニット10の側面に内壁パネル30を取り付ける状態を示す部分的な分解斜視図である。図12は内壁パネル30を取り付けた建物ユニット10の側面を示す側方から見た縦断面図である。図13は建物ユニット10の側面の下部を示す図である。図14は内壁パネル30の高さ方向の中間部に設けた建物固定部43を示す水平断面図である。図15は内壁設置方法を説明するための工程図である。図16は釘打ちによって製造された内壁パネル30を示す概略平面図である。
[内壁設置構造]
この実施例の内壁設置構造は、以下のようになっている。
梁(床小梁14又は天井小梁15)と柱11とを備えた建物ユニット10に取り付けられた外壁の室内側に複数枚の内壁パネル30が設置されて内壁が構成される。
梁(天井小梁15)に対し、天井面材17よりも下方に突出して、柱11間に延在する水平受材122が取り付けられる。
フレーム32に石膏ボード31を取り付けた内壁パネル30の下端部に対し、室内側に突出する縁端部材135が取り付けられる。
そして、内壁パネル30の上端部が、水平受材122に対し締結固定具S3によって室内側からほぼ面直に当接固定される。内壁パネル30の下端部の縁端部材135が、梁(床小梁14)に対し締結固定具S8によって室内側からほぼ上下方向に当接固定される。
ここで、天井小梁15に取り付ける水平受材122(図12)は、建物ユニット10に取り付ける取付補助部であり、例えば、図6と同じものを使用する。水平受材122は、天井小梁15の端部下面の段差形状を利用して取り付けるので、位置決め固定が容易である。なお、水平受材122は、他の実施例や変形例のもの(水平受材22,222)を使っても良い。
縁端部材135(図13)は、内壁パネル30に取り付ける取付補助部であり、基本的に図8の縁端部材35とほぼ同様のものを、内壁パネル30の下端側に取り付ける。内壁パネル30(のフレーム32)に縁端部材135を取り付ける補助部形成工程は、内壁パネル30を製造する際に(パネル製造工程で)行われる。そして、床面材16は、その端部を、縁端部材135の分だけ屋内側に変位させて、縁端部材135が床小梁14の端部上面の室外側に露出した部分に上から当接されるようにする。また、縁端部材135は、床面材16の端部に室外側から当接させて位置決めする。縁端部材135は、床面材16の端部と床小梁14との段差を利用して取り付けるので、位置決め固定が容易である。
この際、縁端部材135は、床面材16と同じ板厚にして、内壁パネル30の下端部から室内側に突出した部分を、床小梁14の上面に、締結固定具S8で上側から下へ向かって取り付ける。これにより、縁端部材135の上面は、床面材16の上面とほぼ面一に連なるので、図8の継ぎ足し天井面材117は特に用いる必要がない。
さらに、この実施例の内壁設置構造では、内壁パネル30の側縁部には、隣接する内壁パネル30に向かって幅方向に張出する横張出部136が取り付けられてもよい。
横張出部136は、内壁パネル30の高さ方向に連続して延びるものとしてもよい。
そして、一方の内壁パネル30の側縁部の横張出部36に、他方の内壁パネル30の側縁部が、締結固定具S5によって室内側からほぼ面直に当接固定されることで、隣接する内壁パネル30の側縁部間が上下方向に連続して延びる横張出部136を介して幅方向に連結される。
ここで、横張出部136(図14)は、内壁パネル30に取り付ける取付補助部であり、図5の横張出部36(分割横張出部)と同じものとしても良いが、図5の横張出部36とほぼ同じ断面形状を有して、内壁パネル30の高さ方向のほぼ全域に亘って連続して延びる長尺の木片(連続横張出部)を使用するのがこのましい。ただし、横張出部136の上下端部は、水平受材122や縁端部材135と干渉しない長さにする。横張出部136は、互いに隣接する内壁パネル30の隣接する左縦フレーム32cおよび右縦フレーム32dの室外側の面に設置される。横張出部136は、一本物の部材としてもよいし、複数の部材に分けて設けてもよい。複数の部材に分けた場合には、全体としてほぼ連続した状態になっていると言える程度であれば、若干の隙間を有して設置してもよい。横張出部136は、他の実施例でも使用することができる。内壁パネル30(のフレーム32)に横張出部136を取り付ける補助部形成工程は、内壁パネル30を製造する際に(パネル製造工程で)行われる。
この際、横張出部136は、互いに隣接する内壁パネル30の隣接する左縦フレーム32cと右縦フレーム32dとの幅寸法を足した寸法より僅かに狭幅にしてもよい。そして、横張出部136を、幅方向の端部の位置が、例えば、一方の内壁パネル30を構成するフレーム32における、左縦フレーム32cの内側面の位置に対して僅かにズレる(左側へ引っ込む)ように設置する。この状態で、横張出部136を左縦フレーム32cに取り付けて、横張出部136の端部と左縦フレーム32cとの間に段部42を形成してもよい。
これにより、後述する建物固定部43に一方の内壁パネル30を取り付ける際に、フレーム32の内側に設置される断熱材41が、左縦フレーム32cからハミ出して、左縦フレーム32cと建物固定部43との間に挟まるのを段部42によって抑制、防止できるようになる(挟み込み防止部)。なお、同様の段部42は、他方の内壁パネル30の右縦フレーム32dと、横張出部136の端部との間に形成してもよい。
さらに、建物ユニット10に、内壁パネル30の側縁部における、高さ方向の中間部の1箇所の位置を固定する建物固定部43(図14)が取り付けられてもよい。そして、この建物ユニット10の建物固定部43に、内壁パネル30の側縁部に取り付けた高さ方向に連続して延びる横張出部136の、高さ方向の中間部の1箇所の位置を固定する。
ここで、建物固定部43は、間柱18の高さ方向の中間部(ほぼ中央部)に設けられた木レンガとされる。間柱18は、内壁パネル30の側縁部の位置に設置される。建物固定部43は、内向きC字状の溝形鋼でできた間柱18の室内側に向いた開口面に、室内側から嵌め込まれて、(不図示の締結固定具によって)室外側から固定される。建物固定部43は、横張出部136よりも広幅に形成されている。
建物固定部43は、室内側の面が間柱18の開口面から所要量突出されて、横張出部136の屋外側の面が当接される。建物固定部43の室内側の面に横張出部136が当たることで、内壁パネル30の側面は、ほぼ面直方向に対する位置決めが行われる。この状態で、締結固定具S9が、隣接する一対の内壁パネル30の側縁部を構成する石膏ボード31とフレーム32(隣接する左縦フレーム32cおよび右縦フレーム32d)と横張出部136とをそれぞれ貫通して建物固定部43の内部へ入り込むように室内側から取り付けられる。これにより、隣接する内壁パネル30の側縁部の高さ方向の中間部が、建物固定部43に締結固定具S9によって室内側からほぼ面直(水平)に固定される(パネル中間部建物固定工程)。
なお、建物ユニット10の柱11に沿った位置には、建物固定部43と同様の建物固定部44(図11)が、高さ方向に間隔を有して複数設置されている。そして、柱11に最も近い位置に設置される内壁パネル30は、柱11に沿って設置される右縦フレーム32dの高さ方向の複数の部分が、複数の建物固定部44に対し、締結固定具S10によって室内側からほぼ面直(水平)に取り付けられる。
[内壁設置方法]
この実施例では、図15に示すように、図の左側から右側へ向かって順番に内壁設置方法が実施される。
まず、パネル製造工程で、フレーム32を組み立て、フレーム32に石膏ボード31を取り付けて、内壁パネル30を形成する。フレーム32への石膏ボード31の取り付けには、上記した各実施例のようにビスやネジなどの締結固定具S2を使っても良いが、この実施例では、ビスやネジなどの締結固定具S2ではなく、図16に示すように釘Nなどの打込固定具を使うようにする。
なお、上記した各実施例で、フレーム32への石膏ボード31の固定にビスやネジなどの締結固定具S2を用いていたのは、上記したように、ビスやネジなどのネジ込量を調整すること(例えば、締めたり緩めたりするなど)によってフレーム32に対する石膏ボード31の面直方向への取り付け位置の調整ができるからである。
この際、内壁パネル30を1枚製造するのに、ビスやネジなどの締結固定具S2は、80箇所程度用いられている。これは、石膏ボード31の重量が大きいので、地震などの外力による変形を抑制するために、非常に細かいピッチで締結固定具S2を打つ必要があるからである。
しかし、内壁パネル30を製造する場合、ネジ止めだと、ネジを1箇所ネジ込むのに5秒かかる。よって、1枚の内壁パネル30の製造には、かなりの時間がかかっている。しかも、1棟の建物ユニット10には、内壁パネル30が約70枚も使用される。そのため、内壁パネル30の製造効率を向上することは、非常に重要な課題である。
これに対し、釘Nは1箇所打つのに1秒で済む。よって、ネジ止めから釘打ちに変えることで、内壁パネル30の製造時間の大幅な短縮が得られる。しかし、釘打ちだと、フレーム32に対する石膏ボード31の面直方向への取り付け位置の調整(又は段差調整)はできなくなる。よって、上記した各実施例の場合には、釘打ちは採用されていなかった。しかし、この実施例4では、後述する理由によって、釘打ちによる内壁パネル30の製造が可能になっている。
次に、パネル製造工程の一部として(又は、パネル製造工程の後工程で)補助部形成工程を行い、内壁パネル30の下端部に、取付補助部となる縁端部材135を、締結固定具S7で下側から取り付ける。また、内壁パネル30の側縁部に、取付補助部となる横張出部136を、締結固定具S4で室外側からほぼ面直に取り付ける。内壁パネル30は、建物ユニット10と比べて十分に小さいため、内壁パネル30への縁端部材135および横張出部136の取り付けは、比較的容易であり、取付精度も出し易い。
次に、水平受材取付工程で、天井小梁15の端部下面に、水平受材122を、締結固定具S1で下側から取り付ける。天井小梁15の端部下面は、段差形状となっているので、天井小梁15への水平受材122の取り付けは、段差形状を利用することで容易でとなり、取付精度も出し易い。このとき、外壁および間柱18は、すでに建物ユニット10に取付けられている。
そして、内壁設置工程で、床大梁12と天井大梁13との間に内壁パネル30を室内側から設置する。
さらに、締結工程で、内壁パネル30の上端部を、水平受材122に締結固定具S3で室内側からほぼ面直に取り付ける。また、内壁パネル30の下端部の縁端部材135を、床小梁14に締結固定具S8で室内側から下へ向けて取り付ける。さらに、パネル中間部建物固定工程として、内壁パネル30の側縁部の高さ方向の中間部の1箇所の位置を、建物固定部43に締結固定具S9で室内側からほぼ面直に取り付ける。これにより、建物ユニット10の側面に、一方の内壁パネル30が精度良く取り付けられる。
そして、上記と同様にして、建物ユニット10の側面に、一方の内壁パネル30と隣接させて、他方の内壁パネル30を取り付ける。他方の内壁パネル30は、上下端部および、側縁部の高さ方向の中間部の1箇所の位置が建物ユニット10に固定される。
さらに、内壁連結工程で、他方の内壁パネル30の右縦フレーム32dを、一方の内壁パネル30に取り付けられた横張出部136に対し、室内側から締結固定具S5で面直に取り付ける。この際、横張出部136は高さ方向に連続して延びているため、高さ方向のどの位置でも取り付けができるので、締結固定具S5は、現場の状況に応じて、内壁パネル30の側縁部間の段差をなくすことができる最適な位置に取り付ける。
この際、パネル中間部建物固定工程として、他方の内壁パネル30の側縁部(右縦フレーム32d)の高さ方向の中間部の1箇所の位置を、一方の内壁パネル30の側縁部と同じ建物固定部43に締結固定具S9で室内側からほぼ面直に取り付ける。また、他方の内壁パネル30の反対側の側縁部(左縦フレーム32c)の高さ方向の中間部の1箇所の位置を、別の建物固定部43に締結固定具S9で室内側からほぼ面直に取り付ける。これらにより、建物ユニット10の側面に、他方の内壁パネル30が精度良く取り付けられる。
そして、上記を繰り返して内壁パネル30を横に取り付けて行くことにより、建物ユニット10の側面全体に対して、段差のない内壁が形成される。
なお、各工程の詳細については、上記した各実施例とほぼ同様である。
[内壁設置構造および方法の効果]
以下、実施例4の内壁設置構造および方法の効果を説明する。実施例4の内壁設置方法では、取付補助部は、建物ユニット10の上面に設けられた梁(天井小梁15)に設置された天井面材17よりも下方に突出して、建物ユニット10に設けられた隣接する柱11間に延在する水平受材22,122,222、および、内壁パネル30の下端から室内側へ突出する縁端部材135とされ、補助部形成工程は、建物ユニット10の上面の梁(天井小梁15)に対して水平受材22,122,222を取り付ける水平受材取付工程、および、内壁パネル30の製造時(内壁パネル製造工程)に、内壁パネル30の下端に、縁端部材135を取り付ける工程とされ、内壁設置工程では、内壁パネル30の上端を、水平受材22,122,222に室内側から当接させて設置すると共に、内壁パネル30の下端を、縁端部材135が建物ユニット10の下面に設けられた梁(床小梁14)に上側から当接した状態で室内側から設置し、締結工程では、内壁パネル30と水平受材22,122,222とを室内側から締結すると共に、梁(天井小梁15)と縁端部材135とを室内側から上又は下へ向けて締結することで、上記した内壁設置構造を形成する。
そして、(梁(天井小梁15)に取り付けられた)水平受材122は、内壁パネル30の上端部を室外側から受けるようにしてもよい。内壁パネル30の上端部を水平受材122に室内側から当てることで、内壁パネル30は、上端部を水平受材122によって精度良く位置決めして固定できる。この際、内壁パネル30の上端部を水平受材122に締結固定具S3で室内側からほぼ面直に取り付けることで、締結固定具S3のネジ込量によって室内側から内壁パネル30の上端部に対する取り付け位置の調整ができる。また、内壁パネル30の上端部は、フレーム32および石膏ボード31の上端部を同一の高さに形成することで、フレーム32によって石膏ボード31の損傷が防止され、内壁パネル30の運搬や取り付けが容易になる。
縁端部材135は、内壁パネル30の下端部に取り付けてもよい。縁端部材135は、内壁パネル30の下端部に対して、精度良く取り付けることが容易にできる。しかも、床面材16の上面に水平受材122を取り付けるよりも位置出しが容易である。
そして、内壁パネル30は、その下端部を、縁端部材135を介して(梁(床小梁14)に設置された)床面材16の端部によって室外側から受けさせてもよい。内壁パネル30を室外側から室内側へ移動して下端部の縁端部材135を床面材16の端部に当てることで、内壁パネル30は、その下端部を精度良く位置決めして梁(床小梁14)に固定できる。内壁パネル30の下端部の位置決めは、床面材16の端部の位置によって行う。床面材16は、床小梁14に取り付ける際に、治具を用いて端部の位置出しを正確に行わせるようにする。
内壁パネル30の下端部に対して縁端部材135を取り付けることで、床面材16の上面に対して上方に突出する水平受材122や、緩衝材33を取り付けるよりも部材の取付作業が容易になる。そして、内壁パネル30の下端部に縁端部材135を設置することによって、床面材16の上面に水平受材21,121を取り付ける必要や、石膏ボード31の下端部に緩衝材33を取り付ける必要がなくなるので、その分、コストダウンが得られる。
内壁パネル30の下端部は、フレーム32および石膏ボード31の下端部を同一の高さに形成して、縁端部材135を取り付けることで、フレーム32と縁端部材135が内壁パネル30の下端部を保護する。よって、石膏ボード31は、フレーム32や縁端部材135によって下端部の損傷が防止され、内壁パネル30の運搬や取り付けが容易になる。
内壁パネル30の下端部の縁端部材135を室外側から室内側へ向けて床面材16の端部に当てた状態で、縁端部材135を梁(床小梁14)に締結固定具S8で下向きに取り付ける。これにより、室内側から位置を目視確認しながら内壁パネル30の下端部の取り付けができる。また、内壁パネル30の上端部や側縁部とは、異なる方向からの取り付けとなるので、内壁パネル30を全体としてバランス良く設置して、精度良く取り付けることができる。
横張出部136は、(一方の)内壁パネル30の高さ方向に連続して延びる部材としてもよい。これにより、内壁パネル30は、その側縁部を、横張出部136によって、高さ方向(上下方向)に連続して室外側から保持(裏打ち)される。そして、内壁パネル30は、側縁部のほぼ全体が横張出部136によって補強され、内壁パネル30の側縁部のほぼ全体が安定した形状になる。同時に、横張出部136も剛性が高くなる。
また、他方の内壁パネル30の側縁部を横張出部136に室内側から当てることで、横張出部136は、他方の内壁パネル30の側縁部のほぼ全体を高さ方向に連続して室外側から受ける。これにより、他方の内壁パネル30は、側縁部のほぼ全体が横張出部136によってほぼ面直に位置決めされる。そのため、他方の内壁パネル30の側縁部を横張出部136に対して精度良く取り付けることができる。
そして、横張出部136を内壁パネル30の高さ方向に連続して延びる部材にしたことで、他方の内壁パネル30の側縁部は、高さ方向のどの位置でも、横張出部136に締結固定具S5で室内側からほぼ面直に固定することができる。
そして、他方の内壁パネル30の側縁部に対する締結固定具S5による固定位置を現場の状況に応じて最適に選択したり、各固定位置でのネジ込量を最適に調節したりする。これにより、互いに隣接する内壁パネル30の側縁部間の合わせ部分の段差調整を室内側から行うことができる。すなわち、縦長の横張出部136と内壁パネル30との間で、合わせ部分の段差に対する高さ方向の通り調整が自由にできるようになる。
しかも、縦長の横張出部136は、複数の横張出部36(分割横張出部)を、高さ方向に間隔を有して数カ所設けた場合よりも、段差調整できる位置が多くなり、決まった位置以外のどの位置でも自由に段差調整ができるので、きめ細かい段差調整が可能になる。
内壁パネル30の製造おいて、ネジ止めは1箇所あたり約5秒かかるのに対し、釘打ちは1箇所あたり約1秒で済むので、その分、内壁パネル30の製造時間短縮が得られ、内壁パネル30の製造効率を大幅に向上できる。しかも、内壁パネル30の組み立てを自動化することにより、ネジ止めから釘打ちに変えても、内壁パネル30の組み立て精度のバラ付きは抑えられるので、短時間かつ低コストに比較的精度の高い内壁パネル30が得られる。しかし、釘打ちだと、上記したように、内壁パネル30内でのネジ込量による段差調整ができなくなるので、釘打ちは内壁パネル30の製造にはこれまで採用されていなかった。
この実施例では、上記したように、高さ方向に連続する横張出部136を設けたことで、横張出部136と内壁パネル30との間で、高さ方向のどの位置に対しても、隣接する内壁パネル30の側縁部間の段差調整が可能となる。このように、内壁パネル30と横張出部136との間に新たな段差調整手段を確保したことで、内壁パネル30は、石膏ボード31とフレーム32との間の段差調整がいらなくなる。そのため、内壁パネル30を、ネジ止めではなく、フレーム32に石膏ボード31を釘打ちした段差調整のできないものに変えても支障がない。よって、その分、内壁パネル30は、製造効率が向上される。
そして、高さ方向に連続する横張出部136を設けた場合でも、隣接する内壁パネル30間の合わせ部分の段差の上下方向の通り調整は、内壁パネル30と横張出部136との間の必要な部分のみに対して行えばよいので、調整工数が必要以上に増えることがない。よって、段差に対する高さ方向の通り調整を効率的に行うことができ、隣接する内壁パネル30間に段差なくクロスを貼ることができる。高さ方向に連続する横張出部136は、上記した各実施例に用いることで、同様の作用効果が得られる。
また、建物ユニット10の上部に水平受材122を取り付け、内壁パネル30の下端部および側縁部に縁端部材135と横張出部136とを取り付けている。これにより、内壁パネル30の設置に使用する部材を増やすことなく、内壁の全体としての組み立て精度と製造効率を上げることができる。そして、隣接する内壁パネル30の側縁部間の合わせ部分の段差発生を、より効果的に抑制できる。さらに、建物ユニット10に外壁が取り付けられている状態であっても、外壁に妨げられることなく、内壁パネル30を取り付けることができる。
そして、内壁パネル30は、側縁部の高さ方向の中間部の1箇所の位置を建物ユニット10に固定してもよい。これにより、内壁パネル30の側縁部における、建物ユニット10に対して直接固定する部分を少なくすると共に、最小限必要な固定箇所を確保することができる。そのため、建物ユニット10に取り付けられた外壁からの影響を少なくできる。
内壁パネル30の側縁部は、間柱18に取り付けられた建物固定部43を介して締結固定具S9で建物ユニット10に固定される。間柱18には、外壁が取り付けられるので、内壁パネル30の側縁部の建物ユニット10(の建物固定部43)への固定箇所が多くなると、内壁パネル30は外壁からの影響を受け易くなる。よって、内壁パネル30の側縁部の建物ユニット10への固定箇所を1箇所に限定することで、外壁からの影響を最小限に抑えることができる。
反対に、建物ユニット10に対して内壁パネル30の側縁部を固定する箇所が全くないと、内壁パネル30は室内側へ膨らみ易くなる。内壁パネル30が室内側へ膨らむと、内壁パネル30の側縁部を、上下方向の全域に亘って真っ直ぐな状態に整えること、および、隣接する内壁パネル30間の側縁部の合わせ部分の段差をなくすための調整(通り調整)を行うことが難しくなる。
そこで、内壁パネル30の建物ユニット10への固定箇所を、内壁パネル30の側縁部の高さ方向の中間部に1箇所のみ設けることで、内壁パネル30は膨らみを効果的に矯正できる。そして、内壁パネル30の膨らみが矯正されることで、内壁パネル30の側縁部に対する通り調整を容易化して、工数を減らすと共に、コストダウンが得られる。
さらに、建物ユニット10(の建物固定部43)への固定箇所が、内壁パネル30の側縁部の高さ方向の1箇所になる。そのため、建物固定部43と横張出部136との間における、断熱材41が挟まり易い箇所を少なくでき、断熱材41の挟まりをなくすための作業を軽減できる。なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、本開示の内壁設置方法および内壁設置構造を実施例1~実施例4に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項にかかる発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や、各実施例の組み合わせ等は許容される。
(内壁連結工程の他の実施例)
実施例1では、内壁パネル30間の幅方向の連結用に、内壁パネル30とは別部材でできた複数の横張出部36を、フレーム32に取り付ける例を示した。また、実施例4では、内壁パネル30とは別部材の横張出部136を、高さ方向に連続して延びるものとして、フレーム32に取り付ける例を示した。しかし、図17に示すように、隣り合う2枚の内壁パネル30において、一方の内壁パネル30は、左縦フレーム132cを断面L字状に形成して、側方へ張り出す横張出部236としてもよい。横張出部236は、内壁パネル30と一体の取付補助部となる。この場合、他方の内壁パネル30は、右縦フレーム132dを断面L字状に切り欠いて、横張出部236を受ける切欠部を形成してもよい。これにより、横張出部236(および切欠部)は、内壁パネル30と一体になると共に、内壁パネル30の高さ方向の全域に亘って連続して延びるものとなる。この場合、内壁パネル30の製造がそのまま補助部形成工程となる。
そして、建物ユニット10の側面に一方の内壁パネル30を取り付けた後に、一方の内壁パネル30の隣に他方の内壁パネル30を設置する。このとき、一方の内壁パネル30の左縦フレーム132cに設けた横張出部236と、他方の内壁パネル30の右縦フレーム132dに設けた切欠部とを合致させる。この状態で、締結固定具S5を、他方の内壁パネル30に対し、室内側から室外側へ向けて、石膏ボード31と右縦フレーム132dを貫通して、横張出部236の内部に所定量以上入り込むようにほぼ面直に取り付ける。これにより、一方の内壁パネル30と他方の内壁パネル30とが幅方向に連結される。
(内壁連結工程の別の実施例)
また、図18に示すように、隣り合う2枚の内壁パネル30において、一方の内壁パネル30の左縦フレーム32cと、他方の内壁パネル30の右縦フレーム32dとを、それぞれ石膏ボード31の周縁部よりも内側にズラせて設けてもよい。この際、内壁パネル30は、フレーム32の幅寸法を石膏ボード31の幅寸法よりも小さく形成する。これにより、一方の内壁パネル30の石膏ボード31の縁部には、左縦フレーム32cから側方に突出する段差縁部31bが形成される。同様に、他方の内壁パネル30の石膏ボード31の縁部には、右縦フレーム32dから側方に突出する段差縁部31bが形成される。
そして、一方の内壁パネル30における、石膏ボード31の縁部の段差縁部31bの室外側の面(および左縦フレーム32cの外側面)に、左縦フレーム32cとは別部材でできた横張出部336を取り付けてもよい。横張出部336は、内壁パネル30に取り付けられる取付補助部である。横張出部336は、他方の内壁パネル30の段差縁部31bの分だけ、石膏ボード31から側方へ突出する大きさに形成される。横張出部336は、小片にして上下方向に間隔を有して複数設けてもよいし、横張出部136,236と同様に、内壁パネル30高さ方向の全域に亘って連続して延びるものとしてもよい。横張出部336は、締結固定具S4によって、一方の内壁パネル30の左縦フレーム32cに外側面側から内側面側へ向けてほぼ水平に取り付けられる。また、横張出部336は、締結固定具S4によって、室内側から石膏ボード31(の段差縁部31bの室外側の面)にほぼ面直に取り付けられる。フレーム32に横張出部336を取り付ける補助部形成工程は、内壁パネル30を製造する際に(内壁パネル製造工程で)行われる。
この場合、内壁連結工程では、建物ユニット10に一方の内壁パネル30を取り付けた後に、一方の内壁パネル30の隣に他方の内壁パネル30を設置する。このとき、一方の内壁パネル30の左縦フレーム32cに取り付けた横張出部336に、他方の内壁パネル30の段差縁部31bを当接させる。そして、締結固定具S5によって、一方の内壁パネル30に取り付けられた横張出部336に、他方の内壁パネル30を取り付けることで、一方の内壁パネル30と他方の内壁パネル30とを連結する。具体的には、他方の内壁パネル30の段差縁部31bの室外側の面に対し、締結固定具S5を、室内側から室外側に向けてほぼ面直に取り付ける。そして、締結固定具S5が、石膏ボード31を貫通して、横張出部336の内部に所定量以上入り込むことで、一方の内壁パネル30と他方の内壁パネル30とが幅方向に連結される。
(内壁連結工程のさらに別の実施例)
また、図19に示すように、隣り合う2枚の内壁パネル30について、一方の内壁パネル30の左縦フレーム32cと、他方の内壁パネル30の右縦フレーム32dとが、室内側に一部露出する(又は張出す)ように、石膏ボード31は、側縁部をフレーム32に対し内側へズレた状態で取り付ける。このフレーム32の露出した部分が上記した横張出部136などと同様に取付補助部として機能する。側縁部を張出させる、あるいは、露出させる分だけ、内壁パネル30は、フレーム32の幅寸法を石膏ボード31の幅寸法よりも大きく形成する。これにより、フレーム32の露出した部分は、内壁パネル30高さ方向の全域に亘って連続して形成される。この場合、内壁パネル30の製造がそのまま補助部形成工程となる。
そして、建物ユニット10に一方の内壁パネル30を取り付けた後に、一方の内壁パネル30の隣に他方の内壁パネル30を設置して露出した部分(横張出部)どうしを横に突き合わせる。次に、フレーム32の石膏ボード31の側縁部から露出した部分(横張出部)の間に跨るように、継ぎ足し材37を設置して、継ぎ足し材37をビスやネジなどの締結固定具S5によって、フレーム32の露出した部分にそれぞれ室内側から面直に取り付けてもよい。継ぎ足し材37は、露出した部分を合わせた間隔と同じ幅寸法と、石膏ボード31と同じ厚みと、内壁パネル30の高さと同じ長さを有する上下に細長い部材とされる。これにより、隣り合う2枚の内壁パネル30(の横張出部)どうしが、継ぎ足し材37を介して幅方向に連結されると共に、隣り合う2枚の内壁パネル30間の石膏ボード31の段差を、継ぎ足し材37で室内側から埋めて目立たなくすることができる。この場合には、2枚の内壁パネル30間の石膏ボード31の側縁部どうしは、直接突き合わされずに、継ぎ足し材37を介して離間され、継ぎ足し材37の両側縁部との間に、二箇所の合わせ部が形成される。
(内壁連結工程のさらにまた別の実施例)
図20~図26は、内壁連結工程のさらにまた別の実施例などを説明するものである。なお、この実施例の構造は、その他の全ての実施例に対しても同様に適用できるものである。
即ち、図20に示すように、内壁パネル30の側縁部に取り付けた横張出部36(横張出部136,236,336も含まれる。以下、横張出部36とのみ言う)の室内側に、隣接する内壁パネル30の側縁部を重ねて、室内側から締結する締結固定具S51は、胴部501の先端側と基端側にネジ部502,503を有すると共に、先端側と基端側のネジ部502,503の間に、ストレート部504を有するものとしてもよい。
この際、先端側のネジ部502は、胴部501の基端から内壁パネル30全体の厚み分の距離505を隔てた位置よりも先端側に形成される。
また、基端側のネジ部503は、胴部501の基端から内壁パネル30を構成する石膏ボード31の厚み分の距離506を越える位置までの範囲に形成される。
そして、中間のストレート部504は、胴部501の基端から石膏ボード31の厚み分の距離506を越えた位置から、内壁パネル30を構程成するフレーム32の厚み分の距離505を隔てた位置までの範囲に形成される。
ここで、締結固定具S51は、少なくとも、内壁パネル30の表面から横張出部36の厚さの半分を越える程度以上の長さとされる。好ましくは、締結固定具S51は、横張出部36の裏面側まで達する程度以上の長さとするのがよい。胴部501の基端は、締結固定具S51の頭部507のことである。先端側のネジ部502は、基端から距離505の位置よりも若干手前側から開始してもよい。基端側のネジ部503は、基端から距離506の位置を少なくとも2~3巻程度越えるように形成される。
これにより、締結固定具S51は、特殊ネジとなり、図21に示すように、室内側から締結固定具S51を正しい深さ(締結固定具S51の頭部507が、石膏ボード31の表面と面一となる位置)までねじ込んだときに、先端側のネジ部502が横張出部36に螺着され、中間のストレート部504が内壁パネル30のフレーム32内に貫入され、基端側のネジ部503が内壁パネル30の石膏ボード31およびフレーム32の手前側の一部に螺着されることになる。
そのため、締結固定具S51をねじ込むときに、締結固定具S51によって横張出部36などが押されて屋外側へ変形することで、横張出部36が内壁パネル30から一時的に離れたとしても、先端側のネジ部502が横張出部36にねじ込まれている間に、ストレート部504がフレーム32内で空回りして進まないことで、最終的に横張出部36が内壁パネル30に密着した状態に戻されるので、横張出部36と隣接する内壁パネル30の側縁部との間に隙間が生じて内壁パネル30の間に面段差が生じることを防止できる。よって、面段差の発生を防止するのに、横張出部36に、金属や硬質樹脂などの変形し難い部材を使用する必要がなくなり、木材、特に、比較的安価で強度がある合板の材積の少ないものを使用することができる。
これに対し、例えば、締結固定具S5に、一般的なJIS規格のネジを用いた場合には、締結固定具S5は、胴部の全長に亘ってネジ部分が連続して形成されているので、以下のような不具合を生じることになる。即ち、図22(a)に示すように、締結固定具S5をねじ込むときに、締結固定具S5によって横張出部36が押されて屋外側へ変形し、横張出部36が内壁パネル30から離れてしまうと、ネジ部の先端が横張出部36にねじ込まれている間にも、ネジ部の中間部分がフレーム32内部をそのまま進み続けることになる。すると、横張出部36が内壁パネル30から離れた状態のままで修正されないため、横張出部36と、隣接する内壁パネル30の側縁部(右縦フレーム32d)との間に隙間508が残ってしまい、最終的に、図22(b)に示すように、横張出部36の変形が復帰することで、隣接する内壁パネル30どうしの間に面段差509が生じるおそれがある。よって、中間にストレート部504を有する締結固定具S51を用いることで、このような内壁パネル30間の面段差509の発生を確実に防止できる。
また、先端側のネジ部502が横張出部36に螺着されたり横張出部36を突き抜けたりすることで、締結固定具S51は、単純な釘止めの場合よりも、面直方向の引き抜き力に対して強くなる(引き抜き耐力が大きくなる)。同時にまた、ストレート部504の全部または一部がフレーム32内で全周に亘って面接触されることで、締結固定具S51は、一般的なJIS規格のネジのようにネジ部分がフレーム32内で線接触される場合よりも、面方向の剪断力に対して強くなる(剪断耐力が大きくなる)ので、釘止めとネジ止めの両方の良いところを同時に得ることができる。よって、中間にストレート部504を有する締結固定具S51を用いることで、面方向と面直方向の両方に対する耐力を確保することができる。そのため、壁紙のよれや破れなども抑制することができる。
そして、締結固定具S51の基端側にネジ部503を設けることで、隣接する内壁パネル30を横張出部36に締結固定具S51で締結した後であっても、基端側のネジ部503の一部が、フレーム32に螺着されていることによって、締結固定具S51を逆回転すれば、締結固定具S51を僅かに引戻すことができるので、後からでも内壁パネル30間の面段差509の調整を行うことができるようになる。
これに対し、例えば、図24(a)に示すように、先端側のネジ部502と基端まで及ぶストレート部504aとの2つの部分を有して、基端側にネジ部503のない締結固定具S52を使用することもできる。しかし、この場合には、上記した締結固定具S51と同様に、内壁パネル30間の面段差509を防止する機能と、面方向と面直方向の両方に対して耐力を確保する機能とは得られるものの、例えば、図24(b)に示すように、締結固定具S51を内壁パネル30(の石膏ボード31に対し)深く打ち込み過ぎて、先端側のネジ部502が横張出部36などを完全に突き抜けてしまったような場合に、横張出部36および内壁パネル30に対してストレート部504のみが入っている状態となってしまい、ネジ部502が横張出部36および内壁パネル30のどちらにも引っ掛からなくなるため、締結固定具S52を進めることも戻すこともできなくなってしまう。そのため、締結固定具S52の締結作業を注意深く行う必要が生じると共に、後から内壁パネル30間の面段差509の調整を行うことができなくなる。よって、図25に示すように、ストレート部504よりも基端側にネジ部503を有する締結固定具S51を用いることで、締結固定具S52を深く打ち込み過ぎても基端側のネジ部503によって戻したり、先端側のネジ部502が再び引っ掛かるように戻したりできるため、締結作業を容易化すると共に、後から内壁パネル30間の面段差509の調整ができるようになるので、作業性を向上できて、より好ましいものとなる。
なお、上記した先端側と基端側のネジ部502,503の間に、ストレート部504を有する締結固定具S51と同様の特殊ネジは、この他の部分にも使用することができる。例えば、図4、図6などの内壁パネル30の上部や下部を水平受材21(水平受材22,121,122,222など)に固定する締結固定具S3を、図26に示すように、締結固定具S51と同様の、先端側と基端側のネジ部502,503の間にストレート部504を有する特殊ネジとすることで、上記と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記した各実施例の各構成は、適宜組み合わせて使用することができる。また、例えば、実施例1,2では、内壁パネル30の上部を建物ユニット10に取り付ける構造を示した。しかし、これらの構造は、内壁パネル30の下部を建物ユニット10に取り付ける構造に適用することができる。
実施例1,2では、内壁パネル30の上部を建物ユニット10に取り付ける取付構造を示し、実施例3では、内壁パネル30の下部を建物ユニット10に取り付ける取付構造を示した。しかし、これらの構造は、内壁パネル30の上部の取付構造にも、内壁パネル30の下部の取付構造にも適用することができ、さらには、組み合わせて適用することができる。
実施例1~実施例3では、水平受材22,122,222などを内壁パネル30の室外側に設ける例を示した。しかし、水平受材22,122,222は内壁パネル30の室内側に設けることもできる。
実施例1~実施例3では、内壁パネル30を建物ユニット10に対して、ビスやネジなどの締結固定具S3,S5,S8などによって取り付ける例を示した。しかし、内壁パネル30を建物ユニット10に対して、接着剤などによって取り付けることもできる。
1 ユニット建物
10 建物ユニット
11 柱
13 天井小梁(梁の一例)
14 床小梁(梁の一例)
16 床面材
17 天井面材
21 水平受材(取付補助部)
22 水平受材(取付補助部)
30 内壁パネル
31 石膏ボード
31a 突出部
32 フレーム
32a 上部横フレーム
32b 上部横フレーム
32c 左縦フレーム
32d 右縦フレーム
33 緩衝材
35 縁端部材(取付補助部)
36 横張出部(取付補助部)
43 建物固定部
121 水平受材(取付補助部)
122 水平受材(取付補助部)
135 縁端部材(取付補助部)
136 横張出部(取付補助部)
222 水平受材(取付補助部)
236 横張出部(取付補助部)
336 横張出部(取付補助部)
501 胴部
502 ネジ部
503 ネジ部
504 ストレート部
505 距離
506 距離
507 頭部

Claims (9)

  1. 外壁が取り付けられた建物ユニットに対し、前記外壁の室内側に内壁を設置する内壁設置方法であって、
    前記建物ユニット、又は、フレームに石膏ボードを取り付けて一体化した内壁パネルに対して、該内壁パネルの室内側からの設置を補助する取付補助部を設ける補助部形成工程と、
    前記取付補助部が設けられた前記建物ユニットに対して、前記内壁パネルを室内側から設置するか、又は、前記建物ユニットに対して、前記取付補助部が設けられた前記内壁パネルを室内側から設置する、内壁設置工程と、
    前記内壁パネルを前記建物ユニットに、前記取付補助部を介して室内側から締結する締結工程とを含む
    ことを特徴とする、内壁設置方法。
  2. 前記取付補助部は、前記建物ユニットの上面又は下面に設けられた梁に設置されている天井面材よりも下方に、又は、床面材よりも上方に突出して、前記建物ユニットに設けられた隣接する柱間に延在する水平受材とされ、
    前記補助部形成工程は、前記梁に対して前記水平受材を取り付ける水平受材取付工程とされ、
    前記内壁設置工程では、前記内壁パネルを、前記水平受材に室内側から当接させて設置し、
    前記締結工程では、前記内壁パネルと前記水平受材とを室内側から締結する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の内壁設置方法。
  3. 前記取付補助部は、前記内壁パネルから室内側へ突出する縁端部材とされ、
    前記補助部形成工程で、前記内壁パネルの製造時に、前記内壁パネルの上端又は下端に、前記縁端部材を取り付け、
    内壁設置工程では、前記内壁パネルを、前記縁端部材が前記建物ユニットの上面又は下面に設けられた梁に下側又は上側から当接した状態で室内側から設置し、
    前記締結工程では、前記梁と前記縁端部材とを室内側から上又は下へ向けて締結する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の内壁設置方法。
  4. 前記取付補助部は、前記建物ユニットの上面又は下面に設けられた梁に設置されている床面材よりも上方又は天井面材よりも下方に突出するように、前記建物ユニットに設けられた隣接する柱間に延在する水平受材とされ、
    補助部形成工程は、前記床面材又は前記天井面材に対して、前記水平受材を取り付ける水平受材取付工程とされ、
    前記内壁設置工程では、前記内壁パネルを、前記水平受材に室内側から当接させて設置し、
    前記締結工程では、前記内壁パネルと前記水平受材とを室内側から締結する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の内壁設置方法。
  5. 前記取付補助部は、前記建物ユニットの上面に設けられた梁に設置された天井面材よりも下方に突出して、前記建物ユニットに設けられた隣接する柱間に延在する水平受材、および、前記内壁パネルの下端から室内側へ突出する縁端部材とされ、
    前記補助部形成工程は、前記建物ユニットの上面の梁に対して前記水平受材を取り付ける水平受材取付工程、および、前記内壁パネルの製造時に、前記内壁パネルの下端に、前記縁端部材を取り付ける工程とされ、
    前記内壁設置工程では、前記内壁パネルの上端を、前記水平受材に室内側から当接させて設置すると共に、前記内壁パネルの下端を、前記縁端部材が前記建物ユニットの下面に設けられた梁に上側から当接した状態で室内側から設置し、
    前記締結工程では、前記内壁パネルと前記水平受材とを室内側から締結すると共に、前記梁と前記縁端部材とを室内側から上又は下へ向けて締結する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の内壁設置方法。
  6. 外壁が取り付けられた建物ユニットに対し、前記外壁の室内側に内壁を設置する内壁設置構造であって、
    前記建物ユニットの上面に設けられた梁に対し、前記梁に設置されている天井面材よりも下方に突出して、前記建物ユニットに設けられた隣接する柱間に延在する水平受材が取り付けられ、
    フレームに石膏ボードを取り付けて一体化した内壁パネルの下端部に対し、室内側に突出する縁端部材が取り付けられている
    ことを特徴とする内壁設置構造。
  7. 外壁が取り付けられた建物ユニットに対し、前記外壁の室内側に内壁パネルを隣接させて設置する内壁設置構造であって、
    フレームに石膏ボードを取り付けて一体化した前記内壁パネルの側縁部に、隣接する前記内壁パネルに向かって幅方向に突出する横張出部が取り付けられ、
    該横張出部は、前記内壁パネルの高さ方向に連続して延びている
    ことを特徴とする内壁設置構造。
  8. 前記建物ユニットに、前記横張出部の、前記高さ方向の中間部の1箇所の位置を固定する建物固定部が取り付けられている
    ことを特徴とする、請求項7に記載の内壁設置構造。
  9. 前記内壁パネルの側縁部に取り付けた横張出部の室内側に、隣接する前記内壁パネルの側縁部を重ねて、室内側から締結する締結固定具は、胴部の先端側と基端側にネジ部を有すると共に、先端側と基端側の前記ネジ部の間に、ストレート部を有しており、
    先端側の前記ネジ部は、前記胴部の基端から前記内壁パネル全体の厚み分の距離を隔てた位置よりも先端側に形成され、
    基端側の前記ネジ部は、前記胴部の基端から前記内壁パネルを構成する前記石膏ボードの厚み分の距離を越える位置までの範囲に形成され、
    中間の前記ストレート部は、前記胴部の基端から前記石膏ボードの厚み分の距離を越えた位置から、前記内壁パネルを構成する前記フレームの厚み分の距離を隔てた位置までの範囲に形成される
    ことを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の内壁設置構造。
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